JP2606939B2 - 共重合体ラテックスの製造方法 - Google Patents
共重合体ラテックスの製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、共重合体ラテックスの製造方法の改良に関
するものである。さらに詳しくいえば、本発明は、紙塗
工用、カーペットバックサイジング用、繊維結合用など
のバインダー、あるいは粘接着剤用などとして好適な高
性能の共重合体ラテックスを効率よく製造する方法に関
するものである。
するものである。さらに詳しくいえば、本発明は、紙塗
工用、カーペットバックサイジング用、繊維結合用など
のバインダー、あるいは粘接着剤用などとして好適な高
性能の共重合体ラテックスを効率よく製造する方法に関
するものである。
従来の技術 従来、合成共重合体ラテックスは、例えば紙塗工用バ
インダー、カーペットバックサイジング用バインダー、
不織布や人口皮革などの繊維結合用バインダー、あるい
は各種材料の粘接着剤などとして広く用いられている。
そして、共重合体ラテックスがこのような用途に用いら
れる場合、該共重合体ラテックスは接着強度が高く、か
つ耐水性、乾燥加熱による耐ブリスター性などに優れて
いることが要求される。
インダー、カーペットバックサイジング用バインダー、
不織布や人口皮革などの繊維結合用バインダー、あるい
は各種材料の粘接着剤などとして広く用いられている。
そして、共重合体ラテックスがこのような用途に用いら
れる場合、該共重合体ラテックスは接着強度が高く、か
つ耐水性、乾燥加熱による耐ブリスター性などに優れて
いることが要求される。
例えば、塗工紙は、紙の印刷適性の向上及び光沢など
の光学的特性の向上を目的として、抄造された原紙表面
に、カオリンクレー、炭酸カルシウム、サチンホワイ
ト、タルク、酸化チタンなどの顔料、それらのバインダ
ーとしての共重合体ラテックス及び保水剤あるいは補助
バインダーとしてのスターチ、ポリビニルアルコール、
カルボキシメチルセルロースなどの水溶性高分子を主構
成成分とする塗料が塗工されたものであって、該共重合
体ラテックスとして、従来からスチレンとブタジエンを
主要単量体成分とし、これらを乳化重合して得られたス
チレン−ブタジエン共重合体ラテックス、いわゆるSB系
ラテックスが汎用的に用いられている。
の光学的特性の向上を目的として、抄造された原紙表面
に、カオリンクレー、炭酸カルシウム、サチンホワイ
ト、タルク、酸化チタンなどの顔料、それらのバインダ
ーとしての共重合体ラテックス及び保水剤あるいは補助
バインダーとしてのスターチ、ポリビニルアルコール、
カルボキシメチルセルロースなどの水溶性高分子を主構
成成分とする塗料が塗工されたものであって、該共重合
体ラテックスとして、従来からスチレンとブタジエンを
主要単量体成分とし、これらを乳化重合して得られたス
チレン−ブタジエン共重合体ラテックス、いわゆるSB系
ラテックスが汎用的に用いられている。
ところで、近年、カラー印刷された雑誌類やパンフレ
ット、広告類の需要の拡大に伴って塗工紙の生産が著し
く増大している。特に、オフセット印刷での高速印刷化
傾向に伴い、塗工紙及び顔料バインダーの品質に対する
要求水準もますます高度化しており、そのため、塗工紙
の品質の中でも特にインクピック抵抗性、いわゆるピッ
ク強度の向上が強く求められている。しかも、このピッ
ク強度性能は他の印刷物性、すなわち湿潤ピック強度、
耐ブリスター性、網点再現性などとは負の相関関係にあ
るため、これらの諸物性を高水準にバランス化させる改
良が一段と要求されている。
ット、広告類の需要の拡大に伴って塗工紙の生産が著し
く増大している。特に、オフセット印刷での高速印刷化
傾向に伴い、塗工紙及び顔料バインダーの品質に対する
要求水準もますます高度化しており、そのため、塗工紙
の品質の中でも特にインクピック抵抗性、いわゆるピッ
ク強度の向上が強く求められている。しかも、このピッ
ク強度性能は他の印刷物性、すなわち湿潤ピック強度、
耐ブリスター性、網点再現性などとは負の相関関係にあ
るため、これらの諸物性を高水準にバランス化させる改
良が一段と要求されている。
塗工化のこれらの性質は、顔料バインダーとして用い
られるSB系ラテックスの性能に特に強く依存することか
ら、これまで該SB系ラテックスの性能について種々の検
討が加えられてきた。
られるSB系ラテックスの性能に特に強く依存することか
ら、これまで該SB系ラテックスの性能について種々の検
討が加えられてきた。
例えば、共重合体ラテックスの皮膜のベンゼン、トル
エン、テトラヒドロフランなどの溶剤に対する不溶解部
分の割合がピック強度と耐ブリスター性の支配因子であ
ることが確認されていることから、この面より種々の検
討がなされており、具体的にはラテックス中の共重合体
の組成及びゲル分率を特定の範囲に調整することによ
り、優れた性能を発揮させることが提案されている(特
公昭59−3598号公報、特公昭60−17879号公報、特開昭5
8−4894号公報)。
エン、テトラヒドロフランなどの溶剤に対する不溶解部
分の割合がピック強度と耐ブリスター性の支配因子であ
ることが確認されていることから、この面より種々の検
討がなされており、具体的にはラテックス中の共重合体
の組成及びゲル分率を特定の範囲に調整することによ
り、優れた性能を発揮させることが提案されている(特
公昭59−3598号公報、特公昭60−17879号公報、特開昭5
8−4894号公報)。
しかしながら、一般的には塗工紙のピック強度はSB系
ラテックスにおいてそのゲル分率が75〜95重量%の範囲
で最も高くなるのに対して、耐ブリスター性はゲル分率
の低いものほど良好となることが認められており、ピッ
ク強度と耐ブリスター性の両方を同時に高い水準にまで
向上させるには、前記技術は、いずれも十分に満足しう
るものではない。
ラテックスにおいてそのゲル分率が75〜95重量%の範囲
で最も高くなるのに対して、耐ブリスター性はゲル分率
の低いものほど良好となることが認められており、ピッ
ク強度と耐ブリスター性の両方を同時に高い水準にまで
向上させるには、前記技術は、いずれも十分に満足しう
るものではない。
また、重合工程において、重合反応に不活性な水溶性
有機溶剤を使用することにより、ピック強度と耐ブリス
ター性に優れる共重合体ラテックスが得られることも知
られているが(特開昭63−235593号公報)、この場合、
該有機溶剤を多量に用いるため、得られたラテックスは
機械的安定性が劣るという欠点を生じる上、前記の要求
性能を十分に満たすには至っていない。
有機溶剤を使用することにより、ピック強度と耐ブリス
ター性に優れる共重合体ラテックスが得られることも知
られているが(特開昭63−235593号公報)、この場合、
