JP2528971B2 - クラッチフェ―シングおよびその製造方法 - Google Patents
クラッチフェ―シングおよびその製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、クラッチフェーシングに関し、さらに詳し
くは、セピオライトを含む優れた性能を有するクラッチ
フェーシングおよびその製造方法に関する。
くは、セピオライトを含む優れた性能を有するクラッチ
フェーシングおよびその製造方法に関する。
発明の技術的背景 従来、クラッチフェーシングは、石綿、ガラス繊維、
芳香族ポリアミド繊維、カーボン繊維などからなるヤー
ン状、ロービング状、テープ状、クロス状あるいは平リ
ング状の基材に、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂お
よび摩擦向上剤などの充填材などを付着させるか、また
は熱硬化性樹脂、ゴム材、加硫剤、加硫促進剤および充
填材などを付着させ、次いでこの基材をうず巻状あるい
は積層体状に予備成形し、その後金型などにて加熱加圧
することによって硬化させて製造されてきた。
芳香族ポリアミド繊維、カーボン繊維などからなるヤー
ン状、ロービング状、テープ状、クロス状あるいは平リ
ング状の基材に、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂お
よび摩擦向上剤などの充填材などを付着させるか、また
は熱硬化性樹脂、ゴム材、加硫剤、加硫促進剤および充
填材などを付着させ、次いでこの基材をうず巻状あるい
は積層体状に予備成形し、その後金型などにて加熱加圧
することによって硬化させて製造されてきた。
ところで、石綿を基材とするクラッチフェーシング
は、安価でしかも摩擦特性にも優れており、その上石綿
基材にフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂を付着させて
も石綿の柔軟性が失われないため作業性が優れていると
いう利点を有している。ところが近年に至って石綿資源
の枯渇およびそれに伴う入手難の問題が生ずるととも
に、石綿の人体に対する悪影響も指摘され、石綿の使用
は再検討され始めている。
は、安価でしかも摩擦特性にも優れており、その上石綿
基材にフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂を付着させて
も石綿の柔軟性が失われないため作業性が優れていると
いう利点を有している。ところが近年に至って石綿資源
の枯渇およびそれに伴う入手難の問題が生ずるととも
に、石綿の人体に対する悪影響も指摘され、石綿の使用
は再検討され始めている。
このためガラス繊維を基材として用いたクラッチフェ
ーシングが製造されているが、このガラス繊維を基材と
するクラッチフェーシングは、機械的強度が大きく耐摩
耗性にも優れている。ところが、仕上げ研磨時あるいは
得られたクラッチフェーシングをクラッチディスクに装
着するための穿孔加工時にガラス塵芥が舞い上がって作
業者の皮膚を刺激するという問題点があるとともに、耐
熱性の点で必ずしも満足のいくものではなかった。また
ガラス繊維を基材とするクラッチフェーシングは、クラ
ッチ接続時に振動が生ずるなどのフィーリング性に劣る
という問題点があった。さらに、芳香族ポリアミド繊維
を基材とするクラッチフェーシングも同様に、耐熱性の
点で必ずしも満足のいくものではなかった。
ーシングが製造されているが、このガラス繊維を基材と
するクラッチフェーシングは、機械的強度が大きく耐摩
耗性にも優れている。ところが、仕上げ研磨時あるいは
得られたクラッチフェーシングをクラッチディスクに装
着するための穿孔加工時にガラス塵芥が舞い上がって作
業者の皮膚を刺激するという問題点があるとともに、耐
熱性の点で必ずしも満足のいくものではなかった。また
ガラス繊維を基材とするクラッチフェーシングは、クラ
ッチ接続時に振動が生ずるなどのフィーリング性に劣る
という問題点があった。さらに、芳香族ポリアミド繊維
を基材とするクラッチフェーシングも同様に、耐熱性の
点で必ずしも満足のいくものではなかった。
さらにまた、ガラス繊維を基材とするクラッチフェー
シングは、急激にあるいは大きな荷重をかけてクラッチ
フェーシングを相手面に接触した場合に、クラッチが滑
