JP2793483B2 - 射出成形方法 - Google Patents
射出成形方法Info
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C45/00—Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
- B29C45/0025—Preventing defects on the moulded article, e.g. weld lines, shrinkage marks
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C45/00—Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
- B29C45/0025—Preventing defects on the moulded article, e.g. weld lines, shrinkage marks
- B29C2045/0032—Preventing defects on the moulded article, e.g. weld lines, shrinkage marks sequential injection from multiple gates, e.g. to avoid weld lines
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
- Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂製品を射出成形す
る方法に関し、特に、自動車のバンパー等、比較的大型
で薄肉の樹脂製品の射出成形に適した射出成形方法に関
する。
る方法に関し、特に、自動車のバンパー等、比較的大型
で薄肉の樹脂製品の射出成形に適した射出成形方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、比較的大型な樹脂製品を射出成
形する場合には、金型内に形成されたキャビティに複数
のゲートを介して溶融樹脂を射出注入するようにしてい
る。
形する場合には、金型内に形成されたキャビティに複数
のゲートを介して溶融樹脂を射出注入するようにしてい
る。
【0003】この場合、各ゲートから同時に溶融樹脂を
射出注入すると、各ゲートから注入された溶融樹脂が互
いに接近する方向に流動し、その後それらの流頭同士が
キャビティ内で衝突するため、該キャビティ内に得られ
る樹脂製品の表面に前記衝突位置に沿ったウェルドマー
クが発生することがある。このようなウェルドマークが
発生すると、樹脂製品の外観上好ましくないだけでな
く、ウェルドマークの発生位置の曲げ強度や衝撃強度
が、ウェルドマークの発生していない部分に比して約2
0%低下するといった不都合がある。
射出注入すると、各ゲートから注入された溶融樹脂が互
いに接近する方向に流動し、その後それらの流頭同士が
キャビティ内で衝突するため、該キャビティ内に得られ
る樹脂製品の表面に前記衝突位置に沿ったウェルドマー
クが発生することがある。このようなウェルドマークが
発生すると、樹脂製品の外観上好ましくないだけでな
く、ウェルドマークの発生位置の曲げ強度や衝撃強度
が、ウェルドマークの発生していない部分に比して約2
0%低下するといった不都合がある。
【0004】そこで、このような不都合を解消するため
に、複数のゲートの注入順位をあらかじめ定めておき、
例えば第1順位のゲートからキャビティ内に射出注入さ
れた溶融樹脂が第2順位のゲートの位置に達した後に、
該第2順位のゲートから溶融樹脂を射出注入する射出成
形方法が知られている。この方法によれば、第1順位の
ゲートから注入された第2順位のゲートの位置にある溶
融樹脂の内部に、第2順位のゲートから注入された溶融
樹脂が包含されるので、それらの溶融樹脂の流頭同士が
衝突しても、その境界面が樹脂製品の表面に露出せず前
記のようなウェルドマークが生じない。
に、複数のゲートの注入順位をあらかじめ定めておき、
