[go: up one dir, main page]

JP2753583B2 - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

Info

Publication number
JP2753583B2
JP2753583B2 JP28005888A JP28005888A JP2753583B2 JP 2753583 B2 JP2753583 B2 JP 2753583B2 JP 28005888 A JP28005888 A JP 28005888A JP 28005888 A JP28005888 A JP 28005888A JP 2753583 B2 JP2753583 B2 JP 2753583B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
recording
magnetic
magneto
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP28005888A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02126443A (ja
Inventor
元 町田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP28005888A priority Critical patent/JP2753583B2/ja
Priority to GB8924671A priority patent/GB2234623B/en
Priority to DE3936690A priority patent/DE3936690A1/de
Publication of JPH02126443A publication Critical patent/JPH02126443A/ja
Priority to US07/948,452 priority patent/US5420836A/en
Priority to US08/173,913 priority patent/US5461595A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP2753583B2 publication Critical patent/JP2753583B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、書き換えが可能な光磁気記録媒体に関し、
特に高速、高密度記録が可能な光磁気記録媒体に関する
ものである。
〔従来の技術〕
光磁気記録媒体は垂直磁気記録と磁気光学効果(カー
効果等)を利用するもので、従来の光記録媒体と同様に
レーザ光を用いて情報の記録、再生を行うため記録容量
が大きく、その上書き換えが可能である。さらにヘッド
と媒体が非接触で記録再生を行うことができ、塵埃の影
響を受けないため安定性にも優れている。このため光磁
気記録媒体は、現在盛んに研究されており、文書情報フ
ァイル、ビデオ・静止画フィイル、音声ファイル、コン
ピューター用メモリ等への利用あるいはフロッピーディ
スク、ハードディスクの代替が期待され、近い将来の商
品化段階を迎えるに至っている。
このような光磁気記録媒体の記録層として、遷移金属
(Fe,Co)と希土類金属(Tb,Dy,Gd,Ho,Er等)とを組合
せた非晶質(アモルファス)磁性合金膜が提案されてい
る。遷移金属と希土類金属とをそれぞれ1種以上組み合
せ、スパッタ法や蒸着法で基板上に作製した磁性合金膜
は、非晶質の垂直磁化膜(膜面と垂直な方向に磁化容易
軸を有する磁化膜)となり、光磁気記録媒体に応用する
事が可能となる。
上記のような磁性合金膜を光磁気記録媒体に応用する
場合には、a)再生C/Nが大きい、b)記録感度が良い
(記録時のレーザパワーが小さい)、c)記録したメモ
リが安定である、b)記録した磁区(ビット)が小さ
く、高密度化できる等の条件を満足する必要がある。こ
れらの特性には磁性合金膜のカー回転角θ、キュリー
温度Tc、保磁力Hc、飽和磁化Ms等の物性が係わってくる
が、単一の磁性合金膜で上記特性を全て満足させること
は困難であったため、記録層を二層構造とし、各特性を
