JP2024533031A - ポリシロキサン組成物 - Google Patents
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Abstract
本発明は、熱伝導率の高い軽量シリコーン組成物に関する。これは、ビニルシリコーン油、0.1μm以上4μm以下の平均粒径を有する(C-1)水酸化アルミニウム、4μm以上20μm以下の平均粒径を有する(C-2)水酸化アルミニウム、80μm以上100μm以下の平均粒径を有する(C-3)水酸化アルミニウムを含む。この組成物は、熱伝導性材料の技術分野において使用することができる。
Description
本発明は、熱伝導性シリコーン組成物の技術分野に関する。
CN104718254bの実施例1は、様々な熱伝導性充填剤(熱伝導性充填剤の充填率は0.75である)を含有するポリウレタン系を開示している。この組成物は、125μm、40μm、2μm及び2.7μmの平均粒径を有する水酸化アルミニウムを含有し、超大粒径125μmの水酸化アルミニウムの量は約50重量%であり、熱伝導性充填剤の総重量は100重量%とケイ酸される。
CN112778768aの実施例5は、熱伝導性充填剤を含有するシリコーンゲル系を開示しており、これは、ビニルシリコーン油、水素含有シリコーン油、触媒、阻害剤、カップリング剤オクチルトリメトキシシラン及び異なる粒径の水酸化アルミニウムを含有する。この組成物において、平均粒径の異なる水酸化アルミニウムの用量比は、1μm:10μm:60μm=1.5:2.5:6である。
JP5304588B2の実施例4には、ビニルシリコーン油、水素含有シリコーン油、アルコキシ変性シリコーン油及び粒径の異なる水酸化アルミニウムを含有する熱伝導性シリコーン組成物が開示されている。粒径の異なる水酸化アルミニウムの量比は、1μm:10μm:50μm=2:4:4である。
本発明の目的は、高充填率で、軽量で低粘度の高熱伝導性組成物を得ることである。
本発明は、
オルガノポリシロキサンである成分(A)、好ましくは1分子当たり2つ以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンである成分(A-1)と、
ケイ素原子に直接結合した2つ以上の水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンである任意選択的な成分(B)であって、成分(B)中のケイ素原子に直接結合した水素原子のモル数が成分(A-1)に由来するアルケニル基のモル数の0.1~5.0倍となる量で含有される成分(B)と、
熱伝導性充填剤である成分(C)であって、
0.1μm以上4μm以下の平均粒径を有する10~25重量%の(C-1)水酸化アルミニウムであって、
例えば、0.8、1.0、1.2、1.4、1.6、1.8、2.0、2.2、2.4、2.6、2.8μmの平均粒径を有し、含有率が14重量%、16重量%、18重量%、20重量%、22重量%、24重量%の(C-1)、
4μm以上20μm以下の平均粒径を有する18~37重量%の(C-2)水酸化アルミニウムであって、
例えば、6、8、10、12、14、16、18μmの平均粒径を有し、含有率が20重量%、22重量%、24重量%、26重量%、28重量%、30重量%、32重量%、34重量%、36重量%の(C-2)、
80μm以上100μm以下の平均粒径を有する48~65重量%の(C-3)水酸化アルミニウムであって、
例えば、82、84、86、88、90、92、94、96、98μmの平均粒径を有し、含有率が50重量%、52重量%、54重量%、56重量%、58重量%、60重量%、62重量%、64重量%の(C-3)を含み、
(C-1)、(C-2)及び(C-3)において、組成物中の成分(C)は100重量%と計算される成分(C)と、
成分(A-1)に対して質量基準で0.1~1,000ppmの白金族金属元素含有率を有する白金族金属系硬化触媒である任意選択的な成分(D)と、を含み、
熱伝導性充填剤の充填率が、0.88以上、好ましくは0.89以上、好ましくは0.90以上である、組成物を提供する。
オルガノポリシロキサンである成分(A)、好ましくは1分子当たり2つ以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンである成分(A-1)と、
ケイ素原子に直接結合した2つ以上の水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンである任意選択的な成分(B)であって、成分(B)中のケイ素原子に直接結合した水素原子のモル数が成分(A-1)に由来するアルケニル基のモル数の0.1~5.0倍となる量で含有される成分(B)と、
熱伝導性充填剤である成分(C)であって、
0.1μm以上4μm以下の平均粒径を有する10~25重量%の(C-1)水酸化アルミニウムであって、
例えば、0.8、1.0、1.2、1.4、1.6、1.8、2.0、2.2、2.4、2.6、2.8μmの平均粒径を有し、含有率が14重量%、16重量%、18重量%、20重量%、22重量%、24重量%の(C-1)、
4μm以上20μm以下の平均粒径を有する18~37重量%の(C-2)水酸化アルミニウムであって、
例えば、6、8、10、12、14、16、18μmの平均粒径を有し、含有率が20重量%、22重量%、24重量%、26重量%、28重量%、30重量%、32重量%、34重量%、36重量%の(C-2)、
80μm以上100μm以下の平均粒径を有する48~65重量%の(C-3)水酸化アルミニウムであって、
例えば、82、84、86、88、90、92、94、96、98μmの平均粒径を有し、含有率が50重量%、52重量%、54重量%、56重量%、58重量%、60重量%、62重量%、64重量%の(C-3)を含み、
(C-1)、(C-2)及び(C-3)において、組成物中の成分(C)は100重量%と計算される成分(C)と、
成分(A-1)に対して質量基準で0.1~1,000ppmの白金族金属元素含有率を有する白金族金属系硬化触媒である任意選択的な成分(D)と、を含み、
熱伝導性充填剤の充填率が、0.88以上、好ましくは0.89以上、好ましくは0.90以上である、組成物を提供する。
本発明において、充填率=全熱伝導性充填剤量/組成物の全重量である。一般的には、0.88以上の充填率は高充填率とみなされる。
上記の組成物において、全水酸化アルミニウムの総量は、95重量%よりも多く、好ましくは99重量%よりも多く、より好ましくは99.9重量%よりも多く、100重量%である熱伝導性充填剤の総量に基づいて計算される。
上記の組成物において、全水酸化アルミニウムの総量は、95重量%よりも多く、好ましくは99重量%よりも多く、より好ましくは99.9重量%よりも多く、充填剤の総量を100重量%として計算される。
上記の組成物において、組成物の密度は、2.4g/cm3以下、好ましくは2.2g/cm3以下、より好ましくは2.1g/cm3以下である。
上記の組成物において、組成物の熱伝導率は、3.1W/mK以上、好ましくは3.2W/mK以上、より好ましくは3.3W/mK以上である。
上記の組成物において、(C-1)、(C-2)及び(C-3)水酸化アルミニウムは全て非晶質形態である。
上記の組成物において、球状充填剤の量は、組成物の重量を100重量%として計算して、10重量%未満、好ましくは1重量%未満である。
上記の組成物において、球状アルミナの量は、組成物の重量を100重量%として、10重量%未満、好ましくは1重量%未満である。
上記の組成物においては、(C-1)、(C-2)及び(C-3)水酸化アルミニウムにおいて、Al(OH)3の含有率は99.1%以上、好ましくは99.5%以上である。
上記の組成物においては、(C-1)、(C-2)及び(C-3)水酸化アルミニウムにおいて、Na2Oの含有率は0.1%以下、好ましくは水溶性Na2Oと格子状態Na2Oの総含有率が0.1%以下である。
上記の組成物において、(C-1)、(C-2)及び(C-3)水酸化アルミニウムの少なくとも1つは、表面処理され、好ましくは成分(E-1)によって処理される。
上記の組成物において、(C-1)水酸化アルミニウムは成分(E-1)で表面処理される。
上記の組成物において、(C)成分は、
0.5μm以上3μm以下の平均粒径を有する10~20重量%の(C-1)水酸化アルミニウム、
7μm以上15μm以上の平均粒径を有する20~35重量%の(C-2)水酸化アルミニウム、
85μm以上95μm以上の平均粒径を有する50~60重量%の(C-3)水酸化アルミニウムを含有し、
(C-1)、(C-2)及び(C-3)において、組成物中の成分(C)は100重量%として計算される。
0.5μm以上3μm以下の平均粒径を有する10~20重量%の(C-1)水酸化アルミニウム、
7μm以上15μm以上の平均粒径を有する20~35重量%の(C-2)水酸化アルミニウム、
85μm以上95μm以上の平均粒径を有する50~60重量%の(C-3)水酸化アルミニウムを含有し、
(C-1)、(C-2)及び(C-3)において、組成物中の成分(C)は100重量%として計算される。
上記の組成物において、表面処理されていない水酸化アルミニウムに対する表面処理された水酸化アルミニウムの重量比は、0.3未満、好ましくは0.2未満、より好ましくは0.15未満である。
上記の組成物において、(C-1)/(C-3)の重量比は、0.2~0.4の間、好ましくは0.22~0.38の間、例えば、0.25、0.27、0.29、0.31、0.33、0.35である。
上記の組成物において、(C-2)/(C-3)の重量比は、0.2~0.8の間、好ましくは0.25~0.75の間、例えば、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7である。
上記の組成物において、(C-1)/(C-2)の平均粒径の比は、8~12の間、好ましくは9~11の間、より好ましくは9.5~10.5の間、例えば、9.6、9.8、10.0、10.2、10.4である。
上記の組成物において、(C-1)/(C-3)の平均粒径の比は、70~120の間、好ましくは75~100の間、より好ましくは80~99の間、例えば、82、84、86、88、90、92、94、96、98である。
上記の組成物において、(C-2)/(C-3)の平均粒径の比は、7.0~12.0の間、好ましくは7.5~10の間、より好ましくは8.0~9.9の間、例えば、8.2、8.4、8.6、8.8、9.0、9.2、9.4、9.6、9.8である。
平均粒径の規定は、ベックマン-コールター社製粒度分析装置LS 13 320により体積基準で測定される累積平均粒径(D50中央径)の値を指す。
(C-1)水酸化アルミニウム試料は溶液法により調製される。0.1gの(C-1)試料を10mlの無水エタノールに入れ、超音波(100w)により分散させ、2分間撹拌して、水酸化アルミニウムを完全に分散させる。2~3滴の試料溶液を取り出し、それらを粒度分析装置の試料セルに入れる。
(C-2)及び(C-3)水酸化アルミニウム試料(又は7μm以上の平均粒径を有する他の熱伝導性充填剤)を乾燥粉末法によって調製し、室温で乾燥させた適量の試料を粒度分析装置の充填シリンダーに入れる。充填シリンダーを装置の検出スロットに挿入する。
本発明において、(C-1)、(C-2)及び(C-3)水酸化アルミニウムの粒径分布は単峰性であるか、又はそれらの粒径は単峰性又はほぼ単峰性の粒径分布を満たす。
本発明におけるほぼ単峰性の粒度分布とは、測定試料の体積積分マップにおいて2つ以上のピークが存在し得るが、主ピークの体積積分面積が全体の体積積分面積の80%よりも多く、好ましくは85%よりも多く、より好ましくは90%よりも多く、より好ましくは95%よりも多くを占めることを意味する。
その外形が一般に球状である球状充填剤は、化学的及び/又は物理的(熱処理を含む)プロセスによって処理された非晶質充填剤から得られる充填剤材料である。
球状アルミナは、非晶質アルミナの熱処理後に得られる生成物であり、外形は一般に球状である。
好ましくは、熱伝導性シリコーン組成物は、成分(A)100質量部に対して、成分(E)を1~100質量部、好ましくは1~50質量部含有し、成分(E)は、(E-1)から選択されるいずれか1つ又は複数であり、
E-1)は下記式(1)で表されるアルコキシシラン化合物である。
R1 aR2 bSi(OR3)4-a-b (1)
[式中、各R1は、独立して、1~24個の炭素原子、好ましくは6~24個の炭素原子、より好ましくは12~18個の炭素原子を有するアルキル基を表し、各R2は、独立して、1~10個の炭素原子を有する非置換又は置換炭化水素基、好ましくはメチル、エチルを表し、各R3は独立して1~6個の炭素原子を有するアルキル基、好ましくはメチル、エチルを表し、
aは1~3の整数を表し、bは0~2の整数を表し、ただし、a+bは1~3の整数である。]
E-1)は下記式(1)で表されるアルコキシシラン化合物である。
R1 aR2 bSi(OR3)4-a-b (1)
[式中、各R1は、独立して、1~24個の炭素原子、好ましくは6~24個の炭素原子、より好ましくは12~18個の炭素原子を有するアルキル基を表し、各R2は、独立して、1~10個の炭素原子を有する非置換又は置換炭化水素基、好ましくはメチル、エチルを表し、各R3は独立して1~6個の炭素原子を有するアルキル基、好ましくはメチル、エチルを表し、
aは1~3の整数を表し、bは0~2の整数を表し、ただし、a+bは1~3の整数である。]
本発明において、(C)成分の(E-1)成分に対する重量比が、100~800の間、好ましくは200~500の間、より好ましくは200~400の間である。
さらに、熱伝導性シリコーン組成物は、25℃における絶対粘度が、好ましくは、250000mPa・s以下、好ましくは200000mPa・s以下、より好ましくは170000mPa・s以下である。
このような熱伝導性シリコーン組成物は、成形性に優れる。
さらに、本発明は、前記熱伝導性シリコーン組成物の硬化生成物を含む熱伝導性シリコーン硬化生成物を提供する。
このような熱伝導性シリコーン硬化生成物は、熱伝導性及び軽量性の両方において優れている。
上で記載したように、本発明の熱伝導性シリコーン組成物によれば、特定のオルガノポリシロキサン、ハイドロジェンポリシロキサン及び熱伝導性充填剤を含むシリコーン組成物を精巧に調整して配合することにより、基材に熱伝導性充填剤が高密度に充填される。これにより、熱伝導性が高く軽量な、すなわち、熱伝導率は3.1W/m・K以上であり、密度は2.4g/cm3以下である熱伝導性シリコーン硬化生成物をもたらす熱伝導性シリコーン組成物を提供することができる。このような熱伝導性シリコーン硬化生成物は、発熱電子部品の熱面とヒートシンク又は回路基板等の放熱部材との界面に介在する熱伝導性材料として有用であり、特に熱伝導による電子部品の冷却に有用である。
