JP2728694B2 - フレキシブルプリント配線基板 - Google Patents
フレキシブルプリント配線基板Info
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- JP2728694B2 JP2728694B2 JP63253790A JP25379088A JP2728694B2 JP 2728694 B2 JP2728694 B2 JP 2728694B2 JP 63253790 A JP63253790 A JP 63253790A JP 25379088 A JP25379088 A JP 25379088A JP 2728694 B2 JP2728694 B2 JP 2728694B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は改良されたフレキシブルプリント配線基板
(以下、FPCと略す)に関するものであり、更に詳しく
は絶縁基板に、温度及び湿度に対する寸法安定性に極め
て優れ、かつ吸湿率が低く、裂けにくく、かつハンダ耐
熱性を有するポリパラフエニレテレフタラミド(以下、
PPTAと略す)から実質的になるフイルムを用いたFPCに
関するものである。
(以下、FPCと略す)に関するものであり、更に詳しく
は絶縁基板に、温度及び湿度に対する寸法安定性に極め
て優れ、かつ吸湿率が低く、裂けにくく、かつハンダ耐
熱性を有するポリパラフエニレテレフタラミド(以下、
PPTAと略す)から実質的になるフイルムを用いたFPCに
関するものである。
近年、電子機器の小型・軽量化という根強いニーズに
支えられ、通常のリジツドタイプに較べ軽量で占用容積
が小さく自由な立体配線と配線の単純化が可能なFPCに
対する需要はとみに高まりつつある。
支えられ、通常のリジツドタイプに較べ軽量で占用容積
が小さく自由な立体配線と配線の単純化が可能なFPCに
対する需要はとみに高まりつつある。
従来、FPC用の絶縁基材としては、ポリエステルやポ
リイミドのフイルムが使用されてきた。しかし、ポリエ
ステルはハンダ耐熱性がないため、極めて限られた用途
にしか使用されていない。これに対してポリイミドは、
その優れた耐熱性を活かして、FPCに大量に用いられて
いるが、熱収縮率等の寸法安定性や吸湿率等の点で不満
が残つていること、高価なこと等が欠点となつている。
リイミドのフイルムが使用されてきた。しかし、ポリエ
ステルはハンダ耐熱性がないため、極めて限られた用途
にしか使用されていない。これに対してポリイミドは、
その優れた耐熱性を活かして、FPCに大量に用いられて
いるが、熱収縮率等の寸法安定性や吸湿率等の点で不満
が残つていること、高価なこと等が欠点となつている。
このため、ポリイミドやポリエステルに代る種種の材
料をFPCの絶縁基材に用いることが検討されてきた。
料をFPCの絶縁基材に用いることが検討されてきた。
PPTAに代表される直線配位性の芳香族リアミドは特に
優れた結晶性や高い融点、また剛直な分子構造の故に、
耐熱性で高い機械的強度を有しており、近年特に注目さ
れている高分子素材である。特にその優れた強度と、半
田耐熱性がある高い融点故にFPC材料として極めて有望
な素材である(特公昭55−37866号公報)。
優れた結晶性や高い融点、また剛直な分子構造の故に、
耐熱性で高い機械的強度を有しており、近年特に注目さ
れている高分子素材である。特にその優れた強度と、半
田耐熱性がある高い融点故にFPC材料として極めて有望
な素材である(特公昭55−37866号公報)。
しかし、従来のPPTAフイルムにはFPC材料として用い
るには以下の如き欠点が存在した。
るには以下の如き欠点が存在した。
例えば特公昭59−14567号公報に、光学異方性を有す
る芳香族ポリアミド溶液を、スリツトから短かい空気層
を介して凝固浴中に押出して得るフイルムが開示されて
いるが、このフイルムをFPCとして使用すると、フイル
ムの機械方向(以下MD方向と略す)には極めて強いが、
それと直交する方向(以下TD方向と略す)には極端に弱
く裂けやすいものとなり、全く実用には耐えられないも
のであつた。更に半田浴に浸せきした場合、フイルムの
収縮、カールの発生、寸法変化などの好ましくない現象
も見られた。
る芳香族ポリアミド溶液を、スリツトから短かい空気層
を介して凝固浴中に押出して得るフイルムが開示されて
いるが、このフイルムをFPCとして使用すると、フイル
ムの機械方向(以下MD方向と略す)には極めて強いが、
それと直交する方向(以下TD方向と略す)には極端に弱
く裂けやすいものとなり、全く実用には耐えられないも
のであつた。更に半田浴に浸せきした場合、フイルムの
収縮、カールの発生、寸法変化などの好ましくない現象
も見られた。
また、特公昭57−17886号公報、特公昭57−35088号公
報、特公昭59−5407号公報や特公昭53−44957号公報に
はほぼ等方性のPPTAフイルムが記載されているが、伸度
が小さく脆かつたり、寸法安定性(特に湿度に対する安
定性)の点で十分とはいえなかつた。
報、特公昭59−5407号公報や特公昭53−44957号公報に
はほぼ等方性のPPTAフイルムが記載されているが、伸度
が小さく脆かつたり、寸法安定性(特に湿度に対する安
定性)の点で十分とはいえなかつた。
また、特開昭61−248305号公報や特願昭61−18048号
公報には、これらの欠点を克服すべく、PPTAの光学異方
性ドープを押出して光学等方化し、次いで凝固すること
によつて、高強度で寸法安定性にすぐれ、裂けにくいPP
TAフイルムが得られ、このようなフイルムをFPCに使用
することが開示されている。しかし、このようなフイル
ムにおいても、尚一層の寸法安定性の向上及び吸湿率の
抑制が求められている。
公報には、これらの欠点を克服すべく、PPTAの光学異方
性ドープを押出して光学等方化し、次いで凝固すること
