JP2543429B2 - アルミニウム箔積層鋼板の製造法 - Google Patents
アルミニウム箔積層鋼板の製造法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、Zn合金あるいはSn合金めっきを施した鋼板
とアルミニウム箔とをロール加圧と加熱により接合した
アルミニウム箔積層鋼板の製造法に関する。
とアルミニウム箔とをロール加圧と加熱により接合した
アルミニウム箔積層鋼板の製造法に関する。
[従来の技術] アルミニウムは軽量で、耐食性に優れ、また加工硬化
が少ないため、加工性も優れている。その金属として多
くの優れた特性を持つアルミニウムに、さらに鋼板の特
性を付与する目的で、アルミニウム板と鋼板とのクラッ
ド材の開発が進められている。アルミニウム板と鋼板を
接合する方法には、従来から冷間圧延による接合法(特
開昭56−109183号,特開昭58−141882号等)が、数多く
検討されているが、接合強度を改善するために加熱処理
を施すと、アルミニウムと鉄からなる脆い合金層が成長
し、加工性を低下させる。これらの欠点を解決するため
に、アルゴンなどの非酸化性の低圧気体雰囲気において
スパッタリングを行い酸化物を除去した後、直ちに圧延
を行い、圧下率を1〜5%に減少させる方法があるが、
大規模な真空設備を必要とする。また、鋼板とアルミニ
ウム板の界面に銅を介在させ、加熱処理を行うことによ
り、大きな圧下なしに両者を接合させる方法があるが、
緩やかな凹凸が発生し、均一な接合および外観を得るこ
とが難しい。また、これらを改善したものとして、特開
平1−154886号,特公平1−42798号,特開昭61−67581
号,特開昭53−85759号がある。これらはいずれもアル
ミニウムよりも低融点の金属を鋼板表面に被覆した後、
アルミニウム箔あるいは板を積層し、5〜70%の圧下率
で圧延する方法である。しかし、これらの方法において
も、特開平1−154886号,特公平1−42787号はいずれ
も非酸化性あるいは真空中雰囲気での圧延であり、また
特開昭61−67581号はアルミニウム板の密着性を高める
ためには高温にする必要があり、その際はわきが発生す
る。また特開昭53−85759号では5〜70%の圧下率のた
め、機会特性を改善するのに高温での熱処理が必要とな
り、アルミニウムと鉄の脆弱な合金層を形成し、加工性
が著しく低下する。
が少ないため、加工性も優れている。その金属として多
くの優れた特性を持つアルミニウムに、さらに鋼板の特
性を付与する目的で、アルミニウム板と鋼板とのクラッ
ド材の開発が進められている。アルミニウム板と鋼板を
接合する方法には、従来から冷間圧延による接合法(特
開昭56−109183号,特開昭58−141882号等)が、数多く
検討されているが、接合強度を改善するために加熱処理
を施すと、アルミニウムと鉄からなる脆い合金層が成長
し、加工性を低下させる。これらの欠点を解決するため
に、アルゴンなどの非酸化性の低圧気体雰囲気において
スパッタリングを行い酸化物を除去した後、直ちに圧延
を行い、圧下率を1〜5%に減少させる方法があるが、
大規模な真空設備を必要とする。また、鋼板とアルミニ
ウム板の界面に銅を介在させ、加熱処理を行うことによ
り、大きな圧下なしに両者を接合させる方法があるが、
緩やかな凹凸が発生し、均一な接合および外観を得るこ
とが難しい。また、これらを改善したものとして、特開
平1−154886号,特公平1−42798号,特開昭61−67581
号,特開昭53−85759号がある。これらはいずれもアル
ミニウムよりも低融点の金属を鋼板表面に被覆した後、
アルミニウム箔あるいは板を積層し、5〜70%の圧下率
で圧延する方法である。しかし、これらの方法において
も、特開平1−154886号,特公平1−42787号はいずれ
も非酸化性あるいは真空中雰囲気での圧延であり、また
特開昭61−67581号はアルミニウム板の密着性を高める
ためには高温にする必要があり、その際はわきが発生す
る。また特開昭53−85759号では5〜70%の圧下率のた
め、機会特性を改善するのに高温での熱処理が必要とな
り、アルミニウムと鉄の脆弱な合金層を形成し、加工性
が著しく低下する。
[発明が解決しようとする課題] アルミニウム積層鋼板の製造法において、冷間圧延に
よる方法では、圧下率が高く、加工性が低下する。これ
を改善するために、高温で軟化処理を行うとアルミニウ
