JP2740661B2 - 燐酸塩処理性の優れたZn―Ni系合金電気めっき鋼板 - Google Patents
燐酸塩処理性の優れたZn―Ni系合金電気めっき鋼板Info
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- JP2740661B2 JP2740661B2 JP63319863A JP31986388A JP2740661B2 JP 2740661 B2 JP2740661 B2 JP 2740661B2 JP 63319863 A JP63319863 A JP 63319863A JP 31986388 A JP31986388 A JP 31986388A JP 2740661 B2 JP2740661 B2 JP 2740661B2
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- electroplated steel
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- C23—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
- C23C—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
- C23C22/00—Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals
- C23C22/78—Pretreatment of the material to be coated
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- General Chemical & Material Sciences (AREA)
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- Mechanical Engineering (AREA)
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- Electroplating Methods And Accessories (AREA)
- Chemical Treatment Of Metals (AREA)
- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は燐酸塩処理性の優れたZn−Ni系合金電気めっ
き鋼板に関し、さらに詳しくは、塗装の前処理として行
なわれる燐酸塩処理において優れた処理性を示すZn−Ni
系合金電気めっき鋼板に関するものである。
き鋼板に関し、さらに詳しくは、塗装の前処理として行
なわれる燐酸塩処理において優れた処理性を示すZn−Ni
系合金電気めっき鋼板に関するものである。
[従来技術] 近年になって、Zn−Ni系合金電気めっき鋼板は、自動
車用防錆鋼板として広く使用されてきており、さらに、
ナンバーパネル、メンバー等の内板ばかりでなく、ド
ア、フェンダー、フード等の外板パネルの外面側にも使
用されるようになってきている。
車用防錆鋼板として広く使用されてきており、さらに、
ナンバーパネル、メンバー等の内板ばかりでなく、ド
ア、フェンダー、フード等の外板パネルの外面側にも使
用されるようになってきている。
そして、このように自動車外板の外面側に、Zn−Ni系
合金電気めっき層が設けられて使用される場合、自動車
用塗装工程の内下地処理として行なわれる燐酸塩処理工
程において、燐酸塩処理液の流れの不均一等に起因する
表面の処理ムラが発生することがある。
合金電気めっき層が設けられて使用される場合、自動車
用塗装工程の内下地処理として行なわれる燐酸塩処理工
程において、燐酸塩処理液の流れの不均一等に起因する
表面の処理ムラが発生することがある。
この処理ムラの発生が著しくなると、塗装後の表面に
も処理ムラの影響が残る。そのため、自動車用外板用Zn
−Ni系合金電気めっき鋼板には、燐酸塩処理により表面
に処理ムラの発生しないものが要求されている。
も処理ムラの影響が残る。そのため、自動車用外板用Zn
−Ni系合金電気めっき鋼板には、燐酸塩処理により表面
に処理ムラの発生しないものが要求されている。
このZn−Ni系合金電気めっき鋼板の燐酸塩処理性にお
よぼす燐酸塩処理液の流速の影響については、既に研究
が行なわれており(加藤ほか,材料とプロセス(CAMP−
ISIJ)Vol.1(1988)P1638)、Ni含有量が9wt%以下と
低いものでは、燐酸塩処理液の流速が遅い場合に被膜の
生成速度が遅く、流速の影響を受け易いために処理ムラ
の発生し易いことが知られている。
よぼす燐酸塩処理液の流速の影響については、既に研究
が行なわれており(加藤ほか,材料とプロセス(CAMP−
ISIJ)Vol.1(1988)P1638)、Ni含有量が9wt%以下と
低いものでは、燐酸塩処理液の流速が遅い場合に被膜の
生成速度が遅く、流速の影響を受け易いために処理ムラ
の発生し易いことが知られている。
この研究からは、Ni含有量を高くすれば処理ムラの発
生が減少することは明らかであるが、Ni含有量が11〜13
wt%のZn−Ni系合金電気めっきにおいても燐酸塩処理の
ムラを完全に消滅させることは困難であり、また、Ni含
有量を上記以上に増加させるとZn−Ni系合金電気めっき
鋼板の耐蝕性が劣化するという問題がある。
生が減少することは明らかであるが、Ni含有量が11〜13
wt%のZn−Ni系合金電気めっきにおいても燐酸塩処理の
ムラを完全に消滅させることは困難であり、また、Ni含
有量を上記以上に増加させるとZn−Ni系合金電気めっき
鋼板の耐蝕性が劣化するという問題がある。
また、燐酸塩処理性に優れたZn−Ni合金めっき鋼板と
しては、特開昭61−064884号公報にP含有量0.0005〜0.
