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JP2827059B2 - フッ素化ポリアミド酸、フッ素化ポリイミド及びそれらの製造方法 - Google Patents

フッ素化ポリアミド酸、フッ素化ポリイミド及びそれらの製造方法

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JP2827059B2
JP2827059B2 JP10651691A JP10651691A JP2827059B2 JP 2827059 B2 JP2827059 B2 JP 2827059B2 JP 10651691 A JP10651691 A JP 10651691A JP 10651691 A JP10651691 A JP 10651691A JP 2827059 B2 JP2827059 B2 JP 2827059B2
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JP
Japan
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bis
fluorinated
formula
polyimide film
trifluoromethyl
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JP10651691A
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松浦  徹
慎治 安藤
重邦 佐々木
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Publication date
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はC−H結合の少ないフッ
素化ポリイミドに関し、特に光電子集積回路(OEI
C)における光導波路の光学材料として使用可能な低光
損失率ポリイミドに関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチック材料は、無機系の材料に比
べて軽量であり、耐衝撃性、加工性に優れ、取扱いが容
易であるなどの優れた特徴を有しているため、これまで
も光ファイバーや光ディスク用基板、光学用レンズなど
様々な光学用途に用いられてきた。中でもプラスチック
をOEICにおける光導波路など、近赤外域(波長=
0.8〜2.5μm)での光学材料として用いる場合、
無機系の材料と比較してまず問題となるのは大きな光損
失である。プラスチックにおける損失原因には大きく分
けて光の散乱と光の吸収の2つがあるが、光通信に用い
られる波長が今後、長波長域へ移る(0.85μmから
1.3μm〜1.5μmへ)に従って、後者の原因、つ
まり分子構造に本質的な振動吸収による損失が支配的と
なり、プラスチック光学材料の光導波特性に大きな制約
をもたらすものと考えられる。特にPMMAやPSのよ
うに、分子鎖内に炭素−水素結合(C−H結合)を有す
るものは高調波の吸収強度が減衰しにくいこともあっ
て、近赤外域での光損失は大きなものとなっている。こ
のC−H結合に起因する高調波を小さくしかつ長波長側
へシフトさせるためには、分子鎖内の水素を重水素
(D)あるいはフッ素(F)で置換することが提案され
ており、PMMAやPS中の水素を重水素あるいはフッ
素で置換した材料については具体的な検討が既になされ
ている〔例えば戒能俊邦、アプライド フィジクス レ
ターズ(Appl. Phys.Lett.)第48巻、第757頁(1
986年)参照〕。しかし、これらのプラスチック光学
材料は、例えば基板上でのOEIC作製に必要な耐熱性
(260℃)を持たないため、光電子集積回路等に適用
するには種々の工程上の工夫が必要となる。一方、ポリ
イミド樹脂はプラスチックの中で最も耐熱性の優れたも
のの一つとして知られており、光学材料への適用も最近
検討(IBM、ハネウェル、NTT)され始めている。
しかしこれまでに検討されたすべてのポリイミドは分子
鎖中にフェニル基のC−H結合を多数有するため、C−
H結合の伸縮振動の高調波あるいはC−H結合の伸縮振
動の高調波と変角振動の結合音が現れ、近赤外域には大
きな吸収損失が存在している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】すなわち近赤外域での
OEIC用光学材料として用いるプラスチック材料に
は、耐熱性の不足とC−H結合の存在に基づく大きな光
