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JP2519810B2 - 成形体 - Google Patents

成形体

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JP2519810B2
JP2519810B2 JP1343264A JP34326489A JP2519810B2 JP 2519810 B2 JP2519810 B2 JP 2519810B2 JP 1343264 A JP1343264 A JP 1343264A JP 34326489 A JP34326489 A JP 34326489A JP 2519810 B2 JP2519810 B2 JP 2519810B2
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Japan
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evoh
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thermoplastic resin
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JP1343264A
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太一 祢宜
俐 廣藤
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明は、長期運転時タテスジなどによる外見不良、
性能低下あるいは共押出し成形時の偏肉などが無く、し
かもガスバリアー性に優れた、エチレン−ビニルアルコ
ール共重合体(以下EVOHと記す)組成物を含む成形体に
関する。
B.従来の技術 EVOHは、今日、食品等の包装用フィルム、特に酸素、
臭気、フレイバー等に対するバリアー性が必要な食品、
保香性を必要とする他の製品などに対する使用を目的と
する分野において、有効性が認められている。そして、
EVOHはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、
ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル等の熱可塑
性樹脂層と、アイオノマー、エチレン−酢酸ビニル共重
合体などで代表される各種接着性樹脂層とを積層してな
る多層構造体の形で用いられる。
ところで、EVOHを溶融押出し成形あるいは射出成形す
る場合、樹脂流路内の滞留部分で長期間加熱されたEVOH
がゲル化し、樹脂の押出し方向(MD方向)の特定の場所
にタテスジが生じたり、共押出し多層成形において、EV
OH層の偏肉による厚みムラなどが異常に生じやすい。ま
た、円柱状のダイを使用するパイプ成形、インフレ成形
あるいは共射出成形などにおいて、ダイス内流路の形状
によるスパイラルフローマークあるいはウエルドライン
などのタテスジも上記同様、外観上および性能上問題で
ある。特に、該多層構造体を熱成形、延伸成形あるいは
ストレッチブロー成形などの二次成形を行った場合、該
タテスジがより顕在化し製品の外観を損なうだけでな
く、局部的なガスバリアー性の悪化による性能の低下が
認められることがあり、大きな問題である。
ところで、該タテスジは経時的に増加する傾向があ
り、製品の外観および性能を確保するために運転中しば
しば他の樹脂でパージングしたり、場合によっては装置
の分解掃除が必要となり生産性および原料ロスの面から
改善が望まれる所である。
これらの問題点を解決するために、EVOH樹脂流路の滞
留部分を無くす各種方法が取られているが、金属面に付
着しやすいEVOHは長期運転を行なっていると微小なゲル
の付着および増加により、タテスジが増加する。またEV
OH樹脂の熱安定性を改善し、ゲル化しない様、EVOH用各
種添加剤の開発も行われているが、いまだ十分な効果を
発揮するものが見出だされていないのが現状である。現
在、唯一採用されている方法としては、前記したように
各種パージング剤で流路内の付着物を除去する方法であ
るが、パージング剤の除去に多大の原料ロスがともな
う。
それ故、長期運転時タテスジあるいは偏肉による外観
不良および性能低下の無いEVOHの開発が重要な課題であ
る。
C.発明が解決しようとする課題 本発明は、EVOHの優れたガスバリアー性をそこなうこ
となく、かつ溶融成形時、特に長期運転時あるいは運転
停止再立上げ時、樹脂の流れ方向にタテスジ、偏肉など
のない外見良好なEVOH組成物を用いた成形体を提供する
ものである。
D.課題を解決するための手段 本発明者らは、EVOH樹脂を含む多層共押出しフィルム
成形機をもちい、種々のEVOHで、長期運転あるいは運転
停止再立上げによる樹脂、フィルムの流れ方向(MD方
向)のタテスジ、偏肉などの外観不良、ガスバリアー性
の局部的悪化などの性能不良の状況を調査した。その結
果、EVOHに熱可塑性樹脂をブレンドしたEVOH組成物は時
としてタテスジが減少したり偏肉が解消したりする場合
があったが、通常タテスジは減少するが偏肉が増加した
り、あるいはフィルムの透明性が悪化する場合がほとん
どであった。そこで、本発明者らは鋭意検討した結果、
EVOH樹脂(A)に下式(I)〜(V)を満足する熱可塑
性樹脂(B)をブレンドしたEVOH組成物(C)を用いた
場合、驚くべき事にタテスジが減少するだけでなく偏肉
も解消することが判明した。
D1(A)/D1(C)≦0.9 (I) 0.1≦D2(A)/D2(C)≦10 (II) 0.1≦MI0(A)/MI0(B)≦50 (III) 0.01≦MI0(C)/MI1(C)≦100 (IV) 10≦ナトリウム(C)≦500 (V) 但し、D1(A)、D1(C)とは樹脂(A)、(C)を
240℃、1mmφ×10mmLノズル、せん断速度10sec.-1で押
出した場合のノズル吐出直後(5mm下)の溶融樹脂径(m
mφ) D2(A)、D2(C)とは樹脂(A)、(C)を240
℃、1mmφ×10mmLノズル、せん断速度100sec.-1で押出
した場合のノズル吐出直後(5mm下)の溶融樹脂径(mm
φ) MI0(A)、MI0(B)、MI0(C)とは樹脂(A)、
(B)、(C)の240℃、2160g荷重下でのメルトインデ
ックス値(g/10分) MI1(C)とは樹脂(C)を窒素雰囲気下230℃、4時
間加熱した樹脂の240℃、2160gでのメルトインデックス
値(g/10分) ナトリウム(C)とは組成物(C)中のナトリウム
(Na)原子含有量(ppm) 本発明においては、上記(I)〜(V)を満足する事
によって、EVOH組成物層の厚みムラが(R/X)×100≦5
0、とくに(R/X)×100≦30 {但し、Xとは溶融成形方向と直角方向(TD方向)のEV
OH組成物(C)層の厚み(Hn,n=10)の平均値、Rとは
(X−Hn)の平均値を示す、ここでn=10とは、平膜の
場合、溶融成形方向と直角方向のEVOH組成物(C)層を
11等分し、両端を除く10箇所をいい、また円筒状膜の場
合は、EVOH組成物(C)層を10等分した10個所をい
う。} を満足するものとなり、タテスジの少ない、偏肉の少な
いものとなる。
さらに、本発明者らは鋭意検討した結果、熱可塑性樹
脂(B)として、エチレン含有量、けん化度あるいはメ
ルトインデックス(MI)のうち少なくとも一つはEVOH
(A)とは異なるエチレン−ビニルアルコール共重合体
を使用するとき、組成物(C)の透明性を改良すること
を見出した。
このように、良好な製品が得られる原因については、
定かではないが、EVOH樹脂流路に付着したゲルの付近を
流れるEVOH樹脂は、付加物によって流れが乱されタテス
ジとして発現し製品不良の原因となる。ところが、該EV
OH組成物(C)はスウェル比が大きいためか、流れの乱
れを素早く修復しタテスジが発現しにくくなったものと
推定される。しかしながらスウェル比が大きい樹脂は、
共押出し成形時EVOH層の偏肉が生じやすい傾向にある
が、EVOHを用いた該組成物は、予想に反し、タテスジと
偏肉両者を改善することはまさに驚くべきことである。
E.発明の実施形態 以下本発明をさらに詳しく説明する。
本発明において、EVOH(A)とはエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体けん化物であり、エチレン含有量20〜60モル
%、好適には25〜50モル%、酢酸ビニル成分のけん化度
90%以上、好適には95%以上のものが使用できる。エチ
レン含有量20モル%未満では溶融成形性が悪く、一方60
モル%をこえると、ガスバリアー性が不足する。また、
けん化度が90%未満では、ガスバリアー性および熱安定
性が悪くなる。また、該EVOHには本発明の目的が阻害さ
れない範囲で、他の共単量体[例えば、プロピレン、ブ
チレン、不飽和カルボン酸又はエステル{(メタ)アク
リル酸、(メタ)アクリル酸エステル(メチル、エチ
ル)など}、ビニルシラン化合物(ビニルトリメトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシランなど)、ビニルピロ
リドン(N−ビニルピロリドンなど)を共重合すること
も出来る。
また、本発明に用いるEVOH(A)の好適なメルトイン
デックス(MI)(190℃、2160g荷重下)は0.1〜50g/10m
in.、最適には0.5〜20g/10min.である。
本発明において、熱可塑性樹脂(B)としては前記し
た(I)〜(V)を満足し、かつEVOH(A)とはエチレ
ン含有量、けん化度およびメルトインデックス(MI)の
少なくとも一つは異なるEVOH(B)が最良であるので、
まずこの点について述べる。EVOH(A)とEVOH(B)と
のエチレン含有量、けん化度およびMIの差としては、ま
ずエチレン含有量に関しては5〜60モル%が好適であ
り、けん化度に関しては1〜20%、またMIに関しては1
〜20g/10分(190℃、2160g荷重下)が好適である。なか
でも、エチレン含有量とMIが大きく影響し可能な限り差
の大きな物を選ぶことが望ましい。しかしながら、とく
に両者の差が大きくなると、透明性、とくにEVOH層を最
外層にした場合の光沢性などの悪化を顕在化する場合が
ある。そこで、該問題点を解決するために、式(V)を
満足することが重要である。ナトリウム原子含有量とし
ては、組成物(C)に対して10〜500ppm、より好適には
40〜300ppmである。10ppm未満では該改善効果が少な
く、一方500ppmをこえると、着色、ゲルの発生など異常
が発現しやすい。ナトリウム原子はナトリウム化合物と
して組成物(C)中に存在し、ナトリウム化合物として
は、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリ
ウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、ホウ
酸ナトリウムが代表的なものとしてあげられる。またナ
トリウム原子は(A)、(B)のいずれかに含有しても
よいし、また(A)と(B)の両者に含有してもよい。
さらに本発明において、他の好適な熱可塑性樹脂
(B)としては、カルボキシル基を有する熱可塑性樹
脂、たとえばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体
けん化物、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エ
チレン−メタクリル酸エステル共重合体、ポリスチレン
−ポリオレフィンブロック共重合体などをカルボキシル
変性(代表的には無水マレイン酸変性)したもの、アイ
オノマーあるいはこれらの樹脂を含む熱可塑性樹脂など
があげられる。このようなカルボキシル基を有する熱可
塑性樹脂にはナトリウム原子を該カルボキシル基のナト
リウム塩として存在させることもできる。また官能基を
有する熱可塑性樹脂(B)の他の例としてはシラン基、
エチレンオキサイド基を有する熱可塑性樹脂、たとえば
ビニルシラン系化合物あるいはエチレンオキサイド系化
合物を共重合成分として含有する、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などがあげ
られる。ここでビニルシラン化合物としてはビニルトリ
メトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどが代表
例としてあげられる。またエチレンオキサイド系化合物
としてはポリオキシエチレンアリルエーテル、ポリオキ
シエチレンアクリル酸アミド、ポリオキシエチレンビニ
ルエーテルなどがあげられる。
前記式(I)〜(V)の好適な範囲は次のとおりであ
る。
D1(A)/D1(C)≦0.8 (I′) 0.1≦D2(A)/D2(C)≦5 (II′) 0.1≦MI0(A)/MI0(B)≦20 (III′) 0.5≦MI0(C)/MI1(C)≦50 (IV′) 40≦ナトリウム(C)≦300 (V′) 次に、本発明において、EVOH(A)と熱可塑性樹脂
(B)とのブレンド比率(重量比率)に関しては、EVOH
(A)/熱可塑性樹脂(B)が30/70〜97/3、より好適
には、40/60〜95/5である。EVOH(A)が30重量%未満
の場合には、ガスバリアー性が十分でなく、一方97重量
%をこえる場合には改善効果が十分でないため好ましく
ない。また、該EVOH組成物中に可塑剤、熱安定剤、無機
粉末、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などを本発明
の効果が阻害されない範囲内で添加することは自由であ
る。
本発明においては、D1(A)/D1(C)が0.9をこえる
場合、D2(A)/D2(C)が10をこえる場合、タテスジ
に対する改善効果が十分でなく、D2(A)/D2(C)が
0.1未満の場合偏肉が生じやすい。またMI0(A)/MI0
(B)が0.05未満の場合、樹脂(A)と(B)との分散
性が悪くフィルム全面にタテスジが生じる。一方、50を
こえる場合には偏肉が生じやすい。MI0(C)/MI1
(C)が0.1未満の場合にはフィルムの着色、発泡によ
る穴あきが生じる。また、100をこえる場合には、タテ
スジに対する改善効果が十分でなく、またゲルなどが多
発し外観が不良となりやすい。
また、ガスバリアー性の関係で樹脂(B)のブレンド
を出来るだけ少なくしたいと言う要求がある場合は、式
(I)〜(IV)、とくに式(I)、(II)を満足する組
合わせを得ることは困難な場合が多い。しかしながら、
前記した官能基を有する樹脂(B)を用いた場合には、
式(I)〜(IV)、とくに式(I)および(II)を満足
する樹脂(A)と(B)の組成物(C)がえられやす
く、さらに(A)と(B)の混合比率、溶融粘性(MI)
の範囲が大巾に拡大するだけでなく、透明性の悪化が非
常に少ないEVOH組成物(C)がえられる。理由は定かで
はないが、樹脂(B)に含まれるカルボキシル基、シラ
ン基、エチレンオキサイド基などの官能基が、EVOH
(A)に含まれる水酸基と局部的に相互作用しあい、透
明性に大きく関与する分散性を向上させたり、式
(I)、(II)に大きく関与する樹脂の粘弾性特性、と
くに、弾性特性を大きく改善させ、厚みムラが非常に少
ない良好なフィルムが得られるものと推定される。従っ
て、樹脂(B)に含まれる該官能基は樹脂(B)に対し
0.0001〜0.1重量%、含有するのが好適であり、最適に
は0.001〜0.08重量%である。0.0001重量%未満では、
改善効果が十分でなく、0.1重量%以上ではゲル化する
など、良好な成形物が得られない場合がある。
EVOH(A)と熱可塑性樹脂(B)とをブレンドする方
法に関しては、特に限定されるものではないが、EVOH
(A)と熱可塑性樹脂(B)とをドライブレンドしてそ
のまま使用するか、あるいはより好適にはバンバリーミ
キサー、単軸又は二軸スクリュー押出し機などでペレッ
ト化、乾燥する方法等がある。ブレンドが不均一であっ
たり、またブレンドペレット化操作時にゲル、ブツの発
生、混入があると加熱延伸成形時EVOH組成物層の破れ、
クラック、ムラが発生する可能性が大きい。従って、ブ
レンドペレット化操作時混練度の高い押出機を使用し、
ホッパー口をN2シールし、低温で押出しする事が望まし
い。またブレンドペレット化する際、ゲル発生防止対策
として、ハイドロタルサイト系化合物、ヒンダードフェ
ノール系、ヒンダードアミン系熱安定剤を0.01〜1重量
%添加する事は好適である。
本発明のEVOH組成物(C)は(C)単独(単層または
複層)成形体として使用しうるが、該組成物(C)層を
少なくとも一層含み、他の熱可塑性樹脂を積層した多層
構造体として使用する事の方が、より好ましい効果を奏
する。
本発明において、多層構造体は、EVOH組成物(C)層
の少なくとも片面にポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リスチレン系樹脂、ポリアミど系樹脂、ポリ塩化ビニル
系樹脂、熱可塑性ポリエステル系樹脂などを接着性樹脂
層を介して、あるいは介さずに積層することに得られ
る。
本発明においてEVOH組成物の該熱可塑性樹脂とを多層
化するために、接着性樹脂としては、EVOH組成物層と熱
可塑性樹脂層とを強固に接着するものであれば、特に限
定されるものではないが、不飽和カルボン酸又はその無
水物(無水マレイン酸など)をオレフィ系重合体または
共重合体[ポリエチレン{低密度ポリエチレン(LDP
E)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超密度ポリ
エチレン(SLDPE)}、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル(メチルエ
ステル、またはエチルエステル)共重合体]にグラフト
したものが、好適に用いられる。
本発明のEVOH組成物は、周知の溶融成形法、圧縮成形
法によりフィルム、シート、ボトルなどの任意の成形品
に成形する事が出来る。また多層構造体を得る方法とし
ては、該EVOH組成物と熱可塑性樹脂とをしばしば接着性
樹脂を介した押出ラミネート法、ドライラミネート法、
共押出ラミネート法、共押出シート成形法、共押出パイ
プ成形法、共射出成形法、溶液コート法があげられる。
場合によっては、次いで該積層体を真空圧空深絞り成
形、二軸延伸ブロー成形などにより、EVOHの融点以下の
範囲で再加熱し延伸操作を行う方法、あるいは、該積層
体(フィルム又はシート)を二軸延伸機に供し、加熱延
伸する方法、さらにはEVOH組成物と熱可塑性樹脂とを共
射出二軸延伸ブローする方法などがあげられる。
さらに、多層構造体の厚み構成に関しても、特に限定
されるものではないが、成形性およびコスト等を考慮し
た場合、全厚みに対するEVOH層の厚み比率は2〜20%程
度が好適である。また、多層構造体の構成としては、EV
OH組成物層(最外層)/接着性樹脂層/熱可塑性樹脂
層、EVOH組成物層(最外層)/接着樹脂層/回収層/熱
可塑性樹脂層、EVOH組成物層(最外層)/接着樹脂層/
熱可塑性樹脂層/接着性樹脂層/EVOH組成物層/接着性
樹脂層/熱可塑性樹脂層、EVOH組成物層(最内層)/接
着樹脂層/熱可塑性樹脂層、EVOH組成物層(最内層)/
接着性樹脂層/回収層/熱可塑性樹脂層、EVOH組成物層
(最内層)/接着性樹脂層/熱可塑性樹脂層/接着性樹
脂層/EVOH組成物層/接着性樹脂層/熱可塑性樹脂層、
熱可塑性樹脂層/回収層/接着性樹脂層/EVOH組成物層
/接着性樹脂層/回収層/熱可塑性樹脂層、熱可塑性樹
脂層/回収層/接着性樹脂層/EVOH組成物層/接着性樹
脂層/熱可塑性樹脂層、熱可塑性樹脂層/接着性樹脂層
/EVOH組成物層/接着性樹脂層/熱可塑性樹脂層、熱可
塑性樹脂層/接着性樹脂層/EVOH組成物層/接着性樹脂
層/熱可塑性樹脂層/接着性樹脂層/EVOH組成物層/接
着性樹脂層/熱可塑性樹脂層が代表的なものとしてあげ
られる。両外層に熱可塑性樹脂層を設ける場合は、該樹
脂が異なってもよいし、また同じものでもよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する
が、本発明はこれによりなんら限定されるものではな
い。
F.実施例 エチレン含有量31モル%、けん化度99.4%、メルトイ
ンデックス(MI 190℃、2160g荷重)1.3g/10min.のEVO
H(A)の70重量部、エチレン含有量45モル%、けん化
度98.4%のEVOH(B)の30重量部、二軸スクリュータイ
プ、ベント式40φ押出機に入れ、N2下、200℃で押出し
ペレット化を行った。得られたEVOH組成物(C)の
(I)〜(V)で示される値は表1のとおりであった。
なお(V)で示されるナトリウム原子は樹脂(A)およ
び(B)中に含まれる酢酸ナトリウムに由来するもので
ある。
分解掃除直後の3種5層共押出しTダイフィルム製膜
装置を用い、また樹脂としてLDPE(低密度ポリエチレン
「ミラソン972−5」)、Ad(接着性樹脂「アドマーNF5
00」)にて、LDPE(20μ)/Ad(5μ)/EVOH組成物
(C)(5μ)/Ad(5μ)/LDPE(20μ)の構成のフィ
ルムを得た。運転開始30分後のフィルムにはタテスジお
よび偏肉がほとんど認められず、また透明性、ガスバリ
アー性、およびガスバリアー性のバラツキも少ない良好
なフィルムであった。
運転開始24時間後、上記同様にフィルムの性能評価を
行ったが、タテスジおよび偏肉の増加がほとんど認めら
れず、また透明性、ガスバリアー性、およびガスバリア
ー性のバラツキも少ない良好なフィルムであった。さら
に、EVOH層を上記LDPEで置換後運転停止し、その後再立
上げをおこなったが、タテスジおよび偏肉の増加はわず
かであった。
実施例2 Tダイフィルム製膜装置を共押出しインフレ製膜装置
に変更し、さらに樹脂(B)の配合量を表1に示すとお
りに変更し、それ以外は実施例1と同様におこなった。
その結果を表2に示すがフィルムの外観、性能ともに良
好であった。
比較例1 実施例1において、EVOH組成物(C)として樹脂
(B)をブレンドしていないEVOH(A)のみを用いて実
施例1と同様におこなった。その結果、表1〜2に示す
ように運転開始30分の時点では外観および性能良好な多
層フィルムが得られたが、3時間目あたりからタテスジ
が目立ちはじめ、24時間後には市販不可能と思われるよ
うな顕著なタテスジのため運転継続ができなくなった。
そこでLDPEでパージングを行い、再度EVOH組成物(C)
で運転を立上げたが、タテスジの解消は僅かであった。
実施例3〜7および比較例2〜5 表1に示す以外は実施例1と同じ条件で多層構造体を
得た。その結果を表2に示す。
G.発明の効果 本発明によれば、長期運転時に発生、増加するタテス
ジなどによる外観不良、性能低下あるいは共押出し成型
時の偏肉などがなく、しかもガスバリアー性に優れた多
層構造体などの成形体を得ることができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン含有量20〜60モル%のエチレン−
    ビニルアルコール共重合体(A)30〜97重量%と下記式
    (I)〜(V)を満足する熱可塑性樹脂(B)3〜70重
    量%とからなる組成物(C)層の厚みムラが (R/X)×100≦50 {但し、Xとは溶融成形方向と直角方向(TD方向)の組
    成物(C)層の厚み(Hn,n=10)の平均値、Rとは(X
    −Hn)の平均値を示す}を満足し、かつ該組成物層を少
    なくとも一層含む成形体。 D1(A)/D1(C)≦0.9 (I) 0.1≦D2(A)/D2(C)≦10 (II) 0.05≦MI0(A)/MI0(B)≦50 (III) 0.1≦MI0(C)/MI1(C)≦100 (IV) 10≦ナトリウム(C)≦500 (V) 但し、D1(A)、D1(C)とは樹脂(A)、組成物
    (C)を240℃、1mmφ×10mmLノズル、せん断速度10se
    c.-1で押出した場合のノズル吐出直後(5mm下)の溶融
    樹脂径(mmφ) D2(A)、D2(C)とは樹脂(A)、組成物(C)を24
    0℃、1mmφ×10mmLノズル、せん断速度100sec.-1で押出
    した場合のノズル吐出直後(5mm下)の溶融樹脂径(mm
    φ) MI0(A)、MI0(B)、MI0(C)とは樹脂(A)、
    (B)、組成物(C)の240℃、2160g荷重下でのメルト
    インデックス値(g/10分) MI1(C)とは組成物(C)を窒素雰囲気下230℃、4時
    間加熱した樹脂の240℃、2160gでのメルトインデックス
    値(g/10分) ナトリウム(C)とは組成物(C)中のナトリウム原子
    含有量(ppm)
JP1343264A 1989-12-27 1989-12-27 成形体 Expired - Lifetime JP2519810B2 (ja)

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