JP2698702B2 - レギュレータ回路の出力トランジスタ飽和防止回路 - Google Patents
レギュレータ回路の出力トランジスタ飽和防止回路Info
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Description
【発明の詳細な説明】
この発明は、マルチ電源用IC等の取り出すべき出力の
安定化に用いられるレギュレータ回路の出力トランジス
タ飽和防止回路に関する。
安定化に用いられるレギュレータ回路の出力トランジス
タ飽和防止回路に関する。
一般に、CDプレーヤのピックアップのトラッキングサ
ーボやフォーカスサーボ等、高い精度が要求される制御
を行う各種の制御回路には、電圧変動が極めて小さい電
源が用いられ、この種の電源では、電圧出力の安定化を
図るためレギュレータ回路の設置が不可欠である。とこ
ろで、このレギュレータ回路の入力電源に電池等を用い
た場合、その消耗による減電圧時、レギュレータ回路の
出力トランジスタが飽和し、レギュレータ回路が形成さ
れているIC基板にその飽和電流が流れ、基板に発熱を生
じさせる。特に、飽和電流は無効電流であって、消費電
力を増大させるばかりか、突入電流によって基板電位が
変動し、併設された基板上の他の回路の正常な動作を阻
害する要因になる。 このようなレギュレータ回路の出力トランジスタの飽
和を防止するため、例えば、特願昭63−288225号「レギ
ュレータ回路」が提案されている。 このレギュレータ回路では、第3図に示すように、レ
ギュレータ主回路部2(以下単に「主回路部2」とい
う)の前段に飽和防止回路4が設置されている。主回路
部2には正相入力側に基準電圧Vrefを受ける電圧比較器
21が設置され、この電圧比較器21の出力をベースに受け
て出力端子20から出力電圧Voutを取り出す出力トランジ
スタ22が設置されている。出力トランジスタ22にはPNP
形トランジスタが用いられており、そのコレクタ側と接
地点との間には出力トランジスタ22が流れる電流を電圧
に変換する抵抗23、24が直列に接続されている。 このレギュレータによれば、出力トランジスタ22に流
れる電流が抵抗23、24に電圧降下を生じさせ、抵抗23、
24の中間接続点に発生した電圧Vnが電圧比較器21の逆相
入力側に帰還されている。したがって、このレギュレー
タ回路の主回路部2では、正相入力(+)に加えられる
基準電圧Vrefと抵抗23、24の電圧Vnとが電圧比較器21で
比較され、この電圧比較器21の比較結果、即ち、そのリ
ニア出力に応じて出力トランジスタ22のベース電流が電
圧比較器21側に引き込まれ、基準電圧Vrefと電圧Vnとが
等しくなるように出力トランジスタ22のコレクタ電流が
制御されるのである。 ところで、このような主回路部2のみからなるレギュ
レータ回路では、電源電圧Vccが低下した場合、即ち、
減電時には出力トランジスタ22のエミッタ電圧が低下
し、その値が出力電圧Voutに近づくと、出力トランジス
タ22は飽和状態に移行する。 そして、この出力トランジスタ22は、例えば、第4図
に示すように、レギュレータ回路を構成するICの一部と
して形成されている。即ち、基板25にはN形の高濃度領
域からなる埋込み層26が形成され、この埋込み層26を覆
ってN形のベース領域27が形成されている。このベース
領域27はアイソレーション領域28によって他の領域と分
離され、その表面層部分にはN形の高濃度領域を以てベ
ース電極29が形成されているとともに、高濃度のP形導
電領域からなるエミッタ領域30が形成され、このエミッ
タ領域30を包囲して高濃度のP形導電領域からなるコレ
クタ領域31が形成されている。したがって、この出力ト
ランジスタ22は、正常動作時には、ベース領域27、エミ
ッタ領域30及びコレクタ領域31を以て増幅動作が行われ
る。 ところが、電源電圧Vccの低下でエミッタ領域30側の
電位が下がって、その電位とコレクタ領域31側の電位と
の間の電位差が小さくなると、エミッタ領域30をエミッ
タ、ベース領域27をベース、アイソレーション領域28即
ち基板25をコレクタとする寄生トランジスタ32が生起
し、この寄生トランジスタ32を通してエミッタ領域30か
ら基板25側へ突入電流が流れることになる。この突入電
流の大きさは、寄生トランジスタ32の規模、即ち、出力
トランジスタ22の規模に応じたものとなる。この場合、
出力トランジスタ22は、大きな出力電流を予定している
ため、そのエミッタ面積が大きく、そのエミッタ面積を
持つ寄生トランジスタ32に流れる突入電流はそれに比例
して極めて大きいものとなる。 このように出力トランジスタ22の飽和状態は飽和電流
に加え、寄生トランジスタ32による突入電流が基板25側
に流れ、基板25の過熱や基板電位を不安定なものにする
ことになるので、これを防止するため、電圧比較器21の
前段部に飽和防止回路4を設置したものである。この飽
和防止回路4には、出力トランジスタ22のn分の1程度
のエミッタ面積を持つトランジスタ41が設置され、この
トランジスタ41のコレクタには抵抗42、43、44の直列回
路が接続されている。トランジスタ41のベース入力側に
は電圧比較器45が設置され、その正相入力(+)側には
バンドギャップ回路等の基準電圧源から基準電圧Vrefが
加えられ、その逆相入力(−)側には抵抗43、44の中間
接続点に生じた電圧Vmが帰還されている。この電圧Vm
は、電圧比較器45による制御動作で正相入力(+)側の
基準電圧Vrefと等しくなる。このため、主回路部2の電
圧比較器21の正相入力(+)には基準電圧Vrefが加えら
れることになる。 したがって、このレギュレータ回路では、主回路部2
と等価的な正帰還増幅器を成す飽和防止回路4を主回路
部2の前段に設置したことにより、出力トランジスタ22
が飽和状態に移行する前に飽和防止回路4のトランジス
タ41を強制的に飽和状態に移行させて出力トランジスタ
22の飽和状態への突入を未然に防止したものである。 ここで、主回路部2及び飽和防止回路4において、ト
ランジスタ41は出力トランジスタ22に対応しており、各