分離して各々の磁性合金膜を持たせるいわゆる機能分離
型二層膜構造にした光磁気記録媒体が研究されており、
最近では特開昭62-6217号公報、同63-175244号公報等に
開示されたものがある。
ここで第8図及び第9図を参照しながら従来の機能分
離型二層膜構造の光磁気記録媒体について説明する。
第8図は、従来のこの種の光磁気記録媒体の断面構成
を示す図で、基板21上に設けられた記録層22は第1磁性
層22a及び第2磁性層22bの2つの層からなっている。第
1磁性層22aはGdFeCo等のカー回転角θが大きく保磁
力Hcが小さくキュリー温度Tcが高い非晶質磁性合金膜よ
りなり、再生層として作用する。一方、第2磁性層22b
はTbFeCo,TbDyFe等の保磁力Hcが大きくキュリー温度Tc
が低い非晶質合金膜よりなり、記録層として作用する。
また、耐食性の改善のために記録層22にTi,Nb,Ta,Zr等
からなる金属層を積層したものもある。このような構成
の光磁気記録媒体の記録過程は第9図で説明される。同
図は第1磁性層22aにGdFeCo膜、第2磁性層22bにTbFeCo
膜を用いた場合の例である。TbFeCo膜(記録層)はキュ
リー温度Tcが低いので記録レーザパワーが低いIIIの曲
線にしたがってに記録がなされ、この場合GdFeCo膜(再
生層)は保磁力Hc1が十分小さいのでTbFeCo膜からの浮
遊磁界Hr2と記録磁界Hwとの和がHw+Hr2>Hc1となった
時に磁化反転し、記録がなされる。また記録レーザパワ
ーが高い場合はGdFeCo膜(再生膜)の磁化反転が最初に
起こり、その浮遊磁界Hr1と記録磁界Hwとの和がTbFeCo
膜(記録層)の保磁力Hc2より大きくなった時すなわちH
w+Hr1>Hc2の時にTbFeCo膜(記録層)に磁化反転が起
こり、記録がなされる。これは曲線Iに示される。曲線
IIは曲線Iと曲線IIIとの間の記録磁界とした場合で、
レーザパワーの大きさによってGdFeCo膜又はTbFeCo膜よ
り磁化反転が起きる。
〔発明が解決しようとする課題〕
一般に光磁気記録媒体の記録磁界は、i)磁石(電磁
石)の磁界特性のバラツキ、ii)磁石(電磁石)の半径
方向の磁界分析、iii)磁石(電磁石)と光磁気記録媒
体(記録層)との距離変動(取付バラツキ、ディスク回
転時の偏心、ディスクの面傾斜等による)等により、±
200 Oe以上変動する。すなわち例えば記録磁界を400 Oe
に設定したとしても200〜600 Oe程度の範囲の変動があ
る。
一方、光磁気記録媒体を高速アクセスするために、デ
ィスクの加速度を一定とするCAV(constant accelerati
on velocity)方式の場合は半径方向の位置によって線
速が変わる。例えば半径35mmと60mmの位置では1800rpm
の回転速度で線速に4.7m/秒差異が生じ、このため記録
レーザパワーを半径方向に変動する必要がある。
しかしながら、前述の従来の機能分離型二層膜構造の
光磁気記録媒体の場合、第9図により説明したような原
理で記録が行われるため、上記の如き記録磁界の変動や
記録レーザパワーの変動に対してその記録、再生特性が
大きく影響され、そのうえ各磁性合金膜の特性を厳しく
制御・適性化しなければならず、実用化上難点がある。
また、機能分離型二層膜の記録層の金属層を積層した
構造の場合には、該金属層が記録層の熱を吸熱、拡散
し、このため記録レーザパワーが大きくなる。特にガラ
ス基板を用いた場合はポリカーボネート基板より熱伝導
率が1桁大きいため、記録レーザパワーが更に大きくな
り、高速記録(線速 22m/秒以上)は困難である。
一方、情報処理の高速化、ハードディスク等の代替の
見地から、光磁気記録媒体の記録速度はハードディスク
と同等以上であることが期待される。すなわち、ディス
ク回転数3600rpm、線速22m/秒以上、記録レーザパワー
(媒体面)10mW以下での記録が望まれる。そのために
は、さらに高速、高密度化を図ることが必要となる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであっ
て、上記の要求を満たす高速、高密度記録が可能でかつ
再生C/Nの高い機能分離型の光磁気記録媒体を提供する
ことを目的とする。
〔課題を解決するための手段及び作用〕
基板上に誘電層、光磁気記録層及び断熱層を順に設け
て構成され、前記光磁気記録層が少なくとも1種以上の
希土類金属と遷移金属Fe,Coを含有する非晶質の第1及
び第2の磁性合金膜を積層してなり、該第1及び第2の
磁性合金膜の保磁力が、 第1の磁性合金膜<第2の磁性合金膜 の条件を満足しており、該第1の磁性合金膜が再生層
として作用しかつ該第2の磁性合金膜が記録層として作
用する光磁気記録媒体において、 前記第1及び第2の磁性合金膜はいずれもその希土類
金属の濃度が補償組成の近傍でかつ該補償組成に対し高
濃度(リッチ)側にあり、かつ前記第1の磁性合金膜の
キュリー温度が前記第2の磁性合金膜のキュリー温度よ
り大であることを特徴とする光磁気記録媒体が提供され
る。
本発明の光磁気記録媒体の光磁気記録層は第1の磁性
合金膜(以下第1磁性層という)と第2の磁性合金膜
(以下第2磁性層という)の2つの層を積層して構成さ
れ、いずれの膜も、少なくとも1種以上の希土類金属と
遷移金属Fe,Coを含有し、膜面と垂直な方向に磁化容易
軸を持つ非晶質磁性合金膜であり、しかも膜中の希土類
金属の濃度が補償組成(室温における膜中の希土類金属
の磁性モーメントをMRM、遷移金属の磁気モーメントをM
TMととしたとき、|MRM-MTM|=0となる組成)の近傍
でかつ希土類金属リッチ(優位)のものとなっている。
そしてこの希土類金属の濃度z(atom%)は、補償組成
での濃度をzo(atom%)としたとき、zo<z<zo+5で
あるのが好ましい。zの値が大きくなりすぎると室温で
の保磁力Hc及びカー回転角θが急激に低下するので光
磁気記録媒体の記録層には不適となる。
第1図と第2図及び第3図に希土類金属リッチである
磁性層と、遷移金属リッチである磁性層の飽和磁化Msと
保磁力Hc及びカー回転角θ(飽和)磁化Msと対応)の
温度特性を示す。これらの図から分かるように、飽和磁
化Msについては、遷移金属リッチの磁性層の場合はキュ
リー温度Tc付近迄減少しないが、希土類金属リッチの磁
性層の場合は温度上昇に対応し直線的に減少する。また
保磁力Hcについても同様な傾向を示す。この現象を第4
図により考察してみる。第4図は記録ビット周囲の磁化
分布及び記録ビットの内部の浮遊磁界分布を示すグラフ
である。遷移金属リッチの磁性層が示す上記傾向は、遷
移金属リッチの磁性層は第4図に示されるように希土類
金属リッチの磁性層に比べ、記録ビットの周辺に飽和磁
化Msが残留磁化Mrとして大きく残存していることによる
ものである。この残留磁化Mrは記録過程あるいは消去過
程に悪い効果をもたらす。すなわち、記録過程において
は、残留磁化Mrによる浮遊磁界Hrはレーザ光照射記録部
において記録磁界Hwと同方向に作用し、記録ビットを拡
大させるので、微小記録ビットの記録が困難である。こ
の場合、|Hw|>|Hc−Hr|の時に記録が可能となる。一
方、消去過程では、浮遊磁界Hrは消去磁界HEと逆方向に
作用し、|HE|>|Hc+Hr|の時に消去が可能となる。こ
れらのことより、消去時には記録時より2Hr大きい磁界
が必要となる。記録時と消去時とで印加する磁界の大き
さを変化させることは望ましくなく、特に磁界変調記録
法には不適である。これに対し、希土類金属リッチの磁
性層では第4図に示されるように、記録ビットの周辺に
残存している飽和磁化Mrが小さく、浮遊磁界も小さいた
め、上記のような不都合がなく、微小記録ビットの記録
が可能となるとともに、記録時、消去時の印加磁界の大
きさを同じにでき、しかも消去磁界を小さくすることが
できる。
本発明は第1磁性層と第2磁性層の双方を以上のよう
な性質を持った希土類金属リッチの非晶質磁性合金膜で
形成し、第1磁性層と第2磁性層を同条件すなわち同じ
記録レーザパワーと同じ記録磁界での記録を可能とする
(記録レーザパワーや記録磁界の変動を受けない)もの
である。
また、本発明の第1磁性層のキュリー温度Tc1は第2
磁性層のキュリー温度Tc2より大きく設定され、Tc1は17
0〜230℃、Tc2は120〜170℃であるのが望ましい。第1
磁性層及び第2磁性層の室温における飽和磁化Ms1,Ms2
はいずれも150Gauss以下であるのが望ましく、100Gauss