損失という問題があった。本発明はこのような現状にか
んがみてなされたものであり、その目的は光電子集積回
路を作製するのに十分な耐熱性があり、近赤外域におい
て光透過損失の少ないプラスチック光学材料を提供する
ことにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明の第1の発明はフッ素化ポリイミドに関する発明で
あって、下記一般式(化1):
【化1】 (式中XはO又はSを、Rは少なくとも1個の水素を含
有する4価の有機基を示す)で表される繰返し単位を含
有することを特徴とする。また、本発明の第2の発明
は、第1の発明のフッ素化ポリイミドの製造方法に関す
る発明であって、下記一般式(化2):
【化2】 (式中XはO又はSを示す)で表されるジアミンと、下
記一般式(化3):
【化3】 (式中Rは少なくとも1個の水素を含有する4価の有機
基を示す)で表されるテトラカルボン酸二無水物、又は
そのテトラカルボン酸、若しくはその反応性誘導体とを
反応させ、得られる相当するフッ素化ポリアミド酸を閉
環させることを特徴とする。また、本発明の第3の発明
は、フッ素化ポリアミド酸に関する発明であって、下記
一般式(化4):
【化4】 (式中XはO又はSを、Rは少なくとも1個の水素を含
有する4価の有機基を示す)で表される繰返し単位を含
有することを特徴とする。そして、本発明の第4の発明
は、第3の発明のフッ素化ポリアミド酸の製造方法に関
する発明であって、一般式(化2)で表されるジアミン
と、一般式(化3)で表されるテトラカルボン酸二無水
物、又はそのテトラカルボン酸、若しくはその反応性誘
導体とを反応させることを特徴とする。
【0005】本発明者らは、種々の既存のポリイミド及
びポリイミド光学材料について、その赤外域、近赤外域
の吸収スペクトルを測定し、近赤外域での光損失を算出
すると共に、その原因について鋭意検討した。その結
果、近赤外域で大きな光損失を引起こす原因の第1は、
アルキル基やフェニル環等におけるC−H結合の伸縮振
動の高調波吸収、及びC−H結合の伸縮振動の高調波と
変角振動の結合音による吸収であることが明らかとなっ
た。
【0006】本発明のフッ素化ポリイミドは原料のジア
ミン成分のフェニル環の炭素に結合するすべての1価元
素をフッ素とし、繰返し単位内にC−H結合を持たない
構造とすることによって、近赤外域での最大の光損失原
因であるC−H結合に基づく振動吸収を小さくし、また
イミド結合を主鎖構造に導入してポリイミドとすること
によって、光電子集積回路を作製する上での十分な耐熱
性(260℃以上)を持たせることができる。本発明の
フッ素化ポリイミドを製造する時に使用する酸無水物、
テトラカルボン酸並びにその反応性誘導体としての酸塩
化物、エステル等としては次のようなものが挙げられ
る。ここではテトラカルボン酸としての例を挙げると
(トリフルオロメチル)ピロメリット酸、ペンタフルオ
ロエチルピロメリット酸、ビス{3,5−ジ(トリフル
オロメチル)フェノキシ}ピロメリット酸、2,3,
3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3′,
4,4′−テトラカルボキシジフェニルエーテル、2,
3′,3,4′−テトラカルボキシジフェニルエーテ
ル、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸、2,3,6,7−テトラカルボキシナフタレン、
1,4,5,7−テトラカルボキシナフタレン、1,
4,5,6−テトラカルボキシナフタレン、3,3′,
4,4′−テトラカルボキシジフェニルメタン、3,
3′,4,4′−テトラカルボキシジフェニルスルホ
ン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プ
ロパン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン、5,5′−ビス(トリフ
ルオロメチル)−3,3′,4,4′−テトラカルボキ
シビフェニル、2,2′,5,5′−テトラキス(トリ
フルオロメチル)−3,3′,4,4′−テトラカルボ
キシビフェニル、5,5′−ビス(トリフルオロメチ
ル)−3,3′,4,4′−テトラカルボキシジフェニ
ルエーテル、5,5′−ビス(トリフルオロメチル)−
3,3′,4,4′−テトラカルボキシベンゾフェノ
ン、ビス{(トリフルオロメチル)ジカルボキシフェノ
キシ}ベンゼン、ビス{(トリフルオロメチル)ジカル
ボキシフェノキシ}(トリフルオロメチル)ベンゼン、
