JP2795343B2 - テレビジヨン信号伝送方式 - Google Patents
テレビジヨン信号伝送方式Info
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Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は、テレビジョン信号伝送、又はテレビジョン
信号記録において、テレビジョン方式から与えられる所
要伝送帯域幅よりも、帯域の狭い伝送路や記録装置に、
全帯域のテレビ信号を伝送、あるいは記録する方式に係
り、特に、いわゆるVHS方式−VTR等の小型安価なVTRを
利用する監視テレビ記録に適するテレビ信号伝送、また
は記録方式に関するものである。 〔従来の技術〕 テレビ信号は4MHz以上の信号帯域を有し、その記録に
も同じ帯域を必要とする事は言うまでもないが、小型安
価なVTR、例えばVHS方式−VTR等は、NTSC方式テレビ信
号をY,C分離した上、Y信号を約2MHz迄平坦、3MHzでは
かなりレスボンス低下(10dB以上)する輝度チャンネル
と、搬送色度信号を約±500kHzを通す事ができる色度チ
ャンネルから構成されており、この程度のVTRを監視テ
レビの記録に利用しているが、帯域、特に輝度信号帯域
が十分でない。 監視記録には、一般にタイムラプスVTRと称する監視
用に特に工夫されVTRが使われているが、信号系は前述
のVHS方式−VTRの信号系が殆どそのまま使われており、
解像度はほぼ同じである。 〔解決しようとする問題点〕 上述の様に、折角4.2〜4.5MHzの分解力をもったテレ
ビ信号であっても、VTR記録により解像度は約半分に落
ちてしまうため、保安監視記録などに於て、折角犯人が
カメラで撮像され、VTRに記録されていても、解像度不
足のために犯人の顔が特定できない場合が多い。 本発明の目的は、VHS方式−VTRを使用しても、信号そ
のものを加工変形する事により、4.5MHzあるいはそれ以
上の解像度を得る方式を提供して、監視記録などの解像
度を倍増することにある。 〔問題点を解決するための手段〕 上記の目的を達成するために本発明は、任意の自然数
nに関して、伝送されるべきテレビ信号をnチャンネル
に、n分の1のサブサンプルにて分割し、分割された各
々を、フレーム順次で伝送するものである。 すなわち、本発明のテレビジョン信号伝送方式は下記
の各手段を備えて構成した。 伝送すべきテレビジョン信号を、その上限周波数の
2倍又はそれ以上の周波数でサンプルするソースサンプ
リング手段。 上記ソースサンプリング手段の出力サンプル列の連
続した複数個のサンプルの各々に関して、これを複数分
の1にサブサンプルし、複数のチャンネルの信号に分割
するサブサンプリング手段。 上記サブサンプリング手段の複数の出力は、時間軸
上に並べ変えて、テレビジョン走査方式の走査周期毎に
時分割にてチャンネル別に伝送する手段。 上記ソースサンプリングの位相を、サブサンプルさ
れた結果からPLL位相情報を得て制御する手段。 一般に監視記録はタイムラプスVTRの様に、駒落し記
録しており、完全動画の記録を必要としない。この様な
場合は、記録すべき入力信号の1フレームを2フレーム
に分割して帯域を2分の1に落して記録、後でこれを合
成して元の広帯域信号を復元し、復元された広帯域のフ
レームを2回繰り返し送り出すことにより、動きに関し
て、毎秒15枚分の情報しか記録出来なくてもまったく問
題がない。 また、サブサンプルされた信号をアナログ伝送する方
式においては、当業者の間で周知の様に、受信端でのリ
サンプリング位相を、送信側のサブサンプリング位相と
全く同位相にする事が要求されるが、本発明は、特にこ
の点にも簡単で効果的な新たな方式を提供するものであ
る。 〔作用〕 本発明によると、駒落ししながら、NTSCテレビ信号を
Y,C分離することなく、VHS−VTR等の輝度チャンネルだ
けを用いて、全帯域、記録再生出来るので、動きのスム
ーズさをさほど要求しない応用、例えば監視記録等にお
いて、精細度のすぐれた、安価な記録装置を提供する事
になり、その実用的効果は極めて大である。 また、走査線数が1000本以上のいわゆる高品位テレビ
信号をも、駒落し方式ながら記録再生できるため、静止
画とハイファイ音楽を主体とした、いわゆる「バックグ
ラウンドピクチャー」等を極めて安価に提供することに
もなる。 〔実施例〕 以下、本発明の実施例を、図面を用いて詳細に説明す
る。 第3図は、本発明の信号サンプリング説明図で、一例
としてチャンネル数n=2の場合を示している。実線で
示された伝送又は記録すべきテレビ信号波形を、時間軸
上でナイキストサンプリング周波数の1周期Tsでサンプ
リングし、更にサンプリングの1個おきにA,Bの二つの
チャンネルにサブサンプルして分割する。その結果のス
ペクトラムは第4図の様に、ナイキストサンプリングの
ままだと、第4図中に実線で示された元々のテレビ信号
成分、即ちベースバンド成分と、サンプリング周波数fs
及びfsの上下に点線で示されたサイドバンド成分が出
る。言うまでもなく、fsの整数倍の周波数の所にも同じ
様な高次のスペクトラム、即ちリピートスペクトラムが
現れるが、第4図では省略してある。第3図に図示した
様にA,Bの2チャンネルにサブサンプルで分離された1
チャンネルの信号スペクトラムにおいては、更にfs/2で
サンプルされるため、fs/2の周波数が新たなサンプリン
グ周波数となり、第4図に1点鎖線で示した様なサイド
バンドが発生し、fsとその上下側帯波は第2高調波にな
っている。 ここで重要な点は、第3図で明らかな様に、サブサン
プリング位相は、A,B両チャンネルで180度異なることか
ら、fs/2のサイドバンドもA,B両チャンネルで180度位相
が異なることである。従って、A,B両チャンネルの信号
を一般のアナログ伝送路を用いて伝送し、かつ、ソース