によつて、高強度で寸法安定性にすぐれ、裂けにくいPP
TAフイルムが得られ、このようなフイルムをFPCに使用
することが開示されている。しかし、このようなフイル
ムにおいても、尚一層の寸法安定性の向上及び吸湿率の
抑制が求められている。
さらに、特公昭55−37866号公報には、PPTAを含む芳
香族ポリアミドヒドラジドフイルムをFPCに用いること
が示されているが、一度が大きい即ち結晶性が高いため
PPTAにおいては脆くて実用的ではなく、他のポリマーに
おいては吸湿率が大きくまた熱収縮が大きいという不満
を残していた。
香族ポリアミドヒドラジドフイルムをFPCに用いること
が示されているが、一度が大きい即ち結晶性が高いため
PPTAにおいては脆くて実用的ではなく、他のポリマーに
おいては吸湿率が大きくまた熱収縮が大きいという不満
を残していた。
本発明の目的は、その簡潔な化学構造故に、ポリイミ
ドよりも安価に提供することの可能なPPTAを用いて、従
来公知のPPTAフイルムよりも更に寸法安定性及び吸湿率
が改良されたフイルムを用い、それ故に高温や高湿度雰
囲気に置いても、反りや銅板の剥離などの問題がなく、
高周波回路に使用されても問題がなく、高密度配線が可
能なFPCを提供せんとするところにある。
ドよりも安価に提供することの可能なPPTAを用いて、従
来公知のPPTAフイルムよりも更に寸法安定性及び吸湿率
が改良されたフイルムを用い、それ故に高温や高湿度雰
囲気に置いても、反りや銅板の剥離などの問題がなく、
高周波回路に使用されても問題がなく、高密度配線が可
能なFPCを提供せんとするところにある。
本発明者らは上記問題点の解決のために鋭意検討した
結果、特開昭61−248305号公報に記載されたPPTAフイル
ムの製膜過程において、一旦、緊張下に高温で乾燥又は
熱処理したのち、緊張を緩和して熱固定することによつ
て、吸湿率が小さく、熱及び吸湿に対する寸法安定性に
極めてすぐれたフイルムが得られることを見出し、この
フイルムを絶縁基板として用いることにより、上記目的
に沿つた高性能のFPCが得られることを発見するに到つ
た。
結果、特開昭61−248305号公報に記載されたPPTAフイル
ムの製膜過程において、一旦、緊張下に高温で乾燥又は
熱処理したのち、緊張を緩和して熱固定することによつ
て、吸湿率が小さく、熱及び吸湿に対する寸法安定性に
極めてすぐれたフイルムが得られることを見出し、この
フイルムを絶縁基板として用いることにより、上記目的
に沿つた高性能のFPCが得られることを発見するに到つ
た。
即ち本発明は、対数粘度が3.5以上の実質的にポリ−
パラフェニレンテレフタラミドよりなるフイルムであっ
て、全ての方向のヤング率が700kg/mm2以上、25℃から2
50℃までの熱膨張係数が(0〜15)×10-6mm/mm/℃、25
0℃における熱収縮率が0.1%以下、25℃における吸湿膨
張係数が30×10-6mm/mm/%RH以下、かつ25℃65%RHにお
ける吸湿率が2.5重量%以下であるフイルムを絶縁基板
とし、そのフイルムの少なくとも片面に銅を積層させて
なるフレキシブルプリント配線基板である。
パラフェニレンテレフタラミドよりなるフイルムであっ
て、全ての方向のヤング率が700kg/mm2以上、25℃から2
50℃までの熱膨張係数が(0〜15)×10-6mm/mm/℃、25
0℃における熱収縮率が0.1%以下、25℃における吸湿膨
張係数が30×10-6mm/mm/%RH以下、かつ25℃65%RHにお
ける吸湿率が2.5重量%以下であるフイルムを絶縁基板
とし、そのフイルムの少なくとも片面に銅を積層させて
なるフレキシブルプリント配線基板である。
本発明に用いられるPPTAは実質的に で表されるポリマーであり、従来公知のパラフエニレン
ジアミンとテレフタロイルクロライドから、低温溶液重
合法により製造するのが好都合である。なお、本発明に
用いるポリマーには、PPTA以外の成分が少量共重合され
たり、ブレンドされていてもよく、例えばメタフエニレ
ン、4,4′−ジフエニレン、4,4′−ジフエニレンエーテ
ル、3,4′−ジフエニレンエーテル等を含む芳香族ポリ
アミド、芳香環置換されたPPTAなどがそれらの成分とし
て挙げられる。
ジアミンとテレフタロイルクロライドから、低温溶液重
合法により製造するのが好都合である。なお、本発明に
用いるポリマーには、PPTA以外の成分が少量共重合され
たり、ブレンドされていてもよく、例えばメタフエニレ
ン、4,4′−ジフエニレン、4,4′−ジフエニレンエーテ
ル、3,4′−ジフエニレンエーテル等を含む芳香族ポリ
アミド、芳香環置換されたPPTAなどがそれらの成分とし
て挙げられる。
本発明のポリマーの重合度は、あまり低いと機械的性
質の良好なフイルムが得られなくなるため、3.5以上好
ましくは4.5以上の対数粘度ηinh(硫酸100mlにポリマ
ー0.5gを溶解して30℃で測定した値)を与える重合度の
ものが選ばれる。
質の良好なフイルムが得られなくなるため、3.5以上好
ましくは4.5以上の対数粘度ηinh(硫酸100mlにポリマ
ー0.5gを溶解して30℃で測定した値)を与える重合度の
ものが選ばれる。
本発明に用いられるフイルムは以下に述べる要件を満
たすべきである。
たすべきである。
まず第1に、本発明に用いられるフイルムは、全ての
方向の芳香のヤング率が700kg/mm2以上である。この特
徴は、機械的な外力に対する寸法安定性と関連を有して
いる。
方向の芳香のヤング率が700kg/mm2以上である。この特
徴は、機械的な外力に対する寸法安定性と関連を有して
いる。
第2図に、本発明に用いられるフイルムの熱膨張係数
が25℃〜250℃の範囲で測定して(0〜15)×10-6mm/mm
/℃の範囲内にあることである。この範囲の熱膨張係数
をもつということは、250℃までの温度に加熱しても、
殆んど長さが変らないことを意味している。そしてこの
数字は、セラミツクスのそれに近く、金属のそれよりも