ビス(ジカルボキシフェノキシ)(トリフルオロメチ
ル)ベンゼン、ビス(ジカルボキシフェノキシ)ビス
(トリフルオロメチル)ベンゼン、ビス(ジカルボキシ
フェノキシ)テトラキス(トリフルオロメチル)ベンゼ
ン、3,4,9,10−テトラカルボキシペリレン、
2,2−ビス{4−(3,4−ジカルボキシフェノキ
シ)フェニル}プロパン、ブタンテトラカルボン酸、シ
クロペンタンテトラカルボン酸、2,2−ビス{4−
(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル}ヘキサ
フルオロプロパン、ビス{(トリフルオロメチル)ジカ
ルボキシフェノキシ}ビフェニル、ビス{(トリフルオ
ロメチル)ジカルボキシフェノキシ}ビス(トリフルオ
ロメチル)ビフェニル、ビス{(トリフルオロメチル)
ジカルボキシフェノキシ}ジフェニルエーテル、ビス
(ジカルボキシフェノキシ)ビス(トリフルオロメチ
ル)ビフェニル、ヘキサフルオロ−3,3′,4,4′
−オキシビスフタル酸、1,3−ビス(3,4−ジカル
ボキシフェニル)テトラメチルジシロキサン、ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン等が
挙げられる。なお、本発明においては、上記した各カル
ボン酸以外に、例えば、ジフルオロピロメリット酸、ジ
(トリフルオロメチル)ピロメリット酸、ジ(ヘプタフ
ルオロプロピル)ピロメリット酸、ヘキサフルオロ−
3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸、ヘ
キサフルオロ−3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシ
トリフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼンのよ
うなカルボキシル基以外に、水素を含有しないテトラカ
ルボン酸類を併用してもよい。これらの中でピロメリッ
ト酸二無水物のベンゼン環にフルオロアルキル基を導入
した含フッ素酸二無水物であるトリフルオロメチルピロ
メリット酸二無水物、1,4−ジ(トリフルオロメチ
ル)ピロメリット酸二無水物、1,4−ジ(ペンタフル
オロエチル)ピロメリット酸二無水物等の製造方法は特
願昭63−165056号明細書に記載されている。
【0007】本発明のポリアミド酸の製造方法は、通常
のポリアミド酸の製造条件と同じでよく、一般的にはN
−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトア
ミド(DMAc)、N,N−ジメチルホルムアミドなど
の極性有機溶媒中で反応させる。本発明においてはジア
ミンまたテトラカルボン酸成分とも単一化合物で用いる
ばかりではなく、複数のジアミン、テトラカルボン酸成
分を混合して用いる場合がある。その場合は、複数又は
単一のジアミンのモル数の合計と複数又は単一のテトラ
カルボン酸成分のモル数の合計が等しいかほぼ等しくな
るようにする。
【0008】ジアミンを複数の混合物として用いる場合
に、本発明で使用するジアミン〔一般式(化2)〕以外
に併用できるジアミンの例を挙げると、m−フェニレン
ジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,4−ジアミ
ノキシレン、2,4−ジアミノデュレン、4−(1H,
1H,11H−エイコサフルオロウンデカノキシ)−
1,3−ジアミノベンゼン、4−(1H,1H−パーフ
ルオロ−1−ブタノキシ)−1,3−ジアミノベンゼ
ン、4−(1H,1H−パーフルオロ−1−ヘプタノキ
シ)−1,3−ジアミノベンゼン、4−(1H,1H−
パーフルオロ−1−オクタノキシ)−1,3−ジアミノ
ベンゼン、4−ペンタフルオロフェノキシ−1,3−ジ
アミノベンゼン、4−(2,3,5,6−テトラフルオ
ロフェノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、4−(4
−フルオロフェノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、
4−(1H,1H,2H,2H−パーフルオロ−1−ヘ
キサノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン、4−(1
H,1H,2H,2H−パーフルオロ−1−ドデカノキ
シ)−1,3−ジアミノベンゼン、p−フェニレンジア
ミン、2,5−ジアミノトルエン、2,3,5,6−テ
トラメチル−p−フェニレンジアミン、2,5−ジアミ
ノベンゾトリフルオライド、ビス(トリフルオロメチ
ル)フェニレンジアミン、ジアミノテトラ(トリフルオ
ロメチル)ベンゼン、ジアミノ(ペンタフルオロエチ
ル)ベンゼン、2,5−ジアミノ(パーフルオロヘキシ
ル)ベンゼン、2,5−ジアミノ(パーフルオロブチ
ル)ベンゼン、ベンジジン、2,2′−ジメチルベンジ
ジン、3,3′−ジメチルベンジジン、3,3′−ジメ
トキシベンジジン、2,2′−ジメトキシベンジジン、
3,3′,5,5′−テトラメチルベンジジン、3,
3′−ジアセチルベンジジン、2,2′−ビス(トリフ
ルオロメチル)−4,4′−ジアミノビフェニル、オク
タフルオロベンジジン、3,3′−ビス(トリフルオロ
メチル)−4,4′−ジアミノビフェニル、4,4′−
ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフ
ェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルスルホ
ン、2,2−ビス(p−アミノフェニル)プロパン、
3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジフェニルエ
ーテル、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジフ
ェニルメタン、1,2−ビス(アニリノ)エタン、2,
2−ビス(p−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、1,3−ビス(アニリノ)ヘキサフルオロプロパ
ン、1,4−ビス(アニリノ)オクタフルオロブタン、
1,5−ビス(アニリノ)デカフルオロペンタン、1,
7−ビス(アニリノ)テトラデカフルオロヘプタン、
2,2′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジ
アミノジフェニルエーテル、3,3′−ビス(トリフル
オロメチル)−4,4′−ジアミノジフェニルエーテ
ル、3,3′,5,5′−テトラキス(トリフルオロメ
チル)−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,
3′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミ
ノベンゾフェノン、4,4′′−ジアミノ−p−テルフ
ェニル、1,4−ビス(p−アミノフェニル)ベンゼ
ン、p−ビス(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフ
ェノキシ)ベンゼン、ビス(アミノフェノキシ)ビス
(トリフルオロメチル)ベンゼン、ビス(アミノフェノ
キシ)テトラキス(トリフルオロメチル)ベンゼン、
4,4′′′−ジアミノ−p−クオーターフェニル、
4,4′−ビス(p−アミノフェノキシ)ビフェニル、
2,2−ビス{4−(p−アミノフェノキシ)フェニ
ル}プロパン、4,4′−ビス(3−アミノフェノキシ
フェニル)ジフェニルスルホン、2,2−ビス{4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプ
ロパン、2,2−ビス{4−(3−アミノフェノキシ)
フェニル}ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス{4
−(2−アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロ
プロパン、2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキ
シ)−3,5−ジメチルフェニル}ヘキサフルオロプロ
パン、2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)−
3,5−ジトリフルオロメチルフェニル}ヘキサフルオ
ロプロパン、4,4′−ビス(4−アミノ−2−トリフ
ルオロメチルフェノキシ)ビフェニル、4,4′−ビス
(4−アミノ−3−トリフルオロメチルフェノキシ)ビ
フェニル、4,4′−ビス(4−アミノ−2−トリフル
オロメチルフェノキシ)ジフェニルスルホン、4,4′
−ビス(3−アミノ−5−トリフルオロメチルフェノキ
シ)ジフェニルスルホン、2,2−ビス{4−(4−ア
ミノ−3−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル}
ヘキサフルオロプロパン、ビス{(トリフルオロメチ
ル)アミノフェノキシ}ビフェニル、ビス〔{(トリフ
