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JP2514331B2 - 乳化性油脂組成物 - Google Patents

乳化性油脂組成物

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JP2514331B2
JP2514331B2 JP61127586A JP12758686A JP2514331B2 JP 2514331 B2 JP2514331 B2 JP 2514331B2 JP 61127586 A JP61127586 A JP 61127586A JP 12758686 A JP12758686 A JP 12758686A JP 2514331 B2 JP2514331 B2 JP 2514331B2
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光一郎 丸杉
紀郎 川森
豊 前田
博明 星野
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Myoshi Oil and Fat Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は食用の乳化性油脂組成物に関するものであ
る。さらに詳しくは、水中油型エマルジョンを急冷した
安定な油中水型エマルジョン中に分散させることにより
得られ、それを製菓製パンに用いることにより、すぐれ
たスプレッド性、風味、ホイップ性、黴等の微生物に対
する耐汚染性を与える乳化性油脂組成物に関するもので
ある。
〔従来の技術〕
従来スプレッド用または製菓製パン用の油中水型エマ
ルジョンの乳化性油脂組成物としてはマーガリンが知ら
れている。
また水中油型エマルジョンを低融点油脂中に乳化分散
させ、ボテーターにより急冷して製造する二重乳化型マ
ーガリンも知られている〔(1)特公昭35-8638、
(2)同37-9261〕。
またプロポーショナルポンプを使用し、油中水型エマ
ルジョン(マーガリン)に食塩を添加したミルクを加
え、ブレンダーとボテーターを通して急冷して得られる
乳化油脂組成物も報告されている〔(3)「MARGARIN
E」A.J.C.Anderson,248〜249ページ、1954年〕。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、(1)、(2)はいずれも最外層が油
相のエマルジョンであるため水相からくる風味が得られ
ないことと、水相に溶解する乳化安定剤として、(1)
はプロピレングリコールアルギネートを、(2)はミル
クカゼインと重合燐酸塩を用いているが、(1)は乳化
安定性が劣り、(2)は長期間の乳化安定性が劣り、エ
マルジョンの分離や、最外相と内相の油相の融合が起っ
たりして、口どけ、食感等が低下する欠点がある。また
(3)も基本的には二重乳化型油脂組成物を目的として
いるが、乳化剤について具体的記載がないので、もし極
めて通常の乳化剤(例モノグリセリド)であれば長期保
存中のエマジョン安定性が悪く、かつ塩水またはミルク
の限定されたものを用いているため風味も劣るものであ
る。
以上述べたように普通のマーガリンや二重乳化型油脂
組成物はいずれも油相で水相を包み込むために、風味の
劣る共通の欠点がある。
〔問題点を解決するための手段〕
上記のような問題点を解決するために種々検討の結果
本発明を考案するに到ったものである。すなわち上に述
べたように従来のマーガリン並びに二重乳化型油脂組成
物には最外層が油相であるため、水相から来る風味が出
難いと云う共通の欠点があり、さらに長期間の乳化安定
性が十分でないと云う問題点があり、これらを改良する
ことを目的として検討した結果、本発明に到達したもの
である。すなわち、本発明は(a)HLB7以下のポリグリ
セリン脂肪酸エステル(ポリグリセリン脂肪酸エステル
を以下「PGAE」と記す)0.1〜2重量部とレシチン0.1〜
2重量部を含む油相15〜65重量部と、HLB8以上のポリグ
リセリン脂肪酸エステル0.1〜2重量部と無水物換算に
て乳蛋白質1〜10重量部とを含む水相85〜35重量部とよ