抵抗43、44、23、24の各抵抗値をRa、Rb、Rc、Rdとする
と、各抵抗値Ra=Rc、Rb=Rdに設定し、IC上で整合性を
取るとすれば、出力電圧Voutは、 となる。 ところが、減電時、トランジスタ41を通して抵抗42、
43、44に電流が流れ、抵抗43、44の電圧Vmは抵抗42の電
圧降下分だけ低下し、この電圧Vmが電圧比較器45の逆相
入力(−)に加えられる。そこで、抵抗42の抵抗値をR
αとすると、抵抗42に発生する電圧Vαは、 となる。したがって、減電時、この電圧Vαの発生によ
り、トランジスタ41のみを選択的に飽和させ、出力トラ
ンジスタ22の飽和を未然に防止するものであり、これは
出力トランジスタ22側の見掛け上の飽和電圧を高くした
ことと等価であり、その結果、出力トランジスタ22の飽
和状態への移行が緩和されることになる。
ーボやフォーカスサーボ等、高い精度が要求される制御
を行う各種の制御回路には、電圧変動が極めて小さい電
源が用いられ、この種の電源では、電圧出力の安定化を
図るためレギュレータ回路の設置が不可欠である。とこ
ろで、このレギュレータ回路の入力電源に電池等を用い
た場合、その消耗による減電圧時、レギュレータ回路の
出力トランジスタが飽和し、レギュレータ回路が形成さ
れているIC基板にその飽和電流が流れ、基板に発熱を生
じさせる。特に、飽和電流は無効電流であって、消費電
力を増大させるばかりか、突入電流によって基板電位が
変動し、併設された基板上の他の回路の正常な動作を阻
害する要因になる。 このようなレギュレータ回路の出力トランジスタの飽
和を防止するため、例えば、特願昭63−288225号「レギ
ュレータ回路」が提案されている。 このレギュレータ回路では、第3図に示すように、レ
ギュレータ主回路部2(以下単に「主回路部2」とい
う)の前段に飽和防止回路4が設置されている。主回路
部2には正相入力側に基準電圧Vrefを受ける電圧比較器
21が設置され、この電圧比較器21の出力をベースに受け
て出力端子20から出力電圧Voutを取り出す出力トランジ
スタ22が設置されている。出力トランジスタ22にはPNP
形トランジスタが用いられており、そのコレクタ側と接
地点との間には出力トランジスタ22が流れる電流を電圧
に変換する抵抗23、24が直列に接続されている。 このレギュレータによれば、出力トランジスタ22に流
れる電流が抵抗23、24に電圧降下を生じさせ、抵抗23、
24の中間接続点に発生した電圧Vnが電圧比較器21の逆相
入力側に帰還されている。したがって、このレギュレー
タ回路の主回路部2では、正相入力(+)に加えられる
基準電圧Vrefと抵抗23、24の電圧Vnとが電圧比較器21で
比較され、この電圧比較器21の比較結果、即ち、そのリ
ニア出力に応じて出力トランジスタ22のベース電流が電
圧比較器21側に引き込まれ、基準電圧Vrefと電圧Vnとが
等しくなるように出力トランジスタ22のコレクタ電流が
制御されるのである。 ところで、このような主回路部2のみからなるレギュ
レータ回路では、電源電圧Vccが低下した場合、即ち、
減電時には出力トランジスタ22のエミッタ電圧が低下
し、その値が出力電圧Voutに近づくと、出力トランジス
タ22は飽和状態に移行する。 そして、この出力トランジスタ22は、例えば、第4図
に示すように、レギュレータ回路を構成するICの一部と
して形成されている。即ち、基板25にはN形の高濃度領
域からなる埋込み層26が形成され、この埋込み層26を覆
ってN形のベース領域27が形成されている。このベース
領域27はアイソレーション領域28によって他の領域と分
離され、その表面層部分にはN形の高濃度領域を以てベ
ース電極29が形成されているとともに、高濃度のP形導
電領域からなるエミッタ領域30が形成され、このエミッ
タ領域30を包囲して高濃度のP形導電領域からなるコレ
クタ領域31が形成されている。したがって、この出力ト
ランジスタ22は、正常動作時には、ベース領域27、エミ
ッタ領域30及びコレクタ領域31を以て増幅動作が行われ
る。 ところが、電源電圧Vccの低下でエミッタ領域30側の
電位が下がって、その電位とコレクタ領域31側の電位と
の間の電位差が小さくなると、エミッタ領域30をエミッ
タ、ベース領域27をベース、アイソレーション領域28即
ち基板25をコレクタとする寄生トランジスタ32が生起
し、この寄生トランジスタ32を通してエミッタ領域30か
ら基板25側へ突入電流が流れることになる。この突入電
流の大きさは、寄生トランジスタ32の規模、即ち、出力
トランジスタ22の規模に応じたものとなる。この場合、
出力トランジスタ22は、大きな出力電流を予定している
ため、そのエミッタ面積が大きく、そのエミッタ面積を
持つ寄生トランジスタ32に流れる突入電流はそれに比例
して極めて大きいものとなる。 このように出力トランジスタ22の飽和状態は飽和電流
に加え、寄生トランジスタ32による突入電流が基板25側
に流れ、基板25の過熱や基板電位を不安定なものにする
ことになるので、これを防止するため、電圧比較器21の
前段部に飽和防止回路4を設置したものである。この飽
和防止回路4には、出力トランジスタ22のn分の1程度
のエミッタ面積を持つトランジスタ41が設置され、この
トランジスタ41のコレクタには抵抗42、43、44の直列回
路が接続されている。トランジスタ41のベース入力側に
は電圧比較器45が設置され、その正相入力(+)側には
バンドギャップ回路等の基準電圧源から基準電圧Vrefが
加えられ、その逆相入力(−)側には抵抗43、44の中間
接続点に生じた電圧Vmが帰還されている。この電圧Vm
は、電圧比較器45による制御動作で正相入力(+)側の
基準電圧Vrefと等しくなる。このため、主回路部2の電
圧比較器21の正相入力(+)には基準電圧Vrefが加えら
れることになる。 したがって、このレギュレータ回路では、主回路部2
と等価的な正帰還増幅器を成す飽和防止回路4を主回路
部2の前段に設置したことにより、出力トランジスタ22
が飽和状態に移行する前に飽和防止回路4のトランジス
タ41を強制的に飽和状態に移行させて出力トランジスタ
