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JP2646770B2 - 共重合体ラテックスの製造方法 - Google Patents

共重合体ラテックスの製造方法

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Publication number
JP2646770B2
JP2646770B2 JP1323480A JP32348089A JP2646770B2 JP 2646770 B2 JP2646770 B2 JP 2646770B2 JP 1323480 A JP1323480 A JP 1323480A JP 32348089 A JP32348089 A JP 32348089A JP 2646770 B2 JP2646770 B2 JP 2646770B2
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JP
Japan
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monomer
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ethylenically unsaturated
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latex
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JP1323480A
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理 石川
勝彦 鶴岡
正文 若森
昌三 西田
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Priority to JP1323480A priority Critical patent/JP2646770B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ジエン系単量体,エチレン系不飽和単量体
およびエチレン系不飽和カルボン酸単量体を含む単量体
を、シードラテックスおよび特定の連鎖移動剤の存在下
に重合する共重合体ラテックスの製造方法に関し、さら
に詳しくは、共重合体粒子の凝集や合一を回避し、生産
性が高く、かつ例えば紙塗被用組成物のバインダーとし
て用いたとき、優れた接着強度と耐ブリスター性を付与
する共重合体ラテックスの製造方法に関する。
[従来の技術] 共役ジエン系単量体,エチレン系不飽和単量体,エチ
レン系不飽和カルボン酸単量体などからなる単量体群を
乳化重合して得られるカルボキシル基変性共重合体ラテ
ックスは、その代表的な使用例として、単独あるいはカ
ゼイン,デンプン,蛋白質,セルロース,ポリビニルア
ルコールなどの天然もしくは合成のバインダーと共に紙
塗被用バインダーとして用いられることはよく知られて
いる。
このカルボキシル基変性共重合体ラテックスを紙塗被
用バインダーとして含有する紙塗被用組成物を塗布して
得られるコート紙は、接着強度,耐水性,光沢などが良
好なため様々な用途に使用されている。
近年、コート紙の需要は著しく、これに伴い紙塗工技
術および印刷技術の進歩はめざましく、生産性の向上お
よび省力化,合理化の上からも塗工速度および印刷速度
の高速化が進められてきている。
このため、紙塗被用組成物に対しては、高速塗工にお
ける機械的剪断力に対する安定性が要求され、その塗工
紙においては印刷時に優れた接着強度,耐水性あるいは
耐ブリスター性等の諸性質を発現することが必要となっ
ている。
特に、オフセット輪転印刷用コート紙に対しては、接
着強度と耐ブリスター性の向上がますます要求されてい
る。
このような要求に答えるため、紙塗被用バインダーと
して使用する共重合体ラテックスに種々の改良がなされ
てきた。例えば、特開昭57−153012号公報,同61−6379
4号公報には、重合連鎖移動剤の添加方法に工夫を加え
ることによって接着強度あるいは耐ブリスター性が改良
されることが開示されている。
一方では、紙塗被用組成物の一成分であり、バインダ
ーとして使用されるカルボキシル基変性共重合体ラテッ
クスは、紙塗被用組成物の機械的安定性およびコート紙
の諸性能に大きく関与しているため重要視されている。
紙塗被用組成物の機械的安定性を損う原因として、共
重合体ラテックスの微細凝固物がある。
この微細凝固物は主に共重合体ラテックスの製造時に
発生する。この微細凝固物が多いと、塗工時のストリー
クトラブルやロールダスティングトラブルの問題が生
じ、コート紙の接着強度,耐水性等が低下し、また印刷
時のブランケット汚れ等の問題が生じる。
微細凝固物を除去する方法として、共重合体ラテック
スを濾過する方法が知られているが、操作が複雑でコス
ト高となるため好ましくない。
このような問題を解決する手段として、特開昭55−90
697号,同58−91707号公報には、重合連鎖移動剤の使用
方法に関する提供がなされている。しかしながら、これ
らの技術における効果は必ずしも満足すべきものではな
い。
[発明が解決しようとする問題点] 上記のとおり、従来の共重合体ラテックスは、重合中
に微細凝固物が発生するため、例えば紙塗被用組成物に
使用した場合、高速塗工化に伴う操業上の要求および接
着強度,耐ブリスター性等の塗工紙物性上の要求を同時
に十分に満足するには至っていないのが実情であり、紙
塗被用組成物以外の種々の用途においても同様の問題点
がある。
本発明の目的は、重合中に凝固物の発生が少なく、特
に、機械的安定性に優れ、接着強度および耐ブリスター
性が改良された紙塗被用バインダーとして有用な共重合
体ラテックスを製造することにある。
[問題点を解決するための手段] 本発明の第一の発明は、 (a)エチレン系不飽和カルボン酸単量体 0〜10重量%、 (b)エチレン系不飽和架橋性単量体 0〜40重量%、 (c)共役ジエン系単量体および/または前記(a)お
よび(b)成分以外のエチレン系不飽和単量体 50〜100重量%、 を含む単量体を共重合したシードラテックスおよびα−
メチルスチレンダイマーの存在下、 (d)エチレン系不飽和カルボン酸単量体 0〜10重量%、 (e)エチレン系不飽和架橋性単量体 0〜40重量%、 (f)共役ジエン系単量体および/または前記(d)お
よび(e)成分以外のエチレン系不飽和単量体 50〜100重量%、 を含み、かつシードラテックスとは異なる組成の単量体
を乳化重合することを特徴とする共重合体ラテックスの
製造方法に関する。
本発明の第二の発明は、 (a)エチレン系不飽和カルボン酸単量体 0〜10重量%、 (b)エチレン系不飽和架橋性単量体 0〜40重量%、 (c)共役ジエン系単量体および/または前記(a)お
よび(b)成分以外のエチレン系不飽和単量体 50〜100
重量%、 を含む単量体を共重合したシードラテックスならびにタ
ーピノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネンおよび
ジペンテンから選ばれる少なくとも1種の化合物の存在
下、 (d)エチレン系不飽和カルボン酸単量体 0〜10重量%、 (e)エチレン系不飽和架橋性単量体 0〜40重量%、 (f)共役ジエン系単量体および/または前記(d)お
よび(e)成分以外のエチレン系不飽和単量体 50〜100重量%、 を含み、かつシードラテックスは異なる組成の単量体を
乳化重合することを特徴とする共重合体ラテックスの製
造方法に関する。
本発明の第三の発明は、 (a)エチレン系不飽和カルボン酸単量体 0.1〜10重量%、 (b)エチレン系不飽和架橋性単量体 0〜40重量%、 (c)前記(a)および(b)以外のエチレン系不飽和
単量体 50〜99.9重量%、 を含む単量体を共重合したシードラテックスおよびα−
メチルスチレンダイマーの存在下、 (g)共役ジエン系単量体 10〜60重量%、 (h)エチレン系不飽和カルボン酸単量体 0.5〜10重量
%、 (i)前記(g)および(h)以外のエチレン系不飽和
単量体 30〜89.5重量%、 を含む単量体を乳化重合することを特徴とする共重合体
ラテックスの製造方法に関する。
本発明の第四の発明は、 (a)エチレン系不飽和カルボン酸単量体 0.1〜10重量%、 (b)エチレン系不飽和架橋性単量体 0〜40重量%、 (c)前記(a)および(b)以外のエチレン系不飽和
単量体 50〜99.9重量%、 を含む単量体を共重合したシードラテックスならびにタ
ーピノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネンおよび
ジペンテンから選ばれる少なくとも1種の化合物の存在
下、 (g)共役ジエン系単量体 10〜60重量%、 (h)エチレン系不飽和カルボン酸単量体 0.5〜10重量%、 (i)前記(g)および(h)以外のエチレン系不飽和
単量体 30〜89.5重量%、 を含む単量体を乳化重合することを特徴とする共重合体
ラテックスの製造方法に関する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられるシードラテックスの製造に使用さ
れる単量体(a),(b)および(c)について、以下
に説明する。
(a)エチレン系不飽和カルボン酸単量体としては、例
えば、アクリル酸,メタクリル酸,クロトン酸,マレイ
ン酸,フマル酸,イタコン酸等のモノまたはジカルボン
酸等を例示することができ、特にアクリル酸,メタクリ
ル酸が好ましい。更に、ジカルボン酸の無水物も使用す
ることができる。これらは単独で、あるいは2種以上を
組み合せて使用することができる。
単量体(a)の使用割合は、シードラテックスの単量
体全体に対し0〜10重量%、好ましくは0.1〜10重量
%、特に好ましくは0.1〜5重量%である。単量体
(a)の使用割合が10重量%を越えると、その後の重合
における凝固物の発生が増大し、本発明の目的を達成で
きない。
(b)エチレン系不飽和架橋性単量体としては、例え
ば、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタルリ
レート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、
トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメ
タクリレート等のジビニル系単量体あるいはトリビニル
系単量体を例示することができ、好ましくはジビニルベ
ンゼン、エチレンクリコールジメタクリレートおよびト
リメチロールプロパントリメタクリレート、更に好まし
くはジビニルベンゼンである。
これら単量体(b)は、シードとして用いる共重合体
に適当な架橋を付与し、さらにはシード粒子の単量体に
よる膨潤容量や単量体吸収速度を制限するために用いら
れる。
単量体(b)の使用割合は、シードラテックスに用い
られる単量体全体に対して0〜40重量%、好ましくは0.
1〜40重量%、さらに好ましくは1〜35重量%、特に好
ましくは5〜35重量%である。単量体(b)の使用割合
が40重量%を越えると、シードラテックスの製造時に凝
固物が発生しやすくなり、シード粒子として用いるのに
適当でなくなる。
(c)前記(a)および(b)成分以外のエチレン系不
飽和単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルス
チレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、p−
メチルスチレン、p−スチレンスルホン酸ナトリウム等
の芳香族ビニル単量体;アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、アク
リル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロ
キシエチル、メタクリル酸グリシジル等のアクリル酸ま
たはメタクリル酸のアルキルエステル類;アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアクリルアミド等のエチレン系不飽
和カルボン酸のアクリルアミド類;酢酸ビニル等のカル
ボン酸ビニルエステル類;アクリルニトリル、メタクリ
ロニトリル、α−クロルアクリロニトリル等のシアン化
ビニル類等を例示することができ、さらに共役ジエン系
単量体としては、ブタジエン、イソプレン、2−クロル
−1,3−ブタジエン等を挙げることができる。これらの
うち特に、スチレンおよびメチルメタクリレートが好ま
しい。
これらの単量体は単独で、あるいは2種以上を組み合
せて使用することができる。
単量体(c)の使用割合は、シードラテックスの単量
体全体に対して50〜100重量%、好ましくは50〜99.9重
量%、特に好ましくは55〜99.5重量%である。単量体
(c)の使用割合が50重量%未満であると、シードラテ
ックスの製造時に凝固物が発生しやすくなり好ましくな
い。
シードラテックスの乳化重合に使用する乳化剤として
は、アニオン型,ノニオン型のいずれも使用することが
できる。これらは、単独でもあるいは2種以上混合して
使用することもできる。
乳化剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム等
の高級アルコールの硫酸エステル塩,ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸
塩,ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等の脂肪族エ
ステルのスルホン酸塩,アルキルジアリールエーテルス
ルホン酸塩,アルキルナフタレンスルホン酸塩等のアニ
オン型界面活性剤、ポリエチレングリコールのアルキル
エステル型,アルキルフェニルエーテル型,アルキルエ
ーテル型等のノニオン型界面活性剤等を使用することが
できる。
乳化剤としては、好ましくはアニオン型界面活性剤、
さらに好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩,アル
キルジアリールエーテルスルホン酸塩,アルキルナフタ
レンスルホン酸塩である。乳化剤の使用割合はシードラ
テックスの重合時の凝固物の発生防止およびシード重合
に適した粒子径のシード粒子を得るために、前記
(a),(b),(c)の単量体合計に対して0.5〜40
重量%が好ましい。
また、これら(a)〜(c)の単量体の乳化重合に使
用する重合開始剤としは、クメンハイドロパーオキサイ
ド,ジイソプロピルベンゼンハイドロパーキオサイド,
パラメンタンハイドロパーオキサイド等のハイドロパー
オキサイド類;ベンゾイルパーオキサイド,ラウロイル
パーオキサイド等のパーオキサイド類;アゾビスイソブ
チロニトリル等のアゾ化合物類等の有機系重合開始剤、
および過硫酸カリウム,過硫酸ナトリウム,過硫酸アン
モニウム等の過硫酸塩等の無機系重合開始剤等を挙げる
ことができる。
なお、これら重合開示剤は重亜硫酸ナトリウム等の還
元剤と組み合せた、いわゆるレドックス系重合開始剤と
しても使用することができる。
重合開始剤としては、過硫酸カリウム,過硫酸ナトリ
ウム等の無機系重合開始剤が好ましい。重合開始剤の使
用割合は、通常前記(a),(b),(c)の単量体合
計に対して0.1〜2重量%である。
本発明のシードラテックスは、上記に示したものを用
いて通常の乳化重合によって製造できる。すなわち、水
に単量体混合物ならびに重合開始剤,乳化剤等の重合助
剤を加え、撹拌しながら温度40〜95℃で重合させる。単
量体および他の重合助剤の加え方としては、一括添加,
分割添加,連続添加のいずれの方法を用いてもよい。
シードラテックスは、その後の重合に供する上で、共
重合体の平均粒子径が1000Å以下さらには500〜100Åが
好ましく、ゲル含量は70重量%以上さらには80重量%が
以上が好ましい。これらの条件を有するシードラテック
スを用いて重合すると、凝固物の発生,機械的安定性な
らびに接着力等の点で一段と優れた共重合体ラテックス
が製造される。
シードラテックスは、予め水酸化ナトリウム,水酸化
カリウム,アンモニア水等で、pHを調整して用いてもよ
い。
本発明における共重合体ラテックスは、水性媒体中で
乳化重合することによって得られるが、本発明の特徴は
この乳化重合を前述したシードラテックスと下記の特定
の重合連鎖移動剤の存在下に行う点にある。
すなわち、本発明の第一および第三の発明において
は、α−メチルスチレンダイマーの存在下、好ましくは
α−メチルスチレンダイマー2〜100重量%と他の重合
連鎖移動剤98〜0重量%とからなる重合連鎖移動剤の存
在下に、また本発明の第二および第四の発明において
は、ターピノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネン
およびジペンテンから選ばれる少なくとも1種の化合物
の存在下、好ましくは(A)ターピノーレン、α−テル
ピネン、γ−テルピネンおよびジペンテンから選ばれる
少なくとも1種の化合物2〜100重量%と、必要により
(B)アルキルメルカプタン類、四塩化炭素、キサント
ゲンジスルフィド類およびチウラムジスルフィド類から
選ばれる少なくとも1種の化合物98〜0重量%とからな
る重合連鎖移動剤の存在下に、乳化重合を行う。
これら第一〜第四の発明について、以下に詳しく説明
する。
第一および第三の発明において使用する重合連鎖移動
剤(以下、重合連鎖移動剤(I)という)は、α−メチ
ルスチレンダイマーと、必要に応じて用いられる他の重
合連鎖移動剤とからなる。
α−メチルスチレンダイマーとしては、異性体とし
て、 (イ)2−4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテ
ン、 (ロ)2−4−ジフェニル−4−メチル−2−ペンテ
ン、および (ハ)1−1−3−トリメチル−3−フェニルインダン がある。α−メチルスチレンダイマーとして好ましい組
成は、(イ)成分が40重量%以上、(ロ)成分および/
または(ハ)成分が60重量%以下、さらに好ましくは、
(イ)成分が50重量%以上、(ロ)成分および/または
(ハ)成分が50重量%以下、特に好ましくは、(イ)成
分が70重量%以上、(ロ)成分および/または(ハ)成
分が30重量%以下である。(イ)成分の組成比率が高く
なるに従って、連鎖移動効果に優れる。
α−メチルスチレンダイマーは、本発明の目的を損な
わない範囲で、不純物、例えば未反応のα−メチルスチ
レン、前記(イ)、(ロ)、(ハ)成分以外のα−メチ
ルスチレンオリゴマー、α−メチルスチレンポリマーを
含むものであってもよい。
α−メチルスチレンダイマーを使用する場合、その目
的を損なわないものであれば、α−メチルスチレンダイ
マー合成後、これを未精製の状態で使用することもでき
る。
α−メチルスチレンダイマーと併用する他の重合連鎖
移動剤としては、一般の乳化重合に使用されている公知
の重合連鎖移動剤を使用することができる。具体的に
は、例えば、オクチルメルカプタン、n−ドデシルメル
カプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ヘキサデシ
ルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、t−
テトラデシルメルカプタンなどのメルカプタン類;ジメ
チルキサントゲンジスルフィド、ジエチルキサントゲン
ジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィ
ドなどのキサントゲンジスルフィド類;テトラメチルチ
ウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィ
ド、テトラブチルチウラムジスルフィドなどのチウラム
ジスルフィド類;四塩化炭素、臭化エチレンなどのハロ
ゲン化炭化水素類;ペンタフェニルエタンなどの炭化水
素類;およびアクロレイン、メタクロレイン、アリルア
ルコール、2−エチルヘキシルチオグリコレート、ター
ピノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジプン
テンなどを挙げることができる。これらは単独でも、あ
るいは2種以上組み合わせて使用することができる。こ
れらのうち、メルカプタン類、キサントゲンジスルフィ
ド類、チウラムジスルフィド類、四塩化炭素などが好適
に使用される。
重合連鎖移動剤(I)中のα−メチルスチレンダイマ
ーの割合は、好ましくは2〜100重量%、より好ましく
は3〜100重量%、特に好ましくは5〜95重量%であ
る。このα−メチルスチレンダイマーの割合が2重量%
未満では接着強度と耐ブリスター性に優れた共重合体ラ
テックスを得ることができない。
重合連鎖移動剤(I)の使用量は、後述する全単量体
((d)+(e)+(f)または(g)+(h)+
(i))100重量部当り、通常0.05〜20重量部、好まし
くは0.1〜10重量部、より好ましくは0.3〜7重量部、特
に好ましくは0.5〜7重量部である。この重合連鎖移動
剤(I)の使用量が0.05重量部未満では耐ブリスター性
が劣り、一方20重量部を越えると接着強度が低下して好
ましくない。
なお、α−メチルスチレンダイマーの使用量について
は、全単量体100重量部に対し0.1〜5重量部の範囲で使
用するのが好ましい。
次に、第二および第四の発明において使用する重合連
鎖移動剤(以下、重合連鎖移動剤(II)という)は、
(A)ターピノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネ
ンおよびジペンテンから選ばれる少なくとも1種の化合
物(以下、「成分(A)」という)と、(B)必要に応
じて用いられる他の連鎖移動剤、好ましくはアルキルメ
ルカプタン類、四塩化炭素、キサントゲンジスルフィド
類およびチウラムジスルフィド類から選ばれる少なくと
も1種の化合物(以下、「成分(B)」という)とから
なる。
成分(B)のアルキルメルカプタン類の具体例として
は、既述のアルキルメルカプタン類と同様の化合物を挙
げることができ、これらのうち、t−ドデシルメルカプ
タンが好ましく使用される。
また、キサントゲンジスルフィド類およびチウラムジ
スルフィド類の具体例としては、既述のキサントゲンジ
スルフィド類およびチウラムジスルフィド類と同様の化
合物を挙げることができる。
重合連鎖移動剤(II)中の成分(A)の割合は好まし
くは2〜100重量%、より好ましくは3〜100重量%、特
に好ましくは5〜95重量%である。成分(A)と成分
(B)とを併用すると、本発明の目的とする接着強度お
よび耐ブリスター性がより優れた紙塗被組成物を得るこ
とができる。
重合連鎖移動剤(II)の使用量は、後述する全単量体
((d)+(e)+(f))100重量部当り、通常0.05
〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましく
は0.3〜7重量部である。重合連鎖移動剤(II)の使用
量が0.05重量部未満では耐ブリスター性が劣り、また20
重量部を越えると接着強度が低下して好ましくない。
なお、成分(A)の使用量については、全単量体100
重量部に対し0.1〜5重量部の範囲で使用するのが好ま
しい。
次に、シードラテックスと上記に示した特定の連鎖移
動剤の存在下で行われる単量体の重合について説明す
る。
第一および第二の発明における重合に用いられる単量
体は、単量体(d)エチレン系不飽和カルボン酸単量
体,(e)エチレン系不飽和架橋性単量体および(f)
共役ジエン系単量体および/または前記(d)および
(e)成分以外のエチレン系不飽和単量体から構成され
ている。ここで、単量体(d)としては前記単量体
(a)と同様のものを、単量体(e)としては前記単量
体(b)と同様のものを、単量体(f)としては前記単
量体(c)と同様のものを挙げることができ、使用割合
もそれぞれ同様である。
第三および第四の発明における重合に用いられる単量
体は、以下に述べる単量体(g),(h)および(i)
から構成されている。
(g)共役ジエン系単量体としては、前記単量体(c)
で例示した共役ジエン系単量体と同様のものを挙げるこ
とができる。
単量体(g)の使用割合は、全単量体((g)+
(h)+(i))に対し10〜60重量%、好ましくは20〜
60重量%である。この使用割合が10重量%未満では、充
分な接着強度を得ることができず、一方60重量%を越え
ると耐水性が低下して好ましくない。
(h)エチレン系不飽和カルボン酸単量体としては、前
記単量体(a)と同様のものを挙げることができる。
単量体(h)の使用割合は、全単量体((g)+
(h)+(i))に対し0.5〜10重量%、好ましくは1
〜7重量%である。この使用割合が0.5重量%未満では
接着強度のほか、共重合体ラテックスの機械的安定性が
低下し、一方10重量%を越えると共重合体ラテックスの
粘度が高くなって、その取扱い(ハンドリング)が困難
となり、操作性が低下して好ましくない。
(i)エチレン系不飽和単量体としては、前記単量体
(c)で例示したエチレン系不飽和単量体と同様のもの
を挙げることができる。
単量体(i)の使用割合は、全単量体((g)+
(h)+(i))に対し30〜89.5重量%、好ましくは30
〜79.5重量%である。単量体(i)の使用割合が30重量
%未満では耐水性が低下し、一方89.5重量%を越えると
接着強度が低下して好ましくない。
また、これら単量体(d),(e),(f)または
(g),(h),(i)を含む単量体の乳化重合に使用
する乳化剤としては、アニオン型,ノニオン型および両
性型界面活性剤のいずれも使用することができる。これ
らは単独でも、あるいは2種以上混合して使用すること
もできる。
乳化剤としては、例えば、シードラテックスの共重合
と同様のノニオン型界面活性剤等を使用することができ
る。
また、両性界面活性剤としては、アニオン部分として
カルボン酸塩,硫酸エステル塩,スルホン酸塩,りん酸
エステル塩を、またカチオン部分としてはアミン塩,第
4級アンモニウム塩を持つものが挙げられ、具体的には
アルキルベタインの塩としてラウリルベタイン,ステア
リンベタイン,ココアミドプロピルベタイン,2−ウンデ
シルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタインの塩が、
またアミノ酸タイプのものとしてはラウリル−β−アラ
ニン,ステアリン−β−アラニン,ラウリルジ(アミノ
エチル)グリシン,アクリルジ(アミノエチル)グリシ
ン,ジオクチルジ(アミノエチル)グリシンの塩を挙げ
ることができる。
乳化剤としては、アニオン型界面活性剤が特に好まし
い。乳化剤の使用割合は、全単量体に対して0.01〜2重
量%が好ましい。
単量体の乳化重合に使用する重合開始剤としては、シ
ードラテックスの共重合の場合と同様のものを挙げるこ
とができる。しかし、本発明においては、有機系重合開
始剤を単独で使用すると、得られる共重合体ラテックス
の機械的安定性が劣り、また重合中に多量の凝固物が発
生することから、無機系重合開始剤を単独、または有機
系重合開始剤と組み合せて使用するのが好ましい。な
お、これら重合開始剤は重亜硫酸ナトリウム等の還元剤
と組み合せた、いわゆるレドックス系重合開始剤として
も使用することができる。これらのうち、過硫酸カリウ
ム,過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、またはこれとア
ゾビスイソブチロニトリルあるいはベンゾイルパーオキ
サイドとの組み合せ、更にはこれらと還元剤とを組み合
せたものが好ましく使用される。
前記重合開始剤の使用量は、全単量体に対し0.1〜5
重量%、好ましくは0.5〜2重量%である。無機系重合
開始剤と有機系重合開始剤とを併用する場合、有機系重
合開始剤の割合は全重合開始剤の70重量%以下、好まし
くは50重量%以下である。有機系重合開始剤の割合が70
重量%を越えると、有機系重合開始剤を単独で使用した
場合のような問題が生じて好ましくない。
本発明においては、シードラテックスおよび前述した
特定の重合連鎖移動剤の存在下において単量体(d),
(e),(f)または(g),(h),(i)を含む単
量体を重合することで目的の共重合体ラテックスを得る
ものであるが、シードラテックスの使用量は、第一〜第
四の発明のいずれも、全単量体((d)+(e)+
(f)または(g)+(h)+(i))100重量部に対
して固形分換算で好ましくは0.05〜20重量部、より好ま
しくは0.1〜10重量部、特に好ましくは0.2〜5重量部で
ある。シードラテックスの使用量が0.05重量部未満であ
ると、重合中に微細な凝固物の発生が増大し、かつ共重
合体ラテックスの安定性が不十分となり好ましくない。
一方、シードラテックスの使用量が20重量部を越える
と、得られら共重合体ラテックスの接着強度が十分でな
く好ましくない。
本発明においては、シードラテックスおよび特定の重
合連鎖移動剤の存在下で重合を行う以外は、乳化重合に
際し、その条件については特に制限はなく、従来公知の
方法および条件下で実施することができる。例えば、単
量体ならびに重合開始剤,乳化剤,重合連鎖移動剤等の
添加方法は、一括添加,分割添加,連続添加あるいはこ
れらの組み合せでもよい。
本発明の方法により得られる共重合体ラテックスは、
種々の用途に用いることができるが、特に第三および第
四の発明にかかる共重合体ラテックス、すなわちシード
ラテックスとして前記単量体(a)0.1〜10重量%、好
ましくは0.1〜5重量%、単量体(b)0〜40重量%、
好ましくは1〜40重量%、および単量体(c)50〜99.9
重量%、好ましくは55〜99.9重量%からなる単量体を共
重合したものを用い、このシードラテックスの存在下
で、単量体(g)10〜60重量%、好ましくは20〜60重量
%、単量体(h)0.5〜10重量%、好ましくは1〜7重
量%および単量体(i)30〜89.5重量%、好ましくは30
〜79.5重量%からなる単量体を重合して得られる共重合
体ラテックスは、紙塗被組成物のバインダーとして好適
に用いられる。
本発明により得られる共重合体ラテックスのゲル含量
は、好ましくは5%以上、さらに好ましくは10〜98%で
あり、粒子径は、通常700〜3000Å、好ましくは700〜25
00Åである。
[実施例] 以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、
本発明は実施例に何ら限定されるものではない。なお、
実施例中に用いられる「%」および「部」は、「重量
%」および「重量部」を意味する。
(1)シードラテックスの製造 (シードラテックスA) 容量100の耐圧反応容器に、アクリル酸4部,スチ
レン76部,ジビニルベンゼン20部,ドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム30部,過硫酸カリウム1.5部を仕込
み、窒素雰囲気下において温度80℃で2時間重合した。
その結果、重合転化率99%以上で、本発明の範囲に属す
るシードラテックスを得た。これを「シードラテックス
A」とする。
(シードラテックスB〜E,およびa) 第1表に示した重合成分,重合条件を用いた他は、シ
ードラテックスAと同様に重合を行い、本発明の範囲に
属する4種のシードラテックスB,C,D,Eおよび本発明の
範囲に属さない1種のシードラテックスaを得た。
(2)シード重合による共重合体ラテックスの製造 (実施例1) 容量100の耐圧反応容器に、シードラテックスA1
部,イタコン酸3部,アクリル酸1部,ブタジエン22
部,スチレン48部,メチルメタクリレート10部,アクリ
ロニトリル5部,α−メチルスチレンダイマー1.5部,
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.1部,水200
部,過硫酸カリウム0.8部を仕込み、窒素雰囲気下にお
いて、温度60℃で5時間重合した(1段目重合)。さら
に、重合継続中において、ドデシルベンゼンスルホン酸
ナトリウム0.15部を重合開始後2時間目および4時間目
に2回に分けて分割添加した。
次に、ブタジエン6部,スチレン2部,メチルメタク
リレート3部を2時間にわたって連続的に添加して重合
を行った(2段目重合)。その後重合を完結するため
に、4時間にわたって反応(熟成)を継続し、重合転化
率99%で重合を終了した。
次いで、得られた共重合体ラテックスを水酸化ナトリ
ウムを用いてpH7に調整した後に、水蒸気を吹き込んで
未反応単量体を除去し、さらに加熱減圧蒸溜によって共
重合体ラテックスの固形分濃度を50%とした。このよう
にして実施例の共重合体ラテックスを得た。
なお、ここで使用したα−メチルスチレンダイマー、
および以下の実施例,比較例で使用するα−メチルスチ
レンダイマーは、下記のものである。
商品名:ノフマーMSD(日本油脂株式会社製) 組成 組成名 組成(重量%) 2−4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン92.0%
以上 2−4−ジフェニル−4−メチル−2−ペンテン 5.0%
以下 1−1−3−トリメチル−−3−フェニルインダン 1.5
%以下 α−メチルスチレン 1.0%以下 (実施例2,4〜6,8,10、比較例1〜3) 第2表に示した重合成分,重合条件を用いた他は、実
施例1の共重合体ラテックスと同様に重合を行い、実施
例に係る6種の共重合体ラテックスを得た。これらを実
施例2,4〜6,8,10とする。また同様にして比較例に係る
3種の共重合体ラテックスを得た。これらを比較例1〜
3とする。
(実施例3,7,9) 第2表に示した重合成分,重合条件を用い、さらに重
合開始後4時間目と6時間目にドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム0.2部を2回に分けて分割添加する以外
は、実施例1の共重合体ラテックスと同様に重合を行
い、実施例に係る3種の共重合体ラテックスを得た。こ
れらを実施例3,7,9とする。
(実施例11) 第2表に示した重合成分を用いた以外は、実施例1の
共重合体ラテックスと同様に重合を行い、共重合体ラテ
ックスを得た。
(3)共重合体ラテックスの物性 ゲル含量 前記(1),(2)で得られたシードラテックスなら
びに共重合体ラテックスについて以下の方法によりゲル
含量を求めた。
前記(1),(2)のラテックスをpH8.0に調整した
後、イソプロパノールで凝固し、洗浄した後、乾燥し
た。次に、約0.3gの試料を採取し、100mlのトルエンに2
0時間浸漬した後、トリエン不溶分を測定し、試料に対
する割合(%)を求めてゲル含量とした。
結果を第1表および第2表に示す。
凝固物量 前記(2)で得られた共重合体ラテックスについて、
以下の方法により重合中に発生した凝固物量を測定し
た。
共重合体ラテックス1kgを試料として採取し、これを4
00メッシュの金網でろ過し、金網上に残った凝固物量を
測定し、試料(固形分換算)に対する割合を求め、下記
の3段階で評価した。
○:0.05%以下(少ない) △:0.05〜0.1%(やや多い) ×:0.1%以上(かなり多い) 結果を第3表に示す。
反応器の汚れ 前記(2)で得られた共重合体ラテックスについて、
重合中に反応器に付着した汚れ(凝固物)を肉眼により
観察し、下記の3段階で評価した。
○:非常に少ない △:少ない ×:多 い 結果を第3表に示す。
(4)紙塗被用組成物の調整 前記(2)で得られた各共重合体ラテックスのうち、
実施例1〜10および比較例1〜3で得られた共重合体ラ
テックスを用い、下記の処方により紙塗被用組成物(カ
ラー)を調製した。
処 方 クレー 80部 (分散剤としてピロリン酸ナトリウム0.5部含有) 炭酸カルシウム 20部 共重合体ラテックス12部 酸化デンプン 5部 水 全固形分が60%になる量 得られたカラーは下記試験方法で評価した。なお、試
験に使用したコート紙は、カラーを坪量64g/m2の原紙に
コーティングブレードを用いて塗被量15g/m2で塗工して
得た。
(5)紙塗被用組成物およびコート紙の評価方法 コーティングカラーの機械的安定性 紙塗被用組成物液をガムアップテスターを用いてゴム
ロール間で練り、機械的剪断をかけた状態でゴムロール
上に凝固物が発生するまでの時間を測定する。
評価基準 ○:20分以上 △:10〜20分 ×:10分以下 凝固物の発生するまでの時間が長い程良好である。
RIドライピック:接着強度の指標 RI印刷機で印刷した時のピッキングの程度を肉眼で判
定し、5段階法で評価した。点数の高いものほど良好で
ある。測定回数6回の平均値で表示した。
RIウェットピック:耐水性の指標 RI印刷機でモルトンロールを用い、湿し水を与えて印
刷した時のピッキングの程度を肉眼で判定し、5段階法
で評価した。点数の高いものほど良好である。測定回数
6回の平均値で表示した。
ウエットラブ(Wet Rub): 耐水性および耐ロール汚れ性の指標 アダムステスターに15秒間試供し、分光光度計にてそ
の時得られる白濁水の透過率を測定した。数値を大きい
方が良い。
耐カレンダーロール汚れ性 スーパーカレンダー掛け前のコート紙の塗工面をラシ
ャ紙上にのせ、50℃,250kg/cmで10回スーパーカレンダ
ーに通す。このときコート紙のピッキング状態をラシャ
紙上の汚れで判定する。汚れの少ないものが耐カレンダ
ーロール汚れ性に優れる。
評価基準 ◎:汚れなし ○:ごくわずかに汚れが認められる △:やや汚れる ×:かなり汚れる 耐ブリスター性 両面印刷コート紙を調湿(約6%)した後、加熱した
オイルバスに投げ込み、ブリスターが発生するときの最
低温度(℃)を示した。
(6)評価結果 実施例1〜11においては、共重合体ラテックスを反応
器の汚れや微細凝固物の沈殿なしに製造することがで
き、実施例1〜10で得られた共重合体を用いたコート紙
の各特性については良好な結果が得られた。
これに対し、比較例1は本発明の範囲外のシードラテ
