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JP2024532276A - eIF4E阻害剤及びその使用 - Google Patents

eIF4E阻害剤及びその使用 Download PDF

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JP2024532276A
JP2024532276A JP2024512046A JP2024512046A JP2024532276A JP 2024532276 A JP2024532276 A JP 2024532276A JP 2024512046 A JP2024512046 A JP 2024512046A JP 2024512046 A JP2024512046 A JP 2024512046A JP 2024532276 A JP2024532276 A JP 2024532276A
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virus
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pharma
compounds
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JP2024512046A
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クリストファー エル. ヴァンドゥーセン,
Original Assignee
ピク セラピューティクス, インコーポレイテッド
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Abstract

本発明は、eIF4E活性を阻害する化合物、ならびにその組成物及び使用方法を提供する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2021年8月25日に出願された米国仮出願第63/260,552号の優先権を主張するものであり、同文献は参照によりその全体が本明細書に援用される。
本発明は、真核生物翻訳開始因子4E(eIF4E)の阻害に有用な化合物及び方法に関する。本発明はまた、本発明の化合物を含む薬学的に許容される組成物、及び種々の障害の治療における該組成物の使用方法も提供する。
真核生物翻訳開始因子4E(eIF4E)は、選択のmRNAの翻訳の開始において重要な役割を果たす24kDaのタンパク質である。mRNA翻訳の開始時に、eIF4Eは、mRNAの5’末端の7-メチルグアノシンキャップに結合し、足場タンパク質eIF4G及びヘリカーゼeIF4Aを含むタンパク質と複合体(eIF4Fと呼ばれる)を形成する。4F複合体の形成は、キャップ依存的翻訳の開始に必要とされるため、eIF4Eのその同系のパートナーへの結合は、eIF4E媒介性翻訳において必要不可欠な事象である。
いくつかの研究は、一部のがん表現型においてeIF4Eの調節不全が重要であることを示唆しており、したがってeIF4Eは、腫瘍学の分野において潜在的な標的である。
本発明の化合物、及びその薬学的に許容される組成物が、eIF4E阻害剤として有効であることが今では判明している。一態様では、本発明は、式(I):
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供し、式中、各可変要素は、本明細書に定義及び記載される通りである。
本発明の化合物、及びその薬学的に許容される組成物は、eIF4Eに関連する様々な疾患、障害、または病態を治療するのに有用である。かかる疾患、障害、または病態には、本明細書に記載されるもの等の細胞増殖性障害(例えば、がん)が含まれる。
1.発明のある特定の実施形態の概説:
本発明の化合物、及びその薬学的組成物は、eIF4Eの阻害剤として有用である。いかなる特定の理論にも拘束されることを望むものではないが、本発明の化合物、及びその薬学的組成物は、eIF4Eの活性を阻害し、ひいてはがん等のある特定の疾患を治療し得ると考えられる。
本発明の化合物、及びその薬学的に許容される組成物が、eIF4E阻害剤として有効であることが今では判明している。一態様では、本発明は、式I:
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供し、式中、
環Aが、フェニル、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~6員の単環式ヘテロ芳香環、3~7員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式炭素環、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する3~7員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式複素環、8~10員の二環式芳香族炭素環、または窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する8~10員の二環式ヘテロ芳香環から選択される、任意選択で置換される環であり、
が、結合、または任意選択で置換される二価の直鎖もしくは分岐状C1-8炭化水素鎖であり、該炭化水素鎖の1、2、3、または4個のメチレン単位が、任意選択でかつ独立して、-O-、-S-、-N(R)-、-C(O)-、または-S(O)-と置き換えられ、
が、ハロゲン、R、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)N(R)、-S(O)R、-S(O)OR、または-S(O)N(R)であり、
が、結合、または任意選択で置換される二価の直鎖もしくは分岐状C1-8炭化水素鎖であり、該炭化水素鎖の1、2、3、または4個のメチレン単位が、任意選択でかつ独立して、-O-、-S-、-N(R)-、-C(O)-、-S(O)-、または-Cy-と置き換えられ、
が、-CN、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)N(R)、-N(R)-C(O)-R、-N(R)-C(O)-OR、-S(O)-N(R)、-S(O)-N(R)-C(O)R、-C(O)-N(R)-S(O)R、-C(=NR)-N(R)、-N(R)-C(=NR)-N(R)、または窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~6員の単環式ヘテロ芳香環であり、
-Cy-が、フェニレン、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~6員の単環式ヘテロ芳香環、3~7員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式炭素環、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する3~7員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式複素環、8~10員の二環式芳香族炭素環、または窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する8~10員の二環式ヘテロ芳香環から選択される、任意選択で置換される二価の環であり、
Rが、水素、任意選択で置換される-C1-6脂肪族であるか、あるいはフェニル、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~6員の単環式ヘテロ芳香環、3~7員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式炭素環、または窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する3~7員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式複素環から選択される、任意選択で置換される環である。
2.化合物及び定義:
本発明の化合物は、本明細書に全般的に記載されるものを含み、本明細書に開示されるクラス、サブクラス、及び種別でさらに例示説明される。本明細書で使用されるとき、別途指定されない限り、以下の定義が適用されるものとする。本発明の目的において、化学元素は、元素周期表、CAS版(Handbook of Chemistry and Physics,75th Ed)に従って特定される。追加として、有機化学の一般原則は、“Organic Chemistry”,Thomas Sorrell,University Science Books,Sausalito:1999、及び“March’s Advanced Organic Chemistry”,5th Ed.,Ed.:Smith,M.B.and March,J.,John Wiley & Sons,New York:2001に記載され、同文献の全内容が参照により本明細書に援用される。