少し小さい。このような熱に対する寸法安定性の非常に
すぐれたフイルムは、乾燥時の収縮を防止して分子鎖の
面配向性を高いレベルに保つこと、350℃以上での乾燥
又は熱処理によつて結晶性を高めることによつてはじめ
て達成された。本発明に用いるフイルムとして好ましい
のは5〜15×10-6mm/mm/℃の熱膨張係数をもつたもので
ある。本発明において、銅フイルムの熱膨張係数の差が
小さいために、高温、温度差の大きい環境下において
も、反り、剥離などが発生しない。
が25℃〜250℃の範囲で測定して(0〜15)×10-6mm/mm
/℃の範囲内にあることである。この範囲の熱膨張係数
をもつということは、250℃までの温度に加熱しても、
殆んど長さが変らないことを意味している。そしてこの
数字は、セラミツクスのそれに近く、金属のそれよりも
少し小さい。このような熱に対する寸法安定性の非常に
すぐれたフイルムは、乾燥時の収縮を防止して分子鎖の
面配向性を高いレベルに保つこと、350℃以上での乾燥
又は熱処理によつて結晶性を高めることによつてはじめ
て達成された。本発明に用いるフイルムとして好ましい
のは5〜15×10-6mm/mm/℃の熱膨張係数をもつたもので
ある。本発明において、銅フイルムの熱膨張係数の差が
小さいために、高温、温度差の大きい環境下において
も、反り、剥離などが発生しない。
第3に、本発明に用いられるフイルムは、250℃にお
ける熱収縮率が0.1%以下であるべきである。このよう
に本発明に用いられるフイルムの熱収縮率が極めて小さ
く、現在耐熱性フイルムとして大きい地位を占めている
ポリイミドフイルムよりもすぐれているのである。熱収
縮率は好ましくは0.05%以下である。熱収縮率のきわめ
て小さい本発明に用いられるフイルムは、乾燥又は熱処
理によつて高められた配向性及び結晶性を実質的に減少
させることなく、乾燥又は熱処理温度よりも少し低いが
250℃以上のある温度で、無緊張下又は低張力下にフイ
ルムを熱固定することによつて初めてえられる。このよ
うに本発明において熱収縮率が小さいフイルムを使用し
ているために、例えば、FPCの実装工程でハンダ溶に浸
漬しても、反りや剥離、導通・絶縁の変化等がおきない
のである。
ける熱収縮率が0.1%以下であるべきである。このよう
に本発明に用いられるフイルムの熱収縮率が極めて小さ
く、現在耐熱性フイルムとして大きい地位を占めている
ポリイミドフイルムよりもすぐれているのである。熱収
縮率は好ましくは0.05%以下である。熱収縮率のきわめ
て小さい本発明に用いられるフイルムは、乾燥又は熱処
理によつて高められた配向性及び結晶性を実質的に減少
させることなく、乾燥又は熱処理温度よりも少し低いが
250℃以上のある温度で、無緊張下又は低張力下にフイ
ルムを熱固定することによつて初めてえられる。このよ
うに本発明において熱収縮率が小さいフイルムを使用し
ているために、例えば、FPCの実装工程でハンダ溶に浸
漬しても、反りや剥離、導通・絶縁の変化等がおきない
のである。
第4に、本発明に用いられるフイルムは25℃における
吸湿膨張係数が30×10-6mm/mm/%RH以下である。吸湿膨
張係数は好ましくは20×10-6mm/mm/%RH以下である。こ
のように吸湿による寸法変化が小さいという特徴は、高
温多湿の夏と低湿乾燥の冬との季節間差に関係なく、FP
Cが一定の性能や機能を発揮する上で重要であり、高温
での乾燥又は熱処理による高い結晶性と配向性の確保に
よつて達成される。
吸湿膨張係数が30×10-6mm/mm/%RH以下である。吸湿膨
張係数は好ましくは20×10-6mm/mm/%RH以下である。こ
のように吸湿による寸法変化が小さいという特徴は、高
温多湿の夏と低湿乾燥の冬との季節間差に関係なく、FP
Cが一定の性能や機能を発揮する上で重要であり、高温
での乾燥又は熱処理による高い結晶性と配向性の確保に
よつて達成される。
更に、本発明に用いられるフイルムは、高温乾燥又は
熱処理による独特の高結晶性がもたらす25℃65%RHにお
ける吸湿率が2.5重量%以下である。吸湿率が2.5重量%
より大きいフイルムを使用するとFPCの電気特性(例え
ば絶縁抵抗や誘電率、誘電正接など)が大幅に変動した
り、銅とフイルムとの接着が経時的に低下してしまうと
いう欠点が生じる。
熱処理による独特の高結晶性がもたらす25℃65%RHにお
ける吸湿率が2.5重量%以下である。吸湿率が2.5重量%
より大きいフイルムを使用するとFPCの電気特性(例え
ば絶縁抵抗や誘電率、誘電正接など)が大幅に変動した
り、銅とフイルムとの接着が経時的に低下してしまうと
いう欠点が生じる。
本発明に用いられるフイルムとしては、以上の如き必
須要件以外にも、以下の特徴を備えているものが好まし
い。
須要件以外にも、以下の特徴を備えているものが好まし
い。
本発明に用いられるフイルムは、好ましくは、きわめ
て高い透明性を有している。高い透明性は、例えば、60
0nmの波長の可視光線の透過率が好ましくは55%以上、
より好ましくは70%以上を有する。
て高い透明性を有している。高い透明性は、例えば、60
0nmの波長の可視光線の透過率が好ましくは55%以上、
より好ましくは70%以上を有する。
また、本発明に用いられるフイルムは、好ましくは、
実質的にボイドを含まない。
実質的にボイドを含まない。
更に、本発明に用いられるフイルムは、通常、その密
度が1.370〜1.405g/cm3の範囲にある。この密度の値は
四塩化炭素−トルエンを使用した密度勾配管法によ30℃
で測定されたものである。この密度の範囲は、公知のPP
TA繊維のそれが1.43g/cm3から1.46g/cm3の範囲にあるの
に較べてかなり小さい値である。該密度が1.370g/cm3未
満になると機械的物性が低下し、1.405g/cm3を超えると
脆くなり従つてタフさの損なわれたフイルムとなりやす
い。何れにしても、このように密度が小さいことから、
軽くて高強度のフイルムが得られることになる。
度が1.370〜1.405g/cm3の範囲にある。この密度の値は
四塩化炭素−トルエンを使用した密度勾配管法によ30℃
で測定されたものである。この密度の範囲は、公知のPP
TA繊維のそれが1.43g/cm3から1.46g/cm3の範囲にあるの
に較べてかなり小さい値である。該密度が1.370g/cm3未
満になると機械的物性が低下し、1.405g/cm3を超えると
脆くなり従つてタフさの損なわれたフイルムとなりやす
い。何れにしても、このように密度が小さいことから、
軽くて高強度のフイルムが得られることになる。
このような本発明に用いられるフイルムを得るために
はまずPPTAから実質的になるポリマーの光学異方性ドー
プを調製する必要がある。
はまずPPTAから実質的になるポリマーの光学異方性ドー
プを調製する必要がある。
フイルムの成型に用いるドープを調製するのに適した
溶媒は、95重量%以上の濃度の硫酸である。95%未満の
硫酸では溶解が困難であつたり、溶解後のドープが異常
に高粘度になる。本発明のドープには、クロル硫酸、フ
ルオロ硫酸、五酸化リン、トリハロゲン化酢酸などが少
し混入されていてもよい。硫酸は100重量%以上のもの
も可能であるが、ポリマーの安定性や溶解性などの点か
ら98〜100重量%濃度が好ましく用いられる。
溶媒は、95重量%以上の濃度の硫酸である。95%未満の
硫酸では溶解が困難であつたり、溶解後のドープが異常
に高粘度になる。本発明のドープには、クロル硫酸、フ
ルオロ硫酸、五酸化リン、トリハロゲン化酢酸などが少
し混入されていてもよい。硫酸は100重量%以上のもの
も可能であるが、ポリマーの安定性や溶解性などの点か
ら98〜100重量%濃度が好ましく用いられる。
ドープ中のポリマー濃度は、常温(約20℃〜30℃)ま
たはそれ以上の温度で光学異方性を示す濃度以上のもの
であり、具体的には約10重量%以上で用いられる。これ
以下のポリマー濃度、すなわち常温またはそれ以上の温
度で光学異方性を示さないポリマー濃度では、成型され
たフイルムが好ましい機械的性質を持たなくなることが
多い。ドープのポリマー濃度の上限は特に限定されるも
のではないが、通常は20重量%以下、特に高いηinhの
ポリマーに対しては18重量%以下が好ましく用いられ更
に好ましくは16重量%以下である。
たはそれ以上の温度で光学異方性を示す濃度以上のもの
であり、具体的には約10重量%以上で用いられる。これ
以下のポリマー濃度、すなわち常温またはそれ以上の温
度で光学異方性を示さないポリマー濃度では、成型され
たフイルムが好ましい機械的性質を持たなくなることが
多い。ドープのポリマー濃度の上限は特に限定されるも
のではないが、通常は20重量%以下、特に高いηinhの
ポリマーに対しては18重量%以下が好ましく用いられ更
に好ましくは16重量%以下である。
ドープには普通の添加剤、例えば、増量剤、除光沢
剤、紫外線安定化剤、熱安定化剤、抗酸化剤、顔料、溶
解助剤などを混入してもよい。
剤、紫外線安定化剤、熱安定化剤、抗酸化剤、顔料、溶
解助剤などを混入してもよい。
ドープが光学異方性か光学等方性であるかは、公知の
方法、例えば特公昭50−8474号公報記載の方法で調べる
ことができるが、その臨界点は、溶媒の種類、温度、ポ
リマー濃度、ポリマーの重合度、非溶媒の含有量等に依
存するので、これらの関係を予め調べることによつて、
光学異方性ドープを作り、光学等方性ドープとなる条件
に変えることで、光学異方性から光学等方性に変えるこ
とができる。
方法、例えば特公昭50−8474号公報記載の方法で調べる
ことができるが、その臨界点は、溶媒の種類、温度、ポ
リマー濃度、ポリマーの重合度、非溶媒の含有量等に依
存するので、これらの関係を予め調べることによつて、
光学異方性ドープを作り、光学等方性ドープとなる条件
に変えることで、光学異方性から光学等方性に変えるこ
とができる。
ドープは、成形・凝固に先立つて可能な限り不溶性の
ゴミ、異物等を濾過等によつて取除いておくこと、溶解
中に発生又は巻きこまれる空気等の気体を取除いておく
ことが好ましい。脱気は、一旦ドープを調製したあとに
行うこともできるし、調製のための原料の仕込段階から
一貫して真空(減圧)下に行うことによつても達成しう
る。ドープの調製は連続又は回分で行うことができる。
ゴミ、異物等を濾過等によつて取除いておくこと、溶解
中に発生又は巻きこまれる空気等の気体を取除いておく
ことが好ましい。脱気は、一旦ドープを調製したあとに
行うこともできるし、調製のための原料の仕込段階から
一貫して真空(減圧)下に行うことによつても達成しう
る。ドープの調製は連続又は回分で行うことができる。
このようにして調製されたドープは、光学異方性を保
つたまま、ダイ例えばスリツトダイから、移動している
支持面上に流延される。本発明において、流延及びそれ
に続く光学等方性への転化、凝固、洗浄、延伸、乾燥な
どの工程は、好ましくは連続的に行われるが、もし必要
ならば、これらの全部又は一部を断続的に、つまり回分
式に行つてもよい。
つたまま、ダイ例えばスリツトダイから、移動している
支持面上に流延される。本発明において、流延及びそれ
に続く光学等方性への転化、凝固、洗浄、延伸、乾燥な
どの工程は、好ましくは連続的に行われるが、もし必要
ならば、これらの全部又は一部を断続的に、つまり回分
式に行つてもよい。
本発明に用いられる透明フイルムを得る方法は、ドー
プを支持面上に流延した後、凝固に先立つてドープを光
学異方性から光学等方性に転化するものである。
プを支持面上に流延した後、凝固に先立つてドープを光
学異方性から光学等方性に転化するものである。
光学異方性から光学等方性にするには、具体的には支
持面上に流延した光学異方性ドープを凝固に先立ち、吸
湿させたドープを形成する溶剤の濃度を下げ、溶剤の溶
解能力およびポリマー濃度の変化により光学等方性域に