5wt%、Ni含有量8〜20wt%であるZn−Ni合金電気めっ
き鋼板が開示されている。
しては、特開昭61−064884号公報にP含有量0.0005〜0.
5wt%、Ni含有量8〜20wt%であるZn−Ni合金電気めっ
き鋼板が開示されている。
しかし、この鋼板は製造するためにめっき液中にPの
化合物を含有させてめっきする必要があり、めっき液組
成、めっき条件のコントロール等が困難であるという問
題がある。
化合物を含有させてめっきする必要があり、めっき液組
成、めっき条件のコントロール等が困難であるという問
題がある。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は上記に説明した従来のZn−Ni系合金電気めっ
き鋼板の燐酸塩処理において、処理ムラが発生し、か
つ、耐蝕性が劣化するという問題点に鑑み、本発明者が
鋭意研究を行い、検討を重ねた結果、Zn−Ni系合金電気
めっき鋼板の塗装の前処理として行なわれる燐酸塩処理
において優れた燐酸塩処理性と耐蝕性を有するZn−Ni系
合金電気めっき鋼板を開発したのである。
き鋼板の燐酸塩処理において、処理ムラが発生し、か
つ、耐蝕性が劣化するという問題点に鑑み、本発明者が
鋭意研究を行い、検討を重ねた結果、Zn−Ni系合金電気
めっき鋼板の塗装の前処理として行なわれる燐酸塩処理
において優れた燐酸塩処理性と耐蝕性を有するZn−Ni系
合金電気めっき鋼板を開発したのである。
[課題を解決するための手段] 本発明に係る燐酸塩処理性の優れたZn−Ni系合金電気
めっき鋼板は、 (1)Pを1〜20mg/m2含有し、かつ、実質的に燐酸塩
の結晶を含まない燐酸塩からなる被覆層をZn−Ni系合金
電気めっき層の表面に設けられているNi含有量7〜15wt
%のZn−Ni系合金電気めっき鋼板を第1の発明とし、 (2)Pを1〜20mg/m2およびPb、Sn、Sb、Biの内から
選んだ1種または2種以上を1〜10mg/m2含有し、か
つ、実質的に燐酸塩の結晶を含まない燐酸塩からなる被
覆層をZn−Ni系合金電気めっき層の表面に設けられてい
るNi含有量7〜15wt%のZn−Ni系合金電気めっき鋼板を
第2の発明とする2つの発明よりなるものである。
めっき鋼板は、 (1)Pを1〜20mg/m2含有し、かつ、実質的に燐酸塩
の結晶を含まない燐酸塩からなる被覆層をZn−Ni系合金
電気めっき層の表面に設けられているNi含有量7〜15wt
%のZn−Ni系合金電気めっき鋼板を第1の発明とし、 (2)Pを1〜20mg/m2およびPb、Sn、Sb、Biの内から
選んだ1種または2種以上を1〜10mg/m2含有し、か
つ、実質的に燐酸塩の結晶を含まない燐酸塩からなる被
覆層をZn−Ni系合金電気めっき層の表面に設けられてい
るNi含有量7〜15wt%のZn−Ni系合金電気めっき鋼板を
第2の発明とする2つの発明よりなるものである。
本発明に係る燐酸塩処理性の優れたZn−Ni系合金電気
めっき鋼板について、以下詳細に説明する。
めっき鋼板について、以下詳細に説明する。
本発明に係る燐酸塩処理性の優れたZn−Ni系合金電気
めっき鋼板において、Pを含有する被覆層が鋼板に設け
られているZn−Ni系合金電気めっき層の表面に付着して
いることにより、燐酸塩処理時に燐酸塩結晶生成の核の
発生を促し、結果として、流速の不均一による処理ムラ
が発生するのを防止するものである。
めっき鋼板において、Pを含有する被覆層が鋼板に設け
られているZn−Ni系合金電気めっき層の表面に付着して
いることにより、燐酸塩処理時に燐酸塩結晶生成の核の
発生を促し、結果として、流速の不均一による処理ムラ
が発生するのを防止するものである。
また、Pを含有する被覆層には、このPの他にPb、S
n、Sb、Biの内から選んだ1種または2種以上を含有さ
せることにより、核発生は一層促進され、処理ムラの発
生はさらに抑制されるようになる。
n、Sb、Biの内から選んだ1種または2種以上を含有さ
せることにより、核発生は一層促進され、処理ムラの発
生はさらに抑制されるようになる。
本発明に係る燐酸塩処理性の優れたZn−Ni系合金電気
めっき鋼板において、鋼板に設けられているZn−Ni系合
金電気めっき層の表面に付着させるPを含有する被覆層
を、その有効成分であるPの単位面積当りの付着量で示
