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JP2539097Y2 - 電動式パワーステアリング装置 - Google Patents

電動式パワーステアリング装置

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JP2539097Y2
JP2539097Y2 JP1990030579U JP3057990U JP2539097Y2 JP 2539097 Y2 JP2539097 Y2 JP 2539097Y2 JP 1990030579 U JP1990030579 U JP 1990030579U JP 3057990 U JP3057990 U JP 3057990U JP 2539097 Y2 JP2539097 Y2 JP 2539097Y2
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JP
Japan
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steering
gear
motor
torque
shaft
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JP1990030579U
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康夫 清水
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Honda Motor Co Ltd
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Honda Motor Co Ltd
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  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、電動モータによって車両の操舵系に操舵補
助力を加えるようにした電動式パワーステアリング装置
に関するもので、特に、そのモータによる操舵補助力が
操舵系のステアリングギヤと転舵輪との間に作用するよ
うにされている電動式パワーステアリング装置に関する
ものである。
(従来の技術) 自動車には、電動モータによって操舵補助トルクを発
生させるようにした電動式パワーステアリング装置が用
いられることも多い。電動式パワーステアリング装置
は、ステアリングハンドルから操舵系に加えられた操舵
トルク及びその方向を操舵センサによって検出し、その
出力信号によりモータを制御して、モータの回転トルク
を操舵系に作用させるようにしたもので、コンパクトに
構成することができ、また、エンジン出力がパワーステ
アリング装置によって消費させることがないという特徴
を有している。
このような電動式パワーステアリング装置としては、
モータの回転トルクを、ステアリングハンドルとステア
リングギヤとの間のステアリングシャフトに作用させる
ものと、ステアリングギヤと転舵輪との間の操舵系に作
用させるものとが知られている。そのうち、ステアリン
グギヤと転舵輪との間に操舵補助トルクを加えるものと
しては、ラックピニオン式のステアリングギヤを備え、
そのステアリングギヤのラック軸にモータ回転トルクを
軸線方向の推力に変換して作用させるようにしたものが
ある。そのラック軸はタイロッドを介して転舵輪に連結
される。
そのようにラックピニオン式ステアリングギヤのラッ
ク軸にモータによる操舵補助トルクを加える電動式パワ
ーステアリング装置の場合には、通常、その操舵センサ
は、ラック軸に噛み合うピニオンギヤにステアリングハ
ンドルから伝えられる操舵トルクを検出するものとされ
る。より具体的には、その操舵センサは、ピニオンギヤ
のピニオン軸に生ずるねじれを検出するものとされる。
ところで、そのような形式の電動式パワーステアリン
グ装置を装備した車両においては、走行中、路面からの
負荷が転舵輪及びタイロッドを介してラック軸に伝えら
れるので、その負荷が左右の転舵輪で異なるとピニオン
軸がねじられる。そして、そのねじれが操舵センサによ
って検出される。そのために、操舵センサからの出力信
号によってそのままモータが制御されるようにすると、
直進走行中においても左右の転舵輪に加わる路面負荷の
差によりモータが頻繁に駆動され、転舵輪の転舵が小刻
みに繰り返されることになる。
また、高速走行時には、ステアリングハンドルの操作
角は小さく、操舵力も小さいので、パワーアシストは必
要とされない。むしろ、ステアリングハンドルの過操作
を防止するために、ある程度の操舵反力が与えられるよ
うにすることが求められる。
そこで、一般には、操舵センサの出力信号を受けてモ
ータに対する指令信号を発生するコントロールユニット
に、操舵センサからの信号を受けてもアシスト指令信号
を発生しない所定幅の不感帯を設け、操舵センサによっ
て検出されるトルクが小さいときにはモータが駆動され
ないようにしている。その不感帯は、比較的幅の広いも
のとされる。
従来は、そのような不感帯を設ける電動式パワーステ
アリング装置の場合にも、そのステアリングギヤのギヤ
比は全体にわたって一定とされていた。
(考案が解決しようとする課題) しかしながら、そのようにステアリングギヤのギヤ比
を全体にわたって一定とすると、ステアリングハンドル
を一定角度回転させたとき、ラック軸は常に一定量だけ
移動されることになる。その場合、パワーステアリング
装置には前述の不感帯が設けられており、ハンドルの切
り始め等において操舵トルクがまだ前記不感帯内にある
ような操作角が小さい範囲ではモータが作動しないの
で、そのときのラック軸の移動はピニオンギヤを介して
手動で行われることになる。そして、そのラック軸の移
動によって、ラック軸に連結されているモータが逆に回
転される。しかも、一般にモータは減速した上でラック
軸にトルクを作用させるようにされているので、そのと
きモータは増速して回転されることになる。そのように
増速して強制的にモータを回転させる場合、モータの慣
性力はその増速比の2乗に比例して大きくなる。したが
って、そのモータを静止状態から回転させるために、ハ
ンドル操作には大きな力が必要となる。
一方、不感帯を超えるまでステアリングハンドルを回
転させると、モータによる操舵補助力に加えられるよう
になるので、ハンドル操作力は小さくなる。
そのために、従来のようにステアリングギヤのギヤ比
を一定とし、そのステアリングギヤより下流側にモータ
による補助トルクを作用させるようにした電動式パワー
ステアリング装置では、ステアリングハンドルの中立位
置近傍とその両側とでハンドル操作力に差が生じ、操舵
フィーリングが低下するという問題がある。特に、高速
走行時には中立位置付近での操舵が頻繁に行われるの
で、その操舵フィーリングの改善が望まれている。
なお、上述のようにステアリングギヤと転舵輪との間
の操舵系にモータによる操舵補助トルクを作用させるよ
うにした電動式パワーステアリング装置には、ラックピ
ニオン式の代わりにボールねじ式のステアリングギヤを
用いたものもあるが、そのようなものにおいても同様な
問題がある。
本考案は、このような実情に鑑みてなされたものであ
って、その目的は、ステアリングギヤと転舵輪との間の
操舵系に電動モータによる操舵補助トルクが減速機構を
介して作用するようにされていて、しかも、操舵トルク
が小さいときにはそのモータによる操舵補助トルクを発
生させないようにする不感帯が設けられている電動式パ
ワーステアリング装置において、ステアリングハンドル
の中立位置近傍における操舵フィーリングを向上させる
ことができるようにすることである。
(課題を解決するための手段) この目的を達成するために、本考案では、ステアリン
グハンドルの中立位置近傍におけるステアリングギヤの
ギヤ比を、その中立位置から左右にステアリングハンド
ルを切ったときのステアリングギヤのギヤ比よりも大き
く設定するようにしている。
(作用) このようにステアリングギヤをバリアブルギヤレシオ
とし、その中立位置付近のギヤ比を大きくすることによ
り、ステアリングハンドルを中立位置近傍で回転させた
ときには、転舵輪は小さく転舵される。したがって、例
えばラックピニオン式のステアリングギヤを用いたもの
の場合には、ステアリングハンドルを比較的大きく回転
させても、ラック軸は少ししか移動しない。その結果、
モータの強制回転量が少なくなる。すなわち、ピニオン
ギヤから見ると、モータの増速比を小さくしたのと同じ
効果が得られることになり、モータの慣性力が小さくな
る。
こうして、ステアリングハンドルはその中立位置近傍
においてもスムーズに回転されるようになる。そして、
パワーステアリング装置の不感帯を超えるまでステアリ
ングハンドルを回転させると、モータによる操舵補助ト
ルクが作用するようになるので、その後の操舵操作も軽
くなされる。したがって、操舵フィーリングが向上す
る。
また、ステアリングハンドルの中立位置近傍から離れ
ると、ステアリングギヤのギヤ比が小さくされるので、
ハンドルの小さな回転で転舵輪が大きく転舵されるよう
になる。したがって、操舵操作が忙しくなることもな
い。
(実施例) 以下、図面を用いて本考案の実施例を説明する。
図は本考案による電動式パワーステアリング装置の一
実施例を示すもので、第1図はそのパワーステアリング
装置のギヤボックスを示す縦断面図であり、第2図はそ
のパワーステアリング装置の制御回路図である。
第1図から明らかなように、この電動式パワーステア
リング装置1は、車体左右方向に延びるラック軸2を備
えている。そのラック軸2は、車体に固着されるギヤボ
ックスケース3a,3bによって軸線方向に摺動可能に支持
されており、その両端がそれぞれタイロッドを介して左
右の転舵輪に連結されるようになっている。
ラック軸2の図で左側部分には、ラックピニオン式の
ステアリングギヤ4が設けられている。そのステアリン
グギヤ4は、ラック軸2の側面に軸線方向に沿って形成
されたラック歯5と、そのラック歯5に噛み合うピニオ
ンギヤ6とによって構成されている。そのピニオンギヤ
6は、トーションバーを有するピニオン軸7の下端に固
着されている。そして、そのピニオン軸7の上端に、ス
テアリングシャフトを介してステアリングハンドルの回
転が伝えられるようになっている。したがって、ステア
リングハンドルを回転させたときには、その回転がピニ
オン軸7からピニオンギヤ6に伝えられ、ラック軸2の
軸線方向の推力が加えられる。そのとき、ラック軸2に
は転舵輪の路面負荷が作用しているので、ピニオン軸7
はステアリングハンドルに加えられた操舵トルクに対応
する角度だけねじられる。
ピニオン軸7の外周には、磁性体からなる円筒状の可
動コア8が設けられている。その可動コア8は傾斜長溝
8aを介してピニオン軸7と係合しており、ピニオン軸7
のねじれによって軸線方向に移動するようにされてい
る。そして、その可動コア8の変位が差動変圧器9によ
って検出されるようになっている。こうして、これら可
動コア8及び差動変圧器9によって、操舵系に加えられ
た操舵トルクを検出するトルクセンサ10が構成されてい
る。
また、ピニオン軸7の外周部には、その回転を検出す
る回転センサ11が設けられている。そして、これらトル
クセンサ10及び回転センサ11によって、車両の操舵状
態、すなわち操舵系に加えられた操舵トルク及び操舵方
向を検出するインテリジェント操舵センサ12が構成され
ている。
この操舵センサ12は、ピニオン軸7を回転自在に支持
するシャフトケース13内に収容されている。このシャフ
トケース13は、ギヤボックスケース3aの端部外側に固着
されるようになっている。
シャフトケース13の側部には、操舵センサ12の出力信
号が導かれるコントロールユニット(ECU)14が設けら
れている。また、ギヤボックスケース3aには、そのコン
トロールユニット14から出力されるパワーアシスト指令
信号が導かれるパワーユニット15が取り付けられてい
る。
ギヤボックスケース3a,3b間には、中空のロータ軸16
を有する電動モータ17がラック軸2と同軸に設けられて
いる。そのロータ軸16はギヤボックスケース3a,3bによ
って回転自在に支持されている。ラック軸2は、そのほ
ぼ中央部が適当な隙間を持ってロータ軸16を貫通するよ
うに配置されている。モータ17は、パワーユニット15に
よって駆動されるようになっている。
ロータ軸16の端部外周面には駆動ギヤ18が形成されて
おり、その駆動ギヤ18に出力ギヤ19が噛み合わされてい
る。その出力ギヤ19は駆動ギヤ18よりも径の大きいもの
で、それによって減速機構が構成されている。その出力
ギヤ19はボールねじ機構20のねじ軸21に固着されてい
る。そして、そのねじ軸21に、多数のボールを介してボ
ールねじ機構20のナット部材22が噛み合わされている。
こうして、モータ17を駆動したときには、その回転が駆
動ギヤ18及び出力ギヤ19を介して減速されてボールねじ
機構20に伝達され、そのねじ軸21が回転することによっ
てナット部材22が軸線方向に移動するようになってい
る。
ねじ軸21はラック軸2に平行に配置されている。ま
た、ナット部材22には、ラック軸2に固定されるラック
ジョイント23が取り付けられている。したがって、モー
タ17の駆動力によりナット部材22をねじ軸21の軸線方向
に移動させると、ラック軸2にはその軸線方向の推力が
加えられる。すなわち、モータ17の駆動トルクがラック
軸2の推力に変換される。
このようにして、操舵操作したときには、ステアリン
グハンドルの回転によってピニオン軸7がねじられて、
ピニオンギヤ6からラック軸2に操舵トルクが加えられ
るとともに、その操舵トルク及び操舵方向が操舵センサ
12によって検出され、その出力信号によりモータ17が駆
動されて、そのモータ17の駆動トルクを変換した推力が
ラック軸2に加えられるようになっている。したがっ
て、ラック軸2には、ステアリングハンドルからの操舵
トルクとモータ17が発生する操舵補助トルクとが作用す
ることになり、ラック軸2が軸線方向に移動して、転舵
輪が転舵される。この間において、ピニオン軸7は所定
のねじれを保ったまま回転する。
第2図に示されるように、コントロールユニット14に
は、上述のトルクセンサ10と回転センサ11とからなる操
舵センサ12の出力信号のほかに、そのときの車両の速度
を検出する車速センサ24やパワーユニット15に流れる電
流を検出する電流センサ25等からの出力信号が入力され
るようになっている。
コントロールユニット14は、インタフェース回路26
と、中央処理装置(CPU)を含むコントロール回路27
と、故障診断回路28と、電源回路(図示せず)とによっ
て構成されている。インタフェース回路26は、各センサ
10,11,24,25からの出力信号とコントロール回路27の信
号との整合を図るものである。コントロール回路27にお
いては、各センサ10,11,…からの信号に基づいて、モー
タ17に求められる回転トルクと回転方向とが算出され
る。そして、第3図に示されているようなパワーアシス
ト指令信号がパワーユニット15に出力される。その指令
信号は、トルクセンサ10によって検出される操舵トルク
がゼロのときを中心とする所定の幅の不感帯領域Nを有
するものとされる。
パワーユニット15は、電界効果型トランジスタを用い
たブリッジ回路によって構成され、コントロールユニッ
ト14からの指令を受けて、モータ17を可逆的に駆動す
る。
第4図は、ステアリングギヤ4を構成するラック歯5
とピニオンギヤ6との噛み合い状態を示すものである。
この図から明らかなように、ラック歯5は、その軸線
方向のセンタ部近傍では歯が細かく、両側では粗くされ
ている。したがって、ピニオンギヤ6がラック歯5とそ
のセンタ部近傍で噛み合って回転するとき、すなわちス
テアリングハンドルが中立位置近傍にあるときには、ス
テアリングハンドルの一定の回転角に対してラック軸2
は小さく移動し、その両側で噛み合っているときにはラ
ック軸2が大きく移動する。すなわち、ステアリングハ
ンドルの中立位置近傍ではステアリングギヤ4のギヤ比
が大きく、その中立位置から左右にステアリングハンド
ルを切ったときにはそのギヤ比が小さくなるようにされ
ている。
第5図は、このステアリングギヤ4の特性を示す特性
図である。
この図から明らかなように、ギヤ比は、操舵角がゼロ
の付近では大きく、左右に操舵するにつれて小さくな
り、大きく操舵したときには小さい一定の値をとる。そ
して、ラックゲイン、すなわちステアリングハンドル1
回転当たりのラック軸2の移動量は、逆に、操舵角がゼ
ロの付近では小さく、両側で大きくなる。したがって、
ステアリングハンドルを一定角度だけ操作したとき、中
立位置近傍では転舵輪は小さく転舵され、その中立位置
から左右にステアリングハンドルを切った状態にあると
きには大きく転舵される。
次に、このように構成された電動式パワーステアリン
グ装置1の作用について説明する。
上述のように、ステアリングハンドルを回転させる
と、その回転がピニオン軸7に伝えられ、ピニオン軸7
がねじられるとともに、そのねじれに相当する操舵トル
クがピニオンギヤ6からラック軸2に加えられる。そし
て、その操舵トルクとその方向とが操舵センサ12によっ
て検出される。その操舵センサ12の出力信号は、他のセ
ンサ24,25等の出力信号とともにコントロールユニット1
4に導かれ、それらの信号に基づいて、モータ17に求め
られるトルクと回転方向とが算出される。そして、その
コントロールユニット14からパワーユニット15にアシス
ト指令信号が送られる。パワーユニット15は、その指令
信号に応じた電流をモータ17に供給する。その結果、モ
ータ17が所定のトルクをもって所定の方向に駆動され、
ラック軸2に推力が加えられる。
このようにして、ステアリングハンドルから加えられ
る操舵トルクとモータ17が発生する操舵補助トルクとに
よりラック軸2が駆動され、タイロッドを介して転舵輪
が転舵される。すなわち、モータ17によって操舵力が補
助される。
この間において、コントロールユニット14には操舵セ
ンサ12からの信号を受けてもアシスト指令信号を出力し
ない不感帯領域Nが設けられているので、ステアリング
ハンドルを中立位置から切り始める初期には、パワース
テアリング装置1は働かない。すなわち、モータ17によ
る操舵補助トルクは加えられない。しかしながら、ピニ
オンギヤ6は回転するので、その回転によってラック歯
5を介してラック軸2に推力が加えられる。そのため
に、ラック軸2に固定されているラックジョイント23に
軸線方向の力が加えられ、ボールねじ機構20を介してね
じ軸21が回転される。そして、その回転が、通常時には
モータ17の回転を減速してねじ軸21に伝える減速機構を
構成する駆動ギヤ18及び出力ギヤ19を介して逆に増速さ
れてモータ17に伝えられ、そのモータ17のロータ軸16が
強制的に回転される。
このとき、ラック歯5のセンタ部付近ではステアリン
グギヤ4のギヤ比が大きくされているので、ステアリン
グハンドルの中立位置近傍では、ピニオンギヤ6の回転
によってもラック軸2は少ししか移動しない。したがっ
て、モータ17も少ししか回転されない。言い換えると、
ステアリングハンドルの回転角に対するモータ17の強制
回転量が小さくされていることになる。すなわち、ステ
アリングハンドルから見てモータ17の増速比を小さくし
たのと同じ効果が得られることになり、モータ17の慣性
力がその増速比の2乗で小さくされる。その結果、ステ
アリングハンドルの中立位置近傍におけるハンドル操作
力が軽減されるようになる。
そして、ステアリングハンドルを更に回転させてパワ
ーステアリング装置1に設定された不感帯領域Nを超え
ると、コントロールユニット14からアシスト指令信号が
出力され、モータ17による操舵補助トルクがラック軸2
に加えられるようになる。したがって、その後の操舵操
作は軽くなされる。そして、そのときには、ステアリン
グギヤ4のギヤ比が小さくなるので、ステアリングハン
ドルの小さな回転操作によっても操舵輪は大きく転舵さ
れる。したがって、大角度の操舵のときにもハンドル操
作が忙しくなることはない。
このように、このパワーステアリング装置1によれ
ば、モータ17による操作補助トルクが作用しないステア
リングハンドルの中立位置近傍においても、操舵補助ト
ルクが作用するときと同様にハンドル操作がスムーズに
なされるようになるので、操舵フィーリングが著しく向
上する。そして、それによって不感帯領域Nを広くする
ことができるようになるので、小角度の操舵頻度が高
く、しかもパワーアシストの求められない高速走行時に
は、マニュアルステアリングと同様な操舵フィーリング
を得ることができる。
なお、上記実施例においては、ステアリングギヤ4が
ラック歯5とピニオンギヤ6とからなるラックピニオン
式のものである場合について説明したが、ボールねじ式
のステアリングギヤを用いた電動式パワーステアリング
装置の場合にも、そのステアリングギヤのギヤ比をステ
アリングハンドルの中立位置近傍において大きくするこ
とによって、同様な作用効果を得ることができる。
(考案の効果) 以上の説明から明らかなように、本考案によれば、ス
テアリングギヤと転舵輪との間の操舵系に減速機構を介
して電動モータによる操舵補助トルクを作用させるよう
にした電動式パワーステアリング装置において、ステア
リングハンドルの中立位置近傍におけるステアリングギ
ヤのギヤ比を、その中立位置から左右にステアリングハ
ンドルを切った状態にあるときのステアリングギヤのギ
ヤ比よりも大きくするようにしているので、ハンドルを
中立位置から操作するときにも、電動モータによる抵抗
が小さくなり、ハンドル操作が滑らかに行われるように
なる。そして、ある程度ステアリングハンドルを回転さ
せれば、モータによる操舵補助トルクが作用するように
なるので、その後の操舵はスムーズになされるようにな
る。したがって、ハンドル切り始めの渋り感をなくすこ
とができ、操舵フィーリングを向上させることができ
る。
また、ステアリングハンドルの中立位置近傍の、パワ
ーアシストが働かない不感帯領域においても、ハンドル
が軽く操作されるようになるので、その不感帯領域を広
くすることができる。したがって、高速走行時にはマニ
ュアルステアリングの場合と同様な操舵フィーリングが
得られるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本考案による電動式パワーステアリング装置
の一実施例を示すもので、そのギヤボックスを示す縦断
面図、 第2図は、そのパワーステアリング装置の制御回路を示
すブロック図、 第3図は、その制御回路のコントロールユニットから出
力されるパワーアシスト指令信号の特性を示すグラフ、 第4図は、そのパワーステアリング装置に用いられてい
るラックピニオン式ステアリングギヤのギヤ比の変化を
示す説明図、 第5図は、そのステアリングギヤの特性を示すグラフで
ある。 1…電動式パワーステアリング装置、2…ラック軸 4…ステアリングギヤ、5…ラック歯、6…ピニオンギ
ヤ 7…ピニオン軸、10…トルクセンサ、11…回転センサ 12…操舵センサ、14…コントロールユニット 15…パワーユニット、17…電動モータ 18,19…駆動ギヤ及び出力ギヤ(減速機構) 20…ボールねじ機構、N…不感帯領域

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】ステアリングハンドルから操舵系に加えら
    れる操舵トルクを検出する操舵センサと、 前記ステアリングハンドルから転舵輪に至る操舵系の、
    ステアリングギヤと転舵輪との間に、減速機構を介して
    操舵補助トルクを作用させる電動モータと、 前記操舵センサからの出力信号により前記電動モータを
    制御するコントロールユニットと、を備え、 前記コントロールユニットが、前記操舵センサによって
    検出される操舵トルクが所定値に達するまでは前記操舵
    補助トルクを発生させないようにする不感帯を有してい
    る電動式パワーステアリング装置において; 前記ステアリングハンドルの中立位置近傍における前記
    ステアリングギヤのギヤ比が、その中立位置から左右に
    ステアリングハンドルを切ったときのステアリングギヤ
    のギヤ比よりも大きくされていることを特徴とする、 電動式パワーステアリング装置。
JP1990030579U 1990-03-27 1990-03-27 電動式パワーステアリング装置 Expired - Lifetime JP2539097Y2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014203574A1 (ja) * 2013-06-17 2014-12-24 日産自動車株式会社 ステアリング装置

Family Cites Families (2)

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