本明細書で使用される「脂肪族」または「脂肪族基」という用語は、分子の残りへの単一の結合点を有する、完全に飽和であるかまたは1つもしくは複数の不飽和単位を含有する直鎖(すなわち、非分岐状)または分岐状、置換または非置換の炭化水素鎖、あるいは完全に飽和であるかまたは1つもしくは複数の不飽和単位を含有するが、芳香族ではない単環式炭化水素または二環式炭化水素(本明細書で「炭素環式化合物」、「環状脂肪族」、または「シクロアルキル」とも称される)を意味する。別途明記されない限り、脂肪族基は、1~6個の脂肪族炭素原子を含有する。一部の実施形態では、脂肪族基は、1~5個の脂肪族炭素原子を含有する。他の実施形態では、脂肪族基は、1~4個の脂肪族炭素原子を含有する。依然として他の実施形態では、脂肪族基は、1~3個の脂肪族炭素原子を含有し、なおも他の実施形態では、脂肪族基は、1~2個の脂肪族炭素原子を含有する。一部の実施形態では、「環状脂肪族」(または「炭素環式化合物」または「シクロアルキル」)は、分子の残りへの単一の結合点を有する、完全に飽和であるかまたは1つもしくは複数の不飽和単位を含有するが、芳香族ではない単環式C~C炭化水素を指す。好適な脂肪族基には、直鎖状または分岐状、置換または非置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、及び(シクロアルキル)アルキル、(シクロアルケニル)アルキル、または(シクロアルキル)アルケニル等のそれらのハイブリッドが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用されるとき、「二環式環」または「二環式環系」という用語は、任意の二環式環系、すなわち、炭素環式または複素環式で、飽和であるか、または1つもしくは複数の不飽和単位を有し、環系の2つの環の間で共通の1個または複数の原子を有するものを指す。故に、この用語は、オルト縮合またはスピロ環式等の任意の許容される環の縮合を含む。本明細書で使用されるとき、「複素二環式」という用語は、1個または複数のヘテロ原子が二環の一方または両方の環中に存在することを必要とする、「二環式」のサブセットである。かかるヘテロ原子は、環の接合部にて存在してもよく、任意選択で置換され、窒素(N-酸化物を含む)、酸素、硫黄(スルホン及びスルホネート等の酸化形態を含む)、リン(ホスフェート等の酸化形態を含む)、ホウ素等から選択され得る。一部の実施形態では、二環式基は、7~12個の環員、及び窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する。本明細書で使用されるとき、「架橋二環式」という用語は、任意の二環式環系、すなわち、炭素環式または複素環式、飽和もしくは部分的に不飽和で、少なくとも1つの架橋を有するものを指す。IUPACによって定義されるように、「架橋」とは、2つの橋頭をつなげる、原子(複数または単数)の非分岐鎖または原子価結合であり、ここで、「橋頭」とは、3個以上の骨格原子(水素を除外する)に結合される環系の任意の骨格原子である。一部の実施形態では、架橋二環式基は、7~12個の環員、及び窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する。かかる架橋二環式基は、当該技術分野で周知であり、下記に述べられる基を含み、ここで、各基は、任意の置換可能な炭素または窒素原子にて分子の残りに結合している。別途明記されない限り、架橋二環式基は、任意選択で、脂肪族基について述べられるような1つまたは複数の置換基と置換される。追加としてまたは代替として、架橋二環式基の任意の置換可能な窒素は、任意選択で置換される。例示的な二環式環には、下記が含まれる。
例示的な架橋二環式化合物には、下記が含まれる。
「低級アルキル」という用語は、C1-4直鎖または分岐状アルキル基を指す。例示的な低級アルキル基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、及びtert-ブチルである。
「低級ハロアルキル」という用語は、1個または複数のハロゲン原子と置換されているC1-4直鎖または分岐状アルキル基を指す。
「ヘテロ原子」という用語は、酸素、硫黄、窒素、リン、またはケイ素(窒素、硫黄、リン、もしくはケイ素の任意の酸化形態;任意の塩基性窒素の四級化形態または;複素環の置換可能な窒素、例えば、N(3,4-ジヒドロ-2H-ピロリルにあるようなもの)、NH(ピロリジニルにあるようなもの)、もしくはNR(N-置換ピロリジニルにあるようなもの)を含む)のうちの1つまたは複数を意味する。
本明細書で使用される「不飽和の」という用語は、ある部分が1つまたは複数の不飽和単位を有することを意味する。
本明細書で使用されるとき、「二価C1-8(またはC1-6)飽和または不飽和、直鎖または分岐状炭化水素鎖」という用語は、本明細書で定義されるところの直鎖または分岐状である二価アルキレン、アルケニレン、及びアルキニレン鎖を指す。
「アルキレン」という用語は、二価アルキル基を指す。「アルキレン鎖」は、ポリメチレン基、すなわち、-(CH-であり、式中、nは、正の整数、好ましくは1~6、1~4、1~3、1~2、または2~3である。置換アルキレン鎖は、1個または複数のメチレン水素原子が置換基と置き換えられているポリメチレン基である。好適な置換基には、置換脂肪族基について下記に記載されるものが含まれる。
「アルケニレン」という用語は、二価アルケニル基を指す。置換アルケニレン鎖は、1個または複数の水素原子が置換基と置き換えられている、少なくとも1つの二重結合を含有するポリメチレン基である。好適な置換基には、置換脂肪族基について下記に記載されるものが含まれる。
本明細書で使用されるとき、「シクロプロピレニル」という用語は、以下の構造:
の二価のシクロプロピル基を指す。
「ハロゲン」という用語は、F、Cl、Br、またはIを意味する。
単独で、または「アラルキル」、「アラルコキシ」、もしくは「アリールオキシアルキル」にあるようにより大きな部分の一部として使用される、「アリール」という用語は、総計5~14個の環員を有する単環式または二環式環系であって、系中の少なくとも1つの環が芳香族であり、系中の各環が3~7個の環員を含有するものを指す。「アリール」という用語は、「アリール環」という用語と互換的に使用され得る。本発明のある特定の実施形態では、「アリール」とは、1つまたは複数の置換基をもち得る、フェニル、ビフェニル、ナフチル、アントラシル等を含むがこれらに限定されない芳香環系を指す。また、インダニル、フタルイミジル、ナフトイミジル、フェナントリジニル、またはテトラヒドロナフチル等の、芳香環が1つまたは複数の非芳香環に縮合している基も、本明細書で使用されるところの「アリール」という用語の範囲内に含まれる。
単独で、またはより大きな部分、例えば、「ヘテロアラルキル」、もしくは「ヘテロアラルコキシ」の一部として使用される、「ヘテロアリール」及び「ヘテロアル-(heteroar-)」という用語は、5~10個の環原子、好ましくは5、6、または9個の環原子を有する基;環状の配列において共有される6、10、または14個のπ電子を有する基;及び炭素原子に加えて1~5個のヘテロ原子を有する基を指す。「ヘテロ原子」という用語は、窒素、酸素、または硫黄を指し、窒素または硫黄の任意の酸化形態、及び塩基性窒素の任意の四級化形態を含む。ヘテロアリール基には、限定されないが、チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、プリニル、ナフチリジニル、及びプテリジニルが含まれる。本明細書で使用される「ヘテロアリール」及び「ヘテロアル-」という用語はまた、複素芳香環が1つまたは複数のアリール、環状脂肪族、またはヘテロシクリル環に縮合しており、ラジカルまたは結合点が複素芳香環上にある基も含む。非限定的な例としては、インドリル、イソインドリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、4H-キノリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、及びピリド[2,3-b]-1,4-オキサジン-3(4H)-オンが挙げられる。ヘテロアリール基は、単環式または二環式であり得る。「ヘテロアリール」という用語は、「ヘテロアリール環」、「ヘテロアリール基」、または「複素芳香族」という用語と互換的に使用され得、これらの用語のうちのいずれも、任意選択で置換される環を含む。「ヘテロアラルキル」という用語は、ヘテロアリールで置換されたアルキル基を指し、このアルキル及びヘテロアリール部分が独立して、任意選択で置換される。
本明細書で使用されるとき、「複素環式化合物」、「ヘテロシクリル」、「複素環式ラジカル」、及び「複素環」という用語は、互換的に使用され、飽和または部分的に不飽和のいずれかであり、炭素原子に加えて1個または複数の、好ましくは1~4個の、上記で定義されるところのヘテロ原子を有する、安定な5員~7員の単環式複素環式部分または7~10員の二環式複素環式部分を指す。複素環式化合物の環原子に関して使用されるとき、「窒素」という用語は、置換された窒素を含む。例として、酸素、硫黄、または窒素から選択される0~3個のヘテロ原子を有する飽和または部分的に不飽和の環において、窒素は、N(3,4-ジヒドロ-2H-ピロリルにあるようなもの)、NH(ピロリジニルにあるようなもの)、またはNR(N-置換ピロリジニルにあるようなもの)であってもよい。
複素環は、任意のヘテロ原子または炭素原子でそのペンダント基に結合して、これにより安定な構造をもたらすことが可能であり、環原子のうちのいずれもが、任意選択で置換され得る。かかる飽和もしくは部分的に不飽和の複素環式ラジカルの例としては、限定されないが、トラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピロリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、ジアゼピニル、オキサゼピニル、チアゼピニル、モルホリニル、及びキヌクリジニルが挙げられる。「複素環式化合物」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロシクリル環」、「複素環式基」、「複素環式部分」、及び「複素環式ラジカル」という用語は、本明細書で互換的に使用され、インドリニル、3H-インドリル、クロマニル、フェナントリジニル、またはテトラヒドロキノリニル等の、ヘテロシクリル環が1つまたは複数のアリール環、ヘテロアリール環、または環状脂肪族環に縮合している基もまた含む。ヘテロシクリル基は、単環式または二環式であり得る。「ヘテロシクリルアルキル」という用語は、ヘテロシクリルで置換されたアルキル基を指し、このアルキル部分及びヘテロシクリル部分は独立して、任意選択で置換される。
本明細書で使用されるとき、「部分的に不飽和の」という用語は、少なくとも1つの二重結合または三重結合を含む環部分を指す。「部分的に不飽和の」という用語は、複数の不飽和部位を有する環を包含することを意図するが、本明細書で定義されるところのアリール部分またはヘテロアリール部分を含むことは意図しない。
本明細書に記載されるとき、本発明の化合物は、「任意選択で置換される」部分を含有してもよい。一般に、「置換される」という用語は、「任意選択で」という用語が前に付くか否かにかかわらず、指定部分の1個または複数の水素が好適な置換基と置き換えられることを意味する。別途指定されない限り、「任意選択で置換される」基は、当該基の置換可能な各位置に好適な置換基を有してもよく、任意の所与の構造において1つよりも多くの位置が、明記される群から選択される1つよりも多くの置換基で置換され得る場合、その置換基は、各々全ての位置で同じであっても、または異なってもよい。本発明によって想定される置換基の組み合わせは、好ましくは、安定なまたは化学的に可能な化合物の形成をもたらすものである。本明細書で使用される「安定な」という用語は、それらの生産、検出、ならびに、ある特定の実施形態では、本明細書に開示される目的のうちの1つまたは複数に向けたそれらの回収、精製、及び使用を可能にする条件に供した際に、実質的に変化しない化合物を指す。
