JP2580657B2

JP2580657B2 - 口腔用組成物

Info

Publication number: JP2580657B2
Application number: JP62327829A
Authority: JP
Inventors: 新一瀬戸
Original assignee: Lion Corp
Current assignee: Lion Corp
Priority date: 1987-12-24
Filing date: 1987-12-24
Publication date: 1997-02-12
Anticipated expiration: 2012-02-12
Also published as: JPH01168611A

Description

【発明の詳細な説明】産業上の利用分野本発明は口臭防止効果に優れた口腔用組成物に関す
る。

従来の技術及び発明が解決しようとする問題点従来、歯磨等の口腔用組成物に口臭防止効果を付与す
るため、ローズマリー等のシソ科植物の溶媒抽出物を配
合することが知られている（特開昭59−5110号公報）。
しかし、かかる植物抽出物の配合は口腔用組成物を着色
させる場合があり、組成物の外観を損なうことがある
上、口臭防止効果も十分とはいい難い。

一方、グルコン酸銅、クエン酸銅等の銅化合物に口臭
除去効果があることも知られており、銅化合物を配合し
た口腔用組成物も種々提案されている（米国特許第3,04
4,939号、同第3,565,933号、同第3,655,868号、同第4,1
12,066号、特開昭56−169619号、同第56−169620号、同
第61−37720号、同第61−143317号、同第62−142109号
公報）。

しかしながら、本発明者らの検討によると、これらの
銅化合物による口臭除去効果は高pHで失活し易く、特に
炭酸カルシウムや水酸化アルミニウム等の高pH研磨剤を
用いて口腔用組成物を調整した場合、口臭除去効果が劣
るようになることがわかった。

問題点を解決するための手段及び作用このため、本発明者らは、炭酸カルシウムや水酸化ア
ルミニウム等の高pH研磨剤を使用しても銅化合物の口臭
除去効果が失活することがなく、優れた口臭抑制作用を
発揮する口腔用組成物につき更に検討を進めた結果、グ
ルコン酸銅及びそのアルカリ金属塩並びにクエン酸銅及
びそのアルカリ金属塩から選ばれる１種又は２種以上の
銅化合物に対して酒石酸、クエン酸、正リン酸、メタリ
ン酸及びポリリン酸から選ばれる多塩基酸やそのアルカ
リ金属塩を配合すること、特にこの場合、口腔用組成物
のpHを４〜８の範囲に調整することにより、これら両成
分が相乗的に作用して顕著な口臭防止効果を発揮するこ
とを知見し、本発明をなすに至ったものである。

以下、本発明につき更に詳しく説明する。

本発明に係る口腔用組成物は、上述したように、グル
コン酸銅及びそのアルカリ金属塩並びにクエン酸銅及び
アルカリ金属塩から選ばれる１種又は２種以上の銅化合
物と、酒石酸、クエン酸、正リン酸、メタリン酸及びポ
リリン酸から選ばれる多塩基酸及びそのアルカリ金属塩
の１種又は２種以上とを併用してなるものである。

ここで、上記銅化合物の配合量は組成物全体の0.0000
1〜２％（重量％、以下同じ）、特に0.001〜0.5％とす
ることが好ましい。

また、多塩基酸及びそのアルカリ金属塩としては、水
溶性で緩衝能を有するものが好適に使用され、具体的に
は酒石酸，クエン酸正リン酸，メタリン酸，ポリリン酸
やそのナトリウム塩，カリウム塩等が挙げられる。な
お、アルカリ金属塩は、例えば酒石酸ナトリウム，クエ
ン酸ナトリウム等の中性塩であっても、リン酸二水素カ
リウム，リン酸一水素ナトリウム等の酸性塩であっても
よい。

なお、多価金属塩やそのアルカリ金属塩の配合量は、
組成物全体の0.001〜５％、特に0.003〜２％とすること
が好適である。

本発明に係る口腔用組成物は、練歯磨、潤製歯磨、液
状歯磨等の歯磨類、マウスウォッシュなど、種々の用途
に応じ、ペースト状、液状等の剤型に調整し得るが、こ
の場合口腔用組成物の他の成分としては、その目的等に
より通常使用される適宜な成分を配合することができ
る。例えば練歯磨の場合であれば、研磨剤、粘結剤、保
湿剤、界面活性剤、甘味剤、香料、防腐剤、各種有効成
分などが配合され得る。

この場合、本発明によれば、上記銅化合物に多塩基酸
やそのアルカリ金属塩を併用したことにより、口腔用組
成物の調整に際しての成分選択の自由度が広がり、例え
ば歯磨を調整する場合に10重量％水スラリーのpHが8.5
以上である高pH研磨剤（炭酸カルシウム，水酸化アルミ
ニウムなど）をも有効に使用することができる。

なお、口腔用組成物の調整に当り、銅化合物と多塩基
酸やそのアルカリ金属塩との併用効果を更に有効に発揮
させるため、組成物のpHを４〜８、特に５〜７の範囲に
調整することが好ましい。このpH調整は、多塩基酸やそ
のアルカリ金属塩の種類、量を選定することにより、効
果的に行なうことができる。

