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JP2574254B2 - 光学分割法 - Google Patents

光学分割法

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JP2574254B2
JP2574254B2 JP61198134A JP19813486A JP2574254B2 JP 2574254 B2 JP2574254 B2 JP 2574254B2 JP 61198134 A JP61198134 A JP 61198134A JP 19813486 A JP19813486 A JP 19813486A JP 2574254 B2 JP2574254 B2 JP 2574254B2
Authority
JP
Japan
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cis
eba
acid
ethylbenzylamine
salt
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Expired - Lifetime
Application number
JP61198134A
Other languages
English (en)
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JPS6354341A (ja
Inventor
博之 野平
美紗子 野平
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Daicel Chemical Industries Ltd filed Critical Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication of JPS6354341A publication Critical patent/JPS6354341A/ja
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、α−エチルベンジルアミン(以下、EBAと
略記する)及び/又は、シス−2−ベンズアミドシクロ
ヘキサンカルボン酸(以下cis酸と略記する)の光学分
割法に関するものである。EBAは、専ら化学的合成法に
よって製造される化合物であり、その用途として、光学
活性体がラセミ酸の光学分割剤として期待されている。
一方、cis酸は、その光学活性体がラセミ塩基の光学分
割剤として有用な化合物であり、特に、(±)−α−ナ
フチルエチルアミンの光学分割に有用である(特開昭58
−24545)ことから、その活性体を容易に得る方法の開
発が望まれている。
(従来技術及び問題点) 従来、(±)−EBAの光学分割法としては、l−リン
ゴ酸を光学分割剤として用いる方法[A.J.Littleら、ジ
ャーナルオブケミカルソサイティー(J.Chem.Soc.),33
6(1940)]、あるいはアセチルブロモ−L−チロシン
を用いる方法[H.D.DeWittら、ジャーナルオブアメリカ
ンケミカルソサイティー(J.Am.Chem.Soc.),73,5782
(1951)]が報告されている。しかしながらこれらの方
法は、分割剤として天然に存在し、比較的容易に入手し
得る光学活性酸を利用したものであるが、純粋な光学活
性体を得るためには再結晶を繰り返す必要があり収率も
高くないなどの欠点があった。従来、cis酸の光学活性
体を得る方法としては、cis酸のベンジルアミン塩を優
先晶出させる方法が知られている(特許公報昭59−347
0)。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、EBAおよびcis酸の光学活性体を得るた
め種々検討した結果、(±)−EBAと(±)−cis酸とか
ら形成される4種のジアステレオマー塩のうち、互いに
エナンチオマーの関係にある一対のジアステレオマー
塩、すなわち(+)−EBA・(−)−cis酸塩および
(−)−EBA・(+)−cis酸塩が難溶性塩であること、
および前記一対の難溶性塩がラセミ混合物として結晶化
することを見出すと共に、これらの性質を利用して、
(±)−EBAと(±)−cis酸の過飽和溶液から、難溶性
塩である(+)−EBA・(−)−cis酸塩又は(−)−EB
A・(+)−cis酸塩を優先的に晶出させると、光学純度
の高い光学活性なEBA・cis酸塩が高い分割効率で得られ
ることを見出だし本発明を完成した。
すなわち、本発明の光学分割法は、EBAの光学異性体