以下であるのがより望ましい。本発明においては、該第
1磁性層及び第2磁性層の保磁力を以下のように規定す
る。
第1磁性層<第2磁性層 第1磁性層の室温における保磁力Hc1は500 Oe〜2kOe
であるのが望ましく、第2磁性層の室温における保磁力
Hc2は2kOe以上であるのが望ましい。また第1磁性層の
カー回転角θはより大きいことが望ましい。さらに、
本発明の磁性層はキュリー温度Tc近傍において保磁力Hc
の温度特性曲線の勾配が第2図に示すように大きいこと
が望ましい。この特性を持った記録層は記録ビットと非
記録部の領域の保持力Hcの差が大きくデジタルに変化す
るので、記録ビットの長さは短く、その形状は第5図
(a)の様にシャープとなる。一方、第3図のようにキ
ュリー温度Tc近傍における保磁力Hcの温度特性曲線の勾
配が小さくしかも長く裾を引いているような磁性層で
は、記録ビットと非記録部の領域の保磁力Hcの差が小さ
く、記録ビットの長さは長く、その形状は第5図(b)
の様に乱れ、媒体移動方向の後端で尾引がある。また記
録ビットのサイズも不揃いとなり、磁性合金膜組成の小
さい変動を受けやすくなり、望ましくない。このよう
に、キュリー温度Tc付近では保磁力Hcの勾配値は大きい
ほど良く、しかも長く裾を引かず直線的に変化している
のが好ましい。保磁力Hcの温度特性の良否はキュリー温
度Tcから50℃低い温度(Tc-50℃)における保磁力をHc
50としたとき、このHc50を50℃で割った勾配値Hc50/50
(Oe/℃)で評価できる。本発明の磁性層の勾配値Hc50/
50は10以上であるのが好ましい。
また、本発明の各磁性層の膜厚は、第1磁性層の膜厚
をt1、第2磁性層の膜厚をt2としたとき、100Åt13
00Å、200Åt2600Åで、かつt1<t2/2及び300Å<t
1+t2<800Åを満足するように設定するのが望ましい。
このように設定された膜厚の磁性層は、膜厚方向に熱分
布が少なく、膜厚方向への熱拡散による熱損失が少な
く、しかもキュリー温度Tcの高い第1磁性層が薄層化さ
れ、第1磁性層と第2磁性層を同条件で記録するのに最
適である。この同条件での記録という観点からすると、
第1磁性層と第2磁性層との記録開始磁界Hwに対応する
保磁力となる温度は双方でほぼ一致している事のが望ま
しい。第2図の例の場合、Hw=500 Oeとすると、この磁
界に対応する温度は双方で155℃とほぼ一致している。
第1磁性層と第2磁性層に適用できる非晶質磁性合金
膜としてはたとえばTbDyFeCoとGdDyFeCoが挙げられる
が、これに限定されるものではなく上記の条件を満足す
るものであれば適用可能である。
次に、本発明の光磁気記録媒体の層構成について説明
する。
第6図は本発明による光磁気記録媒体の一構成例の断
面図であり、基板11上に誘電層12を介して、第1磁性層
13aと第2磁性層13bからなる記録層13を設け、さらにそ
の上に誘電層14を設けた構成となっている。そして必要
に応じて有機保護層15が形成される。なお16はレーザ光
である。
先ず、基板11の材料としてはポリカーボネート、メチ
ルメタクリレート、ポリオレフィン、エポキシ等のプラ
スチック、あるいはガラス等が使用可能である。基板11
にあらかじめガイドトラック、プリフォーマットを形成
してもよい。
誘電層12は基板外部からH2O、O2が侵入して記録層13
の磁気特性が劣化するのが防止するとともに、光の多重
反射により磁気光学効果(カー回転角θ)をエンハン
スメントする役割を行う。したがって、誘電層12には屈
折率nが2.1以上の材料を膜厚400〜1000Åで使用する。
また、熱伝導による熱損失という観点から誘電層12の熱
伝導率は0.05cal/cm・s・℃以下であるのが好ましい。
このような材料としては、具体的にはSiXNY、AlN、SiXO
Y、ZrN、ZrO2、TaO2、TaN、AlON、AlSiN、ZnS、AlSiN
O、Al2O3・2SiO2、SiZrN、AlZrN等が好ましく使用され
る。成膜方法としてはスパッタ法、蒸着法、イオンプレ
ーティング法等が使用される。
記録層13については、既に詳述したような各磁性合金
膜で第1磁性層13a及び第2磁性層13bが形成される。成
膜方法としてはスパッタ法、蒸着法等が使用される。