してあり、これは、被覆層が極めて薄く、また、必ずし
もZn−Ni系合金電気めっき層表面に均一に被覆されてい
るとは限らず、その組成も被覆層内で一定であるとは限
らないので、被覆層を組成と厚さにより示すことは困難
であるばかりか、誤解を生じるという恐れもある。従っ
て、被覆層の分析により定量分析することができる有効
成分の単位面積当りの付着量で示した。
めっき鋼板において、鋼板に設けられているZn−Ni系合
金電気めっき層の表面に付着させるPを含有する被覆層
を、その有効成分であるPの単位面積当りの付着量で示
してあり、これは、被覆層が極めて薄く、また、必ずし
もZn−Ni系合金電気めっき層表面に均一に被覆されてい
るとは限らず、その組成も被覆層内で一定であるとは限
らないので、被覆層を組成と厚さにより示すことは困難
であるばかりか、誤解を生じるという恐れもある。従っ
て、被覆層の分析により定量分析することができる有効
成分の単位面積当りの付着量で示した。
先ず、本発明に係る燐酸塩処理性の優れたZn−Ni系合
金電気めっき鋼板におけるPを含有する被覆層を形成す
る方法について説明する。
金電気めっき鋼板におけるPを含有する被覆層を形成す
る方法について説明する。
燐酸イオンを含有する溶液中にZn−Ni系合金電気めっ
き鋼板を浸漬することにより、燐酸塩の形で上記Zn−Ni
系合金電気めっき層表面に極めて薄い被覆層を形成する
方法。
き鋼板を浸漬することにより、燐酸塩の形で上記Zn−Ni
系合金電気めっき層表面に極めて薄い被覆層を形成する
方法。
燐酸イオンを含有する溶液としては、オルト燐酸、メ
タ燐酸、ピロ燐酸等の溶液も使用することができ、ま
た、第1燐酸酸亜鉛等の溶液による処理、即ち、燐酸塩
処理を行なうこともできる。
タ燐酸、ピロ燐酸等の溶液も使用することができ、ま
た、第1燐酸酸亜鉛等の溶液による処理、即ち、燐酸塩
処理を行なうこともできる。
燐酸イオンを含有する溶液中において、Zn−Ni系合金
電気めっき鋼板を陰極として電解することにより、表面
に燐酸の不溶性塩を析出させる方法。
電気めっき鋼板を陰極として電解することにより、表面
に燐酸の不溶性塩を析出させる方法。
これらの何れの方法により、P含有の被覆層を形成さ
せても、燐酸塩処理性を良好にすることができる。
せても、燐酸塩処理性を良好にすることができる。
そして、このP含有被覆層のP付着量を1〜20mg/m2
とする必要があり、P付着量が1mg/m2未満では燐酸塩処
理時の結晶核生成が促進されず、従って、燐酸塩処理後
の処理ムラ解消に効果がなく、また、P付着量が20mg/m
2を越えると以下説明するような問題がある。
とする必要があり、P付着量が1mg/m2未満では燐酸塩処
理時の結晶核生成が促進されず、従って、燐酸塩処理後
の処理ムラ解消に効果がなく、また、P付着量が20mg/m
2を越えると以下説明するような問題がある。
即ち、燐酸イオンを含有する溶液中に浸漬することに
より、Zn−Ni系合金電気めっき層表面に形成される被覆
層の場合には、被覆層はZn、Niの不溶解性燐酸塩を主成
分とするものと推定されるが、P付着量が20mg/m2を越
えると結晶性の被覆層となり、X線回析によりZn3(PO4)
2・4H2O(ホパイト)等のピークが出現し、表面SEM(sc
anning electron microscope)観察によっても表面に結
晶が不均一に析出していることを確認することができ
る。
より、Zn−Ni系合金電気めっき層表面に形成される被覆
層の場合には、被覆層はZn、Niの不溶解性燐酸塩を主成
分とするものと推定されるが、P付着量が20mg/m2を越
えると結晶性の被覆層となり、X線回析によりZn3(PO4)
2・4H2O(ホパイト)等のピークが出現し、表面SEM(sc
anning electron microscope)観察によっても表面に結
晶が不均一に析出していることを確認することができ
る。
このような、Zn−Ni系合金電気めっき鋼板に自動車用
の燐酸塩処理を行なうと、結晶性の被覆層の結晶が出現
した部分は、下層のZn−Ni系合金電気めっき層を充分に
被覆しているので、燐酸塩処理液との反応が起り難く、
その結晶、元の結晶が燐酸塩処理後もそのまま残存した
り、結晶性被覆層の付着した部分のみ燐酸塩処理により
生成した結晶の寸法が小さくなるため、燐酸塩付着量が
