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JP2648224B2 - 光学フィルターなどの光学製品 - Google Patents

光学フィルターなどの光学製品

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Publication number
JP2648224B2
JP2648224B2 JP2184478A JP18447890A JP2648224B2 JP 2648224 B2 JP2648224 B2 JP 2648224B2 JP 2184478 A JP2184478 A JP 2184478A JP 18447890 A JP18447890 A JP 18447890A JP 2648224 B2 JP2648224 B2 JP 2648224B2
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acid
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optical
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浩三 井田
哲也 須田
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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  • Optical Filters (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、光選択機能性を有するフィルター、レン
ズ、スクリーンなどの光学製品に関し、詳しくは波長58
0nm付近の波長帯の光線を選択的に吸収する光学製品に
関する。
[従来の技術] 光選択機能性を有する光学製品として、ネオジム化合
物が波長580nm付近の光線を選択的に吸収する特性を利
用したものが、従来より知られている。例えば、特開昭
58−225148号公報に開示されたものは、メタクリル樹脂
などの透明なプラスチック基材に酸化ネオジム粉末等を
分散させた樹脂組成物を成形したものである。また、特
開昭60−161458号公報に記載のネオジム含有光学製品
は、アルキルメタクリレートやスチレンなどのモノマー
とアクリル酸ネオジムなどのネオジム化合物とカルボン
酸などのネオジム化合物の溶媒と重合開始剤とからなる
混合物をセルキャスト法等で重合して種々の光学製品と
したものである。
これらの光学製品は、上述のように波長580nm付近の
波長域で選択的に光線を吸収する特性を有し、カラーCR
Tなどのカラーディスプレイ装置のフィルターやスクリ
ーン板、レンズ、照明器具などに用いられている。
しかしながら、透明プラスチック基材に酸化ネオジム
粉末を分散させた樹脂組成物から得られたものでは、無
機粉末の分散系であることから、透明度や光線透過率が
低下し、また吸収ピークがブロードでかつ吸収光量も少
ないと言う欠点がある。
また、特開昭60−161458号公報の光学製品では、その
樹脂組成物がネオジム化合物および溶媒とポリマーとが
分子的に結合あるいは溶解しているため、ポリマー自体
の機械的特性等が変化し、光学的に十分な量のネオジム
化合物を含有させようとすると、樹脂組成物、すなわち
光学製品の大幅な特性劣化を招く不都合がある。
[発明が解決しようとする課題] よって、この発明における課題は、透明度や光線透過
率の低下、樹脂組成物の特性劣化などの不都合を伴わ
ず、しかも鋭い吸収特性を有する光選択機能性光学製品
を得ることにある。
[課題を解決するための手段] かかる課題は、透明ポリマー中にネオジム化合物が溶
解状態またはこの透明ポリマーと共重合結合状態で含有
されてなる粒径0.01μm〜5mmの光選択機能性ビーズを
用意し、このビーズを透明な樹脂中に分散させて樹脂組
成物とし、この樹脂組成物から光学製品を得ることで解
決される。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明における光学製品とは、光学フィルター、光学
レンズ、光学スクリーン、照明カバーのいずれかを指称
するものとする。
まず、本発明で用いられる光選択機能性ビーズについ
て説明する。
この発明で用いられる光選択機能性ビーズとは、透明
ポリマー中にネオジム化合物が溶解状態またはこの透明
ポリマーと共重合結合状態で含有されてなる粒子であ
る。このビーズの粒径は5mm以下、0.01μm以上の範囲
とされる。この粒径は、ビーズの用途によって大きく変
動する。また、ビーズ中のネオジム化合物は、透明ポリ
マーと共重合などの手段によって化学的に結合、則ち、
透明ポリマーと共重合結合されていてもよく、また透明
ポリマー中に溶解されていてもよい。また、ビーズ自体
が透明であることが必要である。
次に、この光選択機能性ビーズをその製法によって説
明する。
この光選択機能性ビーズの製法は、カルボン酸ネオジ
ムとカルボン酸から得られた複塩と、重合ポリマーが透