誘電層14は記録時にレーザ光照射により記録層13に発
生した熱を拡散させないで該記録層13内に集める役割を
するとともに、大気中の水、酸素により記録層13が酸
化、腐食するのを防止する役割を行う。このため、誘電
層14には熱伝導率が0.05cal/cm・s・℃以下の誘電材料
が好ましく用いられる。そして、そのような誘電材料と
しては、誘電層12で使用したと同様の材料を用いること
ができる。そして誘電層14は誘電層12の形成と同様の成
膜法により400〜1000Åの膜厚に形成される。
誘電層14の上には必要に応じて有機保護層15が設けら
れるが、この有機保護層15は紫外線硬化樹脂(UVレジ
ン)、ホットメルト樹脂、熱可塑性樹脂、プラズマ重合
樹脂等を用いてスピナー塗布法等の方法で1μm〜100
μmの膜厚に成膜される。なお、両面記録タイプの光磁
気記録媒体とするときには、有機保護層15の代わりに接
合層が設けられる。
第7図は本発明による光磁気記録媒体の別の構成例を
示す断面図であり、基板11上に誘電層12、記録層13、断
熱層17、熱吸収層(ヒートシンク層)18を順次積層した
構成となっている。そして必要に応じて有機保護層15又
は接合層が形成される。
基板11、誘電層12、記録層13及び有機保護層15の必要
特性等については第6図の媒体と同様である。断熱層17
は第6図の誘電層12と同様の必要特性であっても良く、
また十分な断熱硬化を得るために誘電層12よりさらに小
さい熱伝導率の材料で形成しても良い。熱吸収層18は断
熱層17での熱拡散を防止する作用を行う。すなわち、記
録時にレーザ照射により記録層13に発生した熱は、熱伝
導率の小さい断熱層17に伝導し、その断熱層17の熱が熱
吸収層18に伝導することにより、断熱層17での熱拡散が
防止される。その結果、記録層13の蓄熱効果が向上し、
記録ビット長がより短くかつその形状もよりシャープに
なる。上記作用のため熱吸収層18には熱伝導率が0.2cal
/cm・s・℃以上の材料が使用される。このような材料
としてはAl、Pt、Au、Rh、Cu、Ag、Cr等又はこれらの合
金が最適である。その成膜方法としてはスパッタ法、蒸
着法等の方法が使用され、200〜600Åの膜厚に形成され
る。熱吸収層18の膜厚が600Åより大きくなると熱吸収
層18の横方向に熱拡散が起こるため強い記録レーザパワ
ーが必要となり好ましくなく、また200Åより薄いと上
記のような作用をなし得なくなる。
〔実施例〕
以下に本発明の実施例をあげるが、本発明はこれらの
実施例に限定されるものではない。
実施例1 外径130mm、内径15mm、厚さ1.2mmのポリカーボネート
板を基板として用い、RFマグネトロンスパッタ装置にお
いて該基板上に誘電層としてSiXNY膜をスパッタ法によ
り700Åの膜厚に形成した。次に、同スパッタ装置にお
いて誘電層上に記録層の第1の磁性層としてGd13・0Dy
14・5Fe60・5Co12・0磁性膜をスパッタ法により50Å/分の
成膜速度で300Åの膜厚に、さらに第2の磁性層としてT
b12・4Dy12・5Fe66・8Co8・3磁性膜を300Åの膜厚に形成し
た。この第1の磁性層の磁気特性はキュリー温度Tc=22
5℃、保磁力Hc=1.5kOe、飽和磁化Ms=64Gauss、第2の
磁性層の磁気特性はキュリー温度Tc=168℃、保磁力Hc
=3.7kOe、飽和磁化Ms=108Gaussであった。次に、その
上に、同じくスパッタ法により誘電層としてSiXNY膜を7
00Åの成膜に形成した。そして誘電層上にスピンコート
にてエポキシアクリレート(大日精化(株)製のUDAL-3
9(K))を10μmの膜厚に被着させた後、紫外線照射
により硬化させて、有機保護層を形成し、光磁気記録媒
体を得た。
実施例2〜4 各層の材料として各々表−1、表−2及び表−3に示
すものを用い、実施例1と同様にして各層が表−1に示
す膜厚の光磁気記録媒体を得た。記録層の第1磁性層及
び第2磁性層の磁気特性は表−2に示す通りであった。
なお、ポリエステル(ケミットR-99、東レ製)は熱ロー
ラで塗布して形成した。誘電層の成膜速度は20-50Å/
分、第1及び第2磁性層の成膜速度は30〜60Å/分とし
た。
実施例5,6 各層の材料として各々表−1,表−2及び表−3に示す
ものを用い、新たに熱吸収層を設けた以外は上記の実施
例と同様にして第7図の構成を有する光磁気記録媒体を
得た。熱吸収層は蒸着法により100〜200Å/分の成膜速
度で誘電層(断熱層)上に形成した。
以上のようにして作製した各光磁気記録媒体の記録再
生特性の評価を下記の条件で行った。
・記録周波数 15(MHz) ・デューティ 50% ・線速 22(m/s) ・媒体の回転数 3600(rpm) ・記録レーザ波長 780(nm) ・レーザスポット径 約1(μm) ・バイアス磁界 400(Oe) ・再生レーザ波長 780(nm) ・再生レーザパワー 2(mW) その特性評価の結果を表−4に示す。
表−4に示されるように、本発明の実施例の光磁気記
録媒体は記録レーザパワーが9mW以下、記録ビット長0.8
μm、記録ビット形状はシャープで、さらに再生C/Nが5
0dB以上の高速、高密度記録可能なものであった。熱吸
収層を設けた実施例5及び6は再生C/Nがより優れてい
た。
〔発明の効果〕
以上詳細に説明したように、本発明によれば、第1及
び第2の磁性合金膜に補償組成に対し希土類金属リッチ
の非晶質磁性合金膜を用いたので、記録レーザパワーや
記録磁界の変動に影響されず、高速、高密度記録(媒体
回転数3600rpm以上、線速22m/秒以上、記録ビット長0.8
μm以下)が可能で、再生C/Nが50dB以上と高品質な光
磁気記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は遷移金属リッチ及び希土類金属リッチの磁性層
の飽和磁化Msの温度特性を示すグラフ、第2図は希土類
金属リッチのTbDyFeCo磁性層及びGdDyFeCo磁性層のカー
回転角θ及び保磁力Hcの温度特性を示すグラフ、第3
図は遷移金属リッチのTbTbFeCo磁性層のカー回転角θ
及び保磁力Hcの温度特性を示すグラフ、第4図は希土類
金属リッチと遷移金属リッチの磁性層における記録ビッ
ト周囲の磁化分布及びビット内部の浮遊磁界分布を示す
グラフ、第5図は希土類金属リッチと遷移金属リッチの
各磁性層の記録ビット形状を示す図、第6図は本発明に
よる光磁気記録媒体の一構成例の断面図、第7図は本発
明による光磁気記録媒体の別の構成例の断面図、第8図
は従来の機能分離二層膜型光磁気記録媒体の構成例を示
す断面図、第9図は従来の機能分離二層膜型光磁気記録
媒体における記録層の記録過程説明図である。 11……基板、12……誘電層 13……記録層、13a……第1磁性層 13b……第2磁性層、14……誘電層 15……有機保護層、17……断熱層 18……熱吸収層

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に誘電層、光磁気記録層及び断熱層
    を順に設けて構成され、前記光磁気記録層が少なくとも
    1種以上の希土類金属と遷移金属Fe,Coを含有する非晶
    質の第1及び第2の磁性合金膜を積層してなり、該第1
    及び第2の磁性合金膜の保磁力が、 第1の磁性合金膜<第2の磁性合金膜 の条件を満足しており、該第1の磁性合金膜が再生層と
    して作用しかつ該第2の磁性合金膜が記録層として作用
    する光磁気記録媒体において、 前記第1及び第2の磁性合金膜はいずれもその希土類金
    属の濃度が補償組成の近傍でかつ該補償組成に対し高濃
    度(リッチ)側にあり、かつ前記第1の磁性合金膜のキ
    ュリー温度が前記第2の磁性合金膜のキュリー温度より
    大であることを特徴とする光磁気記録媒体。
JP28005888A 1988-11-04 1988-11-04 光磁気記録媒体 Expired - Fee Related JP2753583B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28005888A JP2753583B2 (ja) 1988-11-04 1988-11-04 光磁気記録媒体
GB8924671A GB2234623B (en) 1988-11-04 1989-11-02 Magneto-optical recording method and magneto-optical recording medium for use in the same
DE3936690A DE3936690A1 (de) 1988-11-04 1989-11-03 Magneto-optisches aufzeichnungsverfahren und aufzeichnungsmaterial
US07/948,452 US5420836A (en) 1988-11-04 1992-09-21 Method of magneto-optical recording and overwriting
US08/173,913 US5461595A (en) 1988-11-04 1993-12-27 Double-layer magneto-optical recording method without using an initial magnetic field

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28005888A JP2753583B2 (ja) 1988-11-04 1988-11-04 光磁気記録媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02126443A JPH02126443A (ja) 1990-05-15
JP2753583B2 true JP2753583B2 (ja) 1998-05-20

Family

ID=17619718

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28005888A Expired - Fee Related JP2753583B2 (ja) 1988-11-04 1988-11-04 光磁気記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2753583B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2867754B2 (ja) * 1991-08-26 1999-03-10 日本電気株式会社 光磁気記録媒体及びその記録方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02126443A (ja) 1990-05-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4882231A (en) Magneto-optical recording medium
JP2999895B2 (ja) 光磁気記録媒体
JPH0522303B2 (ja)
JP2753583B2 (ja) 光磁気記録媒体
JP2869434B2 (ja) 光磁気記録媒体
JPS6314342A (ja) 光磁気記録媒体
JPH06251443A (ja) 光磁気記録媒体
JP2000315310A (ja) 情報記録媒体及び情報記録再生用スライダ
JP2000207702A (ja) 垂直磁気記録装置、記録方法、及び垂直磁気記録媒体
JP2796574B2 (ja) 光磁気記録媒体
JPH0350343B2 (ja)
JP2657243B2 (ja) 光磁気記録媒体
JP2929918B2 (ja) 光磁気記録媒体及びその再生方法
KR100209584B1 (ko) 광자기 디스크
JP2869449B2 (ja) 光磁気記録方法及び光磁気記録媒体
JP2981474B2 (ja) 光磁気記録媒体
JP2899898B2 (ja) 光磁気記録方法
JP3074104B2 (ja) 光磁気記録媒体
JP2678222B2 (ja) 光磁気記録媒体
JP3041830B2 (ja) 光磁気記録媒体
JPH05342670A (ja) 光磁気記録媒体および該媒体を用いた記録および再生方法
JPH0734272B2 (ja) 光磁気記録媒体
JP2589451B2 (ja) 光磁気記録再生装置
JP3443410B2 (ja) 光磁気記録媒体およびその再生方法
JP2000207793A (ja) 熱磁気記録装置及び記録再生方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees