JP2566845B2 - 乳蛋白含有酸性飲料 - Google Patents
乳蛋白含有酸性飲料Info
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Description
フィチン酸とを併用することにより、酸性下における乳
蛋白の凝集・沈殿を防止し、かつ風味が良好な乳蛋白含
有酸性飲料に関するものである。
性飲料は、消費者の健康指向の高まりから、需要が拡大
しつつある。しかし、これらの乳蛋白含有酸性飲料で
は、乳蛋白は酸性下では不安定なため、乳蛋白由来の凝
集物や沈殿物が発生しやすい。この凝集物や沈殿物は、
飲料の外観を損ねるばかりでなく、飲用時に異和感を生
じ、清涼感も損ねている。
決するために種々の技術が開発されている。例えば、親
水性−親油性バランス(HLB)が13以上のショ糖脂肪酸
エステルを加える方法(特開昭58-20180号公報)、また
多糖類を用いる方法として、ペクチン又はペクチンとカ
ラギーナンを用いる方法(特開昭54-52754号公報)、タ
マリンド種子多糖類及びグァーガムから選ばれた1種又
は2種とペクチンとを併用する方法(特開昭60−256372
号公報)などが報告されている。
の凝集物や沈殿物の発生を防止する方法としては、ペク
チン又はペクチンと他の多糖類を併用する方法が一般的
に用いられているが、安定剤としてペクチンを用いる場
合には、製品のpHが安定化の重要な要因となっている。
一般に、ペクチンを使用する場合の製品のpHは、3.5〜
4.5の範囲が望ましく、特にpH3.9〜4.1が最適範囲と言
われている。
が多く、このpH域でペクチンを添加し、飲用時のペクチ
ン濃度を0.3〜0.6wt%とした場合には、乳蛋白由来の凝
集・沈殿が生じ、安定性が悪い製品となる。したがっ
て、この乳蛋白由来の凝集・沈殿を防止するために、ペ
クチン又は他の多糖類の添加量を増加させたり、あるい
はクエン酸ナトリウム等のpH調整剤等で製品のpHを適性
範囲内に調整する方法が行なわれている。
製品粘度の増加、あるいはペクチン又は多糖類由来の が発生し、風味的に好ましいものではない。また、後者
のpH調整剤を使用する方法では、pH調整剤による塩味が
発生し、さらにペクチン又は多糖類由来の も増強され、清涼感を欠いたものとなり、やはり風味的
に好ましいものではない。
間に亘って乳蛋白の凝集・沈殿を防止することが可能な
乳蛋白含有酸性飲料を開発するために研究を重ねた結
果、安定剤としてペクチンとフィチン酸とを併用するこ
とにより、乳蛋白の凝集・沈殿を防止することができる
と共に、嗜好性にも優れた酸性飲料が得られることを見
出した。
あり、酸性下における乳蛋白の凝集・沈殿を防止し、か
つ風味が良好な乳蛋白含有酸性飲料を提供することを目
的とするものである。
つpHが3.5以下であることを特徴とする乳蛋白含有酸性
飲料である。
の防止用安定剤として、ペクチンとフィチン酸とを併用
することを特徴とする。
物,植物の由来を問わず広範囲の乳を用いることができ
るが、例えば、牛乳,羊乳,山羊乳等の獣乳、大豆乳等
の植物乳が挙げられる。また、これらの乳は、単独又は
二種以上を混合して用いても差し支えない。その原料形
態は、全乳,脂肪乳あるいは、ホエー等が使用でき、ま
た粉乳,濃縮乳から還元した乳も利用できる。
0.20〜3.5w/w%の範囲内が望ましい。0.1w/w%未満で
は、乳蛋白特有の風味が期待できず、5.0w/w%を超える
と粘調性が増加し、風味上清涼感に欠け、また乳蛋白の
凝集・沈殿を防止することも困難となる。
ンとフィチン酸とを併用することを特徴とするが、これ
らの安定剤は、市販品をそのまま用いることができる。
酸を構成糖として含む多糖類を用いることができ、それ
には低メチルエステル化度のもの及び高メチルエステル
化度のもののいずれも使用することができるが、高メチ
ルエステル化度のものの方がより好ましい。高メチルエ
ステル化度ペクチンとしては、メトキシル基が65〜75%
のものが好適である。
に応じて適宜決めることができるが、飲料中のペクチン
含有量は0.05〜1.5wt%、好ましくは0.25〜0.70wt%の
範囲が望ましく、0.05wt%未満ではペクチンによる乳蛋
白の安定化の効果がなく、1.5wt%を超えるとペクチン