該有機溶剤を多量に用いるため、得られたラテックスは
機械的安定性が劣るという欠点を生じる上、前記の要求
性能を十分に満たすには至っていない。
さらに、オフセット印刷における湿潤ピック強度に最
適なブタジエン単位の分率は34重量%以下であり、ピッ
ク強度の最適なブタジエン単位の分率とは相違するた
め、この両物性を同時に高い水準にすることは困難であ
った。
適なブタジエン単位の分率は34重量%以下であり、ピッ
ク強度の最適なブタジエン単位の分率とは相違するた
め、この両物性を同時に高い水準にすることは困難であ
った。
一方、グラビア印刷紙においては、良好な網点再現性
と塗工紙製造時の耐スーパーカレンダー汚れ適性が特に
重要であり、例えばグラビア印刷紙用として良好なバイ
ンダーが提案されているが(特開昭56−70071号公
報)、このものは高いブタジエン単位の分率に設計され
ているため、耐スーパーカレンダー汚れ適性をそこなう
ことなく、網点再現性を十分に満足しうる程度には改善
されるに至っていない。
と塗工紙製造時の耐スーパーカレンダー汚れ適性が特に
重要であり、例えばグラビア印刷紙用として良好なバイ
ンダーが提案されているが(特開昭56−70071号公
報)、このものは高いブタジエン単位の分率に設計され
ているため、耐スーパーカレンダー汚れ適性をそこなう
ことなく、網点再現性を十分に満足しうる程度には改善
されるに至っていない。
一方、カーペットバックサイジング用接着剤は、一般
に共重合体ラテックスに炭酸カルシウム又は水酸化アル
ミニウムなどの充填剤及び増粘剤などの他の添加剤を配
合した組成物である。この接着剤組成物は、タフテッド
カーペット、ニードルパンチカーペットなどの製造にお
いて、主にパイル(かさ糸)の脱落防止並びにジュート
などの二次基布との接着のために用いられる。したがっ
て、この場合カーペットの再重要物性である接着強度の
向上が当業界での最大の技術課題の1つであり、そのた
め、共重合体ラテックス及び組成物の配合面からの改良
検討がなされているが、これまで満足できる水準のもの
が得られていないのが実状である。
に共重合体ラテックスに炭酸カルシウム又は水酸化アル
ミニウムなどの充填剤及び増粘剤などの他の添加剤を配
合した組成物である。この接着剤組成物は、タフテッド
カーペット、ニードルパンチカーペットなどの製造にお
いて、主にパイル(かさ糸)の脱落防止並びにジュート
などの二次基布との接着のために用いられる。したがっ
て、この場合カーペットの再重要物性である接着強度の
向上が当業界での最大の技術課題の1つであり、そのた
め、共重合体ラテックス及び組成物の配合面からの改良
検討がなされているが、これまで満足できる水準のもの
が得られていないのが実状である。
他方、粘着剤は従来天然ゴムや合成ゴムなどを有機溶
剤に溶解し、基材に塗工して該有機溶剤を蒸発させるこ
とにより、製造されていたが、近年、火災の危険性や労
働衛生上の問題から、水を分散媒とするポリマー水分散
液(ラテックス)を利用する機運が高まり、ゴム−粘着
付与樹脂の組合せの水分散液が開発されつつある(特公
昭57−28545号公報、特開昭55−48270号公報、特開昭58
−160378号公報、特開昭58−183771号公報)。この合成
ゴムラテックスと粘着付与樹脂とを含有する水分散液
は、ラテックスの固形分100重量部に対し、粘着付与樹
脂50〜100重量部を加えた組成のものが一般的であっ
て、20〜23℃の測定温度においては良好な粘着物性を示
すが、0℃の温度における粘着力については満足できる
値が得られていない。また、粘着付与樹脂が存在しなく
ともゴムラテックスのポリマーのみで粘着物性を有する
ものも提案されている(特開昭56−145909号公報、特開
昭57−57707号公報)。しかしながら、このものはポリ
エチレンに対する接着力が極めて低いという欠点を有し
ている。
剤に溶解し、基材に塗工して該有機溶剤を蒸発させるこ
とにより、製造されていたが、近年、火災の危険性や労
働衛生上の問題から、水を分散媒とするポリマー水分散
液(ラテックス)を利用する機運が高まり、ゴム−粘着
付与樹脂の組合せの水分散液が開発されつつある(特公
昭57−28545号公報、特開昭55−48270号公報、特開昭58
−160378号公報、特開昭58−183771号公報)。この合成
ゴムラテックスと粘着付与樹脂とを含有する水分散液
は、ラテックスの固形分100重量部に対し、粘着付与樹
脂50〜100重量部を加えた組成のものが一般的であっ
て、20〜23℃の測定温度においては良好な粘着物性を示
すが、0℃の温度における粘着力については満足できる
値が得られていない。また、粘着付与樹脂が存在しなく
ともゴムラテックスのポリマーのみで粘着物性を有する
ものも提案されている(特開昭56−145909号公報、特開
昭57−57707号公報)。しかしながら、このものはポリ
エチレンに対する接着力が極めて低いという欠点を有し
ている。
このように、従来技術では塗工紙の印刷のより一層の
高速化に対応することができず、高品質の塗工紙の製造
を可能にするバインダーとしての共重合体ラテックスの
出現が強く求められているのが現状である。また、カー
ペット並びに粘接着剤においても同様に高接着力を有す
る共重合体ラテックスの出現が望まれている。
高速化に対応することができず、高品質の塗工紙の製造
を可能にするバインダーとしての共重合体ラテックスの
出現が強く求められているのが現状である。また、カー
ペット並びに粘接着剤においても同様に高接着力を有す
る共重合体ラテックスの出現が望まれている。
発明が解決しようとする課題 本発明は、このような事情のもとで、印刷用塗工紙に
おけるピック強度と他の性能とのバランスや、カーペッ
トバックサイジング及び粘接着剤における接着力をより
向上させるための高性能の共重合体ラテックスの製造方
法を提供することを目的としてなされたものである。
おけるピック強度と他の性能とのバランスや、カーペッ
トバックサイジング及び粘接着剤における接着力をより
向上させるための高性能の共重合体ラテックスの製造方
法を提供することを目的としてなされたものである。
課題を解決するための手段 本発明者らは、前記の高性能共重合体ラテックスの製
造方法を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、単量体とし
て、共役ジエン化合物とエチレン性不飽和カルボン酸と
共重合可能な他の単量体の少なくとも3種の単量体を用
い、水性媒体中においてこれらの単量体を乳化重合させ
る際に、特定の溶剤と連鎖移動剤とを存在させることに
より、その目的を達成しうることを見い出し、この知見
に基づいて本発明を完成するに至った。
造方法を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、単量体とし
て、共役ジエン化合物とエチレン性不飽和カルボン酸と
共重合可能な他の単量体の少なくとも3種の単量体を用
い、水性媒体中においてこれらの単量体を乳化重合させ
る際に、特定の溶剤と連鎖移動剤とを存在させることに
より、その目的を達成しうることを見い出し、この知見
に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、水性媒体中において、共役ジエ
ン化合物とエチレン性不飽和カルボン酸と共重合可能な
他の単量体との少なくとも3種の単量体を乳化重合させ
て共重合体ラテックスを製造するに当り、非重合性で水
に対する溶媒度が5重量%未満の、炭化水素類及びカル
ボン酸エステル類の中から選ばれた少なくとも1種の非
水溶性溶剤であって、かつ前記単量体の少なくとも1種
に対して相溶性を示し、生成する共重合体が膨潤ないし
溶解しうるもの及びこの溶剤に対し相溶性を示す連鎖移
動剤の存在下で重合反応させることを特徴とする共重合
体ラテックスの製造方法を提供するものである。
ン化合物とエチレン性不飽和カルボン酸と共重合可能な
他の単量体との少なくとも3種の単量体を乳化重合させ
て共重合体ラテックスを製造するに当り、非重合性で水
に対する溶媒度が5重量%未満の、炭化水素類及びカル
ボン酸エステル類の中から選ばれた少なくとも1種の非
水溶性溶剤であって、かつ前記単量体の少なくとも1種
に対して相溶性を示し、生成する共重合体が膨潤ないし
溶解しうるもの及びこの溶剤に対し相溶性を示す連鎖移
動剤の存在下で重合反応させることを特徴とする共重合
体ラテックスの製造方法を提供するものである。
本発明においては、乳化重合を行わせる際に、非重合
性であって、水に対する溶解度が5重量%未満の、炭化
水素類及びカルボン酸エステル類の中から選ばれた非水
溶性溶剤を存在させることが必要である。ここでいう非
重合性とは、ラジカル反応性のある二重結合を有しない
ことを意味する。また、該溶剤は重合反応以外のラジカ
ル反応、すなわち連鎖移動反応も起こりにくいことが望
ましく、特に60℃でのスチレンの溶液重合における連鎖
移動定数が10-3以下のものが望ましい。
性であって、水に対する溶解度が5重量%未満の、炭化
水素類及びカルボン酸エステル類の中から選ばれた非水
溶性溶剤を存在させることが必要である。ここでいう非
重合性とは、ラジカル反応性のある二重結合を有しない
ことを意味する。また、該溶剤は重合反応以外のラジカ
ル反応、すなわち連鎖移動反応も起こりにくいことが望
ましく、特に60℃でのスチレンの溶液重合における連鎖
移動定数が10-3以下のものが望ましい。
本発明においては、前記溶剤は、重合に用いる単量体
の少なくとも1種と相溶性を有し、かつ生成する共重合
体を膨潤ないし溶解しうることが必要である。ここでい
う相溶性とは該単量体に対する溶解度が5重量%以上で
あることを意味する。またここでいう膨潤とは以下に示
す膨潤度が1.5以上であることを、溶解とは以下に示す
不溶分量が5重量%以下であることを意味する。
の少なくとも1種と相溶性を有し、かつ生成する共重合
体を膨潤ないし溶解しうることが必要である。ここでい
う相溶性とは該単量体に対する溶解度が5重量%以上で
あることを意味する。またここでいう膨潤とは以下に示
す膨潤度が1.5以上であることを、溶解とは以下に示す
不溶分量が5重量%以下であることを意味する。
前記膨潤度及び不溶分量は以下の方法によって測定さ
れる。すなわち、得られた共重合体ラテックスを固形分
濃度50重量%に調整し、これを厚み0.5mmのキャスター
でガラス板上で塗布したのち、最低成膜温度より30℃以
上高い温度にて48時間加熱乾燥させ、次いで得られたフ
イルム0.5gを精秤し、該溶剤30mlを加え7日間静置す
る。次にこれを#325金網にてろ過し、網上残分を秤量
して湿潤残分重量とし、次いで減圧乾燥により溶剤を蒸
発させ乾燥残分重量を測定して、次の式により、膨潤度
及び不溶分量を算出する。
れる。すなわち、得られた共重合体ラテックスを固形分
濃度50重量%に調整し、これを厚み0.5mmのキャスター
でガラス板上で塗布したのち、最低成膜温度より30℃以
上高い温度にて48時間加熱乾燥させ、次いで得られたフ
イルム0.5gを精秤し、該溶剤30mlを加え7日間静置す
る。次にこれを#325金網にてろ過し、網上残分を秤量
して湿潤残分重量とし、次いで減圧乾燥により溶剤を蒸
発させ乾燥残分重量を測定して、次の式により、膨潤度
及び不溶分量を算出する。
前記溶剤は、重合終了後に減圧加熱などにより除去さ
れるので、その沸点は150℃以下、好ましくは100℃以下
であるのが有利である。該溶剤の使用量は、通常単量体
100重量部当り、0.1〜50重量部の範囲で選ばれる。この
量が0.1重量部未満では本発明の効果が十分に発揮され
ないし、50重量部を超えると重合収率が低下する傾向が
みられるとともに、溶剤回収量が多くなり、経済的に不
利となる。
れるので、その沸点は150℃以下、好ましくは100℃以下
であるのが有利である。該溶剤の使用量は、通常単量体
100重量部当り、0.1〜50重量部の範囲で選ばれる。この
量が0.1重量部未満では本発明の効果が十分に発揮され
ないし、50重量部を超えると重合収率が低下する傾向が
みられるとともに、溶剤回収量が多くなり、経済的に不
利となる。
前記の条件を満たす炭化水素類の例としては、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの直鎖状
又は環状のアルカン類やベンゼン、トルエンなどの芳香
族炭化水素類を挙げることができる。またカルボン類エ
ステル類の例としては、酢酸ヘプチルを挙げることがで
きる。これらの非水溶性溶剤は、単独で用いてもよい
し、2種以上混合して用いてもよい。2種以上混合して
用いる場合には、混合液として、前記の非水溶性、単量
体に対する相溶性、共重合体に対する膨潤性ないし溶解
性の条件を満たすことが必要である。
ン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの直鎖状
又は環状のアルカン類やベンゼン、トルエンなどの芳香
族炭化水素類を挙げることができる。またカルボン類エ
ステル類の例としては、酢酸ヘプチルを挙げることがで
きる。これらの非水溶性溶剤は、単独で用いてもよい
し、2種以上混合して用いてもよい。2種以上混合して
用いる場合には、混合液として、前記の非水溶性、単量
体に対する相溶性、共重合体に対する膨潤性ないし溶解
性の条件を満たすことが必要である。
この溶剤の使用方法については特に制限はなく、例え
ば一括前添加法、他の単量体や重合調整剤と共に又は別
個に追加添加する方法、断続追加添加法、あるいは添加
速度を連続的に変化させる濃度勾配追加添加法などの中
から任意の方法を選び用いることができる。前添加法の
場合は、シードラテックスに予め吸収させておくことも
できる。
ば一括前添加法、他の単量体や重合調整剤と共に又は別
個に追加添加する方法、断続追加添加法、あるいは添加
速度を連続的に変化させる濃度勾配追加添加法などの中
から任意の方法を選び用いることができる。前添加法の
場合は、シードラテックスに予め吸収させておくことも
できる。
本発明においては、所望に応じ、前記溶剤又は混合剤
とともにそれらの性能をそこなわない範囲内で、単量体
100重量部に対し5重量部未満の非重合性の水溶性溶剤
を併用することができる。この非重合性の水溶性溶剤と
しては、例えばメタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソプロパノール、ブタノール、アミルアルコー
ル、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタ
ンジオール、グリセロールなどのアルコール類、ジオキ
サン、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、
テトラヒドロフランなどの環状エーテル類、セロソル
ブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソ
ルブ類、アセトニトリルなどのニトリル類、N,N−ジメ
チルホルムアミドなどのアミド類などを挙げることがで
きる。
とともにそれらの性能をそこなわない範囲内で、単量体
100重量部に対し5重量部未満の非重合性の水溶性溶剤
を併用することができる。この非重合性の水溶性溶剤と
しては、例えばメタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソプロパノール、ブタノール、アミルアルコー
ル、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタ
ンジオール、グリセロールなどのアルコール類、ジオキ
サン、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、
テトラヒドロフランなどの環状エーテル類、セロソル
ブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソ
ルブ類、アセトニトリルなどのニトリル類、N,N−ジメ
チルホルムアミドなどのアミド類などを挙げることがで
きる。
本発明においては、連鎖移動剤として、前記非重合性
の非水溶性溶剤と相溶性を有するものを用いることが必
要である。ここでいう相溶性とは、該溶剤に対する連鎖
移動剤の溶解度が5重量%以上であることを意味する。
このような連鎖移動剤としては、例えばt−ドデシルメ
ルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、メルカプトエ
タノールなどのアルキルメルカプタン、チオグリコール
酸エチルヘキシル、テトラチオグリコール酸ペンタエリ
スリトールなどのチオグリコール酸エステル、ターピノ
ーレン、ジペンテン、t−テルピネン及び四塩化炭素な
どのハロゲン化炭化水素、スルフィドなどを挙げること
ができる。
の非水溶性溶剤と相溶性を有するものを用いることが必
要である。ここでいう相溶性とは、該溶剤に対する連鎖
移動剤の溶解度が5重量%以上であることを意味する。
このような連鎖移動剤としては、例えばt−ドデシルメ
ルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、メルカプトエ
タノールなどのアルキルメルカプタン、チオグリコール
酸エチルヘキシル、テトラチオグリコール酸ペンタエリ
スリトールなどのチオグリコール酸エステル、ターピノ
ーレン、ジペンテン、t−テルピネン及び四塩化炭素な
どのハロゲン化炭化水素、スルフィドなどを挙げること
ができる。
これらの連鎖移動剤の使用方法については特に制限は
なく、公知の方法、例えば一括前添加方法、連続追加添
加方法、断続追加添加方法、添加速度を順次変化させた
濃度勾配型添加方法などを用いることができる。
なく、公知の方法、例えば一括前添加方法、連続追加添
加方法、断続追加添加方法、添加速度を順次変化させた
濃度勾配型添加方法などを用いることができる。
本発明において用いられる共役ジエン化合物として
は、例えばブタジエン、イソプレン、2−クロロ−1,3
−ブタジエンなどが挙げられる。これらの共役ジエン化
合物は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用
いてもよく、また、その使用量は全単量体の重量に基づ
き5重量%以上、好ましくは凝集力の点から20〜70重量
%の範囲で選ばれる。この使用量が5重量%未満では得
られる重合体が脆すぎるし、70重量%を超えると軟らか
くなりすぎ、いずれの場合も高い凝集力が得られず、本
発明の目的が十分に達せられない。
は、例えばブタジエン、イソプレン、2−クロロ−1,3
−ブタジエンなどが挙げられる。これらの共役ジエン化
合物は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用
いてもよく、また、その使用量は全単量体の重量に基づ
き5重量%以上、好ましくは凝集力の点から20〜70重量
%の範囲で選ばれる。この使用量が5重量%未満では得
られる重合体が脆すぎるし、70重量%を超えると軟らか
くなりすぎ、いずれの場合も高い凝集力が得られず、本
発明の目的が十分に達せられない。
本発明において用いられるエチレン性不飽和カルボン
酸としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコ
ン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸などが挙げ
られる。これらのエチレン性不飽和カルボン酸は1種用
いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、
その使用量は全単量体の重量に基づき0.2重量%以上、
好ましくは0.2〜15重量%の範囲で選ばれる。この量が
0.2重量%未満ではラテックスの分散安定性が十分では
なく、塗料調製や塗工時において種々の問題が生じ、か
つピック強度も低いし、15重量%を超えるとラテックス
や塗料の粘度が高くなりすぎるとともに、耐水性が低下
する傾向がみられ好ましくない。
酸としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコ
ン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸などが挙げ
られる。これらのエチレン性不飽和カルボン酸は1種用
いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、
その使用量は全単量体の重量に基づき0.2重量%以上、
好ましくは0.2〜15重量%の範囲で選ばれる。この量が
0.2重量%未満ではラテックスの分散安定性が十分では
なく、塗料調製や塗工時において種々の問題が生じ、か
つピック強度も低いし、15重量%を超えるとラテックス
や塗料の粘度が高くなりすぎるとともに、耐水性が低下
する傾向がみられ好ましくない。
本発明において用いられる共重合可能な他の単量体と
しては、芳香族モノビニル化合物やジビニル化合物、ア
クリル酸エステルやメタクリル酸エステル、シアン化ビ
ニル化合物類、エチレン性アミド類などが挙げられる
が、これらの中で特に芳香族モノビニル化合物やジビニ
ル化合物が好適である。
しては、芳香族モノビニル化合物やジビニル化合物、ア
クリル酸エステルやメタクリル酸エステル、シアン化ビ
ニル化合物類、エチレン性アミド類などが挙げられる
が、これらの中で特に芳香族モノビニル化合物やジビニ
ル化合物が好適である。
該芳香族モノビニル化合物やジビニル化合物として
は、例えばスチレン、α−メチルスチレン、クロロスチ
レン、アルキルスチレン、ジビニルベンゼンなどが挙げ
られ、アクリル酸エステルやメタクリル酸エステルとし
ては、例えばアクリル酸又はメタクリル酸のメチル、エ
チル、プロピル、ブチル、2−エチルヘキシル、ヒドロ
キシエチル、グリシジルエステル、さらにはエチレング
リコールジアクリレート又はジメタクリレートなどが挙
げられる。シアン化ビニル化合物類としては、例えばア
クリロニトリルやメタクリロニトリルなどが、エチレン
性アミド類としては、例えばアクリルアミド、メタクリ
ルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロ
ールメタクリルアミドなどが挙げられる。
は、例えばスチレン、α−メチルスチレン、クロロスチ
レン、アルキルスチレン、ジビニルベンゼンなどが挙げ
られ、アクリル酸エステルやメタクリル酸エステルとし
ては、例えばアクリル酸又はメタクリル酸のメチル、エ
チル、プロピル、ブチル、2−エチルヘキシル、ヒドロ
キシエチル、グリシジルエステル、さらにはエチレング
リコールジアクリレート又はジメタクリレートなどが挙
げられる。シアン化ビニル化合物類としては、例えばア
クリロニトリルやメタクリロニトリルなどが、エチレン
性アミド類としては、例えばアクリルアミド、メタクリ
ルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロ
ールメタクリルアミドなどが挙げられる。
さらに、これらの単量体以外に、酢酸ビニルなどのビ
ニルエステル類、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどのハ
ロゲン化ビニル類、アミノエチルアクリレート又はメタ
クリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート又はメ
タクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート又は
メタクリレートなどのエチレン性アミン類、スチレンス
ルホン酸ナトリウムなども用いることができる。
ニルエステル類、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどのハ
ロゲン化ビニル類、アミノエチルアクリレート又はメタ
クリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート又はメ
タクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート又は
メタクリレートなどのエチレン性アミン類、スチレンス
ルホン酸ナトリウムなども用いることができる。
これらの共重合可能な単量体は1種用いてもよいし、
2種以上を組み合わせて用いてもよい。
2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明製造方法によって得られる共重合体ラテックス
は、前記の非水溶性溶剤及び連鎖移動剤を含む水性媒体
中において、前記共役ジエン系化合物とエチレン性不飽
和カルボン酸と共重合可能な他の単量体とを乳化重合さ
せることよって得られる。この乳化重合法については特
に制限はなく、従来公知の方法、例えば水と前記の単量
体、溶剤、連鎖移動剤と界面活性剤とラジカル重合開始
剤と必要に応じて用いられる他の添加成分とを基本構成
成分とする分散系において、該単量体を重合させて共重
合体粒子の水性分散液、すなわち共重合体ラテックスを
製造する方法などが用いられる。この共重合体ラテック
ス中の該共重合体の濃度は、通常40〜60重量%の範囲で
選ばれ、またその平均粒子径は0.05〜1μm、好ましく
は0.07〜0.3μmの範囲にあるのが有利である。該平均
粒子径は界面活性剤やシードラテックスの使用割合など
によって調整することができ、一般にその使用割合を高
くするほど生成共重合体ラテックスの平均粒子径は小さ
くなる傾向がある。
は、前記の非水溶性溶剤及び連鎖移動剤を含む水性媒体
中において、前記共役ジエン系化合物とエチレン性不飽
和カルボン酸と共重合可能な他の単量体とを乳化重合さ
せることよって得られる。この乳化重合法については特
に制限はなく、従来公知の方法、例えば水と前記の単量
体、溶剤、連鎖移動剤と界面活性剤とラジカル重合開始
剤と必要に応じて用いられる他の添加成分とを基本構成
成分とする分散系において、該単量体を重合させて共重
合体粒子の水性分散液、すなわち共重合体ラテックスを
製造する方法などが用いられる。この共重合体ラテック
ス中の該共重合体の濃度は、通常40〜60重量%の範囲で
選ばれ、またその平均粒子径は0.05〜1μm、好ましく
は0.07〜0.3μmの範囲にあるのが有利である。該平均
粒子径は界面活性剤やシードラテックスの使用割合など
によって調整することができ、一般にその使用割合を高
くするほど生成共重合体ラテックスの平均粒子径は小さ
くなる傾向がある。
前記界面活性剤としては、例えば脂肪酸セッケン、ロ
ジン酸セッケン、アルキルスルホン酸塩、ジアルキルア
リールスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリ
オキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンア
ルキルアリール硫酸塩などのアニオン性界面活性剤、ポ
リキシオチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン
アルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビ
タン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレン
ブロックコポリマーなどのノニオン性界面活性剤が挙げ
られる。この界面活性剤は通常、アニオン性界面活性剤
単独又はアニオン性/ノニオン性の混合系で用いられ、
その使用量は全単量体の重量に基づき、通常0.05〜2重
量%の範囲で選ばれる。
ジン酸セッケン、アルキルスルホン酸塩、ジアルキルア
リールスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリ
オキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンア
ルキルアリール硫酸塩などのアニオン性界面活性剤、ポ
リキシオチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン
アルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビ
タン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレン
ブロックコポリマーなどのノニオン性界面活性剤が挙げ
られる。この界面活性剤は通常、アニオン性界面活性剤
単独又はアニオン性/ノニオン性の混合系で用いられ、
その使用量は全単量体の重量に基づき、通常0.05〜2重
量%の範囲で選ばれる。
前記ラジカル重合開始剤は、熱又は還元性物質により
ラジカル分解して、単量体の付加重合を起こさせる作用
も有するものであり、このようなものとしては、例えば
水溶性又は油溶性のペルオキソ二硫酸塩、過酸化物、ア
ゾビス化合物など、具体的にはペルオキソ二硫酸カリウ
ム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸ア
ンモニウム、過酸化水素、t−ブチルヒドロペルオキシ
ド、過酸化ベンゾイル、2,2−アゾビスイソブチロニト
リル、クメンヒドロペルオキシドなどが挙げられるが、
これらの中で特にペルオキソ二硫酸塩が好適である。こ
の重合開始剤の使用量は、全単量体の重量に基づき通常
0.2〜1.5重量%の範囲で選ばれる。
ラジカル分解して、単量体の付加重合を起こさせる作用
も有するものであり、このようなものとしては、例えば
水溶性又は油溶性のペルオキソ二硫酸塩、過酸化物、ア
ゾビス化合物など、具体的にはペルオキソ二硫酸カリウ
ム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸ア
ンモニウム、過酸化水素、t−ブチルヒドロペルオキシ
ド、過酸化ベンゾイル、2,2−アゾビスイソブチロニト
リル、クメンヒドロペルオキシドなどが挙げられるが、
これらの中で特にペルオキソ二硫酸塩が好適である。こ
の重合開始剤の使用量は、全単量体の重量に基づき通常
0.2〜1.5重量%の範囲で選ばれる。
この乳化重合における重合温度は、通常60〜90℃の範
囲で選ばれるが、重合速度の促進あるいはより低温での
重合を望む場合には、酸性亜硫酸ナトリウム、アスコル
ビン酸やその塩、エリソルビン酸やその塩、ロンガリッ
トなどの還元剤を重合開始剤に組み合わせて用いる、い
わゆるレドックス重合法を採用することができる。
囲で選ばれるが、重合速度の促進あるいはより低温での
重合を望む場合には、酸性亜硫酸ナトリウム、アスコル
ビン酸やその塩、エリソルビン酸やその塩、ロンガリッ
トなどの還元剤を重合開始剤に組み合わせて用いる、い
わゆるレドックス重合法を採用することができる。
本発明においては、所望に応じ各種重合調整剤、例え
ば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリ
ウム、炭酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウムなどの
pH調節剤やエチレンジアミン四酢酸ナトリウムなどの各
種キレート剤などを添加することができる。
ば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリ
ウム、炭酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウムなどの
pH調節剤やエチレンジアミン四酢酸ナトリウムなどの各
種キレート剤などを添加することができる。
本発明方法により得られる共重合体ラテックスを紙塗
工用塗料のバインダーとして用いる場合には、通常行わ
れている方法、例えば分散剤を溶解させた水中に、無機
顔料あるいは無機・有機顔料類、水溶性高分子、各種添
加剤とともに該共重合体ラテックスを添加して混合し、
均質な分散液として用いる方法を採用することができ
る。そして、この紙塗工用塗料は、各種ブレードコータ
ー、ロールコーターなどを用いる通常の方法によって、
原紙に塗工することができる。
工用塗料のバインダーとして用いる場合には、通常行わ
れている方法、例えば分散剤を溶解させた水中に、無機
顔料あるいは無機・有機顔料類、水溶性高分子、各種添
加剤とともに該共重合体ラテックスを添加して混合し、
均質な分散液として用いる方法を採用することができ
る。そして、この紙塗工用塗料は、各種ブレードコータ
ー、ロールコーターなどを用いる通常の方法によって、
原紙に塗工することができる。
発明の効果 本発明によると、印刷用塗工紙におけるピック強度と
他の性能とのバランスや、カーペットバックサイジング
及び粘接着剤における接着力をより向上させうる高性能
の共重合体ラテックスを容易に得ることができる。
他の性能とのバランスや、カーペットバックサイジング
及び粘接着剤における接着力をより向上させうる高性能
の共重合体ラテックスを容易に得ることができる。
実施例 次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明はこれらの例によってなんら限定されるもの
ではない。
が、本発明はこれらの例によってなんら限定されるもの
ではない。
なお、各特性は次にようにして求めた。
(1)共重合体ラテックスの性状 (イ)平均粒子径 光散乱法粒度分析計(シーエヌウッド社製モデル600
0)により共重合体ラテックスの平均粒子径を測定し
た。
0)により共重合体ラテックスの平均粒子径を測定し
た。
(ロ)共重合体のゲル分率及び膨潤度 ポリプロピレンフイルム上にNo.26ワイヤーバーで共
重合体ラテックスを均一に塗工し、50℃の乾燥機内で1
時間乾燥して皮膜を形成させた。
重合体ラテックスを均一に塗工し、50℃の乾燥機内で1
時間乾燥して皮膜を形成させた。
次に、この共重合体ラテックス皮膜を剥して、化学天
秤で約0.5gを正確に秤量してから300ccのトルエンの入
った容器中に浸し、振とう器で室温にて6時間かくはん
したのち、内容物をあらかじめ精秤した325メッシュの
金網でろ過し、金網に残った残留物を秤量する。その後
50℃の乾燥器で2時間乾燥させ、次式によりゲル分率及
び膨潤度を求める。
秤で約0.5gを正確に秤量してから300ccのトルエンの入
った容器中に浸し、振とう器で室温にて6時間かくはん
したのち、内容物をあらかじめ精秤した325メッシュの
金網でろ過し、金網に残った残留物を秤量する。その後
50℃の乾燥器で2時間乾燥させ、次式によりゲル分率及
び膨潤度を求める。
(2)紙塗工性能 (イ)耐ブリスター性 RI印刷試験機(明製作所製)を用いて塗工紙の両面を
印刷インク(大日本インキ社製、Webb Zett黄)0.3ccを
べた刷りする。この印刷された塗工紙を適当な大きさに
裁断し、その試験片を所定の温度に調整したシリコンイ
ル恒温槽に浸してブリスターが発生するか否かを観察す
る。恒温槽の温度を変化させてこの試験を行い、ブリス
ターの発生が認められる最低温度を求める。この温度が
高いものほど耐ブリスター性に優れる。
印刷インク(大日本インキ社製、Webb Zett黄)0.3ccを
べた刷りする。この印刷された塗工紙を適当な大きさに
裁断し、その試験片を所定の温度に調整したシリコンイ
ル恒温槽に浸してブリスターが発生するか否かを観察す
る。恒温槽の温度を変化させてこの試験を行い、ブリス
ターの発生が認められる最低温度を求める。この温度が
高いものほど耐ブリスター性に優れる。
(ロ)ドライピック強度 RI印刷試験機を用いて、印刷インク(東華色素社製、
SDスーパーデラックス50紅B;タック値18)0.4cc5回重ね
刷りを行い、ゴムロールに現われたピッキング状態を別
の台紙に裏取りし、その程度を観察する。評価は10点評
価法で行い、ピッキング現象の少ないものほど高得点と
した。
SDスーパーデラックス50紅B;タック値18)0.4cc5回重ね
刷りを行い、ゴムロールに現われたピッキング状態を別
の台紙に裏取りし、その程度を観察する。評価は10点評
価法で行い、ピッキング現象の少ないものほど高得点と
した。
(ハ)湿潤ピック強度 RI印刷試験機を用いて、塗工紙表面を吸水ロールで湿
してから、印刷インク(東華色素社製、SDスーパーデラ
ックス50紅B;タック値18)0.4cc1回刷りを行い、ゴムロ
ールに現われたピッキング状態を別の台紙に裏取りし、
その程度を観察する。評価は10点評価法で行い、ピッキ
ング現象の少ないものほど高得点とした。
してから、印刷インク(東華色素社製、SDスーパーデラ
ックス50紅B;タック値18)0.4cc1回刷りを行い、ゴムロ
ールに現われたピッキング状態を別の台紙に裏取りし、
その程度を観察する。評価は10点評価法で行い、ピッキ
ング現象の少ないものほど高得点とした。
網点再現性 大蔵省式グラビア試験機を用いて印刷し、網点の欠落
率を計数した。評価は10点評価法で行い、欠落率の小さ
いものほど高得点とした。
率を計数した。評価は10点評価法で行い、欠落率の小さ
いものほど高得点とした。
(3)カーペットバックサイジング性能 剥離強度、抜糸強度 JIS L−1021に準拠して求めた。平均値の高いものほ
どよい。
どよい。
(4)粘着剤性能 (イ)高温凝集力 ステンレス板に、粘着試料を25mm×25mmの大きさで2k
gのローラーを1往復させて貼り付け、接着面を引張試
験機の引張方向と平行にセットし、40℃の雰囲気下、2m
m/minの速度でセン断力を測定した。
gのローラーを1往復させて貼り付け、接着面を引張試
験機の引張方向と平行にセットし、40℃の雰囲気下、2m
m/minの速度でセン断力を測定した。
(ロ)低温粘着力 幅25mm、長さ250mmの粘着試料を表にして輪(ルー
プ)を作り、0℃の雰囲気下、500mm/minの速度で段ボ
ール表面にほとんど圧力0の状態で接触させる。接触し
てから3秒後、同じく500mm/minの速度で引きはがす時
の剥離接着強度を測定した。
プ)を作り、0℃の雰囲気下、500mm/minの速度で段ボ
ール表面にほとんど圧力0の状態で接触させる。接触し
てから3秒後、同じく500mm/minの速度で引きはがす時
の剥離接着強度を測定した。
(ハ)PE接着性 23℃の雰囲気下において、添加剤を含有していない低
密度PE板に幅25mmの粘着試料を2kgのローラーで1往復
して貼り合わせ、貼り付けてから20分経過後、500mm/mi
nの速度で180°ピール強度を測定した。
密度PE板に幅25mmの粘着試料を2kgのローラーで1往復
して貼り合わせ、貼り付けてから20分経過後、500mm/mi
nの速度で180°ピール強度を測定した。
実施例1〜25、比較例1〜10 直径0.04μmのシード粒子の水性分散体(シード固形
分濃度25重量%)4重量部を、かくはん装置と温度調節
用ジャケットを取り付けた耐圧反応容器に入れ、さらに
水70重量部、ラウリン硫酸ナトリウム0.2重量部、フマ
ール酸2.5重量部を仕込み、内温を80℃に昇温し、次い
で第1表に示すモノマー、連鎖移動剤及び非重合性の非
水溶性溶剤から成る油性混合液と、水15重量部、ペルオ
キソ二硫酸ナトリウム1重量部、水酸化ナトリウム0.2
重量部、ラウリン硫酸ナトリウム0.1重量部から成る水
溶液とを、それぞれ4時間及び5時間をかけて一定の流
速で添加した。そして80℃の温度をそのまま1時間保っ
たのち冷却し、次いで生成した共重合体ラテックスを水
酸化ナトリウムでpHを7に調整してからスチームストリ
ッピング法により未反応の単量体及び非重合性の非水溶
性溶剤を除去し、200メッシュのろ布でろ過した。な
お、すべての共重合体ラテックスは最終的に固形分濃度
が50重量%になるように調整した。
分濃度25重量%)4重量部を、かくはん装置と温度調節
用ジャケットを取り付けた耐圧反応容器に入れ、さらに
水70重量部、ラウリン硫酸ナトリウム0.2重量部、フマ
ール酸2.5重量部を仕込み、内温を80℃に昇温し、次い
で第1表に示すモノマー、連鎖移動剤及び非重合性の非
水溶性溶剤から成る油性混合液と、水15重量部、ペルオ
キソ二硫酸ナトリウム1重量部、水酸化ナトリウム0.2
重量部、ラウリン硫酸ナトリウム0.1重量部から成る水
溶液とを、それぞれ4時間及び5時間をかけて一定の流
速で添加した。そして80℃の温度をそのまま1時間保っ
たのち冷却し、次いで生成した共重合体ラテックスを水
酸化ナトリウムでpHを7に調整してからスチームストリ
ッピング法により未反応の単量体及び非重合性の非水溶
性溶剤を除去し、200メッシュのろ布でろ過した。な
お、すべての共重合体ラテックスは最終的に固形分濃度
が50重量%になるように調整した。
これらの共重合体ラテックスの平均粒子径とゲル分率
を第1表に示す。
を第1表に示す。
応用例1 実施例及び比較例で調製した共重合ラテックスについ
て、紙塗工用バインダーとしての性能評価を行った。そ
の結果を第4表に示す。
て、紙塗工用バインダーとしての性能評価を行った。そ
の結果を第4表に示す。
なお、塗工塗料は第2表に示す配合で、不揮発分濃度
が63重量%になる水量で高速かくはん機で調製した。塗
料のpHはアンモニア水で9.0に調整した。この塗料を用
いての塗工紙の調製条件を第3表に示す。
が63重量%になる水量で高速かくはん機で調製した。塗
料のpHはアンモニア水で9.0に調整した。この塗料を用
いての塗工紙の調製条件を第3表に示す。
第4表から、本発明の共重合体ラテックスをバインダ
ーとして用いた塗工紙はピック強度と他の物性が高度に
バランスされたものであることが分かる。
ーとして用いた塗工紙はピック強度と他の物性が高度に
バランスされたものであることが分かる。
応用例2 実施例及び比較例で調製した共重合体ラテックスにつ
いて、カーペットバックサイジング用バインダーとして
の性能評価を行った。その結果を第7表に示す。
いて、カーペットバックサイジング用バインダーとして
の性能評価を行った。その結果を第7表に示す。
なお、接着塗料は第5表に示す配合で、不揮発分濃度
が70重量%になる水量で高速かくはん機で調製した。こ
の塗料を用いてのカーペットの調製条件を第6表に示
す。
が70重量%になる水量で高速かくはん機で調製した。こ
の塗料を用いてのカーペットの調製条件を第6表に示
す。
第7表から、本発明の共重合体ラテックスをバインダ
ーとして用いたカーペットは剥離強度と抜糸強度が高度
に向上したものであることが分かる。
ーとして用いたカーペットは剥離強度と抜糸強度が高度
に向上したものであることが分かる。
応用例3 実施例及び比較例で調製した共重合体ラテックスにつ
いて、粘着剤としての性能を評価した。
いて、粘着剤としての性能を評価した。
得られた共重合体ラテックスに、ポリアクリル酸ナト
リウム約0.5重量部を添加して、粘度約10,000cpsに増粘
し、剥離紙上に約45ドライg/m2の塗工量で均一に塗工
後、120℃の熱風で2.5分乾燥した。得られた剥離紙上の
乾燥塗膜を延伸したポリプロピレンフイルム(厚さ約80
μm)のコロナ放電処理面に圧着させ、乾燥塗膜を該ポ
リプロピレンフイルムに転写したものを粘着試料とし
た。粘着試料は温度23℃、相対温度65%の条件下で1週
間養生後、粘着物性について評価した。その結果を第8
表に示す。
リウム約0.5重量部を添加して、粘度約10,000cpsに増粘
し、剥離紙上に約45ドライg/m2の塗工量で均一に塗工
後、120℃の熱風で2.5分乾燥した。得られた剥離紙上の
乾燥塗膜を延伸したポリプロピレンフイルム(厚さ約80
μm)のコロナ放電処理面に圧着させ、乾燥塗膜を該ポ
リプロピレンフイルムに転写したものを粘着試料とし
た。粘着試料は温度23℃、相対温度65%の条件下で1週
間養生後、粘着物性について評価した。その結果を第8
表に示す。
Claims (1)
- 【請求項1】水性媒体中において、共役ジエン化合物と
エチレン性不飽和カルボン酸と共重合可能な他の単量体
との少なくとも3種の単量体を乳化重合させて共重合体
ラテックスを製造するに当り、非重合性で水に対する溶
解度が5重量%未満の、炭化水素類及びカルボン酸エス
テル類の中から選ばれた少なくとも1種の非水溶性溶剤
であって、かつ前記単量体の少なくとも1種に対して相
溶性を示し、生成する共重合体を膨潤ないし溶解しうる
もの及びこの溶剤に対し相溶性を示す連鎖移動剤の存在
下で重合反応させることを特徴とする共重合体ラテック
スの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1338561A JP2606939B2 (ja) | 1989-12-28 | 1989-12-28 | 共重合体ラテックスの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1338561A JP2606939B2 (ja) | 1989-12-28 | 1989-12-28 | 共重合体ラテックスの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03200802A JPH03200802A (ja) | 1991-09-02 |
JP2606939B2 true JP2606939B2 (ja) | 1997-05-07 |
Family
ID=18319338
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1338561A Expired - Fee Related JP2606939B2 (ja) | 1989-12-28 | 1989-12-28 | 共重合体ラテックスの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2606939B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6919083B1 (ja) * | 2021-03-09 | 2021-08-11 | 日本エイアンドエル株式会社 | 感熱記録紙アンダー層用バインダー、及び感熱記録紙アンダー層用組成物 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4013824A (en) * | 1973-05-16 | 1977-03-22 | Phillips Petroleum Company | Mixing of organosulfur molecular weight modifier with emulsifier in presence of monomer or diluent |
JPS5590697A (en) * | 1978-12-28 | 1980-07-09 | Sumitomo Naugatuck | Production of paper coat composition |
JPS63235593A (ja) * | 1987-03-24 | 1988-09-30 | ジェイエスアール株式会社 | 紙塗被組成物 |
-
1989
- 1989-12-28 JP JP1338561A patent/JP2606939B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03200802A (ja) | 1991-09-02 |
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