上記のように、熱伝導性が高く軽量な熱伝導性シリコーン硬化生成物(熱伝導性樹脂成形品)及び該硬化生成物を形成するための熱伝導性シリコーン組成物の開発が求められていた。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、特定のオルガノポリシロキサン、ハイドロジェンポリシロキサン及び熱伝導性充填剤を含有するシリコーン組成物を精巧に調整して配合し、基材に熱伝導性充填剤を高密度に充填することにより、熱伝導率が3.1W/m・K以上、密度が2.4g/cm3以下のような、熱伝導性が高く軽量な熱伝導性シリコーン硬化生成物を得ることができることを見出した。この知見により、本発明を完成するに至った。
具体的には、熱伝導性シリコーン組成物は以下を含むことを特徴とする。
成分(A):オルガノポリシロキサン、好ましくは成分(A-1):アルケニル基含有オルガノポリシロキサン
成分(A)は、オルガノポリシロキサンである。成分(A)は、本発明の組成物の主成分である。一般に、主鎖部分は通常塩基性ジオルガノシロキサン繰り返し単位から構成されるが、この分子構造は部分的に分岐構造を含んでいてもよいし、環状構造であってもよい。しかしながら硬化生成物の機械的強度等の物理的特性の観点から、主鎖は線状ジオルガノポリシロキサンであることが好ましい。
成分(A-1)は、ケイ素原子に結合したアルケニル基の数が1分子当たり少なくとも2つであるアルケニル基含有オルガノポリシロキサンである。成分(A-1)は、本発明の組成物の主成分として機能する。一般に、主鎖部分は通常、塩基性ジオルガノシロキサン繰り返し単位から構成されるが、この分子構造は部分的に分岐構造を含んでいてもよいし、環状構造であってもよい。しかしながら硬化生成物の機械的強度等の物理的特性の観点から、主鎖は線状ジオルガノポリシロキサンであることが好ましい。
ケイ素原子に結合する官能基としては、非置換又は置換の一価の炭化水素基が挙げられる。例えば、アルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基及びドデシル基、シクロアルキル基、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基及びシクロヘプチル基、アリール基、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基及びビフェニリル基、アラルキル基、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基及びメチルベンジル基、並びにこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をシアノ基、フッ素、塩素及び臭素のハロゲン原子等で置換した基が挙げられる。このような置換された基の例には、クロロメチル基、2-ブロモエチル基、3-クロロプロピル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基、シアノエチル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロヘキシル基等が挙げられる。官能基の典型例としては1~10個の炭素原子を有するもの、特に典型例としては1~6個の炭素原子を有するものが挙げられる。好ましい官能基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、クロロメチル基、ブロモエチル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等の非置換又は置換の1~3個の炭素原子を有するアルキル基、並びにフェニル基、クロロフェニル基及びフルオロフェニル基等の非置換又は置換フェニル基が挙げられる。さらに、ケイ素原子に結合する官能基は全て同じである必要はない。
さらに、アルケニル基は、通常、約2~8個の炭素原子を有する。例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。これらの中でも、ビニル基及びアリル基等の低級アルケニル基が好ましく、ビニル基が特に好ましい。なお、アルケニル基の数は1分子中に2個以上必要であり、得られる硬化生成物の柔軟性を良好なものとするためには、分子鎖末端のケイ素原子のみにアルケニル基の各々が結合していることが好ましい。
成分(A)オルガノポリシロキサンは、25℃において、好ましくは10~100,000mPa・s、特に好ましくは50~50,000mPa・s、より好ましくは50~20,000mPa・s、より好ましくは50~2,000mPa・sの範囲の粘度を有する。成分(A)オルガノポリシロキサンは、好ましくはポリジメチルシロキサンである。
成分(A-1):アルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、25℃において、好ましくは10~100,000mPa・s、特に好ましくは50~10,000mPa・s、より好ましくは50~1,000mPa・s、より好ましくは50~200mPa・sの範囲の粘度を有する。粘度が10mPa・s以上であると、得られる組成物の保存安定性が良好となる。一方、粘度が100,000mPa・s以下であると、得られる組成物の延伸性が良好である。成分(A-1)アルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、好ましくはビニル末端ポリジメチルシロキサンである。
成分(A)のオルガノポリシロキサンは、1種を単独で用いてもよく、粘度等の異なる2種以上を併用してもよい。
成分(A-1)のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、1種を単独で用いてもよく、粘度等の異なる2種以上を併用してもよい。
任意成分(B):オルガノハイドロジェンポリシロキサン
成分(B)は、ケイ素原子に直接結合した水素原子(Si-H基)を1分子中に少なくとも2個、好ましくは2~100個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンである。この成分は、成分(A-1)の架橋剤として作用する。具体的には、成分(B)のSi-H基が、後述する成分(D)としての白金族金属系硬化触媒により促進されるヒドロシリル化反応により、成分(A-1)のアルケニル基に付加され、架橋構造を有する三次元網目構造が形成される。なお、成分(B)の1分子当たりのSi-H基の数が2個未満では硬化しない。
成分(B)は、ケイ素原子に直接結合した水素原子(Si-H基)を1分子中に少なくとも2個、好ましくは2~100個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンである。この成分は、成分(A-1)の架橋剤として作用する。具体的には、成分(B)のSi-H基が、後述する成分(D)としての白金族金属系硬化触媒により促進されるヒドロシリル化反応により、成分(A-1)のアルケニル基に付加され、架橋構造を有する三次元網目構造が形成される。なお、成分(B)の1分子当たりのSi-H基の数が2個未満では硬化しない。
使用するオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、下記平均構造式(4)で示すことができるが、これらに限定されるものではない。
式中、各R’は独立して水素原子又は脂肪族不飽和結合を含まない非置換若しくは置換の一価の炭化水素基を表し、少なくとも2つのR’は水素原子であり、eは1以上の整数を表す。
式(4)中の水素以外のR’としての脂肪族不飽和結合を含有しない非置換又は置換の一価の炭化水素基としては、アルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基及びドデシル基、シクロアルキル基、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基及びシクロヘプチル基、アリール基、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基及びビフェニリル基、アラルキル基、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基及びメチルベンジル基、並びにこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をシアノ基、フッ素、塩素及び臭素のハロゲン原子等で置換した基が挙げられる。このような置換された基の例には、クロロメチル基、2-ブロモエチル基、3-クロロプロピル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基、シアノエチル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロヘキシル基等が含まれる。一価の炭化水素基の典型例としては、1~10個の炭素原子を有するものが挙げられ、特に典型例としては1~6個の炭素原子を有するものが挙げられる。好ましい一価の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、クロロメチル基、ブロモエチル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基及びシアノエチル基等の1~3個の炭素原子を有する非置換又は置換のアルキル基、並びにフェニル基、クロロフェニル基及びフルオロフェニル基等の非置換又は置換フェニル基が挙げられる。さらに、全てのRは同じである必要はない。
成分(B)の添加量は、成分(A-1)由来のアルケニル基1モルに対して、成分(B)由来のSi-H基の量が0.1~5.0モル(ケイ素原子に直接結合する水素原子のモル数が成分(A-1)由来のアルケニル基のモル数の0.1~5.0倍)、好ましくは0.3~2.0モル、さらに好ましくは0.5~1.0モルとなるようなものである。成分(B)由来のSi-H基の量が、成分(A-1)由来のアルケニル基1モルに対して0.1モル未満であると、硬化が起こらないか、硬化生成物の強度が不足して成形品が形状を保つことができず、取り扱いができない場合がある。一方、前記量が5.0モルを超えると、硬化生成物が柔軟でなく脆くなることがある。
成分(B)のオルガノポリシロキサンは、1種を単独で用いてもよく、粘度等の異なる2種以上を併用してもよい。
上記の組成物において、成分(B)は、(B-1)及び(B-2)を含むことができる。
成分(B-1)有機水素含有ポリシロキサンは、1分子中にケイ素原子に直接結合した少なくとも3個、好ましくは3~100個の水素原子(Si-H基)を有する有機水素含有ポリシロキサンであって、水素含有量は、0.5~4mmol/g、好ましくは0.8~3mmol/g、より好ましくは1.1~2.7mmol/g、より好ましくは1.5~2.3mmol/gのある。
成分(B-2)である成分の有機水素含有ポリシロキサンは、1分子中にケイ素原子に直接結合した2個の水素原子(Si-H基)を有する有機水素含有ポリシロキサンであって、水素含有量は、0.01~1.5mmol/g、好ましくは0.1~1.2mmol/g、より好ましくは0.3~1.0mmol/g、より好ましくは0.4~0.8mmol/gである。
上記の組成物において、成分(B)は(B-1)及び(B-2)を含有し、成分(B-1)の量は、100重量%として計算された成分(A-1)に基づいて、0.5~3重量%、好ましくは1.5~2.5重量%である。
上記の組成物において、成分(B)は、(B-1)及び(B-2)を含有し、成分(B-2)の量は、100重量%として計算された成分(A-1)に基づいて、10~50重量%、好ましくは20~40重量%である。
成分(C):熱伝導性充填剤
水酸化アルミニウムは安価であり、2.42g/cm3の密度を有し、これはアルミナの密度よりもかなり低い。また、水酸化アルミニウムは、シリコーン組成物中の熱伝導性充填剤の析出を抑制し、装置の軽量化にも寄与する。さらに、水酸化アルミニウムは3というモース硬度を有し、アルミナに比べて非常に柔らかい。反応炉及び攪拌翼の摩耗が抑制され、難燃効果及び断熱効果を有する熱伝導性充填剤として有用である。しかし、水酸化アルミニウムはアルミナよりも低い熱伝導率を有する。そのため、シリコーン熱伝導性組成物及びその硬化生成物の熱伝導性を高めるために水酸化アルミニウムを用いる場合、水酸化アルミニウムを高密度に充填する必要がある。しかしながらそのような高密度充填は非常に困難である。このため、熱伝導性充填剤の総質量部の0.9以上を水酸化アルミニウムが占める3.1W/m・K以上の熱伝導率を有する熱伝導性シリコーン硬化生成物を製造することはおそらく困難であった。本発明は、特定のオルガノポリシロキサン、ハイドロジェンポリシロキサン及び熱伝導性充填剤を含有するシリコーン組成物を精巧に調整して配合し、基材に熱伝導性充填剤を高密度で充填することにより、従来技術のこの問題を克服する。本発明は、熱伝導性が高く軽量な熱伝導性シリコーン硬化生成物が得られる熱伝導性シリコーン組成物を提供する。
好ましくは、成分(C)は、
例えば、0.1μm以上4μm未満の平均粒径を有する10~25重量%の(C-1)水酸化アルミニウムであって、0.8、1.0、1.2、1.4、1.6、1.8、2.0、2.2、2.4、2.6、2.8μmの平均粒径を有するもの、
4μm以上20μm以下の平均粒径を有する18~37重量%の(C-2)の水酸化アルミニウムであって、例えば、6、8、10、12、14、16、18μmの平均粒径を有するもの、
例えば、80μm以上100μm以下の平均粒径を有する48~65重量%の(C-3)水酸化アルミニウムであって、82、84、86、88、90、92、94、96、98μmの平均粒径を有するものを含み、
上記の(C-1)、(C-2)及び(C-3)の量は、組成物中の成分(C)の100重量%に基づいて計算される。
例えば、0.1μm以上4μm未満の平均粒径を有する10~25重量%の(C-1)水酸化アルミニウムであって、0.8、1.0、1.2、1.4、1.6、1.8、2.0、2.2、2.4、2.6、2.8μmの平均粒径を有するもの、
4μm以上20μm以下の平均粒径を有する18~37重量%の(C-2)の水酸化アルミニウムであって、例えば、6、8、10、12、14、16、18μmの平均粒径を有するもの、
例えば、80μm以上100μm以下の平均粒径を有する48~65重量%の(C-3)水酸化アルミニウムであって、82、84、86、88、90、92、94、96、98μmの平均粒径を有するものを含み、
上記の(C-1)、(C-2)及び(C-3)の量は、組成物中の成分(C)の100重量%に基づいて計算される。
このように、粒径の異なる水酸化アルミニウムを主成分として含む粒子を精巧に組み合わせる。具体的には、成分(C-1)小径粒子、(C-2)中径粒子及び(C-3)大径粒子を、注意深く調べたブレンド比で組み合わせる。これにより、小~中径粒子が大径粒子間の隙間を埋めるように基材を高密度に充填することができる。
一方、成分(C-1)、(C-2)及び(C-3)としての水酸化アルミニウムの平均粒径が範囲外である場合、又は成分(C-1)、(C-2)及び(C-3)の構成比率が範囲外である場合、これらは、熱伝導率が3.1W/m・K以上という高い熱伝導率と軽量性を有し、比較的粘度の低い熱伝導性シリコーン硬化生成物が得られる熱伝導性シリコーン組成物の調製を妨げる。
なお、各平均粒径は、ベックマン-コールター社製粒度分析装置LS 13 320を用いて測定した体積基準の累積平均粒径(D50中央径)の値である。
成分(C-1)の小径水酸化アルミニウム(充填剤)は、成分(C-2)、(C-3)の中~大径水酸化アルミニウムと組み合わせて、組成物の熱伝導性及び流動性を高め、充填剤の沈殿を防止する。小径水酸化アルミニウムの平均粒径は0.1μm以上4μm未満であり、好ましくは1~2μmである。平均粒径が上記範囲を外れると、組成物の熱伝導性及び流動性を向上させ、成分(C-2)、(C-3)と組み合わせて充填剤の析出を防止する効果が得られない。成分(C-1)の水酸化アルミニウムは、1種又は2種以上を複合体として用いてもよい。
成分(C-1)は、成分(C)に含まれる水酸化アルミニウムの10~25重量%、好ましくは19~21重量%の量でブレンドされる。質量割合が上記範囲を外れると、組成物の熱伝導性及び流動性を向上させ、成分(C-2)、(C-3)との組み合わせによる充填剤の析出を防止する効果が得られない。
成分(C-3)の大径水酸化アルミニウム(充填剤)は、熱伝導率の著しい向上を可能にする。大径水酸化アルミニウムの平均粒径は80μm以上100μm以下であり、好ましくは85~95μmである。平均粒径が上記範囲を外れると、熱伝導向上効果が低下したり、組成物の粘度が高くなったり、加工性が低下する。成分(C-3)の水酸化アルミニウムは、1種又は2種以上を複合体として用いてもよい。
成分(C-3)は、成分(C)に含まれる水酸化アルミニウムの50~65重量%、好ましくは58~63重量%の量でブレンドされる。質量割合が上記範囲を外れると、熱伝導向上効果が低下したり、組成物の粘度が上昇したり、加工性が低下する。
上記の(C-1)、(C-2)及び(C-3)の量は、組成物中の成分(C)の100重量%に基づいて計算される。
熱伝導性充填剤は、一般に、ヒュームドシリカ又は沈降シリカを含有しない。
本発明の組成物において、ヒュームドシリカ及び/又は沈降シリカの含有率は、100重量%の総組成物に基づいて計算して、1重量%未満、好ましくは0.1重量%未満である。
前記異なる熱伝導性充填剤は特に限定されない。一般に熱伝導性充填剤と考えられる材料、例えば、非磁性金属、例えば、銅又はアルミニウム等、金属酸化物、例えば、アルミナ、シリカ、マグネシア、ベンガル、ベリリア、チタニア又はジルコニア、金属窒化物、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素又は窒化ホウ素、金属水酸化物、例えば、水酸化マグネシウム、人工ダイヤモンド、炭化珪素等を用いることができる。また、0.1~200μmの粒径を使用することができる。これらの1種又は2種以上を複合体として用いてもよい。
成分(C)は、成分(A)100質量部に対して800~4,000質量部、好ましくは900~2,000質量部、より好ましくは900~1,500質量部でブレンドする必要がある。このブレンド量が800質量部未満では、得られた組成物の熱伝導性が悪くなる。ブレンド量が2,000質量部を超えると、混練作業性が損なわれ、硬化生成物が著しく脆くなる。より高い熱伝導率及び軽量の生成物を得るために、組成物の充填率は通常0.88以上である。
任意成分(D):白金族金属系硬化触媒
成分(D)は白金族金属系硬化触媒であり、成分(A-1)由来のアルケニル基と成分(B)由来のSi-H基との付加反応を促進する触媒であれば特に限定されない。触媒の例としては、ヒドロシリル化反応に用いられる既知の触媒が挙げられる。具体例としては、白金族金属単体、例えば、白金(白金黒を含む)、ロジウム及びパラジウム、塩化白金、塩化白金酸、及び塩化白金酸塩、例えば、H2PtCl4・nH2O、H2PtCl6・nH2O、NaHPtCl6・nH2O、KHPtCl6・nH2O、Na2PtCl6・nH2O、K2PtCl4・nH2O、PtCl4・nH2O、PtCl2、及びNa2HPtCl4・nH2O(ここで、式中、nは0~6の整数であり、好ましくは0又は6である)、アルコール変性塩化白金酸(米国特許第3,220,972号の明細書を参照)、塩化白金酸とオレフィンとの錯体(米国特許第3,159,601号の明細書、第3,159,662号の明細書、及び第3,775,452号の明細書を参照)、白金黒及びパラジウム等の白金族金属をアルミナ、シリカ又は炭素等の担体に担持したもの、ロジウム-オレフィン錯体、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(ウィルキンソン触媒)、塩化白金、塩化白金酸又は塩化白金酸塩とビニル基含有シロキサン、特にビニル基以外含有しない環状シロキサンとの錯体等が挙げられる。
成分(D)は白金族金属系硬化触媒であり、成分(A-1)由来のアルケニル基と成分(B)由来のSi-H基との付加反応を促進する触媒であれば特に限定されない。触媒の例としては、ヒドロシリル化反応に用いられる既知の触媒が挙げられる。具体例としては、白金族金属単体、例えば、白金(白金黒を含む)、ロジウム及びパラジウム、塩化白金、塩化白金酸、及び塩化白金酸塩、例えば、H2PtCl4・nH2O、H2PtCl6・nH2O、NaHPtCl6・nH2O、KHPtCl6・nH2O、Na2PtCl6・nH2O、K2PtCl4・nH2O、PtCl4・nH2O、PtCl2、及びNa2HPtCl4・nH2O(ここで、式中、nは0~6の整数であり、好ましくは0又は6である)、アルコール変性塩化白金酸(米国特許第3,220,972号の明細書を参照)、塩化白金酸とオレフィンとの錯体(米国特許第3,159,601号の明細書、第3,159,662号の明細書、及び第3,775,452号の明細書を参照)、白金黒及びパラジウム等の白金族金属をアルミナ、シリカ又は炭素等の担体に担持したもの、ロジウム-オレフィン錯体、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(ウィルキンソン触媒)、塩化白金、塩化白金酸又は塩化白金酸塩とビニル基含有シロキサン、特にビニル基以外含有しない環状シロキサンとの錯体等が挙げられる。
成分(D)は、成分(A-1)に対して白金族金属元素の含有率が質量基準で0.1~1,000ppmとなる量で用いられる。含有率が0.1ppm未満では、充分な触媒活性が得られない。含有率が1,000ppmを超えると、付加反応の促進効果を高めることなく費用が上昇するだけであり、硬化生成物中に残存する触媒も絶縁性を低下させるおそれがある。
成分(E):表面処理剤
本発明の組成物は、組成物調製時に成分(C)の熱伝導性充填剤を疎水化し、成分(A)のオルガノポリシロキサンとの濡れ性を向上させることにより、成分(C)の熱伝導性充填剤を成分(A)のマトリックス中に均一に分散させるために、表面処理剤である成分(E)をブレンドすることができる。成分(E)としては、下記成分(E-1)及び成分(E-2)が特に好ましい。
本発明の組成物は、組成物調製時に成分(C)の熱伝導性充填剤を疎水化し、成分(A)のオルガノポリシロキサンとの濡れ性を向上させることにより、成分(C)の熱伝導性充填剤を成分(A)のマトリックス中に均一に分散させるために、表面処理剤である成分(E)をブレンドすることができる。成分(E)としては、下記成分(E-1)及び成分(E-2)が特に好ましい。
成分(E-1):下記式(1)で表されるアルコキシシラン化合物
R1 aR2 bSi(OR3)4-a-b (1)
式中、各R1は独立して1~24個の炭素原子、好ましくは6~24個の炭素原子、より好ましくは12~18個の炭素原子を有するアルキル基を表し、各R2は独立して1~10個の炭素原子を有する非置換又は置換の炭化水素基、好ましくはメチル、エチルを表し、各R3は独立して1~6個の炭素原子を有するアルキル基を表し、aは1~3の整数を表し、bは0~2の整数を表し、ただしa+bは1~3の整数である。
R1 aR2 bSi(OR3)4-a-b (1)
式中、各R1は独立して1~24個の炭素原子、好ましくは6~24個の炭素原子、より好ましくは12~18個の炭素原子を有するアルキル基を表し、各R2は独立して1~10個の炭素原子を有する非置換又は置換の炭化水素基、好ましくはメチル、エチルを表し、各R3は独立して1~6個の炭素原子を有するアルキル基を表し、aは1~3の整数を表し、bは0~2の整数を表し、ただしa+bは1~3の整数である。
式(1)中のR1で表されるアルキル基の例としては、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基等が挙げられる。R1で表されるアルキル基の炭素原子の数が6~15の範囲であると、成分(A)の濡れ性が充分に向上し、優れた取り扱い性をもたらす。また、組成物は良好な低温特性を有する。
R2で表される非置換又は置換の炭化水素基の例としては、アルキル基、例えば、メチル基、エチル基、ビニル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基及びドデシル基、シクロアルキル基、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基及びシクロヘプチル基、アリール基、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基及びビフェニリル基、アラルキル基、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基及びメチルベンジル基、並びにこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をシアノ基、フッ素、塩素及び臭素のハロゲン原子等で置換した基が挙げられる。このような置換された基の例には、クロロメチル基、2-ブロモエチル基、3-クロロプロピル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基、シアノエチル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロヘキシル基等が挙げられる。一価の炭化水素基の典型例としては、1~10個の炭素原子を有するものが挙げられ、特に典型例としては1~6個の炭素原子を有するものが挙げられる。好ましい一価の炭化水素基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、クロロメチル基、ブロモエチル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等の1~3個の炭素原子を有する非置換又は置換のアルキル基、並びにフェニル基、クロロフェニル基及びフルオロフェニル基等の非置換又は置換フェニル基が挙げられる。
R3としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基等が挙げられる。また、a及びbは、aが1~3の整数であり、bが0~2の整数であり、a+bが1~3の整数であれば特に限定されない。好ましくは、aは1であり、bは0である。
成分(E-1)は、好ましくは、C6~18長鎖アルキル基を含有するアルコキシシラン、より好ましくは、C6~18長鎖アルキル基を含有するトリアルコキシシラン、より好ましくは、ヘキサデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、テトラデシルトリメトキシシラン、テトラデシルトリエトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ドデシルトリエトキシシランである。
成分(E)の表面処理剤としては、成分(E-1)のいずれか又は両方を単独でブレンドしてもよいし、組み合わせてブレンドしてもよい。ここで、成分(E)の量は、成分(A)100質量部に対して、好ましくは1~100質量部、特に好ましくは1~50質量部、更に好ましくは1~10質量部である。
成分(F):特性付与剤
成分(F)としては、25℃における粘度が10~100,000mPa・sであり、下記式(3)で示されるオルガノポリシロキサンを添加することができる。
成分(F)は、熱伝導性シリコーン組成物に粘度調整剤、可塑剤等の特性を付与するために適宜用いられるが、これらに限定されるものではない。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
各R5は独立して1~10個の炭素原子を有する非置換又は置換の一価の炭化水素基を表す。R5の例としては、アルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基及びドデシル基、シクロアルキル基、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基及びシクロヘプチル基、アリール基、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基及びビフェニリル基、アラルキル基、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基及びメチルベンジル基、並びにこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をシアノ基、フッ素、塩素及び臭素のハロゲン原子等で置換した基が挙げられる。このような置換された基の例には、クロロメチル基、2-ブロモエチル基、3-クロロプロピル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基、シアノエチル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロヘキシル基等が挙げられる。一価の炭化水素基の典型例としては、1~10個の炭素原子を有するものが挙げられ、特に典型例としては1~6個の炭素原子を有するものが挙げられる。好ましい一価の炭化水素基としては、1~3個の炭素原子を有する非置換又は置換のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、クロロメチル基、ブロモエチル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基及びシアノエチル基、並びに非置換又は置換フェニル基、例えば、フェニル基、クロロフェニル基及びフルオロフェニル基が挙げられる。メチル基及びフェニル基が特に好ましい。
dは、要求される粘度の観点から、5~2,000の整数であることが好ましく、10~1,000の整数であることが特に好ましい。
また、25℃における粘度は、好ましくは10~100,000mPa・s、特に好ましくは100~10,000mPa・sである。粘度が10mPa・s以上であると、得られる組成物の硬化生成物が油ブリードし難くなる。粘度が100,000mPa・s以下であると、得られる熱伝導性シリコーン組成物が適度な柔軟性を有する。
成分(F)が本発明の熱伝導性シリコーン組成物に添加される場合、添加量は特に限定されず、成分(A)100質量部に対して10~100質量部とすることができる。添加量がこの範囲にあると、硬化前の熱伝導性シリコーン組成物の良好な流動性及び操作性を維持しやすくなり、組成物に成分(C)の熱伝導性充填剤を充填しやすくなる。
本発明の熱伝導性シリコーン組成物において、成分(F)の用量は、成分(A)100質量部に対して、0.1質量部未満が好ましく、0.01質量部未満がより好ましい。これにより、熱伝導性シリコーン組成物の基材の油漏れ及び汚染を回避することができる。
任意成分(G):反応阻害剤
成分(G)としては、付加反応阻害剤を用いることができる。付加反応阻害剤としては、通常の付加反応硬化型シリコーン組成物に用いられる既知の付加反応阻害剤をいずれも用いることができる。例としては、1-エチニル-1-ヘキサノール及び3-ブチン-1-オール等のアセチレン化合物、各種窒素化合物、有機リン化合物、オキシム化合物、有機塩素化合物等が挙げられる。成分(G)をブレンドする場合、使用量は、成分(A-1)100質量部に対して0.01~1質量部が好ましく、0.1~0.8質量部がより好ましい。このようなブレンド量であれば、硬化反応が充分に進行し、成形効率を損なうことがない。
成分(G)としては、付加反応阻害剤を用いることができる。付加反応阻害剤としては、通常の付加反応硬化型シリコーン組成物に用いられる既知の付加反応阻害剤をいずれも用いることができる。例としては、1-エチニル-1-ヘキサノール及び3-ブチン-1-オール等のアセチレン化合物、各種窒素化合物、有機リン化合物、オキシム化合物、有機塩素化合物等が挙げられる。成分(G)をブレンドする場合、使用量は、成分(A-1)100質量部に対して0.01~1質量部が好ましく、0.1~0.8質量部がより好ましい。このようなブレンド量であれば、硬化反応が充分に進行し、成形効率を損なうことがない。
他の成分
本発明の熱伝導性シリコーン組成物には、必要に応じて、さらに他の成分をブレンドしてもよい。ブレンド可能な任意成分の例としては、耐熱性向上剤、例えば、酸化鉄及び酸化セリウム、粘度調整剤、例えば、シリカ、着色剤、剥離剤等が挙げられる。
本発明の熱伝導性シリコーン組成物には、必要に応じて、さらに他の成分をブレンドしてもよい。ブレンド可能な任意成分の例としては、耐熱性向上剤、例えば、酸化鉄及び酸化セリウム、粘度調整剤、例えば、シリカ、着色剤、剥離剤等が挙げられる。
実施形態
熱伝導性シリコーン硬化生成物及びその製造方法
熱伝導性シリコーン硬化生成物及びその製造方法
本発明に係る熱伝導性シリコーン硬化生成物(熱伝導性樹脂成形体)は、上記熱伝導性シリコーン組成物の硬化生成物である。熱伝導性シリコーン組成物の硬化(成形)の硬化条件は、既知の付加反応硬化性シリコーンゴム組成物の硬化条件と同様とすることができる。例えば、常温でも充分に硬化するが、必要に応じて加熱してもよい。好ましくは、熱伝導性シリコーン組成物を100~120℃で8~12分間付加硬化させる。このような本発明の硬化生成物(成形体)は、熱伝導性に優れる。
成形品の熱伝導率
本発明の成形体では、好ましくは、熱伝導率が3.1W/m・K以上を有する。これは25℃でホットディスク法により測定された測定値である。3.1W/m・K以上の熱伝導率を有する製品は、多量の熱を発生させる発熱部材に適用可能である。なお、このような熱伝導率は、熱伝導性充填剤の種類又は粒径の組み合わせを調整することにより調整することができる。
本発明の成形体では、好ましくは、熱伝導率が3.1W/m・K以上を有する。これは25℃でホットディスク法により測定された測定値である。3.1W/m・K以上の熱伝導率を有する製品は、多量の熱を発生させる発熱部材に適用可能である。なお、このような熱伝導率は、熱伝導性充填剤の種類又は粒径の組み合わせを調整することにより調整することができる。
成形品の硬度
本発明の成形品を、Zwick硬度試験機によって試験する。なお、このような硬度の調整は、成分(A-1)及び成分(B)の割合を変化させて架橋密度を調整することにより行うことができる。
本発明の成形品を、Zwick硬度試験機によって試験する。なお、このような硬度の調整は、成分(A-1)及び成分(B)の割合を変化させて架橋密度を調整することにより行うことができる。
DIN53019に従って、Anton Paar MCR302機器を使用して、本発明の組成物の動粘性率及び静粘性を試験した。
以下の実施例及び比較例で用いた成分(A)~(G)を以下に示す。
成分(A):
(A-1):下記式(5)で表されるオルガノポリシロキサンであって、Xはビニル基を表し、nは粘度が120mPa・sとなる数を表す。
(A-1):下記式(5)で表されるオルガノポリシロキサンであって、Xはビニル基を表し、nは粘度が120mPa・sとなる数を表す。
成分(B):
(B-1)下記式(6)で表される側鎖ハイドロジェンポリシロキサンであって、水素含有量は1.7mmol/gである。
(B-1)下記式(6)で表される側鎖ハイドロジェンポリシロキサンであって、水素含有量は1.7mmol/gである。
(B-2)下記式(5)で表される末端ハイドロジェンポリシロキサンであって、Xは水素を表す。水素含有量は0.53mmol/gである。
成分(C):
1.5μmの平均粒径を有する(C-1-1)水酸化アルミニウム
成分(E-1)で表面処理した、1.5μmの平均粒径を有する(C-1-2)水酸化アルミニウム
10μmの平均粒径を有する(C-2)水酸化アルミニウム
90μmの均粒径を有する(C-3)水酸化アルミニウム
50μmの平均粒径を有する(C-4-1)水酸化アルミニウム
110μmの均粒径を有する(C-4-2)水酸化アルミニウム
1.5μmの平均粒径を有する(C-1-1)水酸化アルミニウム
成分(E-1)で表面処理した、1.5μmの平均粒径を有する(C-1-2)水酸化アルミニウム
10μmの平均粒径を有する(C-2)水酸化アルミニウム
90μmの均粒径を有する(C-3)水酸化アルミニウム
50μmの平均粒径を有する(C-4-1)水酸化アルミニウム
110μmの均粒径を有する(C-4-2)水酸化アルミニウム
成分(D):
5質量%の塩化白金酸の2-エチルヘキサノール溶液
5質量%の塩化白金酸の2-エチルヘキサノール溶液
成分(E):
セチルトリメトキシシラン
セチルトリメトキシシラン
成分(G):
付加反応阻害剤としてのエチニルメチリデンカルビノール。
付加反応阻害剤としてのエチニルメチリデンカルビノール。
上記の材料はWacker Chemie AGによって提供される。
成分(A-1)、(C)及び(E)を、表1又は表2の実施例及び比較例で後述する所定量添加し、プラネタリーミキサーで60分間混練した。
この混合物に、成分(D)を表2に後述する所定量添加した。混合物を30分間混練した。
得られたものに、さらに、成分(B)を表2に後述する所定量添加し、30分間混練した。このようにして、実施例及び比較例の組成物を得た。
成形方法
混合後、表1の組成物を得る。
混合後、表1の組成物を得る。
得られた表2の組成物を60mm×60mm×6mmのサイズの金型に流し込み、プレス成形機を用いて100℃で60分間成形した。
熱伝導率の評価方法:
得られた表1及び表2の組成物を60mm×60mm×6mmのサイズの金型に流し込み、熱伝導率を測定するのに使用した。
得られた表1及び表2の組成物を60mm×60mm×6mmのサイズの金型に流し込み、熱伝導率を測定するのに使用した。
100℃及び60分の条件下で、下記表2の実施例及び比較例で得られた組成物を硬化させて、厚さ6mmのシート状とした。各組成物のシートを2枚用いて、熱伝導率計(商品名:TC3000E、Xi’an Xiatech Electronics Co., Ltd.製)により熱伝導率を測定した。
硬度:
以下の実施例及び比較例で得られた組成物を、上記のようにして、厚さ6mmのシート状に硬化させた。各組成物からの2枚のシートを互いに積み重ね、Zwick硬度試験機で測定してショア00値を得た。
以下の実施例及び比較例で得られた組成物を、上記のようにして、厚さ6mmのシート状に硬化させた。各組成物からの2枚のシートを互いに積み重ね、Zwick硬度試験機で測定してショア00値を得た。
密度(Density):
測定はMETTLER TOLEDO ML204で行った。
測定はMETTLER TOLEDO ML204で行った。
表1において、小粒径、中粒径及び大粒径の水酸化アルミニウムの割合が同じである場合、Ex.1とC.Ex.1との比較から、Ex.1で得られたシリコーングリース組成物(90μmの平均粒径を有する(C-3)水酸化アルミニウムを使用)は、C.Ex.1で得られたシリコーングリース組成物(50μmの平均粒径を有する(C-4-1)水酸化アルミニウムを使用)よりも粘度が低く、熱伝導率が高いことがわかる。Ex.3とC.Ex.3とを比較すると、Ex.1で得られたシリコーングリース組成物(90μmの平均粒径を有する(C-3)水酸化アルミニウムを使用)は、C.Ex.3で得られたシリコーングリース組成物(110μmの平均粒径を有する(C-4-2)水酸化アルミニウムを使用)よりも粘度が低く、熱伝導率が高いことがわかる。すなわち、本発明者は、従来考えられていた40~150μmの大粒径の水酸化アルミニウムにおいて、90μm程度の平均粒径を有する水酸化アルミニウムを用いることにより、より良好な性能が得られることを見出した。
さらに、(C-1):(C-2):(C-3)の比が2:2:6である場合、Ex.1で得られた生成物は、C.Ex.4の生成物よりも粘度が低く、熱伝導率が高いという明確な効果を有する。
表2において、Ex.10とC.Ex.10との比較は、Ex.1から得られたコーキング製品(0μmの平均粒径を有する(C-3-1)水酸化アルミニウムを使用)は、C.Ex.10から得られたコーキング製品(50μmの平均粒径を有する(C-4-1)水酸化アルミニウムを使用)よりも低い粘度及び高い熱伝導率を有することを示している。
Claims (10)
- オルガノポリシロキサンである成分(A)、好ましくは1分子当たり2つ以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンである成分(A-1)、と
ケイ素原子に直接結合した2つ以上の水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンである任意選択的な成分(B)であって、成分(B)中のケイ素原子に直接結合した水素原子のモル数が成分(A-1)に由来するアルケニル基のモル数の0.1~5.0倍となる量で含有される成分(B)と、
熱伝導性充填剤である成分(C)であって、
0.1μm以上4μm以下の平均粒径を有する10~25重量%の(C-1)水酸化アルミニウム、
4μm以上20μm以下の平均粒径を有する18~37重量%の(C-2)水酸化アルミニウム、
80μm以上100μm以下の平均粒径を有する48~65重量%の(C-3)水酸化アルミニウムを含み、
(C-1)、(C-2)及び(C-3)において、組成物中の成分(C)は100重量%と計算される成分(C)と、
成分(A-1)に対して質量基準で0.1~1,000ppmの白金族金属元素含有率を有する白金族金属系硬化触媒である任意選択的な成分(D)と、を含み、
熱伝導性充填剤の充填率が、0.88以上、好ましくは0.89以上、好ましくは0.90以上である、組成物。 - 全水酸化アルミニウムの総量が、95重量%よりも多く、好ましくは99重量%よりも多く、より好ましくは99.9重量%よりも多く、100重量%である熱伝導性充填剤の総量に基づいて計算される、請求項1に記載の組成物。
- 組成物の密度が2.4g/cm3以下、好ましくは2.2g/cm3以下、より好ましくは2.1g/cm3以下である、請求項1又は2に記載の組成物。
- 組成物の熱伝導率が3.1W/mK以上、好ましくは3.2W/mK以上、より好ましくは3.3W/mK以上である、請求項1~3のいずれかに記載の組成物。
- (C)成分の(E-1)成分に対する重量比が100~800の間、好ましくは200~500の間、より好ましくは200~400の間であり、
成分(E-1)は、下記式(1)で表されるアルコキシシラン化合物である、請求項1~4のいずれかに記載の組成物。
R1 aR2 bSi(OR3)4-a-b (1)
[式中、各R1は独立して1~24個の炭素原子、好ましくは6~24個の炭素原子、より好ましくは6~18個の炭素原子、より好ましくは12~18個の炭素原子を有するアルキル基を表し、各R2は独立して1~10個の炭素原子を有する非置換又は置換炭化水素基、好ましくはメチル、エチルを表し、各R3は独立して1~6個の炭素原子を有するアルキル基、好ましくはメチル、エチルを表し、
aは1~3の整数を表し、bは0~2の整数を表し、ただし、a+bは1~3の整数である。] - (C)成分が、
0.5μm以上3μm以下の平均粒径を有する10~20重量%の(C-1)水酸化アルミニウム、
7μm以上15μm以上の平均粒径を有する20~35重量%の(C-2)水酸化アルミニウム、
85μm以上95μm以上の平均粒径を有する50~60重量%の(C-3)水酸化アルミニウムを含み、
(C-1)、(C-2)及び(C-3)において、組成物中の成分(C)は100重量%として計算される、請求項1~5のいずれかに記載の組成物。 - (C-2)/(C-3)の平均粒径の比が7.0~12.0の間、好ましくは7.5~10の間、より好ましくは8.0~9.9の間である、請求項1~6のいずれかに記載の組成物。
- (C-1)/(C-3)の重量比が0.2~0.4の間、好ましくは0.22~0.38の間である、請求項1~7のいずれかに記載の組成物。
- (C-2)/(C-3)の重量比が0.2~0.8の間、好ましくは0.25~0.75の間である、請求項1~8のいずれかに記載の組成物。
- 成分(E)の量は、成分(A)100質量部に対して、好ましくは1~100質量部、特に好ましくは1~50質量部、更に好ましくは1~10質量部である、請求項1~9のいずれかに記載の組成物。
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