発明の効果本発明の口腔用組成物は、優れた口臭除去効果を有す
るものであり、また銅化合物を消臭有効成分として用い
るので、組成物を着色することがなく、しかも炭酸カル
シウム、水酸化アルミニウムなどの組成物のpH変動原因
となる成分を支障なく配合でき、組成物調整の際の成分
選択の自由度が大きいものである。

次に、実験例を示し、本発明の効果を具体的に説明す
る。

〔実施例〕

第１表に示す組成の練歯磨を常法により調整し、その
外観、pH及び消臭力を調べた。結果を第１表に示す。な
お、消臭力は下記方法により測定した。

消臭力測定方法内容量15mlの試験管に歯磨1gを入れ、更に0.1Mリン酸
緩衝溶液を加えてpHを7.5に調整した。これにメチルメ
ルカプタン１μg/mlを含む10容量％エタノール水溶液0.
5ml（メチルメルカプタン0.5μｇ）を添加し、直ちにゴ
ム栓をして１分間激しく撹拌した。その後、37℃で６分
間静置したのち、ガスクロマトグラフ用シリンジにて5m
lの空気をゴム栓を突き刺して試験管内に注入した。30
秒間激しく撹拌した後、同じくガス用シリンジでヘッド
スペースから気体を5ml採取して直ちにガスクロマトグ
ラフに注入し、メチルメルカプタンの積分カウントを測
定して、下記式から消臭率を求めた。なおガスクロマト
グラフとしては日立製作所製163を使用した。

C:コントロール（水）の積分カウント S:サンプルの積分カウント第１表の結果より、消臭有効成分として植物抽出物を
含有する練歯磨（比較品１）は褐色で外観が損なわれて
いる上、消臭効果に劣り、また多塩基酸やそのアルカリ
金属塩を含有せず、組成物のpHが高い銅塩含有の練歯磨
（比較品2,3）は外観は良好であるが、消臭効果が低い
ものである。これに対し、多塩基酸やそのアルカリ金属
塩が配合された銅塩含有の練歯磨（本発明品１〜３）
は、良好な外観を有し、かつ優れた消臭効果を示すこと
が確認された。

以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、
本発明は下記実施例に制限されるものではない。

なお、以下に示す％は全て重量％を表す。

〔実施例１〕練歯磨グルコン酸銅 0.05％無水クエン酸 0.03 クエン酸ナトリウム（２水塩） 0.1 炭酸カルシウム 45.0 プロピレングリコール 3.0 ソルビット液（60％） 30.0 カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.8 カラギーナン 0.3 サッカリンナトリウム 0.1 ラウリル硫酸ナトリウム 1.5 安息香酸ナトリウム 0.2 パラオキシ安息香酸メチル 0.02 香料 1.0 精製水残計 100.0％ pH 6.9 〔実施例２〕練歯磨クエン酸銅 0.1％リン酸二水素カリウム 0.08 リン酸一水素ナトリウム（12水塩） 0.007 水酸化アルミニウム 45.0 プロピレングリコール 2.5 ソルビット液（60％） 15.0 グリセリン 10.0 カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.5 アルギン酸ナトリウム 0.4 グリチルリチン酸ジカリウム 0.05 ショ糖ラウリン酸エステル 1.0 パラオキシ安息香酸メチル 0.04 パラオキシ安息香酸ブチル 0.01 香料 1.0 精製水残計 100.0％ pH 6.2 〔実施例３〕練歯磨グルコン酸銅 0.08％酒石酸 0.004 酒石酸ナトリウム（２水塩） 0.11 水酸化アルミニウム 45.0 プロピレングリコール 2.0 ソルビット液（60％） 25.0 カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.2 サッカリンナトリウム 0.1 ラウリル硫酸ナトリウム 1.0 Ｎ−ラウロイルサルコシンナトリウム 0.3 安息香酸ナトリウム 0.1 パラオキシ安息香酸ブチル 0.01 香料 1.0 デキストラナーゼ 5000u/g精製水残計 100.0％ pH 5.3 〔実施例４〕練歯磨クエン酸銅 0.04％ピロリン酸 0.09 ピロリン酸ナトリウム 0.22 炭酸マグネシウム 45.0 プロピレングリコール 3.0 ソルビット液（60％） 12.0 グリセリン 8.0 カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.5 キサンタンガム 0.5 グリチルリチン酸ジカリウム 0.05 ラウリル硫酸ナトリウム 1.2 香料 1.0 トラネキサム酸 0.1 精製水残計 100.0％ pH 6.1

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】グルコン酸銅及びそのアルカリ金属塩並び
にクエン酸銅及びそのアルカリ金属塩から選ばれる１種
又は２種以上の銅化合物と、酒石酸、クエン酸、正リン
酸、メタリン酸及びポリリン酸から選ばれる多塩基酸及
びそのアルカリ金属塩の１種又は２種以上とを併用して
なることを特徴とする口腔用組成物。
【請求項２】組成物のpHが４〜８である特許請求の範囲
第１項記載の口腔用組成物。