サンプリング位相とおなじ位相でそれぞれリサンプリン
グしたものを、再び1つのサンプル列に並べ変えれば、
fs/2の上下のサイドバンドはお互いにキャンセルしてし
まい、ベースバンド成分とfsの上下サイドバンド、更に
厳密にはfsの整数倍の所の繰り返しスペクトラムを含ん
で、ソースサンプリング時と全く同じ信号を再現するこ
とが出来る。 この事は、A,Bの2チャンネルの時だけでなく、任意
のnチャンネルの時も成立する事は自明であり、本発明
はnチャンネルの各々を、最近非常に安価になり家庭用
テレビ受像機や家庭用VTRに使用され出したディジタル
フレームメモリを用いて、必要量遅延させ、フレーム順
次で伝送するものである。このため伝送路における信号
波形は、一般のテレビ波形と全く同じ形をとることにな
り、既に世の中に実在する伝送路やVTRがそのまま使え
る特徴につながる。 所で、既に普及している家庭用VTRの多くは前述の様
に、NTSC信号を輝度信号成分と色度信号成分に分離して
各々の特質にあった記録を行い、出力に先だって分離記
録された輝度及び色度信号を元通り合成して送り出して
いるが、その輝度信号帯域は大略第5図の実線のごと
く、約2MHz迄はほぼ平坦特性、それ以上は緩やかに減衰
して、約3.2〜3.3MHzにて遮断域に入る。したがって、
通過帯域上限の50%振幅の周波数は約2.5MHz付近とな
り、この周波数でfs/2の下側のサイドバンドがベースバ
ンドに対して折り畳む位置関係になる様にfsを選べば良
い。 するとサブサンプリング周波数は約5.3MHzであり、fs
は10.7MHz付近になる。このfsはNTSCカラーサブキャリ
アの3倍周波数にほぼ一致するので、逆にfsをカラーサ
ブキャリアのちょうど3倍に選び、コヒーレントサンプ
リングすることにより、カラーバーストをサンプリング
位相制御に用いる他、全体を極めて安価にまとめる事が
出来る。 この点は、本発明において、もっとも注目すべき点で
ある。 実際に記録再生される周波数成分は、第5図に実線で
示したベースバンド成分と、fs/2の下側波のうちVTR輝
度チャンネル帯域内の点線で示した部分だけであるが、
点線で示した成分は、ベースバンド成分がfs/4以上が減
衰するのに対し、fs/4以上の成分が周波数fs/4で折り畳
まれて折り返し信号となり、周波数が低い方向へ広がっ
ているのである。 次に、これまで説明してきた本発明を第1図及び第2
図に示す信号処理系の実施例に基づいて具体的に説明す
る。 第1図は、記録すべき信号を記録に先だって事前処理
するための事前信号処理系のプロック図で、PAL方式も
原理的には同じであるが、ここではNTSCの場合に付いて
説明する。 入力信号はサンプリング回路1でサンプリング周波数
fsにてソースサンプリングされ、A,Bスイッチ2でサブ
サンプルされたあと、B信号はフレームメモリ(ディジ
タルフレームメモリ等)3で1フレーム遅延されて、a,
bスイッチ4でフレーム順次信号に組み立てられ、更
に、組立の内容を示すIDパルス(識別パルス)をID付加
回路5で付加して、VTR入力に供給される。 一方、入力信号の一部は同期分離回路6で同期分離さ
れ、複合同期信号(MS)、バーストゲートパルス(BF)
を発生する。図中の7はカラーサブキャリア周波数の6
倍の周波数の可変周波数型発振器(6×fscVCO)で、そ
の発振出力は第1の2分周回路8で2分周したものがサ
ンプリング回路1に供給され、更に第2の2分周回路9
で2分周したものがA,Bスイッチ2を駆動する。第2の
2分周回路9の出力の1部は、3分周回路10で3分周さ
れ、3分周の0番目、1番目、2番目の位相に相当する
ゲートパルスが次の段のゲート回路11に供給される。ゲ
ート回路11にはその他にfs/2のクロックとバーストゲー
トパルス(BF)が供給されているが、この回路ではfs/2
のクロックを3分周回路10から3拍子のゲートパルスで
ゲートし、更に、バーストゲートパルスでゲートされた
3拍子パルスを発生し、♯0回路12、♯1回路13、♯2
回路14に送る。♯0,♯1,♯2回路は1種のメモリで、デ
ィジタル回路の場合はレジスタ、アナログ回路の場合は
サンプルホールダーが用いられる。この3つのメモリの
入力はサブサンプリングされた信号であり、ゲート回路
11からの、3拍子パルス、それもバースト期間だけパル
スが出るので、♯0、♯1、♯2回路には、サブサンプ
ルされたバーストの3拍子単位の各々のサンプル値が蓄
積される。蓄積されたバーストの3拍子サンプル値は、
そのうち♯1と♯2が相加平均回路15で相加平均され、
減算回路16で♯0の値分だけ引算されて、可変周波数型
発振器(6×fscVCO)7の周波数を制御するPLL制御信
号となる。 この結果は♯0のサンプル位相は、常にサブサンプル
されたバースト正弦波の瞬時値が、正から負に変化する
零クロスポイントに一致して安定することになる。 その様子を第6図、第7図で説明する。 即ち、第6図は記録前事前処理時のバースト部分のソ
ースサンプリングA,Bサブサンプルを示し、実線は入力
バースト信号の正弦波、点線はBチャンネルにサブサン
プルされたバーストの正弦波であり、更に、Bサンプル
列は♯0,♯1,♯2に順次対応される。 第7図はサンプリングパルス位相制御の説明をベクト
ル図で示したもので、♯0,♯1,♯2の各々は、バースト
の位相誤差φに対し、A0を直流分(テレビ信号のベデス
タルレベル)として、 ♯0=A0+sin(φ+π)、♯1=A0+sin(φ−π/
3)、 ♯2=A0+sin(φ+π/3) の関係にあるので、♯1と♯2の相加平均から♯0を引
算すると、 (♯1+♯2)/2−♯0=(A0+sin(φ−π/3)+A0 +sin(φ+π/3))/2−(A0+sin(φ+π)) =A0+0.5・sin(φ)−A0+sin(φ) =1.5・sin(φ) となるので、A0に無関係にsin(φ)〜φ、即ち、位相