りやすくなったり、破損しやすくなったりし、特に高温
ではその傾向が顕著に表われるようになるという問題点
があった。なおクラッチフェーシングを相手面に接触し
た場合にクラッチが滑ってしまうと、動力を効率よく伝
達することができなくなってしまう。
シングは、急激にあるいは大きな荷重をかけてクラッチ
フェーシングを相手面に接触した場合に、クラッチが滑
りやすくなったり、破損しやすくなったりし、特に高温
ではその傾向が顕著に表われるようになるという問題点
があった。なおクラッチフェーシングを相手面に接触し
た場合にクラッチが滑ってしまうと、動力を効率よく伝
達することができなくなってしまう。
発明の目的 本発明は、上記のような従来技術における問題点を解
決しようとするものであって、クラッチフェーシングを
高温において接続しても滑りがあまり発生せず、しかも
耐熱性に優れるとともに相手面に対する攻撃性が少な
く、その上摩耗量が少なく耐久性に優れているようなク
ラッチフェーシングおよびその製造方法を提供すること
を目的としている。
決しようとするものであって、クラッチフェーシングを
高温において接続しても滑りがあまり発生せず、しかも
耐熱性に優れるとともに相手面に対する攻撃性が少な
く、その上摩耗量が少なく耐久性に優れているようなク
ラッチフェーシングおよびその製造方法を提供すること
を目的としている。
発明の概要 本発明に係るクラッチフェーシングは、基材繊維20〜
50重量%と、セピオライト5〜38重量%と、熱硬化性樹
脂2〜10重量%と、ゴム材15〜30重量%と、充填材25〜
40重量%とからなることを特徴としている。
50重量%と、セピオライト5〜38重量%と、熱硬化性樹
脂2〜10重量%と、ゴム材15〜30重量%と、充填材25〜
40重量%とからなることを特徴としている。
また本発明に係るクラッチフェーシングの製造方法
は、基材繊維に、熱硬化性樹脂と、セピオライトおよび
充填材を含むゴム配合物とを付着させ、この基材繊維を
うず巻状あるいは積層体状に予備成形し、次いで得られ
た予備成形体を加熱圧縮することを特徴としている。
は、基材繊維に、熱硬化性樹脂と、セピオライトおよび
充填材を含むゴム配合物とを付着させ、この基材繊維を
うず巻状あるいは積層体状に予備成形し、次いで得られ
た予備成形体を加熱圧縮することを特徴としている。
発明の具体的説明 以下本発明に係るクラッチフェーシングおよびその製
造方法について具体的に説明する。
造方法について具体的に説明する。
クラッチフェーシングを形成する基材繊維としては、
具体的には、ガラス繊維、金属繊維、セラミック繊維、
鉱滓繊維、鉱物繊維などの無機繊維、アラミッド繊維
(芳香族ポリアミド繊維)、ポリアミド繊維、木綿、
麻、レーヨンなどの有機繊維、カーボン繊維、グラファ
イト繊維などが用いられる。
具体的には、ガラス繊維、金属繊維、セラミック繊維、
鉱滓繊維、鉱物繊維などの無機繊維、アラミッド繊維
(芳香族ポリアミド繊維)、ポリアミド繊維、木綿、
麻、レーヨンなどの有機繊維、カーボン繊維、グラファ
イト繊維などが用いられる。
これらの基材繊維のうち、ガラス繊維、アラミッド繊
維、芳香族ポリアミド繊維、カーボン繊維が、単独であ
るいは組合せて用いられることが好ましい。また有機繊
維は、無機繊維と組合せて用いることが好ましい。
維、芳香族ポリアミド繊維、カーボン繊維が、単独であ
るいは組合せて用いられることが好ましい。また有機繊
維は、無機繊維と組合せて用いることが好ましい。
また基材繊維として、後述するようなセピオライトを
用いることもできるが、セピオライトが単独で基材繊維
として用いられることはなく、たとえばガラス繊維とセ
ピオライトとが組合せられて基材繊維として用いられ
る。なお基材繊維としてのセピオライトがガラス繊維な
どと組合せて用いられる場合にも、後述するセピオライ
トのクラッチフェーシング中での含有量は基材繊維の含
有量に含まれるのではなく、後述するセピオライトの含
有量に含まれる。
用いることもできるが、セピオライトが単独で基材繊維
として用いられることはなく、たとえばガラス繊維とセ
ピオライトとが組合せられて基材繊維として用いられ
る。なお基材繊維としてのセピオライトがガラス繊維な
どと組合せて用いられる場合にも、後述するセピオライ
トのクラッチフェーシング中での含有量は基材繊維の含
有量に含まれるのではなく、後述するセピオライトの含
有量に含まれる。