置換可能な炭素上の任意選択的な各置換基は、ハロゲン、-(CH0-4R°、-(CH0-4OR°、-O(CH0-4R°、-O-(CH0-4C(O)OR°、-(CH0-4CH(OR°)、-(CH0-4SR°、-(CH0-4Ph(これはR°と置換されてもよい)、-(CH0-4O(CH0-1Ph(これはR°と置換されてもよい)、-CH=CHPh(これはR°と置換されてもよい)、-(CH0-4O(CH0-1-ピリジル(これはR°と置換されてもよい)、-NO、-CN、-N、-(CH0-4N(R°)、-(CH0-4N(R°)C(O)R°、-N(R°)C(S)R°、-(CH0-4N(R°)C(O)NR°、-N(R°)C(S)NR°、-(CH0-4N(R°)C(O)OR°、-N(R°)N(R°)C(O)R°、-N(R°)N(R°)C(O)NR°、-N(R°)N(R°)C(O)OR°、-(CH0-4C(O)R°、-C(S)R°、-(CH0-4C(O)OR°、-(CH0-4C(O)SR°、-(CH0-4C(O)OSiR°、-(CH0-4OC(O)R°、-OC(O)(CH0-4SR-、SC(S)SR°、-(CH0-4SC(O)R°、-(CH0-4C(O)NR°、-C(S)NR°、-C(S)SR°、-SC(S)SR°、-(CH0-4OC(O)NR°、-C(O)N(OR°)R°、-C(O)C(O)R°、-C(O)CHC(O)R°、-C(NOR°)R°、-(CH0-4SSR°、-(CH0-4S(O)R°、-(CH0-4S(O)OR°、-(CH0-4OS(O)R°、-S(O)NR°、-S(O)(NR°)R°、-S(O)N=C(NR°、-(CH0-4S(O)R°、-N(R°)S(O)NR°、-N(R°)S(O)R°、-N(OR°)R°、-C(NH)NR°、-P(O)R°、-P(O)R°、-OP(O)R°、-OP(O)(OR°)、SiR°、-(C1-4直鎖または分岐状アルキレン)O-N(R°)、または-(C1-4直鎖または分岐状アルキレン)C(O)O-N(R°)から独立して選択される一価置換基である。
各R°は独立して、水素、C1-6脂肪族、-CHPh、-O(CH0-1Ph、-CH-(5~6員のヘテロアリール環)、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する5~6員の飽和環、部分的に不飽和の環、もしくはアリール環であるか、あるいは、上記の定義にかかわらず、R°の2つの独立した存在例が、それらの介在原子(複数可)と一緒になって、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する3~12員の飽和、部分的に不飽和の、またはアリールの単環式または二環式環を形成するか(これはR°の飽和炭素原子上で、=O及び=Sから選択される二価置換基で置換されてもよい)、あるいは各R°は、ハロゲン、-(CH0-2、-(ハロR)、-(CH0-2OH、-(CH0-2OR、-(CH0-2CH(OR、-O(ハロR)、-CN、-N、-(CH0-2C(O)R、-(CH0-2C(O)OH、-(CH0-2C(O)OR、-(CH0-2SR、-(CH0-2SH、-(CH0-2NH、-(CH0-2NHR、-(CH0-2NR 、-NO、-SiR 、-OSiR 、-C(O)SR -(C1-4直鎖または分岐状アルキレン)C(O)OR、または-SSRから独立して選択される一価置換基と任意選択で置換される。
各Rは独立して、C1-4脂肪族、-CHPh、-O(CH0-1Ph、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する5~6員の飽和環、部分的に不飽和の環、もしくはアリール環から選択され、ここで、各Rが、非置換であるか、またはハロが前に付く場合、1つもしくは複数のハロゲンのみと置換されているか、あるいは飽和炭素上の任意選択的な置換基が、=O、=S、=NNR 、=NNHC(O)R、=NNHC(O)OR、=NNHS(O)、=NR、=NOR、-O(C(R ))2-3O-、または-S(C(R ))2-3S-から独立して選択される二価置換基であるか、または「任意選択で置換される」基のビシナル置換可能な炭素に結合した二価置換基が、-O(CR 2-3O-であり、式中、Rの各々独立した存在例が、水素、C1-6脂肪族、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する非置換の5~6員の飽和環、部分的に不飽和の環、もしくはアリール環から選択される。
がC1-6脂肪族である場合、Rは、任意選択で、ハロゲン、-R、-(ハロR)、-OH、-OR、-O(ハロR)、-CN、-C(O)OH、-C(O)OR、-NH、-NHR、-NR 、または-NOと置換され、式中、各Rが独立して、C1-4脂肪族、-CHPh、-O(CH0-1Ph、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する5~6員の飽和環、部分的に不飽和の環、もしくはアリール環から選択され、各Rが、非置換であるか、またはハロが前に付く場合、1つもしくは複数のハロゲンのみと置換されている。
置換可能な窒素上の任意選択的な置換基は独立して、-R、-NR 、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)C(O)R、-C(O)CHC(O)R、-S(O)、-S(O)NR 、-C(S)NR 、-C(NH)NR 、または-N(R)S(O)であり、式中、各Rが独立して、水素、C1-6脂肪族、非置換-OPh、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する非置換の5~6員の飽和環、部分的に不飽和の環、もしくはアリール環であるか、あるいは、Rの2つの独立した存在例が、それらの介在原子(複数可)と一緒になって、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する非置換の3~12員の飽和、部分的に不飽和の、またはアリールの単環式または二環式環を形成し、RがC1-6脂肪族である場合、Rは、任意選択で、ハロゲン、-R、-(ハロR)、-OH、-OR、-O(ハロR)、-CN、-C(O)OH、-C(O)OR、-NH、-NHR、-NR 、または-NOで置換され、式中、各Rが独立して、C1-4脂肪族、-CHPh、-O(CH0-1Ph、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する5~6員の飽和環、部分的に不飽和の環、もしくはアリール環から選択され、各Rが、非置換であるか、またはハロが前に付く場合、1つもしくは複数のハロゲンのみと置換されている。
本明細書で使用されるとき、「薬学的に許容される塩」という用語は、賢明な医療判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー応答等を伴わずにヒト及び下等動物の組織と接触して使用するのに好適であり、合理的なベネフィット/リスク比に見合った塩を指す。薬学的に許容される塩は、当該技術分野で周知である。例えば、S.M.Bergeらは、J.Pharmaceutical Sciences,1977,66,1-19(参照により本明細書に援用される)において、薬学的に許容される塩について詳細に記載している。本発明の化合物の薬学的に許容される塩には、好適な無機及び有機の酸及び塩基に由来するものが含まれる。薬学的に許容される無毒の酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、及び過塩素酸等の無機酸とともに形成される、または酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、もしくはマロン酸等の有機酸とともに形成される、あるいはイオン交換等の当該技術分野で使用される他の方法を使用することによって形成されるアミノ基の塩である。他の薬学的に許容される塩には、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩(hydroiodide)、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩(pectinate)、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピバル酸塩(pivalate)、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩(undecanoate)、吉草酸塩等が含まれる。
適切な塩基に由来する塩には、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、及びN(C1-4アルキル)塩が含まれる。代表的なアルカリ塩またはアルカリ土類金属塩には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等が含まれる。さらなる薬学的に許容される塩には、適切な場合、ハロゲン化物、水酸化物、カルボキシレート、サルフェート、ホスフェート、ナイトレート、低級アルキルスルホネート、及びアリールスルホネート等の対イオンを使用して形成される、無毒のアンモニウム、第四級アンモニウム、及びアミンカチオンが含まれる。
別途定めのない限り、本明細書に図示される構造はまた、その構造の全ての異性体(例えば、エナンチオマー、ジアステレオマー、及び幾何(または配座))形態、例えば、各不斉中心についてのR及びS配置、Z及びE二重結合異性体、ならびにZ及びE配座異性体を含むことも意図する。したがって、本化合物の単一の立体化学異性体、ならびにエナンチオマー、ジアステレオマー、及び幾何(または配座)混合物が本発明の範囲内にある。別途定めのない限り、本発明の化合物の全ての互変異性体形態が本発明の範囲内にある。さらに、別途定めのない限り、本明細書に図示される構造はまた、1個または複数の同位体濃縮された原子が存在する点においてのみ異なる化合物を含むことも意図する。例えば、水素のジュウテリウムもしくはトリチウムとの置き換えを含めた、または炭素の13C濃縮もしくは14C濃縮炭素との置き換えを含めた、現構造を有する化合物が本発明の範囲内にある。かかる化合物は、例えば、分析ツールとして、生物学的アッセイにおけるプローブとして、または本発明による治療剤として有用である。ある特定の実施形態では、提供される化合物の弾頭部分であるRは、1個または複数のジュウテリウム原子を含む。
本明細書で使用されるとき、「阻害剤」という用語は、測定可能な親和性でeIF4Eに結合する及び/またはそれを阻害する化合物として定義される。ある特定の実施形態では、阻害剤は、約100μM未満、約50μM未満、約22.5μM未満、約15uM未満、または約7.5μM未満のIC50及び/または結合定数を有する。
本明細書で使用される「測定可能な親和性」及び「測定可能に阻害する」という用語は、本発明の化合物またはその組成物、及びeIF4Eを含む試料と、該化合物またはその組成物の不在下でeIF4Eを含む同等の試料との間のeIF4E活性の測定可能な変化を意味する。
3.例示的な実施形態の説明:
一態様では、本発明は、式I:
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供し、式中、
環Aが、フェニル、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~6員の単環式ヘテロ芳香環、3~7員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式炭素環、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する3~7員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式複素環、8~10員の二環式芳香族炭素環、または窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する8~10員の二環式ヘテロ芳香環から選択される、任意選択で置換される環であり、
が、結合、または任意選択で置換される二価の直鎖もしくは分岐状C1-8炭化水素鎖であり、該炭化水素鎖の1、2、3、または4個のメチレン単位が、任意選択でかつ独立して、-O-、-S-、-N(R)-、-C(O)-、または-S(O)-と置き換えられ、
が、ハロゲン、R、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)N(R)、-S(O)R、-S(O)OR、または-S(O)N(R)であり、
が、結合、または任意選択で置換される二価の直鎖もしくは分岐状C1-8炭化水素鎖であり、該炭化水素鎖の1、2、3、または4個のメチレン単位が、任意選択でかつ独立して、-O-、-S-、-N(R)-、-C(O)-、-S(O)-、または-Cy-と置き換えられ、
が、-CN、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)N(R)、-N(R)-C(O)-R、-N(R)-C(O)-OR、-S(O)-N(R)、-S(O)-N(R)-C(O)R、-C(O)-N(R)-S(O)R、-C(=NR)-N(R)、-N(R)-C(=NR)-N(R)、または窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~6員の単環式ヘテロ芳香環であり、
-Cy-が、フェニレン、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~6員の単環式ヘテロ芳香環、3~7員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式炭素環、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する3~7員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式複素環、8~10員の二環式芳香族炭素環、または窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する8~10員の二環式ヘテロ芳香環から選択される、任意選択で置換される二価の環であり、
Rが、水素、任意選択で置換される-C1-6脂肪族であるか、あるいはフェニル、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~6員の単環式ヘテロ芳香環、3~7員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式炭素環、または窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する3~7員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式複素環から選択される、任意選択で置換される環である。
上記で一般に定義されるように、環Aは、フェニル、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~6員の単環式ヘテロ芳香環、3~7員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式炭素環、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する3~7員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式複素環、8~10員の二環式芳香族炭素環、または窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する8~10員の二環式ヘテロ芳香環から選択される、任意選択で置換される環である。
一部の実施形態では、環Aは、任意選択で置換されるフェニルである。
一部の実施形態では、環Aは、
であり、式中、各Rは独立して、ハロゲン、R、-N(R)、-OR、-SR、-C(O)OR、または-S(O)Rであり、nは、0、1、2、3、4、または5であり、各Rは独立して、本明細書に記載される通りである。
一部の実施形態では、Rは、ハロゲンである。一部の実施形態では、Rは、-Clである。一部の実施形態では、Rは、-Fである。
一部の実施形態では、Rは、本明細書に記載されるようなRである。一部の実施形態では、Rは、-N(R)であり、式中、各Rは独立して、本明細書に記載される通りである。一部の実施形態では、Rは、-ORであり、式中、Rは、本明細書に記載される通りである。一部の実施形態では、Rは、-SRであり、式中、Rは、本明細書に記載される通りである。一部の実施形態では、Rは、-C(O)ORであり、式中、Rは、本明細書に記載される通りである。一部の実施形態では、Rは、-S(O)Rであり、式中、Rは、本明細書に記載される通りである。
一部の実施形態では、Rは、水素、-Cl、-CF、-OCF
である。
一部の実施形態では、Rは、下記の表1に図示されるものから選択される。
一部の実施形態では、nは、0である。一部の実施形態では、nは、1である。一部の実施形態では、nは、2である。一部の実施形態では、nは、3である。一部の実施形態では、nは、4である。一部の実施形態では、nは、5である。
一部の実施形態では、環Aは、
であり、式中、R11及びR12の各々は独立して、ハロゲン、R、-N(R)、-OR、-SR、-C(O)OR、または-S(O)であり、式中、各Rは独立して、本明細書に記載されるようなRである。
一部の実施形態では、環Aは、
であり、式中、R11及びR12の各々は独立して、ハロゲン、R、-N(R)、-OR、-SR、-C(O)OR、または-S(O)Rであり、式中、各Rは独立して、本明細書に記載される通りである。
一部の実施形態では、R11は、ハロゲンである。一部の実施形態では、R11は、本明細書に記載されるようなRである。一部の実施形態では、R11は、-N(R)であり、式中、各Rは独立して、本明細書に記載される通りである。一部の実施形態では、R11は、-ORであり、式中、Rは、本明細書に記載される通りである。一部の実施形態では、R11は、-SRであり、式中、Rは、本明細書に記載される通りである。一部の実施形態では、R11は、-C(O)ORであり、式中、Rは、本明細書に記載される通りである。一部の実施形態では、R11は、-S(O)Rであり、式中、Rは、本明細書に記載される通りである。
一部の実施形態では、R12は、ハロゲンである。一部の実施形態では、R12は、本明細書に記載されるようなRである。一部の実施形態では、R12は、-N(R)であり、式中、各Rは独立して、本明細書に記載される通りである。一部の実施形態では、R12は、-ORであり、式中、Rは、本明細書に記載される通りである。一部の実施形態では、R12は、-SRであり、式中、Rは、本明細書に記載される通りである。一部の実施形態では、R12は、-C(O)ORであり、式中、Rは、本明細書に記載される通りである。一部の実施形態では、R12は、-S(O)Rであり、式中、Rは、本明細書に記載される通りである。
一部の実施形態では、R11は、水素、-Cl、-CF、-OCF
である。
一部の実施形態では、R12のうちの少なくとも1つは、水素ではない。一部の実施形態では、R12は、-Clである。
一部の実施形態では、環Aは、以下のものから選択される。
一部の実施形態では、環Aは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5~6員の単環式ヘテロ芳香環である。一部の実施形態では、環Aは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1、2、または3個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5員の単環式ヘテロ芳香環である。一部の実施形態では、環Aは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1、2、または3個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される6員の単環式ヘテロ芳香環である。一部の実施形態では、環Aは、任意選択で置換されるフェニルである。一部の実施形態では、環Aは、任意選択で置換される
である。一部の実施形態では、環Aは、
である。一部の実施形態では、環Aは、
である。
一部の実施形態では、環Aは、任意選択で置換される3、4、5、6、または7員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式炭素環である。一部の実施形態では、環Aは、任意選択で置換される4、5、または6員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式炭素環である。一部の実施形態では、環Aは、任意選択で置換される
である。
一部の実施形態では、環Aは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3、4、5、6、または7員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式複素環である。一部の実施形態では、環Aは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される4、5、または6員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式複素環である。一部の実施形態では、環Aは、任意選択で置換される
である。一部の実施形態では、環Aは、任意選択で置換される
である。
一部の実施形態では、環Aは、任意選択で置換される8~10員の二環式芳香族炭素環である。一部の実施形態では、環Aは、任意選択で置換される8員の二環式芳香族炭素環である。一部の実施形態では、環Aは、任意選択で置換される9員の二環式芳香族炭素環である。一部の実施形態では、環Aは、任意選択で置換される10員の二環式芳香族炭素環である。一部の実施形態では、環Aは、任意選択で置換される
である。一部の実施形態では、環Aは、任意選択で置換される
である。
一部の実施形態では、環Aは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される8~10員の二環式ヘテロ芳香環である。一部の実施形態では、環Aは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1、2、または3個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される8員の二環式ヘテロ芳香環である。一部の実施形態では、環Aは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1、2、または3個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される9員の二環式ヘテロ芳香環である。一部の実施形態では、環Aは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1、2、または3個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される10員の二環式ヘテロ芳香環である。一部の実施形態では、環Aは、任意選択で置換されるインドールである。一部の実施形態では、環Aは、任意選択で置換される
である。
一部の実施形態では、環Aは、下記の表1に図示されるものから選択される。
上記で一般に定義されるように、Lは、結合、または任意選択で置換される二価の直鎖もしくは分岐状C1-8炭化水素鎖であり、該炭化水素鎖の1、2、3、または4個のメチレン単位が、任意選択でかつ独立して、-O-、-S-、-N(R)-、-C(O)-、または-S(O)-と置き換えられる。
一部の実施形態では、Lは、結合である。
一部の実施形態では、Lは、任意選択で置換される二価の直鎖または分岐状C1-8炭化水素鎖であり、該炭化水素鎖の1、2、3、または4個のメチレン単位が、任意選択でかつ独立して、-O-、-S-、-N(R)-、-C(O)-、または-S(O)-と置き換えられる。一部の実施形態では、Lは、二価の直鎖または分岐状の非置換C1-8炭化水素鎖である。一部の実施形態では、Lは、二価の直鎖または分岐状C1-8炭化水素鎖であり、該炭化水素鎖の1個のメチレン単位が、-O-、-S-、-N(R)-、-C(O)-、または-S(O)-と置き換えられる。一部の実施形態では、Lは、二価の直鎖または分岐状C1-8炭化水素鎖であり、該炭化水素鎖の2個のメチレン単位が独立して、-O-、-S-、-N(R)-、-C(O)-、または-S(O)-と置き換えられる。
一部の実施形態では、Lは、下記の表1に図示されるものから選択される。
上記で一般に定義されるように、Rは、ハロゲン、R、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)N(R)、-S(O)R、-S(O)OR、または-S(O)N(R)である。
一部の実施形態では、Rは、ハロゲンである。一部の実施形態では、Rは、Rである。一部の実施形態では、Rは、-ORである。一部の実施形態では、Rは、-SRである。一部の実施形態では、Rは、-C(O)Rである。一部の実施形態では、Rは、-C(O)ORである。一部の実施形態では、Rは、-C(O)N(R)である。一部の実施形態では、Rは、-S(O)Rである。一部の実施形態では、Rは、-S(O)ORである。一部の実施形態では、Rは、-S(O)N(R)である。
一部の実施形態では、Rは、水素ではない。
一部の実施形態では、Rは、H、-CH
である。
一部の実施形態では、Rは、下記の表1に図示されるものから選択される。
上記で一般に定義されるように、Lは、結合、または任意選択で置換される二価の直鎖もしくは分岐状C1-8炭化水素鎖であり、該炭化水素鎖の1、2、3、または4個のメチレン単位が、任意選択でかつ独立して、-O-、-S-、-N(R)-、-C(O)-、-S(O)-、または-Cy-と置き換えられる。
一部の実施形態では、Lは、結合である。
一部の実施形態では、Lは、任意選択で置換される二価の直鎖または分岐状C1-8炭化水素鎖であり、該炭化水素鎖の1、2、3、または4個のメチレン単位が、任意選択でかつ独立して、-O-、-S-、-N(R)-、-C(O)-、-S(O)-、または-Cy-と置き換えられる。一部の実施形態では、Lは、二価の直鎖または分岐状の非置換C1-8炭化水素鎖である。一部の実施形態では、Lは、任意選択で置換される二価の直鎖または分岐状C1-8炭化水素鎖であり、該炭化水素鎖の1個のメチレン単位が、-O-、-S-、-N(R)-、-C(O)-、-S(O)-、または-Cy-と置き換えられる。一部の実施形態では、Lは、任意選択で置換される二価の直鎖または分岐状C1-8炭化水素鎖であり、該炭化水素鎖の2個のメチレン単位が独立して、-O-、-S-、-N(R)-、-C(O)-、-S(O)-、または-Cy-と置き換えられる。一部の実施形態では、Lは、任意選択で置換される二価の直鎖または分岐状C1-8炭化水素鎖であり、該炭化水素鎖の3個のメチレン単位が独立して、-O-、-S-、-N(R)-、-C(O)-、-S(O)-、または-Cy-と置き換えられる。一部の実施形態では、Lは、任意選択で置換される二価の直鎖または分岐状C1-8炭化水素鎖であり、該炭化水素鎖の4個のメチレン単位が独立して、-O-、-S-、-N(R)-、-C(O)-、-S(O)-、または-Cy-と置き換えられる。
一部の実施形態では、Lは、カルボキサミドまたはスルホンアミド部分を介してはチアゾール部分に結合しない。
一部の実施形態では、Lは、ジアゾール部分を介してはチアゾール部分に結合しない。
一部の実施形態では、Lは、任意選択で置換される二価の直鎖または分岐状C1-8炭化水素鎖であり、該炭化水素鎖の2個のメチレン単位が独立して、-N(R)-及び-Cy-と置き換えられる。
一部の実施形態では、Lは、-Cy-N(R)-であり、式中、-Cy-及びRは独立して、本明細書に記載される通りである。
一部の実施形態では、Lは、
であり、式中、Rは、本明細書に記載される通りである。一部の実施形態では、Lは、
であり、式中、Rは、本明細書に記載される通りである。
一部の実施形態では、Lは、
である。
一部の実施形態では、Lは、下記の表1に図示されるものから選択される。
上記で一般に定義されるように、Rは、-CN、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)N(R)、-N(R)-C(O)-R、-N(R)-C(O)-OR、-S(O)-N(R)、-S(O)-N(R)-C(O)R、-C(O)-N(R)-S(O)R、-C(=NR)-N(R)、-N(R)-C(=NR)-N(R)、または窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~6員の単環式ヘテロ芳香環である。
一部の実施形態では、Rは、-CNである。一部の実施形態では、Rは、-C(O)Rである。一部の実施形態では、Rは、-C(O)ORである。一部の実施形態では、Rは、-C(O)N(R)である。一部の実施形態では、Rは、-N(R)-C(O)-Rである。一部の実施形態では、Rは、-N(R)-C(O)-ORである。一部の実施形態では、Rは、-S(O)-N(R)である。一部の実施形態では、Rは、-S(O)-N(R)-C(O)Rである。一部の実施形態では、Rは、-C(O)-N(R)-S(O)Rである。一部の実施形態では、Rは、-C(=NR)-N(R)である。一部の実施形態では、Rは、-N(R)-C(=NR)-N(R)である。一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1、2、3、または4個のヘテロ原子を有する5~6員の単環式ヘテロ芳香環である。
一部の実施形態では、Rは、-COOHである。
一部の実施形態では、Rは、下記の表1に図示されるものから選択される。
上記で一般に定義されるように、-Cy-は、フェニレン、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~6員の単環式ヘテロ芳香環、3~7員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式炭素環、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する3~7員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式複素環、8~10員の二環式芳香族炭素環、または窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する8~10員の二環式ヘテロ芳香環から選択される、任意選択で置換される二価の環である。
一部の実施形態では、-Cy-は、任意選択で置換されるフェニレンである。
一部の実施形態では、-Cy-は、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1、2、3、または4個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される二価の5~6員の単環式ヘテロ芳香環である。一部の実施形態では、-Cy-は、任意選択で置換される二価のピリジン環である。一部の実施形態では、-Cy-は、任意選択で置換される二価のピリダジン環である。一部の実施形態では、-Cy-は、任意選択で置換される二価のチオフェン環である。