少なくなる。
の燐酸塩処理を行なうと、結晶性の被覆層の結晶が出現
した部分は、下層のZn−Ni系合金電気めっき層を充分に
被覆しているので、燐酸塩処理液との反応が起り難く、
その結晶、元の結晶が燐酸塩処理後もそのまま残存した
り、結晶性被覆層の付着した部分のみ燐酸塩処理により
生成した結晶の寸法が小さくなるため、燐酸塩付着量が
少なくなる。
また、このようにして生成された燐酸塩被膜は(02
0)の面が、鋼板面の方向に著しく背向したホパイト結
晶となるため、この上に塗装した場合、耐水密着性が通
常のZn−Ni系合金電気めっき層に比べて悪くなる傾向と
なる。
0)の面が、鋼板面の方向に著しく背向したホパイト結
晶となるため、この上に塗装した場合、耐水密着性が通
常のZn−Ni系合金電気めっき層に比べて悪くなる傾向と
なる。
即ち、本発明に係る燐酸塩処理性の優れたZn−Ni系合
金電気めっき鋼板においては、Pの付着量を上記に説明
したように極めて少量に制御すると共に、有害な燐酸塩
の結晶を実質的に含まない被覆層をZn−Ni系合金電気め
っき鋼板上に形成させることに大きな特色がある。
金電気めっき鋼板においては、Pの付着量を上記に説明
したように極めて少量に制御すると共に、有害な燐酸塩
の結晶を実質的に含まない被覆層をZn−Ni系合金電気め
っき鋼板上に形成させることに大きな特色がある。
なお、この燐酸塩結晶がSEM観察により認識できない
ほどの極めて微少量であれば、たとえ被覆層中に含まれ
ている場合でも実害はないので許容することができる。
ほどの極めて微少量であれば、たとえ被覆層中に含まれ
ている場合でも実害はないので許容することができる。
次に、上記したPを含有する被覆層中にPb、Sn、Bi、
Sbの内から選んだ1種または2種以上を1〜10mg/m2含
有させることにより、化成処理性はさらに向上する。そ
して、これらの選択成分はPと同様に燐酸塩処理時の結
晶核の生成を促進するものである。
Sbの内から選んだ1種または2種以上を1〜10mg/m2含
有させることにより、化成処理性はさらに向上する。そ
して、これらの選択成分はPと同様に燐酸塩処理時の結
晶核の生成を促進するものである。
付着量が1mg/m2未満では燐酸塩処理液による流れムラ
の改善効果は期待することができず、また、10mg/m2を
越えるとZn−Ni系合金電気めっき層の耐蝕性が劣化す
る。
の改善効果は期待することができず、また、10mg/m2を
越えるとZn−Ni系合金電気めっき層の耐蝕性が劣化す
る。
このようなPを含有する被覆層の下層となるZn−Ni系
合金電気めっき層は、耐蝕性の上からはNi含有量は7〜
15wt%とする必要があり、含有量が7wt%未満ではこの
効果は少なく、また、プレス加工時の摺動抵抗、即ち、
摩擦係数の点からは10wt%以上が必要で、かつ、鋼素地
の変形により生じるZn−Ni系合金電気めっき層の粉化現
象の耐パウダリング特性の点からは15wt%以下とするの
がよい。従って、Ni含有量は7〜15wt%とする。
合金電気めっき層は、耐蝕性の上からはNi含有量は7〜
15wt%とする必要があり、含有量が7wt%未満ではこの
効果は少なく、また、プレス加工時の摺動抵抗、即ち、
摩擦係数の点からは10wt%以上が必要で、かつ、鋼素地
の変形により生じるZn−Ni系合金電気めっき層の粉化現
象の耐パウダリング特性の点からは15wt%以下とするの
がよい。従って、Ni含有量は7〜15wt%とする。
[実施例] 本発明に係る燐酸塩処理性の優れたZn−Ni系合金電気
めっき鋼板の実施例を説明する。
めっき鋼板の実施例を説明する。
実施例1 Ni含有量11wt%、付着量30mg/m2のZn−Ni系合金電気
めっき鋼板に、 オルト燐酸溶液に浸漬(P付着量は燐酸濃度、浸漬時
間を変化させて制御した。)。
めっき鋼板に、 オルト燐酸溶液に浸漬(P付着量は燐酸濃度、浸漬時
間を変化させて制御した。)。
電気亜鉛めっきライン用燐酸塩処理溶液(日本パーカ
ライジング製,BT−3312,主成分は燐酸二水素亜鉛)に浸
漬(P付着量は遊離酸度(F.A.)により制御した。)。
ライジング製,BT−3312,主成分は燐酸二水素亜鉛)に浸
漬(P付着量は遊離酸度(F.A.)により制御した。)。
の何れかの方法によりP含有被覆層を形成させた。
これらの鋼板は、防錆油を塗布した後、自動車用燐酸