22の飽和状態への突入を未然に防止したものである。 ここで、主回路部2及び飽和防止回路4において、ト
ランジスタ41は出力トランジスタ22に対応しており、各
抵抗43、44、23、24の各抵抗値をRa、Rb、Rc、Rdとする
と、各抵抗値Ra=Rc、Rb=Rdに設定し、IC上で整合性を
取るとすれば、出力電圧Voutは、 となる。 ところが、減電時、トランジスタ41を通して抵抗42、
43、44に電流が流れ、抵抗43、44の電圧Vmは抵抗42の電
圧降下分だけ低下し、この電圧Vmが電圧比較器45の逆相
入力(−)に加えられる。そこで、抵抗42の抵抗値をR
αとすると、抵抗42に発生する電圧Vαは、 となる。したがって、減電時、この電圧Vαの発生によ
り、トランジスタ41のみを選択的に飽和させ、出力トラ
ンジスタ22の飽和を未然に防止するものであり、これは
出力トランジスタ22側の見掛け上の飽和電圧を高くした
ことと等価であり、その結果、出力トランジスタ22の飽
和状態への移行が緩和されることになる。
従来のレギュレータ回路における出力トランジスタ22
の飽和防止の考え方は、その前段側に出力トランジスタ
22より容量が小さく、寄生トランジスタの影響が少ない
トランジスタ41を設置し、出力トランジスタ22が飽和す
る悪条件時にトランジスタ41を早期に飽和させ、しか
も、トランジスタ41は容量が小さいので飽和電流を出力
トランジスタ22のそれに比較して小さくし、飽和時の影
響防止を狙ったものである。 ところが、トランジスタ41によって出力トランジスタ
22の飽和は回避できるものの、基板25上でトランジスタ
41が飽和していることに変わりはなく、トランジスタ41
を通して飽和電流が基板25側に流れ、この飽和電流の発
生を阻止することができない。そして、製造工程のばら
つき等による突入電流の増減が制御できないため、レギ
ュレータ回路における消費電流Iqが不安定となり、しか
も、トランジスタ41の飽和電圧の増減がそのまま出力電
圧Voutに反映されることも、本来安定化出力が期待され
たレギュレータ回路では無視することができないもので
ある。 そこで、この発明は、このようなレギュレータ回路の
出力トランジスタの飽和を阻止して突入電流の発生を防
止し、出力トランジスタから得られる出力レベルの安定
化を実現したレギュレータ回路の出力トランジスタ飽和
防止回路の提供を第1の目的とする。 また、この発明は出力を設定すべき抵抗の整合性を取
ることにより、出力の安定化を実現したレギュレータ回
路の出力トランジスタ飽和防止回路の提供を第2の目的
とする。
の飽和防止の考え方は、その前段側に出力トランジスタ
22より容量が小さく、寄生トランジスタの影響が少ない
トランジスタ41を設置し、出力トランジスタ22が飽和す
る悪条件時にトランジスタ41を早期に飽和させ、しか
も、トランジスタ41は容量が小さいので飽和電流を出力
トランジスタ22のそれに比較して小さくし、飽和時の影
響防止を狙ったものである。 ところが、トランジスタ41によって出力トランジスタ
22の飽和は回避できるものの、基板25上でトランジスタ
41が飽和していることに変わりはなく、トランジスタ41
を通して飽和電流が基板25側に流れ、この飽和電流の発
生を阻止することができない。そして、製造工程のばら
つき等による突入電流の増減が制御できないため、レギ
ュレータ回路における消費電流Iqが不安定となり、しか
も、トランジスタ41の飽和電圧の増減がそのまま出力電
圧Voutに反映されることも、本来安定化出力が期待され
たレギュレータ回路では無視することができないもので
ある。 そこで、この発明は、このようなレギュレータ回路の
出力トランジスタの飽和を阻止して突入電流の発生を防
止し、出力トランジスタから得られる出力レベルの安定
化を実現したレギュレータ回路の出力トランジスタ飽和
防止回路の提供を第1の目的とする。 また、この発明は出力を設定すべき抵抗の整合性を取
ることにより、出力の安定化を実現したレギュレータ回
路の出力トランジスタ飽和防止回路の提供を第2の目的
とする。
即ち、この発明のレギュレータ回路の出力トランジス
タ飽和防止回路は、第1の目的を達成するため、基準電
圧(Vref)に応じた安定化出力を取り出すべき出力トラ
ンジスタ(22)が設置され、この出力トランジスタのコ
レクタ側に直列に接続された第1及び第2の抵抗(23、
24)を通して取り出された電圧と前記基準電圧との差に
応じて前記出力トランジスタからベース電流を引き込
み、前記出力トランジスタの前記電流を制御する電圧比
較手段(電圧比較器21)が設置されたレギュレータ主回
路部(主回路部2)と、前記基準電圧を定電流(I)に
変換し、この定電流を第1のトランジスタ((612)を
通して出力する電圧電流変換手段(電圧電流変換回路6
1)と、前記第1のトランジスタに流れる前記定電流を
検出するカレントミラー回路(63)と、このカレントミ
ラー回路と前記第1のトランジスタとの間に接続され、
前記定電流によって電圧降下を発生する第3の抵抗(6
2)と、前記第1のトランジスタに対応して設置され
て、前記第3の抵抗の電圧降下点にベースが接続され、
前記カレントミラー回路からの前記定電流を受ける第2
のトランジスタ(64)と、この第2のトランジスタに並
列に接続された直列回路を成し、前記電圧比較手段に前
記基準電圧として加えるべき電圧を中間接続点に発生さ
せる第4及び第5の抵抗(65、66)とを備えたものであ
る。 また、この発明のレギュレータ回路の出力トランジス
タ飽和防止回路は、第2の目的を達成するため、前記第
1の抵抗と前記第4の抵抗、前記第2の抵抗と前記第5
の抵抗を等しい抵抗値に設定したことを特徴とするもの
である。
タ飽和防止回路は、第1の目的を達成するため、基準電
圧(Vref)に応じた安定化出力を取り出すべき出力トラ
ンジスタ(22)が設置され、この出力トランジスタのコ
レクタ側に直列に接続された第1及び第2の抵抗(23、
24)を通して取り出された電圧と前記基準電圧との差に
応じて前記出力トランジスタからベース電流を引き込
み、前記出力トランジスタの前記電流を制御する電圧比
較手段(電圧比較器21)が設置されたレギュレータ主回
路部(主回路部2)と、前記基準電圧を定電流(I)に
変換し、この定電流を第1のトランジスタ((612)を
通して出力する電圧電流変換手段(電圧電流変換回路6
1)と、前記第1のトランジスタに流れる前記定電流を
検出するカレントミラー回路(63)と、このカレントミ
ラー回路と前記第1のトランジスタとの間に接続され、
前記定電流によって電圧降下を発生する第3の抵抗(6
2)と、前記第1のトランジスタに対応して設置され
て、前記第3の抵抗の電圧降下点にベースが接続され、
前記カレントミラー回路からの前記定電流を受ける第2
のトランジスタ(64)と、この第2のトランジスタに並
列に接続された直列回路を成し、前記電圧比較手段に前
記基準電圧として加えるべき電圧を中間接続点に発生さ
せる第4及び第5の抵抗(65、66)とを備えたものであ
る。 また、この発明のレギュレータ回路の出力トランジス
タ飽和防止回路は、第2の目的を達成するため、前記第
1の抵抗と前記第4の抵抗、前記第2の抵抗と前記第5
の抵抗を等しい抵抗値に設定したことを特徴とするもの
である。
基準電圧Vrefに応じた定電流が電圧電流変換回路の第
1のトランジスタを通して得られ、この定電流がカレン
トミラー回路及び第3の抵抗に流れる。第2のトランジ
スタには、そのベース入力電圧が第2の抵抗の電圧降下
点から与えられ、カレントミラー回路を通して定電流が
流れる。したがって、第2のトランジスタのエミッタに
は、そのベース電圧に第2のトランジスタのベース・エ
ミッタ間電圧を加えた電圧が発生する。 そして、電源電圧が第4及び第5の抵抗の抵抗値と定
電流との積と第3の抵抗に発生する電圧との和で与えら
れる電圧を超えると、第2のトランジスタは非導通状態
となるので、カレントミラー回路からの定電流は第4及
び第5の抵抗に流れる。この定電流によって生じた第4
及び第5の抵抗の中間接続点電圧が電圧比較手段の正相
入力側に加えられ、その出力によって出力トランジスタ
のベース電流が引き込まれる。出力トランジスタには、
そのベース電流の電流増幅率倍の電流が流れ、第1及び
第2の抵抗にその電流の一部が流れる。この電流によっ
て生じた第1及び第2の抵抗の中間接続点電圧は、電圧
比較手段の逆相入力側に帰還されて第1及び第2の抵抗
の中間接続点電圧と比較され、その大小関係に応じたベ
ース電流が出力トランジスタから引き込まれるので、各
中間接続点電圧が正相入力側の基準電圧と平衡状態とな
る。したがって、出力トランジスタのコレクタ側には、
第4及び第5の抵抗の抵抗値と定電流の積で与えられる
出力電圧が得られることになる。 そして、出力トランジスタ飽和防止回路では、出力ト
ランジスタの飽和は第2のトランジスタのエミッタ電圧
に依存するので、出力飽和電圧は定電流と第3の抵抗の
抵抗値との積によって設定でき、第3の抵抗によって任
意の値に設定することができる。 また、この発明によれば、第1の抵抗と第3の抵抗、
第2の抵抗と第5の抵抗の各抵抗値を等しく設定するこ
とで、出力電圧は、定電流と第4及び第5の抵抗によっ
て与えられ、電源電圧の変動に無関係に一定レベルとな
る。しかも、このような設定により、ICの製造工程上の
ばらつきや温度変化の影響を回避でき、安定した出力を
得ることができる。
1のトランジスタを通して得られ、この定電流がカレン
トミラー回路及び第3の抵抗に流れる。第2のトランジ
スタには、そのベース入力電圧が第2の抵抗の電圧降下
点から与えられ、カレントミラー回路を通して定電流が
流れる。したがって、第2のトランジスタのエミッタに
は、そのベース電圧に第2のトランジスタのベース・エ
ミッタ間電圧を加えた電圧が発生する。 そして、電源電圧が第4及び第5の抵抗の抵抗値と定
電流との積と第3の抵抗に発生する電圧との和で与えら
れる電圧を超えると、第2のトランジスタは非導通状態
となるので、カレントミラー回路からの定電流は第4及
び第5の抵抗に流れる。この定電流によって生じた第4
及び第5の抵抗の中間接続点電圧が電圧比較手段の正相
入力側に加えられ、その出力によって出力トランジスタ
のベース電流が引き込まれる。出力トランジスタには、
そのベース電流の電流増幅率倍の電流が流れ、第1及び
第2の抵抗にその電流の一部が流れる。この電流によっ
て生じた第1及び第2の抵抗の中間接続点電圧は、電圧
比較手段の逆相入力側に帰還されて第1及び第2の抵抗
の中間接続点電圧と比較され、その大小関係に応じたベ
ース電流が出力トランジスタから引き込まれるので、各
中間接続点電圧が正相入力側の基準電圧と平衡状態とな
る。したがって、出力トランジスタのコレクタ側には、
第4及び第5の抵抗の抵抗値と定電流の積で与えられる
出力電圧が得られることになる。 そして、出力トランジスタ飽和防止回路では、出力ト
ランジスタの飽和は第2のトランジスタのエミッタ電圧
に依存するので、出力飽和電圧は定電流と第3の抵抗の
抵抗値との積によって設定でき、第3の抵抗によって任
意の値に設定することができる。 また、この発明によれば、第1の抵抗と第3の抵抗、
第2の抵抗と第5の抵抗の各抵抗値を等しく設定するこ
とで、出力電圧は、定電流と第4及び第5の抵抗によっ
て与えられ、電源電圧の変動に無関係に一定レベルとな
る。しかも、このような設定により、ICの製造工程上の
ばらつきや温度変化の影響を回避でき、安定した出力を
得ることができる。
以下、この発明を図面に示した実施例を参照して詳細
に説明する。 第1図は、この発明のレギュレータ回路の出力トラン
ジスタ飽和防止回路の一実施例を示す。 このレギュレータ回路の出力トランジスタ飽和防止回
路には、主回路部2が設置され、その前段に飽和防止回
路6を設置したものであり、第3図に示したレギュレー
タ回路と同一部分には同一符号を付してある。 主回路部2には、正相入力(+)側に基準電圧Vrefを
受ける電圧比較手段としての電圧比較器21が設置され、
この電圧比較器21の出力をベースに受けて出力端子20か
ら出力電圧Voutを取り出すべき出力トランジスタ22が設
置されている。この出力トランジスタ22にはPNP形トラ
ンジスタが用いられており、この出力トランジスタ22
は、そのエミッタを電源ライン34に直結し、そのコレク
タ側と接地点との間には出力トランジスタ22に流れる電
流を電圧に変換する直列回路を成す第1及び第2の抵抗
23、24が直列に接続されている。抵抗23、24の中間接続
点に発生した電圧Vnは、電圧比較器21の逆相入力(−)
に加えられている。したがって、主回路部2では、正相
入力(+)に加えられる基準電圧Vrefと電圧Vnとが電圧
比較器21で比較され、この電圧比較器21の比較結果、即
ち、そのリニア出力に応じて出力トランジスタ22のベー
ス電流が電圧比較器21側に引き込まれ、基準電圧Vrefと
電圧Vnとが等しくなるように出力トランジスタ22のコレ
クタ電流が制御される。 そして、飽和防止回路6には、電圧比較器21の正相入
力(+)側に加えるべき基準電圧Vrefを定電流Iに変換
する電圧電流変換手段としての電圧電流変換回路61が設
置されている。基準電圧Vrefは、図示しない基準電圧
源、例えば、バンドギャップ電圧発生回路等で形成され
る。この基準電圧Vrefを定電流Iに変換すべき電圧電流
変換回路61には入力側に電圧比較器611が設置され、こ
の電圧比較器611の出力側には第1のトランジスタ612が
設置されている。このトランジスタ612のエミッタ側に
はトランジスタ612に流れる電流を電圧に変換する抵抗6
13が接続されている。したがって、基準電圧Vrefが電圧
比較器611の正相入力(+)に加えられると、その電圧
入力に応じてベース電流がトランジスタ612に流れ、ト
ランジスタ612にはそのベース電流に応じたエミッタ電
流が流れる。このエミッタ電流は抵抗613によって電圧
に変換され、その電圧は電圧比較器611の逆相入力
(−)側に帰還されているので、電圧比較器611ではそ
の帰還電圧と基準電圧Vrefとの比較が行われ、両者の差
電圧に応じたベース電流がトランジスタ612に流れ、基
準電圧Vrefと抵抗613に発生する電圧とが等しくなるよ
うにトランジスタ612に流れる電流が制御される。 トランジスタ612のコレクタ側には、第3の抵抗62を
介してカレントミラー回路63の入力側のトランジスタ63
1が接続されている。トランジスタ631はダイオード接続
されており、このトランジスタ631のベース・コレクタ
とトランジスタ632のベースは共通化されている。した
がって、トランジスタ631にトランジスタ612及び抵抗62
を通して定電流Iが流れると、トランジスタ631、632の
カレントミラー効果によってトランジスタ632にその定
電流Iに対応する定電流が流れる。トランジスタ631、6
32のエミッタ面積比を等しいものとすると、トランジス
タ632には定電流Iが流れることになる。 また、トランジスタ632のコレクタと接地点との間に
は第2のトランジスタ64が接続されており、このトラン
ジスタ64のベースは抵抗62の電圧降下点、即ち、トラン
ジスタ612のコレクタ側に接続されている。このトラン
ジスタ64には、直列回路を成す第4及び第5の抵抗65、
66が並列に接続されている。この抵抗65、66の中間接続
点に生じる電圧Vmは、基準電圧Vrefに対応しており、主
回路部2の電圧比較器21の正相入力(+)側に入力され
ている。 以上の構成において、動作を説明する。 基準電圧Vrefが電圧電流変換回路61に加えられると、
トランジスタ612には基準電圧Vrefに応じた定電流Iが
流れる。抵抗613の抵抗値をR1とすると、定電流Iは、 となる。この定電流Iは、トランジスタ64が導通してい
ないと正常動作時には、カレントミラー回路63を通して
抵抗65、66に流れる。 ここで、電源電圧をVcc、抵抗62、65、66、23、24の
各抵抗値をR2、R3、R4、R5、R6とし、R3=R5、R4=R6と
すると、抵抗65、66の中間接続点に発生する電圧Vmは、 となり、これが電圧比較器21の正相入力(+)に加えら
れる。したがって、抵抗23、24の中間接続点に発生する
電圧Vnもこの電圧Vmと等しい電圧が発生し、出力電圧Vo
utは、 となり、定電流I及び抵抗R65、66によって設定される
一定レベルとなる。 このような動作は、トランジスタ64が非導通状態に移
行していることが条件となっており、トランジスタ64の
動作は、電源電圧Vccと抵抗65、66の直列回路の電圧降
下の関係によって選択的に行われる。即ち、電源電圧Vc
cが、I・(R3+R4)より高いとき、トランジスタ64は
オフ状態となるので、電源電圧Vccが低下していない正
常時には、常にトランジスタ64が非導通状態を維持し、
定電流Iは抵抗65、66に流れることになり、以上の正常
動作が行われる。 そして、電源電圧Vccが低下した場合、トランジスタ6
31のベース・エミッタ間電圧をVF1、トランジスタ64の
ベース・エミッタ間電圧をVF2とすると、トランジスタ6
4のエミッタ側の点Pの電圧VPは、 となる。ここで、VF1=VF2と見做せるから、式(6)
は、 となり、出力飽和電圧は、式(7)の第2項の(Vref/R
1)・R2で設定され、定電流I(=Vref/R1)即ち、抵抗
613、62で決定され、定電流Iが与えられた場合には抵
抗62の抵抗値R2だけで決定されることになる。 このように飽和防止回路6を設置したことにより、減
電時、出力トランジスタ22とともに他のトランジスタ61
2、631、632、64の飽和を確実に防止でき、出力電圧Vou
tも一定の設定電圧に保持させて出力することができ
る。 また、抵抗65、23の各抵抗値R3、R5をR3=R5、抵抗66
と抵抗24の各抵抗値R4、R6をR4=R6に設定して整合性を
取ることにより、温度変化及び製造工程上のばらつきに
対しても出力電圧Voutの安定化を図ることができる。各
抵抗65、66、23、24の整合性は、IC化によって容易に実
現できる。 次に、第2図は、この発明のレギュレータ回路の出力
トランジスタ飽和防止回路の具体的な回路構成例を示
す。 電圧比較器21には、演算増幅器が用いられており、抵
抗211、212を以てエミッタが共通化されたトランジスタ
213、214からなる差動対が設置され、各トランジスタ21
3、214のベース入力側にはトランジスタ215、216が設置
されている。トランジスタ215のベースには電圧Vmが加
えられ、トランジスタ216のベースには電圧Vnが加えら
れている。そして、トランジスタ213、214のコクレタ側
には、能動負荷としてトランジスタ217、218から成るカ
レントミラー回路が設置されている。 この電圧比較器21には、トランジスタ213、214等を駆
動するための定電流源219が設置され、この定電流源219
で得られた定電流はトランジスタ220、221、222、223及
び抵抗224、225、226、227、228、229、230から成るカ
レントミラー回路232を通してトランジスタ213、214の
エミッタ側、トランジスタ215、216のエミッタ側に供給
されている。 トランジスタ214のコレクタ側から取り出された出力
は出力回路233に加えられている。出力回路233にはダー
リントン接続されたトランジスタ234、235が設置され、
トランジスタ235のベース・エミッタ間には抵抗236が接
続され、トランジスタ234のベース・コレクタ間には位
相補償用のキャパシタ237が接続されている。トランジ
スタ235のコレクタと電源ライン34との間には抵抗238、
239が直列に接続され、抵抗238、239の中間接続点には
出力トランジスタ22のベースが接続されている。 この実施例の出力トランジスタ22のエミッタ面積はト
ランジスタ612のN倍(例えば100倍)程度に設定されて
いる。 また、この実施例では、電圧電流変換回路61として定
電流源610が設置され、この定電流源610には定電流Iが
カレントミラー回路63及び抵抗62を通して流れる。 カレントミラー回路63のトランジスタ632のエミッタ
面積は、トランジスタ631のk倍に設定されており、抵
抗65、66には定電流k・Iが供給される。 そして、この実施例の回路は、モノリシックICで構成
され、抵抗65と抵抗23、抵抗66と抵抗24はそれぞれ等し
い抵抗値に設定されている。 このような構成によれば、前記実施例で説明したよう
に、出力トランジスタ22の飽和が防止できるとともに、
IC上に形成された主回路部2の各トランジスタ213、21
4、また飽和防止回路6のトランジスタ612等、総てのト
ランジスタの飽和をも防止でき、前記実施例で述べた通
りの安定した出力を取り出すことができる。 そして、このレギュレータ回路では、抵抗65と抵抗2
3、抵抗66と抵抗24はそれぞれ等しい抵抗値に設定され
たことにより、温度変化や製造工程のばらつきに対して
も無関係に安定した出力を取り出すことができる。
に説明する。 第1図は、この発明のレギュレータ回路の出力トラン
ジスタ飽和防止回路の一実施例を示す。 このレギュレータ回路の出力トランジスタ飽和防止回
路には、主回路部2が設置され、その前段に飽和防止回
路6を設置したものであり、第3図に示したレギュレー
タ回路と同一部分には同一符号を付してある。 主回路部2には、正相入力(+)側に基準電圧Vrefを
受ける電圧比較手段としての電圧比較器21が設置され、
この電圧比較器21の出力をベースに受けて出力端子20か
ら出力電圧Voutを取り出すべき出力トランジスタ22が設
置されている。この出力トランジスタ22にはPNP形トラ
ンジスタが用いられており、この出力トランジスタ22
は、そのエミッタを電源ライン34に直結し、そのコレク
タ側と接地点との間には出力トランジスタ22に流れる電
流を電圧に変換する直列回路を成す第1及び第2の抵抗
23、24が直列に接続されている。抵抗23、24の中間接続
点に発生した電圧Vnは、電圧比較器21の逆相入力(−)
に加えられている。したがって、主回路部2では、正相
入力(+)に加えられる基準電圧Vrefと電圧Vnとが電圧
比較器21で比較され、この電圧比較器21の比較結果、即
ち、そのリニア出力に応じて出力トランジスタ22のベー
ス電流が電圧比較器21側に引き込まれ、基準電圧Vrefと
電圧Vnとが等しくなるように出力トランジスタ22のコレ
クタ電流が制御される。 そして、飽和防止回路6には、電圧比較器21の正相入
力(+)側に加えるべき基準電圧Vrefを定電流Iに変換
する電圧電流変換手段としての電圧電流変換回路61が設
置されている。基準電圧Vrefは、図示しない基準電圧
源、例えば、バンドギャップ電圧発生回路等で形成され
る。この基準電圧Vrefを定電流Iに変換すべき電圧電流
変換回路61には入力側に電圧比較器611が設置され、こ
の電圧比較器611の出力側には第1のトランジスタ612が
設置されている。このトランジスタ612のエミッタ側に
はトランジスタ612に流れる電流を電圧に変換する抵抗6
13が接続されている。したがって、基準電圧Vrefが電圧
比較器611の正相入力(+)に加えられると、その電圧
入力に応じてベース電流がトランジスタ612に流れ、ト
ランジスタ612にはそのベース電流に応じたエミッタ電
流が流れる。このエミッタ電流は抵抗613によって電圧
に変換され、その電圧は電圧比較器611の逆相入力
(−)側に帰還されているので、電圧比較器611ではそ
の帰還電圧と基準電圧Vrefとの比較が行われ、両者の差
電圧に応じたベース電流がトランジスタ612に流れ、基
準電圧Vrefと抵抗613に発生する電圧とが等しくなるよ
うにトランジスタ612に流れる電流が制御される。 トランジスタ612のコレクタ側には、第3の抵抗62を
介してカレントミラー回路63の入力側のトランジスタ63
1が接続されている。トランジスタ631はダイオード接続
されており、このトランジスタ631のベース・コレクタ
とトランジスタ632のベースは共通化されている。した
がって、トランジスタ631にトランジスタ612及び抵抗62
を通して定電流Iが流れると、トランジスタ631、632の
カレントミラー効果によってトランジスタ632にその定
電流Iに対応する定電流が流れる。トランジスタ631、6
32のエミッタ面積比を等しいものとすると、トランジス
タ632には定電流Iが流れることになる。 また、トランジスタ632のコレクタと接地点との間に
は第2のトランジスタ64が接続されており、このトラン
ジスタ64のベースは抵抗62の電圧降下点、即ち、トラン
ジスタ612のコレクタ側に接続されている。このトラン
ジスタ64には、直列回路を成す第4及び第5の抵抗65、
66が並列に接続されている。この抵抗65、66の中間接続
点に生じる電圧Vmは、基準電圧Vrefに対応しており、主
回路部2の電圧比較器21の正相入力(+)側に入力され
ている。 以上の構成において、動作を説明する。 基準電圧Vrefが電圧電流変換回路61に加えられると、
トランジスタ612には基準電圧Vrefに応じた定電流Iが
流れる。抵抗613の抵抗値をR1とすると、定電流Iは、 となる。この定電流Iは、トランジスタ64が導通してい
ないと正常動作時には、カレントミラー回路63を通して
抵抗65、66に流れる。 ここで、電源電圧をVcc、抵抗62、65、66、23、24の
各抵抗値をR2、R3、R4、R5、R6とし、R3=R5、R4=R6と
すると、抵抗65、66の中間接続点に発生する電圧Vmは、 となり、これが電圧比較器21の正相入力(+)に加えら
れる。したがって、抵抗23、24の中間接続点に発生する
電圧Vnもこの電圧Vmと等しい電圧が発生し、出力電圧Vo
utは、 となり、定電流I及び抵抗R65、66によって設定される
一定レベルとなる。 このような動作は、トランジスタ64が非導通状態に移
行していることが条件となっており、トランジスタ64の
動作は、電源電圧Vccと抵抗65、66の直列回路の電圧降
下の関係によって選択的に行われる。即ち、電源電圧Vc
cが、I・(R3+R4)より高いとき、トランジスタ64は
オフ状態となるので、電源電圧Vccが低下していない正
常時には、常にトランジスタ64が非導通状態を維持し、
定電流Iは抵抗65、66に流れることになり、以上の正常
動作が行われる。 そして、電源電圧Vccが低下した場合、トランジスタ6
31のベース・エミッタ間電圧をVF1、トランジスタ64の
ベース・エミッタ間電圧をVF2とすると、トランジスタ6
4のエミッタ側の点Pの電圧VPは、 となる。ここで、VF1=VF2と見做せるから、式(6)
は、 となり、出力飽和電圧は、式(7)の第2項の(Vref/R
1)・R2で設定され、定電流I(=Vref/R1)即ち、抵抗
613、62で決定され、定電流Iが与えられた場合には抵
抗62の抵抗値R2だけで決定されることになる。 このように飽和防止回路6を設置したことにより、減
電時、出力トランジスタ22とともに他のトランジスタ61
2、631、632、64の飽和を確実に防止でき、出力電圧Vou
tも一定の設定電圧に保持させて出力することができ
る。 また、抵抗65、23の各抵抗値R3、R5をR3=R5、抵抗66
と抵抗24の各抵抗値R4、R6をR4=R6に設定して整合性を
取ることにより、温度変化及び製造工程上のばらつきに
対しても出力電圧Voutの安定化を図ることができる。各
抵抗65、66、23、24の整合性は、IC化によって容易に実
現できる。 次に、第2図は、この発明のレギュレータ回路の出力
トランジスタ飽和防止回路の具体的な回路構成例を示
す。 電圧比較器21には、演算増幅器が用いられており、抵
抗211、212を以てエミッタが共通化されたトランジスタ
213、214からなる差動対が設置され、各トランジスタ21
3、214のベース入力側にはトランジスタ215、216が設置
されている。トランジスタ215のベースには電圧Vmが加
えられ、トランジスタ216のベースには電圧Vnが加えら
れている。そして、トランジスタ213、214のコクレタ側
には、能動負荷としてトランジスタ217、218から成るカ
レントミラー回路が設置されている。 この電圧比較器21には、トランジスタ213、214等を駆
動するための定電流源219が設置され、この定電流源219
で得られた定電流はトランジスタ220、221、222、223及
び抵抗224、225、226、227、228、229、230から成るカ
レントミラー回路232を通してトランジスタ213、214の
エミッタ側、トランジスタ215、216のエミッタ側に供給
されている。 トランジスタ214のコレクタ側から取り出された出力
は出力回路233に加えられている。出力回路233にはダー
リントン接続されたトランジスタ234、235が設置され、
トランジスタ235のベース・エミッタ間には抵抗236が接
続され、トランジスタ234のベース・コレクタ間には位
相補償用のキャパシタ237が接続されている。トランジ
スタ235のコレクタと電源ライン34との間には抵抗238、
239が直列に接続され、抵抗238、239の中間接続点には
出力トランジスタ22のベースが接続されている。 この実施例の出力トランジスタ22のエミッタ面積はト
ランジスタ612のN倍(例えば100倍)程度に設定されて
いる。 また、この実施例では、電圧電流変換回路61として定
電流源610が設置され、この定電流源610には定電流Iが
カレントミラー回路63及び抵抗62を通して流れる。 カレントミラー回路63のトランジスタ632のエミッタ
面積は、トランジスタ631のk倍に設定されており、抵
抗65、66には定電流k・Iが供給される。 そして、この実施例の回路は、モノリシックICで構成
され、抵抗65と抵抗23、抵抗66と抵抗24はそれぞれ等し
い抵抗値に設定されている。 このような構成によれば、前記実施例で説明したよう
に、出力トランジスタ22の飽和が防止できるとともに、
IC上に形成された主回路部2の各トランジスタ213、21
4、また飽和防止回路6のトランジスタ612等、総てのト
ランジスタの飽和をも防止でき、前記実施例で述べた通
りの安定した出力を取り出すことができる。 そして、このレギュレータ回路では、抵抗65と抵抗2
3、抵抗66と抵抗24はそれぞれ等しい抵抗値に設定され
たことにより、温度変化や製造工程のばらつきに対して
も無関係に安定した出力を取り出すことができる。
以上説明したように、この発明によれば、次の効果が
得られる。 (a)出力トランジスタの飽和を確実に防止できるとと
もに、その飽和を防止するために設置されたトランジス
タの飽和をも確実に防止でき、安定した出力を取り出す
ことができ、従来、トランジスタの飽和によって生じた
基板の過熱、基板電位の変動、無効電流の増加等を確実
に防止できる。 (b)温度変化や製造工程のばらつきに無関係に安定し
た出力を取り出すことができる。
得られる。 (a)出力トランジスタの飽和を確実に防止できるとと
もに、その飽和を防止するために設置されたトランジス
タの飽和をも確実に防止でき、安定した出力を取り出す
ことができ、従来、トランジスタの飽和によって生じた
基板の過熱、基板電位の変動、無効電流の増加等を確実
に防止できる。 (b)温度変化や製造工程のばらつきに無関係に安定し
た出力を取り出すことができる。
第1図はこの発明のレギュレータ回路の出力トランジス
タ飽和防止回路の一実施例を示す回路図、 第2図は第1図に示したレギュレータ回路の出力トラン
ジスタ飽和防止回路の具体的な回路構成例を示す回路
図、 第3図は出力トランジスタの飽和防止対策を施した従来
のレギュレータ回路を示す回路図、 第4図は出力トランジスタの構成を示す図である。 2……主回路部(レギュレータ主回路部) 21……電圧比較器(電圧比較手段) 22……出力トランジスタ 23……第1の抵抗 24……第2の抵抗 61……電圧電流変換回路(電圧電流変換手段) 62……第3の抵抗 63……カレントミラー回路 64……第2のトランジスタ 65……第4の抵抗 66……第5の抵抗 612……第1のトランジスタ Vref……基準電圧 I……定電流
タ飽和防止回路の一実施例を示す回路図、 第2図は第1図に示したレギュレータ回路の出力トラン
ジスタ飽和防止回路の具体的な回路構成例を示す回路
図、 第3図は出力トランジスタの飽和防止対策を施した従来
のレギュレータ回路を示す回路図、 第4図は出力トランジスタの構成を示す図である。 2……主回路部(レギュレータ主回路部) 21……電圧比較器(電圧比較手段) 22……出力トランジスタ 23……第1の抵抗 24……第2の抵抗 61……電圧電流変換回路(電圧電流変換手段) 62……第3の抵抗 63……カレントミラー回路 64……第2のトランジスタ 65……第4の抵抗 66……第5の抵抗 612……第1のトランジスタ Vref……基準電圧 I……定電流
Claims (2)
- 【請求項1】基準電圧に応じた安定化出力を取り出すべ
き出力トランジスタが設置され、この出力トランジスタ
のコレクタ側に直列に接続された第1及び第2の抵抗の
中間接続点で得られた電圧と前記基準電圧との差に応じ
て前記出力トランジスタからベース電流を引き込み、前
記出力トランジスタの前記電流を制御する電圧比較手段
が設置されたレギュレータ主回路部と、 前記基準電圧を定電流に変換し、この定電流を第1のト
ランジスタを通して出力する電圧電流変換回路と、 前記第1のトランジスタに流れる前記定電流を検出する
カレントミラー回路と、 このカレントミラー回路と前記第1のトランジスタとの
間に接続され、前記定電流を電圧に変換する第3の抵抗
と、 前記第1のトランジスタに対応して設置されて、前記第
3の抵抗の電圧降下点にベースが接続され、前記カレン
トミラー回路からの前記定電流を受ける第2のトランジ
スタと、 この第2のトランジスタに並列に接続された直列回路を
成し、前記電圧比較手段に前記基準電圧として加えるべ
き電圧を中間接続点に発生させる第4及び第5の抵抗
と、 を備えたことを特徴とするレギュレータ回路の出力トラ
ンジスタ飽和防止回路。 - 【請求項2】前記第1の抵抗と前記第4の抵抗、前記第
2の抵抗と前記第5の抵抗を等しい抵抗値に設定したこ
とを特徴とする請求項1記載のレギュレータ回路の出力
トランジスタ飽和防止回路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30522990A JP2698702B2 (ja) | 1990-11-09 | 1990-11-09 | レギュレータ回路の出力トランジスタ飽和防止回路 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30522990A JP2698702B2 (ja) | 1990-11-09 | 1990-11-09 | レギュレータ回路の出力トランジスタ飽和防止回路 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04177514A JPH04177514A (ja) | 1992-06-24 |
JP2698702B2 true JP2698702B2 (ja) | 1998-01-19 |
Family
ID=17942590
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30522990A Expired - Fee Related JP2698702B2 (ja) | 1990-11-09 | 1990-11-09 | レギュレータ回路の出力トランジスタ飽和防止回路 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2698702B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8305135B2 (en) | 2009-11-20 | 2012-11-06 | Renesas Electronics Corporation | Semiconductor device |
-
1990
- 1990-11-09 JP JP30522990A patent/JP2698702B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8305135B2 (en) | 2009-11-20 | 2012-11-06 | Renesas Electronics Corporation | Semiconductor device |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04177514A (ja) | 1992-06-24 |
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