ックスを用いた例であり、実施例1〜10に比べて反応器
の汚れ,微細凝固物の発生,コーティングカラーの機械
的安定性において明らかに劣り、さらに接着強度,耐水
性,耐カレンダーロール汚れ性においても劣っている。
比較例2は、本発明以外の重合連鎖移動剤のみを使用
した例であり、反応器の汚れ,微細凝固物,コティング
カラーの機械的安定性に劣り、接着強度,耐カレンダー
ロール汚れ性も劣っている。
比較例3は、エチレン系不飽和カルボン酸単量体の使
用量が本発明の範囲より少ない例であり、反応器の汚
れ,微細凝固物,コーティングカラーの機械的安定性が
著しく劣っている。
[発明の効果] 本発明の共重合体ラテックスの製造方法によって得ら
れた共重合体ラテックスは、微細な凝固物が極めて少な
く安定性に優れ、紙塗被用をはじめとする各種接着剤、
カーペットバッキング剤、セメント改質剤、フォームラ
バー、ゴム,樹脂,繊維などの改質材、医薬品等に用い
ることができ、これを例えば紙塗被用組成物のバインダ
ーとして用いると、機械的安定性,接着強度,耐水性,
耐カレンダーロール汚れ性,耐ブリスター性等の特性が
バランスよく優れており、各種のコート紙の製造に極め
て有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C08F 279/02 236:04) (C08F 291/00 236:04) (72)発明者 西田 昌三 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−182559(JP,A) 特開 平3−182558(JP,A) 特開 昭60−168710(JP,A) 特開 昭57−185307(JP,A) 特開 昭53−121891(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)エチレン系不飽和カルボン酸単量体 0〜10重量%、 (b)エチレン系不飽和架橋性単量体 0〜40重量%、 (c)共役ジエン系単量体および/または前記(a)お
    よび(b)成分以外のエチレン系不飽和単量体 50〜100重量%、 を含む単量体を共重合したシードラテックスおよびα−
    メチルスチレンダイマーの存在下、 (d)エチレン系不飽和カルボン酸単量体 0〜10重量%、 (e)エチレン系不飽和架橋性単量体 0〜40重量%、 (f)共役ジエン系単量体および/または前記(d)お
    よび(e)成分以外のエチレン系不飽和単量体 50〜100
    重量%、 を含み、かつシードラテックスとは異なる組成の単量体
    を乳化重合することを特徴とする共重合体ラテックスの
    製造方法。
  2. 【請求項2】(a)エチレン系不飽和カルボン酸単量体
    0〜10重量%、 (b)エチレン系不飽和架橋性単量体 0〜40重量%、 (c)共役ジエン系単量体および/または前記(a)お
    よび(b)成分以外のエチレン系不飽和単量体 50〜100
    重量%、 を含む単量体を共重合したシードラテックスならびにタ
    ーピノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネンおよび
    ジペンテンから選ばれる少なくとも1種の化合物の存在
    下、 (d)エチレン系不飽和カルボン酸単量体 0〜10重量%、 (e)エチレン系不飽和架橋性単量体 0〜40重量%、 (f)共役ジエン系単量体および/または前記(d)お
    よび(e)成分以外のエチレン系不飽和単量体 50〜100
    重量%、 を含み、かつシードラテックスは異なる組成の単量体を
    乳化重合することを特徴とする共重合体ラテックスの製
    造方法。
  3. 【請求項3】(a)エチレン系不飽和カルボン酸単量体
    0.1〜10重量%、 (b)エチレン系不飽和架橋性単量体 0〜40重量%、 (c)前記(a)および(b)以外のエチレン系不飽和
    単量体 50〜99.9重量%、 を含む単量体を共重合したシードラテックスおよびα−
    メチルスチレンダイマーの存在下、 (g)共役ジエン系単量体 10〜60重量%、 (h)エチレン系不飽和カルボン酸単量体 0.5〜10重量%、 (i)前記(g)および(h)以外のエチレン系不飽和
    単量体 30〜89.5重量%、 を含む単量体を乳化重合することを特徴とする共重合体
    ラテックスの製造方法。
  4. 【請求項4】(a)エチレン系不飽和カルボン酸単量体
    0.1〜10重量%、 (b)エチレン系不飽和架橋性単量体 0〜40重量%、 (c)前記(a)および(b)以外のエチレン系不飽和
    単量体 50〜99.9重量%、 を含む単量体を共重合したシードラテックスならびにタ
    ーピノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネンおよび
    ジペンテンから選ばれる少なくとも1種の化合物の存在
    下、 (g)共役ジエン系単量体 10〜60重量%、 (h)エチレン系不飽和カルボン酸単量体 0.5〜10重量%、 (i)前記(g)および(h)以外のエチレン系不飽和
    単量体 30〜89.5重量%、 を含む単量体を乳化重合することを特徴とする共重合体
    ラテックスの製造方法。
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