JP2578174B2 - β型チタン合金の加工方法 - Google Patents
β型チタン合金の加工方法Info
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- JP2578174B2 JP2578174B2 JP63183156A JP18315688A JP2578174B2 JP 2578174 B2 JP2578174 B2 JP 2578174B2 JP 63183156 A JP63183156 A JP 63183156A JP 18315688 A JP18315688 A JP 18315688A JP 2578174 B2 JP2578174 B2 JP 2578174B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、最終製品に肌荒れ等を発生することのない
冷間成形用のβ型チタン合金素材を得るための加工方法
に関するものである。
冷間成形用のβ型チタン合金素材を得るための加工方法
に関するものである。
[従来の技術] β型チタン合金は、純チタンと同様に連続的な熱間圧
延あるいは冷間圧延により、低コストでコイル状に加工
することができる。またこの合金は冷間加工性にも優れ
たものであるから、汎用のTi−6A1−4V合金(α+β型
合金)に代わる冷間成形用素材として利用しようとする
試みもなされている。
延あるいは冷間圧延により、低コストでコイル状に加工
することができる。またこの合金は冷間加工性にも優れ
たものであるから、汎用のTi−6A1−4V合金(α+β型
合金)に代わる冷間成形用素材として利用しようとする
試みもなされている。
第5図は、β型チタン合金材料1から製品7を得るま
での加工工程を示す概略説明図であり、β型チタン合金
材料1は熱間加工2の後、冷間加工3され、更に最終溶
体化処理4されて冷間成形用の素材5となる。実操業に
おいては、これらの工程は適宜重複して実施されたり繰
返されるので、工程はもっと複雑である。この冷間成形
用素材5を冷間加工(成形)6してそれぞれの製品7を
得る。
での加工工程を示す概略説明図であり、β型チタン合金
材料1は熱間加工2の後、冷間加工3され、更に最終溶
体化処理4されて冷間成形用の素材5となる。実操業に
おいては、これらの工程は適宜重複して実施されたり繰
返されるので、工程はもっと複雑である。この冷間成形
用素材5を冷間加工(成形)6してそれぞれの製品7を
得る。
ところで冷間成形用素材5を得るに当っては、図示す
る如く最終工程で溶体化処理4を行ない、該素材5が経
てきた加工履歴、特に冷間加工3の際生成した冷間加工
組織の再結晶化が行なわれる。この場合、最終溶体化処
理4後の冷間成形用素材5における結晶状態は、冷間成
形6して得られる製品7の肌荒れ状態に大きく影響する
ので、冷間成形用素材5が経てきた加工条件、特に冷間
加工3の条件を把握しておくことは、肌荒れのない良好
な製品7を得るために大切なことである。
る如く最終工程で溶体化処理4を行ない、該素材5が経
てきた加工履歴、特に冷間加工3の際生成した冷間加工
組織の再結晶化が行なわれる。この場合、最終溶体化処
理4後の冷間成形用素材5における結晶状態は、冷間成
形6して得られる製品7の肌荒れ状態に大きく影響する
ので、冷間成形用素材5が経てきた加工条件、特に冷間
加工3の条件を把握しておくことは、肌荒れのない良好
な製品7を得るために大切なことである。
そのため最終溶体化処理による再結晶化を行なうに当
り、最終溶体化処理前の加工条件に応じて結晶粒径を制
御する方法も提案されている。この方法に関しては本出
願人は先に特願昭62−159410号として出願済みである。
り、最終溶体化処理前の加工条件に応じて結晶粒径を制
御する方法も提案されている。この方法に関しては本出
願人は先に特願昭62−159410号として出願済みである。
[発明が解決しようとする課題] 前述の様にβ型チタン合金は冷間加工性に優れている
とは言うものの、これは冷間加工時に割れが発生し難い
というだけであって、冷間加工時の変形抵抗はかなり大
きく且つ加工硬化も著しい。そこで所定の板厚まで圧延
するためには、冷間加工の途中で中間焼鈍を行ない、変
形によって生ずる内部応力を低下させる必要がある、こ
の場合中間焼鈍を冷間加工途中のどこで行うかというこ
とは、製品の品質を保証する上で重要な要件になるもの
と考えられるが、実際には中間焼鈍の時期的設定基準は
明確にされていない。
とは言うものの、これは冷間加工時に割れが発生し難い
というだけであって、冷間加工時の変形抵抗はかなり大
きく且つ加工硬化も著しい。そこで所定の板厚まで圧延
するためには、冷間加工の途中で中間焼鈍を行ない、変
形によって生ずる内部応力を低下させる必要がある、こ
の場合中間焼鈍を冷間加工途中のどこで行うかというこ
とは、製品の品質を保証する上で重要な要件になるもの
と考えられるが、実際には中間焼鈍の時期的設定基準は
明確にされていない。
本発明はこの様な事情に着目してなされたものであっ
て、その課題は、肌荒れのない製品を得るための冷間成
形用の素材を提供するために、β型チタン合金の加工方
法、特に冷間加工工程中における中間焼鈍の時期的設定
基準を明確にしょうとするものである。
て、その課題は、肌荒れのない製品を得るための冷間成