塩処理(日本ペイント製,グラノジンSD−2500)を行な
い、処理後の表面外観および燐酸塩付着量を調査した。
塩処理(日本ペイント製,グラノジンSD−2500)を行な
い、処理後の表面外観および燐酸塩付着量を調査した。
なお、これらのZn−Ni系合金電気めっき鋼板表面のP
付着量はグロー放電発光分析法により測定した。
付着量はグロー放電発光分析法により測定した。
第1表に結果を示す。
この第1表から明らかであるが、本発明に係る燐酸塩
処理性の優れたZn−Ni系合金電気めっき鋼板は、すべて
燐酸塩処理後の外観が良好であり、燐酸塩付着量は2g/m
2程度の適正量となっているのがわかる。
処理性の優れたZn−Ni系合金電気めっき鋼板は、すべて
燐酸塩処理後の外観が良好であり、燐酸塩付着量は2g/m
2程度の適正量となっているのがわかる。
また、被覆層の厚さが過剰となると、燐酸塩処理後の
外観が再び劣化すると共に、燐酸塩付着量も減少するこ
とがわかる。
外観が再び劣化すると共に、燐酸塩付着量も減少するこ
とがわかる。
実施例2 実施例1と同様のZn−Ni系合金電気めっき鋼板を、オ
ルト燐酸およびPb、Sn、Sb、Biの可溶性塩からなる溶液
に浸漬し、PおよびPb、Sn、Sb、Biの1種または2種以
上を含有する被覆層を設けた。
ルト燐酸およびPb、Sn、Sb、Biの可溶性塩からなる溶液
に浸漬し、PおよびPb、Sn、Sb、Biの1種または2種以
上を含有する被覆層を設けた。
これらの鋼板を実施例1と同様の溶液により燐酸塩処
理を行なって評価した。
理を行なって評価した。
また、P、Pb、Sn、Sb、Biの付着量は、グロー放電発
光分光分析法により、耐蝕性は塩水噴霧試験により赤錆
が1%発生するまでの時間により評価した。
光分光分析法により、耐蝕性は塩水噴霧試験により赤錆
が1%発生するまでの時間により評価した。
なお、実施例2の鋼板は実施例1の鋼板より燐酸塩処
理性が良好であるため、燐酸塩処理条件は脱脂時間を短
くして不完全脱脂の状態とし、さらに、燐酸塩処理液の
温度も低下させて反応性を低下させることにより、通常
より流れムラの出現し易い状態とした。
理性が良好であるため、燐酸塩処理条件は脱脂時間を短
くして不完全脱脂の状態とし、さらに、燐酸塩処理液の
温度も低下させて反応性を低下させることにより、通常
より流れムラの出現し易い状態とした。
第2表に結果を示す。
被覆層中にPの他にPb、Sn、Sb、Biの1種または2種
を含むものは通常より悪い処理条件下においても、流れ
ムラの発生はない。しかし、Pb、Sn、Sb、Biの付着量が
10mg/m2のものは耐蝕性が劣化していることがわかる。
を含むものは通常より悪い処理条件下においても、流れ
ムラの発生はない。しかし、Pb、Sn、Sb、Biの付着量が
10mg/m2のものは耐蝕性が劣化していることがわかる。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明に係る燐酸塩処理性の優
れたZn−Ni系合金電気めっき鋼板は上記の構成であるか
ら、燐酸塩処理時の処理ムラ発生というZn−Ni系合金電
気めっき鋼板を自動車外板に適用する場合の大きな障害
を除去し、さらに、耐蝕性の優れたZn−Ni系合金電気め
っき鋼板の使用範囲を拡大できるという工業的に優れた
効果を有しているものである。
れたZn−Ni系合金電気めっき鋼板は上記の構成であるか
ら、燐酸塩処理時の処理ムラ発生というZn−Ni系合金電
気めっき鋼板を自動車外板に適用する場合の大きな障害
を除去し、さらに、耐蝕性の優れたZn−Ni系合金電気め
っき鋼板の使用範囲を拡大できるという工業的に優れた
効果を有しているものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−64884(JP,A) 特開 昭63−274797(JP,A) 特開 昭63−121673(JP,A) 特開 昭59−159994(JP,A) 特開 昭58−45382(JP,A) 特公 昭45−27690(JP,B1)
Claims (2)
- 【請求項1】Pを1〜20mg/m2含有し、かつ、実質的に
燐酸塩の結晶を含まない燐酸塩からなる被覆層をZn−Ni
系合金電気めっき層の表面に設けられているNi含有量7
〜15wt%のZn−Ni系合金電気めっき鋼板。 - 【請求項2】Pを1〜20mg/m2およびPb、Sn、Sb、Biの
内から選んだ1種または2種以上を1〜10mg/m2含有
し、かつ、実質的に燐酸塩の結晶を含まない燐酸塩から
なる被覆層をZn−Ni系合金電気めっき層の表面に設けら
れているNi含有量7〜15wt%のZn−Ni系合金電気めっき
鋼板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63319863A JP2740661B2 (ja) | 1988-12-19 | 1988-12-19 | 燐酸塩処理性の優れたZn―Ni系合金電気めっき鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63319863A JP2740661B2 (ja) | 1988-12-19 | 1988-12-19 | 燐酸塩処理性の優れたZn―Ni系合金電気めっき鋼板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02163382A JPH02163382A (ja) | 1990-06-22 |
JP2740661B2 true JP2740661B2 (ja) | 1998-04-15 |
Family
ID=18115072
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63319863A Expired - Lifetime JP2740661B2 (ja) | 1988-12-19 | 1988-12-19 | 燐酸塩処理性の優れたZn―Ni系合金電気めっき鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2740661B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2690630B2 (ja) * | 1991-05-17 | 1997-12-10 | 株式会社日立製作所 | 電子写真の定着装置および電子写真装置 |
EP1350865A3 (de) * | 2002-04-05 | 2004-12-29 | ThyssenKrupp Stahl AG | Verzinktes und phosphatiertes Blech sowie Verfahren zur Herstellung eines solchen Blechs |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5845382A (ja) * | 1981-09-10 | 1983-03-16 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 電気合金メツキ鋼板の表面処理方法 |
JPS59159994A (ja) * | 1983-03-02 | 1984-09-10 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 化成処理性にすぐれた表面処理鋼板 |
JPS6164884A (ja) * | 1984-09-04 | 1986-04-03 | Kawasaki Steel Corp | りん酸塩化成処理性にすぐれたZn−Ni合金電気めつき鋼板 |
JPS63121673A (ja) * | 1986-11-10 | 1988-05-25 | Kawasaki Steel Corp | 化成処理性に優れた片面塗装亜鉛系めつき鋼板の製造方法 |
JPH0663113B2 (ja) * | 1987-05-01 | 1994-08-17 | 川崎製鉄株式会社 | 化成処理性の優れたZn系電気めっき鋼板の製造方法 |
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1988
- 1988-12-19 JP JP63319863A patent/JP2740661B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH02163382A (ja) | 1990-06-22 |
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