JP2738127B2 - 光ファイバ複合トロリ線の架線方法 - Google Patents
光ファイバ複合トロリ線の架線方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、トロリ線と光ファイバを複合してなる光フ
ァイバ複合トロリ線の新規な架線方法に関するものであ
る。
ァイバ複合トロリ線の新規な架線方法に関するものであ
る。
[従来の技術] 従来より、トロリ線に溝を形成し、当該溝内に警報線
を埋め込んでおき、トロリ線の断線や使用摩耗限界を検
知する警報線入りトロリ線はよく知られている。
を埋め込んでおき、トロリ線の断線や使用摩耗限界を検
知する警報線入りトロリ線はよく知られている。
この警報線として、従来のメタル線に代え光ファイバ
を使用する技術については、既に実開昭60−25530,実開
昭60−128825,実開昭61−187741,特開昭61−263844など
に開示されており公知である。
を使用する技術については、既に実開昭60−25530,実開
昭60−128825,実開昭61−187741,特開昭61−263844など
に開示されており公知である。
すなわち、これらの提案例は、トロリ線に形成された
溝内に情報伝送線としての光ファイバを非拘束状態で収
容し、トロリ線に負荷された架線張力等が光ファイバに
直接及ばないように配慮し、これを実架線して当該光フ
ァイバを用いてトロリ線の断線や摩耗状態等の情報を得
ようとするものである。
溝内に情報伝送線としての光ファイバを非拘束状態で収
容し、トロリ線に負荷された架線張力等が光ファイバに
直接及ばないように配慮し、これを実架線して当該光フ
ァイバを用いてトロリ線の断線や摩耗状態等の情報を得
ようとするものである。
[発明が解決しようとする課題] 上記既提案例は、いずれも光ファイバをトロリ線の溝
内に非拘束状態で収容することを強調し、それにより張
力に弱い光ファイバを保護することが謳われている。
内に非拘束状態で収容することを強調し、それにより張
力に弱い光ファイバを保護することが謳われている。
しかし、現実にトロリ線の溝内に光ファイバを非拘束
状態で収容して光ファイバ複合トロリ線を試作した結果
によれば、決して机上での理屈通りにはいかないことが
判明した。
状態で収容して光ファイバ複合トロリ線を試作した結果
によれば、決して机上での理屈通りにはいかないことが
判明した。
すなわち、光ファイバ複合トロリ線は、工場で複合化
された後架線されるまでの間、トロリ線用巻枠に巻かれ
て保管されるが、この巻かれた状態に置かれるときに光
ファイバが許容限度以上のストレスを受けるのである。
このストレスを軽減する手段は、例えば同じく導電線と
の複合線である光ファイバ複合架空地線などにおいては
種々施されているが、径の細いトロリ線に形成された限
られた溝内にある光ファイバにそのような技術を適用す
ることは困難である。
された後架線されるまでの間、トロリ線用巻枠に巻かれ
て保管されるが、この巻かれた状態に置かれるときに光
ファイバが許容限度以上のストレスを受けるのである。
このストレスを軽減する手段は、例えば同じく導電線と
の複合線である光ファイバ複合架空地線などにおいては
種々施されているが、径の細いトロリ線に形成された限
られた溝内にある光ファイバにそのような技術を適用す
ることは困難である。
また、トロリ線の伸線加工や溝の形成加工において
は、潤滑油の使用が不可欠であって、その際使用された
潤滑油の残油を完全に取除くことは不可能である。この
残油によって、上記トロリ線の保管中に光ファイバが溝
壁に固着してしまう危険があり、このように溝壁に光フ
ァイバが固着した状態下でトロリ線に延線張力や架線張
力が負荷されると、大きなストレスが固着部分に集中
し、断線させたりあるいは断線に至らずとも静荷重疲労
によって光ファイバの寿命を極端に短くするおそれがあ
る。従って、上述のように提案はされているものの、上