誤差に比例した信号が取り出せるので、PLLエラー信号
として効果的に利用出来るのである。ただ注意すべき点
は、バースト正弦波は、1H毎に位相がπだけ異なるた
め、3分周回路10の出力もバーストと同じ周波数と位相
で走っており、相隣れる走査線間で水平同期信号を基準
に見ると、バースト正弦波の半サイクルだけずれた位相
で同じ事を繰り返す事になる。この点は、一般カラー受
像機のPLL回路とまったく同じことが行われているの
で、PLL位相制御としての動作も一般カラー受像機とま
ったく同じであることは容易に理解されよう。 3分周回路10等は、電源投入時の条件如何では如何な
る状態になるか分からないが、fs/2の位相が記録前事前
処理と再生後事後処理とでサンプル位相が一致しさえす
れば良いのであり、仮に3分周回路10の初期値がずれて
いても、上記説明によりPLLループの収歛先は、必ず記
録前事前処理のPLLも再生後事後処理のPLLも共に、サブ
サンプルされたバースト正弦波の、負から正へ向かう零
クロスポイントになるのである。 説明は第1図にもどる。切替,ID信号発生回路17はま
ず第1に、サブサンプル伝送するフレームの最初のソー
スサンプリングをA、次をBと約束し、複合同期(MS)
と第2の2分周回路9の出力からA,Bスイッチ2をどち
らからスタートすべきかを判定して、A,Bスイッチパル
スをA,Bスイッチ2に供給する。第2は、ID信号である
が、フレームの内容を示す信号を垂直ブランキングの例
えば20H目の1H期間を用い、a信号の時零(テレビ信号
の0−IREユニット)、b信号の時1(テレビ信号の80
〜100−IREユニット)のパルスを重畳する事により、a,
bフレームサイクルの同期信号とし、再生後のa,bフレー
ムを間違いなく一つの完全なフレーム信号に組み立てる
ための制御に用いる。 VTRからの再生信号は、第2図に示された再生後の事
後信号処理系ブロック図で示される処理を施され、元の
広帯域の信号を復元する。即ち、再生信号はサンプリン
グ回路18でリサンプリングされ、フレームメモリ19で1
フレーム遅延したものと遅延しないそのままのものを、
fs/2の周波数で駆動されるA,Bスイッチ20で一つに纏
め、更に、まとまったフレームをフレーム順次の2フレ
ームの間繰り返し送り出すフレームリピート回路21で2
回繰り返され、外部では不要なID信号を除去して出力に
送り出される。 クロック発生や、サンプル位相制御については、事前
信号処理のためのサンプリングとまったく同じ回路を用
いる事により、事後処理のためのリサンプリング位相を
同じにしてある。従って前出のものと同一符号を付した
ものは第1図の事前信号処理系と同じ構成,動作であ
り、まったく同じ説明を繰り返す愚をさけて、この部分
の説明を省く。 事前信号処理系と異なるのはID検出回路22によるID検
出と検出された結果による制御である。 先ず、20H目に重畳されたフレーム順次のIDパルス
は、零の時はa信号を示すからフレームメモリ19に蓄積
すべきフレームであり、フレームリピート回路21は前回
送りだしたフレームを繰り返し送り出すべきフレームで
ある。1の時はb信号であるからフレームメモリ19から
のa信号のフレーム遅延出力とb信号とをA,Bスイッチ2
0で切替えて、元のサンプリング列を復元すべき時を示
し、フレームリピート回路21はA,Bスイッチ20の出力を
そのまま送り出すと同時に、次のフレームで同じ信号を
送り出す準備としての、フレームメモリ19への蓄積を行
う。 もう一つの点は、A,Bスイッチ20の初期条件を記録前
事前処理のそれと揃えるために、A,B判別回路23でフレ
ームスタートの所で第2の2分周回路9の出力fs/2の極
性を検出して、最初はA信号とする事前処理側との約束
に基づいて、A,Bスイッチ制御信号の初期条件を設定す
る点である。 第1図、第2図では省略したが、ディジタルフレーム
メモリを応用するため、フレームメモリ3,19の入力にA/
D変換器、出力にD/A変換器が必要である事は言うまでも
ないが、それ以外の部分ではディジタルで構成しよう
が、アナログで構成しようが差し支えない。大切なこと
は、 1)ソースサンプルし、 2)2分の1サブサンプルにより、2チャンネルに分割
し、 3)分割された2チャンネルをフレーム順次で記録す
る。 4)再生後のリサンプル位相を、事前処理のサンプル位
相と、まったく同じにするために、事前処理、事後処理
とも、サブサンプル出力からサンプル位相制御信号を得
る。 ことなのである。この説明から判るように、3)を除い
て、1),2),4)はアナログで構成でき、本発明によれ
ば特に、4)項によりアナログでも構成できる特徴があ
る事が容易に理解される。 第1図、第2図で説明した信号処理によると、カラー
サブキャリアの周波数の0.75倍(約2.7MHz)以下の成分
はベースバンド成分のまま伝送され、それ以上の周波数
成分はカラーサブキャリア周波数の0.75倍の所で折り畳
まれて、周波数が低い方向へ映像信号の高周波数成分
が、サブサンプルによる折り返し信号として重畳されて
伝送される訳で、3.58MHz搬送カラー信号は約1.8MHzに
変換されて伝送されるので、コンポジット信号のまま、
一体として伝送される事になり、Y,Cの分離や合成に基
づく解像度劣化がなく、又、テレビジョン方式から決め
る全帯域伝送がされて居るわけである。 以上、NTSCテレビ信号の場合を例に詳細に説明した
が、PAL方式の場合も同じである。強いて異なる点は、
カラーサブキャリア周波数が4.43MHzと、NTSCに比べて8
50kHz程度高いため、VTRの輝度信号通過帯域として3.3M
Hz程度が必要になる。PAL信号はカラーサブキャリアが1
/4サイクルオフセットされ、フレーム方向にもオフセッ
トがある点については、NTSC方式で1H毎に180度位相が
