JP2757737B2 - ブレーキ圧制御装置 - Google Patents
ブレーキ圧制御装置Info
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- JP2757737B2 JP2757737B2 JP5081268A JP8126893A JP2757737B2 JP 2757737 B2 JP2757737 B2 JP 2757737B2 JP 5081268 A JP5081268 A JP 5081268A JP 8126893 A JP8126893 A JP 8126893A JP 2757737 B2 JP2757737 B2 JP 2757737B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車輪の回転を抑制する
ブレーキのブレーキ圧を制御する装置に関するものであ
り、特に、制御精度の向上に関するものである。
ブレーキのブレーキ圧を制御する装置に関するものであ
り、特に、制御精度の向上に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ブレーキ圧制御装置には、例えば、車両
制動時における制動距離の短縮と走行安定性の向上とを
図るためのアンチロック制御装置や、車両の発進性,加
速性を向上させるための加速スリップ制御装置等があ
る。ブレーキ圧制御装置は、車輪に生ずる過大なスリッ
プを抑制するためにブレーキ圧を制御するのであり、従
来、一般に、車両の走行速度のシフトにより目標車輪速
を設定し、目標車輪速と実車輪速との関係に基づいて制
御が行われるようになっている。スリップは路面に対し
て車輪が滑り、実車輪速が車両の走行速度に対して大き
く、あるいは小さくなる現象であり、実車輪速を車両の
走行速度に近づけれスリップを減少させることができ
る。そして、制動や駆動を最も良好に行うためには、ス
リップを適正量にすることが必要であるため、走行速度
をシフトさせて目標車輪速を設定するのであり、アンチ
ロック制御装置においては、車両の走行速度に1より小
さい係数を掛け、あるいは一定値を引くなどして目標車
輪速が求められ、加速スリップ制御装置においては、1
より大きい係数を掛け、あるいは一定値を加えるなどし
て目標車輪速が求められ、実車輪速が目標車輪速になる
ようにブレーキ圧が制御される。
制動時における制動距離の短縮と走行安定性の向上とを
図るためのアンチロック制御装置や、車両の発進性,加
速性を向上させるための加速スリップ制御装置等があ
る。ブレーキ圧制御装置は、車輪に生ずる過大なスリッ
プを抑制するためにブレーキ圧を制御するのであり、従
来、一般に、車両の走行速度のシフトにより目標車輪速
を設定し、目標車輪速と実車輪速との関係に基づいて制
御が行われるようになっている。スリップは路面に対し
て車輪が滑り、実車輪速が車両の走行速度に対して大き
く、あるいは小さくなる現象であり、実車輪速を車両の
走行速度に近づけれスリップを減少させることができ
る。そして、制動や駆動を最も良好に行うためには、ス
リップを適正量にすることが必要であるため、走行速度
をシフトさせて目標車輪速を設定するのであり、アンチ
ロック制御装置においては、車両の走行速度に1より小
さい係数を掛け、あるいは一定値を引くなどして目標車
輪速が求められ、加速スリップ制御装置においては、1
より大きい係数を掛け、あるいは一定値を加えるなどし
て目標車輪速が求められ、実車輪速が目標車輪速になる
ようにブレーキ圧が制御される。
【0003】このようなブレーキ圧制御装置の一種に、
(a)車両の路面に対する相対速度である対地車速を検
出する対地車速センサと、(b)車輪の実車輪速を検出
する車輪速センサと、(c)車輪のブレーキ圧を電気的
に制御する電磁バルブと、(d)対地車速センサにより
検出された対地車速のシフトにより得られる目標車輪速
と車輪速センサにより検出された実車輪速との関係に基
づいて電磁バルブを制御する電磁バルブ制御手段とを含
む装置がある。
(a)車両の路面に対する相対速度である対地車速を検
出する対地車速センサと、(b)車輪の実車輪速を検出
する車輪速センサと、(c)車輪のブレーキ圧を電気的
に制御する電磁バルブと、(d)対地車速センサにより
検出された対地車速のシフトにより得られる目標車輪速
と車輪速センサにより検出された実車輪速との関係に基
づいて電磁バルブを制御する電磁バルブ制御手段とを含
む装置がある。
【0004】車両の走行速度は、複数の実車輪速からの
推定によっても得ることができる。例えば、直進中の制
御時においては、車両の複数の車輪のうち実車輪速が最
大である車輪の実車輪速が車両の走行速度に最も近いた
め、これに基づいて車両の走行速度を推定することが行
われる。しかし、実車輪速が最大の車輪にもスリップは
存在し、また、車体に比べて車輪は慣性が小さく、速度
変化が大きいため、精度良く車両の走行速度を推定する
ことが難しく、延いてはアンチロック制御の制御性が低
下するため、対地車速が用いられるのである。
推定によっても得ることができる。例えば、直進中の制
御時においては、車両の複数の車輪のうち実車輪速が最
大である車輪の実車輪速が車両の走行速度に最も近いた
め、これに基づいて車両の走行速度を推定することが行
われる。しかし、実車輪速が最大の車輪にもスリップは
存在し、また、車体に比べて車輪は慣性が小さく、速度
変化が大きいため、精度良く車両の走行速度を推定する
ことが難しく、延いてはアンチロック制御の制御性が低
下するため、対地車速が用いられるのである。
【0005】このように対地車速センサにより車両の走
行速度を取得する場合、対地車速センサに異常が生じて
対地車速が得られなくなれば制御を行うことができなく
なる。そのため、特開昭63−149251号公報に記
載のアンチスキッド制御装置においては、対地車速セン
サに異常が生じた場合には、実車輪速から推定された推
定車体速に基づいて制御を行うようにされている。実車
輪速が推定車体速のシフトにより得られる目標車輪速と
なるようにブレーキ圧が制御されるのである。
行速度を取得する場合、対地車速センサに異常が生じて
対地車速が得られなくなれば制御を行うことができなく
なる。そのため、特開昭63−149251号公報に記
載のアンチスキッド制御装置においては、対地車速セン
サに異常が生じた場合には、実車輪速から推定された推