転移させるか、または加熱することによりドープを昇温
し、ドープの相を光学等方性に転移させる或いは、吸湿
と加熱とを同時は逐次的に併用することにより達成でき
る。
持面上に流延した光学異方性ドープを凝固に先立ち、吸
湿させたドープを形成する溶剤の濃度を下げ、溶剤の溶
解能力およびポリマー濃度の変化により光学等方性域に
転移させるか、または加熱することによりドープを昇温
し、ドープの相を光学等方性に転移させる或いは、吸湿
と加熱とを同時は逐次的に併用することにより達成でき
る。
特に、吸湿を利用する方法は、加熱を併用する方法も
含めて、光学異方性の光学等方化が効率よくかつポリマ
ーの分解をひきおこすことなく出来るので、有用であ
る。
含めて、光学異方性の光学等方化が効率よくかつポリマ
ーの分解をひきおこすことなく出来るので、有用であ
る。
ドープを吸湿させるには、通常の温度・湿度の空気で
もよいが、好ましくは、加湿又は加温加湿された空気を
用いる。加湿空気は飽和蒸気圧をこえて霧状の水分を含
んでいてもよく、いわゆる水蒸気であつてもよい。ただ
し、約45℃以下の過飽和水蒸気は、大きい粒状の凝縮水
を含むことが多いので好ましくない。吸湿は通常、室温
〜約180℃、好ましくは50℃〜150℃の加湿空気によつて
行われる。
もよいが、好ましくは、加湿又は加温加湿された空気を
用いる。加湿空気は飽和蒸気圧をこえて霧状の水分を含
んでいてもよく、いわゆる水蒸気であつてもよい。ただ
し、約45℃以下の過飽和水蒸気は、大きい粒状の凝縮水
を含むことが多いので好ましくない。吸湿は通常、室温
〜約180℃、好ましくは50℃〜150℃の加湿空気によつて
行われる。
加熱による方法の場合、加熱の手段は特に限定され
ず、蒸気の如き加湿された空気を流延ドープに当てる方
法、赤外線ランプを照射する方法、誘電加熱による方法
などである。
ず、蒸気の如き加湿された空気を流延ドープに当てる方
法、赤外線ランプを照射する方法、誘電加熱による方法
などである。
支持面上で光学等方化された流延ドープは、次に凝固
をうける。ドープの凝固液として使用できるのは、例え
ば水、約70重量%以下の希硫酸、約20重量%以下の水酸
化ナトリウム水溶液およびアンモニア水、約10重量%以
下の硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム水溶液および塩化
カルシウム水溶液などである。
をうける。ドープの凝固液として使用できるのは、例え
ば水、約70重量%以下の希硫酸、約20重量%以下の水酸
化ナトリウム水溶液およびアンモニア水、約10重量%以
下の硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム水溶液および塩化
カルシウム水溶液などである。
凝固液の温度は、好ましくは15℃以下であり、更に好
ましくは5℃以下である。何故なら、一般に、凝固液温
度を低くした方が、フイルムに包含されるボイドが少く
なるという傾向が見出されたからである。
ましくは5℃以下である。何故なら、一般に、凝固液温
度を低くした方が、フイルムに包含されるボイドが少く
なるという傾向が見出されたからである。
凝固されたフイルムはそのままでは酸が含まれている
ため、加熱による機械的物質の低下の少ないフイルムを
製造するには酸分の洗浄、除去をできるだけ行う必要が
ある。酸分の除去は、具体的には約500PPm以下まで行う
ことが望ましい。洗浄液としては水が通常用いられる
が、必要に応じて温水で行つたり、アルカリ水溶液で中
和洗浄した後、水などで洗浄してもよい。洗浄は、例え
ば洗浄液中でフイルムを走行させたり、洗浄液を噴霧す
る等の方法により行われる。
ため、加熱による機械的物質の低下の少ないフイルムを
製造するには酸分の洗浄、除去をできるだけ行う必要が
ある。酸分の除去は、具体的には約500PPm以下まで行う
ことが望ましい。洗浄液としては水が通常用いられる
が、必要に応じて温水で行つたり、アルカリ水溶液で中
和洗浄した後、水などで洗浄してもよい。洗浄は、例え
ば洗浄液中でフイルムを走行させたり、洗浄液を噴霧す
る等の方法により行われる。
洗浄されたフイルムは、次に乾燥をうける。乾燥つま
り水分の減少に伴なつて、フイルムを無張力下に置く
と、一般にフイルムが収縮を起すが、本発明に用いられ
るフイルムの取得に当つては、乾燥工程でフイルムを収
縮させないことが肝要である。ここで、収縮をさせない
という表現は、定長のまま乾燥させることと延伸しつつ
乾燥させることの二つが含まれていると解すべきであ
る。そして、例えば、フイルムの一方向にのみ延伸し、
他方向は定長のままという態様も許される。乾燥温度の
選定も重要で、350℃以上の雰囲気温度(T1℃)で実施
するか、又は一旦任意の温度で乾燥を行つたのち、350
℃以上の温度(T1℃)で収縮をさせずに熱処理すること
で実施される。ここで、乾燥とはフイルムからの水分の
除去を意味し、それ以降のフイルムの物理的構造(例え
ば、結晶状態)の変化をさせるのを熱処理と称する。い
ずれにせよ、350℃以上の温度T1で緊張下に構造の固定
を行う必要があり、これによつて、吸湿膨張係数を小さ
くし、吸湿を抑えることができる。
り水分の減少に伴なつて、フイルムを無張力下に置く
と、一般にフイルムが収縮を起すが、本発明に用いられ
るフイルムの取得に当つては、乾燥工程でフイルムを収
縮させないことが肝要である。ここで、収縮をさせない
という表現は、定長のまま乾燥させることと延伸しつつ
乾燥させることの二つが含まれていると解すべきであ
る。そして、例えば、フイルムの一方向にのみ延伸し、
他方向は定長のままという態様も許される。乾燥温度の
選定も重要で、350℃以上の雰囲気温度(T1℃)で実施
するか、又は一旦任意の温度で乾燥を行つたのち、350
℃以上の温度(T1℃)で収縮をさせずに熱処理すること
で実施される。ここで、乾燥とはフイルムからの水分の