異なるため、水平同期基準で見るとfs/2は4H周期で同じ
事が繰り返されるのに対し、8H周期と8フレーム周期の
組合せで位相が変化するだけであり、本発明の動作上は
まったく同じに働く事になる。 以上の実施例においては、サンプリング位相、サブサ
ンプリング位相を制御するのに、カラーテレビ信号その
ものに含まれるカラーバーストを利用した場合を説明し
たが、これに限定することなく、随意に、サンプリング
位相制御信号を付加して構成する事も容易に考えられ
る。 例えば、輝度信号帯域と記録すべきテレビ信号帯域
が、カラーサブキャリア周波数を基準に実施例の如く選
べず、異なるサンプリング/サブサンプリング周波数を
選ぶ場合は、元々のカラーバーストとは異なるバースト
信号を新たに付加する事も考えられるし、また別の観点
になるが、伝送路の群遅延特性如何によっては、正弦波
をゲートして正弦波の周波数付近にエネルギーを集中さ
せるよりも、更に広いスペクトラムの広がりを求めて、
2乗正弦波パルス、更には、単一パルスを用いることも
出来る。 要は、事前処理のサンプリング位相と、事後処理のサ
ンプリング位相を一致させる事が肝要であり、本発明で
は、サブサンプリングの結果からサンプリング位相制御
情報(PLL位相情報)を得る事がポイントである。 次に1125本方式高品位テレビ信号をVHS−VTRに記録す
る場合は、8チャンネルのサブサンプル回路を用いてや
れば、VHS−VTR帯域の8倍の帯域、即ち、2.6MHz×8=
21MHz程度の帯域を得る事になるので、この程度で十分
である。ただ水平周波数が異なる点は、高品位テレビの
走査線2本を525本方式の走査線1本に対応させ、信号
波形も525本方式の波形に変えて記録するのがよい。こ
の結果、高品位テレビの有効走査線数すべては記録され
ず、画面の上と下が僅かに切れるが、実用上は十分であ
る。 なお、実施例においては、フレーム順次の場合を説明
したが、一定同期の繰り返し要素であればフレームに限
らず、線走査周期を利用した線順次、フィールド周期を
利用したフィールド順次を利用する方法も有ることは言
うまでもなく、テレビジョン方式の周期性なら何でも良
いのである。 又、本発明の実施例は、VTR記録を例に説明したが、
説明から容易に判るように、「VTR記録」の他、「ディ
スク記録」、有線や無線、あるいは衛星などによる、い
わゆる「通信伝送」にも、そのまま効果を発揮する事は
言うまでもない。 〔効果〕 以上、実施例を基に、詳細に説明した様に、本発明
は、動きのスムーズさをやや欠いても精細度の方が大切
なテレビ応用に際して、一般市販の小型安価なVTRに、
今や家庭用映像機器に広く使われだしたディジタルフレ
ームメモリを使って簡単な信号処理をするだけで、高精
細記録ができる他、比較的狭い帯域の伝送路に、それよ
りも広い信号帯域のテレビ信号を伝送する技術を提供す
るものであり、従来、不満が残った応用分野に対して、
問題解決策を極めて安価に提供するものであり、本発明
の応用範囲は極めて広い。
信号記録において、テレビジョン方式から与えられる所
要伝送帯域幅よりも、帯域の狭い伝送路や記録装置に、
全帯域のテレビ信号を伝送、あるいは記録する方式に係
り、特に、いわゆるVHS方式−VTR等の小型安価なVTRを
利用する監視テレビ記録に適するテレビ信号伝送、また
は記録方式に関するものである。 〔従来の技術〕 テレビ信号は4MHz以上の信号帯域を有し、その記録に
も同じ帯域を必要とする事は言うまでもないが、小型安
価なVTR、例えばVHS方式−VTR等は、NTSC方式テレビ信
号をY,C分離した上、Y信号を約2MHz迄平坦、3MHzでは
かなりレスボンス低下(10dB以上)する輝度チャンネル
と、搬送色度信号を約±500kHzを通す事ができる色度チ
ャンネルから構成されており、この程度のVTRを監視テ
レビの記録に利用しているが、帯域、特に輝度信号帯域
が十分でない。 監視記録には、一般にタイムラプスVTRと称する監視
用に特に工夫されVTRが使われているが、信号系は前述
のVHS方式−VTRの信号系が殆どそのまま使われており、
解像度はほぼ同じである。 〔解決しようとする問題点〕 上述の様に、折角4.2〜4.5MHzの分解力をもったテレ
ビ信号であっても、VTR記録により解像度は約半分に落
ちてしまうため、保安監視記録などに於て、折角犯人が
カメラで撮像され、VTRに記録されていても、解像度不
足のために犯人の顔が特定できない場合が多い。 本発明の目的は、VHS方式−VTRを使用しても、信号そ
のものを加工変形する事により、4.5MHzあるいはそれ以
上の解像度を得る方式を提供して、監視記録などの解像
度を倍増することにある。 〔問題点を解決するための手段〕 上記の目的を達成するために本発明は、任意の自然数
nに関して、伝送されるべきテレビ信号をnチャンネル
に、n分の1のサブサンプルにて分割し、分割された各
々を、フレーム順次で伝送するものである。 すなわち、本発明のテレビジョン信号伝送方式は下記
の各手段を備えて構成した。 伝送すべきテレビジョン信号を、その上限周波数の
2倍又はそれ以上の周波数でサンプルするソースサンプ
リング手段。 上記ソースサンプリング手段の出力サンプル列の連
続した複数個のサンプルの各々に関して、これを複数分
の1にサブサンプルし、複数のチャンネルの信号に分割
するサブサンプリング手段。 上記サブサンプリング手段の複数の出力は、時間軸
上に並べ変えて、テレビジョン走査方式の走査周期毎に
時分割にてチャンネル別に伝送する手段。 上記ソースサンプリングの位相を、サブサンプルさ
れた結果からPLL位相情報を得て制御する手段。 一般に監視記録はタイムラプスVTRの様に、駒落し記
録しており、完全動画の記録を必要としない。この様な
場合は、記録すべき入力信号の1フレームを2フレーム
に分割して帯域を2分の1に落して記録、後でこれを合
成して元の広帯域信号を復元し、復元された広帯域のフ
レームを2回繰り返し送り出すことにより、動きに関し
て、毎秒15枚分の情報しか記録出来なくてもまったく問
題がない。 また、サブサンプルされた信号をアナログ伝送する方
式においては、当業者の間で周知の様に、受信端でのリ
サンプリング位相を、送信側のサブサンプリング位相と
全く同位相にする事が要求されるが、本発明は、特にこ
の点にも簡単で効果的な新たな方式を提供するものであ
る。 〔作用〕 本発明によると、駒落ししながら、NTSCテレビ信号を
Y,C分離することなく、VHS−VTR等の輝度チャンネルだ
けを用いて、全帯域、記録再生出来るので、動きのスム
ーズさをさほど要求しない応用、例えば監視記録等にお
いて、精細度のすぐれた、安価な記録装置を提供する事
になり、その実用的効果は極めて大である。 また、走査線数が1000本以上のいわゆる高品位テレビ
信号をも、駒落し方式ながら記録再生できるため、静止
画とハイファイ音楽を主体とした、いわゆる「バックグ
ラウンドピクチャー」等を極めて安価に提供することに
もなる。 〔実施例〕 以下、本発明の実施例を、図面を用いて詳細に説明す
る。 第3図は、本発明の信号サンプリング説明図で、一例
としてチャンネル数n=2の場合を示している。実線で
示された伝送又は記録すべきテレビ信号波形を、時間軸
上でナイキストサンプリング周波数の1周期Tsでサンプ
リングし、更にサンプリングの1個おきにA,Bの二つの
チャンネルにサブサンプルして分割する。その結果のス
ペクトラムは第4図の様に、ナイキストサンプリングの
ままだと、第4図中に実線で示された元々のテレビ信号
成分、即ちベースバンド成分と、サンプリング周波数fs
及びfsの上下に点線で示されたサイドバンド成分が出
る。言うまでもなく、fsの整数倍の周波数の所にも同じ
様な高次のスペクトラム、即ちリピートスペクトラムが
現れるが、第4図では省略してある。第3図に図示した
様にA,Bの2チャンネルにサブサンプルで分離された1
チャンネルの信号スペクトラムにおいては、更にfs/2で
サンプルされるため、fs/2の周波数が新たなサンプリン
グ周波数となり、第4図に1点鎖線で示した様なサイド
バンドが発生し、fsとその上下側帯波は第2高調波にな
っている。 ここで重要な点は、第3図で明らかな様に、サブサン
プリング位相は、A,B両チャンネルで180度異なることか
ら、fs/2のサイドバンドもA,B両チャンネルで180度位相
が異なることである。従って、A,B両チャンネルの信号
を一般のアナログ伝送路を用いて伝送し、かつ、ソース
サンプリング位相とおなじ位相でそれぞれリサンプリン
グしたものを、再び1つのサンプル列に並べ変えれば、
fs/2の上下のサイドバンドはお互いにキャンセルしてし
まい、ベースバンド成分とfsの上下サイドバンド、更に
厳密にはfsの整数倍の所の繰り返しスペクトラムを含ん
で、ソースサンプリング時と全く同じ信号を再現するこ
とが出来る。 この事は、A,Bの2チャンネルの時だけでなく、任意
のnチャンネルの時も成立する事は自明であり、本発明
はnチャンネルの各々を、最近非常に安価になり家庭用
テレビ受像機や家庭用VTRに使用され出したディジタル
フレームメモリを用いて、必要量遅延させ、フレーム順
次で伝送するものである。このため伝送路における信号
波形は、一般のテレビ波形と全く同じ形をとることにな
り、既に世の中に実在する伝送路やVTRがそのまま使え
る特徴につながる。 所で、既に普及している家庭用VTRの多くは前述の様
に、NTSC信号を輝度信号成分と色度信号成分に分離して
各々の特質にあった記録を行い、出力に先だって分離記
録された輝度及び色度信号を元通り合成して送り出して
いるが、その輝度信号帯域は大略第5図の実線のごと
く、約2MHz迄はほぼ平坦特性、それ以上は緩やかに減衰
して、約3.2〜3.3MHzにて遮断域に入る。したがって、
通過帯域上限の50%振幅の周波数は約2.5MHz付近とな
り、この周波数でfs/2の下側のサイドバンドがベースバ
ンドに対して折り畳む位置関係になる様にfsを選べば良
い。 するとサブサンプリング周波数は約5.3MHzであり、fs
は10.7MHz付近になる。このfsはNTSCカラーサブキャリ
アの3倍周波数にほぼ一致するので、逆にfsをカラーサ
ブキャリアのちょうど3倍に選び、コヒーレントサンプ
リングすることにより、カラーバーストをサンプリング
位相制御に用いる他、全体を極めて安価にまとめる事が
出来る。 この点は、本発明において、もっとも注目すべき点で
ある。 実際に記録再生される周波数成分は、第5図に実線で
示したベースバンド成分と、fs/2の下側波のうちVTR輝
度チャンネル帯域内の点線で示した部分だけであるが、
点線で示した成分は、ベースバンド成分がfs/4以上が減
衰するのに対し、fs/4以上の成分が周波数fs/4で折り畳
まれて折り返し信号となり、周波数が低い方向へ広がっ
ているのである。 次に、これまで説明してきた本発明を第1図及び第2
図に示す信号処理系の実施例に基づいて具体的に説明す
る。 第1図は、記録すべき信号を記録に先だって事前処理
するための事前信号処理系のプロック図で、PAL方式も
原理的には同じであるが、ここではNTSCの場合に付いて
説明する。 入力信号はサンプリング回路1でサンプリング周波数
fsにてソースサンプリングされ、A,Bスイッチ2でサブ
サンプルされたあと、B信号はフレームメモリ(ディジ
タルフレームメモリ等)3で1フレーム遅延されて、a,
bスイッチ4でフレーム順次信号に組み立てられ、更
に、組立の内容を示すIDパルス(識別パルス)をID付加
回路5で付加して、VTR入力に供給される。 一方、入力信号の一部は同期分離回路6で同期分離さ
れ、複合同期信号(MS)、バーストゲートパルス(BF)
を発生する。図中の7はカラーサブキャリア周波数の6