ムと鉄の合金層を形成し、加工性が低下する。さらに、
低圧気体中でスパッタを行いアルミニウムおよび基板の
酸化物を除去する方法は作業性および経済性の面で問題
がある。
よる方法では、圧下率が高く、加工性が低下する。これ
を改善するために、高温で軟化処理を行うとアルミニウ
ムと鉄の合金層を形成し、加工性が低下する。さらに、
低圧気体中でスパッタを行いアルミニウムおよび基板の
酸化物を除去する方法は作業性および経済性の面で問題
がある。
[課題を解決するための手段] したがって、本発明はアルミニウム積層鋼板の製造法
において、安価で、しかも耐食性,耐熱性,加工性,加
工密着性,有機皮膜との密着性に優れたアルミニウム積
層鋼板を提供することを目的とするものである。
において、安価で、しかも耐食性,耐熱性,加工性,加
工密着性,有機皮膜との密着性に優れたアルミニウム積
層鋼板を提供することを目的とするものである。
その要旨は、Cr,WあるいはMoを0.001〜5%含むZnを
主成分とした合金を被覆した鋼板、または、Cr,Wあるい
はMoを0.001〜5%含むSnを主成分とした合金を被覆し
た鋼板と、厚さ5〜150μmのアルミニウムあるいはア
ルミニウム合金からなる圧延箔を重ね合わせて、全体を
圧下率1〜80%で圧着し、200℃からアルミニウムある
いはアルミニウム合金の融点以下の温度で1〜600秒の
熱処理を施し、拡散接合により、片面あるいは両面に、
アルミニウムあるいはアルミニウム合金箔を被覆したア
ルミニウム箔積層鋼板を製造することである。
主成分とした合金を被覆した鋼板、または、Cr,Wあるい
はMoを0.001〜5%含むSnを主成分とした合金を被覆し
た鋼板と、厚さ5〜150μmのアルミニウムあるいはア
ルミニウム合金からなる圧延箔を重ね合わせて、全体を
圧下率1〜80%で圧着し、200℃からアルミニウムある
いはアルミニウム合金の融点以下の温度で1〜600秒の
熱処理を施し、拡散接合により、片面あるいは両面に、
アルミニウムあるいはアルミニウム合金箔を被覆したア
ルミニウム箔積層鋼板を製造することである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のアルミニウム積層鋼板に使用される鋼板と
は、軟化焼鈍する前の冷間圧延鋼板あるいは軟化焼鈍後
の冷間圧延鋼板である。鋼板には低炭素鋼板,クロム添
加鋼板,ニッケル拡散処理した鋼板が含まれる。もちろ
ん、アルミニウムあるいはアルミニウム合金箔を被覆し
ない面にはクロメート処理,リン酸処理を施すことがで
きる。
は、軟化焼鈍する前の冷間圧延鋼板あるいは軟化焼鈍後
の冷間圧延鋼板である。鋼板には低炭素鋼板,クロム添
加鋼板,ニッケル拡散処理した鋼板が含まれる。もちろ
ん、アルミニウムあるいはアルミニウム合金箔を被覆し
ない面にはクロメート処理,リン酸処理を施すことがで
きる。
一方、アルミニウムあるいはアルミニウム合金からな
る箔は、圧延法により製造された厚さ5〜150μmのア
ルミニウムあるいはアルミニウム合金である。アルミニ
ウム合金としては、マグネシウム,マンガン,ケイ素な
どを含んだ合金が含まれる。5μm未満の厚みでは作業
性が低下し、製造コストが高くなり、不経済である。ま
た150μmを超えると、材料費の面で不経済である。も
ちろん、アルミニウムあるいはアルミニウム合金の非接
合面にはクロメート処理,リン酸処理などの化成処理を
施すことができる。また、圧下率が10%を越えるときは
接合面にクロメート処理あるいはリン酸処理が施されて
いても差し支えない。
る箔は、圧延法により製造された厚さ5〜150μmのア
ルミニウムあるいはアルミニウム合金である。アルミニ
ウム合金としては、マグネシウム,マンガン,ケイ素な
どを含んだ合金が含まれる。5μm未満の厚みでは作業
性が低下し、製造コストが高くなり、不経済である。ま
た150μmを超えると、材料費の面で不経済である。も
ちろん、アルミニウムあるいはアルミニウム合金の非接
合面にはクロメート処理,リン酸処理などの化成処理を
施すことができる。また、圧下率が10%を越えるときは
接合面にクロメート処理あるいはリン酸処理が施されて
いても差し支えない。
次に、良好な接合力および加工密着性を得るため、鋼
板の接合面上にCr,WあるいはMoを含むZnを主成分とする
合金、または、Cr,WあるいはMoを含むSnを主成分とする
合金を被覆する。その場合、接合面での全めっき量が0.
1〜10g/m2であればよい。Zn,Snともに、10g/m2を超すと
製造コスト面で不経済である。また、鋼板にZnかSnを主
成分とした合金を被覆した後に、異種金属を被覆しても
よい。このように鋼板上にCr,WあるいはMoを含むZnかSn
を主成分とする合金を被覆すると、熱処理時に強固な接
合層を形成し、脆弱な鉄−アルミニウム合金の生成を抑
制することができ、加熱拡散処理の温度条件を広げるこ
とができる。これらと一見類似したように見えるもの
に、前述した特開昭61−67581号がある。この方法で
は、Alと鋼板との加工密着性を高めるために熱処理温度
を高くすると、合金化してしまい、加工性が低下し、ま
たその温度許容範囲も狭く、膨れも発生する。それに対
して、本発明は、Znめっき層あるいはSnめっき層にCr,W
あるいはMoを添加することによって加熱処理の許容範囲
が広くなり、Cr,WあるいはMoの含有量を高くするほど加
熱条件を広げることができる。この構成は本発明の最も
重要な点の一つである。
板の接合面上にCr,WあるいはMoを含むZnを主成分とする
合金、または、Cr,WあるいはMoを含むSnを主成分とする
合金を被覆する。その場合、接合面での全めっき量が0.
1〜10g/m2であればよい。Zn,Snともに、10g/m2を超すと
製造コスト面で不経済である。また、鋼板にZnかSnを主
成分とした合金を被覆した後に、異種金属を被覆しても
よい。このように鋼板上にCr,WあるいはMoを含むZnかSn
を主成分とする合金を被覆すると、熱処理時に強固な接
合層を形成し、脆弱な鉄−アルミニウム合金の生成を抑
制することができ、加熱拡散処理の温度条件を広げるこ
とができる。これらと一見類似したように見えるもの
に、前述した特開昭61−67581号がある。この方法で
は、Alと鋼板との加工密着性を高めるために熱処理温度
を高くすると、合金化してしまい、加工性が低下し、ま
たその温度許容範囲も狭く、膨れも発生する。それに対
して、本発明は、Znめっき層あるいはSnめっき層にCr,W
あるいはMoを添加することによって加熱処理の許容範囲
が広くなり、Cr,WあるいはMoの含有量を高くするほど加
熱条件を広げることができる。この構成は本発明の最も
重要な点の一つである。
Cr,WあるいはMoを含有するZnまたはSnを主成分とした
合金を被覆する方法は、特に制限されるものではない
が、これらの方法としては電気めっき法,化学めっき法
がある。Znを主成分とした合金には、リン,コバルト,
銅,ニッケル,スズあるいは鉄を含むことができる。Sn
を主成分とした合金には、鉄,ニッケル,コバルトある
いは亜鉛を含むことができる。
合金を被覆する方法は、特に制限されるものではない
が、これらの方法としては電気めっき法,化学めっき法
がある。Znを主成分とした合金には、リン,コバルト,
銅,ニッケル,スズあるいは鉄を含むことができる。Sn
を主成分とした合金には、鉄,ニッケル,コバルトある
いは亜鉛を含むことができる。
鋼板上に金属をめっき法によって被覆した場合、鋼板
に熱処理を施すと、めっきにより吸蔵した水素などの気
体あるいは液体を脱離させることができ、接合の均一性
が改善される。脱気処理の雰囲気は非酸化性の雰囲気で
あればよい。たとえば、水素,窒素あるいはアルゴンか
らなる雰囲気が好ましい。また、これらのガスからなる
混合ガス雰囲気でもよい。この雰囲気中において、金属
を被覆した鋼板を50〜500℃の板温で熱処理を行う。50
℃未満でも脱気処理は可能であるが処理時間が長くなり
作業性を悪くする。加熱時間は1〜600秒の範囲でよい
が、被覆する金属の種類,厚みによって異なる。1秒未
満では、接合の均一性が改善されにくい。また、600秒
以上では効果は飽和し、経済性が劣る。好ましくは、60
秒であるが、機械的特性を改善するためには600秒を要
する場合がある。
に熱処理を施すと、めっきにより吸蔵した水素などの気
体あるいは液体を脱離させることができ、接合の均一性
が改善される。脱気処理の雰囲気は非酸化性の雰囲気で
あればよい。たとえば、水素,窒素あるいはアルゴンか
らなる雰囲気が好ましい。また、これらのガスからなる
混合ガス雰囲気でもよい。この雰囲気中において、金属
を被覆した鋼板を50〜500℃の板温で熱処理を行う。50
℃未満でも脱気処理は可能であるが処理時間が長くなり
作業性を悪くする。加熱時間は1〜600秒の範囲でよい
が、被覆する金属の種類,厚みによって異なる。1秒未
満では、接合の均一性が改善されにくい。また、600秒
以上では効果は飽和し、経済性が劣る。好ましくは、60
秒であるが、機械的特性を改善するためには600秒を要
する場合がある。
次に、以上の処理を施した鋼板とアルミニウムあるい
はアルミニウム合金箔を重ね合わせ、全体を圧下率1〜
80%で圧着する。圧下率は使用する鋼板およびアルミニ
ウムあるいはアルミニウム合金箔の厚さ,硬度によって
異なる。焼鈍処理を施していない鋼板では、1%程度の
圧下率で十分な接合力を得ることができる。また、80%
以上に圧下率を高くすると作業性が低下するので好まし
くない。
はアルミニウム合金箔を重ね合わせ、全体を圧下率1〜
80%で圧着する。圧下率は使用する鋼板およびアルミニ
ウムあるいはアルミニウム合金箔の厚さ,硬度によって
異なる。焼鈍処理を施していない鋼板では、1%程度の
圧下率で十分な接合力を得ることができる。また、80%
以上に圧下率を高くすると作業性が低下するので好まし
くない。
次いで、圧延により仮接合した鋼板に加熱拡散処理を
施す。板の温度は200℃からアルミニウムあるいはアル
ミニウム合金の融点以下にするのが好ましい。200℃未
満では鋼板とアルミニウムあるいはアルミニウム合金箔
との密着性が劣る。加熱時間は1〜600秒の範囲でよい
が、対象となる金属の種類,厚みにより異なる。1秒未
満では、鋼板とアルミニウムあるいはアルミニウム合金
箔とが均一に結合しにくい。600秒を超えても接合する
が、連続的な高速生産には60秒以下が好ましい。もちろ
ん、一定温度以上の拡散処理は、軟化焼鈍を兼ねること
ができる。
施す。板の温度は200℃からアルミニウムあるいはアル
ミニウム合金の融点以下にするのが好ましい。200℃未
満では鋼板とアルミニウムあるいはアルミニウム合金箔
との密着性が劣る。加熱時間は1〜600秒の範囲でよい
が、対象となる金属の種類,厚みにより異なる。1秒未
満では、鋼板とアルミニウムあるいはアルミニウム合金
箔とが均一に結合しにくい。600秒を超えても接合する
が、連続的な高速生産には60秒以下が好ましい。もちろ
ん、一定温度以上の拡散処理は、軟化焼鈍を兼ねること
ができる。
雰囲気は制限されず、水素,窒素あるいはアルゴンか
らなる雰囲気、または、これらのガスからなる混合ガス
雰囲気でもよい。また、空気中で加熱処理を行ってもよ
い。なお、加熱時には、加圧力は特に制限されない。
らなる雰囲気、または、これらのガスからなる混合ガス
雰囲気でもよい。また、空気中で加熱処理を行ってもよ
い。なお、加熱時には、加圧力は特に制限されない。
[作用] アルミニウムあるいはアルミニウム合金箔の表面には
拡散を妨げる安定な酸化膜が存在するが、これらを取り
除く前処理をする必要がない。それは、鋼板と重ね合わ
せて圧延をすることにより、接合面では、酸化膜が破壊
され、新生面が出現するためと考えられる。この出現し
た新生面により加熱処理による拡散が促進され、鋼板と
アルミニウムあるいはアルミニウム合金箔を接合させ、
接合力および加工密着性に優れたアルミニウム積層鋼板
が得られるものと考えられる。さらに少量のCr,Wあるい
はMoを含むそれぞれを主成分とする合金層を接合面に介
在させると、脆弱な鉄−アルミニウム合金の形成を抑制
し、上記の接合力および加工密着性に優れたアルミニウ
ム箔積層鋼板を得ることができる拡散処理の加熱条件を
拡大することができる。これにより、圧延にともない劣
化したエリクセン張り出し特性あるいは曲げ特性などの
加工特性を軟化焼鈍により圧延前の特性まで改善させる
ことができ、加工性に優れたアルミニウム箔積層鋼板を
容易に製造することができる。
拡散を妨げる安定な酸化膜が存在するが、これらを取り
除く前処理をする必要がない。それは、鋼板と重ね合わ
せて圧延をすることにより、接合面では、酸化膜が破壊
され、新生面が出現するためと考えられる。この出現し
た新生面により加熱処理による拡散が促進され、鋼板と
アルミニウムあるいはアルミニウム合金箔を接合させ、
接合力および加工密着性に優れたアルミニウム積層鋼板
が得られるものと考えられる。さらに少量のCr,Wあるい
はMoを含むそれぞれを主成分とする合金層を接合面に介
在させると、脆弱な鉄−アルミニウム合金の形成を抑制
し、上記の接合力および加工密着性に優れたアルミニウ
ム箔積層鋼板を得ることができる拡散処理の加熱条件を
拡大することができる。これにより、圧延にともない劣
化したエリクセン張り出し特性あるいは曲げ特性などの
加工特性を軟化焼鈍により圧延前の特性まで改善させる
ことができ、加工性に優れたアルミニウム箔積層鋼板を
容易に製造することができる。
[実施例] 本発明を実施例で具体的に説明する。
実施例1 厚み0.50mmの鋼板を、常法の前処理を施した鋼板に、
硫酸亜鉛250g/,硫酸アンモニウム35g/,硫酸コバ
ルト50g/,モリブデン酸アンモニウム1.50g/の浴を
用い、温度45℃,電流密度35A/dm2の条件で10g/m2めっ
きし、窒素ガス95%と水素ガス5%を含んだ雰囲気中
で、板の温度400℃の条件で300秒間加熱処理をした。次
いで、めっきを施した鋼板と厚み30μmのアルミニウム
箔(JIS1100)を重ね、7%の圧下率で圧延後、空気中
で板の温度300℃の条件で60秒間加熱処理を施し、アル
ミニウム箔積層鋼板を得た。
硫酸亜鉛250g/,硫酸アンモニウム35g/,硫酸コバ
ルト50g/,モリブデン酸アンモニウム1.50g/の浴を
用い、温度45℃,電流密度35A/dm2の条件で10g/m2めっ
きし、窒素ガス95%と水素ガス5%を含んだ雰囲気中
で、板の温度400℃の条件で300秒間加熱処理をした。次
いで、めっきを施した鋼板と厚み30μmのアルミニウム
箔(JIS1100)を重ね、7%の圧下率で圧延後、空気中
で板の温度300℃の条件で60秒間加熱処理を施し、アル
ミニウム箔積層鋼板を得た。
実施例2〜8における本願の発明の処理は実施例1に
準じて作成した。それらをまとめて第1表に示す。
準じて作成した。それらをまとめて第1表に示す。
このようにして得られたアルミニウム箔積層鋼板を用
いて、次のような加圧密着性試験を行った。
いて、次のような加圧密着性試験を行った。
アルミニウムあるいはアルミニウム合金の表面の張り
出し部にカッターで十字に地鉄部に達するまで傷をつけ
た後、エリクセン試験機(東京衡機製造所製)により、
アルミニウムあるいはアルミニウム合金側が張り出され
るように、7mm張り出した。その後、ピンセットで強制
的に剥離テストを実施した。
出し部にカッターで十字に地鉄部に達するまで傷をつけ
た後、エリクセン試験機(東京衡機製造所製)により、
アルミニウムあるいはアルミニウム合金側が張り出され
るように、7mm張り出した。その後、ピンセットで強制
的に剥離テストを実施した。
その結果、実施例1〜8の本発明によるアルミニウム
箔積層鋼板において、アルミニウムあるいはアルミニウ
ム合金箔の鋼板からの剥離は認められなかった。
箔積層鋼板において、アルミニウムあるいはアルミニウ
ム合金箔の鋼板からの剥離は認められなかった。
[発明の効果] 本発明によるアルミニウム箔積層鋼板の製造法によ
り、アルミニウムあるいはアルミニウム合金の箔と、鋼
板とを均一に接合し、拡散処理と軟化焼鈍を同時に行う