除去を意味し、それ以降のフイルムの物理的構造(例え
ば、結晶状態)の変化をさせるのを熱処理と称する。い
ずれにせよ、350℃以上の温度T1で緊張下に構造の固定
を行う必要があり、これによつて、吸湿膨張係数を小さ
くし、吸湿を抑えることができる。
このように350℃以上の温度T1(℃)で乾燥又は熱処
理をしたのち、次いで250T2T1−30を満すT2(℃)
で0〜0.8kg/mm2の無緊張下又は低張力下に熱処理を行
うことも肝要である。これは実質的無緊張下に謂ゆる熱
固定を行うことを意味し、この熱固定によつて熱収縮率
を小さくでき、また副次的に耐引裂性を向上できる。
理をしたのち、次いで250T2T1−30を満すT2(℃)
で0〜0.8kg/mm2の無緊張下又は低張力下に熱処理を行
うことも肝要である。これは実質的無緊張下に謂ゆる熱
固定を行うことを意味し、この熱固定によつて熱収縮率
を小さくでき、また副次的に耐引裂性を向上できる。
上記した収縮をさせずに乾燥や熱処理を行うには、例
えばテンターや金属枠に挟んでオーブン中に入れるなど
の方法で、また、弛緩下又は低張力下の乾燥は、自由端
の状態でオーブン中に入れる方法やテンターを定長にし
て温度を約50℃より大きく下げる(つまりT1−T2≧50
(℃))方法、テンターの把持間隔を少しせばめるなど
の方法で実施できる。乾燥や熱処理に係る他の条件は特
に制限されるものではなく、加熱気体(空気、窒素、ア
ルゴンなど)や常温気体による方法、電気ヒーターや赤
外線ランプなどの輻射熱の利用法、誘電加熱法などの手
段から自由に選ぶことができる。
えばテンターや金属枠に挟んでオーブン中に入れるなど
の方法で、また、弛緩下又は低張力下の乾燥は、自由端
の状態でオーブン中に入れる方法やテンターを定長にし
て温度を約50℃より大きく下げる(つまりT1−T2≧50
(℃))方法、テンターの把持間隔を少しせばめるなど
の方法で実施できる。乾燥や熱処理に係る他の条件は特
に制限されるものではなく、加熱気体(空気、窒素、ア
ルゴンなど)や常温気体による方法、電気ヒーターや赤
外線ランプなどの輻射熱の利用法、誘電加熱法などの手
段から自由に選ぶことができる。
本発明の方法において、全工程を通して連続してフイ
ルムを走行させつつ製造することが好ましい実施態様の
1つであるが、望むならば部分的に回分式に行つてもよ
い。また任意の工程で油剤、識別用の染料などをフイル
ムに付与してもさしつかえない。
ルムを走行させつつ製造することが好ましい実施態様の
1つであるが、望むならば部分的に回分式に行つてもよ
い。また任意の工程で油剤、識別用の染料などをフイル
ムに付与してもさしつかえない。
なお、透明性のすぐれた、即ち光線透過率の極めて大
きい、フイルムを得るために、ドープは無論のこと、吸
湿用気体、加熱用気体、支持面体、凝固液、洗浄液、乾
燥気体等のゴミやチリの含有量が可及的に少なくなるよ
うにすることが好ましく、この点、謂ゆるクリーンルー
ムやクリーン水でフイルムを製造するのも好ましい実施
態様の1つである。
きい、フイルムを得るために、ドープは無論のこと、吸
湿用気体、加熱用気体、支持面体、凝固液、洗浄液、乾
燥気体等のゴミやチリの含有量が可及的に少なくなるよ
うにすることが好ましく、この点、謂ゆるクリーンルー
ムやクリーン水でフイルムを製造するのも好ましい実施
態様の1つである。
以上の方法により得られる、特別な特性をもつたフイ
ルムを絶縁基板とすることにより初めて本発明の目的と
する、苛酷な環境において変性や変質、反りなどの発生
しない高信頼性でかつ高密度配線の可能なFPCが得られ
るのである。しかしこの基板フイルムの性能をより十分
に発揮させるためには、銅の積層に際して十分な注意を
払う必要がある。
ルムを絶縁基板とすることにより初めて本発明の目的と
する、苛酷な環境において変性や変質、反りなどの発生
しない高信頼性でかつ高密度配線の可能なFPCが得られ
るのである。しかしこの基板フイルムの性能をより十分
に発揮させるためには、銅の積層に際して十分な注意を
払う必要がある。
導体としての銅の積層方法としては電解銅箔或いは圧
延銅箔を耐熱性に優れた接着剤で貼り合わせる方法が一
般に用いられる。この接着剤の選択並びに接着方法は重
要なポイントとなる。
延銅箔を耐熱性に優れた接着剤で貼り合わせる方法が一
般に用いられる。この接着剤の選択並びに接着方法は重
要なポイントとなる。
即ち接着剤としては耐熱性に優れたポリイミド系化合
物、エポキシ系化合物、熱硬化性ポリフエニレンオキシ
ド系化合物が好適な例である。接着剤は一般に溶液状で
塗布され、溶剤の選定に当つては接着剤を溶解すること
は勿論必要であるが、基材フイルムを侵すものであつて
はならない。この点本発明のフイルムはこれら殆んど全
ての溶剤に全く侵されることなく、最適な基材フイルム
と言える。
物、エポキシ系化合物、熱硬化性ポリフエニレンオキシ
ド系化合物が好適な例である。接着剤は一般に溶液状で
塗布され、溶剤の選定に当つては接着剤を溶解すること
は勿論必要であるが、基材フイルムを侵すものであつて
はならない。この点本発明のフイルムはこれら殆んど全
ての溶剤に全く侵されることなく、最適な基材フイルム
と言える。
(実施例) 以下に実施例を示すが、これらの実施例は本発明を説
明するものであつて、本発明を限定するものではない。
なお、実施例中特に規定しない場合は重量部または重量
%を示す。対数粘度ηinhは98%硫酸100mlにポリマー0.
5gを溶解し、30℃で常法で測定した。強伸度およびヤン
グ率は、定速伸長型強伸度測定機により、フイルム試料
を100mm×10mmの長方形に切り取り、最初のつかみ長さ3
0mm、引張り速度30mm/分で荷重−伸長曲線を5回描き、
これより算出したものである。
明するものであつて、本発明を限定するものではない。
なお、実施例中特に規定しない場合は重量部または重量
%を示す。対数粘度ηinhは98%硫酸100mlにポリマー0.