由来の 感が飲料に強く付与されるので好ましくない。
%、好ましくは0.01〜0.10wt%の範囲が望ましく、0.00
1wt%未満ではフィチン酸の添加効果が発現せず、0.25w
t%を超えるとフィチン酸由来の酸味が飲料に強く付与
されるので好ましくない。
は、乳蛋白の凝集・沈殿の防止効果は特定の製品pH領域
に限られるが、上記の様にフィチン酸を併用することに
より、ペクチン単独使用よりも低い製品pH領域におい
て、乳蛋白の凝集・沈殿防止効果が発揮される。
く、特に、pH3.5以下の酸性下でも、乳蛋白の凝集・沈
殿を防止し、風味が良好であることは本発明の特徴的な
効果である。
生物による有機酸の生成による方法、または、乳酸,ク
エン酸等の有機酸や、果汁等を添加する方法、あるいは
それらの併用により行なうことができる。
じて、甘味料、果汁、野菜汁、油脂、香料、色素、更に
は炭酸ガス等を添加することが出来る。また、本発明の
乳蛋白含有酸性飲料は水等で希釈し飲用に供する濃縮飲
料及び希釈することなくそのまま飲用に供する飲料にも
適用することができる。
わないが、栄養豊富な乳を含有していることから、長時
間の防腐効果を保持するためには殺菌処理を施すことが
望ましい。
の防止用安定剤として、ペクチンとフィチン酸とを併用
しているので、一般的なペクチン使用pH域以下の酸性下
においても一般的な使用pH域と同程度のペクチン添加量
で乳蛋白の凝集・沈殿を防止することができ、また清涼
感のある風味が良好な飲料が得られる。
が、これらは、例示のためのものであって本発明を限定
するものではない。
・ブルガリカス(Lactobacillus bulgaricus)を用い
て、37℃,22時間発酵させた。この発酵乳をホモゲナイ
ザーで均質化した後、グラニュ糖8000gを加えて溶解し
た。この溶液を4250gずつ4つに分取し、試料1,2,3,4と
した。
シル基72%)溶液を400gずつ加え、さらに試料2には、
30wt%クエン酸ナトリウム溶液を添加てpHを3.70に調整
した。また、試料3には、50wt%フィチン酸溶液5gを添
加した。この試料1,2,3に水を加え、それぞれ全量を500
0gとした。一方、試料4は、ペクチンを添加せず、50wt
%フィチン酸溶液のみを5g添加後、水を加えて全量を50
00gとした。
ヨーグルト香料を20gずつ添加し、ホモゲナイザーで均
質化した。これらの溶液を85℃で10分間殺菌後、ガラス
壜に充填し、冷却した。
殿状態を肉眼で観察した。
作製した。この溶液を4250g分取し、試料5とした。次
に、該試料5に、実験例1と同様にペクチン溶液400gを
加え、さらに30wt%クエン酸ナトリウム溶液を添加して
pHを3.50に調整した。この試料5に水を加え、全量を50
00gとした。
に充填し、冷却した。
殿状態を肉眼で観察した。
およびフィチン酸(試料4)のそれぞれ単独使用では、
乳蛋白の凝集・沈殿の防止は困難であるが、ペクチンと
フィチン酸とを併用した試料3では乳蛋白の凝集・沈殿
の防止効果が認められた。
3について、習熱したパネル16名を用い、順位法にて風
味の嗜好性を調査した。試料はそれぞれ水で5倍に希釈
して官能検査に供した。その結果を表2に示した。試料
3が有意に好まれた。
に異性化糖1500gを加え、さらに30wt%クエン酸溶液130
gと6倍濃縮オレンジ果汁100gを加えた。次に、3wt%ペ
クチン(メトキシル基73%)溶液1000gと50wt%フィチ
ン酸溶液1gを添加し、充分に撹拌した。この溶液に、オ
レンジ香料15gを添加し、水で全量を10Kgとした。この
溶液は、糖度(R.Brix)14.8,酸度0.43(クエン酸)wt
%,pH3.30であった。次に、撹拌下で約70℃まで加熱
後、圧力150Kg/cm2で均質化後、95℃で5分間殺菌処理
を行い、ガラス壜に充填した。
白の凝集・沈殿が生じず、風味も良好であった。
ー蛋白質(蛋白質含量10wt%)120gを水2880gに溶解し
た。この溶液をスターターとしてラクトバチルス・ブル
ガリカス(Lactobacillus bulgaricus)を用いて、37℃
で20時間発酵させた。この発酵乳を圧力150Kg/cm2で均
質化後、グラニュ糖4000gを溶解し、さらに5倍濃縮レ