混合物とcis酸の光学異性体混合物との塩の過飽和溶液
に、少量の(+)−EBA・(−)−cis酸塩又は(−)−
EBA・(+)−cis酸塩のいずれか一方の難溶性のジアス
テレオマー塩の種晶を接種し、種晶と同種のジアステレ
オマー塩を析出させ、次いで取得したジアステレオマー
塩にアルカリ及び酸を作用させて、(+)−EBAと
(−)−cis酸、又は(−)−EBAと(+)−cis酸とを
分離することを特徴とする。この方法は、ラセミ体のEB
Aとcis酸とから光学純度の高い光学活性なEBA又はcis酸
を効率よく製造できると共に、光学活性なEBAとcis酸と
を併産できるという画期的な分割方法である。
本発明の1つの態様では、(+)−EBA・(−)−cis
酸塩及び(−)−EBA・(+)−cis酸塩の接種を交互に
行い、その間に(±)EBA及び(±)cis酸を溶液に追加
して実施する。この方法では、(±)EBA及び(±)cis
酸を円滑にかつ効率よく、しかも連続的に光学分割で
き、(+)−EBA、(−)−cis酸、(−)−EBA及び
(+)−cis酸という4種の光学活性体を効率的に製造
できる。また、本発明は、前記(±)−EBA及び(±)
−cis酸を含有する溶液中において、(+)−EBA、
(−)−EBA、(+)−cis酸及び(−)cis酸から選択
された少なくとも1種の濃度を高めて実施する方法を含
む。
本発明を実施するに当たっては、単に(±)−EBAと
(±)−cis酸を含有する過飽和溶液に、(+)−EBA・
(−)−cis酸塩あるいは(−)−EBA・(+)−cis酸
塩の種結晶を接種する単純な交互優先晶出法を適用する
ことも可能であるが、更に、例えば、(±)−EBA(あ
るいは(±)−cis酸)を分割する場合、cis酸(あるい
はEBA)の光学活性体とラセミ体の混合物を用いること
により、極めて円滑かつ効率良く(±)−EBA(あるい
は(±)−cis酸)を光学分割でき、しかも同時に分割
剤として用いた(±)−cis酸(あるいは(±)−EBA)
も同時に光学分割されて、分割剤として用いた以上の量
の光学活性なcis酸(またはEBA)を回収できるという同
時相互光学分割が可能である。本発明でEBAとcis酸を含
有する溶液を調製するためには、水、メタノール、エタ
ノール、1−プロパノール、2−プロパノール、アセト
ン、エチルメチルケトン等の溶媒を単独あるいは混合し
て用いることができるが、適当な溶解度をもち、且つ安
価な溶媒である水、メタノール、2−プロパノールを用
いるのが特に好ましい。また、(+)−EBA・(−)−c
is酸塩あるいは(−)−EBA・(+)−cis酸塩を晶出さ
せる時、溶液中で(±)−EBAと(±)−cis酸のみが等
モル量ある場合には、種結晶を接種することが必要であ
るが、EBAとcis酸の光学活性体のうち、少なくとも1種
の濃度が高い場合には、必ずしも種結晶の接種は必要で
はない。しかし一般に接種した方が効率良く高光学純度
の難溶性ジアステレオマー塩が得られるので好ましい。
又、追加する(±)−EBAおよび(±)−cis酸は、その
まま等モルずつ加えてもよいが、(±)−EBA・(±)
−cis酸塩の形で追加しても良い。この様にして得られ
た(+)−EBA・(−)−cis酸塩あるいは(−)−EBA
・(+)−cis酸塩は、必要あらばこれを再結晶したの
ち、水溶性の塩基で処理し、遊離したアミンを有機溶媒
で抽出した後、蒸留して(+)−EBAあるいは(−)−E
BAを得る。又、水溶液中にアルカリ塩として存在するci
s酸は、この水溶液に塩酸、硫酸などの鉱酸を作用させ
ることにより、(−)−cis酸塩あるいは(+)−cis酸
を得ることができる。
(発明の効果) 本発明によれば、光学純度の高い光学活性なEBA(α
−エチルベンジルアミン)及び/又はcis酸(シス−2
−ベンズアミドシクロヘキサンカルボン酸)を効率よく
製造できる。
(実施例) 次に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明す
る。
実施例1 メタノール10mlに(±)−EBA・(±)−cis酸塩2.60
g(6.8mmol)を加え加熱し完全に溶解させた。室温に放
置し40℃まで冷却した所で(−)−EBA・(+)−cis酸
塩の種結晶(▲[α]28 D▼+27.7゜(c=1、メタノ
ール))を11mg接種し、室温(20℃)にて1晩放置した
後晶出した結晶をろ別した。一回目の晶出として0.15g
の(−)−EBA(+)−cis酸塩を得た。▲[α]26 D
+21.9゜(c=1、メタノール)。母液に追加分として
(±)−EBA・(±)−cis酸塩0.31gを加え加熱して完
全に溶解した。室温に放置し、30℃まで冷却した後
(+)−EBA・(−)−cis酸塩の種結晶(▲[α]28 D
▼+26.4゜(c=1、メタノール))を10mg接種し1晩
放置した。析出した結晶をろ別し、2回目の晶出として
0.42gの(+)−EBA・(−)−cis酸を得た。▲[α]
26 D▼−21.8゜(c=1、メタノール)以下同様な操作
を繰り返して次のような結果を得た。
以上の操作によって得られた(+)−EBA・(−)−c
is酸塩0.74gをメタノール6mlから再結晶し、0.32gの精
製(+)−EBA・(−)−cis酸塩を得た。mp182−188
℃、▲[α]27 D▼−28.8゜(c=1、メタノール)。
この精製(+)EBA・(−)−cis酸塩に1規定の水酸化
ナトリウム水溶液0.8mlを加え、エーテル抽出し、有機
層の溶媒を減圧で留去することにより(+)−EBA94mg
を得た。▲[α]30 D▼+6.6゜(c=1.5、99%エタノ
ール)、光学純度は100%であった。エーテル抽出後の
水層に濃塩酸を加えてゴンゴーレッド酸性とした。析出
した沈殿をろ別することにより(−)−cis酸0.20gを得
た。mp205−207℃、▲[α]26 D▼−36.4゜(c=1、9
9%エタノール)、光学純度は100%であった。また同様
な操作により、粗(−)−EBA・(+)−cis酸塩0.55g
から0.35gの精製(−)−EBA・(+)−cis酸塩を得
た。▲27 D▼+27.4゜(c=1、メタノール)。[α]
そしてこれを遊離することにより、(−)−EBA116mg、
▲[α]30 D▼−6.5゜(c=2、99%エタノール)光学
純度98%、および0.22gの(+)−cis酸、mp202−205
℃、▲[α]30 D▼+35.6゜(c=0.8、99%エタノー
ル)、光学純度98%を得た。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】α−エチルベンジルアミンの光学異性体混
    合物とシス−2−ベンズアミドシクロヘキサンカルボン
    酸の光学異性体混合物との塩の過飽和溶液に、少量の
    (+)−α−エチルベンジルアミン・(−)−シス−2
    −ベンズアミドシクロヘキサンカルボン酸塩、又は
    (−)−α−エチルベンジルアミン・(+)−シス−2
    −ベンズアミドシクロヘキサンカルボン酸塩のいずれか
    一方の難溶性のジアステレオマー塩の種晶を接種し、種
    晶と同種のジアステレオマー塩を析出させ、次いで取得
    したジアステレオマー塩にアルカリ及び酸を作用させ
    て、(+)−α−エチルベンジルアミンと(−)−シス
    −2−ベンズアミドシクロヘキサンカルボン酸、又は
    (−)−α−エチルベンジルアミンと(+)−シス−2
    −ベンズアミドシクロヘキサンカルボン酸とを分離する
    ことを特徴とする光学分割法。
  2. 【請求項2】(+)−α−エチルベンジルアミン・
    (−)−シス−2−ベンズアミドシクロヘキサンカルボ
    ン酸塩及び(−)−α−エチルベンジルアミン・(+)
    −シス−2−ベンズアミドシクロヘキサンカルボン酸塩
    の接種を交互に行い、その間に(±)−α−エチルベン
    ジルアミン及び(±)−シス−2−ベンズアミドシクロ
    ヘキサンカルボン酸を溶液に追加して実施する特許請求
    の範囲第1項記載の光学分割法。
  3. 【請求項3】(±)−α−エチルベンジルアミン及び
    (±)−シス−2−ベンズアミドシクロヘキサンカルボ
    ン酸を含有する溶液中において、(+)−α−エチルベ
    ンジルアミン、(−)−α−エチルベンジルアミン、
    (+)−シス−2−ベンズアミドシクロヘキサンカルボ
    ン酸及び(−)−シス−2−ベンズアミノシクロヘキサ
    ンカルボン酸から選択された少なくとも1種の濃度を高
    めて実施する特許請求の範囲第2項記載の光学分割法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS5824545A (ja) * 1981-08-07 1983-02-14 Hiroyuki Nohira (±)−1−(1−ナフチル)エチルアミンの光学分割法
JPS61134344A (ja) * 1984-12-05 1986-06-21 Nissan Chem Ind Ltd (±)−2−フエニルプロピオン酸および/または(±)−2−フエネチルアミンの光学分割法

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