5gを溶解し、30℃で常法で測定した。強伸度およびヤン
グ率は、定速伸長型強伸度測定機により、フイルム試料
を100mm×10mmの長方形に切り取り、最初のつかみ長さ3
0mm、引張り速度30mm/分で荷重−伸長曲線を5回描き、
これより算出したものである。
膨張係数の測定には、熱機械分析装置を用い、幅5mm
把持部間長さ15mmの試料に0.05kg/mm2の荷重をかけて行
つた。熱膨張係数の場合、25〜250℃の間で試料の寸法
変化を測定し25〜250℃間の変化率を225で除して算出し
た。
把持部間長さ15mmの試料に0.05kg/mm2の荷重をかけて行
つた。熱膨張係数の場合、25〜250℃の間で試料の寸法
変化を測定し25〜250℃間の変化率を225で除して算出し
た。
一方、吸湿膨張係数の場合には、25℃において、まず
20%相対湿度に保持したのち、加湿機から80%相対湿度
に上昇するまで加湿し、この間の寸法変化率を60で除し
て算出した。
20%相対湿度に保持したのち、加湿機から80%相対湿度
に上昇するまで加湿し、この間の寸法変化率を60で除し
て算出した。
吸湿率は、25℃、65%相対湿度に48時間フイルムを静
置して測定した重量と、それを次いで120℃真空乾燥機
で恒量に達するまで乾燥して得たフイルムの重量とから
算出した。
置して測定した重量と、それを次いで120℃真空乾燥機
で恒量に達するまで乾燥して得たフイルムの重量とから
算出した。
250℃における熱収縮率は、0.05kg/mm2の張力を付与
して250℃のオーブン中に30分間放置し、このオーブン
処理前後の室温(25℃)における寸法変化から計算した
ものである。
して250℃のオーブン中に30分間放置し、このオーブン
処理前後の室温(25℃)における寸法変化から計算した
ものである。
実施例1 ηinhが5.5のPPTAポリマーを99.7%の硫酸にポリマー
濃度11.5%で溶解し、60℃で光学異方性のあるドープを
得た。このドープの粘度を常温で測定したところ、10,6
00ポイズだつた。製膜しやすくするために、このドープ
を約70℃に保つたまま、真空下に脱気した。この場合も
上記と同じく光学異方性を有し、粘度は、4,400ポイズ
であつた。タンクからフイルターを通し、ギアポンプを
へてダイに到る1.5mの曲管を約70℃に保ち、0.1mm×300
mmのスリツトを有するダイから、鏡面に磨いたタンタル
製のベルトにキヤストし、相対湿度約12%の約105℃の
空気を吹きつけて、流延ドープを光学等方化し、ベルト
とともに5℃の水の中に導いて凝固させた。次いで凝固
フイルムをベルトからひきはがし、約40℃の温水中を走
行させて洗浄した。洗浄の終了したフイルムを乾燥させ
ずにテンターで長さ方向及び幅方向に各々15%ずつ延伸
し、次いで別のテンターを用いて定長下に370℃で熱風
乾燥した。
濃度11.5%で溶解し、60℃で光学異方性のあるドープを
得た。このドープの粘度を常温で測定したところ、10,6
00ポイズだつた。製膜しやすくするために、このドープ
を約70℃に保つたまま、真空下に脱気した。この場合も
上記と同じく光学異方性を有し、粘度は、4,400ポイズ
であつた。タンクからフイルターを通し、ギアポンプを
へてダイに到る1.5mの曲管を約70℃に保ち、0.1mm×300
mmのスリツトを有するダイから、鏡面に磨いたタンタル
製のベルトにキヤストし、相対湿度約12%の約105℃の
空気を吹きつけて、流延ドープを光学等方化し、ベルト
とともに5℃の水の中に導いて凝固させた。次いで凝固
フイルムをベルトからひきはがし、約40℃の温水中を走
行させて洗浄した。洗浄の終了したフイルムを乾燥させ
ずにテンターで長さ方向及び幅方向に各々15%ずつ延伸
し、次いで別のテンターを用いて定長下に370℃で熱風
乾燥した。
更に、フイルムを第3のテンターに導き、幅方向及び
長さ方向の把持長が5%づつ小さくなるようにクリツプ
状の把持部を調整して、340℃で熱固定した。このとき
第3テンターでの張力は殆んど0であつた。
長さ方向の把持長が5%づつ小さくなるようにクリツプ
状の把持部を調整して、340℃で熱固定した。このとき
第3テンターでの張力は殆んど0であつた。
得られたフイルムは、厚み20μm、ηinh5.1、強度28
kg/mm2、伸度23%、ヤング率760kg/mm2、熱膨張係数11
×10-6mm/mm/℃、熱収縮率0.01%未満、吸湿膨張係数21
×10-6mm/mm/%RH、吸湿率1.5%、光線透過率76%、密
度1.405g/cm3で等方的な性質をもったフイルムであっ
た。
kg/mm2、伸度23%、ヤング率760kg/mm2、熱膨張係数11
×10-6mm/mm/℃、熱収縮率0.01%未満、吸湿膨張係数21
×10-6mm/mm/%RH、吸湿率1.5%、光線透過率76%、密
度1.405g/cm3で等方的な性質をもったフイルムであっ
た。
上記フイルムと35μの電解銅箔を次の構造式で示され
る接着剤 を用いて280℃で加熱圧着した。
る接着剤 を用いて280℃で加熱圧着した。
このようにして得られたEPCの特性を第1表に示す。
実施例2 実施例1において、第3テンター温度を320℃にした
以外は、実施例1と同じ方法、条件でPPTAフイルムを製
造した。
以外は、実施例1と同じ方法、条件でPPTAフイルムを製
造した。
得られたフイルムは、厚み20μm、ηinh5.0、強度29
kg/mm2、伸度20%、ヤング率890kg/mm2、熱膨張係数8
×10-6mm/mm/℃、熱収縮率0.01%未満、吸湿膨張係数14
×10-6mm/mm/%RH、吸湿率1.8%、光線透過率74%、密
度1.402g/cm3で等方的な性質をもったフイルムであっ
た。
kg/mm2、伸度20%、ヤング率890kg/mm2、熱膨張係数8
×10-6mm/mm/℃、熱収縮率0.01%未満、吸湿膨張係数14
×10-6mm/mm/%RH、吸湿率1.8%、光線透過率74%、密
度1.402g/cm3で等方的な性質をもったフイルムであっ
た。
上記フイルムと35μの電解銅箔を次の構造を有する接
着剤 を用いて220℃で加熱圧着した。
着剤 を用いて220℃で加熱圧着した。
このようにして得られたFPCの特性を第1表に示す。
実施例3 ηinhが4.8のPPTAを99.5%硫酸に12%で溶解し45℃で
光学異方性のある3,600ポイズのドープを得た。脱気、
濾過したのち、0.08mm×300mmのスリツトを有するダイ
から、このドープをタンタル製のベルト上に流延した。
相対湿度約80%の約75℃の空気を吹きつけて流延ドープ
を透明な光学等方性ドープに転化し、次いで0℃の10%
硫酸水溶液で凝固させた。凝固したフイルムをベルトか
らはがしたのち、常温の水、2%カセイソーダ水溶液、
約30〜40℃の水の順に洗浄した。
光学異方性のある3,600ポイズのドープを得た。脱気、
濾過したのち、0.08mm×300mmのスリツトを有するダイ
から、このドープをタンタル製のベルト上に流延した。