記の諸問題が存在するために、未だ実用化されるには至
っていないのが現状である。
は、潤滑油の使用が不可欠であって、その際使用された
潤滑油の残油を完全に取除くことは不可能である。この
残油によって、上記トロリ線の保管中に光ファイバが溝
壁に固着してしまう危険があり、このように溝壁に光フ
ァイバが固着した状態下でトロリ線に延線張力や架線張
力が負荷されると、大きなストレスが固着部分に集中
し、断線させたりあるいは断線に至らずとも静荷重疲労
によって光ファイバの寿命を極端に短くするおそれがあ
る。従って、上述のように提案はされているものの、上
記の諸問題が存在するために、未だ実用化されるには至
っていないのが現状である。
本発明の目的は、上記したような従来技術の問題点を
解消し、トロリ線と光ファイバを複合させても光ファイ
バに異常ストレスを負荷させるおそれのない新規な光フ
ァイバ複合トロリ線の架線方法を提供しようとするもの
である。
解消し、トロリ線と光ファイバを複合させても光ファイ
バに異常ストレスを負荷させるおそれのない新規な光フ
ァイバ複合トロリ線の架線方法を提供しようとするもの
である。
[課題を解決するための手段] 本発明は、架線に際しトロリ線巻枠より溝付トロリ線
を送り出し、矯正装置により矯正しつつ当該トロリ線に
延線張力を負荷し、該張力負荷状態にあるトロリ線の溝
内に光ファイバを収容して当該光ファイバの収容された
溝内にジェリー状物質を充填し、溝開口よりの光ファイ
バの逸脱防止処置を施しつつ順次延線して所定区間に光
ファイバ複合トロリ線を架線するものである。
を送り出し、矯正装置により矯正しつつ当該トロリ線に
延線張力を負荷し、該張力負荷状態にあるトロリ線の溝
内に光ファイバを収容して当該光ファイバの収容された
溝内にジェリー状物質を充填し、溝開口よりの光ファイ
バの逸脱防止処置を施しつつ順次延線して所定区間に光
ファイバ複合トロリ線を架線するものである。
[作用] トロリ線の溝内に光ファイバを非拘束状態に収容する
と共に、当該溝内壁と光ファイバの間に該光ファイバが
トロリ線に対し相対的に動き得るようなジェリー状物質
を充填しておけば、トロリ線が溝に固着するおそれは解
消され、また光ファイバが溝内を動き得ることで、張力
負荷時の応力が広く分散均一化されるため、応力の集中
点を形成するおそれも解消される。
と共に、当該溝内壁と光ファイバの間に該光ファイバが
トロリ線に対し相対的に動き得るようなジェリー状物質
を充填しておけば、トロリ線が溝に固着するおそれは解
消され、また光ファイバが溝内を動き得ることで、張力
負荷時の応力が広く分散均一化されるため、応力の集中
点を形成するおそれも解消される。
また、延線張力の負荷状態にあるトロリ線に光ファイ
バを複合させるので、架線後に光ファイバに張力が加わ
るおそれがなくなる。
バを複合させるので、架線後に光ファイバに張力が加わ
るおそれがなくなる。
[実施例] 以下に、本発明について実施例を参照し具体的に説明
する。
する。
第1および2図は、本発明の架線方法により架線され
る複合トロリ線1の2様の例を示す断面図である。
る複合トロリ線1の2様の例を示す断面図である。
トロリ線には溝2が形成され、当該溝2内に光ファイ
バ3が非拘束状態で収容されるが、この状態までは先の
既に開示された提案例と変らない。本発明が特徴点とす
るところは、光ファイバ3を単に溝2内に収容しただけ
ではなく、溝内壁と光ファイバ3との間にシリコーンオ
イル等の潤滑性を有するジェリー状物質を充填し、光フ
ァイバ3と溝2の内壁との間に自由な滑動状態を与え得
るようにした点である。
バ3が非拘束状態で収容されるが、この状態までは先の
既に開示された提案例と変らない。本発明が特徴点とす
るところは、光ファイバ3を単に溝2内に収容しただけ
ではなく、溝内壁と光ファイバ3との間にシリコーンオ
イル等の潤滑性を有するジェリー状物質を充填し、光フ
ァイバ3と溝2の内壁との間に自由な滑動状態を与え得
るようにした点である。
溝2と光ファイバ3との間隙にジェリー状物質4が充
填されていれば、当該ジェリー状物質4が一種のクッシ
ョン材としての作用をも発揮し、トロリ線1が受けた張
力が光ファイバ3にまで及ぶのを大巾に緩和する作用を
有する。しかもこのジェリー状物質3の存在により、ト
ロリ線加工時の潤滑油の残油が存在していたとしても、
光ファイバ3が当該残油により溝2の内壁に固着するお
それは全くないばかりでなく、光ファイバ3に応力が集
中しそうになった際には光ファイバ3自身がその応力に
より滑動せしめられ、応力を均一に分散させる結果とも
なるのである。
填されていれば、当該ジェリー状物質4が一種のクッシ
ョン材としての作用をも発揮し、トロリ線1が受けた張
力が光ファイバ3にまで及ぶのを大巾に緩和する作用を
有する。しかもこのジェリー状物質3の存在により、ト
ロリ線加工時の潤滑油の残油が存在していたとしても、
光ファイバ3が当該残油により溝2の内壁に固着するお
それは全くないばかりでなく、光ファイバ3に応力が集
中しそうになった際には光ファイバ3自身がその応力に
より滑動せしめられ、応力を均一に分散させる結果とも
なるのである。
なお、第1図における溝2の開口の加締め部5あるい
が第2図において嵌着せしめられているクリップ6は、
溝2内に収容されている光ファイバ3が溝2より逸脱す
るのを防止するためのものである。このような加締め5
やクリップ6は連続的に設ける必要はなく、適当間隔を
置いて設ければ十分にその機能を発揮し得る。
が第2図において嵌着せしめられているクリップ6は、
溝2内に収容されている光ファイバ3が溝2より逸脱す
るのを防止するためのものである。このような加締め5
やクリップ6は連続的に設ける必要はなく、適当間隔を
置いて設ければ十分にその機能を発揮し得る。
第3図は、上記のように構成される光ファイバ複合ト
ロリ線を製造しながら架線する本発明に係る架線方法を
示す説明図である。
ロリ線を製造しながら架線する本発明に係る架線方法を
示す説明図である。
予め溝付け加工され巻枠10に巻かれて現地に搬入され
たトロリ原線1Aが巻枠10より送り出され、矯正装置11を
通過させることにより巻きくせが矯正され、別途光ファ
イバ巻枠12より極力供給時の張力を低く抑さえるように
しながら光ファイバ3が供給され、トロリ原線1Aの溝内
に収容された後、ジェリー状物質供給装置13において前
述したように溝2内にジェリー状物質4が充填され、例
えば加締め又はクリップ取付装置14によって前述した加
締め5又はクリップ6の取付けが施され、光ファイバ複
合トロリ線1に製造されてターンシーブ15を介し架線区
間に送り出される。
たトロリ原線1Aが巻枠10より送り出され、矯正装置11を
通過させることにより巻きくせが矯正され、別途光ファ
イバ巻枠12より極力供給時の張力を低く抑さえるように
しながら光ファイバ3が供給され、トロリ原線1Aの溝内
に収容された後、ジェリー状物質供給装置13において前
述したように溝2内にジェリー状物質4が充填され、例
えば加締め又はクリップ取付装置14によって前述した加
締め5又はクリップ6の取付けが施され、光ファイバ複
合トロリ線1に製造されてターンシーブ15を介し架線区
間に送り出される。
このように架線作業と同時に最終的な光ファイバ複合
トロリ線として製造する方法をもってすれば、工場にお
いて予め最終製品に製造する必要が一切なくなり、それ
によって従来製造後巻枠に巻いて保管することにより生
じていたストレスの発生が排除できるばかりでなく、光
ファイバが収容されるトロリ線には既に大きな延線張力
が負荷されている状態下で光ファイバ3の溝2内への収
容が行なわれる結果、収容された光ファイバ3にさらに
張力が負荷されるといったおそれは完全に解消される。
トロリ線として製造する方法をもってすれば、工場にお
いて予め最終製品に製造する必要が一切なくなり、それ
によって従来製造後巻枠に巻いて保管することにより生
じていたストレスの発生が排除できるばかりでなく、光
ファイバが収容されるトロリ線には既に大きな延線張力
が負荷されている状態下で光ファイバ3の溝2内への収
容が行なわれる結果、収容された光ファイバ3にさらに
張力が負荷されるといったおそれは完全に解消される。
つぎに、上記のようにして架線された光ファイバ複合
トロリ線路における異常発熱あるいは断線を常時監視す
ることのできる異常発熱検知システムについて説明す
る。
トロリ線路における異常発熱あるいは断線を常時監視す
ることのできる異常発熱検知システムについて説明す
る。
第4図は、そのような異常発熱検知システムの構成を
示すブロック説明図であり、3が前述した光ファイバ複
合トロリ線1の溝2内に収容されている光ファイバであ
る。
示すブロック説明図であり、3が前述した光ファイバ複
合トロリ線1の溝2内に収容されている光ファイバであ
る。
光ファイバ3は、例えば中央監視区域に設置された計
測部3の光分波器22に光学的に接続され、光ファイバ3
に沿ったトロリ線路全長における温度分布とその長手方
向における各分布点の位置が高精度に測定される。
測部3の光分波器22に光学的に接続され、光ファイバ3
に沿ったトロリ線路全長における温度分布とその長手方
向における各分布点の位置が高精度に測定される。
その測定原理はつぎの通りである。
パルス駆動回路20を作動させ、レーザダイオード21よ
り光パルスPを光ファイバ3に入射させる。
り光パルスPを光ファイバ3に入射させる。
光ファイバ3に光パルスPを入射すると、この光パル
スPは、各通過位置で微弱な散乱光を生成しながら、真
空中よりやや遅い約200m/μsの速度vで光ファイバ中
を伝搬していく。発生した散乱光の一部は、後方散乱光
P′として再び入射端に戻ってくる。光パルスPを入射
してから後方散乱光が戻ってくるまでの遅延時間tか
ら、その後方散乱光の発生位置x(=v・t/2)を知る
ことができる。
スPは、各通過位置で微弱な散乱光を生成しながら、真
空中よりやや遅い約200m/μsの速度vで光ファイバ中
を伝搬していく。発生した散乱光の一部は、後方散乱光
P′として再び入射端に戻ってくる。光パルスPを入射
してから後方散乱光が戻ってくるまでの遅延時間tか
ら、その後方散乱光の発生位置x(=v・t/2)を知る
ことができる。
一方、各位置での温度は、後方散乱光に含まれるラマ
ン散乱光強度から求めることができる。後方散乱光は主
として2種類から成り、入射光が光ファイバ材料のガラ
スの格子振動によって弾性的に散乱されて生じるレーレ
散乱光(入射と同じ波長)のほかに、入射光とは、異な
る波長のラマン散乱光が含まれている。ラマン散乱光
は、入射光がガラスの格子振動とエネルギーの授受を伴
う非弾性的な相互作用を生じることによって生成する。
振動数ν0の入射光が、ガラスの格子振動に作用する
と、格子振動は瞬時、仮の高エネルギー状態に励起さ
れ、再び元の状態に戻るが、このとき始めに基底状態に
あったものが、1単位だけエネルギー準位の高い励起状
態に落ちてくると、入射光のエネルギーはhν(h:プラ
ンク定数、ν:格子振動数)分減少し、この結果、散乱
光の振動数は(ν0−ν)となり、入射光より低くなる
ストークス光となる。
ン散乱光強度から求めることができる。後方散乱光は主
として2種類から成り、入射光が光ファイバ材料のガラ
スの格子振動によって弾性的に散乱されて生じるレーレ
散乱光(入射と同じ波長)のほかに、入射光とは、異な
る波長のラマン散乱光が含まれている。ラマン散乱光
は、入射光がガラスの格子振動とエネルギーの授受を伴
う非弾性的な相互作用を生じることによって生成する。
振動数ν0の入射光が、ガラスの格子振動に作用する
と、格子振動は瞬時、仮の高エネルギー状態に励起さ
れ、再び元の状態に戻るが、このとき始めに基底状態に
あったものが、1単位だけエネルギー準位の高い励起状
態に落ちてくると、入射光のエネルギーはhν(h:プラ
ンク定数、ν:格子振動数)分減少し、この結果、散乱
光の振動数は(ν0−ν)となり、入射光より低くなる
ストークス光となる。
逆に、始め励起状態にあった格子振動が、入射光との
衝突過程で基底状態に落ちると散乱光はhν分だけエネ
ルギーが増加して、その振動数は入射光より高い(ν0
+ν)となるアンチストークス光となる。
衝突過程で基底状態に落ちると散乱光はhν分だけエネ
ルギーが増加して、その振動数は入射光より高い(ν0
+ν)となるアンチストークス光となる。
第5図は、光ファイバの上記ラマン散乱光の測定結果
の一例を示す線図である。同図には、ガラスの固有振動
数(波数で約400cm-1)だけシフトした位置に、ラマン
散乱光の2成分であるストークス光とアンチストークス
光のピークが見られる。ラマン散乱光の強度は、レーレ
散乱光の約10-3程度、また入射光の約10-8程度ときわめ
て微弱であるが、温度に強く依存するので、レーレ散乱
光よりは温度情報源として優れている。
の一例を示す線図である。同図には、ガラスの固有振動
数(波数で約400cm-1)だけシフトした位置に、ラマン
散乱光の2成分であるストークス光とアンチストークス
光のピークが見られる。ラマン散乱光の強度は、レーレ
散乱光の約10-3程度、また入射光の約10-8程度ときわめ
て微弱であるが、温度に強く依存するので、レーレ散乱
光よりは温度情報源として優れている。
また、アンチストークス光とストークス光の強度比
は、次式に示すように、入射光波長とガラスの組成(ラ
マンシフト波数)が決まれば、理論的に温度にだけ依存
する。
は、次式に示すように、入射光波長とガラスの組成(ラ
マンシフト波数)が決まれば、理論的に温度にだけ依存
する。
ここでIa :アンチストークス光強度 Is:ストークス光強度、 ν0:入射光波数、 ν:格子振動波数、 h :プランク定数、 c :光速、 k :ボルツマン定数、 T :絶対温度。
第4図の光分波器22に、後方散乱光として戻って来た
光の中から上記ストークス光を分光し取り出すフィルタ
ー23およびアンチストークス光を分光し取り出すフィル
ター24を設置しておき、それぞれ取り出された両者をア
バランシェフォトダイオード25により光/電気変換を行
ない、増巾回路26により増巾し、高速平均化処理装置27
により連続パルスによって得られた数値の平均化処理を
行ない、パーソナルコンピューター28により長手方向に
おける距離に応じたストークス光とアンチストークス光
の強度比の分布を演算しディスプレイ装置29に表示する
ことで光ファイバ3の長手方向全域における距離に応じ
た温度分布を知ることができる。
光の中から上記ストークス光を分光し取り出すフィルタ
ー23およびアンチストークス光を分光し取り出すフィル
ター24を設置しておき、それぞれ取り出された両者をア
バランシェフォトダイオード25により光/電気変換を行
ない、増巾回路26により増巾し、高速平均化処理装置27
により連続パルスによって得られた数値の平均化処理を
行ない、パーソナルコンピューター28により長手方向に
おける距離に応じたストークス光とアンチストークス光
の強度比の分布を演算しディスプレイ装置29に表示する
ことで光ファイバ3の長手方向全域における距離に応じ
た温度分布を知ることができる。
第6図は、温度と上記アンチストークス光とストーク
ス光の強度比の関係をプロットした線図である。−100
〜+200℃の範囲で、強度比は、温度にほぼ比例してい
ることがわかる。したがって、光ファイバ各点からの後
方散乱光のうち、ラマン散乱光の2成分を分光し、その
強度を計測し、比をとれば各点の温度を知ることができ
る。
ス光の強度比の関係をプロットした線図である。−100
〜+200℃の範囲で、強度比は、温度にほぼ比例してい
ることがわかる。したがって、光ファイバ各点からの後
方散乱光のうち、ラマン散乱光の2成分を分光し、その
強度を計測し、比をとれば各点の温度を知ることができ
る。
上記異常発熱検知システムを前記したように例えば中
央監視区域に設置しておけば、常時連続してトロリ線路
全長域の温度分布を知ることができるし、断線があれば
直ちに情報が途切れるからその断線位置までも知ること
ができる。しかも、光ファイバを使用していることで電
磁誘導障害のおそれは全くないのである。
央監視区域に設置しておけば、常時連続してトロリ線路
全長域の温度分布を知ることができるし、断線があれば
直ちに情報が途切れるからその断線位置までも知ること
ができる。しかも、光ファイバを使用していることで電
磁誘導障害のおそれは全くないのである。
実測によれば、上記システムによる温度の測定精度は
±1℃であり、距離の分解能は1mという高精度が得られ
ることが確認された。
±1℃であり、距離の分解能は1mという高精度が得られ
ることが確認された。
[発明の効果] 以上の通り、本発明によれば、つぎのような優れた効
果を発揮することができる。
果を発揮することができる。
(1)トロリ線の溝内に光ファイバが滑動できるジェリ
ー状物質を充填したので溝壁への固着が完全に解消され
ストレスの集中の生ずる危険性がなく、また光ファイバ
が滑動できることで光ファイバに負荷される応力の分散
均分化が行なわれ、全体的に光ファイバの寿命を延ばす
ことが可能となる。
ー状物質を充填したので溝壁への固着が完全に解消され
ストレスの集中の生ずる危険性がなく、また光ファイバ
が滑動できることで光ファイバに負荷される応力の分散
均分化が行なわれ、全体的に光ファイバの寿命を延ばす
ことが可能となる。
(2)トロリ線の架線の際に架線張力の負荷されたトロ
リ線の溝内に光ファイバを収容するようにしたことで、
架線後の使用状態で光ファイバに異常張力が負荷される
おそれがなくなり、寿命の延長効果を一層増大させるこ
とができる。
リ線の溝内に光ファイバを収容するようにしたことで、
架線後の使用状態で光ファイバに異常張力が負荷される
おそれがなくなり、寿命の延長効果を一層増大させるこ
とができる。
第1および2図は本発明の架線方法により架線されるト
ロリ線の2様の例を示す断面図、第3図は本発明に係る
架線状況を示す説明図、第4図は発熱検知システムの構
成を示すブロック説明図、第5図はラマン散乱による後
方散乱光の測定スペクトル線図、第6図はアンチストー
クス光とストークス光の強度比と温度との関係を示す線
図である。 1:光ファイバ複合トロリ線、1A:トロリ原線、2:溝、3:
光ファイバ、4:ジェリー状物質、5:加締め部、6:クリッ
プ、10:トロリ線巻枠、11:矯正装置、12:光ファイバ巻
枠、13:ジェリー状物質供給装置、14:加締め又はクリッ
プ取付装置、15:ターンシーブ、20:パルス駆動回路、2
2:光分波器、25:光/電気変換素子、28:演算装置、29:
表示装置。
ロリ線の2様の例を示す断面図、第3図は本発明に係る
架線状況を示す説明図、第4図は発熱検知システムの構
成を示すブロック説明図、第5図はラマン散乱による後
方散乱光の測定スペクトル線図、第6図はアンチストー
クス光とストークス光の強度比と温度との関係を示す線
図である。 1:光ファイバ複合トロリ線、1A:トロリ原線、2:溝、3:
光ファイバ、4:ジェリー状物質、5:加締め部、6:クリッ
プ、10:トロリ線巻枠、11:矯正装置、12:光ファイバ巻
枠、13:ジェリー状物質供給装置、14:加締め又はクリッ
プ取付装置、15:ターンシーブ、20:パルス駆動回路、2
2:光分波器、25:光/電気変換素子、28:演算装置、29:
表示装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−263844(JP,A) 特開 昭60−105114(JP,A) 特開 昭57−67217(JP,A) 特開 平1−126522(JP,A) 特開 昭63−205531(JP,A) 特開 昭62−110160(JP,A) 特開 昭61−270632(JP,A) 実開 昭61−187741(JP,U) 実開 昭60−25529(JP,U) 実開 昭57−6108(JP,U)
Claims (1)
- 【請求項1】トロリ線巻枠より溝付トロリ線を送り出
し、矯正装置により矯正しつつ当該トロリ線に延線張力
を負荷し、該張力負荷状態にあるトロリ線の溝内に光フ
ァイバを収容して当該光ファイバの収容された溝内にジ
ェリー状物質を充填し、溝開口よりの光ファイバの逸脱
防止処置を施しつつ順次延線して所定区間に架線する光
ファイバ複合トロリ線の架線方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2107021A JP2738127B2 (ja) | 1990-04-23 | 1990-04-23 | 光ファイバ複合トロリ線の架線方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2107021A JP2738127B2 (ja) | 1990-04-23 | 1990-04-23 | 光ファイバ複合トロリ線の架線方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH045136A JPH045136A (ja) | 1992-01-09 |
JP2738127B2 true JP2738127B2 (ja) | 1998-04-08 |
Family
ID=14448507
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2107021A Expired - Fee Related JP2738127B2 (ja) | 1990-04-23 | 1990-04-23 | 光ファイバ複合トロリ線の架線方法 |
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CN113085668B (zh) * | 2021-04-27 | 2024-10-22 | 中铁建电气化局集团康远新材料有限公司 | 一种高速铁路用智能接触线及其制备系统和使用监测方法 |
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JPS6025529U (ja) * | 1983-07-29 | 1985-02-21 | 株式会社フジクラ | 光ファイバ入トロリ線 |
JPS60105114A (ja) * | 1983-11-11 | 1985-06-10 | 住友電気工業株式会社 | 光フアイバ複合架空地線 |
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JPS61187741U (ja) * | 1985-05-16 | 1986-11-22 | ||
JPS61270632A (ja) * | 1985-05-25 | 1986-11-29 | Hitachi Cable Ltd | 光ファイバ形温度分布計測装置 |
GB8520827D0 (en) * | 1985-08-20 | 1985-09-25 | York Ventures & Special Optica | Fibre-optic sensing devices |
JP2516613B2 (ja) * | 1987-02-21 | 1996-07-24 | 古河電気工業株式会社 | 光フアイバによる温度測定方法 |
JPH01126522A (ja) * | 1987-11-12 | 1989-05-18 | Hitachi Cable Ltd | 光ファイバ線状温度分布測定システム |
-
1990
- 1990-04-23 JP JP2107021A patent/JP2738127B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH045136A (ja) | 1992-01-09 |
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