JP2025015873A - ボイラのシール構造及びボイラのシール構造の補修方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本開示は、ボイラのシール構造及びボイラのシール構造の補修方法に関する。
例えば石炭焚きボイラなどの大型のボイラは、中空形状をなして鉛直方向に設置される火炉を有し、この火炉壁に複数の燃焼バーナが周方向に沿って配設されている。また、石炭焚きボイラは、火炉の鉛直方向上方に煙道が連結されており、この煙道に蒸気を生成するための熱交換器が配置されている。そして、燃焼バーナが火炉内に燃料と空気との混合気を噴射することで火炎が形成され、燃焼ガスが生成されて煙道に流れる。燃焼ガスが流れる領域に熱交換器が設置され、熱交換器を構成する伝熱管内を流れる水や蒸気を加熱して過熱蒸気が生成される。
このようなボイラにおいて、火炉壁や、火炉の上方を規定する天井壁は、炉壁管を備えるいわゆるメンブレンウォールとなっている。また、天井壁の上方には、熱交換器(過熱器,再熱器など)のヘッダ等を配置するペントハウスが設けられている。すなわち、熱交換器を構成する伝熱管の一部は、天井壁を貫通するように設けられている。ペントハウス内に、火炉内で生成された燃焼ガスが流入すると、燃焼ガスの熱や成分によってヘッダ等が損傷する可能性がある。したがって、ペントハウス内への燃焼ガスの流入を防止するために、伝熱管が貫通する天井壁を貫通する部分にはガスのシール構造を設ける場合がある(例えば、特許文献1)。
ガスのシール構造として、貫通部分をケーシング(スキンケーシング)で覆う構成を適用した場合には、スキンケーシングを天井壁側の部材と伝熱管側の部材とに溶接固定する。またスキンケーシングには、燃焼ガスや伝熱管内を流れる高温の流体からの熱によって加熱されるため熱変形が生じる。スキンケーシングはこのような熱変形を吸収できるように、例えば伝熱管の延在方向に沿った断面形状が曲がり部を有するように形成されている。
しかし、板の材質や曲がり部の寸法等によっては熱変形を十分に吸収できず、曲がり部や、天井壁側の部材や伝熱管側の部材との溶接部分等に亀裂を生じるおそれがある。
しかし、板の材質や曲がり部の寸法等によっては熱変形を十分に吸収できず、曲がり部や、天井壁側の部材や伝熱管側の部材との溶接部分等に亀裂を生じるおそれがある。
本開示の少なくとも一実施形態は、上述の事情に鑑みて、熱変形の影響を受け難いボイラのシール構造、及びボイラのシール構造の補修方法を提供することを目的とする。
(1)本開示の少なくとも一実施形態に係るボイラのシール構造は、
ボイラの燃焼ガス通路の内部と外部とを貫通する少なくとも1つの管と前記燃焼ガス通路を画定する壁部との間をシールするためのスキンケーシングを備えるボイラのシール構造であって、
前記スキンケーシングは、管側の第1端部と、壁部側の第2端部とを有し、
前記スキンケーシングの前記管の延在方向に沿った断面形状は、前記延在方向から見たときの少なくとも一部の領域において、前記第1端部から前記第2端部までの間で曲線形状を有する曲線部を3か所以上含んでいる。
ボイラの燃焼ガス通路の内部と外部とを貫通する少なくとも1つの管と前記燃焼ガス通路を画定する壁部との間をシールするためのスキンケーシングを備えるボイラのシール構造であって、
前記スキンケーシングは、管側の第1端部と、壁部側の第2端部とを有し、
前記スキンケーシングの前記管の延在方向に沿った断面形状は、前記延在方向から見たときの少なくとも一部の領域において、前記第1端部から前記第2端部までの間で曲線形状を有する曲線部を3か所以上含んでいる。
(2)本開示の少なくとも一実施形態に係るボイラのシール構造の補修方法は、
ボイラの燃焼ガス通路の内部と外部とを貫通する少なくとも1つの管と前記燃焼ガス通路を画定する壁部との間をシールするためのスキンケーシングを備えるボイラのシール構造の補修方法であって、
補修対象の既存スキンケーシングの少なくとも一部を前記ボイラから除去するステップと、
前記既存スキンケーシングの少なくとも一部が除去された前記ボイラに対し、管側の第1端部と、壁部側の第2端部とを有し、前記管の延在方向に沿った断面形状が前記第1端部から前記第2端部までの間で曲線形状を有する曲線部を3か所以上含んでいる新規スキンケーシングを取り付けるステップと、
を備える。
ボイラの燃焼ガス通路の内部と外部とを貫通する少なくとも1つの管と前記燃焼ガス通路を画定する壁部との間をシールするためのスキンケーシングを備えるボイラのシール構造の補修方法であって、
補修対象の既存スキンケーシングの少なくとも一部を前記ボイラから除去するステップと、
前記既存スキンケーシングの少なくとも一部が除去された前記ボイラに対し、管側の第1端部と、壁部側の第2端部とを有し、前記管の延在方向に沿った断面形状が前記第1端部から前記第2端部までの間で曲線形状を有する曲線部を3か所以上含んでいる新規スキンケーシングを取り付けるステップと、
を備える。
本開示の少なくとも一実施形態によれば、熱変形の影響を受け難いボイラのシール構造、及びボイラのシール構造の補修方法を提供できる。
以下、添付図面を参照して本開示の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本開示の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、本実施形態の石炭焚きボイラを表す概略構成図である。
本実施形態のボイラは、石炭を粉砕した微粉炭を微粉燃料(炭素含有固体燃料)として用い、この微粉炭を燃焼バーナにより燃焼させ、この燃焼により発生した熱を回収して給水や蒸気と熱交換して過熱蒸気を生成することが可能な石炭焚き(微粉炭焚き)ボイラである。以降の説明で、上や上方とは鉛直方向上側を示し、下や下方とは鉛直方向下側を示すものである。
本実施形態において、図1に示すように、石炭焚きボイラ10は、火炉11と燃焼装置12と煙道(燃焼ガス流路)13を有している。火炉11は、四角筒の中空形状をなして鉛直方向に沿って設置されている。火炉11を構成する火炉壁は、複数の蒸発管とこれらを接続するフィンとで構成され、給水や蒸気と熱交換することにより火炉壁の温度上昇を抑制している。
燃焼装置12は、火炉11を構成する火炉壁の下部側に設けられている。本実施形態では、燃焼装置12は、火炉壁に装着された複数の燃焼バーナ(例えば21,22,23,24,25)を有している。例えば燃焼バーナ21,22,23,24,25は、周方向に沿って均等間隔で配設されたものが1セットとして、鉛直方向に沿って複数段配置されている。但し、火炉の形状や一つの段における燃焼バーナの数、段数はこの実施形態に限定されるものではない。
各燃焼バーナ21,22,23,24,25は、微粉炭供給管26,27,28,29,30を介して粉砕機(ミル)31,32,33,34,35に連結されている。この粉砕機31,32,33,34,35は、図示しないが、例えばハウジング内に回転テーブルが駆動回転可能に支持され、この回転テーブルの上方に複数のローラが回転テーブルの回転に連動して回転可能に支持されて構成されている。石炭が複数のローラと回転テーブルとの間に投入されると、ここで所定の微粉炭の大きさに粉砕され、搬送用ガス(一次空気)により分級された微粉炭を微粉炭供給管26,27,28,29,30から燃焼バーナ21,22,23,24,25に供給することができる。
また、火炉11は、各燃焼バーナ21,22,23,24,25の装着位置に風箱36が設けられており、この風箱36に空気ダクト37の一端部が連結されている。空気ダクト37は、他端部に送風機38が設けられている。