相対湿度約80%の約75℃の空気を吹きつけて流延ドープ
を透明な光学等方性ドープに転化し、次いで0℃の10%
硫酸水溶液で凝固させた。凝固したフイルムをベルトか
らはがしたのち、常温の水、2%カセイソーダ水溶液、
約30〜40℃の水の順に洗浄した。
洗浄されて約250〜350%の水を含有する湿潤フイルム
を180℃の熱風の循環するテンター中で、定長下に乾燥
した。
を180℃の熱風の循環するテンター中で、定長下に乾燥
した。
次いで、テンター出口には取付けた410℃の熱板で、
フイルムの上下から定長熱処理し、更に300℃に保持し
た第2テンターにて幅方向及び長さ方向に約8%把持長
さを減少させつつ熱固定した。得られたフイルムは、厚
さ25μm、ηinh4.4、光線透過率76%、密度1.401g/c
m3、強度31kg/mm2、伸度18%、ヤング率780kg/mm2、吸
湿率0.9%、熱収縮率0.01%未満、熱膨張係数14×10-6m
m/mm/℃、吸湿膨張係数10×10-6mm/mm/%RHの等方的な
性質を持つフイルムであつた。
フイルムの上下から定長熱処理し、更に300℃に保持し
た第2テンターにて幅方向及び長さ方向に約8%把持長
さを減少させつつ熱固定した。得られたフイルムは、厚
さ25μm、ηinh4.4、光線透過率76%、密度1.401g/c
m3、強度31kg/mm2、伸度18%、ヤング率780kg/mm2、吸
湿率0.9%、熱収縮率0.01%未満、熱膨張係数14×10-6m
m/mm/℃、吸湿膨張係数10×10-6mm/mm/%RHの等方的な
性質を持つフイルムであつた。
上記フイルムと35μの電解銅箔を実施例2と同じ接着
剤により220℃で加熱圧着した。得られたFPCの特性を第
1表に示す。
剤により220℃で加熱圧着した。得られたFPCの特性を第
1表に示す。
〔発明の効果〕 本発明のFPCは、温度、湿度に対する寸法安定性にき
わめてすぐれている。また吸湿率も小さく、タフであ
る。
わめてすぐれている。また吸湿率も小さく、タフであ
る。
このため、高温、高温高湿、寒冷などの苛酷な環境に
置いても、変形、反り、剥離等は無論のこと、故障も発
生しなく、信頼性が高い。また、高周波回路への適応性
にもすぐれ、高密度配線も可能である。
置いても、変形、反り、剥離等は無論のこと、故障も発
生しなく、信頼性が高い。また、高周波回路への適応性
にもすぐれ、高密度配線も可能である。
加うるに、FPCに要求される種々の特性、例えば半田
耐熱性、可撓性、耐薬品性、電気特性など、多くの点で
非常に優れた特性を発揮することは実施例に示した通り
である。
耐熱性、可撓性、耐薬品性、電気特性など、多くの点で
非常に優れた特性を発揮することは実施例に示した通り
である。
更に本発明のFPCは、従来のポリイミドからなるFPCよ
りも安価に提供できるという利点もある。
りも安価に提供できるという利点もある。
したがつて本発明のFPCは、これらの特徴を活かして
各種の電子機器類、カメラ、時計等々に使用できる。
各種の電子機器類、カメラ、時計等々に使用できる。
Claims (1)
- 【請求項1】対数粘度が3.5以上の実質的にポリ−パラ
フェニレンテレフタラミドよりなるフイルムであって、
全ての方向のヤング率が700kg/mm2以上、25℃から250℃
までの熱膨張係数が(0〜15)×10-6mm/mm/℃、250℃
における熱収縮率が0.1%以下、25℃における吸湿膨張
係数が30×10-6mm/mm/%RH以下、かつ25℃65%RHにおけ
る吸湿率が2.5重量%以下であるフイルムを絶縁基板と
し、そのフイルムの少なくとも片面に銅を積層させてな
るフレキシブルプリント配線基板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63253790A JP2728694B2 (ja) | 1987-10-20 | 1988-10-11 | フレキシブルプリント配線基板 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62-262814 | 1987-10-20 | ||
JP26281487 | 1987-10-20 | ||
JP63253790A JP2728694B2 (ja) | 1987-10-20 | 1988-10-11 | フレキシブルプリント配線基板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01236684A JPH01236684A (ja) | 1989-09-21 |
JP2728694B2 true JP2728694B2 (ja) | 1998-03-18 |
Family
ID=26541397
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63253790A Expired - Lifetime JP2728694B2 (ja) | 1987-10-20 | 1988-10-11 | フレキシブルプリント配線基板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2728694B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5071481B2 (ja) * | 2007-08-24 | 2012-11-14 | 住友ベークライト株式会社 | 多層配線基板および半導体装置 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2708505B2 (ja) * | 1988-11-14 | 1998-02-04 | 三井東圧化学株式会社 | フレキシブルな金属箔積層板 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0687368B2 (ja) * | 1985-04-24 | 1994-11-02 | 旭化成工業株式会社 | フレキシブルプリント配線用基板 |
JPS62176835A (ja) * | 1986-01-31 | 1987-08-03 | 旭化成株式会社 | フレキシブルプリント配線用基板 |
-
1988
- 1988-10-11 JP JP63253790A patent/JP2728694B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5071481B2 (ja) * | 2007-08-24 | 2012-11-14 | 住友ベークライト株式会社 | 多層配線基板および半導体装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01236684A (ja) | 1989-09-21 |
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