明となる重合性モノマーとの混合物を懸濁重合するもの
である。
このビーズの製法において、上記ネオジム化合物とし
てカルボン酸ネオジムを使用する。このカルボン酸ネオ
ジムは、重合性を有するものであっても、また非重合性
であってもよい。重合性のカルボン酸ネオジムとして
は、メタクリル酸ネオジム、アクリル酸ネオジム、α−
クロロアクリル酸ネオジム、α−エチルメタクリル酸ネ
オジム、マレイン酸ネオジム、フマール酸ネオジム、イ
タコン酸ネオジムなどが挙げられる。また、非重合性の
カルボン酸ネオジムとしては、プロピオン酸、n−酪
酸、イソ酪酸、n−吉草酸、イソ吉草酸、n−カプロン
酸、n−カプリル酸、n−カプリン酸、α−エチルヘキ
サン酸、ラウリン酸、ステアリン酸等の飽和脂肪酸のネ
オジム塩およびオレイン酸、リノール酸、リノレン酸、
リシノール酸、安息香酸、フタール酸、コハク酸、マレ
イン酸、イタコン酸、イタコン酸モノアルキルエステ
ル、ナフテン酸等の不飽和脂肪酸、レプリン酸、アセチ
ル吉草酸等のオキソカルボン酸、乳酸、グリコール酸エ
チルエーテル、グリコール酸ブチルエーテル等のヒドロ
キシカルボン酸、ブチルアッシドフォスフェート、エチ
ルアッシドフォスフェート等の燐酸類、脂肪族、芳香族
のスルホン酸等のネオジム塩などが挙げられる。これら
カルボン酸ネオジムは1種単独もしくは2種以上混合し
て用いられ、重合性のものと非重合性のものと混合物で
あってもよい。
ついで、このようなカルボン酸ネオジムとカルボン酸
とを反応させて複塩とする。これは、一般にカルボン酸
ネオジムが重合性モノマーに対して難溶であるためであ
って、複塩とすることで重合性モノマーに対して易溶と
することができるためである。
このためのカルボン酸としては、メタクリル酸、アク
リル酸などの重合性の不飽和カルボン酸やプロピオン
酸、イソ酪酸、n−酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カ
プリン酸、2−エチルヘキサン酸、ステアリン酸、オク
タン酸、ナフテン酸などの飽和または不飽和の脂肪族な
どが挙げられ、これらの1種または2種以上を組み合せ
て用いられる。
カルボン酸ネオジムとカルボン酸との混合量比は、両
者合計量を100重量%とした場合、カルボン酸が10〜40
重量%の範囲とすることが好ましい。カルボン酸の量が
40重量%を越えると、ビーズ中のネオジムの含有量が低
下し、かつビーズの機械的特性、熱的特性が低下し、好
ましくない。
また、カルボン酸ネオジムの溶解性を一層向上させる
ため、α−ヒドロキシエチルアクリレート、α−ヒドロ
キシエチルメタクリレートなどの不飽和アルコール、プ
ロピルアルコール、シクロヘキシルアルコールなどの飽
和脂肪族アルコール、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、プロピレングリコール等の多価アルコール
などを上記カルボン酸と併用することができる。このア
ルコール類の使用量は、カルボン酸との混合物として、
前記同様10〜40重量%とされる。
また、上記重合ポリマーが透明である重合性モノマー
としては、(メタ)アクリル酸エステルやスチレンが代
表的である。
(メタ)アクリル酸エステルとしては(メタ)アクリ
ル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)ア
クリル酸アルキルまたは(メタ)アクリル酸シクロヘキ
シル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフリル、(メ
タ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニ
ル、(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸メ
タリル、(メタ)アクリル酸β−ナフチル、(メタ)ア
クリル酸β−アミノエチル、(メタ)アクリル酸2−メ
トキシエチル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポ
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4ブ
タンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサン
ジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテ
トラ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレート及びこれらのハロゲン置換(メ
タ)アクリレート等である。
また、上記重合性モノマーには、得られるビーズの透
明性を損なわない程度に、共重合性モノマーを用いるこ
とができ、このような共重合性モノマーとしては、酢酸
ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが
あり、さらにエチレングリコールジアクリレート、ジエ
チレングリコールジメタクリレートなどの多官能アクリ
ル酸エステルを添加して架橋タイプのビーズとすること
もできる。
カルボン酸ネオジムとカルボン酸との複塩の生成は、
カルボン酸ネオジムとカルボン酸とを重合性モノマーに
添加し、撹拌、混合することで行われる。この混合は、
常温もしくは100℃以下の温度に加温する温度条件で行
われ、0.5〜5時間の撹拌を行うことで、複塩が生成
し、重合性モノマーに溶解する。この操作により、カル
ボン酸ネオジム、カルボン酸および重合性モノマーの三
者が均一に溶解した重合性混合溶液が得られる。
次に、このようにして得られた重合性混合溶液を懸濁
重合して、目的とする光選択機能性ビーズを得る。ここ
での懸濁重合には、通常の水相に上記重合性混合溶液お
よび重合開始剤を懸濁させて行う方法が用いられる。
重合開始剤として、α,α′−アゾビスイソブチロニ
トリル、α,α′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニ
トリル)、α,α′−アゾビス(2,4−ジメチル−4−
メトキシバレロニトリル等のアゾビス系のものが用いら
れる。
この重合開始剤は、単独または2種以上を混合して使
用でき、その使用量は、上記重合性溶液中の重合性成分
100重量部に対して0.001〜1重量部とされる。
また、懸濁粒子の安定化のため、ポリビニルアルコー
ル、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナト
リウム、アルギン酸、ゼラチンなどの保護コロイドを適
宜添加することができる。
重合条件は、温度30〜90℃、時間1〜10時間程度とす
ることが好ましいが、この範囲に限られるものではな
く、また初めに低温で重合し、ついで温度を上昇させて
重合を継続させる方法なども用いられる。
重合完結後、常法によって重合粒子を脱水、水洗、乾
燥させれば、透明で球状の光選択機能性ビーズが得られ
る。
この光選択機能性ビーズを風力ミクロンセパレータな
どの分級器によって所望の粒径範囲に分級し、透明樹脂
に添加、分散する。
このようにして得られた光選択機能性ビーズは、透明
ポリマー中にネオジム化合物が該透明ポリマーと共重合
結合状態あるいは溶解された状態で含有されており、ビ
ーズ自体が透明となる。また、ネオジム化合物の存在に
より580nm付近での光吸収があり、かつネオジム化合物
が透明ポリマーと共重合結合状態または溶解状態である
ため、鋭く、かつ吸光率の大きな吸収が見られる。さら
に、ビーズ自体には、機械的特性などがさほど厳しく要
求されないので、ネオジムの含有量を十分高くすること
ができ、例えば15重量%程度にまでその含有量を高める
ことができる。さらに、重合条件を適宜変化させること
により、種々の粒径のものを得ることができ、重合性モ
ノマー、カルボン酸ネオジム、カルボン酸の種類、配合
比等を変化させることで、ビーズ自体の屈折率を用途等
に合せて変化させることもできる。
このようにして得られた光選択機能性ビーズは、種々
の透明樹脂に添加、分散されて樹脂組成物とされ、さら
に種々の成形法によって光選択機能性を有する光学製品
とされる。
ここでの透明樹脂としては、透明性を有していれば熱
可塑性、熱硬化性のいかんをとわず用いられ、ポリメチ
ルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ア
クリロニトリル−スチレン共重合体、ポリカーボネー
ト、セルロース系プラスチックなどが用いられる。
成形法としては、押出成形、射出成形、カレンダー成
形などがまず挙げられる。これらの成形法では予め重合
されたポリスチレン、ポリ塩化ビニルやポリメチルメタ
クリレートのペレットなどに所定量の上記ビーズを配合
し、混合したのち、押出成形機、射出成形機、カレンダ
ーにより、シート、フィルムあるいは種々の形状の光学
製品とされる。また、透明樹脂としてポリメチルメタク
リレートなどのアクリレートを用いる場合には、いわゆ
るセルキャスト法によっても光学製品とすることができ
る。すなわち、アクリレートの部分重合体に上記ビーズ
を添加し、鋳型に注入して重合を行うものである。
この透明樹脂へのビーズの添加においては、ビーズの
屈折率とマトリックスとなる透明樹脂の屈折率とを合致
させることにより、透明な光学製品を得ることができ
る。また、ビーズの粒径を0.2μm以下とすれば、両者
の屈折率が異なっていても良好な透明性が得られる。ま
た、粒径20〜2μm程度のビーズを添加した場合は、ざ
ら目調の外観を呈し、粒径50〜100μm程度のビーズで
は、フロスト調あるいは乳半(乳色半透明)調の外観を
呈する。また、他の酸化チタン、タルク、硫酸バリウム
などの光拡散材を併用して、乳半調とすることもでき
る。
この透明樹脂への光選択機能性ビーズの添加量は、ビ
ーズ中のネオジム含有量によっても、また光学製品の用
途によっても左右されるが、透明樹脂100重量部に対し
て通常2〜30重量部程度の範囲とされる。このようなネ
オジム化合物を含有するビーズの形態で光学製品にネオ
ジムを含有させるものでは、マトリックスとなる透明樹
脂自体の機械的特性等が低下することがないため、結果
的に多量のネオジムを最終光学製品中に存在せしめるこ
とが可能となり、ネオジムが持つ光選択機能性を十二分
に発揮させることができるとともに、最終光学製品の機
械的特性等もほとんど低下することがない。
さらに、顔料、染料などの着色剤を併用して着色され
た光学製品とすることもできる。この着色剤の併用の
際、波長380〜420nm、480〜530nm、560〜610nmおよび64
0〜780nmのうち少なくとも一つの波長域に吸収を有し、
前記以外の波長域の可視光線に対しては吸収をほとんど
または全く有しない着色剤を配合し、これにより前記ネ
オジム化合物による選択的吸収を補い、もしくは前記ネ
オジム化合物が吸収を有しない可視光波長域において選
択的吸収を行なわせることができる。このような作用を
有する着色剤としては、例えば、つぎに記すような染
料、顔料または紫外線吸収剤がある。
380〜420nmの波長域に対して主たる吸収を有する着色
剤としては、サリチル酸フェニル、サリチル酸パラ−te
rt−ブチルフェニル等のサリチル酸エステル、2−
(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−
tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾー
ル等のベンゾトリアゾール類、2−ヒドロキシ−4−メ
トキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ
−4′−クロロベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ
−4−オクトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン類
等の紫外線吸収剤がある。
480〜530nmの波長域に対して主たる吸収を有する着色
剤としては、ホスタゾール・レッドGG(ヘキスト社
製)、バリオゲン・レッド3730(BASF社製)、ダイヤレ
ジン・レッドHS(三菱化成工業株式会社製)、ダイヤレ
ジン・レッドS(三菱化成工業株式会社製)、アマブラ
スト・ピンクP4B(アメリカン・アニリン社製)、オレ
ンジC−タイプ(ハーキュレス社製)等の赤色系色素が
ある。
640〜780nmの波長域において主たる吸収を有する着色
剤としては、ユウビニル・ブルー702(BASF社製)、オ
イル・ブルー615(オリエント化学工業株式会社製)、
マクロレックス・グリーン513(バイエル社製)、セイ
カゲン・オ・ブルーGK−1200(大日精化工業株式会社
製)、スミトンシアニン・ブルーHB−1(住友化学工業
株式会社製)等の青色系色素がある。
560〜610nmの波長域に主たる吸収を有する着色剤とし
ては、適切なものはないが、上記の3波長域に主たる吸
収を有する着色料のうち、560〜610nmの波長域にも吸収
を有するものが好ましく使用される。このような着色料
には、例えばユウビニル・ブルー702(BASF社製)があ
る。
このような着色剤を併用した光学製品では、赤、緑、
青の光の三原色以外の光が吸収されることになり、特に
カラーCRTなどの発光面を被うフィルタなどに使用する
と、蛍光体からの発光の色純度が改善され、色再現性が
向上し、高輝度を保持しながらコントラストの低下を防
止できる。
このような光選択機能性を有する光学製品の具体的用
途としては、例えば、光学フィルター、光学レンズ、照
明カバー、リヤープロジェクションスクリーンなどの映
像用スクリーンなどが挙げられる。
以下、具体例を示す。
製造例1〜7(光選択機能性ビーズの製造) (製造例1) メタクリル酸ネオジム34重量%にメタクリル酸メチル
42重量%、ラウリン酸15重量%、プロピレングリコール
9重量%をフラスコに入れ撹拌下65℃に加温し約2時間
で溶解させた。
次いで、撹拌機、窒素ガス導入口のついたオートクレ
ーブ容器に上記ネオジムモノマー混合液を100重量部、
アゾビスイソブチロニトリル0.5重量部、ポリビニルア
ルコール3.0重量部、水800重量部を高速撹拌下、窒素ガ
スで置換した後、容器を加熱し、第一段重合を75℃で4
時間、ついで第二段重合を90℃で1時間加熱することに
より重合を完結させた。
その後、常法通り脱水、水洗、乾燥させ、透明で球状
のビーズを得た。これを風力ミクロセパレーターにて分
級し所望の粒径のビーズを得た。
(製造例2〜7) 次の第1表のA欄の配合割合でメタクリル酸ネオジム
とラウリン酸ないしはオクタン酸とを混合し65℃に加熱
溶解させた。次いで第1表のB欄からなるモノマーを所
定量加え、室温下溶解させる。微量の不溶解分を除去し
たのち、製造例1と同様にオートクレーブ中で懸濁重合
を行ないビーズを得た。
実施例 (実施例1〜6) メタクリル酸メチルの部分重合体(重合率20%)なら
びにこれと共重合性のモノマー100重量部に、重合触媒
としてα,α′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニ
トリル)0.04重量部、離型剤としてジオクチルスルホサ
クシネート・ナトリウム塩0.005重量部、製造例1,4で得
られたネオジム含有ビーズを第2表の配合で添加、混合
し、脱気した後、予め板厚が3mmとなるよう設定された
強化硝子と軟質の塩化ビニル製ガスケットとで構成され
た鋳型内に注入し、70℃の温水中に80分間浸漬した。次
いで130℃の空気浴中で80分間置いて重合を完結させ
た。鋳型を取り除いて得られたキャストシートの光学性
能及び分光透過率曲線は第2表および第1図に示すとお
りであった。
このようにして得られたキャストシートは、光拡散性
ならびに波長580nm付近に強い吸収がみられる。これら
のキャストシートを白熱電球やハロゲンランプのランプ
カバーとして用いたところ、演色効果が大きくなり、照
明器具として有用なことがわかった。
(実施例7〜9,比較例1) アクリペットVH(三菱レイヨン(株)製メタクリル樹
脂ペレット)と製造例3,6で得られたネオジム含有ビー
ズを第3表で示した組成となるよう配合し、タンブラー
で十分混合して均一化した後、押出機を用いて樹脂温度
260℃の条件下、ダイスより押し出し、三本の鏡面仕上
げしたロール間を通し冷却して、板厚が3mmの樹脂板を
得た。これの光学性能を第3表に示す。第3表の結果か
ら、必要に応じ無機拡散剤ないしは基材の屈折率とは異
なる屈折率を有する透明ポリマービーズを添加すること
ができるが、いずれも、ネオジムを含有することによ
り、583nm付近に光の吸収がみられた。これらの押出樹
脂板を用いて光源のカバーを作成したところ、色彩かな
照明器具を得ることができた。
(実施例10〜12,比較例2,3) 第4表の構成となるよう実施例1で示したと同様の鋳
込重合法によりキャストシート(実施例10,11および比
較例2,3)を、また実施例7で示したと同様の押出法に
より押出シート(実施例12)を製造した。いずれの実施
例のシートも、ネオジム含有ポリマービーズが均一に分
散した光拡散性のものであり、一方、比較例のシートに
は、ネオジムは含まれていない。これらシートの光学性
能を第4表に示す。
さらに、これらの樹脂シートを、一方がピッチ0.4m
m、R0.29mmとピッチ0.3m、R0.07mmからなるレンチキュ
ラー型を有する金属板と、他方が鏡面の金属板との間に
はさみ180℃に加熱下、加熱プレス機で(成形圧力25kg/
cm2,成形時間15分)成形を行ないレンチキュラー型のプ
ロジェクション用スクリーンを得た。
このようにして得られたプロジェクション用スクリー
ンを、パイオニア社製プロジェクションテレビ(SD−P5
010型)のスクリーンに代えてはめ込み、テレビ画像を
映して色の演色性を比較した。実施例10〜12のものから
得られたスクリーンでは、外光の写り込みも少なく、赤
色、青色の色があざやかであったが、比較例2,3のもの
はそれほどでもなく、その差は明瞭に認められた。
また、実施例10,11および比較例2の樹脂シートの分
光特性を第2図に示した。
[発明の効果] 以上説明したように、この発明の光学フィルターなど
の光学製品は、ネオジム化合物を含有し、波長580nm付
近に鋭い吸収を示す光選択機能性ビーズを透明樹脂に分
散したものから得られたものであるので、優れた光選択
機能性を有するとともに、ネオジム含有量を十分高めて
も機械的特性等の低下のないものとなる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は、いずれもこの発明の実施例で得
られた樹脂シートの分光特性を示すスペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02B 1/04 G02B 1/04 //(C08L 101/00 33:02)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明ポリマー中にネオジム化合物が溶解状
    態またはこの透明ポリマーと共重合結合状態で含有され
    てなる粒径0.01μm〜5mmの光選択機能性ビーズを透明
    樹脂中に分散した樹脂組成物からなる光学フィルター。
  2. 【請求項2】透明ポリマー中にネオジム化合物が溶解状
    態またはこの透明ポリマーと共重合結合状態で含有され
    てなる粒径0.01μm〜5mmの光選択機能性ビーズを透明
    樹脂中に分散した樹脂組成物からなる光学レンズ。
  3. 【請求項3】透明ポリマー中にネオジム化合物が溶解状
    態またはこの透明ポリマーと共重合結合状態で含有され
    てなる粒径0.01μm〜5mmの光選択機能性ビーズを透明
    樹脂中に分散した樹脂組成物からなる光学スクリーン。
  4. 【請求項4】透明ポリマー中にネオジム化合物が溶解状
    態またはこの透明ポリマーと共重合結合状態で含有され
    てなる粒径0.01μm〜5mmの光選択機能性ビーズを透明
    樹脂中に分散した樹脂組成物からなる照明カバー。
JP2184478A 1990-07-11 1990-07-12 光学フィルターなどの光学製品 Expired - Fee Related JP2648224B2 (ja)

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