さらに、火炉11は、各燃焼バーナ21,22,23,24,25の装着位置より上方にアディショナル空気ノズル39が設けられている。アディショナル空気ノズル39に空気ダクト37から分岐した分岐空気ダクト40の端部が連結されている。したがって、送風機38により送られた燃焼用空気(燃料ガス燃焼用空気/二次空気)を空気ダクト37から風箱36に供給し、この風箱36から各燃焼バーナ21,22,23,24,25に供給することができると共に、送風機38により送られた燃焼用追加空気(アディショナル空気)を分岐空気ダクト40からアディショナル空気ノズル39に供給することができる。
煙道13は、火炉11の鉛直方向上部に連結されている。煙道13は、燃焼ガスの熱を回収するための熱交換器として、過熱器41,42,43、再熱器44,45、節炭器46,47が設けられており、火炉11での燃焼で発生した燃焼ガスと各熱交換器を流通する給水や蒸気との間で熱交換が行われる。
煙道13は、その下流側に熱交換を行った燃焼ガスが排出されるガスダクト48が連結されている。ガスダクト48は、空気ダクト37との間にエアヒータ(空気予熱器)49が設けられ、空気ダクト37を流れる空気と、ガスダクト48を流れる燃焼ガスとの間で熱交換を行い、燃焼バーナ21,22,23,24,25に供給する燃焼用空気を昇温することができる。
また、煙道13は、エアヒータ49より上流側の位置に脱硝触媒50が設けられている。脱硝触媒50は、アンモニア、尿素水等の窒素酸化物を還元する作用を有する還元剤を煙道13内に供給し、還元剤が供給された燃焼ガスを窒素酸化物と還元剤との反応を促進させることで、燃焼ガス中の窒素酸化物を除去、低減するものである。そして、煙道13に連結されるガスダクト48は、エアヒータ49より下流側の位置に煤塵処理装置(電気集塵機、脱硫装置)51、誘引送風機52などが設けられ、下流端部に煙突53が設けられている。
一方、微粉炭燃料は、粉砕機31,32,33,34,35が駆動すると、生成された微粉炭が搬送用空気と共に微粉炭供給管26,27,28,29,30を通して燃焼バーナ21,22,23,24,25に供給される。また、加熱された燃焼用空気が空気ダクト37から風箱36を介して各燃焼バーナ21,22,23,24,25に供給される。すると、燃焼バーナ21,22,23,24,25は、微粉炭と搬送用ガス(一次空気)とが混合した微粉燃料混合気を火炉11に吹き込むと共に燃焼用空気を火炉11に吹き込み、このときに着火することで火炎を形成することができる。火炉11内の下部で火炎が生じ、燃焼ガスがこの火炉11内を上昇し、煙道13に排出される。
火炉11は、下部の領域Aにて、微粉燃料混合気と燃焼用空気(二次空気)とが燃焼して火炎が生じる。ここで火炉11は、空気の供給量が微粉炭の供給量に対して理論空気量未満となるように設定されることで、内部が還元雰囲気に保持される。即ち、領域Bにて、微粉炭の燃焼により発生したNOxが火炉11で還元され、その後、アディショナル空気ノズル39からアディショナル空気が追加供給されることで微粉炭の酸化燃焼が完結され、微粉炭の燃焼によるNOxの発生量が低減される。
その後、燃焼ガスは、煙道13に配置される過熱器41,42,43、再熱器44,45、節炭器46,47で熱交換した後、脱硝触媒50により窒素酸化物が還元除去され、煤塵処理装置51で粒子状物質が除去されると共に硫黄分が除去された後、煙突53から大気中に排出される。
次に、熱交換器として、煙道13に設けられた過熱器41,42,43、再熱器44,45、節炭器46,47について詳細に説明する。図2は、石炭焚きボイラ10に設けられた熱交換器と、蒸気及び給水系統と、を示す概略図である。なお、図2では蒸気及び給水系統を説明するための図であって、煙道13内の各熱交換器(過熱器41,42,43、再熱器44,45、節炭器46,47)の位置を正確に示しているものではない。
図2に示すように、本実施形態において、煙道13は、内部に燃焼ガスが通過する燃焼ガス通路60が設けられており、この燃焼ガス通路60に過熱器41,42,43、再熱器44,45、節炭器46,47が配置されている。なお、過熱器41,42,43は、ヘッダを介して直列に設けられてもよいが、図2では、このヘッダを省略している。
石炭焚きボイラ10で生成した蒸気により運転される蒸気タービン61は、例えば、高圧タービン62と低圧タービン63とから構成されている。低圧タービン63は、復水器64が連結されており、低圧タービン63を駆動した蒸気がこの復水器64で冷却水(例えば、海水)により冷却されて復水となる。復水器64は、給水ラインL1を介して第1節炭器47の入口ヘッダ65に連結されている。入口ヘッダ65は、燃焼ガス通路60に設けられており、給水ラインL1は、燃焼ガス通路60の外側に給水ポンプ66が設けられている。第2節炭器46は、第1節炭器47の上方に配置されており、各節炭器46,47の間に中間ヘッダ67が設けられている。第2節炭器46は、上部に出口ヘッダ68が連結されており、この出口ヘッダ68は、燃焼ガス通路60の外側に配置されている。
出口ヘッダ68は、給水ラインL2を介して燃焼ガス通路60の外側に配置される蒸気ドラム69に連結されている。蒸気ドラム69は、火炉壁の各伝熱管(図示略)に連結されると共に、入口ヘッダ74を介して、過熱器41,42,43に連結されている。また、過熱器41,42,43は、蒸気ラインL3を介して高圧タービン62に連結されている。なお、蒸気ラインL3には出口ヘッダ75が設けられている。そして、高圧タービン62は、蒸気ラインL4を介して第1再熱器45の入口ヘッダ(管寄せ)70に連結されている。入口ヘッダ70は、燃焼ガス通路60に設けられており、第1再熱器45は、中間ヘッダ71を介して第2再熱器44に連結され、第2再熱器44は、上部に出口ヘッダ72が連結されており、この中間ヘッダ71及び出口ヘッダ72は、燃焼ガス通路60の外側に配置されている。そして、出口ヘッダ72は、蒸気ラインL5を介して低圧タービン63に連結され低圧タービン63を回転駆動している。
そのため、燃焼ガスが煙道13の燃焼ガス通路60を流れるとき、この燃焼ガスは、過熱器41,42,43、再熱器44,45、節炭器46,47の順に熱回収される。一方、給水ポンプ66から供給された水は、節炭器47,46によって予熱された後、蒸気ドラム69に供給され、図示しない火炉壁の各伝熱管に供給される間に加熱されて飽和蒸気となり、蒸気ドラム69に戻される。蒸気ドラム69の飽和蒸気は、過熱器41,42,43に導入され、燃焼ガスによって過熱される。過熱器41,42,43で生成された過熱蒸気は、高圧タービン62に供給され、この高圧タービン62を回転駆動する。高圧タービン62から排出された蒸気は、再熱器45,44に導入されて再度過熱された後、低圧タービン63に供給され、この低圧タービン63を回転駆動する。蒸気タービン61の回転軸には、発電機が接続されており、発電が行われる。低圧タービン63から排出された蒸気は、復水器64で冷却されることで復水となり、再び、節炭器47,46に送られる。
また、煙道13は、入口ヘッダ70と節炭器47との間にスーツブロワ(噴射装置)80が配置されていてもよい。スーツブロワ80は、入口ヘッダ70の長手方向と平行な方向に延在して入口ヘッダ70に対向する位置に配置される。スーツブロワ80は、入口ヘッダ70の長手方向を軸方向として、軸方向に直交する方向に蒸気(気体)を噴射し、また噴射方向も変動することができる噴射装置である。スーツブロワ80から節炭器47に向けて噴射された蒸気は、節炭器47の伝熱管の表面に堆積した燃焼灰を除去する。
次に、本実施形態の煙道13に設けられた過熱器41,42,43の少なくともいずれかに設けられた伝熱管89と天井壁82とのシール構造90について、図3から図7を用いて、より詳細に説明する。なお、各過熱器41,42,43の少なくともいずれかに設けられた伝熱管89と天井壁82とのシール構造90は、略同一の構成なので、以下の説明では、代表として過熱器41について説明し、他の過熱器42,43の説明は省略する。また、以下の説明及び図3から図7において、Z方向は鉛直上下方向を示し、X方向は天井壁82を貫通する複数の伝熱管89の配列方向を示し、Y方向はZ方向及びX方向と直交する方向を示している。
図3は、図1の過熱器を示す模式的な側面図である。
図4は、図3の要部の拡大図であり、本実施形態に係るシール構造の要部を示す側面図である。
図5は、図4に示したシール構造を上方から見た図4のV-V矢視図である。
図6は、図5のVI-VI矢視図である。
図7は、図5のVII-VII矢視図である。
図4は、図3の要部の拡大図であり、本実施形態に係るシール構造の要部を示す側面図である。
図5は、図4に示したシール構造を上方から見た図4のV-V矢視図である。
図6は、図5のVI-VI矢視図である。
図7は、図5のVII-VII矢視図である。
煙道13は、図3に示されているように、内部に設けられた燃焼ガス通路60の側方を規定する壁部81と、燃焼ガス通路60の上方を規定する天井壁82と、を有している。
図3に示すように、天井壁82の上方には、過熱器41等の入口ヘッダ74及び出口ヘッダ75等を内部に配置するペントハウス86が設けられている。また、天井壁82には、後述する過熱器41を構成する伝熱管89が挿通する貫通穴84aが形成されている。貫通穴84aは、火炉11と連続する煙道13の内部空間(本実施形態では、燃焼ガス通路60)と、火炉11の外部空間(本実施形態では、ペントハウス86内の空間)とを連通している。
図3に示すように、天井壁82の上方には、過熱器41等の入口ヘッダ74及び出口ヘッダ75等を内部に配置するペントハウス86が設けられている。また、天井壁82には、後述する過熱器41を構成する伝熱管89が挿通する貫通穴84aが形成されている。貫通穴84aは、火炉11と連続する煙道13の内部空間(本実施形態では、燃焼ガス通路60)と、火炉11の外部空間(本実施形態では、ペントハウス86内の空間)とを連通している。
過熱器41は、図1に示すように、燃焼ガス通路60の最も上流側に設けられた熱交換器である。過熱器41は火炉11の鉛直上方に設けられており、図3に示すように、煙道13の壁部81の近傍に設けられている。
過熱器41は、入口ヘッダ74と、出口ヘッダ75とを連結する複数の伝熱管89によって構成されている。各伝熱管89は、入口ヘッダ74から略鉛直下方へ延びる第1鉛直管部89aと、第1鉛直管部89aの下端から曲折して壁部81方向へX方向に延びる水平管部89bと、水平管部89bの端部から曲折して略鉛直上方へ延びる第2鉛直管部89cと、を備えている。すなわち、第1鉛直管部89a及び第2鉛直管部89cは、上下方向(Z方向)に沿って延在している。入口ヘッダ74及び出口ヘッダ75は、上述のように、ペントハウス86に設けられているため、第1鉛直管部89a及び第2鉛直管部89cは、煙道13の天井壁82を貫通するように配置されている。具体的には、図6及び図7に示すように、第1鉛直管部89a及び第2鉛直管部89cは、天井壁82に形成された貫通穴84aを挿通している。貫通穴84aは、複数の伝熱管89の第1鉛直管部89a及び第2鉛直管部89cに対応するように、X方向(本実施形態では、天井管83の延在方向)に所定の間隔で複数形成されている。なお、図6及び図7では、第2鉛直管部89cを図示しているが、第1鉛直管部89aも同様の構成となっている。
ペントハウス86内には、貫通穴84aから燃焼ガスがペントハウス86内に流入しないように、シール構造90が設けられている。
シール構造90は、図4から図7に示すように、取付板94を介して天井壁82に溶接固定されて貫通穴84aを覆うスキンケーシング91と、伝熱管89(詳細には、第2鉛直管部89c)に溶接固定されるサポートプレート93と、サポートプレート93とスキンケーシング91との間に設けられた塞ぎ板92とを備えている。シール構造90の長手方向(X方向)の長さは、例えば、略5mから15m程度である。
シール構造90は、図4から図7に示すように、取付板94を介して天井壁82に溶接固定されて貫通穴84aを覆うスキンケーシング91と、伝熱管89(詳細には、第2鉛直管部89c)に溶接固定されるサポートプレート93と、サポートプレート93とスキンケーシング91との間に設けられた塞ぎ板92とを備えている。シール構造90の長手方向(X方向)の長さは、例えば、略5mから15m程度である。
スキンケーシング91は、X方向に延在するカバー状の部材であって、上端(第1端部)911が塞ぎ板92を介して、又は、塞ぎ板92を介さず直接サポートプレート93に溶接などで固定され、下端(第2端部)912が上述したように取付板94を介して天井壁82に溶接などで固定されている。スキンケーシング91は、X方向に所定の間隔で形成されている複数の貫通穴84aを上方から覆っている。すなわち、スキンケーシング91は、内部に空間を形成し、当該空間をシールしている。スキンケーシング91は、例えば、炭素鋼や低合金鋼(例えば、0.5~2.25Cr鋼等)で形成されている。
スキンケーシング91は、火炉11と連続する煙道13の内部空間(本実施形態では、燃焼ガス通路60)と、火炉11の外部空間(本実施形態では、ペントハウス86内の空間)とを隔てている。
スキンケーシング91は、火炉11と連続する煙道13の内部空間(本実施形態では、燃焼ガス通路60)と、火炉11の外部空間(本実施形態では、ペントハウス86内の空間)とを隔てている。
図6及び図7に示すように、本実施形態のスキンケーシング91では、スキンケーシング91の伝熱管89の延在方向(Z方向)に沿った断面形状Sは、延在方向(Z方向)から見たときの少なくとも一部の領域において、第1端部911から第2端部912までの間で曲線形状を有する曲線部914を3か所以上含んでいる。図6及び図7に示す例では、スキンケーシング91の断面形状Sは、第1端部911から第2端部912までの間で曲線形状を有する3か所の曲線部914を含んでいる。
なお、図6には、天井壁82を貫通する複数の伝熱管89によって形成される管列PLの列の端に配置された伝熱管89である第1管891の周囲を取り囲むように配置されたスキンケーシング91の断面形状Sが表されている。
また、図7には、管列PLの列の中央側の領域(中央領域CR)に配置された伝熱管89である第2管892の側方を覆うように配置されたスキンケーシング91の断面形状Sが表されている。
また、図7には、管列PLの列の中央側の領域(中央領域CR)に配置された伝熱管89である第2管892の側方を覆うように配置されたスキンケーシング91の断面形状Sが表されている。
図6及び図7に示す例では、スキンケーシング91の断面形状Sは、第1端部911に近い曲線部914から順に、第1曲線部915と、第2曲線部916と、第3曲線部917と、を含んでいる。
図6及び図7に示す例では、スキンケーシング91の断面形状Sは、第1端部911から第2端部912までの間で直線形状を有する直線部918を含んでいる。
図6及び図7に示す例では、スキンケーシング91の断面形状Sは、第1端部911から第2端部912までの間で直線形状を有する直線部918を含んでいる。
第1曲線部915は、伝熱管89の延在方向(Z方向)に沿った断面形状Sにおいて、例えば火炉11の外部空間OA(本実施形態では、ペントハウス86内の空間)に曲率半径R1の中心が存在するように、外部空間OAから火炉11と連続する煙道13の内部空間IA(本実施形態では、燃焼ガス通路60)に向かって突出するように湾曲している。
第2曲線部916は、伝熱管89の延在方向(Z方向)に沿った断面形状Sにおいて、例えば火炉11の内部空間IAに曲率半径R2の中心が存在するように、内部空間IAから外部空間OAに向かって突出するように湾曲している。
第3曲線部917は、伝熱管89の延在方向(Z方向)に沿った断面形状Sにおいて、例えば外部空間OAに曲率半径R3の中心が存在するように、外部空間OAから内部空間IAに向かって突出するように湾曲している。
図6に示した第1管891の周囲を取り囲むように配置されたスキンケーシング91では、直線部918を介さずに第1曲線部915と第2曲線部916とが直接接続されている。
図6に示した第1管891の周囲を取り囲むように配置されたスキンケーシング91では、直線部918は、第1端部911と第1曲線部915との間、及び、第2曲線部916と第3曲線部917との間に存在している。なお、図6に示したスキンケーシング91において、直線部918を介さずに第1端部911と第1曲線部915とが直接接続されていてもよく、直線部918を介さずに第2曲線部916と第3曲線部917とが直接接続されていてもよい。
図6に示した第1管891の周囲を取り囲むように配置されたスキンケーシング91では、直線部918は、第1端部911と第1曲線部915との間、及び、第2曲線部916と第3曲線部917との間に存在している。なお、図6に示したスキンケーシング91において、直線部918を介さずに第1端部911と第1曲線部915とが直接接続されていてもよく、直線部918を介さずに第2曲線部916と第3曲線部917とが直接接続されていてもよい。
図7に示した第2管892の側方を覆うように配置されたスキンケーシング91では、直線部918は、第1端部911と第1曲線部915との間、第1曲線部915と第2曲線部916との間、及び、第2曲線部916と第3曲線部917との間に存在している。なお、図7に示したスキンケーシング91において、直線部918を介さずに第1端部911と第1曲線部915とが直接接続されていてもよく、直線部918を介さずに第1曲線部915と第2曲線部916とが直接接続されていてもよく、直線部918を介さずに第2曲線部916と第3曲線部917とが直接接続されていてもよい。
図6に示したスキンケーシング91における第1曲線部915の曲率半径R1は、図7に示したスキンケーシング91における第1曲線部915の曲率半径R1よりも大きいとよい。
図6に示したスキンケーシング91における第2曲線部916の曲率半径R2は、図7に示したスキンケーシング91における第2曲線部916の曲率半径R2よりも大きいとよい。
図6に示したスキンケーシング91における第3曲線部917の曲率半径R3は、図7に示したスキンケーシング91における第3曲線部917の曲率半径R3よりも大きくてもよいし、同じであってもよい。
図6に示したスキンケーシング91における第2曲線部916の曲率半径R2は、図7に示したスキンケーシング91における第2曲線部916の曲率半径R2よりも大きいとよい。
図6に示したスキンケーシング91における第3曲線部917の曲率半径R3は、図7に示したスキンケーシング91における第3曲線部917の曲率半径R3よりも大きくてもよいし、同じであってもよい。
本実施形態のスキンケーシング91では、燃焼ガスや伝熱管89内を流れる過熱蒸気からの熱によって加熱されるため熱変形が生じる。スキンケーシング91はこのような熱変形を吸収できるように、上述した曲線部914を有するように形成されている。
本実施形態のシール構造90では、スキンケーシング91は、熱変形の吸収能力を高めるために、第1端部911から第2端部912までの間で曲線形状を有する3か所の曲線部914を含むように形成されている。
これにより、断面形状Sが2か所以下の曲線部914を含む場合と比べてスキンケーシング91の熱変形をより吸収できる。これにより、シール構造90において熱変形の影響を受け難くすることができる。
本実施形態のシール構造90では、スキンケーシング91は、熱変形の吸収能力を高めるために、第1端部911から第2端部912までの間で曲線形状を有する3か所の曲線部914を含むように形成されている。
これにより、断面形状Sが2か所以下の曲線部914を含む場合と比べてスキンケーシング91の熱変形をより吸収できる。これにより、シール構造90において熱変形の影響を受け難くすることができる。
本実施形態のスキンケーシング91では、延在方向(Z方向)から見たときの第1端部911に最も近い第1曲線部915の曲率半径R1は、他の曲線部914(第2曲線部916、第3曲線部917)の曲率半径R2、R3より大きいとよい。
発明者らが鋭意検討した結果、スキンケーシング91の熱変形によって第1端部911に近い位置の曲線部914に比較的大きな応力が生じることが判明した。
上記構成によれば、第1端部911に最も近い第1曲線部915の曲率半径R1を他の曲線部914(第2曲線部916、第3曲線部917)の曲率半径R2、R3より大きくしたので、比較的大きな応力が生じるおそれがある第1端部911に最も近い第1曲線部915における応力を効果的に低減できる。
発明者らが鋭意検討した結果、スキンケーシング91の熱変形によって第1端部911に近い位置の曲線部914に比較的大きな応力が生じることが判明した。
上記構成によれば、第1端部911に最も近い第1曲線部915の曲率半径R1を他の曲線部914(第2曲線部916、第3曲線部917)の曲率半径R2、R3より大きくしたので、比較的大きな応力が生じるおそれがある第1端部911に最も近い第1曲線部915における応力を効果的に低減できる。
本実施形態のスキンケーシング91では、延在方向(Z方向)から見たときに隣り合う2つの曲線部914の組(第1曲線部915と第2曲線部916との組、第2曲線部916と第3曲線部917との組)の内、少なくとも1つの組は、延在方向(Z方向)から見たときに直線的に延在する直線部918を介さずに隣り合う2つの曲線部914同士が直接接続されているとよい。図6に示したスキンケーシング91では、第1曲線部915と第2曲線部916との組は、直線部918を介さずに第1曲線部915と第2曲線部916とが直接接続されている。
これにより、隣り合う2つの曲線部914同士が直線部918を介して接続されている場合と比べて、スキンケーシング91の大きさが大きくなることを抑制しつつ曲線部914の曲率半径Rを大きくすることができるので、曲線部914における応力を低減し易くなる。
これにより、隣り合う2つの曲線部914同士が直線部918を介して接続されている場合と比べて、スキンケーシング91の大きさが大きくなることを抑制しつつ曲線部914の曲率半径Rを大きくすることができるので、曲線部914における応力を低減し易くなる。
本実施形態のシール構造90は、第1端部911と伝熱管89との間に設けられていて、伝熱管89の中心軸AXを中心とする径方向の外側の端部921が第1端部911と接続され、径方向の内側の端部922が伝熱管89と直接又は間接的に接続されていて、中心軸AXを中心とする周方向に伝熱管89を取り囲むように周方向の少なくとも一部の領域に配置される塞ぎ板92、を備えるとよい。
なお、本実施形態のシール構造90では、塞ぎ板92は、第1管891の周囲を取り囲むように第1管891の近傍に設けられている。本実施形態のシール構造90では、塞ぎ板92の径方向の内側の端部922は、サポートプレート93の外周面に溶接などで固定されていて、サポートプレート93を介して伝熱管89に接続されているが、伝熱管89に直接接続されていてもよい。
なお、本実施形態のシール構造90では、塞ぎ板92は、第1管891の周囲を取り囲むように第1管891の近傍に設けられている。本実施形態のシール構造90では、塞ぎ板92の径方向の内側の端部922は、サポートプレート93の外周面に溶接などで固定されていて、サポートプレート93を介して伝熱管89に接続されているが、伝熱管89に直接接続されていてもよい。
伝熱管89の中心軸AXに近い位置よりも径方向外側に離れた位置に配置するようにスキンケーシング91を構成することで、熱変形によってスキンケーシング91に生じる応力は低下する傾向にある。しかし、スキンケーシング91の曲線部914の形状等、伝熱管89の延在方向(Z方向)に沿った断面形状を大きく変更せずに、スキンケーシング91を伝熱管89の中心軸AXから径方向外側に離れた位置に配置すると、第1端部911と伝熱管89との間が径方向に開いて隙間が大きくなってしまう。
上記構成によれば、塞ぎ板92によって上記隙間を塞ぐことができるので、スキンケーシング91を伝熱管89の中心軸AXから径方向外側に離れた位置に配置でき、熱変形によってスキンケーシング91に生じる応力を低減できる。
上記構成によれば、塞ぎ板92によって上記隙間を塞ぐことができるので、スキンケーシング91を伝熱管89の中心軸AXから径方向外側に離れた位置に配置でき、熱変形によってスキンケーシング91に生じる応力を低減できる。
本実施形態のシール構造90では、第1端部911と第2端部912とは、上記延在方向(Z方向)に離間していてもよい。塞ぎ板92の内側の端部922は、塞ぎ板92の外側の端部921よりも上記延在方向(Z方向)に沿って第2端部912から離れていてもよい。すなわち、塞ぎ板92の内側の端部922は、塞ぎ板92の外側の端部921よりも上方に位置していてもよい。
これにより、塞ぎ板92の内側の端部922の位置と塞ぎ板92の外側の端部921の位置とが上記延在方向(Z方向)にずれることとなるので、塞ぎ板92が伝熱管89に対して傾斜することになる。これにより、塞ぎ板92と管側(伝熱管89側)の部材(例えばサポートプレート93)とが溶接で接続されていれば、スキンケーシング91の熱変形によってこの溶接部分(端部922における溶接部分)に発生する応力を低減できる。
これにより、塞ぎ板92の内側の端部922の位置と塞ぎ板92の外側の端部921の位置とが上記延在方向(Z方向)にずれることとなるので、塞ぎ板92が伝熱管89に対して傾斜することになる。これにより、塞ぎ板92と管側(伝熱管89側)の部材(例えばサポートプレート93)とが溶接で接続されていれば、スキンケーシング91の熱変形によってこの溶接部分(端部922における溶接部分)に発生する応力を低減できる。
本実施形態のシール構造90では、スキンケーシング91は、上記延在方向(Z方向)から見たときに管列PLの周囲を取り囲むように形成されている。
これにより、管列PLと燃焼ガス通路(燃焼ガス通路60)を画定する壁部(天井壁82)との間をシールすることができる。
これにより、管列PLと燃焼ガス通路(燃焼ガス通路60)を画定する壁部(天井壁82)との間をシールすることができる。
本実施形態のスキンケーシング91では、断面形状Sは、管列PLの列の端に配置された第1管891の第1中心軸AX1を中心とする周方向の少なくとも一部の領域において、第1端部911から第2端部912までの間で曲線部914を3か所以上含んでいるとよい。
発明者らが鋭意検討した結果、スキンケーシング91の熱変形によってスキンケーシング91に生じる応力は、管列PLの列の中央側の領域(中央領域CR)よりも列の端に配置された第1管891の近傍において比較的大きくなることが判明した。
上記構成によれば、スキンケーシング91に生じる応力が比較的大きくなる第1管891の近傍において上記断面形状Sが曲線部914を3か所以上含むようにしたので、第1管891の近傍においてスキンケーシング91に生じる応力を効果的に低減できる。
上記構成によれば、スキンケーシング91に生じる応力が比較的大きくなる第1管891の近傍において上記断面形状Sが曲線部914を3か所以上含むようにしたので、第1管891の近傍においてスキンケーシング91に生じる応力を効果的に低減できる。
本実施形態のシール構造90では、上記延在方向(Z方向)から見たときの複数の伝熱管89の中心軸AX同士を結ぶ線分LSと第2端部912との距離の内、第1中心軸AX1の位置における第1距離Ld1は、管列PLの列の中央領域CRに配置された第2管892の第2中心軸AX2の位置における第2距離Ld2よりも大きいとよい(図5参照)。
上述したように、スキンケーシング91の熱変形によってスキンケーシング91に生じる応力は、管列PLの列の中央側の領域(中央領域CR)よりも列の端に配置された第1管891の近傍において比較的大きくなる。
また、上述したように、伝熱管89の中心軸AXに近い位置よりも径方向外側に離れた位置に配置するようにスキンケーシング91を構成することで、熱変形によってスキンケーシング91に生じる応力は低下する傾向にある。
上記構成によれば、第2管892の近傍と比較して第1管891の近傍においてスキンケーシング91を伝熱管89の中心軸AXから径方向外側に離れた位置に配置できるので、スキンケーシング91に生じる応力が比較的大きくなる第1管891の近傍においてスキンケーシング91に生じる応力を効果的に低減できる。
また、上述したように、伝熱管89の中心軸AXに近い位置よりも径方向外側に離れた位置に配置するようにスキンケーシング91を構成することで、熱変形によってスキンケーシング91に生じる応力は低下する傾向にある。
上記構成によれば、第2管892の近傍と比較して第1管891の近傍においてスキンケーシング91を伝熱管89の中心軸AXから径方向外側に離れた位置に配置できるので、スキンケーシング91に生じる応力が比較的大きくなる第1管891の近傍においてスキンケーシング91に生じる応力を効果的に低減できる。
本実施形態のシール構造90では、上記断面形状Sに含まれる3か所以上の曲線部914の内の少なくとも1つの曲線部914の曲率半径Rは、スキンケーシングの板厚tの10倍以上であるとよい。
スキンケーシング91の板厚tに対する曲線部914の曲率半径Rを大きくするほど、スキンケーシング91の熱変形によって該曲線部914に発生する応力を低減できる。
上記構成によれば、該曲線部914に発生する応力を効果的に低減できる。
スキンケーシング91の板厚tに対する曲線部914の曲率半径Rを大きくするほど、スキンケーシング91の熱変形によって該曲線部914に発生する応力を低減できる。
上記構成によれば、該曲線部914に発生する応力を効果的に低減できる。
(シール構造の補修方法について)
以下、シール構造の補修方法について説明する。
例えば既存の石炭焚きボイラ10において、継続して使用するとスキンケーシング91に損傷が生じるおそれがある場合等には、既存のスキンケーシング91の少なくとも一部を除去して、上述した特徴を有するシール構造90の少なくとも一部に置き換えることができる。
以下、シール構造の補修方法について説明する。
例えば既存の石炭焚きボイラ10において、継続して使用するとスキンケーシング91に損傷が生じるおそれがある場合等には、既存のスキンケーシング91の少なくとも一部を除去して、上述した特徴を有するシール構造90の少なくとも一部に置き換えることができる。
本実施形態に係るシール構造の補修方法は、既存の石炭焚きボイラ10の燃焼ガス通路60の内部と外部とを貫通する少なくとも1つの管(例えば伝熱管89)と燃焼ガス通路60を画定する壁部(例えば天井壁82)との間をシールするためのスキンケーシング91を備えるシール構造90の補修方法である。
図8は、本実施形態のシール構造の補修方法における処理の手順を示すフローチャートである。
本実施形態に係るシール構造の補修方法は、既存スキンケーシングの少なくとも一部を除去するステップS10と、新規スキンケーシングを取り付けるステップS20とを備える。
図8は、本実施形態のシール構造の補修方法における処理の手順を示すフローチャートである。
本実施形態に係るシール構造の補修方法は、既存スキンケーシングの少なくとも一部を除去するステップS10と、新規スキンケーシングを取り付けるステップS20とを備える。
(既存スキンケーシングの少なくとも一部を除去するステップS10)
既存スキンケーシングの少なくとも一部を除去するステップS10は、補修対象の既存スキンケーシング91の少なくとも一部を既存の石炭焚きボイラ10から除去するステップである。
既存スキンケーシングの少なくとも一部を除去するステップS10では、石炭焚きボイラ10の補修を行う作業員は、既存スキンケーシング91の一部だけを除去してもよく、既存スキンケーシング91の前部を除去してもよい。既存スキンケーシングの少なくとも一部を除去するステップS10では、作業員は、併せて塞ぎ板92に該当する部位の少なくとも一部を除去してもよい。
既存スキンケーシングの少なくとも一部を除去するステップS10は、補修対象の既存スキンケーシング91の少なくとも一部を既存の石炭焚きボイラ10から除去するステップである。
既存スキンケーシングの少なくとも一部を除去するステップS10では、石炭焚きボイラ10の補修を行う作業員は、既存スキンケーシング91の一部だけを除去してもよく、既存スキンケーシング91の前部を除去してもよい。既存スキンケーシングの少なくとも一部を除去するステップS10では、作業員は、併せて塞ぎ板92に該当する部位の少なくとも一部を除去してもよい。
なお、既存スキンケーシングの少なくとも一部を除去するステップS10では、作業員は、既存スキンケーシング91における上記断面形状Sに含まれる曲線部914が2か所以下である場合、既存スキンケーシング91の全体を除去するとよい。
(新規スキンケーシングを取り付けるステップS20)
新規スキンケーシングを取り付けるステップS20は、既存スキンケーシング91の少なくとも一部が除去された既存の石炭焚きボイラ10に対し、管側の第1端部911と、壁部側の第2端部912とを有し、例えば伝熱管89の延在方向(Z方向)に沿った断面形状Sが第1端部911から第2端部912までの間で曲線形状を有する曲線部914を3か所以上含んでいる新規スキンケーシング91を取り付けるステップある。
新規スキンケーシングを取り付けるステップS20では、既存スキンケーシングの少なくとも一部を除去するステップS10において既存スキンケーシング91の少なくとも一部を除去することで形成された開口を塞ぐように、除去範囲に対応する領域を含んだ新規スキンケーシング91の少なくとも一部を既存の石炭焚きボイラ10に取り付ける。
新規スキンケーシングを取り付けるステップS20は、既存スキンケーシング91の少なくとも一部が除去された既存の石炭焚きボイラ10に対し、管側の第1端部911と、壁部側の第2端部912とを有し、例えば伝熱管89の延在方向(Z方向)に沿った断面形状Sが第1端部911から第2端部912までの間で曲線形状を有する曲線部914を3か所以上含んでいる新規スキンケーシング91を取り付けるステップある。
新規スキンケーシングを取り付けるステップS20では、既存スキンケーシングの少なくとも一部を除去するステップS10において既存スキンケーシング91の少なくとも一部を除去することで形成された開口を塞ぐように、除去範囲に対応する領域を含んだ新規スキンケーシング91の少なくとも一部を既存の石炭焚きボイラ10に取り付ける。
既存スキンケーシングにおける上記断面形状に含まれる曲線部が3か所以上である場合、新規スキンケーシングを取り付けるステップS20では、新規スキンケーシング91における上記断面形状Sに含まれる3か所以上の曲線部914の内の少なくとも1つの曲線部914の曲率半径Rは、既存スキンケーシング91における何れの曲線部914の曲率半径Rよりも大きいとよい。
これにより、曲線部914の曲率半径を大きくすることで該曲線部914に発生する応力を低減できるので、補修によって既存の石炭焚きボイラ10のシール構造90において熱変形の影響を受け難くすることができる。
これにより、曲線部914の曲率半径を大きくすることで該曲線部914に発生する応力を低減できるので、補修によって既存の石炭焚きボイラ10のシール構造90において熱変形の影響を受け難くすることができる。
既存スキンケーシングの少なくとも一部を除去するステップS10において既存スキンケーシング91の全体を除去した場合、新規スキンケーシングを取り付けるステップS20では、作業員は、既存スキンケーシング91の全体が除去された既存の石炭焚きボイラ10に対し、新規スキンケーシング91を取り付ける。
これにより、新規スキンケーシング91の上記断面形状Sが3か所以上の曲線部914を含むので、上記断面形状Sが2か所以下の曲線部を含む既存のスキンケーシング91と比べて新規スキンケーシング91の熱変形をより吸収できる。
よって、補修によって既存の石炭焚きボイラ10のシール構造90において熱変形の影響を受け難くすることができる。
これにより、新規スキンケーシング91の上記断面形状Sが3か所以上の曲線部914を含むので、上記断面形状Sが2か所以下の曲線部を含む既存のスキンケーシング91と比べて新規スキンケーシング91の熱変形をより吸収できる。
よって、補修によって既存の石炭焚きボイラ10のシール構造90において熱変形の影響を受け難くすることができる。
上述した本実施形態に係るシール構造の補修方法によれば、例えば伝熱管89の延在方向(Z方向)に沿った断面形状Sが第1端部911から第2端部912までの間で曲線形状を有する曲線部914を3か所以上含んでいる新規スキンケーシング91を取り付けることで、既存の石炭焚きボイラ10のシール構造90において熱変形の影響を受け難くすることができる。
本開示は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
例えば、上述した実施形態に係るボイラの燃料は、石炭(微粉)であったが、燃料は石炭に限定されず、例えばバイオマス、アンモニア等、その他の燃料であってもよい。すなわち本開示は、例えばバイオマス、アンモニア等、石炭以外の燃料を利用したボイラにも適用可能である。
例えば、上述した実施形態に係るボイラの燃料は、石炭(微粉)であったが、燃料は石炭に限定されず、例えばバイオマス、アンモニア等、その他の燃料であってもよい。すなわち本開示は、例えばバイオマス、アンモニア等、石炭以外の燃料を利用したボイラにも適用可能である。
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
(1)本開示の少なくとも一実施形態に係るボイラのシール構造90は、ボイラ(石炭焚きボイラ10)の燃焼ガス通路60の内部(内部空間IA)と外部(外部空間OA)とを貫通する少なくとも1つの管(伝熱管89)と燃焼ガス通路60を画定する壁部(天井壁82)との間をシールするためのスキンケーシング91を備えるボイラのシール構造90である。スキンケーシング91は、管側(伝熱管89側)の第1端部911と、壁部側(天井壁82側)の第2端部912とを有する。スキンケーシング91の上記管(伝熱管89)の延在方向(Z方向)に沿った断面形状Sは、延在方向(Z方向)から見たときの少なくとも一部の領域において、第1端部911から第2端部912までの間で曲線形状を有する曲線部914を3か所以上含んでいる。
(1)本開示の少なくとも一実施形態に係るボイラのシール構造90は、ボイラ(石炭焚きボイラ10)の燃焼ガス通路60の内部(内部空間IA)と外部(外部空間OA)とを貫通する少なくとも1つの管(伝熱管89)と燃焼ガス通路60を画定する壁部(天井壁82)との間をシールするためのスキンケーシング91を備えるボイラのシール構造90である。スキンケーシング91は、管側(伝熱管89側)の第1端部911と、壁部側(天井壁82側)の第2端部912とを有する。スキンケーシング91の上記管(伝熱管89)の延在方向(Z方向)に沿った断面形状Sは、延在方向(Z方向)から見たときの少なくとも一部の領域において、第1端部911から第2端部912までの間で曲線形状を有する曲線部914を3か所以上含んでいる。
上記(1)の構成によれば、スキンケーシング91の上記断面形状Sが3か所以上の曲線部914を含むので、上記断面形状Sが2か所以下の曲線部914を含む場合と比べてスキンケーシング91の熱変形をより吸収できる。これにより、ボイラのシール構造90において熱変形の影響を受け難くすることができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、延在方向(Z方向)から見たときの第1端部911に最も近い曲線部914(第1曲線部915)の曲率半径R(曲率半径R1)は、他の曲線部914の曲率半径Rより大きいとよい。
上記(2)の構成によれば、第1端部911に最も近い曲線部914(第1曲線部915)の曲率半径R(曲率半径R1)を他の曲線部914の曲率半径Rより大きくしたので、比較的大きな応力が生じるおそれがある第1端部911に最も近い曲線部914(第1曲線部915)における応力を効果的に低減できる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の構成において、延在方向(Z方向)から見たときに隣り合う2つの曲線部914の組(第1曲線部915と第2曲線部916との組、第2曲線部916と第3曲線部917との組)の内、少なくとも1つの組は、延在方向(Z方向)から見たときに直線的に延在する直線部918を介さずに隣り合う2つの曲線部914同士が直接接続されているとよい。
上記(3)の構成によれば、隣り合う2つの曲線部914同士が上記直線部918を介して接続されている場合と比べて、スキンケーシング91の大きさが大きくなることを抑制しつつ曲線部914の曲率半径Rを大きくすることができるので、曲線部914における応力を低減し易くなる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れかの構成において、第1端部911と上記管(伝熱管89)との間に設けられていて、上記管(伝熱管89)の中心軸AXを中心とする径方向の外側の端部921が第1端部911と接続され、径方向の内側の端部922が上記管(伝熱管89)と直接又は間接的に接続されていて、上記中心軸AXを中心とする周方向に上記管(伝熱管89)を取り囲むように周方向の少なくとも一部の領域に配置される塞ぎ板92、を備えるとよい。
上記(4)の構成によれば、塞ぎ板92によって第1端部911と上記管(伝熱管89)との間の隙間を塞ぐことができるので、スキンケーシング91を上記管(伝熱管89)の中心軸AXから径方向外側に離れた位置に配置でき、熱変形によってスキンケーシング91に生じる応力を低減できる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(4)の構成において、第1端部911と第2端部912とは、上記延在方向(Z方向)に離間していてもよい。塞ぎ板92の内側の端部922は、塞ぎ板92の外側の端部921よりも上記延在方向(Z方向)に沿って第2端部912から離れていてもよい。
上記(5)の構成によれば、塞ぎ板92の内側の端部922の位置と塞ぎ板92の外側の端部921の位置とが上記延在方向(Z方向)にずれることとなるので、塞ぎ板92が上記管(伝熱管89)に対して傾斜することになる。これにより、塞ぎ板92と管側(伝熱管89側)の部材(例えばサポートプレート93)とが溶接で接続されていれば、スキンケーシング91の熱変形によってこの溶接部分に発生する応力を低減できる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(5)の何れかの構成において、少なくとも1つの管(伝熱管89)は、複数の管(伝熱管89)を含んでいてもよい。上記複数の管(伝熱管89)は、上記延在方向(Z方向)と交差する方向(X方向)に間隔を空けて配置された管列PLを構成しているとよい。スキンケーシング91は、上記延在方向(Z方向)から見たときに管列PLの周囲を取り囲むように形成されているとよい。
上記(6)の構成によれば、管列PLと燃焼ガス通路60を画定する壁部(天井壁82)との間をシールすることができる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(6)の構成において、上記断面形状Sは、管列PLの列の端に配置された第1管891の第1中心軸AX1を中心とする周方向の少なくとも一部の領域において、第1端部911から第2端部912までの間で曲線部914を3か所以上含んでいるとよい。
上記(7)の構成によれば、スキンケーシング91に生じる応力が比較的大きくなる第1管891の近傍において上記断面形状Sが曲線部914を3か所以上含むようにしたので、第1管891の近傍においてスキンケーシング91に生じる応力を効果的に低減できる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(7)の構成において、上記延在方向(Z方向)から見たときの複数の管(伝熱管89)の中心軸AX同士を結ぶ線分LSと第2端部912との距離の内、第1中心軸AX1の位置における第1距離Ld1は、管列PLの列の中央領域CRに配置された第2管892の第2中心軸AX2の位置における第2距離Ld2よりも大きいとよい。
上記(8)の構成によれば、第2管892の近傍と比較して第1管891の近傍においてスキンケーシング91を上記管(伝熱管89)の中心軸AXから径方向外側に離れた位置に配置できるので、スキンケーシング91に生じる応力が比較的大きくなる第1管891の近傍においてスキンケーシング91に生じる応力を効果的に低減できる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(8)の何れかの構成において、上記断面形状Sに含まれる3か所以上の曲線部914の内の少なくとも1つの曲線部914の曲率半径Rは、スキンケーシング91の板厚tの10倍以上であるとよい。
上記(9)の構成によれば、曲線部914に発生する応力を効果的に低減できる。
(10)本開示の少なくとも一実施形態に係るボイラのシール構造の補修方法は、ボイラ(石炭焚きボイラ10)の燃焼ガス通路60の内部(内部空間IA)と外部(外部空間OA)とを貫通する少なくとも1つの管(伝熱管89)と燃焼ガス通路60を画定する壁部(天井壁82)との間をシールするためのスキンケーシング91を備えるボイラ(石炭焚きボイラ10)のシール構造90の補修方法である。本開示の少なくとも一実施形態に係るボイラのシール構造の補修方法は、補修対象の既存スキンケーシング91の少なくとも一部をボイラ(石炭焚きボイラ10)から除去するステップS10と、既存スキンケーシング91の少なくとも一部が除去されたボイラ(石炭焚きボイラ10)に対し、管側(伝熱管89側)の第1端部911と、壁部側(天井壁82側)の第2端部912とを有し、上記管(伝熱管89)の延在方向(Z方向)に沿った断面形状Sが第1端部911から第2端部912までの間で曲線形状を有する曲線部914を3か所以上含んでいる新規スキンケーシング91を取り付けるステップS20と、を備える。
上記(10)の方法によれば、上記管(伝熱管89)の延在方向(Z方向)に沿った断面形状Sが第1端部911から第2端部912までの間で曲線形状を有する曲線部914を3か所以上含んでいる新規スキンケーシング91を取り付けることで、ボイラ(石炭焚きボイラ10)のシール構造90において熱変形の影響を受け難くすることができる。
(11)幾つかの実施形態では、上記(10)の方法において、新規スキンケーシングを取り付けるステップS20では、既存スキンケーシング91における上記断面形状Sに含まれる曲線部914が3か所以上である場合、新規スキンケーシング91における上記断面形状Sに含まれる3か所以上の曲線部914の内の少なくとも1つの曲線部914の曲率半径Rは、既存スキンケーシング91における何れの曲線部914の曲率半径よりも大きいとよい。
上記(11)の方法によれば、曲線部914の曲率半径Rを大きくすることで該曲線部914に発生する応力を低減できる。これにより、補修によってボイラ(石炭焚きボイラ10)のシール構造90において熱変形の影響を受け難くすることができる。
(12)幾つかの実施形態では、上記(10)の方法において、除去するステップS10では、既存スキンケーシング91における上記断面形状Sに含まれる曲線部914が2か所以下である場合、既存スキンケーシング91の全体を除去するとよい。新規スキンケーシングを取り付けるステップS20では、既存スキンケーシング91の全体が除去されたボイラ(石炭焚きボイラ10)に対し、新規スキンケーシング91を取り付けるとよい。
上述したように、新規スキンケーシング91の上記断面形状Sが3か所以上の曲線部914を含むので、上記断面形状Sが2か所以下の曲線部914を含む既存スキンケーシング91と比べて新規スキンケーシング91の熱変形をより吸収できる。
上記(12)の方法によれば、補修によってボイラ(石炭焚きボイラ10)のシール構造90において熱変形の影響を受け難くすることができる。
上記(12)の方法によれば、補修によってボイラ(石炭焚きボイラ10)のシール構造90において熱変形の影響を受け難くすることができる。
10 石炭焚きボイラ
11 火炉
12 燃焼装置
13 煙道(燃焼ガス流路)
41,42,43 過熱器
44,45 再熱器
60 燃焼ガス通路
82 天井壁
89 伝熱管
89a 第1鉛直管部
89b 水平管部
89c 第2鉛直管部
90 シール構造
91 スキンケーシング
92 塞ぎ板
93 サポートプレート
94 取付板
891 第1管
892 第2管
911 上端(第1端部)
912 下端(第2端部)
914 曲線部
915 第1曲線部
916 第2曲線部
917 第3曲線部
918 直線部
921 端部
922 端部
11 火炉
12 燃焼装置
13 煙道(燃焼ガス流路)
41,42,43 過熱器
44,45 再熱器
60 燃焼ガス通路
82 天井壁
89 伝熱管
89a 第1鉛直管部
89b 水平管部
89c 第2鉛直管部
90 シール構造
91 スキンケーシング
92 塞ぎ板
93 サポートプレート
94 取付板
891 第1管
892 第2管
911 上端(第1端部)
912 下端(第2端部)
914 曲線部
915 第1曲線部
916 第2曲線部
917 第3曲線部
918 直線部
921 端部
922 端部
Claims (12)
- ボイラの燃焼ガス通路の内部と外部とを貫通する少なくとも1つの管と前記燃焼ガス通路を画定する壁部との間をシールするためのスキンケーシングを備えるボイラのシール構造であって、
前記スキンケーシングは、管側の第1端部と、壁部側の第2端部とを有し、
前記スキンケーシングの前記管の延在方向に沿った断面形状は、前記延在方向から見たときの少なくとも一部の領域において、前記第1端部から前記第2端部までの間で曲線形状を有する曲線部を3か所以上含んでいる、
ボイラのシール構造。 - 前記延在方向から見たときの前記第1端部に最も近い曲線部の曲率半径は、他の曲線部の前記曲率半径より大きい、
請求項1に記載のボイラのシール構造。 - 前記延在方向から見たときに隣り合う2つの前記曲線部の組の内、少なくとも1つの組は、前記延在方向から見たときに直線的に延在する直線部を介さずに隣り合う2つの前記曲線部同士が直接接続されている、
請求項1又は2に記載のボイラのシール構造。 - 前記第1端部と前記管との間に設けられていて、前記管の中心軸を中心とする径方向の外側の端部が前記第1端部と接続され、前記径方向の内側の端部が前記管と直接又は間接的に接続されていて、前記中心軸を中心とする周方向に前記管を取り囲むように前記周方向の少なくとも一部の領域に配置される塞ぎ板、
を備える、
請求項1又は2に記載のボイラのシール構造。 - 前記第1端部と前記第2端部とは、前記延在方向に離間しており、
前記塞ぎ板の前記内側の端部は、前記塞ぎ板の前記外側の端部よりも前記延在方向に沿って前記第2端部から離れている、
請求項4に記載のボイラのシール構造。 - 前記少なくとも1つの管は、複数の管を含み、
前記複数の管は、前記延在方向と交差する方向に間隔を空けて配置された管列を構成し、
前記スキンケーシングは、前記延在方向から見たときに前記管列の周囲を取り囲むように形成されている、
請求項1又は2に記載のボイラのシール構造。 - 前記断面形状は、前記管列の列の端に配置された第1管の第1中心軸を中心とする周方向の少なくとも一部の領域において、前記第1端部から前記第2端部までの間で前記曲線部を3か所以上含んでいる、
請求項6に記載のボイラのシール構造。 - 前記延在方向から見たときの複数の管の中心軸同士を結ぶ線分と前記第2端部との距離の内、前記第1中心軸の位置における第1距離は、前記管列の列の中央領域に配置された第2管の第2中心軸の位置における第2距離よりも大きい、
請求項7に記載のボイラのシール構造。 - 前記断面形状に含まれる3か所以上の前記曲線部の内の少なくとも1つの前記曲線部の曲率半径は、前記スキンケーシングの板厚の10倍以上である、
請求項1又は2に記載のボイラのシール構造。 - ボイラの燃焼ガス通路の内部と外部とを貫通する少なくとも1つの管と前記燃焼ガス通路を画定する壁部との間をシールするためのスキンケーシングを備えるボイラのシール構造の補修方法であって、
補修対象の既存スキンケーシングの少なくとも一部を前記ボイラから除去するステップと、
前記既存スキンケーシングの少なくとも一部が除去された前記ボイラに対し、管側の第1端部と、壁部側の第2端部とを有し、前記管の延在方向に沿った断面形状が前記第1端部から前記第2端部までの間で曲線形状を有する曲線部を3か所以上含んでいる新規スキンケーシングを取り付けるステップと、
を備える、
ボイラのシール構造の補修方法。 - 前記新規スキンケーシングを取り付けるステップでは、前記既存スキンケーシングにおける前記断面形状に含まれる前記曲線部が3か所以上である場合、前記新規スキンケーシングにおける前記断面形状に含まれる3か所以上の前記曲線部の内の少なくとも1つの前記曲線部の曲率半径は、前記既存スキンケーシングにおける何れの前記曲線部の曲率半径よりも大きい、
請求項10に記載のボイラのシール構造の補修方法。 - 前記除去するステップでは、前記既存スキンケーシングにおける前記断面形状に含まれる前記曲線部が2か所以下である場合、前記既存スキンケーシングの全体を除去し、
前記新規スキンケーシングを取り付けるステップでは、前記既存スキンケーシングの全体が除去された前記ボイラに対し、前記新規スキンケーシングを取り付ける、
請求項10に記載のボイラのシール構造の補修方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2023118741A JP2025015873A (ja) | 2023-07-21 | 2023-07-21 | ボイラのシール構造及びボイラのシール構造の補修方法 |
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JP2023118741A Pending JP2025015873A (ja) | 2023-07-21 | 2023-07-21 | ボイラのシール構造及びボイラのシール構造の補修方法 |
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