モン果汁100gを加えた。この溶液に5wt%ペクチン(メ
トキシル基72%)溶液1000gと50wt%フィチン酸溶液15g
を添加し、水を加えて全量を10Kgとした。得られた調合
液を約70℃に加熱後、レモン香料35gを添加して、圧力1
50Kg/cm2で均質化し、85℃で10分間殺菌処理を施し、容
器に充填した。この溶液は、糖度(R.Brix)45.0,酸度
1.10(乳酸)wt%,pH3.25であった。
・沈殿が生じなかった。また、風味も良好であった。
る酸性飲料に安定剤として、ペクチンとフィチン酸とを
併用することにより、酸性下において、特に低pH域でも
乳蛋白の凝集・沈殿を防止し、かつ風味が良好な乳蛋白
含有酸性飲料を得ることができる。
Claims (1)
- 【請求項1】ペクチンとフィチン酸を含有し、且つpHが
3.5以下であることを特徴とする乳蛋白含有酸性飲料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2211627A JP2566845B2 (ja) | 1990-08-13 | 1990-08-13 | 乳蛋白含有酸性飲料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2211627A JP2566845B2 (ja) | 1990-08-13 | 1990-08-13 | 乳蛋白含有酸性飲料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0499442A JPH0499442A (ja) | 1992-03-31 |
JP2566845B2 true JP2566845B2 (ja) | 1996-12-25 |
Family
ID=16608908
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2211627A Expired - Lifetime JP2566845B2 (ja) | 1990-08-13 | 1990-08-13 | 乳蛋白含有酸性飲料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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JP2016010414A (ja) * | 2015-10-14 | 2016-01-21 | 株式会社明治 | 発酵乳食品の製造方法及び発酵乳食品の風味の調整方法 |
JP2018201531A (ja) * | 2018-10-09 | 2018-12-27 | 株式会社明治 | 発酵乳の製造方法 |
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JPS58187133A (ja) * | 1982-04-23 | 1983-11-01 | Meiji Milk Prod Co Ltd | 長期保存可能なヨ−グルト飲料の製造法 |
DK556286A (da) * | 1985-11-27 | 1987-05-28 | Int Flavors & Fragrances Inc | Fremgangsmaade til fremstilling af frugt- groensags- eller krydderidsserter. |
JPS62190043A (ja) * | 1986-02-17 | 1987-08-20 | Meiji Milk Prod Co Ltd | 多色模様ヨ−グルトの製造方法 |
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-
1990
- 1990-08-13 JP JP2211627A patent/JP2566845B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
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JPH0499442A (ja) | 1992-03-31 |
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