JP2764276B2 - 機能性新規ペプチド及びその利用 - Google Patents
機能性新規ペプチド及びその利用Info
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- JP2764276B2 JP2764276B2 JP63221280A JP22128088A JP2764276B2 JP 2764276 B2 JP2764276 B2 JP 2764276B2 JP 63221280 A JP63221280 A JP 63221280A JP 22128088 A JP22128088 A JP 22128088A JP 2764276 B2 JP2764276 B2 JP 2764276B2
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- esp
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- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、機能性を有する新規ペプチド及びその利用
に関するものである。
に関するものである。
更に詳細には、本発明は、魚介類を自己消化処理と蛋
白分解酵素処理を同時に行って得られたもので、分子量
が500〜6,000の機能性ペプチドに関するものである。
白分解酵素処理を同時に行って得られたもので、分子量
が500〜6,000の機能性ペプチドに関するものである。
更には、本発明は、この機能性ペプチドを有効成分と
してなる高脂血症治療及び予防剤、糖尿病治療及び予防
剤、又は、血圧降下及び血管拡張剤に関するものであ
る。
してなる高脂血症治療及び予防剤、糖尿病治療及び予防
剤、又は、血圧降下及び血管拡張剤に関するものであ
る。
(従来技術及び問題点) 一般に、魚介類を酸、アルカリ、蛋白分解酵素等で加
水分解して呈味性の加水分解物を得ることは普通に行わ
れている。
水分解して呈味性の加水分解物を得ることは普通に行わ
れている。
また、本発明者らは、先に、魚介類をまず自己消化分
解し、次いで蛋白分解酵素による処理を行い、新規なペ
プタイドを得ることができたのである(特願昭60−2268
34)。
解し、次いで蛋白分解酵素による処理を行い、新規なペ
プタイドを得ることができたのである(特願昭60−2268
34)。
ここに得られた新規なペプタイドについて各種試験を
したところ機能性においてすぐれたものがみられたので
あるが、製造法において、蛋白分解酵素の添加時期にむ
つかしい点があること、また、加水分解後の精製処理に
工業的にかなり困難な点があるなどの問題点があったの
である。
したところ機能性においてすぐれたものがみられたので
あるが、製造法において、蛋白分解酵素の添加時期にむ
つかしい点があること、また、加水分解後の精製処理に
工業的にかなり困難な点があるなどの問題点があったの
である。
また、魚介類から得られる各種ペプタイドについて
は、牛乳から得られる多くの機能性ペプタイド(New Fo
od Industry Vol.29,No.4(1987)29〜43頁)と同じ様
に、新らしい機能性ペプタイドの出現が期待されるので
ある。
は、牛乳から得られる多くの機能性ペプタイド(New Fo
od Industry Vol.29,No.4(1987)29〜43頁)と同じ様
に、新らしい機能性ペプタイドの出現が期待されるので
ある。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、よりすぐれた機能性ペプチドを求めて
鋭意研究した結果、魚介類を自己消化処理と蛋白分解酵
素処理を同時に行うことによって、分子量500〜6,000の
新規な機能性ペプチドを得ることに成功したのである。
鋭意研究した結果、魚介類を自己消化処理と蛋白分解酵
素処理を同時に行うことによって、分子量500〜6,000の
新規な機能性ペプチドを得ることに成功したのである。
本発明は、魚介類を、自己消化処理と蛋白分解酵素処
理を同時に行って得られたもので、分子量が500〜6,000
の機能性ペプチドに関するものである。
理を同時に行って得られたもので、分子量が500〜6,000
の機能性ペプチドに関するものである。
また、本発明の機能性ペプチドは、高脂血症の治療及
び予防剤、糖尿病の治療及び予防剤、血圧降下及び血管
拡張剤、肥満症の治療及び予防剤、動脈硬化症の治療及
び予防剤のそれぞれの有効成分となるものである。
び予防剤、糖尿病の治療及び予防剤、血圧降下及び血管
拡張剤、肥満症の治療及び予防剤、動脈硬化症の治療及
び予防剤のそれぞれの有効成分となるものである。
本発明の機能性ペプチドは、魚介類を原料として製造
するものであるが、先ず、これを採肉機、デボーナー等
によって処理して魚肉質を分離する。原料は出来る限り
新鮮なものが好ましい。分離した魚肉は、10kg程度のす
り身に分割し、このまま次の処理に使用してもよいが、
−20〜−50℃、例えば−30℃、程度の冷気を吹き付けて
急速凍結し、−20〜−25℃に保存しておき、必要に応じ
てこれを適宜使用するようにしてもよい。
するものであるが、先ず、これを採肉機、デボーナー等
によって処理して魚肉質を分離する。原料は出来る限り
新鮮なものが好ましい。分離した魚肉は、10kg程度のす
り身に分割し、このまま次の処理に使用してもよいが、
−20〜−50℃、例えば−30℃、程度の冷気を吹き付けて
急速凍結し、−20〜−25℃に保存しておき、必要に応じ
てこれを適宜使用するようにしてもよい。
魚介類としては、イワシ、アジ、マグロ、カツオ、サ
ンマ、サバ等赤身魚;ヒラメ、タイ、キス、コノシロ、
タラ、ニシン、ブリ等白身魚;サメ、エイ等軟骨魚肉;
ワカサギ、コイ、イワナ、ヤマメ等淡水魚肉;アイザ
メ、アンコウ等深海魚肉のほか、エビ、カニ、タコ、ア
ミ類、各種貝類等も適宜使用できる。
ンマ、サバ等赤身魚;ヒラメ、タイ、キス、コノシロ、
タラ、ニシン、ブリ等白身魚;サメ、エイ等軟骨魚肉;
ワカサギ、コイ、イワナ、ヤマメ等淡水魚肉;アイザ
メ、アンコウ等深海魚肉のほか、エビ、カニ、タコ、ア
ミ類、各種貝類等も適宜使用できる。
本発明においては、採肉した後、粉砕機等によって魚
介肉を粉砕し、加水すると同時に蛋白分解酵素を添加
し、酵素適温(使用酵素によって異なるが、20〜60℃程
度)にまで加温し、pHも適値(pH3〜9程度)に調整
し、ゆるやかに撹拌しつつ、自己消化処理と蛋白分解酵
素処理に同時に行わせ、2〜20時間、好ましくは3〜5
時間程度で処理を停止するために、処理液を10〜15分煮
沸する。
介肉を粉砕し、加水すると同時に蛋白分解酵素を添加
し、酵素適温(使用酵素によって異なるが、20〜60℃程
度)にまで加温し、pHも適値(pH3〜9程度)に調整
し、ゆるやかに撹拌しつつ、自己消化処理と蛋白分解酵
素処理に同時に行わせ、2〜20時間、好ましくは3〜5
時間程度で処理を停止するために、処理液を10〜15分煮
沸する。
自己消化酵素については、魚介類を酵素処理するまで
加熱しないで保持させる。
加熱しないで保持させる。
また、蛋白分解酵素としては、蛋白質を分解し得る酵
素であればすべての酵素が単独で又は混合して使用し得
る。その起源は、動植物のほか微生物に求めることがで
き、ペプシン、レニン、トリプシン、キモトリプシン、
パパイン、ブロメレインのほか、細菌プロテアーゼ、糸
状菌プロテアーゼ、放線菌プロテアーゼ等も広く利用で
きる。これらの酵素は、通常、市販されているものが使
用されるが、未精製の酵素、酵素を含有した培養液、麺
といった固体又は液体の酵素含有物も、目的により必要
に応じて使用することができる。
素であればすべての酵素が単独で又は混合して使用し得
る。その起源は、動植物のほか微生物に求めることがで
き、ペプシン、レニン、トリプシン、キモトリプシン、
