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JP2696841B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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Publication number
JP2696841B2
JP2696841B2 JP62158735A JP15873587A JP2696841B2 JP 2696841 B2 JP2696841 B2 JP 2696841B2 JP 62158735 A JP62158735 A JP 62158735A JP 15873587 A JP15873587 A JP 15873587A JP 2696841 B2 JP2696841 B2 JP 2696841B2
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JP
Japan
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ink
sodium
filter
resin
printing
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Application number
JP62158735A
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English (en)
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JPS644350A (en
Inventor
章夫 大渡
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP62158735A priority Critical patent/JP2696841B2/ja
Publication of JPS644350A publication Critical patent/JPS644350A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2696841B2 publication Critical patent/JP2696841B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

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Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/17Ink jet characterised by ink handling
    • B41J2/195Ink jet characterised by ink handling for monitoring ink quality

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Quality & Reliability (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、記録媒体に液体インクを用いるインクジェ
ット記録装置に関する。 〔従来の技術〕 インクジェットプリンターは、コンティニュアスジェ
ット、インパルスジェット、サーマルジェット等、様々
なインク滴噴射方式により、無騒音、高速印刷、高品位
印刷、カラー印刷を実現しているが、インク滴を10〜10
0μm程度の微小ノズルオリフィスから噴出して印刷す
る技術のため、インクが微小オリフィスや微細流路で安
定して流動できるように、非常にクリーンで安定した特
性のインクが要求される。そのため、インク製造を極力
ゴミやチリの発生を抑えたクリーンルームで行ったり、
さらにインクを1μm以下のメンブレンフィルターで精
密濾過を行ったりしてクリーンなインクを保っていた。
一方、このような過程でクリーンにされたインクを収容
するインクタンクについても、インク中へチリやゴミ、
異物を混入させないように、インクを収容する前に超純
水を用いた精密洗浄がなされていた。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかし、前述の従来技術では、インクタンク中のイン
クをクリーンに保てるのは初期だけで、インクタンクが
様々な環境下におかれた場合、温度変化や経時滴な変化
が加わるためインクタンクを構成する材料中の添加剤が
インク中へ溶出してインクの組成物と化学反応をおこ
し、それによりインク中に不溶物をつくり、該不溶物が
インクジェットプリンター中の微細経路やフィルター、
オリフィス等につまりインクの流動を防げ、プリンター
の印刷不良や、印刷かすれをおこす問題がある。 そこで、本発明はこのような問題点を解決するもの
で、その目的とするところは液体インクを有するインク
タンクが、初期状態だけでなく、温度変化や経時変化が
加わっても、プリンターの印刷不良や印刷かすれを起こ
さないインクジェットプリンター等のインクジェット記
録装置を提供するところにある。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明のインクジェット記録装置は 1).インクタンク及びインクタンク中に液体インクを
有するインクジェット記録装置において、該液体インク
のナトリウムイオン濃度が0.001〜0.2重量%である。 2).インクタンク及びインクタンク中に液体インクを
有するインクジェット記録装置において、該液体インク
のナトリウムイオン濃度が、0.001〜0.2重量%であり、
該インクタンクの材料が、脂肪酸、及び/又は脂肪酸誘
導体類を含有する樹脂及び/又は合成ゴムである。 3).インクタンク及びインクタンク中に液体インクを
有するインクジェット記録装置において、インクタンク
を構成する材料中の脂肪酸、もしくは脂肪酸誘導体類の
総量が、10〜100ppmであることを特徴とする。 インクジェット記録装置のインク系は第1図(a)に
示すようにインク11を格納する交換可能なインクタンク
12、インク11を印刷ヘッド14へ連結する、インク供給管
13から基本的に構成され、インクタンク12のインクが減
少した場合、インクタンク12をインク供給管13から切り
離し、満たんのインクを有するインクタンク12をインク
供給管13へ連結し、再び印刷ヘッド14へインク11が供給
可能となる。 また第1図(b)のように、印刷ヘッド14へゴミ等、
ノズルオリフィス15を詰まらせる原因となる異物や不溶
物を流さないため、インク経路中にフィルタ16を設ける
ことにより、プリンターの信頼性を向上することができ
る。 さらに第2図のように、印刷ヘッド14が一体型インク
タンク21から直接インク11を供給され、インク供給管13
が省略されたインク系もある。 インクジェットプリンターのインク系部材はインクと
接触するため耐インク性がなければならない。その要件
をみたし、一般に入手しやする材料としてポリオレフィ
ン系樹脂やポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、シリ
コーン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ABS樹
脂、ポリアセタール、ナイロン、不飽和ポリエステル樹
脂、PET、アラミド樹脂等の樹脂材料やスチレンブタジ
エンゴム(SBR)、ブタジエンゴム、クロロプレン、ニ
トリルゴム、ブチルゴム、EPDM、ウレタンゴム、シリコ
ーンゴム、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、ヒ
ッ素ゴム等の合成ゴムがある。これらの樹脂や合成ゴム
は、それ自身を構成する化学物質以外に、安定剤やUV吸
収剤、酸化防止剤など多くの添加助剤が、目的に応じて
適当量添加されている。 本発明者は、インクタンクを構成する樹脂や合成ゴム
中に含まれる添加剤成分がインク中へ溶出し、該溶出成
分がインクの組成分と反応して不溶物を生成することを
発見し本発明に至った。すなわち、インク11を含有した
インクタンク12が、長時間使用されなかったり、あるい
は、室温より温度の高い条件でおかれたりすることによ
り、インクタンク12を構成する樹脂や合成ゴム中に含ま
れる脂肪酸や脂肪酸誘導体類がインク中へ溶出して室温
に戻った時再び析出し不溶物を作ったり、またインクに
含まれているナトリウムイオンと溶出物が反応して脂肪
酸ナトリウムの不溶物を生成したりしてフィルター16や
ノズルオリフィス15をつまらせ、インクの流れを防げた
のである。特に該樹脂や合成ゴム中の添加剤がステアリ
ン酸、ステアリン酸アマイド、ステアリン酸金属塩の場
合、ステアリン酸ナトリウムを生成し、この化合物は糸
状や針状の細長い結晶になるため、フィルター15や細い
インク流路に詰まりやすく、インクの流動を防げやす
い。この現象は、インクを含むインク容器が40℃以上の
高温で1日以上放置した場合、顕著に顕著におこる。こ
の原因としては、樹脂や合成ゴム中のステアリン酸、ス
テアリン酸アマイド、ステアリン酸金属塩が高温状態で
溶けやすくなるとともに、樹脂や合成ゴム自身のポリマ
ーマトリクスも温度の上昇により分子振動をおこすため
マトリクス中に存在する該ステアリン酸やその誘導体の
溶出が大きくなるためであると考えられる。さらにイン
クのpHが高くなると、該効果はいっそう高くなる。 インク容器を構成する樹脂や合成ゴム中に含まれる脂
肪酸やその誘導体の添加されれている量は樹脂やゴムの
種類、及び同じ種類でもグレードの違い等によって異な
る。特に、インク容器に適当な耐薬品性が高く、コスト
が安く袋状に加工できる材料としてポリエチレン、ポリ
プロピレンに代表されるポリオリレフィン樹脂がある。
該樹脂中には前記脂肪酸やその誘導体が、重合時の安定
剤として添加されたり、フィルムに加工する時にローラ
ーへの付着を防止するスリップ剤として添加される。安
定剤やスリップ剤に用いられる脂肪酸及び脂肪酸誘導体
類は、炭素数8〜22のものが一般に使用され、その中で
もステアリン酸、Ca、Al、Mg、Znの、ステアリン酸金属
塩(以後ステアリン酸(Ca、Al、Mg、Zn)で表す)、ス
テアリン酸アマイド、ベヘン酸、ベヘン酸(Ca、Al、M
g、Zn)、ベヘン酸アマイド、オレイン酸、オレイン酸
(Ca、Al、Mg、Zn)オレイン酸アマイド、エルカ酸、エ
ルカ酸(Ca、Al、Mg、Zn)エルカ酸アマイド等がある。 特にポリエチレンフィルムの場合、その重合性により
リニア低密度、ポリエチレン(LLDPE)低密度ポリエチ
レン(LDPE)中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリ
エチレン(HDPE)等、多種類あり、それぞれに添加され
る脂肪酸やその誘導体の量も異なる。その他インク容器
として容器材料中に脂肪酸やその誘導体類を含む材料と
しては塩化ビニルやナイロン、ポリアセタール、エチレ
ン−酢酸ビニル、ABS樹脂等やほとんどの合成ゴムが挙
げられる。 一方、インクジェットプリンターに用いられるインク
は、取り扱い性がよくインク自身の乾燥によるノズルオ
リフィスの目詰りがおこらないことや、インク噴射ヘッ
ドから高速応答してインク粒を噴出するためインクが低
粘性流体といった特性が必要で、一般に水ベースの水性
インクが使用されている。そのため、インク中には、水
に可溶な直接染料や酸性染料、塩基性染料等の色素成
分、及び水が蒸発してもインクの乾燥を防ぐ湿潤成分を
含んでいる。特に色素成分である直接染料等は、水の溶
解度を上げるため分子内にスルホン酸ナトリウムを多く
有し、さらに染料工程中での塩折工程で使用される塩化
ナトリウム、ジアゾ化工程での亜硝酸ナトリウム、その
他酢酸ナトリウムや炭酸ナトリウム、水酸ナトリウム、
硫酸ナトリウムが染料中に含まれる。従って、インク中
に含まれるナトリウムイオンとインクタンクに含まれる
脂肪酸やその誘導体が温度等によりインク中に溶出して
脂肪酸ナトリウムをつくり、インクの流動性を防げる原
因となるのである。 本発明者は、ポリオレフィン樹脂の中でもよく用いら
れる低密度ポリエチレンのフィルムで作った袋に、袋か
らの溶出を加速するため1%KOHを含むナトリウムイオ
ン濃度の異なる水溶液を入れ、密閉した後、70℃の環境
下で約10日間放置して、その後常温に5日おいてから溶
液中の生成物について観察を行った。条件として60μm
厚みの低密度ポリエチレン袋を用い、ナトリウムイオン
量が0.1wt%、0.15wt%、0.2wt%、0.25wt%、0.3wt%
となるようなNaCl水溶液を、それぞれ袋中に気泡が残ら
ないよう液中ヒートシールを行い、放置後、0.25wt%、
0.3wt%のNaClを含む袋では、糸状の結晶の生成が認め
られた。該糸状結晶を赤外線分光光度計とX線マイクロ
アナライザーにより分析した結果、ステアリン酸ナトリ
ウムであることが判明した。従ってインク容器として
は、容器を構成する樹脂や合成ゴム中に脂肪酸やその誘
導体を含んでいても、容器中のインクのナトリウムイオ
ン濃度が0.2wt%以下であればインク容器から流動性を
防げる原因となる脂肪酸ナトリウムを出さずに済むので
ある。 一方、インク中のナトリウムイオン濃度が下がりすぎ
ると、水溶液中で染料が会合しやすくなり、また原因は
明らかではないが、染料の会合性の高いインクは連続イ
ンク噴出安定性に欠き好ましくない。そのため、インク
中のナトリウムイオン濃度としては0.001〜0.2wt%が適
当である。 本発明のインクジェットプリンターに係る記録用イン
クは、水、水溶性染料、湿潤剤を主成分とするが、各組
成物中に含まれるナトリウムイオンの濃度の総和がイン
ク全量の0.001〜0.2wt%でなければならない。 水については、ナトリウムイオン濃度を極力下げるた
めに、超純水を用いる。超純水を得るには通常の水道水
を逆浸透膜やイオン交換樹脂等、公知の手法により処理
することにより得ることができる。 水溶性染料は、一般に多くのナトリウムを含んでい
る。その原因として、染料の塩析工程で使用される塩化
ナトリウムや、ジアゾ化工程での亜硝酸ナトリウム、そ
の他の工程中での酢酸ナトリウムや炭酸ナトリウム、水
酸化ナトリウム、硫酸ナトリウムが、製造された染料中
に含まれるからである。また水溶性染料自身にも、多く
の場合、分子内にスルホン酸ナトリウム基を含んでお
り、一般に入手できる水溶性染料のほとんどは、染料中
にナトリウムとして5%以上は含まれる。従って本発明
の記録用インクに用いるためには、これらのナトリウム
化合物を製造段階で使用を減らし、他のアルカリ金属化
合物、例えば塩化カリウム等を使用することによりナト
リウムイオンを低減できる。また、前述のナトリウム化
合物を使用した場合でも、陽イオン交換樹脂、例えばア
ンバーライト120系(オルガノ(株)商標)やダウエッ
クス50W(ダウケミカル商標)等の強酸性陽イオン交換
樹脂をH型にして、染料水溶液を該交換樹脂に通すこと
によりナトリウムイオンを低減できる。 本発明に用いる水溶性染料は、カラーインデックスに
ある直接染料、酸性染料、塩基性染料が使用でき、該染
料を前述のナトリウム化合物を低減する製造法や、精製
法で本発明の所望のナトリウムイオン濃度に調整するこ
とができる。染料は記録用インクの着色成分であるの
で、被記録媒体へ印刷された時、十分なコントラストが
必要であり、また染料濃度が高すぎるとインクジェット
ヘッドのノズル部で乾燥析出による目詰りが起こるた
め、0.5〜10重量部が最適である。 湿潤剤は、インクジェットヘッドのノズル部で記録用
インクの乾燥を防止するための重要な成分である。本発
明の記録用インクでは、水溶性有機溶剤が使用でき、そ
の内でも多価アルコール類、及び該多価アルコール類の
エーテル誘導体、エステル誘導体、水溶性アミン、含窒
素環状化合物等が適している。具体的には、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、グリセリン等の多価アルコール類、エチレングリコ
ールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノプチルエーテル、ジエチ
レングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノ
メチルエーテル等の多価アルコール類のアルキルエーテ
ル誘導体類、エチレングリコールモノメチルエーテルア
セテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルア
セテート、グリセリルモノアセテート、グリセルジアセ
テート等の多価アルコールのエステル誘導体、(モノ・
ジ・トリ)エタノールアミン、ポリオキシエチレンアミ
ン等の水溶性アミン、N−メチル−2−ピロリドン等の
含窒素環状化合物がある。これら水溶性有機溶剤は、ナ
トリウムイオンを含まないため特に精製する必要はない
が、合成過程でナトリウム化合物を使用しなければなら
ない水溶性有機溶剤については精製すべきである。該有
機溶剤の添加量としては、記録用インクの乾燥防止のた
め、量が多い程効果はあがるが、一方記録用インクの粘
度も上昇するための多量の添加は好ましくない。一般
に、インク粘度はインク粒の噴出サイクルに大きく影響
を及ぼし、粘度が高くなると噴出サイクルは上がらず噴
出特性も不安定になる。そのためインク粘度は50mPa・
s以下が好ましく、この粘度範囲を考慮すると、水溶性
有機溶剤は5〜80重量部、添加することができる。 また、本発明のインクジェットプリンタに用いる記録
用インクは、記録紙への浸透を速くするため、日本特開
昭56−57862に本発明者等が提案しているようにインクp
H値を12〜14に調整できる。この場合、pH値を上げるた
めアルカリ金属の水酸化物を用いるが、本発明の場合、
水酸化リチウムや水酸化カリウムが適当で、水酸化ナト
リウムは使用できない。 その他の添加剤として、防腐剤や防カビ剤、キレート
剤、PH調整剤等、必要に応じ添加できるが、該添加剤は
ナトリウム系化合物が多く、少量の添加が好ましい。 さらに本発明者は、この脂肪酸及びその誘導体とイン
クのナトリウムイオンの反応に着目しインクタンクを構
成する樹脂や合成ゴムに含まれる脂肪酸及びその誘導体
類を減少させることにより、インク中にナトリウムイオ
ンを0.2wt%以上含んでいても、不溶物の生成が抑制で
きることを確認した。実験として、1wt%のKOHを含むナ
トリウムイオン濃度で0.5wt%のNaCl水溶液に、ステア
リン酸Caがそれぞれ5、10、50、100、200ppmを含むポ
リエチレン製の袋を用いて、前記NaCl水溶液100ccを気
泡が残らないように液中熱シールを行い、70℃の環境化
で10日間放置して、その後室温に3日おいてから袋を破
り液体をとり出して10μmの孔径をもつ金属製フィルタ
ーでろかした。その結果、200ppmのステアリン酸Caを含
む袋のみ不溶物が発生していた。また5ppmを含む袋は熱
シール部から液体がたれており、この濃度ではシール強
度が弱いため、10〜100ppmのステアリン酸Ca濃度のポリ
エチレン袋を用いれば、ナトリウムイオンを0.2wt%以
上含んでいても、不溶物の生成が抑制でき、シール強度
も実用的であることがわかった。すなわち、インクタン
ク中のインクの組成やナトリウム濃度によっても不溶物
の発生は変化するがインクタンクを構成する脂肪やゴム
材中のステアリン酸Caのような脂肪酸やその誘導体類の
総量が10〜100ppmであれば、インクジェットプリンター
のインク系の流動を防げる不溶物生成はなく実用上問題
ない。 〔実施例〕 実施例1 C.I.Direct Black38 10重量% 超純水 90重量% 上記水溶液100gをH型強酸性陽イオン交換樹脂アンバ
ーライト120Bの充てんされたイオン交換塔に通し、ナト
リウムイオンの除去を行ない、C. I. Direct Black
38の精製10%水溶液を得た。該水溶液は、NaがHに交
換されてPHが低く、KOH水溶液でPH10になるよう調整し
た。この液を用いて下記の組成に示すインクを調合し
た。このインクをイオンクロマトで測定した結晶、ナト
リウム0.1%、カリウム0.4%、塩素0.5%であった。 C.I.Direct Black38の精製10%水溶液 12重量部 グリセリン 20重量部 超純水 68重量部 調合後、1μmのミリボアメンプレンフイルターでろ
かを行った後、減圧脱気して、ポリエチレンフイルムか
ら成るインク袋へ該インクを150g入れ、袋中に空気が入
らないよう液中熱シールを行いインクタンクを得た。該
インクタンクを70℃中に120時間放置して、さらに室温
で3日間放置してから、IP−130Kインクジェットプリン
ター(セイコーエプソン(株)製)へ該インクタンクを
接続して、印字を行った。該インクタンクを10パック使
用したところで、インク経路中のナイロン30μmフィル
ターを調べたところ、フィルターには何も詰まっておら
ず良好であった。 比較例1 実施例1の10%染料水溶液をイオン交換塔に通さず、
実施例1と同量のKOH水溶液で調整した。該調整液を用
いて、実施例1と同様の組成でインクを得た。イオンク
ロマトで測定の結果、ナトリウム0.5%、カリウム0.4
%、塩素0.5%であった。 調整後、実施例1と同様にしてインクタンクを作り、
同条件で放置後、印字したところ3パック目で印字不良
をおこした。インク経路中のフィルターを調べたとこ
ろ、フィルターは、大部分が詰まっており、赤外分光計
と電子顕微鏡で拡大して調べた結果、ステアリン酸ナト
リウムの結晶であった。印字不良は、このフィルター詰
りにより、インクの流動が妨げられ、インクの供給不良
によるものであった。 実施例2 C.I.Direct Black 154を合成するに当り亜硝酸ナト
リウムを用いてカップリングを行い、その他の工程では
一切ナトリウム化合物を使用せずに合成を行った。合成
後、塩酸で染料を酸析してから、KOH水溶液に溶かし、
その10%水溶液で下記インクを調合した。 このインクをイオンクロマトで測定した結果、ナトリ
ウム0.03、カリウム0.6%、塩素0.3%であった。 前記のC.I.Direct Black154 10%水溶液 15重量部 ポリエチレングリコール#300 30重量部 超純水 55重量部 実施例1と同様の評価を行った結果、インク経路のフ
ィルターは詰まることなく、印字状態も良好であった。 実施例3 実施例1あるいは2と同様の処理でナトリウムを低減
した実施例3−1〜3−8中の染料を用いて3−1〜3
−8に示すインクを調合した。比較例として3−10〜3
−13に市販の染料をそのままインクとして調合した。ナ
トリウム、カリウム、塩素はイオンクロマトで測定を行
った。 実施例1と同様の評価を行った結果を表−1に示す。 表−1の結果のとうり、インク中のナトリウムイオン
濃度が0.2%以下であれば、フィルター目詰りは全くお
こらなかった。またカリウムイオン濃度、塩素イオン濃
度はほとんどフィルター目詰りには関与しなかった。 実施例4 実施例1で評価に用いたインク袋を表−2の材料に変
えて同様の実験を行った。インクは実施例1のインク、
及び比較例1のインクを用いて行い表−2の結果を得
た。 ナトリウムイオン濃度が0.2%以下のインクでは表−
2のどの材料に対してもフィルターを目詰りさせなかっ
たが、ナトリウムイオン濃度が0.5wt%のインクはすべ
てフィルター目詰りをおこした。 実施例5 前記実施例3−1〜3−8、比較例3−10〜3−13に
示したインクを表−3に示す実施例5−1〜5−8のイ
ンクタンク、また比較例として5−10〜5−13のインク
タンクにそれぞれ入れ密閉して、70℃の環境に10日間放
置した後、室温で3日間放置してから、IP−130Kインク
ジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製)へ該
インクを充てんして、それぞれのインクタンク中のイン
ク150ccすべてを印刷した。印刷後インク系流路中のフ
ィルターの目詰まり具合を調べた結果を表−4に示す。
尚、フィルターは30μm孔を有するナイロンメッシュか
らなり、面積は約3cm3である。 実施例インクタンク5−1〜5−8は、全くフィルタ
ー詰まりはなく、容器からの溶出成分とインクの析出物
があったとしても、すべてフィルターを通過したものと
考えられ実用上全く問題ない。一方5−10〜5−13のイ
ンクタンクでは糸状物の集合体が膜状に形成され、フィ
ルターに詰まっており、5−10、5−12、5−13につい
ては印字不良もおこしていた。5−11については、同じ
ようなインクタンクを使い続ければやはり同様にフィル
ターをつまらせ、印字不良をおこすと思われた。 実施例6 脂肪酸系の安定剤、スリップ剤50ppmを含むポリエチ
レン袋に、下記組成に示すインクを200cc入れ、液中ヒ
ートシールにより、気泡を残さないようインクを密閉シ
ールした。該インク容器を10℃で10日間放置した後、室
温で3日おいてから、IP−130Kインクジェットプリンタ
ー(セイコーエプソン(株)製)へ該インクを充てんし
て印字を行ったところ、インクの流動は防げられず、20
0cc印字後、プリンター流路中のナイロン30μmフィル
ターを調べたところフィルターには何も詰まっておらず
良好であった。 組成 C.I.Direct Black 154 3wt% ポリエチレングリコール#400 20wt% ジエチレングリコール 10wt% 超純水 67wt% 比較例6 脂肪酸系の安定剤スリップ剤200ppmを含むポリエチレ
ン袋に実施例6に示した組成のインクを200cc入れ、実
施例6と同様の実験を行った。その結果、200cc印字前
に印字不良がおこり、プリンターの流路中のナイロン30
μmフィルターには膜状のものが目詰りしていた。分析
の結果、エルカ酸アミドとオレイン酸アミドの混合物で
あることが判明し、表面のスリップ剤がはくりしたもの
と推定された。 実施例7 脂肪酸素の安定剤、スリップ剤100ppmを含むポリエチ
レン袋に、下記組成を示すインクを200cc入れ、実施例
6と同様の実験を行った。その結果、200cc印字後もフ
ィルターの詰まりがなく良好であった。 C.I.Direct Black 154 2wt% グリセリン 20wt% トリエチレングリコール 5wt% 水酸化カリウム 1wt% 超純水 72wt% 比較例7 脂肪酸系の安定剤、スリップ剤200ppmを含むポリエチ
レン袋に、実施例7で示した組成のインクを200cc入れ
実施例7と同様の実験を行った。その結果、200cc印字
前に印字不良がおこり、プリンターの流路中のナイロン
30μmフィルターには膜状のものが目詰りしていた。分
析の結果、ステアリン酸ナトリウムが主成分であること
が判明し、ポリエチレン中の安定剤が溶出しインクの染
料中(C.I.Direct Black54)に含まれるNaと反応して
生成したものと推定された。 〔発明の効果〕 以上述べたように本発明によれば、インクタンクを高
温下や長期間に渡り放置された時、インクタンク部材に
含まれる脂肪酸及びその誘導体が、インクタンク中のイ
ンクへ溶出してインク中で再析出したり、インク成分中
のナトリウムイオンと反応して不溶物を生成したりする
ことがないため、インクジェット記録装置のインク系で
インクの流動が安定でありインクジェットプリンター等
のインクジェット記録装置が印字不良や印字かすれを起
こさず、インクジェット記録装置の信頼性を向上させる
効果がある。
【図面の簡単な説明】 第1図(a)はインクジェットプリンターのインク系を
示す簡略図。 第1図(b)は、インク系にフィルターをもつインクジ
ェットプリンターのインク系を示す簡略図。 第2図は、印刷ヘッドとインクタンクが一体型のインク
系を示す簡略図。 11……インク 13……インク供給管 14……印刷ヘッド

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.インクタンク中にインクを貯蔵するインクジェット
    記録装置であって、 前記インクと接触する前記インクタンクの材料が、脂肪
    酸及び/又は脂肪酸誘導体類を含有してなる樹脂及び/
    又は合成ゴムからなり、かつ前記インク中のナトリウム
    イオン濃度が0.001〜0.2重量%であることを特徴とす
    る、インクジェット記録装置。 2.前記脂肪酸がステアリン酸である、請求項1に記載
    のインクジェット記録装置。 3.前記インクが水酸化カリウムを含んでなるものであ
    る、請求項1又は2記載のインクジェット記録装置。
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