形用の素材を提供するために、β型チタン合金の加工方
法、特に冷間加工工程中における中間焼鈍の時期的設定
基準を明確にしょうとするものである。
[課題を解決するための手段] 上記課題を解決することのできた本発明とは、β型チ
タン合金の最終溶体化処理前の冷間加工工程中に中間焼
鈍工程を介入させることにより冷間加工を中間焼鈍前後
の2段階に分け、各冷間加工を下記(1)式を満足する
様に行うことを要旨とするものである。
タン合金の最終溶体化処理前の冷間加工工程中に中間焼
鈍工程を介入させることにより冷間加工を中間焼鈍前後
の2段階に分け、各冷間加工を下記(1)式を満足する
様に行うことを要旨とするものである。
0.8 P1+P2≧0.002・D0+0.4 …(1) [ただし P1:中間焼鈍前の冷間加工率 P2:中間焼鈍後の冷間加工率 D0:中間焼鈍前の冷間加工を施す前のβ相平均粒径(単
位μm)] [作用及び実施例] 第5図の説明でも述べた様に最終溶体化処理4前の冷
間加工3途中では、変形による内部応力を緩和するため
の手段として中間焼鈍3−2を行っており、従来はこの
中間焼鈍3−2後の冷間加工3−3における加工率が、
最終溶体化処理4後の冷間成形用素材5におけるβ相の
粒径に大きく影響するものと考えられていた。しかし本
発明者等の研究の結果、冷間成形用素材5を製造する
際、最終溶体化処理4前における冷間加工3前の粒径
(以後初期粒径と記す)と冷間加工3途中における中間
焼鈍3−2前後の冷間加工3−1,3−3の加工率を種々
に変えて冷間成形用の素材5を得、該素材を冷間加工6
(曲げ成形)した時の肌荒れ状態は、β相の初期粒径お
よび中間焼鈍3−2前後における冷間加工3−1,3−3
の加工率に影響されることが分かった。そしてさらに検
討した結果、中間焼鈍前後の冷間加工3−1,3−3の加
工率を前記(1)式を満足する様に行なえば、冷間成形
6後の製品に肌荒れ等を発生することのない冷間成形用
素材5が得られるという知見を得た。
位μm)] [作用及び実施例] 第5図の説明でも述べた様に最終溶体化処理4前の冷
間加工3途中では、変形による内部応力を緩和するため
の手段として中間焼鈍3−2を行っており、従来はこの
中間焼鈍3−2後の冷間加工3−3における加工率が、
最終溶体化処理4後の冷間成形用素材5におけるβ相の
粒径に大きく影響するものと考えられていた。しかし本
発明者等の研究の結果、冷間成形用素材5を製造する
際、最終溶体化処理4前における冷間加工3前の粒径
(以後初期粒径と記す)と冷間加工3途中における中間
焼鈍3−2前後の冷間加工3−1,3−3の加工率を種々
に変えて冷間成形用の素材5を得、該素材を冷間加工6
(曲げ成形)した時の肌荒れ状態は、β相の初期粒径お
よび中間焼鈍3−2前後における冷間加工3−1,3−3
の加工率に影響されることが分かった。そしてさらに検
討した結果、中間焼鈍前後の冷間加工3−1,3−3の加
工率を前記(1)式を満足する様に行なえば、冷間成形
6後の製品に肌荒れ等を発生することのない冷間成形用
素材5が得られるという知見を得た。
次に(1)式を得るに至った経過について述べる。
β相平均初期粒径が150μm,100μmまたは50μmであ
るTi−15V−3Cr−3Sn−3Alチタン合金板(板厚1.4mm)
を、中間焼鈍前の冷間加工率が夫々0.2,0.4,0.6となる
様に冷間圧延した後、800℃で10分間中間焼鈍を施し、
脱スケール後、加工率0.05〜0.8の範囲で中間焼鈍後の
冷間圧延を行い、次いで最終溶体化処理を施した。最終
溶体化処理は、板厚をすべて1.1mmとして800℃で3分間
保持し、空冷することにより行った。その後酸洗した
後、板厚を1mmに調整してからV字曲げを行った(曲げ
半径:1mm,曲げ角度:105゜,曲げ試験片:25mm幅×50mm
長)。曲げ試験後曲げ部の肌荒れ発生状況を目視観察
し、各初期平均粒径における肌荒れ発生状況と中間焼鈍
前後の冷間加工率との関係を調べた。その結果を第1図
〜第3図に示す。
るTi−15V−3Cr−3Sn−3Alチタン合金板(板厚1.4mm)
を、中間焼鈍前の冷間加工率が夫々0.2,0.4,0.6となる
様に冷間圧延した後、800℃で10分間中間焼鈍を施し、
脱スケール後、加工率0.05〜0.8の範囲で中間焼鈍後の
冷間圧延を行い、次いで最終溶体化処理を施した。最終
溶体化処理は、板厚をすべて1.1mmとして800℃で3分間
保持し、空冷することにより行った。その後酸洗した
後、板厚を1mmに調整してからV字曲げを行った(曲げ
半径:1mm,曲げ角度:105゜,曲げ試験片:25mm幅×50mm
長)。曲げ試験後曲げ部の肌荒れ発生状況を目視観察
し、各初期平均粒径における肌荒れ発生状況と中間焼鈍
前後の冷間加工率との関係を調べた。その結果を第1図
〜第3図に示す。
第1図〜第3図より明らかな様に肌荒れを生じる領域
と生じない領域は1次直線(鎖線)で区画され、各直線
の傾きは−0.8であって、肌荒れが生じない領域は P2≧P2′−0.8 P1 …(2) (P1:中間焼鈍前の冷間加工率 P2:中間焼鈍後の冷間加工率 P2′:P2切片) で表わすことができる。
と生じない領域は1次直線(鎖線)で区画され、各直線