なお、本発明では、基材繊維として石綿を少量用いて
もよい。
もよい。
これらの基材繊維は、ロービング状、ヤーン状、テー
プ状、クロス状、平リング状などの従来公知の形状で用
いられる。
プ状、クロス状、平リング状などの従来公知の形状で用
いられる。
このような基材繊維には、熱硬化性樹脂およびゴム配
合物が付着されるが、本発明で用いられるゴム配合物
は、ゴム材と、セピオライトと、充填材とを含んでい
る。
合物が付着されるが、本発明で用いられるゴム配合物
は、ゴム材と、セピオライトと、充填材とを含んでい
る。
基材繊維に付着される熱硬化性樹脂としては、具体的
には、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポ
キシ樹脂などが用いられる。これらのうち、フェノール
樹脂が好ましく、フェノール樹脂としては、フェノール
樹脂あるいはクレゾール変性フェノール樹脂、メラミン
変性フェノール樹脂、ゴム変性フェノール樹脂、カシュ
ー変性フェノール樹脂などの変性フェノール樹脂が用い
られる。
には、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポ
キシ樹脂などが用いられる。これらのうち、フェノール
樹脂が好ましく、フェノール樹脂としては、フェノール
樹脂あるいはクレゾール変性フェノール樹脂、メラミン
変性フェノール樹脂、ゴム変性フェノール樹脂、カシュ
ー変性フェノール樹脂などの変性フェノール樹脂が用い
られる。
ゴム材としては、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−
ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、エチ
レン−プロピレンゴム(EPM)、ブチルゴム(IIR)、ア
クリルニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、アクリルゴ
ム(ACM)、ウレタンゴム(U)、シリコーンゴム
(Q)、フッ素ゴム(FKM)、多硫化ゴム(T)などの
合成ゴムならびに天然ゴムが用いられうるが、特にスチ
レン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブ
タジエンゴム(NBR)が好ましい。
ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、エチ
レン−プロピレンゴム(EPM)、ブチルゴム(IIR)、ア
クリルニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、アクリルゴ
ム(ACM)、ウレタンゴム(U)、シリコーンゴム
(Q)、フッ素ゴム(FKM)、多硫化ゴム(T)などの
合成ゴムならびに天然ゴムが用いられうるが、特にスチ
レン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブ
タジエンゴム(NBR)が好ましい。
このようなゴム材は、セピオライトおよび充填材を含
んでゴム配合物として用いられる。
んでゴム配合物として用いられる。
セピオライトとしては、3〜3000μm好ましくは20〜
100μm程度の繊維長を有するものが用いられる。平均
直径が0.01〜20μmのものが好ましい。このセピオライ
トは、マグネシウムの含水ケイ酸塩系の粘土鉱物であっ
て、二酸化硅素、酸化マグネシウム、酸化カリシウム、
酸化アルミニウム、酸化鉄などからなり、多少の付着水
分を含んでいる。またこのセピオライトは、いわゆるレ
ンガ積み構造を有しており、大きな吸着性を有してお
り、また独特のレオロジー特性ならびに固結性を有して
いる。
100μm程度の繊維長を有するものが用いられる。平均
直径が0.01〜20μmのものが好ましい。このセピオライ
トは、マグネシウムの含水ケイ酸塩系の粘土鉱物であっ
て、二酸化硅素、酸化マグネシウム、酸化カリシウム、
酸化アルミニウム、酸化鉄などからなり、多少の付着水
分を含んでいる。またこのセピオライトは、いわゆるレ
ンガ積み構造を有しており、大きな吸着性を有してお
り、また独特のレオロジー特性ならびに固結性を有して
いる。
このようなセピオライトは、従来その吸着性などを利
用して、油の脱色精製などにモンモリロナイトと同様に
用いられたり、あるいは犬、猫などのペット用の敷砂、
農薬の賦形剤などに用いられてきているが、クラッチフ
ェーシングに用いられたことはなかった。
用して、油の脱色精製などにモンモリロナイトと同様に
用いられたり、あるいは犬、猫などのペット用の敷砂、
農薬の賦形剤などに用いられてきているが、クラッチフ
ェーシングに用いられたことはなかった。
また充填材としては、摩擦調整剤および補強材を含ん
で用いられ、酸化亜鉛、クレー、タルク、硫酸バリウ
ム、カシューダスト、グラファイト、炭酸カルシウムな
どが用いられる。
で用いられ、酸化亜鉛、クレー、タルク、硫酸バリウ
ム、カシューダスト、グラファイト、炭酸カルシウムな
どが用いられる。
また本発明に用いられるゴム配合物には、通常の加硫
剤あるいは加硫促進剤が含まれている。
剤あるいは加硫促進剤が含まれている。
加硫剤としては、イオウ、酸化亜鉛、酸化マグネシウ
ム、有機過酸化物、有機含硫黄化合物、アルキル変性フ
ェノール樹脂などが用いられる。また加硫促進剤として
は、チアゾール系促進剤、スルフェンアミド系促進剤、
ジチオカルバメート系促進剤、アルデヒドアミン系促進
剤、グアニジン系促進剤、チオ尿素系促進剤、キサンテ
ート系促進剤、アルデヒドアンモニア系促進剤、チウラ
ム系促進剤などが用いられる。
ム、有機過酸化物、有機含硫黄化合物、アルキル変性フ
ェノール樹脂などが用いられる。また加硫促進剤として
は、チアゾール系促進剤、スルフェンアミド系促進剤、
ジチオカルバメート系促進剤、アルデヒドアミン系促進
剤、グアニジン系促進剤、チオ尿素系促進剤、キサンテ
ート系促進剤、アルデヒドアンモニア系促進剤、チウラ
ム系促進剤などが用いられる。
本発明に係るクラッチフェーシングでは、上記のよう
な各成分は、下記のような量で含まれていることが好ま
しい。
な各成分は、下記のような量で含まれていることが好ま
しい。
基材繊維:20〜50重量%好ましくは25〜50重量% セピオライト:5〜38重量%好ましくは10〜30重量% 熱硬化性樹脂:2〜10重量%好ましくは2〜9重量% ゴム材(加硫剤および加硫促進剤を含む):15〜30重量
%好ましくは17〜25重量% 充填剤:25〜40重量%好ましくは28〜35重量% 上記の量で各成分を含むクラッチフェーシングは、ク
ラッチフェーシングを苛酷な条件下たとえば高温で急激
に相手面に接続しても、滑りが発生せず、しかも耐熱性
に優れるとともに相手面に対する攻撃性が少なく、その
上摩耗量が少なく耐久性にも優れている。すなわち本発
明に係るクラッチフェーシングでは、ゴム配合物中にセ
ピオライトが含まれているため、ゴム配合物の耐熱性が
向上し、このようなゴム配合物を用いて形成されたクラ
ッチフェーシングは、耐熱性に優れ、高温になってもク
ラッチフェーシングの表面にゴム材が流れ出てくること
がなくなり、このため苛酷な条件下で使用しても、滑り
が発生することがなく、優れた性能を有していると考え
られる。またセピオライトを含むクラッチフェーシング
は、クラッチフェーシングの使用に伴いその表面温度が
変化しても、熱疲労によってクラッチフェーシングにク
ラックの発生を防止することができる。
%好ましくは17〜25重量% 充填剤:25〜40重量%好ましくは28〜35重量% 上記の量で各成分を含むクラッチフェーシングは、ク
ラッチフェーシングを苛酷な条件下たとえば高温で急激
に相手面に接続しても、滑りが発生せず、しかも耐熱性
に優れるとともに相手面に対する攻撃性が少なく、その
上摩耗量が少なく耐久性にも優れている。すなわち本発
明に係るクラッチフェーシングでは、ゴム配合物中にセ
ピオライトが含まれているため、ゴム配合物の耐熱性が
向上し、このようなゴム配合物を用いて形成されたクラ
ッチフェーシングは、耐熱性に優れ、高温になってもク
ラッチフェーシングの表面にゴム材が流れ出てくること
がなくなり、このため苛酷な条件下で使用しても、滑り
が発生することがなく、優れた性能を有していると考え
られる。またセピオライトを含むクラッチフェーシング
は、クラッチフェーシングの使用に伴いその表面温度が
変化しても、熱疲労によってクラッチフェーシングにク
ラックの発生を防止することができる。
なおセピオライトの含有量が5重量%未満であると、
クラッチフェーシングに滑りが発生しやすくなる傾向が
生じ、一方38重量%を越えると、クラッチフェーシング
が接続される相手面が傷つけられやすくなり、相手面に
レコード状溝が形成されたりして摩擦係数が変動しやす
くなったり、摩耗量が多くなってクラッチフェーシング
の寿命が短くなる傾向が生ずる。
クラッチフェーシングに滑りが発生しやすくなる傾向が
生じ、一方38重量%を越えると、クラッチフェーシング
が接続される相手面が傷つけられやすくなり、相手面に
レコード状溝が形成されたりして摩擦係数が変動しやす
くなったり、摩耗量が多くなってクラッチフェーシング
の寿命が短くなる傾向が生ずる。
次に本発明に係るクラッチフェーシングの製造方法に
ついて説明する。
ついて説明する。
上記のような基材繊維に、熱硬化性樹脂と、セピオラ
イトおよび充填材が含まれたゴム配合物を付着させた
後、この基材繊維をうず巻状あるいは積層体状に予備成
形し、次いで得られた予備成形体を加熱圧縮すれば、目
的とするクラッチフェーシングが得られる。
イトおよび充填材が含まれたゴム配合物を付着させた
後、この基材繊維をうず巻状あるいは積層体状に予備成
形し、次いで得られた予備成形体を加熱圧縮すれば、目
的とするクラッチフェーシングが得られる。
この予備成形体の一体化に際しては、予備成形体を金
型に入れ、好ましくは100〜200kgf/cm2の圧力下に150〜
200℃の温度条件下で加熱圧縮して一体化すればよい。
型に入れ、好ましくは100〜200kgf/cm2の圧力下に150〜
200℃の温度条件下で加熱圧縮して一体化すればよい。
発明の効果 本発明に係るクラッチフェーシングは、基材繊維と、
セピオライトと、熱硬化性樹脂と、ゴム材と、充填材と
から構成されているため、クラッチフェーシングを苛酷
な条件下たとえば高温で急激に相手面に接続しても、滑
りが発生せず、しかも耐熱性に優れるとともに機械的強
度にも優れ、その上フィーリング性にも優れている。
セピオライトと、熱硬化性樹脂と、ゴム材と、充填材と
から構成されているため、クラッチフェーシングを苛酷
な条件下たとえば高温で急激に相手面に接続しても、滑
りが発生せず、しかも耐熱性に優れるとともに機械的強
度にも優れ、その上フィーリング性にも優れている。
以下本発明を実施例により説明するが、本発明はこれ
らの実施例に限定されるものではない。
らの実施例に限定されるものではない。
実施例1 ガラス繊維ヤーン100重量部に、フェノール樹脂15重
量部とゴム配合物150重量部とを付着させた。
量部とゴム配合物150重量部とを付着させた。
このゴム配合物は、下記のような組成を有していた。
SBR …42重量部 セピオライト …15重量部 (繊維長1〜100μm、繊維径0.01〜20μm) 加硫剤(イオウ) … 8重量部 加硫促進剤 … 1重量部 充填材 …84重量部 上記のようにしてフェノール樹脂およびゴム配合物が
付着された基材繊維をうず巻状に予備成形し、得られた
予備成形体を金型にて圧力180kgf/cm2、温度180℃で5
分間加熱圧縮し、さらに220℃で5時間熱処理を行った
後、仕上げ研磨を施して、外径200mm、内径130mm、厚さ
3.5mmのクラッチフェーシングを得た。
付着された基材繊維をうず巻状に予備成形し、得られた
予備成形体を金型にて圧力180kgf/cm2、温度180℃で5
分間加熱圧縮し、さらに220℃で5時間熱処理を行った
後、仕上げ研磨を施して、外径200mm、内径130mm、厚さ
3.5mmのクラッチフェーシングを得た。
得られたクラッチフェーシングを、日産自動車スカイ
ラインバン(排気量1800cc)に取り付けて、滑り試験
(ストール試験)を行った。
ラインバン(排気量1800cc)に取り付けて、滑り試験
(ストール試験)を行った。
滑り試験は下記のようにして行った。
(a) サイドブレーキを一杯に引き、また輪止めを使
って車両を固定する。
って車両を固定する。
(b) エンジンを始動させ、エンジン回転数を4000rp
mまで上げる。
mまで上げる。
(c) クラッチを急激につなぎ、同時にアクセルを一
杯に踏み込む。
杯に踏み込む。
(d) エンジンを始動させてから10秒以内にエンスト
したら、上記(b)に戻り、再度試験を続ける。10秒以
内にエンストしなくなったら試験を終了する。
したら、上記(b)に戻り、再度試験を続ける。10秒以
内にエンストしなくなったら試験を終了する。
上記のような滑り試験において、何回エンストしたか
を記録して、エンスト回数とする。このエンスト回数が
大きいほど、クラッチフェーシングとしては滑りに関す
る性能が優れている。
を記録して、エンスト回数とする。このエンスト回数が
大きいほど、クラッチフェーシングとしては滑りに関す
る性能が優れている。
またクラッチフェーシングが接続される摩擦相手面の
表面状態を、滑り試験(ストール試験)の前後におい
て、表面粗さ測定機を用いて測定した。このデータか
ら、10点平均粗さを求め、試験前後の差を相手面攻撃量
とした。単位は、μmである。さらにクラッチフェーシ
ングの摩耗量を、使用前後の厚みを測定することによっ
て測定した。
表面状態を、滑り試験(ストール試験)の前後におい
て、表面粗さ測定機を用いて測定した。このデータか
ら、10点平均粗さを求め、試験前後の差を相手面攻撃量
とした。単位は、μmである。さらにクラッチフェーシ
ングの摩耗量を、使用前後の厚みを測定することによっ
て測定した。
結果を表1に示す。
実施例2 ガラス繊維クロス100重量部に、フェノール樹脂15重
量部とゴム配合物160重量部とを付着させた。
量部とゴム配合物160重量部とを付着させた。
このゴム配合物は、下記のような組成を有していた。
SBR …40重量部 セピオライト …28重量部 加硫剤 …10重量部 加硫促進剤 … 2重量部 充填材 …80重量部 このようにしてフェノール樹脂およびゴム配合物が付
着されたガラス繊維クロスをテープ状に切断し、得られ
たテープ状物をうず巻状に予備成形し、次いで実施例1
と同様にしてクラッチフェーシングを製造し、滑り試験
を行った。
着されたガラス繊維クロスをテープ状に切断し、得られ
たテープ状物をうず巻状に予備成形し、次いで実施例1
と同様にしてクラッチフェーシングを製造し、滑り試験
を行った。
結果を表1に示す。
参考例1 ガラス繊維50重量部、ポリアミド繊維20重量部および
セピオライト30重量部からなる紡績糸100重量部に、フ
ェノール樹脂10重量部とゴム配合物250重量部とを付着
させた。
セピオライト30重量部からなる紡績糸100重量部に、フ
ェノール樹脂10重量部とゴム配合物250重量部とを付着
させた。
このゴム配合物は、下記のような組成を有していた。
SBR … 55重量部 セピオライト … 70重量部 加硫剤 … 11重量部 加硫促進剤 … 2重量部 充填材 …112重量部 このようにしてフェノール樹脂およびゴム配合物が付
着された紡績糸から実施例1と同様にしてクラッチフェ
ーシングを製造し、滑り試験を行った。
着された紡績糸から実施例1と同様にしてクラッチフェ
ーシングを製造し、滑り試験を行った。
結果を表1に示す。
比較例1 ガラス繊維40重量部、ポリアミド繊維10重量部および
セピオライト50重量部からなる紡績糸100重量部に、フ
ェノール樹脂12重量部とゴム配合物500重量部を付着さ
せた。
セピオライト50重量部からなる紡績糸100重量部に、フ
ェノール樹脂12重量部とゴム配合物500重量部を付着さ
せた。
このゴム配合物は、下記のような組成を有していた。
SBR … 80重量部 セピオライト …230重量部 加硫剤 … 18重量部 加硫促進剤 … 2重量部 充填材 …170重量部 このようにしてフェノール樹脂およびゴム配合物が付
着された紡績糸から実施例1と同様にしてクラッチフェ
ーシングを製造し、滑り試験を行った。
着された紡績糸から実施例1と同様にしてクラッチフェ
ーシングを製造し、滑り試験を行った。
結果を表1に示す。
比較例2 石綿85重量部およびビスコースレーヨン15重量部から
なる紡績糸100重量部に、フェノール樹脂10重量部とゴ
ム配合物120重量部とを付着させた。
なる紡績糸100重量部に、フェノール樹脂10重量部とゴ
ム配合物120重量部とを付着させた。
このゴム配合物は、下記のような組成を有していた。
SBR …37重量部 セピオライト … 0重量部 加硫剤 … 7重量部 加硫促進剤 … 1重量部 充填材 …75重量部 このようにしてフェノール樹脂およびゴム配合物が付
着された紡績糸から実施例1と同様にしてクラッチフェ
ーシングを製造し、滑り試験を行った。
着された紡績糸から実施例1と同様にしてクラッチフェ
ーシングを製造し、滑り試験を行った。
結果を表1に示す。
比較例3 ガラス繊維ヤーン100重量部に、フェノール樹脂15重
量部とゴム配合物150重量部とを付着させた。
量部とゴム配合物150重量部とを付着させた。
このゴム配合物は、下記のような組成を有していた。
SBR …44重量部 セピオライト … 7重量部 加硫剤 … 8重量部 加硫促進剤 … 1重量部 充填材 …90重量部 このようにしてフェノール樹脂およびゴム配合物が付
着された紡績糸から実施例1と同様にしてクラッチフェ
ーシングを製造し、滑り試験を行った。
着された紡績糸から実施例1と同様にしてクラッチフェ
ーシングを製造し、滑り試験を行った。
結果を表1に示す。
比較例4 ガラス繊維35重量部、ポリアミド繊維5重量部および
セピオライト60重量部からなる紡績糸100重量部に、フ
ェノール樹脂15重量部とゴム配合物500重量部とを付着
させた。
セピオライト60重量部からなる紡績糸100重量部に、フ
ェノール樹脂15重量部とゴム配合物500重量部とを付着
させた。
このゴム配合物は、下記のような組成を有していた。
SBR … 80重量部 セピオライト …230重量部 加硫剤 … 18重量部 加硫促進剤 … 2重量部 充填材 …170重量部 このようにしてフェノール樹脂およびゴム配合物が付
着された紡績糸から実施例1と同様にしてクラッチフェ
ーシングを製造し、滑り試験を行った。
着された紡績糸から実施例1と同様にしてクラッチフェ
ーシングを製造し、滑り試験を行った。
結果を表1に示す。
Claims (2)
- 【請求項1】基材繊維20〜50重量%と、セピオライト5
〜38重量%と、熱硬化性樹脂2〜10重量%と、ゴム材15
〜30重量%と、充填材25〜40重量%とからなることを特
徴とするクラッチフェーシング。 - 【請求項2】基材繊維に、熱硬化性樹脂と、セピオライ
トおよび充填材を含むゴム配合物とを付着させ、この基
材繊維をうず巻状あるいは積層体状に予備成形し、次い
で得られた予備成形体を加熱圧着することを特徴とする
基材繊維20〜50重量%とセピオライト5〜38重量%と熱
硬化性樹脂2〜10重量%とゴム材15〜30重量%と充填材
25〜40重量%とからなるクラッチフェーシングの製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1228637A JP2528971B2 (ja) | 1989-09-04 | 1989-09-04 | クラッチフェ―シングおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1228637A JP2528971B2 (ja) | 1989-09-04 | 1989-09-04 | クラッチフェ―シングおよびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0392628A JPH0392628A (ja) | 1991-04-17 |
JP2528971B2 true JP2528971B2 (ja) | 1996-08-28 |
Family
ID=16879463
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP1228637A Expired - Fee Related JP2528971B2 (ja) | 1989-09-04 | 1989-09-04 | クラッチフェ―シングおよびその製造方法 |
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JP3589190B2 (ja) | 2001-03-28 | 2004-11-17 | セイコーエプソン株式会社 | 液晶装置および電子機器 |
JP5041877B2 (ja) * | 2007-05-22 | 2012-10-03 | アイシン化工株式会社 | 乾式摩擦材 |
CN102531328A (zh) * | 2012-01-09 | 2012-07-04 | 济南大学 | 一种高炉冶金渣制备的复合无机高分子污泥脱水调理剂 |
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-
1989
- 1989-09-04 JP JP1228637A patent/JP2528971B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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