例えば第1順位のゲートからキャビティ内に射出注入さ
れた溶融樹脂が第2順位のゲートの位置に達した後に、
該第2順位のゲートから溶融樹脂を射出注入する射出成
形方法が知られている。この方法によれば、第1順位の
ゲートから注入された第2順位のゲートの位置にある溶
融樹脂の内部に、第2順位のゲートから注入された溶融
樹脂が包含されるので、それらの溶融樹脂の流頭同士が
衝突しても、その境界面が樹脂製品の表面に露出せず前
記のようなウェルドマークが生じない。
【0005】しかしながら、上記の方法によると、樹脂
製品の表面に、第2順位のゲートから注入された溶融樹
脂の流頭に沿ってシンクマーク(ヒケ)の発生が確認さ
れることがある。このようなシンクマークの発生は、各
ゲートから注入された夫々の溶融樹脂の流動による配向
性の違いや夫々の溶融樹脂の温度差に起因する収縮差に
よるものと考えられる。そして、このようなシンクマー
クが発生した場合には、樹脂製品の外観上好ましくない
ことは勿論のこと、シンクマークの発生位置の曲げ強度
や衝撃強度が、シンクマークの発生していない部分に比
して7〜8%低下するといった不都合がある。
製品の表面に、第2順位のゲートから注入された溶融樹
脂の流頭に沿ってシンクマーク(ヒケ)の発生が確認さ
れることがある。このようなシンクマークの発生は、各
ゲートから注入された夫々の溶融樹脂の流動による配向
性の違いや夫々の溶融樹脂の温度差に起因する収縮差に
よるものと考えられる。そして、このようなシンクマー
クが発生した場合には、樹脂製品の外観上好ましくない
ことは勿論のこと、シンクマークの発生位置の曲げ強度
や衝撃強度が、シンクマークの発生していない部分に比
して7〜8%低下するといった不都合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】かかる不都合を解消し
て、本発明は、ウェルドマーク及びシンクマークの発生
を防止して、樹脂製品の良好な外観及び高い強度を得る
ことができる射出成形方法を提供することを目的とす
る。
て、本発明は、ウェルドマーク及びシンクマークの発生
を防止して、樹脂製品の良好な外観及び高い強度を得る
ことができる射出成形方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために、金型内に形成されたキャビティに複数の
ゲートからあらかじめ定められた順位で溶融樹脂を射出
注入し、この時、少なくとも第1順位のゲートからキャ
ビティに射出注入された溶融樹脂の流頭が第2順位のゲ
ートの位置に達した後に、該第2順位のゲートから溶融
樹脂を射出注入する射出成形方法において、該第2順位
のゲートからの溶融樹脂の射出注入を開始してから、キ
ャビティへの溶融樹脂の充填が完了するまでの間に、該
第2順位のゲートからの射出注入を一時停止し再び射出
注入する工程を少なくとも1回行うことを特徴とする。
成するために、金型内に形成されたキャビティに複数の
ゲートからあらかじめ定められた順位で溶融樹脂を射出
注入し、この時、少なくとも第1順位のゲートからキャ
ビティに射出注入された溶融樹脂の流頭が第2順位のゲ
ートの位置に達した後に、該第2順位のゲートから溶融
樹脂を射出注入する射出成形方法において、該第2順位
のゲートからの溶融樹脂の射出注入を開始してから、キ
ャビティへの溶融樹脂の充填が完了するまでの間に、該
第2順位のゲートからの射出注入を一時停止し再び射出
注入する工程を少なくとも1回行うことを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明の方法によれば、先ず、キャビティ内に
第1順位のゲートから溶融樹脂の注入を開始する。該溶
融樹脂の流頭が第2順位のゲートの位置を通過したとき
第2順位のゲートから溶融樹脂の注入を開始する。これ
により、第2順位のゲートからの溶融樹脂は第1順位の
ゲートからの溶融樹脂に包含される。このとき、第2順
位のゲートからの溶融樹脂の流動方向が第1順位のゲー
トからの溶融樹脂の流動方向に対して逆方向に流動する
部分が発生するが、第2順位のゲートからの溶融樹脂が
第1順位のゲートからの溶融樹脂に包含されることによ
りウェルドマークの発生が防止される。
第1順位のゲートから溶融樹脂の注入を開始する。該溶
融樹脂の流頭が第2順位のゲートの位置を通過したとき
第2順位のゲートから溶融樹脂の注入を開始する。これ
により、第2順位のゲートからの溶融樹脂は第1順位の
ゲートからの溶融樹脂に包含される。このとき、第2順
位のゲートからの溶融樹脂の流動方向が第1順位のゲー
トからの溶融樹脂の流動方向に対して逆方向に流動する
部分が発生するが、第2順位のゲートからの溶融樹脂が
第1順位のゲートからの溶融樹脂に包含されることによ
りウェルドマークの発生が防止される。
【0009】次いで、第1順位のゲートからの溶融樹脂
の注入を継続させた状態で、第2順位のゲートからの溶
融樹脂の注入を停止する。これにより、第2順位のゲー
トからの溶融樹脂の流動が停止し、第1順位のゲートか
らの溶融樹脂の流動方向に対して逆方向に流動していた
第2順位のゲートからの溶融樹脂の流頭に、第1順位の
ゲートからの溶融樹脂の流頭が侵入する。このとき、第
2順位のゲートからの溶融樹脂のキャビティ内面に近い
側は既に固化が始まっており第1順位のゲートからの溶
融樹脂の流頭に押し戻されることがない。
の注入を継続させた状態で、第2順位のゲートからの溶
融樹脂の注入を停止する。これにより、第2順位のゲー
トからの溶融樹脂の流動が停止し、第1順位のゲートか
らの溶融樹脂の流動方向に対して逆方向に流動していた
第2順位のゲートからの溶融樹脂の流頭に、第1順位の
ゲートからの溶融樹脂の流頭が侵入する。このとき、第
2順位のゲートからの溶融樹脂のキャビティ内面に近い
側は既に固化が始まっており第1順位のゲートからの溶
融樹脂の流頭に押し戻されることがない。
【0010】続いて、第1順位のゲートからの溶融樹脂
の注入を継続させた状態で、第2順位のゲートからの溶
融樹脂の注入を再開する。これにより、第2順位のゲー
トからの溶融樹脂の流動が再び第1順位のゲートからの
溶融樹脂の流動方向に対して逆方向に流動し、こんどは
第2順位のゲートからの溶融樹脂の流頭が、第1順位の
ゲートからの溶融樹脂の流頭に侵入する。
の注入を継続させた状態で、第2順位のゲートからの溶
融樹脂の注入を再開する。これにより、第2順位のゲー
トからの溶融樹脂の流動が再び第1順位のゲートからの
溶融樹脂の流動方向に対して逆方向に流動し、こんどは
第2順位のゲートからの溶融樹脂の流頭が、第1順位の
ゲートからの溶融樹脂の流頭に侵入する。
【0011】このようにして、第2順位のゲートからの
溶融樹脂の流動方向が第1順位のゲートからの溶融樹脂
の流動方向に対して逆方向に流動する部分では、それら
の溶融樹脂が互いに接触する境界面が不規則に変化して
波状に形成される。このため、それらの溶融樹脂の境界
近傍の配向性の違いが緩和され、シンクマークが発生し
にくくなる。更に、前記境界面が波状に形成されるの
で、その接触面積が大きくなり、強度が向上する。
溶融樹脂の流動方向が第1順位のゲートからの溶融樹脂
の流動方向に対して逆方向に流動する部分では、それら
の溶融樹脂が互いに接触する境界面が不規則に変化して
波状に形成される。このため、それらの溶融樹脂の境界
近傍の配向性の違いが緩和され、シンクマークが発生し
にくくなる。更に、前記境界面が波状に形成されるの
で、その接触面積が大きくなり、強度が向上する。
【0012】なお、第2順位のゲートから注入された溶
融樹脂が第1順位のゲートから注入された溶融樹脂と同
一方向に流動する部分ではそれらの溶融樹脂の配向性が
一致するのでシンクマークが生じない。
融樹脂が第1順位のゲートから注入された溶融樹脂と同
一方向に流動する部分ではそれらの溶融樹脂の配向性が
一致するのでシンクマークが生じない。
【0013】また、上記のように溶融樹脂の境界面を波
状に形成する方法としては、例えば、第2順位のゲート
からの樹脂注入を継続した状態で、第1順位のゲートか
らの樹脂注入を停止、再開することが考えられるが、そ
の場合には、第1順位のゲートの近傍位置にヒケが確認
されることがある。この原因は、第1順位のゲートから
の樹脂注入を停止したときに第2順位のゲートからの注
入の影響を受けて第1順位のゲート近傍の樹脂が第2順
位のゲートに向かって引っ張られ、樹脂の圧力が低下し
てヒケが発生するものと思われる。従って、本発明にお
いては、第1順位のゲートからの樹脂注入を継続した状
態で、第2順位のゲートからの樹脂注入を停止、再開す
るようにして、第1順位のゲートの近傍に発生するヒケ
を防止した。
状に形成する方法としては、例えば、第2順位のゲート
からの樹脂注入を継続した状態で、第1順位のゲートか
らの樹脂注入を停止、再開することが考えられるが、そ
の場合には、第1順位のゲートの近傍位置にヒケが確認
されることがある。この原因は、第1順位のゲートから
の樹脂注入を停止したときに第2順位のゲートからの注
入の影響を受けて第1順位のゲート近傍の樹脂が第2順
位のゲートに向かって引っ張られ、樹脂の圧力が低下し
てヒケが発生するものと思われる。従って、本発明にお
いては、第1順位のゲートからの樹脂注入を継続した状
態で、第2順位のゲートからの樹脂注入を停止、再開す
るようにして、第1順位のゲートの近傍に発生するヒケ
を防止した。
【0014】また、本発明においては、第2順位のゲー
トからの射出注入の停止、再開を数回行ってもよく、こ
れによって、前記境界面の波状を多数形成してその接触
面積を一層大としてもよい。
トからの射出注入の停止、再開を数回行ってもよく、こ
れによって、前記境界面の波状を多数形成してその接触
面積を一層大としてもよい。
【0015】
【実施例】本発明の一実施例を図面に基づいて説明す
る。図1は本実施例の射出成形方法に用いる金型の説明
的断面図、図2乃至図4は作動を模式的に示す説明図、
図5は金型の内部における樹脂の状態を示す説明図であ
る。
る。図1は本実施例の射出成形方法に用いる金型の説明
的断面図、図2乃至図4は作動を模式的に示す説明図、
図5は金型の内部における樹脂の状態を示す説明図であ
る。
【0016】図1に示すように、金型1は、上型1aと
下型1bとによってキャビティ2を形成しており、この
キャビティ2に溶融樹脂Aを供給するためのゲート3,
4,5が上型1aに設けられている。これらのゲート
3,4,5には、夫々図示しない溶融樹脂供給装置から
上型1aに形成された樹脂供給路6,7,8を介して溶
融樹脂Aが加圧供給されるようになっている。
下型1bとによってキャビティ2を形成しており、この
キャビティ2に溶融樹脂Aを供給するためのゲート3,
4,5が上型1aに設けられている。これらのゲート
3,4,5には、夫々図示しない溶融樹脂供給装置から
上型1aに形成された樹脂供給路6,7,8を介して溶
融樹脂Aが加圧供給されるようになっている。
【0017】ゲート4はキャビティ2の中央部に臨んで
設けられており、ゲート3,5はゲート4の両側に夫々
所定の間隔を存して設けられている。ゲート3,5は、
図示しないシリンダ等によって駆動されるゲートピン
9,10により開閉されるようになっている。後述の射
出成形に際して、ゲート4は第1番目に射出注入を開始
するゲートとして設定され、ゲート3,5は第2番目に
射出注入を開始するゲートとして設定されている。
設けられており、ゲート3,5はゲート4の両側に夫々
所定の間隔を存して設けられている。ゲート3,5は、
図示しないシリンダ等によって駆動されるゲートピン
9,10により開閉されるようになっている。後述の射
出成形に際して、ゲート4は第1番目に射出注入を開始
するゲートとして設定され、ゲート3,5は第2番目に
射出注入を開始するゲートとして設定されている。
【0018】また、下型1bには、ゲート4からキャビ
ティ2に射出注入された溶融樹脂Aがゲート3,5の位
置に達したことを夫々検知するセンサ11,12が設け
られている。前記ゲートピン9,10によるゲート3,
5の開閉駆動は、これらのセンサ11,12の検知信号
に応じて図示しないコントローラにより制御されるよう
になっている。
ティ2に射出注入された溶融樹脂Aがゲート3,5の位
置に達したことを夫々検知するセンサ11,12が設け
られている。前記ゲートピン9,10によるゲート3,
5の開閉駆動は、これらのセンサ11,12の検知信号
に応じて図示しないコントローラにより制御されるよう
になっている。
【0019】次に、上述の金型1を用いた射出成形につ
いて説明する。なお、以下の説明において参照する図2
(a)、図3(a)、図4(a)は、金型1の一部であ
るゲート5の近傍のみを示したが、ゲート3について
は、ゲート5と左右対称の位置で同様の作動である。ま
た、図2(b)、図3(b)、図4(b)は、夫々図2
(a)、図3(a)、図4(a)に対応して平面視した
場合の状態を模式的に示したものである。
いて説明する。なお、以下の説明において参照する図2
(a)、図3(a)、図4(a)は、金型1の一部であ
るゲート5の近傍のみを示したが、ゲート3について
は、ゲート5と左右対称の位置で同様の作動である。ま
た、図2(b)、図3(b)、図4(b)は、夫々図2
(a)、図3(a)、図4(a)に対応して平面視した
場合の状態を模式的に示したものである。
【0020】本実施例においては、先ず、図1に示すよ
うに、ゲート3,5がゲートピン9,10により閉じら
れた状態で、ゲート4からキャビティ2内に溶融樹脂A
1 が射出注入され、該溶融樹脂A1 はゲート4を中心と
してキャビティ2内を流動していく。ゲート4からの射
出注入は、キャビティ2内への溶融樹脂Aの充填が完了
するまで続けられる。
うに、ゲート3,5がゲートピン9,10により閉じら
れた状態で、ゲート4からキャビティ2内に溶融樹脂A
1 が射出注入され、該溶融樹脂A1 はゲート4を中心と
してキャビティ2内を流動していく。ゲート4からの射
出注入は、キャビティ2内への溶融樹脂Aの充填が完了
するまで続けられる。
【0021】次いで、ゲート4から射出注入された溶融
樹脂A1 がゲート3,5の位置に達すると、これが前記
センサ11,12により検知され、その検知に応じた所
定のタイミングでゲート3,5が開かれる。そして、図
2(a)に示すように、ゲート3,5から射出注入され
た溶融樹脂A2 は、ゲート4から射出注入された溶融樹
脂A1 に包含された状態で、図2(b)に示すように、
溶融樹脂A1 と共にキャビティ2内に拡散する。これに
より、ゲート3,5からの溶融樹脂A2 の流動方向がゲ
ート4からの溶融樹脂A1 の流動方向に対して逆方向に
流動しても、溶融樹脂A2 が溶融樹脂A1 に包含される
ことにより、最終的に冷却工程を経てキャビティ2内に
得られる樹脂製品にウェルドマークが生じることはな
く、外観的に優れた樹脂製品を得ることができる。
樹脂A1 がゲート3,5の位置に達すると、これが前記
センサ11,12により検知され、その検知に応じた所
定のタイミングでゲート3,5が開かれる。そして、図
2(a)に示すように、ゲート3,5から射出注入され
た溶融樹脂A2 は、ゲート4から射出注入された溶融樹
脂A1 に包含された状態で、図2(b)に示すように、
溶融樹脂A1 と共にキャビティ2内に拡散する。これに
より、ゲート3,5からの溶融樹脂A2 の流動方向がゲ
ート4からの溶融樹脂A1 の流動方向に対して逆方向に
流動しても、溶融樹脂A2 が溶融樹脂A1 に包含される
ことにより、最終的に冷却工程を経てキャビティ2内に
得られる樹脂製品にウェルドマークが生じることはな
く、外観的に優れた樹脂製品を得ることができる。
【0022】続いて、ゲート4の射出注入が継続された
状態で、ゲート3,5の射出注入が所定時間停止する。
これにより、図3(a)に示すように、ゲート3,5か
らの溶融樹脂A2 の流頭に、ゲート4からの溶融樹脂A
1 の流頭が侵入すると共に、図3(b)に示すように、
溶融樹脂A1 と溶融樹脂A2 との境界形状が不規則に変
動する。このとき、ゲート3,5からの溶融樹脂A2 の
キャビティ2内面に近い側は既に固化が始まりつつある
ため、溶融樹脂A2 の中央部分が溶融樹脂A1の流頭に
押し戻され易く、これによって溶融樹脂A1 と溶融樹脂
A2 の境界面が図3(a)示のように凹凸が互いに噛み
合うように形成される。
状態で、ゲート3,5の射出注入が所定時間停止する。
これにより、図3(a)に示すように、ゲート3,5か
らの溶融樹脂A2 の流頭に、ゲート4からの溶融樹脂A
1 の流頭が侵入すると共に、図3(b)に示すように、
溶融樹脂A1 と溶融樹脂A2 との境界形状が不規則に変
動する。このとき、ゲート3,5からの溶融樹脂A2 の
キャビティ2内面に近い側は既に固化が始まりつつある
ため、溶融樹脂A2 の中央部分が溶融樹脂A1の流頭に
押し戻され易く、これによって溶融樹脂A1 と溶融樹脂
A2 の境界面が図3(a)示のように凹凸が互いに噛み
合うように形成される。
【0023】続いて、ゲート4の射出注入が継続された
状態で、ゲート3,5の射出注入が再開される。これに
より、図4(a)に示すように、ゲート3,5からの溶
融樹脂A2 の流動が再びゲート4からの溶融樹脂A1 の
流動方向に対して逆方向に流動し、こんどはゲート3,
5からの溶融樹脂A2 の流頭が、ゲート4からの溶融樹
脂A1 の流動に対抗すると共に、図4(b)に示すよう
に、溶融樹脂A1 と溶融樹脂A2 との境界形状が更に不
規則に変動しながらキャビティ2内に拡散する。そし
て、これによって溶融樹脂A1 と溶融樹脂A2 の境界面
は図4(a)示のように波状に形成される。このため、
それらの溶融樹脂の境界近傍の配向性の違いが緩和さ
れ、シンクマークが発生しにくくなる。更に、前記境界
面が波状に形成されるので、その接触面積が大きくな
り、強度が向上する。以下、溶融樹脂A 1 ,A2 がキャ
ビティ2内をその末端部まで到達して充填が完了する。
状態で、ゲート3,5の射出注入が再開される。これに
より、図4(a)に示すように、ゲート3,5からの溶
融樹脂A2 の流動が再びゲート4からの溶融樹脂A1 の
流動方向に対して逆方向に流動し、こんどはゲート3,
5からの溶融樹脂A2 の流頭が、ゲート4からの溶融樹
脂A1 の流動に対抗すると共に、図4(b)に示すよう
に、溶融樹脂A1 と溶融樹脂A2 との境界形状が更に不
規則に変動しながらキャビティ2内に拡散する。そし
て、これによって溶融樹脂A1 と溶融樹脂A2 の境界面
は図4(a)示のように波状に形成される。このため、
それらの溶融樹脂の境界近傍の配向性の違いが緩和さ
れ、シンクマークが発生しにくくなる。更に、前記境界
面が波状に形成されるので、その接触面積が大きくな
り、強度が向上する。以下、溶融樹脂A 1 ,A2 がキャ
ビティ2内をその末端部まで到達して充填が完了する。
【0024】また、本発明においては、ゲート3,5の
射出注入を開始してからキャビティ2内への充填が完了
するまでの間に、ゲート3,5による溶融樹脂A2 の射
出注入の停止、再開を2回以上行ってもよい。この場合
には、例えば、図5(a)に示すように、ゲート3,5
からの溶融樹脂A2 は、ゲート4からの溶融樹脂A1に
包含された状態で更に複雑な拡散状態を示し、その境界
面については図5(b)及び図5(c)に示すように波
状が多数形成されると同時に位置によって境界面の形状
が変化する。これにより、配向性の違いが十分に緩和さ
れてシンクマークの発生を防止することができるだけで
なく、境界面の接触面積が拡大されてより一層高い強度
を得ることができる。
射出注入を開始してからキャビティ2内への充填が完了
するまでの間に、ゲート3,5による溶融樹脂A2 の射
出注入の停止、再開を2回以上行ってもよい。この場合
には、例えば、図5(a)に示すように、ゲート3,5
からの溶融樹脂A2 は、ゲート4からの溶融樹脂A1に
包含された状態で更に複雑な拡散状態を示し、その境界
面については図5(b)及び図5(c)に示すように波
状が多数形成されると同時に位置によって境界面の形状
が変化する。これにより、配向性の違いが十分に緩和さ
れてシンクマークの発生を防止することができるだけで
なく、境界面の接触面積が拡大されてより一層高い強度
を得ることができる。
【0025】
【発明の効果】以上のことから明らかなように、本発明
によれば、第1順位のゲートからキャビティに射出注入
された溶融樹脂の流頭が第2順位のゲートの位置に達し
た後に、該第2順位のゲートから溶融樹脂を射出注入し
てウェルドマークを防止することに加え、該第2順位の
ゲートからの溶融樹脂の射出注入を開始してから、キャ
ビティへの溶融樹脂の充填が完了するまでの間に、該第
2順位のゲートからの射出注入を一時停止し再び射出注
入する工程を少なくとも1回行って、それらの溶融樹脂
が互いに接触する境界面を不規則に変化させて波状に形
成すると同時にその接触面積を拡大することにより、シ
ンクマークが極めて少なく且つ強度の高い樹脂製品を得
ることができる。
によれば、第1順位のゲートからキャビティに射出注入
された溶融樹脂の流頭が第2順位のゲートの位置に達し
た後に、該第2順位のゲートから溶融樹脂を射出注入し
てウェルドマークを防止することに加え、該第2順位の
ゲートからの溶融樹脂の射出注入を開始してから、キャ
ビティへの溶融樹脂の充填が完了するまでの間に、該第
2順位のゲートからの射出注入を一時停止し再び射出注
入する工程を少なくとも1回行って、それらの溶融樹脂
が互いに接触する境界面を不規則に変化させて波状に形
成すると同時にその接触面積を拡大することにより、シ
ンクマークが極めて少なく且つ強度の高い樹脂製品を得
ることができる。
【図1】本発明の一実施例の射出成形方法に用いる金型
の説明的断面図。
の説明的断面図。
【図2】本実施例の射出成形の作動を模式的に示す説明
図。
図。
【図3】図2に続く作動を模式的に示す説明図。
【図4】図3に続く作動を模式的に示す説明図。
【図5】金型の内部における樹脂の充填完了時の状態を
示す説明図。
示す説明図。
1…金型、2…キャビティ、3,4,5…ゲート、
A1 ,A2 …溶融樹脂。
A1 ,A2 …溶融樹脂。
Claims (1)
- 【請求項1】金型内に形成されたキャビティに複数のゲ
ートからあらかじめ定められた順位で溶融樹脂を射出注
入し、この時、少なくとも第1順位のゲートからキャビ
ティに射出注入された溶融樹脂の流頭が第2順位のゲー
トの位置に達した後に、該第2順位のゲートから溶融樹
脂を射出注入する射出成形方法において、該第2順位の
ゲートからの溶融樹脂の射出注入を開始してから、キャ
ビティへの溶融樹脂の充填が完了するまでの間に、該第
2順位のゲートからの射出注入を一時停止し再び射出注
入する工程を少なくとも1回行うことを特徴とする射出
成形方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5292930A JP2793483B2 (ja) | 1993-11-24 | 1993-11-24 | 射出成形方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5292930A JP2793483B2 (ja) | 1993-11-24 | 1993-11-24 | 射出成形方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07144340A JPH07144340A (ja) | 1995-06-06 |
JP2793483B2 true JP2793483B2 (ja) | 1998-09-03 |
Family
ID=17788254
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5292930A Expired - Fee Related JP2793483B2 (ja) | 1993-11-24 | 1993-11-24 | 射出成形方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2793483B2 (ja) |
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-
1993
- 1993-11-24 JP JP5292930A patent/JP2793483B2/ja not_active Expired - Fee Related
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