定車体速に基づいて制御を行うようにされている。実車
輪速が推定車体速のシフトにより得られる目標車輪速と
なるようにブレーキ圧が制御されるのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、対地車
速に代えて推定車体速を用いてブレーキ圧制御を行えば
制御精度が低下する問題がある。例えば、アンチロック
制御装置においては、対地車速に1より小さい係数を乗
じて目標車輪速を設定する代わりに、推定車体速に同じ
係数を乗じて目標車輪速が設定されることになるが、制
動時には車輪にスリップが生じ、推定車体速は対地車速
より低くなるため、目標車輪速も低くなり、アンチロッ
ク制御の開始が遅れ、ブレーキ圧が大きく変化させられ
るとともに実車輪速の変動が大きくなって制御精度が悪
化するのである。本発明は、対地車速センサの異常時に
対地車速に代えて推定車体速を使用する場合の制御精度
の悪化を減少させることを課題として為されたものであ
る。
速に代えて推定車体速を用いてブレーキ圧制御を行えば
制御精度が低下する問題がある。例えば、アンチロック
制御装置においては、対地車速に1より小さい係数を乗
じて目標車輪速を設定する代わりに、推定車体速に同じ
係数を乗じて目標車輪速が設定されることになるが、制
動時には車輪にスリップが生じ、推定車体速は対地車速
より低くなるため、目標車輪速も低くなり、アンチロッ
ク制御の開始が遅れ、ブレーキ圧が大きく変化させられ
るとともに実車輪速の変動が大きくなって制御精度が悪
化するのである。本発明は、対地車速センサの異常時に
対地車速に代えて推定車体速を使用する場合の制御精度
の悪化を減少させることを課題として為されたものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明は、図1に示すように、前記(a)対地車速セ
ンサ1,(b)車輪速センサ2および(c)電磁バルブ
3と、(d)対地車速センサ1が正常な場合には、対地
車速センサ1により検出された対地車速のシフトにより
得られる目標車輪速と車輪速センサ2により検出された
実車輪速との関係に基づいて電磁バルブ3を制御し、対
地車速センサ1が異常な場合には、実車輪速に基づいて
推定された推定車体速のシフトにより得られる目標車輪
速と実車輪速との関係に基づいて電磁バルブ3を制御す
る電磁バルブ制御手段4とを含むブレーキ圧制御装置に
おいて、電磁バルブ制御手段4を、(e)対地車速セン
サ1が正常な場合には、シフトの量を第1シフト量と
し、異常な場合には、その第1シフト量より絶対値が小
さい第2シフト量として、目標車輪速を得る目標車輪速
取得手段5と、(f)その目標車輪速取得手段5により
得られた目標車輪速と実車輪速との、対地車速センサ1
が正常な場合と異常な場合とに共通の関係に基づいて電
磁バルブ3の制御モードを決定する制御モード決定手段
6とを含むものとしたことを要旨とする。
に本発明は、図1に示すように、前記(a)対地車速セ
ンサ1,(b)車輪速センサ2および(c)電磁バルブ
3と、(d)対地車速センサ1が正常な場合には、対地
車速センサ1により検出された対地車速のシフトにより
得られる目標車輪速と車輪速センサ2により検出された
実車輪速との関係に基づいて電磁バルブ3を制御し、対
地車速センサ1が異常な場合には、実車輪速に基づいて
推定された推定車体速のシフトにより得られる目標車輪
速と実車輪速との関係に基づいて電磁バルブ3を制御す
る電磁バルブ制御手段4とを含むブレーキ圧制御装置に
おいて、電磁バルブ制御手段4を、(e)対地車速セン
サ1が正常な場合には、シフトの量を第1シフト量と
し、異常な場合には、その第1シフト量より絶対値が小
さい第2シフト量として、目標車輪速を得る目標車輪速
取得手段5と、(f)その目標車輪速取得手段5により
得られた目標車輪速と実車輪速との、対地車速センサ1
が正常な場合と異常な場合とに共通の関係に基づいて電
磁バルブ3の制御モードを決定する制御モード決定手段
6とを含むものとしたことを要旨とする。
【0008】
【作用】本発明に係るブレーキ圧制御装置においては、
対地車速センサが異常な場合には、推定車体速のシフト
により得られる目標車輪速が制御に用いられるのである
が、推定車体速のシフト量の絶対値が対地車速センサが
正常な場合より小さくされるため、車輪のスリップによ
り推定車体速が低く、あるいは高くなっても、目標車輪
速は対地車速センサが正常な場合に設定される目標車輪
速に近い大きさに設定される。
対地車速センサが異常な場合には、推定車体速のシフト
により得られる目標車輪速が制御に用いられるのである
が、推定車体速のシフト量の絶対値が対地車速センサが
正常な場合より小さくされるため、車輪のスリップによ
り推定車体速が低く、あるいは高くなっても、目標車輪
速は対地車速センサが正常な場合に設定される目標車輪
速に近い大きさに設定される。
【0009】アンチロック制御時のように、車輪のスリ
ップにより実車輪速が車両の走行速度より低くなり、目
標車輪速が車両の走行速度より低い値に設定される場合
には、目標車輪速を得るための速度の減少量が少なくさ
れ、また、加速スリップ制御時のように、駆動輪のスリ
ップにより実車輪速が車両の走行速度より高くなり、目
標車輪速が車両の走行速度より高い値に設定される場合
には、目標車輪速を得るための速度の増大量が少なくさ
れるのである。
ップにより実車輪速が車両の走行速度より低くなり、目
標車輪速が車両の走行速度より低い値に設定される場合
には、目標車輪速を得るための速度の減少量が少なくさ
れ、また、加速スリップ制御時のように、駆動輪のスリ
ップにより実車輪速が車両の走行速度より高くなり、目
標車輪速が車両の走行速度より高い値に設定される場合
には、目標車輪速を得るための速度の増大量が少なくさ
れるのである。
【0010】「シフト量」は、目標スリップ率あるいは
目標スリップ量から決定され、また、目標スリップ率と
目標スリップ量との組合わせその他によって決定され
る。
目標スリップ量から決定され、また、目標スリップ率と
目標スリップ量との組合わせその他によって決定され
る。
【0011】
【発明の効果】したがって、本発明によれば、対地車速
センサに異常が生じても制御の開始遅れが少なくて済
み、ブレーキ圧の変動,実車輪速の変動を低減させるこ
とができ、制御精度を向上させることができる。
センサに異常が生じても制御の開始遅れが少なくて済
み、ブレーキ圧の変動,実車輪速の変動を低減させるこ
とができ、制御精度を向上させることができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例であるアンチロック
制御装置を含むアンチロック型ブレーキ装置を図面に基
づいて詳細に説明する。
制御装置を含むアンチロック型ブレーキ装置を図面に基
づいて詳細に説明する。
【0013】図2において符号10はブレーキ操作部材
としてのブレーキペダルを示している。このブレーキペ
ダル10はブースタ12を介してマスタシリンダ14に
連携させられている。マスタシリンダ14は2個の加圧
室が互いに直列に並んで成るタンデム式であり、その一
方の加圧室は各電磁バルブ20を経て、左,右前輪2
2,24のブレーキを作動させるフロントホイールシリ
ンダ26に接続され、他方の加圧室も各電磁バルブ28
を経て、左,右後輪30,32のリヤホイールシリンダ
34に接続されている。
としてのブレーキペダルを示している。このブレーキペ
ダル10はブースタ12を介してマスタシリンダ14に
連携させられている。マスタシリンダ14は2個の加圧
室が互いに直列に並んで成るタンデム式であり、その一
方の加圧室は各電磁バルブ20を経て、左,右前輪2
2,24のブレーキを作動させるフロントホイールシリ
ンダ26に接続され、他方の加圧室も各電磁バルブ28
を経て、左,右後輪30,32のリヤホイールシリンダ
34に接続されている。
【0014】電磁バルブ20,28は、常には、ホイー
ルシリンダ26,34をマスタシリンダ14に連通させ
るとともにリザーバ36,38から遮断する増圧状態に
あるが、ソレノイドの励磁状態如何により、ホイールシ
リンダ26,34をマスタシリンダ14からもリザーバ
36,38からも遮断する保持状態と、ホイールシリン
ダ26,34をリザーバ36,38に連通させるととも
にマスタシリンダ14から遮断する減圧状態とのいずれ
かに切り換わる。
ルシリンダ26,34をマスタシリンダ14に連通させ
るとともにリザーバ36,38から遮断する増圧状態に
あるが、ソレノイドの励磁状態如何により、ホイールシ
リンダ26,34をマスタシリンダ14からもリザーバ
36,38からも遮断する保持状態と、ホイールシリン
ダ26,34をリザーバ36,38に連通させるととも
にマスタシリンダ14から遮断する減圧状態とのいずれ
かに切り換わる。
【0015】電磁バルブ20,28は図において3位置
弁として描かれているが、これは便宜上そのようにした
だけであって実際には、ノーマルオープン型の電磁開閉
弁である増圧弁とノーマルクローズド型の電磁開閉弁で
ある減圧弁との組合せで構成されている。このように構
成された電磁バルブ20,28においては、増圧弁も減
圧弁も非通電状態とすることによって増圧状態が実現さ
れ、増圧弁のみを通電状態とすることによって保持状態
が実現され、増圧弁も減圧弁も通電状態とすることによ
って減圧状態が実現される。すなわち、各輪のブレーキ
圧は2個の電磁開閉弁の組合せによって、増圧状態,保
持状態および減圧状態が択一的に実現されるのであり、
以下、増圧状態,保持状態および減圧状態をそれぞれ実
現するために電磁バルブ20,28のソレノイドに供給
される信号を増圧信号,保持信号および減圧信号という
ことにする。
弁として描かれているが、これは便宜上そのようにした
だけであって実際には、ノーマルオープン型の電磁開閉
弁である増圧弁とノーマルクローズド型の電磁開閉弁で
ある減圧弁との組合せで構成されている。このように構
成された電磁バルブ20,28においては、増圧弁も減
圧弁も非通電状態とすることによって増圧状態が実現さ
れ、増圧弁のみを通電状態とすることによって保持状態
が実現され、増圧弁も減圧弁も通電状態とすることによ
って減圧状態が実現される。すなわち、各輪のブレーキ
圧は2個の電磁開閉弁の組合せによって、増圧状態,保
持状態および減圧状態が択一的に実現されるのであり、
以下、増圧状態,保持状態および減圧状態をそれぞれ実
現するために電磁バルブ20,28のソレノイドに供給
される信号を増圧信号,保持信号および減圧信号という
ことにする。
【0016】前記リザーバ36,38はそれぞれ、ポン
プ40,42を経てマスタシリンダ14に接続されてお
り、リザーバ36,38内の作動液がポンプ40,42
により汲み上げられてマスタシリンダ14に還流させら
れるようになっている。すなわち、このアンチロック型
ブレーキ装置は還流式なのである。ポンプ40,42は
共通のモータ44により駆動される。
プ40,42を経てマスタシリンダ14に接続されてお
り、リザーバ36,38内の作動液がポンプ40,42
により汲み上げられてマスタシリンダ14に還流させら
れるようになっている。すなわち、このアンチロック型
ブレーキ装置は還流式なのである。ポンプ40,42は
共通のモータ44により駆動される。
【0017】前記電磁バルブ20,28はコントローラ
50により制御される。コントローラ50は、CPU,
ROM,RAM,入力インタフェースおよび出力インタ
フェースを含むコンピュータとソレノイド駆動回路とを
主体として構成されており、ソレノイド駆動回路に電磁
バルブ20,28のソレノイドがそれぞれ接続されてい
る。入力インタフェースには、ブレーキスイッチ54と
4個の車輪速センサ56と対地車速センサ58とがそれ
ぞれ接続されている。ブレーキスイッチ54は、常には
OFF状態にあり、ブレーキペダル10が踏み込まれれ
ばON状態となるものである。車輪速センサ56は、各
輪と共に回転する回転体の回転速度を検出することによ
り、左,右前輪22,24および左,右後輪30,32
のそれぞれの実車輪速VW を検出するものである。対地
車速センサ58は、例えば超音波ドップラ式や空間フィ
ルタ式により対地車速VGSを検出するものである。
50により制御される。コントローラ50は、CPU,
ROM,RAM,入力インタフェースおよび出力インタ
フェースを含むコンピュータとソレノイド駆動回路とを
主体として構成されており、ソレノイド駆動回路に電磁
バルブ20,28のソレノイドがそれぞれ接続されてい
る。入力インタフェースには、ブレーキスイッチ54と
4個の車輪速センサ56と対地車速センサ58とがそれ
ぞれ接続されている。ブレーキスイッチ54は、常には
OFF状態にあり、ブレーキペダル10が踏み込まれれ
ばON状態となるものである。車輪速センサ56は、各
輪と共に回転する回転体の回転速度を検出することによ
り、左,右前輪22,24および左,右後輪30,32
のそれぞれの実車輪速VW を検出するものである。対地
車速センサ58は、例えば超音波ドップラ式や空間フィ
ルタ式により対地車速VGSを検出するものである。
【0018】コントローラ50はそれのROMにおいて
アンチロック制御ルーチン,ブレーキ圧制御ルーチン等
を予め記憶させられており、それらをCPUが実行する
ことによりアンチロック制御が実行される。また、RA
Mには、図3に示すように、目標スリップ率メモリ6
0,対地車速メモリ62,目標車輪速メモリ64,目標
車輪加速度メモリ66,実車輪速メモリ68,実車輪加
速度メモリ70等が設けられている。
アンチロック制御ルーチン,ブレーキ圧制御ルーチン等
を予め記憶させられており、それらをCPUが実行する
ことによりアンチロック制御が実行される。また、RA
Mには、図3に示すように、目標スリップ率メモリ6
0,対地車速メモリ62,目標車輪速メモリ64,目標
車輪加速度メモリ66,実車輪速メモリ68,実車輪加
速度メモリ70等が設けられている。
【0019】次に上記アンチロック制御ルーチンを図4
のフローチャートに基づいて説明する。アンチロック制
御ルーチンは一定短時間毎に繰り返し実行される。各回
の実行時にはまず、ステップS1(以下、単に「S1」
で表す。他のステップについても同じとする)におい
て、RAMの各種メモリのクリア,各種フラグのリセッ
ト等のイニシャル処理が行われ、続いて、S2において
対地車速センサ58が異常であるか否かの判定が行われ
る。対地車速センサ58の異常診断は、アンチロック制
御を行うコンピュータとは別のコンピュータによって行
われており、例えば、対地車速センサ58から出力信号
が得られない場合、対地車速が急激に変化した状態が設
定時間以上継続した場合等に異常であると判定される。
S2においては異常診断の結果が読み込まれて異常であ
るか否かが判定される。
のフローチャートに基づいて説明する。アンチロック制
御ルーチンは一定短時間毎に繰り返し実行される。各回
の実行時にはまず、ステップS1(以下、単に「S1」
で表す。他のステップについても同じとする)におい
て、RAMの各種メモリのクリア,各種フラグのリセッ
ト等のイニシャル処理が行われ、続いて、S2において
対地車速センサ58が異常であるか否かの判定が行われ
る。対地車速センサ58の異常診断は、アンチロック制
御を行うコンピュータとは別のコンピュータによって行
われており、例えば、対地車速センサ58から出力信号
が得られない場合、対地車速が急激に変化した状態が設
定時間以上継続した場合等に異常であると判定される。
S2においては異常診断の結果が読み込まれて異常であ
るか否かが判定される。
【0020】対地車速センサ58が正常であればS2の
判定結果はNOとなり、S3が実行されて対地車速セン
サ58からの出力信号に基づいて対地車速VGSが演算さ
れ、対地車速メモリ62に記憶される。次にS4が実行
され、目標スリップ率αが12%に設定されて目標スリ
ップ率メモリ60に記憶される。目標スリップ率αの設
定後、S5において対地車速VGSおよび目標スリップ率
αに基づいて目標車輪速VR が演算され、目標車輪速V
R は対地車速VGSより12%低い値に設定される。本実
施例においては、シフト量が目標スリップ率から決定さ
れるのであり、演算された目標車輪速VR は目標車輪速
メモリ64に記憶される。
判定結果はNOとなり、S3が実行されて対地車速セン
サ58からの出力信号に基づいて対地車速VGSが演算さ
れ、対地車速メモリ62に記憶される。次にS4が実行
され、目標スリップ率αが12%に設定されて目標スリ
ップ率メモリ60に記憶される。目標スリップ率αの設
定後、S5において対地車速VGSおよび目標スリップ率
αに基づいて目標車輪速VR が演算され、目標車輪速V
R は対地車速VGSより12%低い値に設定される。本実
施例においては、シフト量が目標スリップ率から決定さ
れるのであり、演算された目標車輪速VR は目標車輪速
メモリ64に記憶される。
【0021】それに対し、対地車速センサ58が異常で
あればS2の判定結果はYESとなり、S6が実行され
て推定車体速VSOが演算される。非制動時と、制動時で
あってもアンチロック制御が開始されていない時とに
は、車輪速センサ56により検出される4個の実車輪速
VW のうちの最大値が推定車体速VSOとされる。アンチ
ロック制御の開始後は、4個の車輪のうち、減速度が設
定値を超えていない車輪の実車輪速VW のうちの最大値
が推定車体速VSOとされる。また、全部の車輪の減速度
が設定値を超えた場合には、減速度が最後に設定値を超
えた車輪の、その減速度を超えたときの実車輪速および
減速度の設定値に基づいて車体速度が推定される。車輪
のスリップが回復し、速度が上記実車輪速および減速度
の設定値に基づいて推定された値を超える車輪が生ずれ
ば、その車輪の実車輪速が推定車体速VSOとされる。
あればS2の判定結果はYESとなり、S6が実行され
て推定車体速VSOが演算される。非制動時と、制動時で
あってもアンチロック制御が開始されていない時とに
は、車輪速センサ56により検出される4個の実車輪速
VW のうちの最大値が推定車体速VSOとされる。アンチ
ロック制御の開始後は、4個の車輪のうち、減速度が設
定値を超えていない車輪の実車輪速VW のうちの最大値
が推定車体速VSOとされる。また、全部の車輪の減速度
が設定値を超えた場合には、減速度が最後に設定値を超
えた車輪の、その減速度を超えたときの実車輪速および
減速度の設定値に基づいて車体速度が推定される。車輪
のスリップが回復し、速度が上記実車輪速および減速度
の設定値に基づいて推定された値を超える車輪が生ずれ
ば、その車輪の実車輪速が推定車体速VSOとされる。
【0022】次いで、S7において目標スリップ率αが
5%に設定され、目標スリップ率メモリ60に記憶され
る。対地車速センサ58が異常な場合には、推定車体速
VSOのシフト量が小さくされるのである。続いてS8が
実行され、推定車体速および目標スリップ率αに基づい
て目標車輪速VR が演算されて目標車輪速メモリ64に
記憶される。
5%に設定され、目標スリップ率メモリ60に記憶され
る。対地車速センサ58が異常な場合には、推定車体速
VSOのシフト量が小さくされるのである。続いてS8が
実行され、推定車体速および目標スリップ率αに基づい
て目標車輪速VR が演算されて目標車輪速メモリ64に
記憶される。
【0023】目標車輪速VR の設定後、S9が実行さ
れ、目標車輪速VR を時間に関して微分することによ
り、目標車輪加速度GR が演算される。目標車輪加速度
GR は具体的には、目標車輪速VR の今回値から前回値
(予めRAMに記憶されている)を差し引くことによっ
て演算されるのであり、演算された値は目標車輪加速度
メモリ66に記憶される。
れ、目標車輪速VR を時間に関して微分することによ
り、目標車輪加速度GR が演算される。目標車輪加速度
GR は具体的には、目標車輪速VR の今回値から前回値
(予めRAMに記憶されている)を差し引くことによっ
て演算されるのであり、演算された値は目標車輪加速度
メモリ66に記憶される。
【0024】その後、S10〜14が実行されることに
なるが、それらS10〜14は、右前輪24,左前輪2
2,右後輪32および左後輪30の順に一回ずつ実行さ
れるため、まず、S10においては、それら4輪のうち
今回の実行対象車輪が決定される。続いて、S11にお
いて、その実行対象車輪に対応する車輪速センサ56か
らの出力信号に基づき、実行対象車輪の実車輪速VW が
演算され、実車輪速メモリ68に記憶される。その後、
S12において、その実車輪速VW を時間に関して微分
することにより、実車輪加速度GW が演算される。実車
輪加速度GW は具体的には、実車輪速VW の今回値から
前回値(予めRAMに記憶されている)を差し引くこと
によって演算され、演算された値は実車輪加速度メモリ
70に記憶される。
なるが、それらS10〜14は、右前輪24,左前輪2
2,右後輪32および左後輪30の順に一回ずつ実行さ
れるため、まず、S10においては、それら4輪のうち
今回の実行対象車輪が決定される。続いて、S11にお
いて、その実行対象車輪に対応する車輪速センサ56か
らの出力信号に基づき、実行対象車輪の実車輪速VW が
演算され、実車輪速メモリ68に記憶される。その後、
S12において、その実車輪速VW を時間に関して微分
することにより、実車輪加速度GW が演算される。実車
輪加速度GW は具体的には、実車輪速VW の今回値から
前回値(予めRAMに記憶されている)を差し引くこと
によって演算され、演算された値は実車輪加速度メモリ
70に記憶される。
【0025】続いて、S13が実行され、制御実行対象
車輪について処理が行われる。処理とは、アンチロック
制御の開始判定,電磁バルブ20,28の制御モードの
決定および電磁バルブ20,28のデューティ制御時間
の決定であり、これらは本出願人の出願である特願平4
−321288号の明細書に記載のアンチロック制御装
置と原則として同様に行われるため、簡単に説明する。
車輪について処理が行われる。処理とは、アンチロック
制御の開始判定,電磁バルブ20,28の制御モードの
決定および電磁バルブ20,28のデューティ制御時間
の決定であり、これらは本出願人の出願である特願平4
−321288号の明細書に記載のアンチロック制御装
置と原則として同様に行われるため、簡単に説明する。
【0026】アンチロック制御は、実車輪速VW が目標
車輪速VR より落ち込んだときに開始すべきと判定され
る。
車輪速VR より落ち込んだときに開始すべきと判定され
る。
【0027】また、ブレーキ圧制御モードは次のように
して決定される。実車輪速VW が目標車輪速VR より落
ち込んだ状態では、減圧モードを実行し、その結果実車
輪速VW が目標車輪速VR より大きくなり、車体速度V
GSに近くなり過ぎてしまった状態では、増圧モードを実
行する。すなわち、実車輪速VW の目標車輪速VR から
の偏差である速度偏差ΔVを基準として、モードが決定
されるのである。ただし、実車輪速VW が目標車輪速V
R より落ち込んでいる状態でも、実車輪加速度GW が目
標車輪加速度GR 以上となった後には、減圧モードを中
止して保持モードを実行する。
して決定される。実車輪速VW が目標車輪速VR より落
ち込んだ状態では、減圧モードを実行し、その結果実車
輪速VW が目標車輪速VR より大きくなり、車体速度V
GSに近くなり過ぎてしまった状態では、増圧モードを実
行する。すなわち、実車輪速VW の目標車輪速VR から
の偏差である速度偏差ΔVを基準として、モードが決定
されるのである。ただし、実車輪速VW が目標車輪速V
R より落ち込んでいる状態でも、実車輪加速度GW が目
標車輪加速度GR 以上となった後には、減圧モードを中
止して保持モードを実行する。
【0028】増圧および減圧は、電磁バルブ20,28
のデューティ制御により行われる。「デューティ制御」
とは、本実施例においては、前記特願平4−32128
8号のアンチロック制御装置とは異なり、電磁バルブ2
0,28のソレノイド駆動回路に対して増圧信号または
減圧信号と保持信号とをそれぞれ1回ずつそれらの順に
出力することを1回のデューティサイクルとし、かつ、
その1回のデューティサイクルにおける増圧信号または
減圧信号の継続時間を不変の変圧時間、保持信号の継続
時間を可変の保持時間(以下、これを「デューティ時
間」という)とすることにより、1回のデューティサイ
クルの時間において変圧信号の継続時間が占有する比率
であるデューティ比を制御することを言う。
のデューティ制御により行われる。「デューティ制御」
とは、本実施例においては、前記特願平4−32128
8号のアンチロック制御装置とは異なり、電磁バルブ2
0,28のソレノイド駆動回路に対して増圧信号または
減圧信号と保持信号とをそれぞれ1回ずつそれらの順に
出力することを1回のデューティサイクルとし、かつ、
その1回のデューティサイクルにおける増圧信号または
減圧信号の継続時間を不変の変圧時間、保持信号の継続
時間を可変の保持時間(以下、これを「デューティ時
間」という)とすることにより、1回のデューティサイ
クルの時間において変圧信号の継続時間が占有する比率
であるデューティ比を制御することを言う。
【0029】デューティ時間は速度偏差または加速度偏
差が大きいほど短くなるように決定され、その結果、速
度偏差または加速度偏差が大きいほどブレーキ圧の増減
圧勾配が急になる。速度偏差とは、実車輪速VW の目標
車輪速VR からの偏差であり、加速度偏差は実車輪加速
度GR の目標車輪加速度GR からの偏差である。具体的
には、実車輪速VW が目標車輪速VR 以上であり、か
つ、実車輪加速度GWが目標車輪加速度GR 以上である
増圧時には、デューティ時間DUTYが、速度偏差ΔVと加
速度偏差ΔGとの双方により決定されてブレーキ圧が急
に増大させられ、また、実車輪速VW が目標車輪速V
R 以上であり、かつ、実車輪加速度GWが目標車輪加速
度GR 未満である増圧時には、デューティ時間DUTYが速
度偏差ΔVのみによって決定されてブレーキ圧が緩やか
に増大させられ、また、実車輪速VW が目標車輪速V
R 未満であり、かつ、実車輪加速度GW が目標車輪加速
度GR 未満である減圧時には、デューティ時間DUTYが加
速度偏差ΔGのみによって決定されるようになってい
る。
差が大きいほど短くなるように決定され、その結果、速
度偏差または加速度偏差が大きいほどブレーキ圧の増減
圧勾配が急になる。速度偏差とは、実車輪速VW の目標
車輪速VR からの偏差であり、加速度偏差は実車輪加速
度GR の目標車輪加速度GR からの偏差である。具体的
には、実車輪速VW が目標車輪速VR 以上であり、か
つ、実車輪加速度GWが目標車輪加速度GR 以上である
増圧時には、デューティ時間DUTYが、速度偏差ΔVと加
速度偏差ΔGとの双方により決定されてブレーキ圧が急
に増大させられ、また、実車輪速VW が目標車輪速V
R 以上であり、かつ、実車輪加速度GWが目標車輪加速
度GR 未満である増圧時には、デューティ時間DUTYが速
度偏差ΔVのみによって決定されてブレーキ圧が緩やか
に増大させられ、また、実車輪速VW が目標車輪速V
R 未満であり、かつ、実車輪加速度GW が目標車輪加速
度GR 未満である減圧時には、デューティ時間DUTYが加
速度偏差ΔGのみによって決定されるようになってい
る。
【0030】アンチロック制御ルーチンにより決定され
た制御モードは、図示は省略するが、RAMに設けられ
たフラグのON,OFFにより指令され、また、デュー
ティ時間もRAMに記憶され、ROMに記憶されたブレ
ーキ圧制御ルーチンは、これら指令およびデューティ時
間をRAMを介して逐次監視することにより、それら指
令およびデューティ時間が実現されるように電磁バルブ
20,28のソレノイド駆動回路に対して信号を出力す
る。
た制御モードは、図示は省略するが、RAMに設けられ
たフラグのON,OFFにより指令され、また、デュー
ティ時間もRAMに記憶され、ROMに記憶されたブレ
ーキ圧制御ルーチンは、これら指令およびデューティ時
間をRAMを介して逐次監視することにより、それら指
令およびデューティ時間が実現されるように電磁バルブ
20,28のソレノイド駆動回路に対して信号を出力す
る。
【0031】上記のように制御モードおよびデューティ
時間が決定されるとき、目標車輪速VR および目標車輪
加速度GR が使用される。これら目標車輪速VR および
目標車輪加速度GR は、対地車速センサ58が正常であ
れば、対地車速VGSおよび12%に設定された目標スリ
ップ率αに基づいて演算され、制御モードおよびデュー
ティ時間に従って電磁バルブ20,28が制御されるこ
とにより、図5および図6に前輪について代表的に示す
ように、ブレーキ圧は緩やかに変動し、実車輪速VW は
目標車輪速VR に沿って変化させられる。
時間が決定されるとき、目標車輪速VR および目標車輪
加速度GR が使用される。これら目標車輪速VR および
目標車輪加速度GR は、対地車速センサ58が正常であ
れば、対地車速VGSおよび12%に設定された目標スリ
ップ率αに基づいて演算され、制御モードおよびデュー
ティ時間に従って電磁バルブ20,28が制御されるこ
とにより、図5および図6に前輪について代表的に示す
ように、ブレーキ圧は緩やかに変動し、実車輪速VW は
目標車輪速VR に沿って変化させられる。
【0032】それに対し、対地車速センサ58が異常な
場合には、目標車輪速VR は対地車速VGSではなく、推
定車体速VSOに基づいて演算されるが、目標スリップ率
αが対地車速センサ58が正常な場合より小さい5%に
設定され、推定車体速VSOのシフト量が小さくされてい
る。そのため、スリップを含む実車輪速により推定され
た推定車体速VSOは対地車速VGSより低いが、図8に示
すように、目標車輪速VR は対地車速センサ58が正常
であれば得られる対地車速VGSから大きく外れることな
く設定される。
場合には、目標車輪速VR は対地車速VGSではなく、推
定車体速VSOに基づいて演算されるが、目標スリップ率
αが対地車速センサ58が正常な場合より小さい5%に
設定され、推定車体速VSOのシフト量が小さくされてい
る。そのため、スリップを含む実車輪速により推定され
た推定車体速VSOは対地車速VGSより低いが、図8に示
すように、目標車輪速VR は対地車速センサ58が正常
であれば得られる対地車速VGSから大きく外れることな
く設定される。
【0033】対地車速センサ58に異常が生じ、推定車
体速VSOに基づいて目標車輪速VRを演算する場合で
も、目標スリップ率αを対地車速センサ58が正常な場
合と同じとし、シフト量を小さくしなければ、推定車体
速VSOが低いため、図10に示すように目標車輪速VR
が対地車速センサ58が正常であれば得られる対地車速
VGSから大きく外れる。そのため、アンチロック制御の
開始に遅れが生じ、図9および図10に示すようにブレ
ーキ圧が急激に変化させられ、実車輪速VW が急激に変
化しつつ減少させられて制御精度が悪くなる。それに対
し、本実施例におけるように対地車速センサ58が異常
である場合に推定車体速VSOを使用しても、シフト量を
小さくすることによりアンチロック制御の開始遅れが小
さくなり、図7および図8に示すように、ブレーキ圧の
変動が小さくなって実車輪速VW が急激な変動少なく減
少させられ、制御精度の悪化が軽減される。
体速VSOに基づいて目標車輪速VRを演算する場合で
も、目標スリップ率αを対地車速センサ58が正常な場
合と同じとし、シフト量を小さくしなければ、推定車体
速VSOが低いため、図10に示すように目標車輪速VR
が対地車速センサ58が正常であれば得られる対地車速
VGSから大きく外れる。そのため、アンチロック制御の
開始に遅れが生じ、図9および図10に示すようにブレ
ーキ圧が急激に変化させられ、実車輪速VW が急激に変
化しつつ減少させられて制御精度が悪くなる。それに対
し、本実施例におけるように対地車速センサ58が異常
である場合に推定車体速VSOを使用しても、シフト量を
小さくすることによりアンチロック制御の開始遅れが小
さくなり、図7および図8に示すように、ブレーキ圧の
変動が小さくなって実車輪速VW が急激な変動少なく減
少させられ、制御精度の悪化が軽減される。
【0034】また、上記効果は、アンチロック制御ルー
チンに対地車速センサ58が異常であるか否かに応じて
目標スリップ率を異なる大きさに設定するステップを設
けることにより得ることができ、対地車速センサ58が
異常な場合に備えて、対地車速VGSによらないでアンチ
ロック制御を行うルーチンを設けておき、異常時は実行
ルーチンを切り換える場合に比較して、プログラムの容
量を大きくすることなく制御精度悪化の軽減効果を得る
ことができる。
チンに対地車速センサ58が異常であるか否かに応じて
目標スリップ率を異なる大きさに設定するステップを設
けることにより得ることができ、対地車速センサ58が
異常な場合に備えて、対地車速VGSによらないでアンチ
ロック制御を行うルーチンを設けておき、異常時は実行
ルーチンを切り換える場合に比較して、プログラムの容
量を大きくすることなく制御精度悪化の軽減効果を得る
ことができる。
【0035】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、コントローラ50のコンピュータのROM
のS1〜S3,S5,S6,S8〜S14を記憶する部
分およびCPUのそれらステップを実行する部分が電磁
バルブ制御手段4を構成し、ROMのS2〜S8を記憶
する部分およびCPUのそれらステップを実行する部分
が目標車輪速取得手段5を構成し、ROMのS9〜S1
4を記憶する部分およびCPUのそれらステップを実行
する部分が制御モード決定手段6を構成しているのであ
る。
においては、コントローラ50のコンピュータのROM
のS1〜S3,S5,S6,S8〜S14を記憶する部
分およびCPUのそれらステップを実行する部分が電磁
バルブ制御手段4を構成し、ROMのS2〜S8を記憶
する部分およびCPUのそれらステップを実行する部分
が目標車輪速取得手段5を構成し、ROMのS9〜S1
4を記憶する部分およびCPUのそれらステップを実行
する部分が制御モード決定手段6を構成しているのであ
る。
【0036】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
詳細に説明したが、この他の態様で本発明を実施するこ
とができる。
詳細に説明したが、この他の態様で本発明を実施するこ
とができる。
【0037】例えば、上記実施例において対地車速セン
サ58が正常な場合と異常な場合とにおいて、目標スリ
ップ率はそれぞれ12%,5%に設定されていたが、こ
れらに限らず、これらに近い適宜の値に設定すればよ
い。
サ58が正常な場合と異常な場合とにおいて、目標スリ
ップ率はそれぞれ12%,5%に設定されていたが、こ
れらに限らず、これらに近い適宜の値に設定すればよ
い。
【0038】また、シフト量を得るための目標スリップ
率や目標スリップ量等は1種類に限らず、例えば、過大
なスリップが生じたときの車両の走行速度に応じて段階
的に、あるいは直線的,曲線的に変化させてもよい。
率や目標スリップ量等は1種類に限らず、例えば、過大
なスリップが生じたときの車両の走行速度に応じて段階
的に、あるいは直線的,曲線的に変化させてもよい。
【0039】さらに、上記実施例において対地車速セン
サ58が異常であるか否かは、アンチロック制御を行う
コンピュータとは別のコンピュータにより行われるよう
になっていたが、アンチロック制御を行うコンピュータ
自身が異常診断を行うようにしてもよい。
サ58が異常であるか否かは、アンチロック制御を行う
コンピュータとは別のコンピュータにより行われるよう
になっていたが、アンチロック制御を行うコンピュータ
自身が異常診断を行うようにしてもよい。
【0040】さらに、前記実施例においては、電磁バル
ブ20,28が、2個の2位置弁の組合せから成るもの
とされていたが、例えば、1個の3位置弁から成るもの
とすることができる。また、それらはいずれも、液圧源
とホイールシリンダとリザーバとの間の作動液の流通状
態を複数の状態に切り換える状態切換式であるが、例え
ば、スプールに互いに逆向きに作用する磁気力と液圧に
基づく力とをバランスさせることにより、液圧の高さを
磁気力に対してリニアに変化させるリニア制御式とする
こともできる。
ブ20,28が、2個の2位置弁の組合せから成るもの
とされていたが、例えば、1個の3位置弁から成るもの
とすることができる。また、それらはいずれも、液圧源
とホイールシリンダとリザーバとの間の作動液の流通状
態を複数の状態に切り換える状態切換式であるが、例え
ば、スプールに互いに逆向きに作用する磁気力と液圧に
基づく力とをバランスさせることにより、液圧の高さを
磁気力に対してリニアに変化させるリニア制御式とする
こともできる。
【0041】さらにまた、本発明は、アンチロック制御
装置に限らず、加速スリップ制御装置等、別のブレーキ
圧制御装置に適用することができる。加速スリップ制御
装置に適用する場合には、全部の車輪が駆動輪である車
両に設けられた加速スリップ制御装置に好適である。駆
動輪のスリップにより推定車体速が車両の走行速度より
高くなるため、対地車速センサが異常な場合には、アン
チロック制御装置の場合とは逆に、目標車輪速を得るた
めに推定車体速に掛ける係数を小さくし、あるいは推定
車体速に加える速度を小さくしてシフト量を小さくす
る。
装置に限らず、加速スリップ制御装置等、別のブレーキ
圧制御装置に適用することができる。加速スリップ制御
装置に適用する場合には、全部の車輪が駆動輪である車
両に設けられた加速スリップ制御装置に好適である。駆
動輪のスリップにより推定車体速が車両の走行速度より
高くなるため、対地車速センサが異常な場合には、アン
チロック制御装置の場合とは逆に、目標車輪速を得るた
めに推定車体速に掛ける係数を小さくし、あるいは推定
車体速に加える速度を小さくしてシフト量を小さくす
る。
【0042】その他、特許請求の範囲を逸脱することな
く、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良を施した
態様で本発明を実施することができる。
く、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良を施した
態様で本発明を実施することができる。
【図1】本発明の構成を概念的に示すブロック図であ
る。
る。
【図2】本発明の一実施例であるアンチロック制御装置
を含むアンチロック型ブレーキ装置を示すシステム図で
ある。
を含むアンチロック型ブレーキ装置を示すシステム図で
ある。
【図3】上記アンチロック制御装置のコントローラのコ
ンピュータのRAMの構成を概念的に示す図である。
ンピュータのRAMの構成を概念的に示す図である。
【図4】上記コンピュータのROMに格納されたアンチ
ロック制御ルーチンを示すフローチャートである。
ロック制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】上記アンチロック制御装置において対地車速セ
ンサが正常な場合に行われるアンチロック制御時の時間
とブレーキ圧との関係を示すグラフである。
ンサが正常な場合に行われるアンチロック制御時の時間
とブレーキ圧との関係を示すグラフである。
【図6】上記アンチロック制御装置において対地車速セ
ンサが正常な場合に行われるアンチロック制御時の時間
と対地車速,推定車体速,目標車輪速,実車輪速との関
係を示すグラフである。
ンサが正常な場合に行われるアンチロック制御時の時間
と対地車速,推定車体速,目標車輪速,実車輪速との関
係を示すグラフである。
【図7】上記アンチロック制御装置において対地車速セ
ンサが異常な場合に行われるアンチロック制御時の時間
とブレーキ圧との関係を示すグラフである。
ンサが異常な場合に行われるアンチロック制御時の時間
とブレーキ圧との関係を示すグラフである。
【図8】上記アンチロック制御装置において対地車速セ
ンサが異常な場合に行われるアンチロック制御時の時間
と対地車速,推定車体速,目標車輪速,実車輪速との関
係を示すグラフである。
ンサが異常な場合に行われるアンチロック制御時の時間
と対地車速,推定車体速,目標車輪速,実車輪速との関
係を示すグラフである。
【図9】従来のアンチロック制御装置において対地車速
センサが異常な場合に行われるアンチロック制御時の時
間とブレーキ圧との関係を示すグラフである。
センサが異常な場合に行われるアンチロック制御時の時
間とブレーキ圧との関係を示すグラフである。
【図10】従来のアンチロック制御装置において対地車
速センサが異常な場合に行われるアンチロック制御時の
時間と対地車速,推定車体速,目標車輪速,実車輪速と
の関係を示すグラフである。
速センサが異常な場合に行われるアンチロック制御時の
時間と対地車速,推定車体速,目標車輪速,実車輪速と
の関係を示すグラフである。
20 電磁バルブ 22 左前輪 24 右前輪 28 電磁バルブ 30 左後輪 32 右後輪 50 コントローラ 56 車輪速センサ 58 対地車速センサ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60T 8/96 B60T 8/66
Claims (1)
- 【請求項1】車両の路面に対する相対速度である対地車
速を検出する対地車速センサと、 車輪の実車輪速を検出する車輪速センサと、 前記車輪のブレーキ圧を電気的に制御する電磁バルブ
と、 前記対地車速センサが正常な場合には、対地車速センサ
により検出された対地車速のシフトにより得られる目標
車輪速と前記車輪速センサにより検出された実車輪速と
の関係に基づいて前記電磁バルブを制御し、対地車速セ
ンサが異常な場合には、実車輪速に基づいて推定された
推定車体速のシフトにより得られる目標車輪速と実車輪
速との関係に基づいて電磁バルブを制御する電磁バルブ
制御手段とを含むブレーキ圧制御装置において、 前記電磁バルブ制御手段を、 (a) 前記対地車速センサが正常な場合には、前記シフト
の量を第1シフト量とし、異常な場合には、その第1シ
フト量より絶対値が小さい第2シフト量として、前記目
標車輪速を得る目標車輪速取得手段と、 (b) その目標車輪速取得手段により得られた目標車輪速
と前記実車輪速との、前記対地車速センサが正常な場合
と異常な場合とに共通の関係に基づいて前記電磁バルブ
の制御モードを決定する制御モード決定手段と を含むも
のとした ことを特徴とするブレーキ圧制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5081268A JP2757737B2 (ja) | 1993-03-16 | 1993-03-16 | ブレーキ圧制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5081268A JP2757737B2 (ja) | 1993-03-16 | 1993-03-16 | ブレーキ圧制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06286601A JPH06286601A (ja) | 1994-10-11 |
JP2757737B2 true JP2757737B2 (ja) | 1998-05-25 |
Family
ID=13741620
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5081268A Expired - Fee Related JP2757737B2 (ja) | 1993-03-16 | 1993-03-16 | ブレーキ圧制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2757737B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2525372B2 (ja) * | 1986-08-15 | 1996-08-21 | 富士通テン株式会社 | アンチスキツド制御装置 |
-
1993
- 1993-03-16 JP JP5081268A patent/JP2757737B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06286601A (ja) | 1994-10-11 |
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