り得られる水中油型エマルジョン(以下これを「O/Wエ
マルジョン」と記す)10〜40重量部と、(b)油中水型
エマルジョン(以下これを「W/Oエマルジョン」と記
す)90〜60重量部の、(a)と(b)を混合して成る乳
化性油脂組成物である。本発明の乳化性油脂組成物は上
記(a)で得られるO/Wエマルジョンを上記(b)で得
られたW/Oエマルジョン中に加え分散することによって
得られるが、O/WエマルジョンとW/Oエマルジョンを同時
に容器に入れて混合しても得ることができる。しかしW/
OエマルジョンにO/Wエマルジョンを加える方が、エマル
ジョン安定性、風味等から見て好ましい。
O/Wエマルジョンは、まず規定量のHLB8以上のPGAEと
乳蛋白質を含む水相を80℃以上にて加熱殺菌後60〜70℃
に保っておく。別に規定量のHLB7以下のPGAEとレシチン
を溶解し60〜70℃に加熱した油相を調製する。上記水相
を攪拌しながら、これに油相を加え、60〜70℃にて乳化
し、さらにホモジナイザーを通して均質化する。均質化
は圧力50〜200kg/cm2の下で、エマルジョンの径が3μ
以下になるまで行う。均質化後得られたエマルジョンは
速やかに20℃前後に冷却する。
次にW/Oエマルジョンは乳化剤その他添加剤を加えた
油相を55〜65℃に保持しておき、これに乳化剤その他の
添加剤を加えた水相を加え、混合乳化する。よく攪拌し
て均一に乳化後ボテーター、コンビネーター、パーフェ
クター等を通して急冷してW/Oエマルジョンを得る。
W/OエマルジョンにO/Wエマルジョンを加える場合に
は、上記のボテーター等を通過して急冷後のW/Oエマル
ジョンに、それがBユニットに入る前に、上で得た冷却
されたO/Wエマルジョンを高圧定量ポンプにて規定量注
入し、Bユニットにて混練して目的の乳化性油脂組成物
を得る。
本発明にて用いるポリグリセリン脂肪酸エステル(PG
AE)は精製したポリグリセリンと脂肪酸とのエステル化
反応により得られる通常食用乳化剤として用いられるも
ので、O/Wエマルジョンの油相にはHLB7以下のものを使
用するが、HLB4以下のものが好ましい。ポリグリセリン
はその重合度に制限はないが、通常グリセリンの重合モ
ル数2〜15のものが用いられる。脂肪酸は天然より得ら
れる動植物性油脂並びにその硬化油脂を分解して得られ
る脂肪酸が用いられ、炭素数6〜22、好ましくは12〜20
の脂肪酸で、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、オレイン酸等が挙げられ、これらの
脂肪酸の1種または2種以上を混合して用いることがで
きる。またHLB7以下のPGAEとして市販されている次のも
のも用いることができる。
商品名「サントン10-10-0」ダーキー社製 デカグリ
セロールデカオレエート、HLB2.0 商品名「SYグリスターTS-310」阪本薬品工業製 テト
ラグリセロールトリステアレート、HLB4 商品名「SYグリスターPS-310」阪本薬品工業製、テト
ラグリセロールペンタステアレートHLB2 商品名「SYグリスターPS-500」阪本薬品工業製、ヘキ
サグリセロールペンタステアレートHLB4 商品名「SYグリスターHS-500」阪本薬品工業製、ヘキ
サグリセロールヘプタステアレートHLB2 商品名「SYグリスターTS-500」阪本薬品工業製、ヘキ
サグリセロールトリステアレートHLB7 商品名「サントン3-1-S」ダーキー社製、トリグリセ
ロールモノステアレート HLB7 上に挙げたHLB7以下のPGAEはHLB7以上のものと混合し
て、HLB7以下になるようにしても用いることができる。
PGAEとしてHLB7以上のものを用いた場合には、油相にお
ける溶解性が低く、また均一に溶解し難く、安定したエ
マルジョンが得られないと云う問題が生じる。
これらのHLB7以下のPGAEをO/Wエマルジョンの油相中
に含有することを必要とするが、含有しない場合にはO/
Wエマルジョンの安定性が悪く、すぐ分離する傾向があ
る。その添加量は、O/Wエマルジョンの油相に対して重
量にて0.1〜2%を含むものが好ましく、さらに好まし
くは0.2〜0.5%である。添加量が0.1%以下では十分な