パパイン、ブロメレインのほか、細菌プロテアーゼ、糸
状菌プロテアーゼ、放線菌プロテアーゼ等も広く利用で
きる。これらの酵素は、通常、市販されているものが使
用されるが、未精製の酵素、酵素を含有した培養液、麺
といった固体又は液体の酵素含有物も、目的により必要
に応じて使用することができる。
蛋白分解酵素の量は、酵素の精製度によって相違し、
また、処理時間によっても相違するが、処理液の0.05〜
1%、好ましくは0.1%程度の使用で十分である。
また、処理時間によっても相違するが、処理液の0.05〜
1%、好ましくは0.1%程度の使用で十分である。
酵素反応停止処理液はバイブロスクリーン等によって
濾過し、必要によりジェクター処理した後、シャープレ
ス遠心分離機等を用いて例えば10,000〜30,000rpmで遠
心分離する。
濾過し、必要によりジェクター処理した後、シャープレ
ス遠心分離機等を用いて例えば10,000〜30,000rpmで遠
心分離する。
これを減圧濃縮等によって濃縮し(30Bx程度にまで)
た後、再度遠心分離してペプチド原液を得る。
た後、再度遠心分離してペプチド原液を得る。
こうして得たペプチド原液は、活性炭濾過、珪藻土濾
過等によって精製し、そのまま機能性ペプチド原液とし
て使用することができる。
過等によって精製し、そのまま機能性ペプチド原液とし
て使用することができる。
ここに得られる機能性ペプチド原液は、デキストリン
を添加もしくは添加せずに、凍結乾燥したり、噴霧乾燥
したりして、粉末化することもできるものである。
を添加もしくは添加せずに、凍結乾燥したり、噴霧乾燥
したりして、粉末化することもできるものである。
本発明の機能性ペプチドは、文献未載で新規なもので
あり、ESP−2と命名された。
あり、ESP−2と命名された。
ESP−2の物理化学的性質は次のとおりである。
1.元素分析値 C;55.22%、H;5.83%、N;7.31%、 O;31.64% 2.分子量 セファデックスG−50カラムクロマトグラフィーによ
り分子量500〜6,000と認められる。
り分子量500〜6,000と認められる。
ゲル濾過による分子量分布図は第1図に示される。
3.融 点 145℃分解 4.比旋光度 ▲[α]20 D▼=19゜ 5.UVスペクトル 第2図のとおり。
6.IRスペクトル 第3図のとおり。
7.溶剤に対する溶解性 水、メタノール、DMSO等極性溶媒に可溶であるが、ク
ロロホルム、ヘキサン等非極性溶媒に不溶 8.呈色反応 ニンヒドリン反応 + ビウレット反応 + 銅−フォーリン反応 + フェノール硫酸反応 − 9.塩基性、酸性、中性の区別 微酸性、pH6.21(10%溶液) 10.物質の色、形状 黄白色粉末(凍結乾燥品) 11.水分含量 3.75%(常圧乾燥法) 12.塩分 3.97%(Clとして電位差滴定法により測定) 13.全窒素及びアミノ酸態窒素 T−N:14.04%(ミクロケールダール法) アミノ酸態−N:2.22%(ホルモール法) 本発明の機能性ペプチドは、各種の生理活性機能を有
している。
ロロホルム、ヘキサン等非極性溶媒に不溶 8.呈色反応 ニンヒドリン反応 + ビウレット反応 + 銅−フォーリン反応 + フェノール硫酸反応 − 9.塩基性、酸性、中性の区別 微酸性、pH6.21(10%溶液) 10.物質の色、形状 黄白色粉末(凍結乾燥品) 11.水分含量 3.75%(常圧乾燥法) 12.塩分 3.97%(Clとして電位差滴定法により測定) 13.全窒素及びアミノ酸態窒素 T−N:14.04%(ミクロケールダール法) アミノ酸態−N:2.22%(ホルモール法) 本発明の機能性ペプチドは、各種の生理活性機能を有
している。
本発明の機能性ペプチドは、後記する試験例からも明
らかなように高脂血症の治療及び予防、糖尿病の治療及
び予防、血圧降下及び血管拡張、肥満症の治療及び予
防、動脈硬化症の治療及び予防にすぐれた効果を示すの
で、これら疾病の予防、治療用医薬、輸液ないし栄養食
品、健康食品として広範に使用することができる。
らかなように高脂血症の治療及び予防、糖尿病の治療及
び予防、血圧降下及び血管拡張、肥満症の治療及び予
防、動脈硬化症の治療及び予防にすぐれた効果を示すの
で、これら疾病の予防、治療用医薬、輸液ないし栄養食
品、健康食品として広範に使用することができる。
医薬として使用する場合には、経口又は非経口投与す
ることができる。経口投与の場合には、例えば常法にし
たがい、錠剤、顆粒剤、粉末剤、カプセル剤、散剤とす
ることができ、又、非経口投与の場合には、例えば注射
薬製剤、点滴剤、坐剤として使用することができる。
ることができる。経口投与の場合には、例えば常法にし
たがい、錠剤、顆粒剤、粉末剤、カプセル剤、散剤とす
ることができ、又、非経口投与の場合には、例えば注射
薬製剤、点滴剤、坐剤として使用することができる。
また、本発明の機能性ペプチドは、卵黄と併用して経
口投与した場合、きわめて顕著な薬効が奏される。
口投与した場合、きわめて顕著な薬効が奏される。
卵黄としては、鶏卵のほか、ウズラ、アヒルその他鳥
類の卵が主として使用されるが、他の動物の卵も適宜使
用できる。卵黄としては、卵黄自体をそのまま使用して
もよいが、水や生理的食塩水等溶媒で稀釈して卵黄液と
して使用してもよく、稀釈率は適宜自由に定めればよ
い。経済性と有効性とを両立せしめるには、約10〜50%
卵黄液とするのが好都合である。
類の卵が主として使用されるが、他の動物の卵も適宜使
用できる。卵黄としては、卵黄自体をそのまま使用して
もよいが、水や生理的食塩水等溶媒で稀釈して卵黄液と
して使用してもよく、稀釈率は適宜自由に定めればよ
い。経済性と有効性とを両立せしめるには、約10〜50%
卵黄液とするのが好都合である。
投与する場合は、卵黄(液)に機能性ペプチドを5〜
50%程度溶解させて用いてもよいし、両者を単に混合し
て用いてもよいし、両者をカプセルに入れ体内で混合す
るようにしてもよい。このように卵黄を用いれば経口投
与しても所期の薬効を得ることができる。
50%程度溶解させて用いてもよいし、両者を単に混合し
て用いてもよいし、両者をカプセルに入れ体内で混合す
るようにしてもよい。このように卵黄を用いれば経口投
与しても所期の薬効を得ることができる。
本発明の機能性ペプチドは、天然起源でありしかも食
品でもあるために毒性が全くないか又は極めて低く、き
わめて安全である(LD50>3,000mg/kg皮下、>5,000mg/
kg経口:いずれもラット)。
品でもあるために毒性が全くないか又は極めて低く、き
わめて安全である(LD50>3,000mg/kg皮下、>5,000mg/
kg経口:いずれもラット)。
本発明の機能性ペプチドは、その種類、投与方法、患
者の症状、年令等によって異なるが、約0.1〜6000mg/kg
/日であり、1日に1〜4回投与するのが好ましい。な
お、予防目的のために健常人が服用する場合には、投与
量、投与回数等に格別の制限はない。また必要ある場合
には、他の薬剤との併用も可能である。
者の症状、年令等によって異なるが、約0.1〜6000mg/kg
/日であり、1日に1〜4回投与するのが好ましい。な
お、予防目的のために健常人が服用する場合には、投与
量、投与回数等に格別の制限はない。また必要ある場合
には、他の薬剤との併用も可能である。
以下、本発明を、試験例、製造例、調剤例により差に
詳細に説明する。
詳細に説明する。
試験例1 製造例によってイワシから調製した機能性ペプチドES
P−2を用い、ラットを次の3群に分けて血圧降下効果
を試験した。
P−2を用い、ラットを次の3群に分けて血圧降下効果
を試験した。
1)静脈注射群 2)生理食塩水溶解経口投与群 3)30%卵黄水溶液経口投与群。
ラットは、Hos:SHR(高血圧自然発症ラット)10週令
を星野実験動物(株)から購入し、これを1週間予備飼
育したものを使用した。
を星野実験動物(株)から購入し、これを1週間予備飼
育したものを使用した。
投与は、次のようにして行い、投与後、非観血的尾動
脈血圧装置((株)理研開発製PS−100)を用いて経時
的に血圧を測定し、表−1の結果を得た。
脈血圧装置((株)理研開発製PS−100)を用いて経時
的に血圧を測定し、表−1の結果を得た。
静注投与:117mg/kgの投与量になるように、機能性ペ
プチドESP−2を生理食塩水に溶解したもの1ml/animal
をラットに投与した。
プチドESP−2を生理食塩水に溶解したもの1ml/animal
をラットに投与した。
経口投与:(イ)機能性ペプチドESP−2の投与量が400
0mg/kgになるようにイワシペプチドを生理食塩水に溶解
したもの6ml/animalを投与した。
0mg/kgになるようにイワシペプチドを生理食塩水に溶解
したもの6ml/animalを投与した。
(ロ)機能性ペプチドESP−2の投与量が4000mg/kgにな
るようにイワシペプチドを30%卵黄液に溶解したもの6m
l/animalを投与した。
るようにイワシペプチドを30%卵黄液に溶解したもの6m
l/animalを投与した。
表1から次のことが判る。
1)静脈内への投与で明らかに血圧降下効果が認めら
れた。
れた。
2)機能性ペプチドESP−2を卵黄に溶解して経口投
与した場合、血圧は顕著に降下した。
与した場合、血圧は顕著に降下した。
試験例2 本試験例では機能性ペプチドESP−2を卵黄に溶解し
た系で、投与量と血圧降下との関係を、Nifedipineを陽
性対照試料とし、試験例1と同様にSHRラットを用いて
試験した。
た系で、投与量と血圧降下との関係を、Nifedipineを陽
性対照試料とし、試験例1と同様にSHRラットを用いて
試験した。
所定量のイワシペプチドを30%卵黄液になるように卵
黄水に溶解して経口投与した。
黄水に溶解して経口投与した。
投与後、非観血的尾動脈血圧装置((株)理研開発製
PS−100)を用いて経時的に血圧を測定した。測定は5
回繰返して行ない、最高最低値を棄却し3点の平均を測
定値とし、第4図の結果を得た。
PS−100)を用いて経時的に血圧を測定した。測定は5
回繰返して行ない、最高最低値を棄却し3点の平均を測
定値とし、第4図の結果を得た。
第4図から次のことが判る。
1)投与量の増加とともに血圧降下量は確実に増大し
た。
た。
2)投与後、約3時間まで降下量は増大し、投与後6
時間経過後も、なお降圧効果は持続していた。
時間経過後も、なお降圧効果は持続していた。
対照試料として用いたNifedipineの場合は、投口30分
後で降圧量46.3mmHgと、急速に降圧したが、投与後3時
間後には、14.9mmHgへと減少し、6時間後には6頭中4
頭は投与前の血圧値にまで上昇してしまった。
後で降圧量46.3mmHgと、急速に降圧したが、投与後3時
間後には、14.9mmHgへと減少し、6時間後には6頭中4
頭は投与前の血圧値にまで上昇してしまった。
試験例3 機能性ペプチドESP−2の2,4,8および16g/animalを各
々20mlの精製水に溶解し、カニューレを用いて、個体別
にウサギに経口的に投与した。ウサギの耳は剃毛して、
血管を観察しやすくしてから投薬し、耳血管の変化を観
察して血管拡張試験を行った。
々20mlの精製水に溶解し、カニューレを用いて、個体別
にウサギに経口的に投与した。ウサギの耳は剃毛して、
血管を観察しやすくしてから投薬し、耳血管の変化を観
察して血管拡張試験を行った。
ウサギはStd:NZW(ニュージーランドホワイト種)、1
4〜15週令、体重4.0±0.5kgの雄を静岡県実験動物農業
協同組合より購入し、1週間予備飼育した後、健常な動
物を試験に供した。
4〜15週令、体重4.0±0.5kgの雄を静岡県実験動物農業
協同組合より購入し、1週間予備飼育した後、健常な動
物を試験に供した。
観察の時期は、投薬前、20,30,60および120分とし、
その都度ウサギの耳を観察したところ、2gの投与で30分
後にはかなりの血管拡張がみとめられた。
その都度ウサギの耳を観察したところ、2gの投与で30分
後にはかなりの血管拡張がみとめられた。
試験例4 高脂血症及び動脈硬化に対する作用 体重約220gのWistar系雄性ラットを1群6匹とし、粉
末飼料(CA−1、日本クレア社製)にコレステロールお
よびコール酸をそれぞれ1および0.5%混合したものを1
4日間摂取させ、同時に機能性ペプチドESP−2を500お
よび1000mg/kg、比較対照薬クロフィブレートを200mg/k
gをそれぞれ金属製胃ゾンデを用いて経口投与した。投
与期間終了後、上述の正常ラットの場合と同様に血液お
よび肝臓を採取して脂質含有量を測定した。
末飼料(CA−1、日本クレア社製)にコレステロールお
よびコール酸をそれぞれ1および0.5%混合したものを1
4日間摂取させ、同時に機能性ペプチドESP−2を500お
よび1000mg/kg、比較対照薬クロフィブレートを200mg/k
gをそれぞれ金属製胃ゾンデを用いて経口投与した。投
与期間終了後、上述の正常ラットの場合と同様に血液お
よび肝臓を採取して脂質含有量を測定した。
結果は表2に示される。
試験例5 糖尿病に対する作用 体重約180gのWistar系雄性ラットに0.01Mクエン酸バ
ッファー(pH4.5)に溶解したストレプトゾシン(Upjoh
n社製)を45mg/kg静脈内投与し、投与1週間後に尾静脈
より採血し、血中グルコース値が270〜330mg/dlの範囲
内にある動物をSTZ糖尿病ラットとみなした。このSTZ糖
尿病ラットを1群6匹とし、粉末飼料(CA−1、日本ク
レア社製)にDAN−100を1.25、2.5または5%の割合に
混合したものを40g/匹/day7日間摂取させた。投与期間
終了後、上述の正常ラットの場合と同様に血液および肝
臓を採取してグルコース量及び脂質含有量を測定した。
ッファー(pH4.5)に溶解したストレプトゾシン(Upjoh
n社製)を45mg/kg静脈内投与し、投与1週間後に尾静脈
より採血し、血中グルコース値が270〜330mg/dlの範囲
内にある動物をSTZ糖尿病ラットとみなした。このSTZ糖
尿病ラットを1群6匹とし、粉末飼料(CA−1、日本ク
レア社製)にDAN−100を1.25、2.5または5%の割合に
混合したものを40g/匹/day7日間摂取させた。投与期間
終了後、上述の正常ラットの場合と同様に血液および肝
臓を採取してグルコース量及び脂質含有量を測定した。
結果は表3に示される。
試験例6 肥満症に対する作用 体重約300gの雄性Zucker(遺伝性肥満)ラット(faf
a)を1群3〜4匹とし、粉末飼料(CA−1、日本クレ
ア社製)にESP−2を5または10%の割合に混合したも
のを20g/匹/6day3ヶ月間摂取させた。投与期間終了後、
血液および肝臓を採取して脂質含有量を測定した。
a)を1群3〜4匹とし、粉末飼料(CA−1、日本クレ
ア社製)にESP−2を5または10%の割合に混合したも
のを20g/匹/6day3ヶ月間摂取させた。投与期間終了後、
血液および肝臓を採取して脂質含有量を測定した。
結果は表4に示される。
製造例1 新鮮イワシをデボーナーで処理して採肉し、得られた
イワシ肉身10kgを粉砕機で粉砕した後、等量の水及びデ
ナチーム(市販プロテアーゼ製剤商品名)10gを加え、
よく混合し、45℃に4時間保持して自己消化及び酵素分
解を行った。反応液をpH7に中和し、次いで15分間煮沸
して酵素を失活せしめた。
イワシ肉身10kgを粉砕機で粉砕した後、等量の水及びデ
ナチーム(市販プロテアーゼ製剤商品名)10gを加え、
よく混合し、45℃に4時間保持して自己消化及び酵素分
解を行った。反応液をpH7に中和し、次いで15分間煮沸
して酵素を失活せしめた。
これをバイブロスクリーン(150メッシュ)で濾過
し、濾液を5000rpmでジェクター処理した後、シャープ