倍の周波数の可変周波数型発振器(6×fscVCO)で、そ
の発振出力は第1の2分周回路8で2分周したものがサ
ンプリング回路1に供給され、更に第2の2分周回路9
で2分周したものがA,Bスイッチ2を駆動する。第2の
2分周回路9の出力の1部は、3分周回路10で3分周さ
れ、3分周の0番目、1番目、2番目の位相に相当する
ゲートパルスが次の段のゲート回路11に供給される。ゲ
ート回路11にはその他にfs/2のクロックとバーストゲー
トパルス(BF)が供給されているが、この回路ではfs/2
のクロックを3分周回路10から3拍子のゲートパルスで
ゲートし、更に、バーストゲートパルスでゲートされた
3拍子パルスを発生し、♯0回路12、♯1回路13、♯2
回路14に送る。♯0,♯1,♯2回路は1種のメモリで、デ
ィジタル回路の場合はレジスタ、アナログ回路の場合は
サンプルホールダーが用いられる。この3つのメモリの
入力はサブサンプリングされた信号であり、ゲート回路
11からの、3拍子パルス、それもバースト期間だけパル
スが出るので、♯0、♯1、♯2回路には、サブサンプ
ルされたバーストの3拍子単位の各々のサンプル値が蓄
積される。蓄積されたバーストの3拍子サンプル値は、
そのうち♯1と♯2が相加平均回路15で相加平均され、
減算回路16で♯0の値分だけ引算されて、可変周波数型
発振器(6×fscVCO)7の周波数を制御するPLL制御信
号となる。 この結果は♯0のサンプル位相は、常にサブサンプル
されたバースト正弦波の瞬時値が、正から負に変化する
零クロスポイントに一致して安定することになる。 その様子を第6図、第7図で説明する。 即ち、第6図は記録前事前処理時のバースト部分のソ
ースサンプリングA,Bサブサンプルを示し、実線は入力
バースト信号の正弦波、点線はBチャンネルにサブサン
プルされたバーストの正弦波であり、更に、Bサンプル
列は♯0,♯1,♯2に順次対応される。 第7図はサンプリングパルス位相制御の説明をベクト
ル図で示したもので、♯0,♯1,♯2の各々は、バースト
の位相誤差φに対し、A0を直流分(テレビ信号のベデス
タルレベル)として、 ♯0=A0+sin(φ+π)、♯1=A0+sin(φ−π/
3)、 ♯2=A0+sin(φ+π/3) の関係にあるので、♯1と♯2の相加平均から♯0を引
算すると、 (♯1+♯2)/2−♯0=(A0+sin(φ−π/3)+A0 +sin(φ+π/3))/2−(A0+sin(φ+π)) =A0+0.5・sin(φ)−A0+sin(φ) =1.5・sin(φ) となるので、A0に無関係にsin(φ)〜φ、即ち、位相
誤差に比例した信号が取り出せるので、PLLエラー信号
として効果的に利用出来るのである。ただ注意すべき点
は、バースト正弦波は、1H毎に位相がπだけ異なるた
め、3分周回路10の出力もバーストと同じ周波数と位相
で走っており、相隣れる走査線間で水平同期信号を基準
に見ると、バースト正弦波の半サイクルだけずれた位相
で同じ事を繰り返す事になる。この点は、一般カラー受
像機のPLL回路とまったく同じことが行われているの
で、PLL位相制御としての動作も一般カラー受像機とま
ったく同じであることは容易に理解されよう。 3分周回路10等は、電源投入時の条件如何では如何な
る状態になるか分からないが、fs/2の位相が記録前事前
処理と再生後事後処理とでサンプル位相が一致しさえす
れば良いのであり、仮に3分周回路10の初期値がずれて
いても、上記説明によりPLLループの収歛先は、必ず記
録前事前処理のPLLも再生後事後処理のPLLも共に、サブ
サンプルされたバースト正弦波の、負から正へ向かう零
クロスポイントになるのである。 説明は第1図にもどる。切替,ID信号発生回路17はま
ず第1に、サブサンプル伝送するフレームの最初のソー
スサンプリングをA、次をBと約束し、複合同期(MS)
と第2の2分周回路9の出力からA,Bスイッチ2をどち
らからスタートすべきかを判定して、A,Bスイッチパル
スをA,Bスイッチ2に供給する。第2は、ID信号である
が、フレームの内容を示す信号を垂直ブランキングの例
えば20H目の1H期間を用い、a信号の時零(テレビ信号
の0−IREユニット)、b信号の時1(テレビ信号の80
〜100−IREユニット)のパルスを重畳する事により、a,
bフレームサイクルの同期信号とし、再生後のa,bフレー
ムを間違いなく一つの完全なフレーム信号に組み立てる
ための制御に用いる。 VTRからの再生信号は、第2図に示された再生後の事
後信号処理系ブロック図で示される処理を施され、元の
広帯域の信号を復元する。即ち、再生信号はサンプリン
グ回路18でリサンプリングされ、フレームメモリ19で1
フレーム遅延したものと遅延しないそのままのものを、
fs/2の周波数で駆動されるA,Bスイッチ20で一つに纏
め、更に、まとまったフレームをフレーム順次の2フレ
ームの間繰り返し送り出すフレームリピート回路21で2
回繰り返され、外部では不要なID信号を除去して出力に
送り出される。 クロック発生や、サンプル位相制御については、事前
信号処理のためのサンプリングとまったく同じ回路を用
いる事により、事後処理のためのリサンプリング位相を
同じにしてある。従って前出のものと同一符号を付した
ものは第1図の事前信号処理系と同じ構成,動作であ
り、まったく同じ説明を繰り返す愚をさけて、この部分
の説明を省く。 事前信号処理系と異なるのはID検出回路22によるID検
出と検出された結果による制御である。 先ず、20H目に重畳されたフレーム順次のIDパルス
は、零の時はa信号を示すからフレームメモリ19に蓄積
すべきフレームであり、フレームリピート回路21は前回
送りだしたフレームを繰り返し送り出すべきフレームで
ある。1の時はb信号であるからフレームメモリ19から
のa信号のフレーム遅延出力とb信号とをA,Bスイッチ2
0で切替えて、元のサンプリング列を復元すべき時を示
し、フレームリピート回路21はA,Bスイッチ20の出力を
そのまま送り出すと同時に、次のフレームで同じ信号を
送り出す準備としての、フレームメモリ19への蓄積を行
う。 もう一つの点は、A,Bスイッチ20の初期条件を記録前
事前処理のそれと揃えるために、A,B判別回路23でフレ
ームスタートの所で第2の2分周回路9の出力fs/2の極
性を検出して、最初はA信号とする事前処理側との約束
に基づいて、A,Bスイッチ制御信号の初期条件を設定す
る点である。 第1図、第2図では省略したが、ディジタルフレーム
メモリを応用するため、フレームメモリ3,19の入力にA/
D変換器、出力にD/A変換器が必要である事は言うまでも
ないが、それ以外の部分ではディジタルで構成しよう
が、アナログで構成しようが差し支えない。大切なこと
は、 1)ソースサンプルし、 2)2分の1サブサンプルにより、2チャンネルに分割
し、 3)分割された2チャンネルをフレーム順次で記録す
る。 4)再生後のリサンプル位相を、事前処理のサンプル位
相と、まったく同じにするために、事前処理、事後処理
とも、サブサンプル出力からサンプル位相制御信号を得
る。 ことなのである。この説明から判るように、3)を除い
て、1),2),4)はアナログで構成でき、本発明によれ
ば特に、4)項によりアナログでも構成できる特徴があ
る事が容易に理解される。 第1図、第2図で説明した信号処理によると、カラー
サブキャリアの周波数の0.75倍(約2.7MHz)以下の成分
はベースバンド成分のまま伝送され、それ以上の周波数
成分はカラーサブキャリア周波数の0.75倍の所で折り畳
まれて、周波数が低い方向へ映像信号の高周波数成分
が、サブサンプルによる折り返し信号として重畳されて
伝送される訳で、3.58MHz搬送カラー信号は約1.8MHzに
変換されて伝送されるので、コンポジット信号のまま、
一体として伝送される事になり、Y,Cの分離や合成に基
づく解像度劣化がなく、又、テレビジョン方式から決め
る全帯域伝送がされて居るわけである。 以上、NTSCテレビ信号の場合を例に詳細に説明した
が、PAL方式の場合も同じである。強いて異なる点は、
カラーサブキャリア周波数が4.43MHzと、NTSCに比べて8
50kHz程度高いため、VTRの輝度信号通過帯域として3.3M
Hz程度が必要になる。PAL信号はカラーサブキャリアが1
/4サイクルオフセットされ、フレーム方向にもオフセッ
トがある点については、NTSC方式で1H毎に180度位相が
異なるため、水平同期基準で見るとfs/2は4H周期で同じ
事が繰り返されるのに対し、8H周期と8フレーム周期の
組合せで位相が変化するだけであり、本発明の動作上は
まったく同じに働く事になる。 以上の実施例においては、サンプリング位相、サブサ
ンプリング位相を制御するのに、カラーテレビ信号その
ものに含まれるカラーバーストを利用した場合を説明し
たが、これに限定することなく、随意に、サンプリング
位相制御信号を付加して構成する事も容易に考えられ
る。 例えば、輝度信号帯域と記録すべきテレビ信号帯域
が、カラーサブキャリア周波数を基準に実施例の如く選
べず、異なるサンプリング/サブサンプリング周波数を
選ぶ場合は、元々のカラーバーストとは異なるバースト
信号を新たに付加する事も考えられるし、また別の観点
になるが、伝送路の群遅延特性如何によっては、正弦波
をゲートして正弦波の周波数付近にエネルギーを集中さ
せるよりも、更に広いスペクトラムの広がりを求めて、
2乗正弦波パルス、更には、単一パルスを用いることも
出来る。 要は、事前処理のサンプリング位相と、事後処理のサ
ンプリング位相を一致させる事が肝要であり、本発明で
は、サブサンプリングの結果からサンプリング位相制御
情報(PLL位相情報)を得る事がポイントである。 次に1125本方式高品位テレビ信号をVHS−VTRに記録す
る場合は、8チャンネルのサブサンプル回路を用いてや
れば、VHS−VTR帯域の8倍の帯域、即ち、2.6MHz×8=
21MHz程度の帯域を得る事になるので、この程度で十分
である。ただ水平周波数が異なる点は、高品位テレビの
走査線2本を525本方式の走査線1本に対応させ、信号
波形も525本方式の波形に変えて記録するのがよい。こ
の結果、高品位テレビの有効走査線数すべては記録され
ず、画面の上と下が僅かに切れるが、実用上は十分であ
る。 なお、実施例においては、フレーム順次の場合を説明
したが、一定同期の繰り返し要素であればフレームに限
らず、線走査周期を利用した線順次、フィールド周期を
利用したフィールド順次を利用する方法も有ることは言
うまでもなく、テレビジョン方式の周期性なら何でも良
いのである。 又、本発明の実施例は、VTR記録を例に説明したが、
説明から容易に判るように、「VTR記録」の他、「ディ
スク記録」、有線や無線、あるいは衛星などによる、い
わゆる「通信伝送」にも、そのまま効果を発揮する事は
言うまでもない。 〔効果〕 以上、実施例を基に、詳細に説明した様に、本発明
は、動きのスムーズさをやや欠いても精細度の方が大切
なテレビ応用に際して、一般市販の小型安価なVTRに、
今や家庭用映像機器に広く使われだしたディジタルフレ
ームメモリを使って簡単な信号処理をするだけで、高精
細記録ができる他、比較的狭い帯域の伝送路に、それよ
りも広い信号帯域のテレビ信号を伝送する技術を提供す
るものであり、従来、不満が残った応用分野に対して、
問題解決策を極めて安価に提供するものであり、本発明
の応用範囲は極めて広い。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の事前信号処理系のブロック図、第2図
は本発明の事後信号処理系のブロック図、第3図は本発
明の信号サンプリング説明図、第4図はサブサンプリン
グ説明図、第5図は本発明をVTRに適用する場合におけ
るVTRのレスポンスとサンプリング周波数の選択の説明
図、第6図はカラーバースト信号のサンプル/サブサン
プルの説明図、第7図はサンプリングパルス位相制御説
明図である。 1……サンプリング回路、 2……A,Bスイッチ、 3……フレームメモリ、 4……a,bスイッチ、 5……ID付加回路、 6……同期分離回路、 7……可変周波数型発振器(6×fscVCO)、 8……第1の2分周回路、 9……第2の2分周回路、 10……3分周回路、 11……ゲート回路、 12……♯0回路、 13……♯1回路、 14……♯2回路、 15……相加平均回路、 16……減算回路、 17……切替,ID信号発生回路、 18……サンプリング回路、 19……フレームメモリ、 20……A,Bスイッチ、 21……フレームリピート回路、 22……ID検出回路、 23……A,B判別回路。
は本発明の事後信号処理系のブロック図、第3図は本発
明の信号サンプリング説明図、第4図はサブサンプリン
グ説明図、第5図は本発明をVTRに適用する場合におけ
るVTRのレスポンスとサンプリング周波数の選択の説明
図、第6図はカラーバースト信号のサンプル/サブサン
プルの説明図、第7図はサンプリングパルス位相制御説
明図である。 1……サンプリング回路、 2……A,Bスイッチ、 3……フレームメモリ、 4……a,bスイッチ、 5……ID付加回路、 6……同期分離回路、 7……可変周波数型発振器(6×fscVCO)、 8……第1の2分周回路、 9……第2の2分周回路、 10……3分周回路、 11……ゲート回路、 12……♯0回路、 13……♯1回路、 14……♯2回路、 15……相加平均回路、 16……減算回路、 17……切替,ID信号発生回路、 18……サンプリング回路、 19……フレームメモリ、 20……A,Bスイッチ、 21……フレームリピート回路、 22……ID検出回路、 23……A,B判別回路。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.テレビジョン信号をテレビジョン方式から決まる所
要伝送帯域よりも狭い伝送帯域の伝送路に伝送するテレ
ビジョン信号伝送方式において、 伝送すべきテレビジョン信号を、その上限周波数の2倍
又はそれ以上の周波数でサンプルするソースサンプリン
グ手段と、 上記ソースサンプリング手段の出力サンプル列の連続し
た複数個のサンプルの各々に関して、これを複数分の1
にサブサンプルし、複数のチャンネルの信号に分割する
サブサンプリング手段と、 上記サブサンプリング手段の複数の出力を時間軸上に並
べ変えて、テレビジョン走査方式の走査周期毎に時分割
にてチャンネル別に伝送する手段と、 上記ソースサンプリングの位相を、上記伝送すべきテレ
ビジョン信号から分離したカラーバーストをサブサンプ
ルしたうえで信号処理して得られたPLL位相情報により
制御する手段と、 によって構成したことを特徴とするテレビジョン信号伝
送方式。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10551087A JP2795343B2 (ja) | 1987-04-28 | 1987-04-28 | テレビジヨン信号伝送方式 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10551087A JP2795343B2 (ja) | 1987-04-28 | 1987-04-28 | テレビジヨン信号伝送方式 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63269881A JPS63269881A (ja) | 1988-11-08 |
JP2795343B2 true JP2795343B2 (ja) | 1998-09-10 |
Family
ID=14409599
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10551087A Expired - Lifetime JP2795343B2 (ja) | 1987-04-28 | 1987-04-28 | テレビジヨン信号伝送方式 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2795343B2 (ja) |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2654773B2 (ja) | 1987-04-28 | 1997-09-17 | 中央電子株式会社 | テレビジヨン信号記録再生方式 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58114530A (ja) * | 1981-12-25 | 1983-07-07 | Toshiba Corp | 広帯域信号の複数分割伝送装置 |
JPH084322B2 (ja) * | 1985-05-15 | 1996-01-17 | ソニー株式会社 | フレーム同期装置 |
-
1987
- 1987-04-28 JP JP10551087A patent/JP2795343B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2654773B2 (ja) | 1987-04-28 | 1997-09-17 | 中央電子株式会社 | テレビジヨン信号記録再生方式 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63269881A (ja) | 1988-11-08 |
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