乳化安定性が得られず、また添加量が2%以上になる
と、得られる製品の風味が悪く、また食感が劣る等の問
題を生じる。
またHLB7以下のPGAEと共にO/Wエマルジョンの油相に
は必要に応じてレシチン、ショ糖脂肪酸エステル、グリ
セリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エ
ステル、ソルビタン脂肪酸エステル等の食用乳化剤を加
えて用いることもできる。レシチンとしては大豆レシチ
ン、卵黄レシチンが挙げられ、その添加量は油相に対し
て0.1〜2重量%である。
次にO/Wエマルジョンの水相に用いる乳化剤について
述べれば、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エ
ステル、レシチン等を用いても安定なO/Wエマルジョン
が得られるが、より安定なO/Wエマルジョンを得るため
には、HLB8以上のPGAEを用いるのが好ましく、より好ま
しくはHLB10以上である。HLB8以上のPGAEは、上記のHLB
7以下のPGAEを得るに用いたと同じポリグリセリンと脂
肪酸を反応して得られる生成物が用いられるが、ポリグ
リセリンに対し、エステル化度の低いHLB8以上のものが
用いられる。またHLB8以上のPGAEとして市販されている
次のものも用いることができる。
商品名「SYグリスター MS310」阪本薬品工業製 テ
トラグリセロールモノステアレート HLB8 商品名「SYグリスター MO310」阪本薬品工業製 テ
トラグリセロールモノオレエート HLB8 商品名「SYグリスター SS500」阪本薬品工業製 ヘ
キサグリセロールセスキステアレート HLB9 商品名「SYグリスター ML310」阪本薬品工業製 テ
トラグリセロールモノラウレート HLB10 商品名「SYグリスター MS500」阪本薬品工業製 ヘ
キサグリセロールモノステアレート HLB11 商品名「SYグリスター MO500」阪本薬品工業製 ヘ
キサグリセロールモノオレエート HLB11 商品名「サントン8-1-0」ダーキー社製 オクタグリ
セロールモノオレエート HLB13 商品名「SYグリスター MO750」阪本薬品工業製 デ
カグリセロールモノオレエート HLB13 商品名「SYグリスター ML-750」阪本薬品工業製 デ
カグリセロールモノウラレート HLB15 PGAEはO/Wエマルジョンの水相中に重量にて0.1〜2%
添加するが、上記の乳化剤の外に乳蛋白質を加えること
により、さらに安定なO/W型エマルジョンが出来る。
ここに用いる乳蛋白質としては、牛乳、無糖練乳、脱
脂粉乳、全脂粉乳、発酵粉乳、ガゼインナトリウム、ホ
エーパウダー等が挙げられ、これらの含有量は乳固型分
換算にてO/Wエマルジョンの水相中に1〜10重量%であ
り、より好ましくは2〜8重量%である。
次に本発明において使用する油脂としては、O/Wエマ
ルジョン並びにW/Oエマルジョンの油相に共通したもの
が使用でき、精製した動植物油脂およびそれらの硬化油
脂並びにそれらの分別油脂、さらにこれらのエステル交
換油が挙げられ、これらより選ばれた少なくとも一種を
用いる。動植物油脂の例としては、ナタネ油、コーン
油、大豆油、パーム油、綿実油、ヤシ油、サフラワー
油、サンフラワー油、乳脂、牛脂、ラード等が挙げら
れ、硬化油としては、上記の液状植物油並びに魚油の硬
化油が挙げられる。また分別油脂としてはパーム油、上
記硬化油を分別した固体脂又は液状油が挙げられる。ま
たO/Wエマルジョンの油相に加えるHLB7以下のPGAE以外
の乳化剤並びにW/Oエマルジョンの油相に加える乳化剤
としては、レシチン、ソルビタン脂肪酸エステル、蔗糖
脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレ
ングリコール脂肪酸エステル等が挙げられる。これら
は、いずれも親油性の高いものが望ましく、HLB7以下の
PGAEと混合した場合のHLB7以下、好ましくは4以下にな
るものを用いる。またO/Wエマルジョンの水相並びにW/O
エマルジョンの水相に加えるHLB8以上のPGAE以外の乳化
剤としては、上に挙げたO/Wエマルジョンの油相及びW/O
エマルジョンの油相に加える乳化剤と同種類のもので、
HLBが8以上のものが挙げられ、これをHLB8以上のPGAE
と混合してHLBが8以上、好ましくはHLB11以上になるよ
うに種類及びその量を選択する。また上記の乳化剤の外
に、食塩、砂糖、着色料、香料、ガム質等を適量添加し
て用いることができる。
以上のようにして得られた乳化性油脂組成物は、乳化
性、ホイップ性、風味及び黴等の微生物に対する抵抗性
に優れ、パン食におけるスプレッドとして優れたスプレ
ッド性を有すると共に良好な風味が得られ、また製菓製
パンに用いた場合には、良好な乳化性と風味により、均
一で優れた風味の洋菓子やパンが得られ、また洋菓子に
ホイップして用いる場合には、安定なホイップ性の製品
が得られると共に黴等の微生物に対する抵抗性が高く、
保存性の高い洋菓子が得られる。
〔実施例〕
以下実施例により本発明を説明する。
測定例1 油相として、魚硬化油(MP36℃)とサントン10-10-0
(以下これを「10-10-0」と記す)とレシチンより成
り、その油相中に「10-10-0」を0.08〜2.2重量%(表−
1の5点)とレシチン0.1重量%を含む油相(5点)を
加熱攪拌し、調製する。
一方水相として、水と脱脂粉乳とサントン8-1-0(以
下これを「8-1-0」と記す)より成り、その水相中に脱
脂粉乳5.6重量%と「8-1-0」を0.3重量%を含む水相を
調製する。上記の油相と水相の比が重量にて油相:水相
=1:0.4〜7の範囲にて表−1に示す5点のO/Wエマルジ
ョンを次のように調製する。60〜65℃に保った水相を攪
拌しながら、それに60〜65℃の油相を加え乳化させる。
均一に乳化後100kg/cm2にて均質機に通す。
以上の様にして得られた25点のO/Wエマルジョンにつ
き、粘度、乳化性、風味を測定し、油相中に必要とする
PGAEの量と、油相と水相の比をチェックした。
その結果を表−1に示した。測定方法、評価基準は次
の通り。
評価基準 i)粘度:B型粘度計使用、60℃、センチポイズ(CP)、
200CP以下が良く、150cp以下がより良好 ii)乳化性:均質機より出たエマルジョンを500mlのメ
スシリンダーに取り、60℃に30分間静置して肉眼にて次
の基準により測定した。
◎:全く分離していない ○:わずかに分離している △:少し分離が認められる ×:かなり分離が認められる iii)風味:パネラーテスター10人による風味を次の基
準により判定した。
◎:10人中8人以上が風味良好としたもの ○: 〃 6〜7人が 〃 〃 △: 〃 4〜5人が 〃 〃 ×: 〃 0〜3人が 〃 〃 表−1の結果、油相:水相の比が、1:0.7〜5の範囲
で、かつ油相中のPGAEの量が0.1〜2.0%の範囲のもの
が、エマルジョンの粘度も低く、乳化性の安定なかつ風
味のすぐれたものが得られた。
測定例2 油相として、魚硬化油(MP36℃)100kgに「10-10-0」
0.3kgとレシチン0.1kgを加え、溶解し油相を調製する。
水相として水と脱脂粉乳と「8-1-0」とより成り、水相
中に脱脂粉乳5重量%と「8-1-0」を0.08〜2.2重量%の
範囲で含む水相を調製する。上記の油相と水相の比が重
量にて油相:水相=1:0.4〜6.5の範囲の組成(表−2の
5点)のO/Wエマルジョンを測定例1と同様にして調製
する。得られた計25点のO/Wエマルジョンにつき、測定
例1と同様に粘度、乳化安定性、風味を測定し、その結
果を表−2に示した。
表−2の結果「8-1-0」の添加量が0.1〜1.8重量%の
範囲で、かつ油相:水相の比が1:0.7〜5.5のものにエマ
ルジョンの粘度が低く、乳化性のすぐれた、かつ風味の
すぐれたものが得られた。「8-1-0」が0.08%のもの
は、乳化性が十分安定ではなく、また「8-1-0」が2.2%
になると風味が極めて悪くなる。また油相と水相の比は
1:0.4では、風味が悪く、1:6.5では風味も良くないが、
乳化安定性が著しく低下して来る。
測定例3 次に、油相に測定例1と同じものを用い、水相とし
て、水に「8-1-0」を0.3%と乳蛋白質として脱脂粉乳を
0.8〜12.0%(いずれも水相に対する重量%)を加えた
もの5点を調製し、これらの油相と水相の比が重量にて
1:0.4〜6.5の範囲の組成で5点の水中油型エマルジョン
を測定例1と同様の方法にて調製した。
測定例1に記載した方法により粘度、乳化性、風味を
評価し、その結果を表−3に示した。
測定例4 次の組成の油相O1、O2と水相W1、W2を調製し、これを用
いO/Wエマルジョン、W/Oエマルジョンを、次いで乳化性
油脂組成物を次に述べる方法により調製した。
i)乳化性油脂組成物の調製 イ)O/Wエマルジョン:90℃に加熱して殺菌した水相
(W2)100部を65℃に保持しておく。これに65℃に加熱
した油相(O2)50部を加え、10分間攪拌して乳化後、均
質機(100kg/cm2)に通し、エマルジョンの粒径を3μ
以下としたO/Wエマルジョンを得る。これを熱交換機に
て冷却し、20℃に保持する。
ロ)W/Oエマルジョン:60℃の油相(O1)80部に、60℃の
水相(W1)20部を加え乳化させ、均一に乳化後ボテータ
ーに通し15℃に急冷する。
ハ)乳化性油脂組成物:W/OエマルジョンをAユニットに
入れ、AユニットとBユニットの途中からO/Wエマルジ
ョンを高圧定量ポンプを用いて送入してW/Oエマルジョ
ン中に分散させる。分散後Bユニットを通して混練し乳
化性油脂組成物を得る。その際、W/OエマルジョンとO/W
エマルジョンの比をW/O:O/W=95:5〜40:60(重量比)の
範囲で変化させて計7点の組成物を得た。
以上の様にして得た乳化性油脂組成物について分散性、
ホイップ性、風味、汚染テストの試験を行い測定した。
試験の方法は次の通り。
ii)試験方法 イ)分散性:400倍の偏光顕微鏡を用い、W/Oエマルジョ
ン中に分散するO/Wエマルジョン量に対する粒子径によ
る概算量を求め、それにより分散性を次の基準により判
定した。
◎:O/Wエマルジョン粒子が微細(概算で3μ以下が多
い)で、分散性が極めて良好 ○:O/Wエマルジョンの粒子が細かく(概算で3〜6μが
多い)、分散性良好 △:O/Wエマルジョンの粒子がやや粗く(概算で5〜8μ
が多い)、分散性やや不良 ×:O/Wエマルジョンの粒子が粗く(概算で6〜10μが多
い)、分散性不良 ロ)ホイップ性:試料4とシロップ6の割合(重量比)
で混合し、ホイッパーにて15分間ホイップし、その直後
の比重(20℃)を測定し、示した。
ハ)風味:測定例1のiii)と同じ基準により判定し
た。
ニ)汚染テスト:シャーレーに試料を取り、その中心に
汚染源を一定量添加し、25℃の恒温槽中に5日間静置し
てカビの繁殖状況を肉眼で観察し、その状況を次の基準
により判定した。
汚染源には、食塩、防黴剤を添加していないミルク入
りマーガリンを25℃に10日間保管し、発生したカビ(青
カビが中心)を用いた。
◎:全く増殖が認められない ○:汚染源の周囲5mm程度に増殖が認められる 汚染源の周囲10mm程度に増殖が認められる △:汚染源の周囲15mm程度に増殖が認められる ×: 〃 20mm以上に 〃 以上得られた乳化性油脂組成物につき、測定例1並び
に上記イ)〜ニ)の方法により、チェックし、その結果
を表−4に示した。
表−4の結果、W/Oエマルジョン:O/Wエマルジョンの比
率が、80:20〜70:30のものは分散性、ホイップ性、風
味、汚染テストいずれも極めてすぐれており、同じく比
率が90:10及び60:40のものはいずれも良好であり、実用
的範囲にある。同じく比率が95:5のものはホイップ性、
汚染テストは良好であるが、分散性、風味が劣ってい
る。また同じく比率が50:50、40:60になると汚染テスト
が極めて悪く、その他の項目も劣っており、実用的でな
い。
実施例1 以下の組成により乳化性油脂組成物を調製した。
水相(W2)を、95℃に加熱して殺菌し、65℃に保持して
おく。これに65℃に加熱した油相(O2)を加え、10分間
攪拌し、乳化した後均質機(100kg/cm2)に通し、エマ
ルジョンの粒子が3μ以下のO/Wエマルジョンを得る。
このエマルジョンを熱交換機にて20℃に冷却しておく。
次に60℃の油相(O1)に、予め85℃に加熱殺菌した水相
(W1)を60℃にて加え、乳化する。均一に乳化後ボデー
ターを通し、15℃に急冷し、W/Oエマルジョンを得る。
次にまずW/Oエマルジョン80kgをAユニットに通し、
AユニットとBユニットの途中から、O/Wエマルジョン2
0kgを高圧定量ポンプを用いて、W/Oエマルジョン中に送
入し、分散させる。その後Bユニットに通して混練し、
乳化性油脂組成物を得た。
比較例1 実施例1のO/Wエマルジョン中の油相よりPGAEを除い
た以外はすべて実施例1と同様の組成にて、同様に製造
し、乳化性油脂組成物を得た。
比較例2 実施例1のO/Wエマルジョン中の水相よりPGAEを除い
た以外はすべて実施例1と同様の組成にて、同様に製造
し、乳化性油脂組成物を得た。
比較例3 実施例1のO/Wエマルジョン中の水相から乳蛋白を除
いた以外はすべて実施例1と同様の組成にて、同様に製
造し、乳化性油脂組成物を得た。
比較例4 実施例1のW/OエマルジョンとO/Wエマルジョンの比率
を95:5とした以外はすべて実施例1と同様の組成にて、
製造し、乳化性油脂組成物を得た。
実施例2 以下の組成により乳化性油脂組成物を調製した。
W/Oエマルジョン、O/Wエマルジョンさらに乳化性油脂組
成物を実施例1と同様に製造した。
比較例5 実施例2のO/Wエマルジョン中の油相よりPGEAを除い
た以外はすべて実施例2と同様の組成にて同様に製造
し、乳化性油脂組成物を得た。
比較例6 実施例2のO/Wエマルジョン中の水相よりPGEAを除い
た以外はすべて実施例2と同様の組成にて製造し、乳化
性油脂組成物を得た。
比較例7 実施例2のO/Wエマルジョン中の水相から乳蛋白を除
いた以外はすべて実施例2と同様の組成にて同様に製造
し、乳化性油脂組成物を得た。
比較例8 実施例2のW/OエマルジョンとO/Wエマルジョンの比率
を、55:45とした以外はすべて実施例1と同様の組成に
て同様に製造し、乳化性油脂組成物を得た。
実施例1〜2、比較例1〜8にて得られた乳化性、油
脂組成物につき、O/Wエマルジョン並びに最終製品につ
き測定例1、2に記載の方法により粘度、乳化性、エマ
ルジョン粒径、ホイップ性、風味テスト、汚染テストに
つきチェックし、比較した。
その結果を表−5に示す。
〔発明の効果〕 以上説明したように、本発明の乳化性油脂組成物は、
(a)HLB7以下のポリグリセリン脂肪酸エステル0.1〜
2重量部とレシチン0.1〜2重量部を含む油相15〜65重
量部と、HLB8以上のポリグリセリン脂肪酸エステル0.1
〜2重量部と無水物換算にて乳蛋白質1〜10重量部とを
含む水相85〜35重量部とより得られる水中油型エマルジ
ョン10〜40重量部と、(b)油中水型エマルジョン90〜
60重量部の、(a)と(b)を混合して成るものであ
り、このような乳化性油脂組成物をスプレッド用として
パンに塗布して食用に供するとき、滑らかな展延性を有
すると共に、すぐれた風味が得られ、食卓を豊かなもの
にする。また製菓製パンに用いた場合、良好な乳化性、
ホイップ性、風味と黴等の微生物に対する優れた抵抗性
により、安定な起泡性のホイップ製品が得られ、かつ優
れた風味と保存性の高い洋菓子やパンを得ることができ
ると共に、それらの製品の製造工程の合理化にも寄与す
る効果を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 星野 博明 神戸市長田区苅藻通7丁目1番48号 ミ ヨシ油脂株式会社神戸工場内 審査官 谷口 博 (56)参考文献 特開 昭56−164756(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)HLB7以下のポリグリセリン脂肪酸エ
    ステル0.1〜2重量%とレシチン0.1〜2重量%を含む油
    相15〜65重量部と、HLB8以上のポリグリセリン脂肪酸エ
    ステル0.1〜2重量%と無水物換算にて乳蛋白質1〜10
    重量%とを含む水相85〜35重量部とより得られる水中油
    型エマルジョン10〜40重量部と、(b)油中水型エマル
    ジン90〜60重量部の、(a)と(b)を混合して成るこ
    とを特徴とする乳化性油脂組成物。
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