レス遠心分離機で処理し(15,000rpm)、20Bxとなるま
で常温加熱濃縮し、そして再度シャープレス遠沈処理
(15,000rpm)した。
し、濾液を5000rpmでジェクター処理した後、シャープ
レス遠心分離機で処理し(15,000rpm)、20Bxとなるま
で常温加熱濃縮し、そして再度シャープレス遠沈処理
(15,000rpm)した。
得られた清澄液を減圧濃縮機にて4倍に濃縮し、濃縮
液を活性炭濾過し、次いで珪藻土濾過し、わずか黄色を
帯び透明な機能性ペプチドESP−2の溶液を得た。
液を活性炭濾過し、次いで珪藻土濾過し、わずか黄色を
帯び透明な機能性ペプチドESP−2の溶液を得た。
製造例2 製造例1で得た機能性ペプチドESP−2をそのまま凍
結乾燥し、黄白色の機能性ペプチドESP−2を得た。
結乾燥し、黄白色の機能性ペプチドESP−2を得た。
製造例3 製造例1で得た機能性ペプチドESP−2溶液に5%の
デキストリンを加え、噴霧乾燥して、機能性ペプチドES
P−2乾燥粉末を得た。
デキストリンを加え、噴霧乾燥して、機能性ペプチドES
P−2乾燥粉末を得た。
製造例4 凍結イワシ10kgを粉砕し、等量の水及びペプシン(市
販)8gを添加して、よく混合し、45℃で3時間保持し、
自己消化及び酵素分解を行った。反応液をpH7に調整
し、15分間煮沸して酵素を失活せしめた。
販)8gを添加して、よく混合し、45℃で3時間保持し、
自己消化及び酵素分解を行った。反応液をpH7に調整
し、15分間煮沸して酵素を失活せしめた。
反応液を冷却後、遠心分離し、分離液を限外濾過によ
り5倍に濃縮し、濃縮液を活性炭濾過し、次いで珪藻土
濾過し、わずか黄色を帯び透明な機能性ペプチドESP−
2の溶液を得た。
り5倍に濃縮し、濃縮液を活性炭濾過し、次いで珪藻土
濾過し、わずか黄色を帯び透明な機能性ペプチドESP−
2の溶液を得た。
調剤例1 (1)ESP−2の凍結乾燥粉末(製造例2) 10g (2)塩化ナトリウム 9g (3)クロロブタノール 5g (4)炭酸水素ナトリウム 1g 全成分を蒸留水1000mlに溶解し、褐色アンプル1000個
に1mlずつ分注し、窒素ガスで置換して封入し、注射剤
を製造した。
に1mlずつ分注し、窒素ガスで置換して封入し、注射剤
を製造した。
調剤例2 (1)ESP−2の噴霧乾燥粉末(製造例3) 10g (2)卵黄粉末 3g (3)乳糖 87g (4)コーンスターチ 29g (5)ステアリン酸マグネシウム 1g (1),(2),(3)及び17gのコーンスターチを
混和し、7gのコーンスターチから作ったペーストととも
に顆粒化し、この顆粒に5gのコーンスターチと(5)と
を加え、得られた混合物を圧縮錠剤機で打錠し、錠剤10
00個を製造した。
混和し、7gのコーンスターチから作ったペーストととも
に顆粒化し、この顆粒に5gのコーンスターチと(5)と
を加え、得られた混合物を圧縮錠剤機で打錠し、錠剤10
00個を製造した。
調剤例3 ESP−2の溶液(製造例4)20kg、卵黄30kg、グラニ
ュー糖10kgに水を加えて全量を100kgとし、これを良く
混合した。
ュー糖10kgに水を加えて全量を100kgとし、これを良く
混合した。
次いで90〜95℃で15〜30秒間殺菌処理し、品温を70℃
程度にまで急冷し、予じめ殺菌した褐色ビンに100gずつ
充填し、直ちに密栓し、ドリンク剤1000本を製造した。
程度にまで急冷し、予じめ殺菌した褐色ビンに100gずつ
充填し、直ちに密栓し、ドリンク剤1000本を製造した。
第1図は機能性ペプチドESP−2のゲル濾過による分子
量分布を示す図で、第2図はESP−2のUVスペクトルを
示す図で、第3図はESP−2のIRスペクトルを示す図
で、第4図はESP−2の降圧効果を図示したグラフであ
る。
量分布を示す図で、第2図はESP−2のUVスペクトルを
示す図で、第3図はESP−2のIRスペクトルを示す図
で、第4図はESP−2の降圧効果を図示したグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 38/00 ADN C12P 21/06 // C12P 21/06 A61K 37/18 ADN
Claims (6)
- 【請求項1】下記の物理化学的性質を有する機能性ペプ
チドESP−2。 (1)分子量:500〜6000 (セファデックスG−50カラムクロマトグラフィーによ
る) (2)融点:145℃(分解) (3)比旋光度:▲[α]20 D▼=19゜ (4)微酸性:pH6.21(10%溶液) (5)物質の色・形状:黄白色粉末 (6)塩分:3.97%(Clとして電位差滴定法により測
定) (7)全窒素及びアミノ態窒素 全窒素:14.04%(ミクロケールダール法) アミノ態窒素:2.22%(ホルモール法) - 【請求項2】請求項第1項の機能性ペプチドESP−2を
有効成分とする高脂血症の治療及び予防の組成物。 - 【請求項3】請求項第1項の機能性ペプチドESP−2を
有効成分とする糖尿病の治療及び予防の組成物。 - 【請求項4】請求項第1項の機能性ペプチドESP−2を
有効成分とする血圧降下及び血管拡張の組成物。 - 【請求項5】請求項第1項の機能性ペプチドESP−2を
有効成分とする肥満症の治療及び予防の組成物。 - 【請求項6】請求項第1項の機能性ペプチドESP−2を
有効成分とする動脈硬化症の治療及び予防の組成物。
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---|---|---|---|
JP63221280A JP2764276B2 (ja) | 1988-09-06 | 1988-09-06 | 機能性新規ペプチド及びその利用 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63221280A JP2764276B2 (ja) | 1988-09-06 | 1988-09-06 | 機能性新規ペプチド及びその利用 |
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---|---|
JPH02154693A JPH02154693A (ja) | 1990-06-14 |
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ID=16764309
Family Applications (1)
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JP63221280A Expired - Fee Related JP2764276B2 (ja) | 1988-09-06 | 1988-09-06 | 機能性新規ペプチド及びその利用 |
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ES2328835T3 (es) * | 2004-11-15 | 2009-11-18 | Mg Pharma Inc. | Hidrolizado de proteinas con efecto antidiabetico. |
KR100763938B1 (ko) * | 2004-12-30 | 2007-11-28 | 부경대학교 산학협력단 | 명태 프레임 단백질로부터 분리한 펩타이드 |
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-
1988
- 1988-09-06 JP JP63221280A patent/JP2764276B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02154693A (ja) | 1990-06-14 |
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