ことができ、接合力,加工性および加工密着性に優れ
た、経済的なアルミニウム箔積層鋼板が得られた。
り、アルミニウムあるいはアルミニウム合金の箔と、鋼
板とを均一に接合し、拡散処理と軟化焼鈍を同時に行う
ことができ、接合力,加工性および加工密着性に優れ
た、経済的なアルミニウム箔積層鋼板が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−75965(JP,A) 特開 昭53−85759(JP,A) 特開 昭54−120258(JP,A) 特開 昭58−47584(JP,A) 特開 平3−128180(JP,A) 特開 平3−221274(JP,A) 特開 平3−221273(JP,A) 特開 平3−221275(JP,A) 特公 昭34−5408(JP,B1) 特公 昭37−70(JP,B1)
Claims (1)
- 【請求項1】軟鋼板に厚み5〜150μmのアルミニウム
あるいはアルミニウム合金箔を、鋼板に積層する方法に
おいて、軟鋼板表面上にCr,WあるいはMoを0.001〜5%
含むZn合金、またはCr,WあるいはMoを0.001〜5%含むS
n合金めっきを0.1〜10g/m2施し、中性あるいは還元雰囲
気中で、めっき鋼板を、加熱温度50〜500℃,加熱時間
1〜600秒の熱処理を行い、次いで、該めっき鋼板にア
ルミニウムあるいはアルミニウム合金箔を積層し、圧下
率1〜80%で圧着し、次いで200℃からアルミニウムあ
るいはアルミニウム合金の融点以下の温度で、加熱時間
1〜600秒の熱処理をすることを特徴とするアルミニウ
ム箔積層鋼板の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2144347A JP2543429B2 (ja) | 1990-06-04 | 1990-06-04 | アルミニウム箔積層鋼板の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2144347A JP2543429B2 (ja) | 1990-06-04 | 1990-06-04 | アルミニウム箔積層鋼板の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0441681A JPH0441681A (ja) | 1992-02-12 |
JP2543429B2 true JP2543429B2 (ja) | 1996-10-16 |
Family
ID=15359993
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2144347A Expired - Fee Related JP2543429B2 (ja) | 1990-06-04 | 1990-06-04 | アルミニウム箔積層鋼板の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2543429B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4447762B2 (ja) | 2000-10-18 | 2010-04-07 | 東洋鋼鈑株式会社 | 多層金属積層板及びその製造方法 |
JP2010247194A (ja) * | 2009-04-16 | 2010-11-04 | Osaka Municipal Technical Research Institute | 金属管の接合方法 |
-
1990
- 1990-06-04 JP JP2144347A patent/JP2543429B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0441681A (ja) | 1992-02-12 |
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