ルオロメチル)アミノフェノキシ}フェニル〕ヘキサフ
ルオロプロパン、ジアミノアントラキノン、1,5−ジ
アミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、ビス
{2−〔(アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオ
ロイソプロピルベンゼン、1,3−ビス(3−アミノプ
ロピル)テトラメチルジシロキサン、1,4−ビス(3
−アミノプロピルジメチルシリル)ベンゼン、ビス(4
−アミノフェニル)ジエチルシラン等がある。
【0009】前述のポリアミド酸などの重合溶液におい
て、その溶液の濃度は5〜40重量%(10〜25重量
%であることが好ましい)、また前記ポリマー溶液の回
転粘度(25℃)は、50〜5000ポアズであること
が好適である。
【0010】本発明の低光損失率フッ素化ポリイミドの
フィルム製造法としては、通常のポリイミドの製造法が
使用できる。例えばポリアミド酸溶液を、アルミ板上に
スピンコートし、窒素雰囲気下で70℃から200℃ま
で段階的に加熱(70℃2時間、160℃1時間、25
0℃30分、350℃1時間)し、イミド化する。その
後、このアルミ板を10%塩酸に浸し、アルミ板を溶解
してポリイミドフィルムを得ることができる。
【0011】
【実施例】以下、実施例により本発明のフッ素化ポリア
ミド酸及びフッ素化ポリイミドについて詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。下記各例中、イミド化の確認は赤外吸収スペクトル
におけるカルボニル基の対称、及び非対称伸縮振動によ
る特性吸収から行った。また、光透過性は紫外−可視吸
収スペクトルを測定することで行った。
【0012】実施例1 三角フラスコに下記構造式(化5)で示されるビス
(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−アミノフェニ
ル)エーテル:
【化5】 6.883g(20.00mmol)と下記構造式(化
6)で示される2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物:
【化6】 8.885g(20.00mmol)、及びDMAc8
9gを入れた。これを室温、乾燥窒素気流中で48時間
かくはんし、ポリアミド酸のDMAc溶液を得た。これ
をシリコンウェハにキャストし、オーブン中で70℃2
時間、160℃1時間、250℃30分、350℃1時
間加熱イミド化を行った。この試料を10%塩酸水溶液
に浸し、アルミ板を溶解してポリイミドフィルムを得
た。このポリイミドフィルムの赤外吸収スペクトルを測
定するとイミド基に特有の吸収が、1785cm-1に現
れ、イミド化が完全に進行したことが確認できた。この
ポリイミドフィルムの波長0.8〜1.7μmの範囲で
の光の吸収を測定したところ、図1に示すとおり、以下
に示す比較例1で作製した従来のポリイミドフィルムに
比べて小さかった。すなわち、図1の実線は実施例1の
フッ素化ポリイミド、破線は比較例1のポリイミドにお
ける、それぞれ光の吸光度の波長依存性を示すグラフで
ある。図中、縦軸は吸光度(任意単位)、横軸は波長
(μm)を示す。
【0013】実施例2 三角フラスコにビス(2,3,5,6−テトラフルオロ
−4−アミノフェニル)エーテル6.883g(20.
00mmol)と下記構造式(化7)で示されるピロメ
リット酸二無水物:
【化7】 4.362g(20.00mmol)、及びDMAc6
4gを入れた。これを実施例1と同様の方法によりポリ
イミドフィルムを得た。このポリイミドフィルムの波長
0.8〜1.7μmの範囲での光の吸収は以下に示す比
較例2で作製した従来のポリイミドフィルムに比べて小
さかった。
【0014】実施例3 三角フラスコにビス(2,3,5,6−テトラフルオロ
−4−アミノフェニル)エーテル6.883g(20.
00mmol)と下記構造式(化8)で示されるビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物:
【化8】 5.884g(20.00mmol)、及びDMAc7
2gを入れた。これを実施例1と同様の方法によりポリ
イミドフィルムを得た。このポリイミドフィルムの波長
0.8〜1.7μmの範囲での光の吸収は以下に示す比
較例3で作製した従来のポリイミドフィルムに比べて小
さかった。
【0015】実施例4 三角フラスコにビス(2,3,5,6−テトラフルオロ
−4−アミノフェニル)エーテル6.883g(20.
00mmol)と下記構造式(化9)で示されるベンゾ
フェノンテトラカルボン酸二無水物:
【化9】 6.445g(20.00mmol)、及びDMAc7
6gを入れた。これを実施例1と同様の方法によりポリ
イミドフィルムを得た。このポリイミドフィルムの波長
0.8〜1.7μmの範囲での光の吸収は以下に示す比
較例4で作製した従来のポリイミドフィルムに比べて小
さかった。
【0016】実施例5 三角フラスコに下記構造式(化10)で示されるビス
(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−アミノフェニ
ル)スルフィド
【化10】 7.205g(20.00mmol)と2,2−ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロ
パン二無水物8.885g(20.00mmol)、及
びDMAc91gを入れた。これを実施例1と同様の方
法によりポリイミドフィルムを得た。このポリイミドフ
ィルムの波長0.8〜1.7μmの範囲での光の吸収は
以下に示す比較例5で作製した従来のポリイミドフィル
ムに比べて小さかった。
【0017】実施例6 三角フラスコにビス(2,3,5,6−テトラフルオロ
−4−アミノフェニル)スルフィド7.205g(2
0.00mmol)とピロメリット酸二無水物4.36
2g(20.00mmol)、及びDMAc66gを入
れた。これを実施例1と同様の方法によりポリイミドフ
ィルムを得た。このポリイミドフィルムの波長0.8〜
1.7μmの範囲での光の吸収は以下に示す比較例6で
作製した従来のポリイミドフィルムに比べて小さかっ
た。
【0018】実施例7 三角フラスコにビス(2,3,5,6−テトラフルオロ
−4−アミノフェニル)スルフィド7.205g(2
0.00mmol)とビフェニルテトラカルボン酸二無
水物5.884g(20.00mmol)、及びDMA
c35gを入れた。これを実施例1と同様の方法により
ポリイミドフィルムを得た。このポリイミドフィルムの
波長0.8〜1.7μmの範囲での光の吸収は以下に示
す比較例7で作製した従来のポリイミドフィルムに比べ
て小さかった。
【0019】実施例7 三角フラスコにビス(2,3,5,6−テトラフルオロ
−4−アミノフェニル)スルフィド7.205g(2
0.00mmol)とベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物6.445g(20.00mmol)、及びD
MAc77gを入れた。これを実施例1と同様の方法に
よりポリイミドフィルムを得た。このポリイミドフィル
ムの波長0.8〜1.7μmの範囲での光の吸収は以下
に示す比較例8で作製した従来のポリイミドフィルムに
比べて小さかった。
【0020】比較例1 三角フラスコに下記構造式(化11)で示される4,
4′−ジアミノジフェニルエーテル:
【化11】 4.0048g(20.00mmol)と2,2−ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロ
パン二無水物8.885g(20.00mmol)、及
びDMAc73gを入れた。これを実施例1と同様の方
法によりポリイミドフィルムを得た。このポリイミドフ
ィルムの波長0.8〜1.7μmの範囲での光の吸収ス
ペクトルを測定したところ、図1の破線で示したとお
り、1.1μm付近にC−H結合の伸縮振動の3倍音に
よる吸収が、また1.4μm付近には、C−H結合の伸
縮振動の高調波と変角振動の結合音による吸収が、また
1.65μm付近にはC−H結合の伸縮振動の2倍音に
起因する吸収が現れた。
【0021】比較例2 三角フラスコに4,4′−ジアミノジフェニルエーテル
4.0048g(20.00mmol)とピロメリット
酸二無水物4.362g(20.00mmol)、及び
DMAc47gを入れた。これを実施例1と同様の方法
によりポリイミドフィルムを得た。このポリイミドフィ
ルムの波長0.8〜1.7μmの範囲での光の吸収スペ
クトルを測定したところ比較例1の吸収スペクトルとほ
ぼ同様の吸収が現れた。
【0022】 比較例3三角フラスコに4,4′−ジアミノジフェニル
エーテル4.0048g(20.00mmol)とビフ
ェニルテトラカルボン酸二無水物5.884g(20.
00mmol)、及びDMAc56gを入れた。これを
実施例1と同様の方法によりポリイミドフィルムを得
た。このポリイミドフィルムの波長0.8〜1.7μm
の範囲での光の吸収スペクトルを測定したところ、比較
例1の吸収スペクトルとほぼ同様の吸収が現れた。
【0023】比較例4 三角フラスコに4,4′−ジアミノジフェニルエーテル
4.0048g(20.00mmol)とベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸二無水物6.445g(20.00
mmol)、及びDMAc59gを入れた。これを実施
例1と同様の方法によりポリイミドフィルムを得た。こ
のポリイミドフィルムの波長0.8〜1.7μmの範囲
での光の吸収スペクトルを測定したところ、比較例1の
吸収スペクトルとほぼ同様の吸収が現れた。
【0024】比較例5 三角フラスコに下記構造式(化12)で示される4,
4′−ジアミノジフェニルスルフィド:
【化12】 4.3260g(20.00mmol)と2,2−ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロ
パン二無水物8.885gと(20.00mmol)、
及びDMAc75gを入れた。これを実施例1と同様の
方法によりポリイミドフィルムを得た。このポリイミド
フィルムの波長0.8〜1.7μmの範囲での光の吸収
スペクトルを測定したところ、比較例1の吸収スペクト
ルとほぼ同様の吸収が現れた。
【0025】比較例6 三角フラスコに4,4′−ジアミノジフェニルスルフィ
ド4.3260g(20.00mmol)とピロメリッ
ト酸二無水物4.362g(20.00mmol)、及
びDMAc49gを入れた。これを実施例1と同様の方
法によりポリイミドフィルムを得た。このポリイミドフ
ィルムの波長0.8〜1.7μmの範囲での光の吸収ス
ペクトルを測定したところ、比較例1の吸収スペクトル
とほぼ同様の吸収が現れた。
【0026】比較例7 三角フラスコに4,4′−ジアミノジフェニルスルフィ
ド4.3260g(20.00mmol)とビフェニル
テトラカルボン酸二無水物5.884g(20.00m
mol)、及びDMAc58gを入れた。これを実施例
1と同様の方法によりポリイミドフィルムを得た。この
ポリイミドフィルムの波長0.8〜1.7μmの範囲で
の光の吸収スペクトルを測定したところ、比較例1の吸
収スペクトルとほぼ同様の吸収が現れた。
【0027】比較例8 三角フラスコに4,4′−ジアミノジフェニルスルフィ
ド4.3260g(20.00mmol)とベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸二無水物6.445g(20.0
0mmol)、及びDMAc61gを入れた。これを実
施例1と同様の方法によりポリイミドフィルムを得た。
このポリイミドフィルムの波長0.8〜1.7μmの範
囲での光の吸収スペクトルを測定したところ、比較例1
の吸収スペクトルとほぼ同様の吸収が現れた。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば新
規なフッ素化ポリアミド酸及びフッ素化ポリイミドが提
供され、該フッ素化ポリイミドは従来のものとは異なっ
て近赤外領域での光透過性が優れ、光通信用光学材料と
して有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実線は実施例1のフッ素化ポリイミド、破線は
比較例1のポリイミドにおける、それぞれ光の吸光度の
波長依存性を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 73/10 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(化1): 【化1】 (式中XはO又はSを、Rは少なくとも1個の水素を含
    有する4価の有機基を示す)で表される繰返し単位を含
    有することを特徴とするフッ素化ポリイミド。
  2. 【請求項2】 下記一般式(化2): 【化2】 (式中XはO又はSを示す)で表されるジアミンと、下
    記一般式(化3): 【化3】 (式中Rは少なくとも1個の水素を含有する4価の有機
    基を示す)で表されるテトラカルボン酸二無水物、又は
    そのテトラカルボン酸、若しくはその反応性誘導体とを
    反応させ、得られる相当するフッ素化ポリアミド酸を閉
    環させることを特徴とする請求項1に記載のフッ素化ポ
    リイミドの製造方法。
  3. 【請求項3】 下記一般式(化4): 【化4】 (式中XはO又はSを、Rは少なくとも1個の水素を含
    有する4価の有機基を示す)で表される繰返し単位を含
    有することを特徴とするフッ素化ポリアミド酸。
  4. 【請求項4】 一般式(化2)で表されるジアミンと、
    一般式(化3)で表されるテトラカルボン酸二無水物、
    又はそのテトラカルボン酸、若しくはその反応性誘導体
    とを反応させることを特徴とする請求項3に記載のフッ
    素化ポリアミド酸の製造方法。
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