の傾きは−0.8であって、肌荒れが生じない領域は P2≧P2′−0.8 P1 …(2) (P1:中間焼鈍前の冷間加工率 P2:中間焼鈍後の冷間加工率 P2′:P2切片) で表わすことができる。
次に第1図〜第3図においてP1=0とした時のP2の値
(P2切片の値)即ちP2′を求め、P2′とβ相初期平均粒
径D0との関係を求めたところ、第4図に示す通りとなっ
た。第4図から P2′=0.002・D0+0.4 …(3) (ただしD0の単位はμm) なる関係式が求められ、これを(2)式に代入すると P2≧0.002・D0+0.4−0.8 P1 0.8 P1+P2≧0.002 D0+0.4 …(1) となり(1)式が求められる。
(P2切片の値)即ちP2′を求め、P2′とβ相初期平均粒
径D0との関係を求めたところ、第4図に示す通りとなっ
た。第4図から P2′=0.002・D0+0.4 …(3) (ただしD0の単位はμm) なる関係式が求められ、これを(2)式に代入すると P2≧0.002・D0+0.4−0.8 P1 0.8 P1+P2≧0.002 D0+0.4 …(1) となり(1)式が求められる。
したがって(1)式を満足するように中間焼鈍前後の
加工率P1,P2と初期平均粒径D0を調整して得たβ型チタ
ン合金よりなる冷間成形用素材を冷間成形すると肌荒れ
のない良好な製品を得ることができる。
加工率P1,P2と初期平均粒径D0を調整して得たβ型チタ
ン合金よりなる冷間成形用素材を冷間成形すると肌荒れ
のない良好な製品を得ることができる。
[発明の効果] 本発明は以上の様に構成されているので、この方法に
よって得た冷間成形用素材を冷間整形して得た製品は肌
荒れのない良好な品質のものとなる。
よって得た冷間成形用素材を冷間整形して得た製品は肌
荒れのない良好な品質のものとなる。
第1〜3図は平均初期粒径50,100,150μmにおける中間
焼鈍前の加工率P1と中間焼鈍後の加工率P2の関係を示す
グラフ、第4図は初期粒径と第1〜3図におけるP2切断
との関係を示すグラフ、第5図はβ型チタン合金を素材
とする加工法を例示する概略工程図である。
焼鈍前の加工率P1と中間焼鈍後の加工率P2の関係を示す
グラフ、第4図は初期粒径と第1〜3図におけるP2切断
との関係を示すグラフ、第5図はβ型チタン合金を素材
とする加工法を例示する概略工程図である。
Claims (1)
- 【請求項1】β型チタン合金の最終溶体化処理前の冷間
加工工程中に中間焼鈍工程を介入させることにより冷間
加工を中間焼鈍前後の2段階に分け、各冷間加工を下記
(1)式を満足する様に行うことを特徴とするβ型チタ
ン合金の加工方法。 0.8 P1+P2≧0.002・D0+0.4 …(1) [ただし P1:中間焼鈍前の冷間加工率 P2:中間焼鈍後の冷間加工率 D0:中間焼鈍前の冷間加工を施す前のβ相平均粒径(単
位μm)]
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63183156A JP2578174B2 (ja) | 1988-07-21 | 1988-07-21 | β型チタン合金の加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63183156A JP2578174B2 (ja) | 1988-07-21 | 1988-07-21 | β型チタン合金の加工方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0234754A JPH0234754A (ja) | 1990-02-05 |
JP2578174B2 true JP2578174B2 (ja) | 1997-02-05 |
Family
ID=16130779
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63183156A Expired - Fee Related JP2578174B2 (ja) | 1988-07-21 | 1988-07-21 | β型チタン合金の加工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2578174B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103203390A (zh) * | 2013-03-22 | 2013-07-17 | 西安思维金属材料有限公司 | 眼镜架用β钛合金丝材加工方法 |
CN115161571B (zh) * | 2022-07-25 | 2023-05-09 | 内蒙古工业大学 | 一种β型钛合金超细晶的制备方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0627309B2 (ja) * | 1986-10-07 | 1994-04-13 | 日本鋼管株式会社 | 高強度、高延性β型チタン合金冷延板の製造方法 |
-
1988
- 1988-07-21 JP JP63183156A patent/JP2578174B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0234754A (ja) | 1990-02-05 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |