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JP2622674B2 - 工業用ポリエステルヤーン及びそれから作られたコード - Google Patents

工業用ポリエステルヤーン及びそれから作られたコード

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Publication number
JP2622674B2
JP2622674B2 JP8091939A JP9193996A JP2622674B2 JP 2622674 B2 JP2622674 B2 JP 2622674B2 JP 8091939 A JP8091939 A JP 8091939A JP 9193996 A JP9193996 A JP 9193996A JP 2622674 B2 JP2622674 B2 JP 2622674B2
Authority
JP
Japan
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spinning
filament
cord
sheath
yarn
Prior art date
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Expired - Lifetime
Application number
JP8091939A
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English (en)
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JPH08325868A (ja
Inventor
ヘンリクス・フーベルトウス・ウイルヘルムス・フエイイエン
カール・アドー・ウアイガント
Original Assignee
アクゾ・ナームローゼ・フェンノートシャップ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by アクゾ・ナームローゼ・フェンノートシャップ filed Critical アクゾ・ナームローゼ・フェンノートシャップ
Priority to JP8091939A priority Critical patent/JP2622674B2/ja
Publication of JPH08325868A publication Critical patent/JPH08325868A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2622674B2 publication Critical patent/JP2622674B2/ja
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  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
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  • Artificial Filaments (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工業用途に向けら
れかつ少くとも500mN/texの強度を持つタイプの実質
上ポリエステルのマルチフィラメントヤーンおよびそれ
から作られたコードに関し、その製造方法は、溶融した
ポリマーの流れを多数の紡糸オリフィスを通して押し出
すこと、紡糸されたフィラメント束を冷却すること、場
合によりフィラメントを延伸すること、及び最後にそれ
らを集めることの連続した段階を含み、1600〜60
00m/分の紡糸速度を用い、紡糸オリフィスの各々に
おけるコアゾーン中のポリマー流の相対粘度が該コアゾ
ーンを取囲むシース(鞘)ゾーンにおけるよりも高い。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】上述したタイプの方法
は知られている。実際には、ここで言及する工業用ヤー
ンは、種々の目的たとえば車輛用の空気タイヤ及びコン
ベアベルト、を含む弾性体の強化、伝動ベルト、ロー
プ、縫い糸などのために大規模に用いられる。マルチフ
ィラメントヤーンは常に、多数の、たとえば15〜1,
000のフィラメントより成る。これらフィラメントの
各々は高い強度を持つけれど、それらの小さな太さつま
り低い個々の線密度の故に、それらの各々は低い破断伸
度しか持たない。高い合計線密度たとえばdecitex 30
0〜2,500の故に、マルチフィラメントの束又はマ
ルチフィラメントヤーンは十分に高い破断強力を持つ。
従って、上述の工業用途のためのマルチフィラメントヤ
ーンの実際の使用は、十分に高い密着性(コヒーレン
ス)がヤーンに与えられる、特には撚り又はからみ合い
により与えられる形に制限される。また、一般に二又は
それ以上の撚ったヤーンが更に一緒にされてコード又は
かせとされる。
【0003】上述の用途の総てにおいて共通に、それら
に含まれるフィラメントがかなり強く曲げられた状態に
ある。曲げ負荷にさらされる二成分フィラメントの場合
において通常のように、フィラメントの鞘(外側)ゾー
ン中の最も外側の「繊維」が最大の曲げ力にさらされ、
コア(中央)ゾーンのフィラメントは比較的かなり低い
曲げ力にさらされる。フィラメントのコアと鞘に加えら
れる負荷の差は、静的な曲げ負荷の代りに動的なつまり
強く変動する曲げ負荷がしばしば生じる場合、たとえば
自動車タイヤ及び伝動ベルトの強化コードの場合、実際
より重要になる。
【0004】たとえば約1,500m/分の中庸な紡糸
速度においてさえ、しかし特に高い紡糸速度においてマ
ルチフィラメントヤーンの場合、各フィラメントの横断
面にわたって測定される物理的特性は異なりうる。なぜ
なら、フィラメントの外側におけるフィラメントの比較
的速い冷却の結果として、各フィラメントの外側におけ
る分子の配向は、それらの核中におけるよりも大きい。
各フィラメントの断面にわたって、鞘ゾーン中の複屈折
はコアゾーン中におけるよりも大きい。そして、各フィ
ラメントの長さ方向を横切って、複屈折はフィラメント
のコア中におけるその最低値へと徐々に下る。実際に、
フィラメントは従ってそれらのコアにおいてアンダーロ
ードを受け(underloaded)、それらの鞘においてオーバ
ーロードを受ける(overloaded)かも知れない。このこ
とは、フィラメントが曲げ負荷にさらされるとき、更に
強調されうる。従って、ヤーンの実際に好ましい特性
は、完全に利用されない。一般に知られているように、
このことは実際に、撚り工程の間のコードの損傷、コー
ドの性能の制限を結果し、ロープ製造の間の損傷を生
じ、変動する負荷に対するコードの抵抗性を制限する。
“マロリーチューブ疲労テスト”(Mallory Tube Fatigu
e Test)で判る通りである。工業用途のマルチフィラメ
ントヤーンのこれら欠点は、まだ完全には克服されてい
ず、この状況は改善の余地がある。また、工業用のポリ
エステルヤーンに関して、数年の間、慣用の紡糸速度を
500〜900m/分から1,600〜2,000m/
分又はそれ以上に増加する傾向があり、多かれ少なかれ
予備配向されたヤーンをもたらす。紡糸プロセス及び延
伸プロセスは次には一緒にされて、集積された紡糸延伸
プロセスとされる。繊維用途たとえば衣類のためのポリ
エステルヤーンを紡糸するプロセスにおいて、1,60
0〜5,000m/分のより速い紡糸速度への変換はす
でに大規模に実際に導入されている。繊維用途のための
ヤーンに関して、特にフィラメントヤーンの合計線密度
は比較的低く、たとえばdecitex 50〜150であり、
また得られるヤーンの相対粘度は低く、たとえばηrel
=1.580であり、高い紡糸速度の使用は多くの大き
な問題を起さない。更に、ヤーンの低い合計線密度の故
に、経済的理由から紡糸装置当りより高い生産高の観点
で、繊維用途のポリエステルヤーンの製造において、よ
り高い紡糸速度への転換を多かれ少なかれせざるをえな
い。
【0005】溶融紡糸したヤーンにおいて、特定の用途
に適するヤーンを得るために分子の配向が起らねばなら
ないことが知られている。
【0006】たとえば700m/分の低い紡糸速度では
配向は主としてヤーンを延伸することにより行われる。
低い紡糸速度で得られる繊維ヤーンは、一般に3〜4の
ような低い比で延伸されることができ、一方、より高い
相対粘度(ポリエチレンテレフタレートの場合、ηrel
=1.880)を持つ工業用繊維は実際に望まれる物理
的特性たとえば強度、5%LASE値又は破断伸度を得
るために5〜6の比で延伸されなければならない。紡糸
速度が高ければ高いほど、得られるヤーンの分子配向度
は高くなる。望む物理特性を得るために、高い紡糸速度
で得られるヤーンは、はるかに低い比、たとえば2又は
3で延伸されうる。ポリエチレンテレフタレートヤーン
の物理特性に対する紡糸速度の影響の詳しい考察のため
に、H.M.ヒューベル(Heuvel)及びR.フィスマン
(Huisman)、“高速度繊維紡糸.科学及びエンジニアリ
ング面”(High speed fibre spinning. Science and En
gineering Aspects ),アンドレイツイアビキ(Andrze
j ziabicki)とヒロミチカワイ(Hiromichi Kawai)編,
1985年,ウイリーアンドサンズ社,ニューヨーク,
第295〜331頁を参照できる。
【0007】衣服のために用いられ、製織プロセスに付
されるところの紡糸の間に予備配向される軽テキスタイ
ルヤーンの6000m/分までの紡糸速度での製造が実
に長い間工業的規模で実施されてきたことを考えれば、
車輛タイヤの強化に用いられるようなタイプのより重い
工業用ヤーンの場合に6000m/分までの紡糸速度へ
転換することは原理的に明らかである。しかし、これら
紡糸速度が工業用ヤーンに用いられるとき、出来上がっ
たヤーン(これは所望により特に望まれる比で後延伸さ
れうる)は、慣用の速度で作られるヤーンの物理特性と
いくつかの点でかなり異る物理特性を示す。たとえば、
出来上りの延伸されたポリエステル工業用ヤーンの16
0℃の熱空気中で測定した収縮は、6000m/分へ紡
糸速度を増加するにつれて減少する。しかしこのこと
は、たまたま特別の利点である。なぜなら、これらヤー
ンから作られそして一般には弾性物質への粘着を促進す
るために浸漬を行われるコードは、比較的低い収縮を持
つ。高速度で作られた工業用ヤーンからのコードの場合
に、可能最低の収縮が同じ高いモジュラスで得られるこ
とが特に重要である。高いモジュラス/収縮比(高い寸
法安定性とも云われる)は、車輛タイヤにおける強化コ
ードの用途に関して極めて重要であり、タイヤの製造プ
ロセスにおいて及び道路上でのタイヤの質及び挙動に関
して重要な役割を演じる。これらの最後に述べた特性の
観点で最も適当な高速紡糸された又は紡糸延伸されたポ
リエステルタイヤヤーンは、HMLSタイプ(高モジュ
ラス,低収縮)のものである。しかし、工業用ポリエス
テルフィラメントヤーンのたとえば1600〜6000
m/分での紡糸延伸又は高速紡糸の周知のプロセスは、
ヤーン及び浸漬されたコードの破断強度が、低紡糸速度
で得られたヤーンのそれ及びそれから作られたコードの
それよりかなり下に下るという欠点を持つ。これら工業
用ヤーンの実際的使用はそれらの高い強度に大きく基づ
いているので、破断強度の低下、また延伸されたヤーン
及びそれから作られたコードの破断強度低下の現象は今
のところ、ポリエステル工業用ヤーンの製造における高
い紡糸速度の実際の使用に対するかなりの欠点を形成し
ている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、工業用途のた
めのポリエステルマルチフィラメントヤーンの製造のた
めの上述のタイプの方法を提供する。本方法は、上述の
欠点たとえばフィラメントの各々の横断面にわたる分子
配向の不都合な変化及び結果としての強度の損失をもは
や示さない。また、好ましい高いモジュラス及び低い熱
空気収縮及び従って高いモジュラス/収縮比が保持され
る。本発明に従い、上述のタイプの方法はまず第一に、
各紡糸オリフィス中でコアゾーンと鞘ゾーンの間の相対
粘度(紡糸した生成物において測定して)の差が0.1
00より小さくかつ0.003以上であり、より好まし
くは0.080〜0.003、より好ましくは約0.0
40〜0.003又は0.040〜0.010であるこ
とを特徴とする。驚くべきことに、紡糸速度の増加と共
に、強度の損失の明瞭な減少が起ることが見い出され
た。更に、より高い紡糸速度は、フィラメントの各々に
おけるコアと鞘の間の分子配向の差の減少を伴う。本発
明に従い、紡糸速度は、1600〜6000m/分の範
囲、好ましくは約4000m/分である。本明細書にお
いて紡糸速度という言葉は、紡糸装置の下流に位置され
る最初の駆動されるヤーン前進ロールの周速度と理解さ
れるべきである。しかし、紡糸において巻取りユニット
と紡糸口金の間で駆動されるヤーン前進ロールが用いら
れないなら、巻取り速度が紡糸速度ととられる。本発明
のヤーンの製造方法は特に、用いられるポリエステル
が、1.700〜2.400、好ましくは約1.900
の相対粘度(紡糸された生成物において測定して)を持
つポリエチレンテレフタレートであることを特徴とす
る。更にこの方法は、コアゾーン及び鞘ゾーンで用いら
れるポリエステル物質が実質上同じ構造単位から成るこ
とを特徴とする。実質上ポリエステルから形成されるヤ
ーンという言葉は、本明細書において85重量%を越え
るエチレンテレフタレートユニットを含むヤーンを指す
と理解されるべきである。
【0009】本発明に従う好ましい実施態様は、各紡糸
オリフィスにおいてポリマー流中のコアゾーンと鞘ゾー
ンは特定の半径距離におよび、同心円的であり、コアゾ
ーンはポリマー流中の中心から半径的に外側に広がり、
鞘ゾーンはポリマー流の外周から半径的に内側に広がる
ことを特徴とする。
【0010】本発明に従う方法の単純な実施態様は、各
オリフィスにおいて、溶融したポリマーの相対粘度がポ
リマー流の中心からその外周へ向かって一段階以上で減
少することを特徴とする。
【0011】一つの特定の相対粘度の溶融ポリマーの流
れが用いられる効果的な実施態様は、該ポリマー流れが
二又はそれ以上の部分流の分割され、これらは、たとえ
ば加熱及び/又は滞留時間に関係して部分流の間の相対
粘度の差をもたらすような異る処理に付されることを本
発明に従い特徴とする。一つの同じ特定の相対粘度の溶
融ポリマーの流が用いられるなら、本発明に従う方法は
また有利には、該ポリマー流が二以上の部分流に分割さ
れ、少くとも一つの部分流が何らかの添加物たとえばポ
リグリコールを与えられ、その結果として一つの部分流
と他のポリマー流の間に相対粘度の差があることを特徴
とする。ある状況下では本発明に従う方法はまた、もし
紡糸オリフィスの各々におけるポリマー流中の相対粘度
の差が、別々のエクストルーダーから紡糸装置に各々供
給される実質上同じ化学組成のポリマーで、しかし異る
相対粘度の二以上のポリマー流を合流することにより引
き起こされることが特徴とされるなら、単純なやり方で
実現されうる。
【0012】本発明に従う方法は、相対粘度の上記の差
を加熱された紡糸装置において引き起すことにより特に
実際的やり方で実現されうる。本発明に従い本方法は、
紡糸装置を流通するポリマーのうち、比較的高い相対粘
度を持つコアゾーンを形成すべきポリマー流の一部の滞
留時間及び/又は温度が、より低い相対粘度を持つ鞘ゾ
ーンを形成すべきポリマー流の他部の滞留時間及び/又
は温度と異るようにして有利に実施される。ここではま
た、本発明に従う方法を実施するための装置を開示す
る。図2に示す紡糸装置により、上記方法が極めて簡単
なやり方で実現されうる。
【0013】鞘−コアタイプのマルチフィラメント二成
分ヤーンを紡糸するためのタイプより少くとも部分的に
成る紡糸装置を用い、比較的高い相対粘度のポリマー流
の部分がフィラメントコアを形成するためのチャンネル
を通して各紡糸オリフィスの中心に供給され、より低い
相対粘度のポリマー流の部分がフィラメント鞘を形成す
るためのチャンネルを通して供給されることによって紡
糸方法が実施されることを本発明に従い特徴とする方法
を用いて、特に好ましい結果が得られた。
【0014】フィラメント束が紡糸オリフィスを通過し
た後に、それは所望により、熱い管を通される。
【0015】本発明は、上記方法に従い得られ、好まし
くはポリエチレンテレフタレートより形成されるマルチ
フィラメントヤーンに関し、該ヤーンは、少くとも15
フィラメント、好ましくは15〜1000フィラメント
より構成される出来上りの延伸されたマルチフィラメン
トが少くとも70decitex (デシテックス)好ましくは
300〜2500decitex の線密度を持ち、かつ、下記
の特性 700〜1000mN/texの強度,375〜600mN/tex
の比5%LASE,5〜20%,特には7〜17%、好
ましくは約9.5%の破断強度,160℃で測定して
0.5%以上3.7%未満の熱空気収縮 1.700〜2.200,好ましくは約1.900の紡
糸フィラメントの平均相対粘度を持つことを特徴とす
る。
【0016】本発明に従う方法は有利には、ヤーンを延
伸する前にそれが、弾性物質への粘着を促進するための
剤、たとえばエポキシ基含有化合物又は保護されたイソ
シアネート基及びヒドロキシル基含有化合物により処理
されることを特徴とする。本発明に従い、本方法は好ま
しくは、延伸されたヤーンのカルボキシル末端基含有量
が18ミリ当量/ヤーンkg未満、特には3〜8ミリ当量
/kgであるように実施される。
【0017】本発明に従う方法の効果的実施態様は、紡
糸オリフィスの各々において比較的高い相対粘度のコア
ゾーンを形成するためのポリマー物質が50〜90体積
%、好ましくは約75体積%を成し、より低い相対粘度
の鞘ゾーンを形成するポリマー物質が50〜10体積%
を成すことを特徴とする。
【0018】本発明はまた特に、互に撚られた本発明に
従う二以上のマルチフィラメントヤーンより成るコード
を含む。本発明は特には、弾性体及び他の対象たとえば
車輛用空気タイヤ、伝動ベルト、ホース、コンベヤーベ
ルトなどの強化のために用いられるタイプの実質上ポリ
エステルのコードを包含し、該コードは好ましくはポリ
エチレンテレフタレートより成り、上述の二段階浸漬処
理により弾性物質への粘着を改善するために浸漬による
コードの処理後かつdtex1100(Z393)×2(S
393)のコードに関して、コードの強度が560〜8
50mN/texの範囲にあり,コードの破断伸度が8〜25
%,特に10〜20%の範囲にあり,コードの比5%L
ASEが215〜350mN/texの範囲にあり,180℃
で測定された熱空気収縮が0.5%以上3.4%未満の
範囲にあり,マロリーチューブ疲労値が115〜100
0の範囲にあることを特徴とする。
【0019】本発明はまた、成形された弾性体たとえば
車輛用空気タイヤを包含し、該目的物は、本発明に従う
ヤーン又はコードにより強化されている。本発明は更
に、車輛用、特には乗用車用のラジセルプライタイプの
空気タイヤを包含し、該タイヤは、本発明に従うコード
より実質的に形成されるカーカスを含むことを特徴とす
る。本発明は更に、本発明に従うコードから作られた網
(tow)を包含する。本発明に従うヤーンは、特にそれら
がポリエチレンテレフタレートより成る場合に、縫糸と
して又はシートベルトの製造において有利に利用でき
る。
【0020】
【発明の実施の態様】上述のように、特にポリエステル
ヤーンの高速紡糸において、本発明に従う方法が用いら
れるときヤーンの破断強度の低下が慣用方法で得られた
高速ヤーンのそれよりも少ないこと、及び高紡糸速度た
とえば4000m/分で低い熱空気収縮が保持されるこ
とが驚くべきことに見い出された。本発明のヤーンから
作られた浸漬されたポリエステルコードは、高いモジュ
ラス値及び約2.5%の低い熱空気収縮値の組合せの高
いモジュラス/収縮比及び約175のマロリーチューブ
疲労値の故に特に好ましい。
【0021】本発明に従う方法の驚くべき効果は完全に
は説明がつかないが、この効果はフィラメントの鞘ゾー
ンにおけるより低い値の相対粘度に特に依り、その結果
として、より速い紡糸速度におけるこの鞘ゾーンにおけ
るより速い冷却はフィラメントの鞘ゾーン及びコアゾー
ンの間の配向の差を全く又は少ししか起こさないと考え
られる。一般に紡糸に続く延伸操作において、フィラメ
ントの全横断面にわたる分子配向は最適であり、鞘ゾー
ンとコアゾーンで同程度であることができる。要する
に、本発明に従う方法は、フィラメント中のコアポリマ
ーと鞘ポリマーの間の相対粘度の差の程度を予め設定す
ることにより、紡糸されたフィラメントの横断面にわた
る分子配向の変化が影響されうることを示す。紡糸オリ
フィス当り高いポリマー通過量、たとえば3.5g/分
より多い場合にも、本発明の原理すなわちフィラメント
の横断面にわたる分子配向の変化の制御は、なお妥当す
ることが判った。意図されるヤーン特性に依存して、本
発明に従う方法は、フィラメントの横断面にわたる複屈
折が深いへこみ(コアでの複屈折が鞘でのそれより低
い)又は実質上素直ぐな線を示すように実施されうる。
あるいは、本発明に従う方法は、フィラメントの横断面
にわたる複屈折が逆へこみ(コアでの複屈折が鞘でのそ
れより高い)を示すようであることができる。
【0022】図6,7,8及び9を引用して更に本発明
に従う方法を説明する。これらは、一つの紡糸されたフ
ィラメント43中の配向分布の拡大したスケールでの図
式的表現である。図6は、高速紡糸で得られた従来のフ
ィラメントを示し、異る相対粘度のコアゾーン及び鞘ゾ
ーンを紡糸オリフィスで用いていない。図6に示すフィ
ラメント43は、たとえば4000m/分での高速紡糸
により得られ、フィラメントの横断面にわたる複屈折は
フィラメントの中心線45上でかなり深いくぼみを持つ
沈下44を示す。複屈折がその尺度であるところの分子
配向は、フィラメントの横断面にわたり同じ沈下を示す
であろう。図6に従うフィラメントの外側ゾーンにおい
て、分子配向は従って、そのフィラメントのコアにおけ
るよりもかなり高い。
【0023】図7は本発明に従う一つのフィラメント4
3の図式的表現であり、これはまたたとえば4000m
/分の紡糸速度で得られる。本発明に従いそれはCと示
されるコアゾーン46を含み、そこでは相対粘度はSに
より示される鞘ゾーン47におけるよりも高い。横断面
にわたる理論的複屈折及び従って分子配向は実線48に
より示される。線48の形から、フィラメントのコアゾ
ーン46における元来のくぼみの後に複屈折及び従って
分子配向は比較的低粘度の鞘ゾーン47の境界で急激に
低下し、その後それらはフィラメントの外側に向かって
再び少しずつ増大することが明らかである。図6と比べ
て、図7における線の形は、フィラメントの横断面にわ
たる複屈折及び分子配向の差が本発明に従う方法の使用
によりかなり低減されていることを示す。図7の点線4
9はまた、本発明に従う方法が適用されなかった場合の
複屈折のおよその傾向を示す。
【0024】図8は再び、従来法に従い紡糸された一つ
のフィラメント43を示し、異る相対粘度のコア及び鞘
ゾーンが紡糸オリフィスにおいて用いられていない。図
8のフィラメント43は、比較的中庸な紡糸速度たとえ
ば800m/分で得られる。そのような中庸な紡糸速度
において、冷却はフィラメントのコアから鞘への僅かな
温度勾配を伴う。従って複屈折及び分子配向は、図8の
線50から明らかなようにフィラメントの横断面にわた
り事実上線形の傾向50を示す。
【0025】図9は、やはり800m/分の紡糸速度で
得られるヤーンの一つのフィラメント43の図示的表示
である。より高い相対粘度のコアゾーン51(C)及び
より低い相対粘度の鞘ゾーン52(S)が与えられる。
従ってこの方法は、複屈折及び分子配向が原則としてフ
ィラメントの横断面にわたり高められた傾向53を示
す。横断面にわたる分子配向のそのような傾向は原則的
に、曲げ負荷及び疲労に対するヤーンのより高い抵抗性
をもたらし、その結果、コードの損傷は減少され、より
高い結び強度が得られ、コードの有効性が改善されう
る。
【0026】本発明に従う方法において、フィラメント
の鞘及び/又はコアに特別の物質を所望により加えるこ
とができる。これに関して、弾性体への粘着、加水分解
安定性及び光安定性を与える物質の使用が考えられる。
【0027】従来技術に関しては、下記が述べられなけ
ればならない。
【0028】ヨーロッパ特許第0,080,906号
は、技術的用途たとえば車輛タイヤ,Vベルト及びコン
ベアベルトのような弾性体の強化のためのポリエチレン
テレフタレートマルチフィラメントヤーンの製造方法を
述べる。それはまた、ポリエステル工業ヤーンの製造に
おいてより高い紡糸速度すなわち2000,2500及
び3500m/分の使用を提案する。ヨーロッパ特許第
0,080,906号は、35〜80℃、好ましくは6
0〜80℃の加熱空気を吹きつけることによってフィラ
メント束の冷却を遅らせることを含む異る方法を用いる
ことによって、高速で紡糸されたヤーンの質を改善する
ことを提案する。この処理はまた、フィラメントのコア
と鞘の間の複屈折の差を低下させることをねらってい
る。加熱空気による冷却は、それがヤーン質の改善をも
たらしうる特定の条件下ではそのままで有用な工程であ
る。しかし、この工程は、限られた程度にのみ適用可能
である。というのは、熱空気による冷却は、紡糸オリフ
ィス当り生産量が比較的少い場合にのみ有効であり、
3.5g/分より高い生産性の場合には有効でない。そ
の場合に、4000m/分の紡糸速度では明らかに、ヨ
ーロッパ特許第0,080,906号の方法の使用は各
フィラメントの横断面にわたる複屈折の不当に大きな差
を結果し、従って工業用ヤーンに望まれる高強度、高モ
ジュラス及び低収縮が達成できない。このことはまた、
ヨーロッパ特許第0,080,906号でも認識されて
いる(第15頁第23〜27行、第16頁第106行参
照)。本発明は別の方法を提供し、それによって高強
力、高モジュラス及び低収縮が、約4000m/分の紡
糸速度及びたとえば4.17g/分の紡糸オリフィス当
りの生産量でさえ達成できる。
【0029】日本国特許出願昭56−30559号(公
開昭57−149513号)は、繊維用途すなわち外衣
など、ならびに工業用途たとえばタイヤコードに向けら
れた鞘−コアタイプの二成分ポリエチレンテレフタレー
ト(petp)マルチフィラメントヤーンに関する。そこでは
フィラメントのコアは、鞘を形成するpetpタイプBより
も高い固有粘度及び従って高い相対粘度を持つpetpタイ
プAより成る。この公開公報は、高い固有粘度のpetpを
低い固有粘度のそれと組合わせることにより二つのポリ
マーの好都合な特性から利益を得るというアイデアに基
づいている。なぜなら、比較的高い固有粘度のpetpは自
体より高い強力を持ち、しかし比較的低いモジュラス/
収縮比を持つ。比較的低い又は中程度の高い固有粘度の
petpは自体より良いモジュラス/収縮比を持つが、しか
し比較的低い強度を持つ。或る用途及び特定の紡糸条件
にはこの日本国特許出願公開の基本的アイデアは好まし
い結果をもたらすかも知れないが、この公知法は、その
強度及びモジュラス/収縮比が工業用ヤーンの要件を満
足しないヤーンをもたらすと考えられる。このことは、
コアと鞘の間の固有粘度のかなり大きな差(0.10<
ηA −ηB <0.60)に特に原因し、たとえば200
0〜4000m/分の比較的高い紡糸速度でそうであろ
う。相対粘度で表現される固有粘度の上記の差は約0.
108<ηA−ηB <0.648に対応することを付け
加えねばならない。記述によれば、この日本国特許出願
公開は100〜1500m/分の紡糸速度に関する。
【0030】日本国特許出願昭56−30559号と全
く同様に、日本国特許出願昭56−200226号(公
開昭58−104221号)は、二成分フィラメントの
製造において、各々高い及び低い粘度のpetpA及びBの
二つのタイプの利点を組合わせるアイデアに基づく。そ
れは、二つのpetpタイプA及びBを多層構造たとえば花
弁状に配置することを提案する。この最後に述べた構造
は、タイヤヤーンのような工業用途にはあまり適さない
と考えられる。
【0031】二つの上述の日本国特許出願公開(昭58
−149513及び58−104221)により意図さ
れる目的は、本発明の目的と全く異ることを付言しなけ
ればならない。これら二つの日本国特許出願公開は、固
有粘度又は相対粘度に相対的に大きな差がある二つのタ
イプのポリエステルの強力及びモジュラス/収縮のよう
な特性の配合に関する。
【0032】西独国特許2,747,803号は、自動
車タイヤのような工業用途に向けられたpetpマルチフィ
ラメントヤーンの製造法を記述する。それは、500〜
3000m/分の紡糸速度を用いることを提案し、この
方法では押出されたすぐのフィラメントは口金の下で、
動くフィラメントの供給方向と向流に冷却用空気を吹き
付けることにより固化され、その結果、かなり高い延伸
張力及び従って高い分子配向が得られる。この刊行物は
また、紡糸されたヤーンを特別の熱処理と組合せて後延
伸することを記載する。ある条件下でこの公知法はいく
つかの改善をもたらすが、この公知法は、極めてしばし
ばフィラメントの内側と外側の間に相対的に大きな差が
あり、従って特にヤーン及びコードの強度が最適であり
得ないという欠点を持つと考えられる。
【0033】米国特許3,963,678号は、タイ
ヤ、Vベルトの強化及び他の工業分野での使用に向けら
れたポリエステルモノフィラメントの製造方法を記述す
る。溶融紡糸は、エアーギャップ中に紡出し次に水浴中
で冷却することにより、モノフィラメントに慣用のやり
方で実施される。改善されたループ強度及びフィラメン
トの鞘におけるより低い複屈折を持つフィラメントを得
るために、約500〜600℃の温度の炉中での熱処理
と組合せて特別の二段階延伸法が提案されている。結果
として、モノフィラメントの外側はコアよりもはるかに
高い温度を持つであろう。米国特許3,963,678
号に従う方法は、フィラメントが互に付着し、これは許
容されないことなので、マルチフィラメントヤーンにお
いての使用に適さない。
【0034】米国特許4,195,051号及び4,1
34,882号は、約5000〜7500m/分の速度
でのポリエステルマルチフィラメントヤーンの高速紡糸
に関し、複屈折の小さな差が各フィラメントの鞘とコア
の間に備えられる。複屈折の小さな差は、各紡糸オリフ
ィスの壁におけるポリマーの温度が紡糸オリフィス中の
ポリマーの平均温度より少くとも5℃高いようにするこ
とにより起されうる。この方法は、テキスタイル用途の
マルチフィラメントヤーンの製造のために用いられるも
のであり、明らかにその目的としてテキスタイルヤーン
の染色性の向上を有する。この公知の方法はまた、テキ
スタイルヤーンにしばしば適用されるテキスチュアリン
グプロセスのための良好な出発ヤーンを与える。
【0035】ヨーロッパ特許0,056,667号は、
網及び魚網のような技術的用途のための二成分マルチフ
ィラメントヤーンの製造のための方法を記述する。それ
は、第一に黒色ヤーンの製造に関し、黒色顔料は不溶性
カーボンブラック粒子の形で存在する。フィラメント平
面におけるこれら顔料の存在の結果としての高価な機械
部品の過度の摩耗を防ぐために、各フィラメントの顔料
含有コアの周囲に顔料不含の鞘が備えられ、これはスピ
ンドローの場合に特に有利である。ヨーロッパ特許0,
056,667号に従う方法において、意図される目的
は本発明の目的と全く異る。得られるヤーンは、コアと
鞘とで顔料含量が異るフィラメントより成る。また、4
00m/分の比較的低い紡糸速度が用いられる。この刊
行物はたまたま、各々1.89及び1.85の相対粘度
のpetpの黒色顔料含有コア及び顔料不含鞘を持つフィラ
メントを述べる一実施例(表1、テスト6)を含むこと
を付言せねばならない。
【0036】オランダ国特許6,817,305号は、
テキスタイル用途のためのマルチフィラメントポリエス
テルヤーンの製造法に関する。ポリマーは二つの部分流
に分割され、部分流の一つに特別の液体たとえばポリグ
リコールが加えられ、これはポリマーと反応してその固
有粘度を変える。部分流は次に再び一緒にされ、サイド
バイサイド又は実施例IXにおけるような鞘−コアタイプ
のフィラメントより成る二成分マルチフィラメントヤー
ンへと紡糸される。鞘−コアタイプフィラメントを述べ
る唯一の実施例(IX)において、比較的低い固有粘度の
petpはコアにあり、比較的高い固有粘度のpetpは鞘にあ
り、この状況は本発明のそれと正に反対である。また、
オランダ国特許6,817,305号は、低い固有粘度
値すなわち0.50〜0.61(各々1.50〜1.6
1の相対粘度にほぼ対応)から明らかなように、テキス
タイル用途のヤーンに関する。
【0037】日本国特許出願昭41−61912(公告
昭44−21170)は、鞘及びコアがpetpであること
ができる鞘−コアタイプのポリエステル二成分ヤーンに
関する。フィラメントの鞘は、コアよりも少くとも0.
05小さい固有粘度を持つ。本特許開示の方法は、その
目的として、低粘性鞘をスーパー延伸すなわち配向なし
の延伸に付し、その結果、個々のフィラメントの鞘が互
に粘着し、従ってマルチフィラメントヤーンは製織又は
編立の間モノフィラメントとして加工されうるというも
のである。布地においてフィラメントの低粘度鞘は再び
分離され、マルチフィラメントが再び形成される。実施
例において、タイヤヤーンのような工業ヤーンに不適当
な0.60〜0.66の低い固有粘度のみが述べられて
いる。
【0038】日本国特許出願昭51−4575(公開昭
52−88678)は、結合されたフィラメントの不織
布の製造のための低粘性鞘と高粘性コアを持つpetpヤー
ンを記述する。鞘において比較的低い粘度を用いること
は、加工温度において積層されたウェブ中の低粘性鞘は
溶融して互に付着し、一方、コアは溶融しないことを結
果するであろう。狙いは、鞘とコアの間の融点の差を実
現するために鞘とコアの間の配向の最大可能な差を引き
起こすことである。このことは、本発明すなわち溶融紡
糸の間の鞘とコアの間の配向の差を除去するため及びた
とえば600m/分の低速紡糸において鞘に比較的いく
分低い分子配向を与えるために、鞘において低粘性ポリ
マーを用いることにより意図される結果と正に反対であ
る。実施例は極めて大きな複屈折の差を与え、これは本
発明の工業用マルチフィラメントの製造には許容できな
い。
【0039】日本国特許出願昭57−173798(公
開昭59−66507)は、そのスキンの固有粘度
(0.45〜0.55)がコアのそれ(0.60)より
低いところのpetpテキスタイルヤーンを作る超高速紡糸
法を記述する。6000m/分より高い紡糸速度が用い
られ、ヤーンは口金の下1mの距離以内で巻き取られ
る。その目的は、低速で紡糸されそして延伸されたヤー
ンとほぼ同じヤーン特性を持つテキスタイルヤーンの超
高速製造である。この文献に記述される紡糸条件下で、
高粘性ポリマーを工業用ヤーンへと加工することは不可
能である。
【0040】日本国特許出願昭57−173799(公
開昭59−66508)は、低粘性ポリマー(ηinh
0.63)を高紡糸速度(>3000m/分)でテキス
タイルヤーンに加工する方法を記述する。ポリマーの温
度より約100℃高い温度に口金を加熱することによ
り、鞘とコアの間の配向の差が低減でき、紡糸が後延伸
なしで、低速紡糸及び続いて延伸されたテキスタイルヤ
ーンと同じ特性のテキスタイルヤーンが得られるような
高速で実施されうる。この周知法は、高い固有又は相対
粘度のタイプの工業用ヤーンの製造に関せず、フィラメ
ントの鞘とコアの間の固有又は相対粘度の何らかの差に
ついて言及していない。
【0041】日本国特許出願昭58−15784(公開
昭59−144615)は、釣糸及び魚網のために用い
られる太いポリアミドモノフィラメントの線強度及び結
び強度を改善する方法を記述する。太いポリアミドモノ
フィラメントを紡糸するとき(これは水浴中で冷却され
る)、鞘とコアの間で分子配向の大きな差があるであろ
う。ポリマーの鞘のために比較的低粘性のポリマーを用
いることにより、より均一な分子配向が得られ、従って
より高い引張強度及び結び強度が得られるであろう。こ
の刊行物は、ポリエステルマルチフィラメントを紡糸す
る本発明に従う方法については全く言及していない。
【0042】オランダ国特許6,502,107は、ポ
リアミド、ポリエステルなどのクリンプしうるフィラメ
ントヤーンを紡糸する方法を記述する。溶融されたポリ
マーは二つの部分流に分けられ、その後、部分流の一つ
は他方の部分流の速度の1.5〜4倍速い速度を与えら
れる。部分流は再び一緒にされ、二成分ヤーンへと紡糸
される。一つの同じ紡糸オリフィス内での紡糸物質の流
速の差は、フィラメントが延伸される間の成分の予備配
向の差を生じるであろう。この公知法は、クリンプした
ヤーンの製造のようなテキスタイル用途に向けられる。
【0043】オランダ国特許6,910,882は、ポ
リアミド−6のクリンプされたステープルファイバーの
製造に関する。溶融物は二つの部分流に分けられ、その
一つは減圧処理に付されて、相対粘度の変化を結果す
る。部分流は再び一緒にされ、二成分ヤーンへと紡糸さ
れる。この方法は、クリンプしたステープルファイバー
の製造のようなテキスタイル用途に向けられる。
【0044】オランダ国特許6,512,920は、鞘
−コアタイプの二成分タイヤヤーンを記述し、コア及び
鞘は化学的に異るポリマーより成る。コアはポリエステ
ルであり、鞘はナイロンである。この公知法では紡糸速
度は300m/分と低い。
【0045】西独特許1,288,734は、弾性体を
強化するような工業用途に向けられたpetpフィラメント
ヤーンを溶融紡糸するための方法を記述する。この刊行
物において(第4欄第33〜64行)、糸束が口金の直
下で熱い管のような適当な加熱手段によりゆっくりとし
た冷却に付されることが提案される。この刊行物は50
0m/分より下の紡糸速度に関する。
【0046】西独国1,803,435号、オランダ国
6,807,158号、英国1,157,433号及び
日本国特許出願昭41−64837(公告昭44−25
04)は、ポリエステルからのクリンプしたテキスタイ
ルヤーンの製造方法を記述する。各紡糸オリフィスにお
いて異る相対又は固有粘度のポリエステルが二成分シス
テムに従って紡糸される。得られたフィラメントは、偏
心鞘−コア又はサイドバイサイドタイプである。
【0047】西独国特許3226346号は、ポリエス
テルタイアコードの記述を与え、タイヤにおける加硫後
のコード特性について言及する。明細書から、このコー
ドは2000m/分より速い速度で紡糸される通常の高
速紡糸ポリエステルヤーンから作られることは明らかで
ある。それは、鞘とコアの間の粘度の差の使用を開示し
ない。本発明の方法に従うコードの製造においては、得
られるコード特性は、西独国特許3226346号に従
い得られるものよりいくつかの点で、より好ましい。
【0048】西独国特許3207826号は、カーカス
がポリエステルコードにより強化されている空気タイヤ
を保護することに向けられる。明細書にコードの及びヤ
ーンのフィラメントの種々の特性が示される。とくに、
ポリエステルフィラメントにおいて、望むタイヤコード
特性を得るために鞘とコアの複屈折の比が1.03:1
と1.15:1の間にあるべきこと及び従ってくぼみ形
のプロフィールを示すことが要求される。本発明は、コ
アにおいて鞘におけるよりも高い粘度を用いて、西独特
許3207826号記載の複屈折の比を1.03より下
に下げることを意図する。
【0049】ヨーロッパ特許0,056,963号は、
鞘とコアの間の複屈折の差が100〜800×10-4
とくには100〜400×10-4の範囲に記載されるポ
リエステルヤーンを記載する。フィラメントの鞘とコア
の間の粘度の差を用いて本発明に従う方法の適用は、鞘
とコアの間の複屈折のこの差が100×10-4より小さ
くなることを結果する。本発明に従い、フィラメント内
の鞘とコアの間の複屈折の差はいく分マイナスになる
(フィラメントの横断面にわたる複屈折が逆へこみ
(凸)を示す)ことが好ましく、このことはより好都合
であり、より良いコード特性をもたらす。ヨーロッパ特
許0,056,963号は更に、ヤーンについて損失角
(loss angle)の接線のピーク温度が85〜100℃の
間にあるべきことを記述し、これがテキスタイル用途の
高速紡糸ヤーンの場合に望ましいとされる。工業用途に
向けられる本発明に従うヤーンでは、このピーク温度は
約115℃である。又、ヨーロッパ特許0,056,9
63号では損失接線の最大は0.115〜0.135の
間になければならず、これはテキスタイルヤーンのため
に要求される。本発明に従う工業用ヤーンでは、この損
失接線の最大は0.100より小さい。
【0050】本発明を添付図面により更に説明する。
【0051】図1は、本発明に従うマルチフィラメント
ヤーンの溶融紡糸の方法の単純化した図示的表示であ
る。エクストルーダー(図示せず)を通して溶融ポリマ
ーが高圧下で、加熱室1に供給される。これはいくつか
の部品より成る紡糸装置2を収容し、図2に拡大スケー
ルで示される。溶融ポリマーは、下方から見たとき矩形
である口金3中にある多数の紡糸オリフィス4を強制的
に適される。フィラメントが口金3から束5として出て
くる。フィラメント束5は、図式的に示すブローボック
ス6に通され、そこで束は室温の空気で冷却される。空
気は、束の運動の方向に横向きに、矢印7により示され
る方向にフィラメントへ吹きつけられる。フィラメント
束5は、次に仕上げ剤計量ユニット8と接触され、そこ
で適当な滑剤が慣用のように束のフィラメントに与えら
れる。次にマルチフィラメント束は、ヤーン束に正確な
速度を与えるための一組の前身ロール9及び10にまず
到達する。駆動されるロール9の周速度は、フィラメン
トが紡糸される速度を決定し、従って紡糸速度と呼ばれ
る。紡糸されたマルチフィラメントヤーンがロール10
を去った後に、それはパッケージ11へと巻かれる。ヤ
ーンが巻かれる速度は、紡糸速度にほぼ等しい。ヤーン
が巻き取られた後に、それは別の機械(図示せず)で望
む比で延伸される。しかし原則として延伸はまた、紡糸
機で連続的紡糸延伸プロセスで行うこともできる。自体
公知の紡糸延伸プロセスが用いられる場合、一又は二以
上の被駆動ロールより成る延伸具(図示せず)は、最初
の被駆動ロール9と巻取りボビンの間に備えられる。
【0052】図2に示す紡糸装置2は、上方ブロック1
2、中間プレート13及び口金プレート3より本質的に
成る。中間プレート13と口金プレート3の間の空間に
は仕切14及び15がある。種々の部品12,13,1
4及び15は、口金プレート3と上方ブロック12の対
応するグルーブを持つありつぎてを作るための下方及び
上方グルーブ17及び18を備えられるクランプ壁16
により互に保持される。紡糸装置の運転中、種々の部品
は緊密に締結され、溶融ポリマーにより発揮されるたと
えば200バールの高圧により互に保持される。装置は
適当には、パッキング物質でシールされる。紡糸装置中
でのポリマーの濾過は、平行フィルター19を通して行
われる。平行フィルター19は、曲りくねった線で示す
粗い目の支持網20及びフィルター網パック21の交互
のスタックより本質的に成る。支持網は、その外側円周
及びその内側円周上で交互にシールされる。平行フィル
ターの構成及び運転は自体公知であり、米国特許4,3
61,489号に詳しく記載される。
【0053】紡糸装置2の上方ブロック12には、たと
えばポリエチレンテレフタレートの単一の溶融ポリマー
が矢印22で示す方向で入口チャンネル23に供給され
る。ポリマーは次に、平行フィルター19の上側を被う
上方プレート24に流れ、そしてくびれを経て平行フィ
ルターに望む軸方向圧力を働かせる。次にポリマーは、
フィルターの外周と上方ブロック12の間の空間を下方
にかつ同時に支持網20を通って水平方向にそして次に
フィルター網パック21を通って、矢印で示すように流
れる。
【0054】本発明に従う特別の方法の観点において、
平行フィルター19は二つの部分26と27に分けられ
る。平行フィルターの上方部分26を通して濾過され
た、文字Sで示すポリマーは、矢印で示す道を通って中
央チャンネル28を経て、上方仕切14と下方仕切15
の間の空間29へと供給される。くびれ30を経てポリ
マーSは、仕切15の上端をこえて、口金プレート3中
の紡糸オリフィス4と同一線上にあるチャンネル31中
に流れる。平行フィルターの下方部分27を通して濾過
された、文字Cで示すポリマーは、矢印で示すようにチ
ャンネル32及び33を通って下方に流れ、そしてポリ
マー流Cがチャンネル31の正確に中心へ流れ込むよう
に流れる。すなわちポリマー流S及びCは、同心円的鞘
(S)−コア(C)配置でチャンネル31に流れ込む。
【0055】補助網34を経て、チャンネル31の同心
円的ポリマー流は、口金プレートの下端で終る紡糸オリ
フィス4の広がった入口チャンネル35へと進み、その
後、ポリマー流は糸36の形で外へ出るよう強制され
る。フィラメント36が冷却された後に、それらはフィ
ラメントヤーン束5を形成する。本発明に従い、平行フ
ィルターの下方部分27を通して濾過されたコポリマー
Cは平行フィルターの上方部分26を通して濾過された
鞘ポリマーSよりも短い滞留時間を持つので、紡糸オリ
フィス4に達したポリマー流Cは、ポリマー流Sよりも
大きな相対粘度を持つであろう。結局、各紡糸オリフィ
ス4において、一つの同じポリマー、特にはポリエチレ
ンテレフタレートのポリマー流が形成され、それは二つ
の同心円ゾーンすなわち鞘(S)ゾーン及びコア(C)
ゾーンを示し、コアゾーンの相対粘度は鞘ゾーンのそれ
より高い。紡糸オリフィス4の位置でのポリマー流の断
面図を図3に示す。比較的高い相対粘度を持つコアゾー
ン(C)と比較的低い相対粘度を持つ鞘ゾーン(S)の
間の境界は破線で示されている。
【0056】鞘とコアのポリマー流の相対粘度の差は、
一つのフィラメントが総てポリマー流Sからなり、他方
のフィラメントは総てポリマー流Cから成る二つのフィ
ラメントを紡糸することによって簡単な方法で原理的に
測定できる。これは、一つの場所でチャンネル33を閉
じ、別の場所での別のチャンネルの周辺のくぼみ30を
閉じることにより実現できる。従って、二つのフィラメ
ントの各々、すなわち鞘ポリマー流Sからのもの及びコ
アポリマー流Cからのものの相対粘度は別々に測定でき
る。
【0057】図4は、本発明に従う二又は三以上のマル
チフィラメントヤーンから作られたコード37の拡大ス
ケールでの見取り図である。二つのマルチフィラメント
ヤーンのコードの場合、これらヤーンの各々は、1メー
トル当り数百回の高いZ撚を持つ。コードは、二つのZ
撚ヤーンを同程度に、しかし反対方向(S)に互に撚る
ことにより、上記ヤーンから作られる。一般的なタイプ
のコードは,dtex1100(Z393)×2(S39
3)と呼ばれるコードである。このタイプのコードは、
decitex 1100の線密度及び1m当り393回のZ撚
を各々持つ二つのマルチフィラメントヤーンから形成さ
れる。二つのZ撚ヤーンは互にS方向に撚られて、1m
当り393回の撚を持つコードとされる。
【0058】コード37は、適合された構成で又は布の
形で、弾性体たとえば車輛タイヤ37の強化のために用
いることができ、その詳細は図5に示される。コードは
カーカスへと組み込まれ(その場合、一層39より成
る)、かつ/又はタイヤ38のトレッド42の下の二つ
のベルトストリップ40及び41の一つへと組み込まれ
ることができる。
【0059】フィラメントの横断面にわたる上述の複屈
折は、インターフアコ(Interphako)干渉顕微鏡により
測定される。分子配向の尺度である複屈折の測定は、ハ
ンドブックデルマイクロスコピー(Handbuch der Mikro
skopie),ベイエル(Beyer),VEBフェルラークテヒ
ニク(Verlag Technik),ベルリン,1973、に記載
される方法で行われる。
【0060】本明細書で述べる特性値、たとえばヤーン
及びコードの線密度、強度、破断強度、ヤーン及びコー
ドの5%LASE(規定の伸度での応力)及び比5%L
ASE、ヤーン及びコードの破断伸度、及びヤーン及び
コードの各々160℃及び180℃での熱空気収縮は、
ASTM D885M−1979に従い測定された。こ
れらテスト仕様からはずれて、熱空気収縮は、1N/tex
の予備張力で180℃で測定した。マロリーチューブ疲
労値は、ASTM D855−1967に従い測定され
た。このマロリーチューブ疲労テストにおいて、本発明
に従う又は従わないヤーン(表1及び2、実施例1、実
験B、C及びD、及び実施例2、実験F、G及びH)、
及び市販入手できるポリエステルヤーンDiolen(商標)
2000(表1、実験A)及びDiolen 2200T(表
2、実験E)のテスト片の両者について、破断までの平
均経過時間が測定された。標準のDiolen 2000サン
プルの破断までの測定された経過時間をx0 、及び本発
明に従う又は従わないヤーンの破断までの測定された経
過時間をxn として、式
【0061】
【数1】xn /x0 ×100 の結果がマロリーチューブ疲労値とされる。
【0062】本明細書においてモジュラスとは、mN/tex
で表わしたヤーン又はコードの全線密度について較正し
た5%LASEを云う。この較正された5%LASE
は、比5%LASEと云われる。
【0063】本明細書において、ポリエステルの相対粘
度(粘度比又は溶液粘度とも云われ,ηrelにより示さ
れる)は、紡糸された製品について測定された相対粘度
であると理解されるべきである。紡糸された製品とは、
押出されたすぐの、未延伸の、全く未処理のフィラメン
ト(仕上剤なし)を云う。この紡糸された製品につい
て、相対粘度は下記の手順により測定される:紡糸され
た製品1gを撹拌下にメタクレゾール(純度99.5%
超)100g中に125℃で40分間以内で溶解する。
得た溶液の粘度すなわち流出時間t1 (秒)を、1.2
5mm内径の毛細管を持つウベローデ粘度計により25℃
で測定し、同じ計器で測定した純粋な溶媒の流出時間
(秒)と比べる。相対粘度は次式:
【0064】
【数2】ηrel=t1 /t0 により計算できる。
【0065】もし、紡糸された製品が、125℃で40
分間後にメタクレゾールに溶解しないような結晶状であ
るなら、2,4,6−トリクロルフェノールとフェノー
ルの混合物(約7:10の比、密度d25=1.236±
0.001)(TCFFと云われる)が用いられる。T
CFF粘度は、上述したのと同様に測定される。このよ
うに得られたTCFF粘度は、次式:
【0066】
【数3】ηrel=0.808・x+0.198 (xは測定されたTCFF粘度)を用いて、メタクレゾ
ール中で測定される相対粘度に転換される。
【0067】メタクレゾールでのηrel測定の標準偏差
は、0.002である。
【0068】溶剤としてのTCFF混合物により得られ
るηrelの標準偏差は0.004である。
【0069】相対粘度の極めて小さな差を示すために、
いくつかの測定を行い、これらの測定の平均としてη
relを計算することにより標準偏差は所望により換算で
きる。
【0070】
【実施例】本発明を下記の実施例により更に説明する。 実施例1 二成分ヤーンを作るための機械でポリエチレンテレフタ
レートを紡糸する。同じ相対粘度の同じタイプの顆粒
(顆粒について測定してηrel=2.05)を各々供給
される二つのエクストルーダーを用いる。紡糸したすぐ
のフィラメントは、環境温度と同じ温度の空気を吹き付
けることにより冷却する前に、分離ゾーンを通る。次に
ヤーンは、二つのゴデットを通り、そして巻かれる。他
の紡糸データは表1に表す。実験B,C,Dでは、ヤー
ンは二重に集められ、そして次に二段階延伸に付され
る。第一延伸段階は、直径21cmの7つのピンで80℃
で行われる。次にヤーンは、10m長のスチーム延伸フ
レームで256℃のスチーム温度での第二延伸に付さ
れ、そして226m/分で巻き取られる。実験A,B,
C及びDにおける延伸プロセスの他のデータ及び延伸さ
れたヤーンの特性は、表1に示す。延伸されたヤーンは
撚られ、dtex 1100(Z393)×2(S393)
の構成のタイヤコードとされた。弾性物質への粘着を改
善するために、未加工コードは二段階浸漬処理に付され
る。浸漬されたコードの特性は表1に示される。本発明
に従うコードの二段階浸漬処理は、自体公知の下記の手
順を用いて行われる。連続的プロセスで、dtex 110
0(Z393)×2(S393)タイプのコードは、第
1浴を通されて、その中で予備浸漬され、次に第2浴を
通されて、その中でコードは主浸漬を受ける。第1浴と
第2浴の間で、コードは240℃の温度、10Nの張力
下で60秒間乾燥される。主浸漬が施与された後に、第
2浴を出たコードは、220℃で4.5Nの張力下で1
02秒間再び乾燥される。
【0071】予備浸漬(タイプD417)を与えるため
の約20℃の温度の第1浸漬浴は、5重量%の固形分含
量を持ち、第1浸漬浴の組成は下記の通りである: 脱鉱物化した水 876.4重量部 トラガカントガム(水中2重量%溶液) 20.0重量部 フェノールで保護された4,4′−ジフェニ ルメタンジイソシアネート(水中40重量% 90.0重量部 分散物)(ユニロイヤルケミカルから表示 LVBIとして市販入手できる) グリセロールのジグリシジルエーテル (ナガセ社より表示NER−010A 13.6重量部 として市販入手できる) 1000.0重量部 浸漬後の出来上った、二段階浸漬されたコード上に存在
する予備浸漬物の量は0.5〜1重量%である。
【0072】主浸漬(タイプRFL−D5A)を与える
ための第2浴(約20℃の温度)は、20重量%の固形
分含量を持ち、第2浸漬浴の組成は下記の通りである:樹脂群 予備縮合したレゾルシノールホルムアル デヒド樹脂(水中75重量%溶液) 28.6重量部 水酸化ナトリウム(水中5重量%溶液) 12.0重量部 ホルマリン(水中37重量%溶液) 20.8重量部 脱鉱物水 370.0重量部ラテックス群 ビニル−ピリジンラテックス(水中40重量% 分散物)(ゼネラルタイヤ社及びグッドイアー 415.4重量部 社から表示Gentac VPラテックス として市販入手できる) 水酸化アンモニウム(水中25重量%溶液) 25.0重量部 脱鉱物水 128.2重量部 1000.0重量部 浸漬された後の出来上った、二段階浸漬されたコード上
に存在する主浸漬物の量は、3〜4重量%である。実験
Aに関しては、紡糸及び延伸条件及び特性は、低速で慣
用のように(モノ)紡糸されたヤーンのためのものであ
る。すなわち、フィラメントの鞘とコアの間に相対粘度
の差はない。実験Bは低い紡糸速度の例であり、実験C
及びDは、本発明に従って行われた。すなわち、鞘とコ
アは、異る相対粘度を持ち、紡糸速度は各々500,2
000及び4000m/分であった。
【0073】実験B,C及びDにおいて、紡糸された製
品について測定したコアポリマーの相対粘度は鞘ポリマ
ーのそれより0.010〜0.030高かった。実験B
及びCにおいて、表1に述べる相対粘度は、やはり紡糸
された製品について測定したフィラメント中の鞘ポリマ
ー及びコアポリマーの平均粘度である。
【0074】最も目立つのは、実験Dの浸漬されたコー
ドの特性である。本発明に従い、低速で得られるのと同
じ強度、改善されたモジュラス又は比5%LASE及び
はるかに低い収縮の組合せ(すなわち優れたモジュラス
/収縮比)、及び改善された疲労抵抗(マロリーチュー
ブ疲労)を持つ浸漬されたコードが得られた。
【0075】
【表1】 実施例2 ポリエチレンテレフタレートを、二成分ヤーンを作るた
めの機械で紡糸し、次に実施例1で述べた条件で延伸す
る。しかし実験F,G及びHにおいて、体積比コア/鞘
は60/40である。他の紡糸、延伸及びコード処理条
件の総ては、実施例1のそれらと同じである。実験E
は、本発明に従わず、従って鞘とコアの間の粘度の差は
ない。低い紡糸速度の実験F、ならびに本発明に従う実
験G及びHにおいて、紡糸された製品で測定した紡糸オ
リフィス中のコアにおけるポリマーの相対粘度は、鞘に
おけるポリマーのそれより0.010〜0.030だけ
高い。実験F,G及びHにおいて、表2に述べる相対粘
度は、やはり紡糸された製品において測定されたフィラ
メント中の鞘ポリマー及びコアポリマーの平均粘度であ
る。
【0076】最も目立つのは、実験Hで得られた好都合
な特性である;すなわち高い紡糸速度(4000m/
分)にも拘らず、得られた製品は、コード強度の小さな
損失と高い比LASE−5%(246mN/tex)の組合
せ、極めて低い収縮(2.3%)及び優れたマロリーチ
ューブ疲労値(185)を示す。
【0077】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】溶融紡糸装置を示す。
【図2】拡大スケールでの紡糸装置を示す。
【図3】一つの紡糸オリフィス中のポリマー流の横断面
図である。
【図4】コードを示す。
【図5】車輛のための空気タイヤの詳細を示す。
【図6】大きく拡大したスケールでの一つのフィラメン
トの横断面にわたる複屈折を示す。
【図7】大きく拡大したスケールでの一つのフィラメン
トの横断面にわたる複屈折を示す。
【図8】大きく拡大したスケールでの一つのフィラメン
トの横断面にわたる複屈折を示す。
【図9】大きく拡大したスケールでの一つのフィラメン
トの横断面にわたる複屈折を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D01F 6/62 302 D01F 6/62 302A 8/14 8/14 B D06M 15/693 D06M 15/693

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工業用途に向けられ、少なくとも500
    mN/texの強度を持つタイプの実質上ポリエステル
    のマルチフィラメントヤーンであって、溶融されたポリ
    マー流を多数の紡糸オリフィスから押出すこと、紡糸さ
    れたフィラメント束を冷却すること、場合によりフィラ
    メントを延伸すること、及び最後にフィラメントを集め
    ることの連続した工程で、1600〜6000m/分の
    紡糸速度を用い、紡糸オリフィスの各々におけるコアゾ
    ーン中のポリマー流の相対粘度が該コアゾーンを取囲む
    鞘ゾーンのそれよりも高く、コアゾーンと鞘ゾーンの間
    の相対粘度の差が0.100より小さく、かつ0.00
    3以上であるようにして作られた、少なくとも15フィ
    ラメントから成り、少なくとも70デシテックスの線密
    度を持つ出来上りの延伸されたマルチフィラメントヤー
    ンが700〜1000mN/texの強度、 375〜600mN/texの比5%LASE、 160℃で測定して0.5%以上3.7%未満の熱空気
    収縮、 1.700〜2.200の紡糸フィラメントの平均相対
    粘度、 5〜20%の破断伸度を持つことを特徴とするヤーン。
  2. 【請求項2】 工業用途に向けられ、少なくとも500
    mN/texの強度を持つタイプの実質上ポリエステル
    のマルチフィラメントヤーンであって、溶融されたポリ
    マー流を多数の紡糸オリフィスから押出すこと、紡糸さ
    れたフィラメント束を冷却すること、場合によりフィラ
    メントを延伸すること、及び最後にフィラメントを集め
    ることの連続した工程で、1600〜6000m/分の
    紡糸速度を用い、紡糸オリフィスの各々におけるコアゾ
    ーン中のポリマー流の相対粘度が該コアゾーンを取囲む
    鞘ゾーンのそれよりも高く、コアゾーンと鞘ゾーンの間
    の相対粘度の差が0.100より小さく、かつ0.00
    3以上であるようにして作られた、少なくとも15フィ
    ラメントから成り、少なくとも70デシテックスの線密
    度を持つ出来上りの延伸されたマルチフィラメントヤー
    ンが700〜1000mN/texの強度、 375〜600mN/texの比5%LASE、 160℃で測定して0.5%以上3.7%未満の熱空気
    収縮、 1.700〜2.200の紡糸フィラメントの平均相対
    粘度、 5〜20%の破断伸度を持つマルチフィラメントヤーン
    から構成された二以上の撚られたフィラメントヤーンよ
    り成るコード。
  3. 【請求項3】 材料の強化のために用いられるタイプの
    コードであって、材料への粘着を改善するために二段階
    浸漬処理によりコードを処理した後において、dtex
    1100(Z393)×2(S393)タイプのコード
    に関してコードの強度が560〜850mN/texの
    範囲にあり、 コードの比5%LASEが215〜350mN/tex
    の範囲にあり、 180℃で測定された熱空気収縮が0.5%以上3.4
    %未満の範囲にあり、 マロリーチューブ疲労値が115〜1000の範囲にあ
    り、 コードの破断伸度が8〜25%の範囲にある特許請求の
    範囲第2項記載のコード。
  4. 【請求項4】580mN/texより高い強度、 230mN/texより高い比5%LASE、 2.6%より小さい、180℃で測定した熱空気収縮、 150より高いマロリーチューブ疲労値を持つ特許請求
    の範囲第3項記載のコード。
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