一部の実施形態では、-Cy-は、任意選択で置換される二価の3、4、5、6、または7員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式炭素環である。
一部の実施形態では、-Cy-は、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1、2、3、または4個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される二価の3、4、5、6、または7員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式複素環である。一部の実施形態では、-Cy-は、任意選択で置換される二価のモルホリン環である。一部の実施形態では、-Cy-は、任意選択で置換される二価のピペラジン環である。
一部の実施形態では、-Cy-は、任意選択で置換される二価の8、9、または10員の二環式芳香族炭素環である。一部の実施形態では、-Cy-は、任意選択で置換される二価のベンゾチオフェン環である。
一部の実施形態では、-Cy-は、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1、2、3、または4個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される二価の8、9、または10員の二環式ヘテロ芳香環である。
一部の実施形態では、-Cy-は、
である。
一部の実施形態では、-Cy-は、下記の表1に図示されるものから選択される。
上記で一般に定義されるように、Rは、水素、任意選択で置換される-C1-6脂肪族であるか、あるいはフェニル、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~6員の単環式ヘテロ芳香環、3~7員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式炭素環、または窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する3~7員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式複素環から選択される、任意選択で置換される環である。
一部の実施形態では、Rは、水素である。
一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換される-C1-6脂肪族である。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換される-C1-6アルキルである。一部の実施形態では、Rは、非置換-C1-6アルキルである。一部の実施形態では、Rは、ハロゲンで1、2、3、4、5、または6回置換された-C1-6アルキルである。一部の実施形態では、Rは、フェニル基で置換された-C1-6アルキルであり、該フェニル基が、任意選択で置換される。一部の実施形態では、Rは、フェニル基で置換された-C1-6アルキルであり、該フェニル基が、ハロゲンで1、2、3、4、または5回置換されている。一部の実施形態では、Rは、-CHである。一部の実施形態では、Rは、-CHCHである。一部の実施形態では、Rは、-CFである。一部の実施形態では、Rは、
である。一部の実施形態では、Rは、
である。一部の実施形態では、Rは、
である。
一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換されるフェニルである。一部の実施形態では、Rは、非置換フェニルである。一部の実施形態では、Rは、ハロゲンで1、2、3、4、または5回置換されたフェニルである。一部の実施形態では、Rは、-C1-6アルキルで1、2、3、4、または5回置換されたフェニルであり、-C1-6アルキルが、任意選択で、ハロゲンで1、2、3、4、5、または6回置換される。
一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5~6員の単環式ヘテロ芳香環である。一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1、2、または3個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される5~6員の単環式ヘテロ芳香環である。一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1、2、または3個のヘテロ原子を有する5~6員の単環式ヘテロ芳香環であり、これは任意選択で、ハロゲンで1、2、3、4、5、または6回置換される。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換される
である。
一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換される3、4、5、6、または7員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式炭素環である。一部の実施形態では、Rは、ハロゲンで1、2、3、4、5、または6回置換された、3、4、5、6、または7員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式炭素環である。一部の実施形態では、Rは、-C1-6アルキルで1、2、3、4、5、または6回、1、2、3、4、または5回置換された、3、4、5、6、または7員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式炭素環であり、-C1-6アルキルが、任意選択で、ハロゲンで1、2、3、4、5、または6回置換される。一部の実施形態では、Rは、任意選択で置換される
である。
一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1、2、3、または4個のヘテロ原子を有する、任意選択で置換される3、4、5、6、または7員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式複素環である。一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1、2、3、または4個のヘテロ原子を有する、3、4、5、6、または7員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式複素環であり、これはハロゲンで1、2、3、4、5、または6回置換されている。一部の実施形態では、Rは、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1、2、3、または4個のヘテロ原子を有する、3、4、5、6、または7員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式複素環であり、これは-C1-6アルキルで1、2、3、4、5、または6回置換されており、-C1-6アルキルが、任意選択で、ハロゲンで1、2、3、4、5、または6回置換される。一部の実施形態では、Rは、-CFである。
一部の実施形態では、Rは、下記の表1に図示されるものから選択される。
一部の実施形態では、本発明は、式II:
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供し、式中、R、R、R、L、L、及びnの各々は、単一で及び組み合わせての両方で、上記に定義されるとともに、本明細書における実施形態に記載される通りである。
一部の実施形態では、本発明は、式II-a~II-d:
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供し、式中、R11、R12、R、R、及びLの各々は、単一で及び組み合わせての両方で、上記に定義されるとともに、本明細書における実施形態に記載される通りである。
一部の実施形態では、本発明は、式III:
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供し、式中、R、R、L、L、及びnの各々は、単一で及び組み合わせての両方で、上記に定義されるとともに、本明細書における実施形態に記載される通りである。
一部の実施形態では、本発明は、式III-a~III-d:
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供し、式中、R11、R12、R、及びLの各々は、単一で及び組み合わせての両方で、上記に定義されるとともに、本明細書における実施形態に記載される通りである。
一部の実施形態では、本発明は、式IV:
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供し、式中、R、R、L、L、及びnの各々は、単一で及び組み合わせての両方で、上記に定義されるとともに、本明細書における実施形態に記載される通りである。
一部の実施形態では、本発明は、式IV-a~IV-d:
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供し、式中、R11、R12、R、及びLの各々は、単一で及び組み合わせての両方で、上記に定義されるとともに、本明細書における実施形態に記載される通りである。
一部の実施形態では、本発明は、式V:
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供し、式中、R、R、R、R、L、及びnの各々は、単一で及び組み合わせての両方で、上記に定義されるとともに、本明細書における実施形態に記載される通りである。
一部の実施形態では、本発明は、式V-a~V-d:
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供し、式中、R11、R12、R、R、及びRの各々は、単一で及び組み合わせての両方で、上記に定義されるとともに、本明細書における実施形態に記載される通りである。
一部の実施形態では、本発明は、式VI:
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供し、式中、R、R、R、R、L、及びnの各々は、単一で及び組み合わせての両方で、上記に定義されるとともに、本明細書における実施形態に記載される通りである。
一部の実施形態では、本発明は、式VI-a~VI-d:
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供し、式中、R11、R12、R、R、及びRの各々は、単一で及び組み合わせての両方で、上記に定義されるとともに、本明細書における実施形態に記載される通りである。
一部の実施形態では、本発明は、式VII:
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供し、式中、R、R、L、L、及びnの各々は、単一で及び組み合わせての両方で、上記に定義されるとともに、本明細書における実施形態に記載される通りである。
一部の実施形態では、本発明は、式VII-a~VII-d:
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供し、式中、R11、R12、R、及びLの各々は、単一で及び組み合わせての両方で、上記に定義されるとともに、本明細書における実施形態に記載される通りである。
一部の実施形態では、本発明は、式VIII:
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供し、式中、R、R、L、及び環Aの各々は、単一で及び組み合わせての両方で、上記に定義されるとともに、本明細書における実施形態に記載される通りである。
一部の実施形態では、本発明は、式VIII-a:
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供し、式中、R、R、R、及びnの各々は、単一で及び組み合わせての両方で、上記に定義されるとともに、本明細書における実施形態に記載される通りである。
一部の実施形態では、本発明は、式VIII-bまたはVIII-c:
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供し、式中、R、R、及びnの各々は、単一で及び組み合わせての両方で、上記に定義されるとともに、本明細書における実施形態に記載される通りである。
一部の実施形態では、本発明は、式VIII-d:
の化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供し、式中、R、R11、及びR12の各々は、単一で及び組み合わせての両方で、上記に定義されるとともに、本明細書における実施形態に記載される通りである。一部の実施形態では、R11は、ハロゲンである。一部の実施形態では、R12は、-ORであり、式中、Rは、本明細書に記載される通りである。一部の実施形態では、R12は、-ORであり、式中、Rは、任意選択で置換される-C1-6脂肪族である。一部の実施形態では、R12は、-ORであり、式中、Rは、任意選択で置換される-C1-6アルキルである。一部の実施形態では、R12は、-ORであり、式中、Rは、非置換-C1-6アルキル、またはハロゲンで1、2、3、4、5、もしくは6回置換された-C1-6アルキルである。一部の実施形態では、R12は、-ORであり、式中、Rは、-C1-6アルキルであり、少なくとも1個のメチレン単位が、-O-で置き換えられる。
本発明の例示的な化合物は、下記の表1に定められる。
一部の実施形態では、本発明は、表1の化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、実施例の節に図示されるものから選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供する。
4.製剤及び投与
4.1薬学的に許容される組成物
別の実施形態によれば、本発明は、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される誘導体と、薬学的に許容される担体、アジュバント、またはビヒクルとを含む、組成物を提供する。本発明の組成物中の化合物の量は、生体試料中または患者においてeIF4Eまたはその変異体を測定可能に阻害するのに有効であるようなものである。ある特定の実施形態では、本発明の組成物中の化合物の量は、生体試料中または患者においてeIF4Eまたはその変異体を測定可能に阻害するのに有効であるようなものである。ある特定の実施形態では、本発明の組成物は、かかる組成物を必要とする患者への投与用に製剤化される。一部の実施形態では、本発明の組成物は、患者への経口投与用に製剤化される。
一部の実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体、アジュバント、またはビヒクルとを含む、薬学的組成物を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、式(II)~(VII)、(II-a)~(VII-a)、(II-b)~(VII-b)の化合物、またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体、アジュバント、またはビヒクルとを含む、薬学的組成物を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、表1の化合物、またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体、アジュバント、またはビヒクルとを含む、薬学的組成物を提供する。
一部の実施形態では、本発明の化合物またはその薬学的に許容される誘導体もしくは組成物は、単一の剤形として単一の組成物中で投与される。
本明細書で使用される「患者」という用語は、動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを意味する。
「薬学的に許容される担体、アジュバント、またはビヒクル」という用語は、それとともに製剤化される化合物の薬理活性を破壊しない無毒の担体、アジュバント、またはビヒクルを指す。本発明の組成物中で使用され得る薬学的に許容される担体、アジュバント、またはビヒクルには、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミン等の血清タンパク質、リン酸塩等の緩衝物質、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩等の塩または電解質、コロイダルシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、ポリエチレングリコール、及び羊毛脂が含まれるが、これらに限定されない。
「薬学的に許容される誘導体」とは、レシピエントに投与すると、直接または間接的にのいずれかで、本発明の化合物または阻害活性をもつその代謝産物もしくは残留物を提供することができる、本発明の化合物の任意の無毒の塩、エステル、エステルの塩、または他の誘導体を意味する。
本明細書で使用されるとき、「阻害活性をもつその代謝産物または残留物」という用語は、その代謝産物または残留物もまた、eIF4Eまたはその変異体の阻害剤であることを意味する。
本発明の組成物は、経口で、非経口で、吸入スプレーによって、局所に、直腸に、鼻腔に、頬側に、膣内に、または埋め込み型リザーバーを介して投与されてもよい。本明細書で使用される「非経口」という用語は、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑液内、胸骨内、髄腔内、肝臓内、病巣内、及び頭蓋内の注射または注入技法を含む。好ましくは、組成物は、経口で、腹腔内に、または静脈内に投与される。本発明の組成物の滅菌注射剤形態は、水性または油性の懸濁液であってもよい。これらの懸濁液は、好適な分散剤または湿潤剤及び懸濁化剤を使用して、当該技術分野で既知の技法に従って製剤化されてもよい。滅菌注射剤調製物はまた、例えば、1,3-ブタンジオール中の溶液としての、無毒の非経口で許容される希釈剤または溶媒中の滅菌注射液または懸濁液であってもよい。用いられ得る許容されるビヒクル及び溶媒の中には、水、リンゲル液、及び等張塩化ナトリウム液がある。加えて、滅菌された固定油が、溶媒または懸濁媒として慣習的に用いられる。
この目的で、合成モノまたはジグリセリドを含めた任意の無刺激性固定油が用いられてもよい。オレイン酸及びそのグリセリド誘導体等の脂肪酸が、注射剤の調製に有用であり、同様に、オリーブ油またはヒマシ油等の天然の薬学的に許容される油も、とりわけそれらのポリオキシエチル化バージョンにおいて有用である。これらの油溶液または懸濁液はまた、乳剤及び懸濁液を含む薬学的に許容される剤形の製剤化に一般的に使用されるカルボキシメチルセルロースまたは類似の分散剤等の、長鎖アルコール希釈剤または分散剤を含有してもよい。薬学的に許容される固体、液体、または他の剤形の製造に一般的に使用される、Tween(登録商標)、Spans(登録商標)、及び他の乳化剤または生物学的利用能強化剤等の、他の一般的に使用される界面活性剤もまた、製剤化の目的で使用されてもよい。
本発明の薬学的に許容される組成物は、カプセル、錠剤、水性懸濁液または水溶液を含むがこれらに限定されない、任意の経口で許容される剤形で経口投与されてもよい。経口使用に向けた錠剤の場合、一般的に使用される担体には、ラクトース及びトウモロコシデンプンが含まれる。ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤もまた典型的に添加される。カプセル形態での経口投与については、有用な希釈剤には、ラクトース及び乾燥トウモロコシデンプンが含まれる。水性懸濁液が経口使用に必要とされる場合、活性成分は、乳化剤及び懸濁化剤と組み合わされる。所望であれば、ある特定の甘味剤、香味剤、または着色剤もまた添加されてもよい。
代替として、本発明の薬学的に許容される組成物は、直腸投与に向けた坐剤の形態で投与されてもよい。これらは、室温では固体であるが、直腸温度では液体であるため直腸内で溶けて薬物を放出する、好適な非刺激性の賦形剤と薬剤を混合することによって調製され得る。かかる材料には、ココアバター、蜜ろう、及びポリエチレングリコールが含まれる。
本発明の薬学的に許容される組成物はまた、とりわけ治療標的が、眼、皮膚、または下部腸管の疾患を含めて、局所適用によって容易に到達可能な領域または臓器を含む場合、局所投与されてもよい。これらの領域または臓器の各々に対して好適な局所製剤が容易に調製される。
下部腸管に対する局所適用は、直腸坐剤製剤(上記を参照されたい)または好適な浣腸製剤で達成され得る。局所的な経皮吸収型貼付剤もまた使用されてもよい。
局所適用については、提供される薬学的に許容される組成物は、1つまたは複数の担体中に縣濁または溶解させた活性構成成分を含有する好適な軟膏中で製剤化されてもよい。本発明の化合物の局所投与のための担体には、鉱油、流動ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ろう、及び水が含まれるが、これらに限定されない。代替として、提供される薬学的に許容される組成物は、1つまたは複数の薬学的に許容される担体中に縣濁または溶解させた活性構成成分を含有する好適なローションまたはクリーム中で製剤化され得る。好適な担体には、鉱油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2-オクチルドデカノール、ベンジルアルコール、及び水が含まれるが、これらに限定されない。
眼科用については、提供される薬学的に許容される組成物は、塩化ベンザルコニウム(benzylalkonium chloride)等の防腐剤の有無にかかわらず、等張性のpH調整済みの滅菌食塩水中の微細化した懸濁液として、または好ましくは、等張性のpH調整済みの滅菌食塩水中の溶液として製剤化されてもよい。代替として、眼科用について、薬学的に許容される組成物は、ワセリン等の軟膏中で製剤化されてもよい。
本発明の薬学的に許容される組成物はまた、鼻腔エアロゾルまたは吸入によって投与されてもよい。かかる組成物は、薬学的製剤の技術分野で周知の技法に従って調製され、ベンジルアルコールもしくは他の好適な防腐剤、生物学的利用能を強化するための吸収促進剤、フッ化炭素、及び/または他の従来の可溶化剤もしくは分散剤を用いて、食塩水中の溶液として調製されてもよい。
最も好ましくは、本発明の薬学的に許容される組成物は、経口投与用に製剤化される。かかる製剤は、食物とともにまたは食物なしで投与されてもよい。一部の実施形態では、本発明の薬学的に許容される組成物は、食物なしで投与される。他の実施形態では、本発明の薬学的に許容される組成物は、食物とともに投与される。
単一の剤形で組成物を生産するように担体材料と組み合わされ得る本発明の化合物の量は、治療されている宿主、特定の投与様式に応じて様々であろう。好ましくは、提供される組成物は、これらの組成物を受ける患者に0.01~100mg/kg体重/日の投薬量の阻害剤が投与され得るように、製剤化されるべきである。
任意の特定の患者に対する具体的な投薬量及び治療レジメンは、用いられる具体的な化合物の活性、年齢、体重、全般的な健康、性別、食生活、投与時間、排泄速度、薬物の組み合わせ、ならびに治療する医師の判断及び治療されている特定の疾患の重症度を含めた、様々な要因に依存するであろうこともまた理解されるべきである。組成物中の本発明の化合物の量はまた、組成物中の特定の化合物にも依存するであろう。
4.2.1つまたは複数の他の治療剤との共投与
治療される特定の病態または疾患に応じて、その病態を治療するために通常投与される追加の治療剤もまた、本発明の組成物中に存在し得る。本明細書で使用されるとき、特定の疾患または病態を治療するために通常投与される追加の治療剤は、「治療されている疾患または病態に適切である」として知られている。
一部の実施形態では、本発明は、開示される疾患または病態の治療方法を提供し、該方法は、それを必要とする患者に、有効量の本明細書に開示される化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することと、有効量の1つまたは複数の追加の治療剤(本明細書に記載されるもの等)を同時にまたは順次に共投与することとを含む。一部の実施形態では、該方法は、1つの追加の治療剤を共投与することを含む。一部の実施形態では、該方法は、2つの追加の治療剤を共投与することを含む。一部の実施形態では、開示される化合物と追加の治療剤(単数または複数)との組み合わせは、相乗的に作用する。
本発明の化合物はまた、既知の治療プロセス、例えば、ホルモンまたは放射線の投与と組み合わせて使用され得る。ある特定の実施形態では、提供される化合物は、とりわけ放射線療法への不十分な感受性を示す腫瘍の治療のために、放射線増感剤として使用される。
本発明の化合物は、単独または1つもしくは複数の他の治療用化合物と組み合わせて投与され得、可能な併用療法は、本発明の化合物と1つもしくは複数の他の治療用化合物との固定された配合、または時間をずらすかもしくは互いに独立して与えられる投与、あるいは固定された配合と1つまたは複数の他の治療用化合物との併用投与の形態をとる。本発明の化合物は、その他にまたは加えて、とりわけ腫瘍治療のために、化学療法、放射線療法、免疫療法、光線療法、外科的介入、またはこれらの組み合わせと組み合わせて投与され得る。上述したような他の治療戦略の関連において、長期療法が同等に可能であり、補助療法も同様である。他の可能な治療は、腫瘍退縮後に患者の状態を維持するための療法、またはさらには、例えば、リスクがある患者における化学予防療法である。
1つまたは複数の他の治療剤(複数可)は、複数投薬レジメンの一部として、本発明の化合物または組成物とは別個に投与され得る。代替として、1つまたは複数の他の治療剤(複数可)は、単一の組成物中で本発明の化合物と一緒に混合された、単一の剤形の一部であってもよい。複数投薬レジームとして投与される場合、1つまたは複数の他の治療剤(複数可)及び本発明の化合物または組成物は、同時に、順次に、または互いから一定期間内に、例えば、互いから1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、18、20、21、22、23、もしくは24時間以内に投与され得る。一部の実施形態では、1つまたは複数の他の治療剤(複数可)及び本発明の化合物または組成物は、複数投薬レジメンとして、24時間超の間隔内で投与される。
本明細書で使用されるとき、「組み合わせ」、「組み合わせた」という用語、及び関連する用語は、本発明による治療剤の同時投与または順次投与を指す。例えば、本発明の化合物は、1つまたは複数の他の治療剤(複数可)とともに、別個の単位剤形中または単一の単位剤形中で一緒に、同時にまたは順次に投与され得る。したがって、本発明は、本発明の化合物と、1つまたは複数の他の治療剤(複数可)と、薬学的に許容される担体、アジュバント、またはビヒクルとを含む、単一の単位剤形を提供する。
単一の剤形を生産するように担体材料と組み合わされ得る、本発明の化合物及び1つまたは複数の他の治療剤(複数可)の(上述したような追加の治療剤を含む組成物中の)量は、治療されている宿主及び特定の投与様式に応じて様々である。好ましくは、本発明の組成物は、0.01~100mg/kg体重/日の投薬量の本発明の化合物が投与され得るように、製剤化されるべきである。
1つまたは複数の他の治療剤(複数可)を含む組成物中では、1つまたは複数の他の治療剤(複数可)及び本発明の化合物は、相乗的に作用し得る。したがって、かかる組成物中の1つまたは複数の他の治療剤(複数可)の量は、その治療剤のみを利用する単剤療法において必要とされる量未満であり得る。かかる組成物中では、0.01~1,000μg/kg体重/日の投薬量の1つまたは複数の他の治療剤(複数可)が投与され得る。
本発明の組成物中に存在する1つまたは複数の他の治療剤(複数可)の量は、その治療剤を唯一の活性薬剤として含む組成物中で通常投与されよう量以下であり得る。好ましくは、本開示の組成物中の1つまたは複数の他の治療剤(複数可)の量は、その薬剤を唯一の治療活性薬剤として含む組成物中に通常存在する量の約50%から100%の範囲である。一部の実施形態では、1つまたは複数の他の治療剤(複数可)は、その薬剤について通常投与される量の約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、または約95%の投薬量で投与される。本明細書で使用されるとき、「通常投与される」という語句は、FDAにより承認された治療剤がFDAのラベル添付文書による投薬に対して承認されている量を意味する。
本発明の化合物またはその薬学的組成物はまた、プロテーゼ、人工弁、血管移植片、ステント及びカテーテル等の植込み型医療デバイスをコーティングするための組成物に組み込まれ得る。例えば、再狭窄(損傷後の血管壁の再狭細化)を克服するために血管用ステントが使用されている。しかしながら、患者がステントまたは他の植込み型デバイスを使用することにより、血塊形成または血小板活性化のリスクが生じる。これらの望まれない作用は、キナーゼ阻害剤を含む薬学的に許容される組成物でデバイスをあらかじめコーティングすることによって予防または軽減され得る。本発明の化合物でコーティングされた植込み型デバイスは、本発明の別の実施形態である。
例示的な他の治療剤
一部の実施形態では、1つまたは複数の他の治療剤は、ポリADPリボースポリメラーゼ(PARP)阻害剤である。一部の実施形態では、PARP阻害剤は、オラパリブ(LYNPARZA(登録商標)、AstraZeneca)、ルカパリブ(RUBRACA(登録商標)、Clovis Oncology)、ニラパリブ(ZEJULA(登録商標)、Tesaro)、タラゾパリブ(MDV3800/BMN 673/LT00673、Medivation/Pfizer/Biomarin)、ベリパリブ(ABT-888、AbbVie)、及びBGB-290(BeiGene、Inc.)から選択される。
一部の実施形態では、1つまたは複数の他の治療剤は、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤である。一部の実施形態では、HDAC阻害剤は、ボリノスタット(ZOLINZA(登録商標)、Merck)、ロミデプシン(ISTODAX(登録商標)、Celgene)、パノビノスタット(FARYDAK(登録商標)、Novartis)、ベリノスタット(BELEODAQ(登録商標)、Spectrum Pharmaceuticals)、エンチノスタット(SNDX-275、Syndax Pharmaceuticals)(NCT00866333)、及びチダミド(EPIDAZA(登録商標)、HBI-8000、Chipscreen Biosciences,China)から選択される。
一部の実施形態では、1つまたは複数の他の治療剤は、CDK4/CDK6阻害剤等のCDK阻害剤である。一部の実施形態では、CDK4/6阻害剤は、パルボシクリブ(IBRANCE(登録商標)、Pfizer)、リボシクリブ(KISQALI(登録商標)、Novartis)、アベマシクリブ(Ly2835219、Eli Lilly)、及びトリラシクリブ(G1T28、G1 Therapeutics)から選択される。
一部の実施形態では、1つまたは複数の他の治療剤は、ホスファチジルイノシトール3キナーゼ(PI3K)阻害剤である。一部の実施形態では、PI3K阻害剤は、イデラリシブ(ZYDELIG(登録商標)、Gilead)、アルペリシブ(BYL719、Novartis)、タセリシブ(GDC-0032、Genentech/Roche)、ピクチリシブ(GDC-0941、Genentech/Roche)、コパンリシブ(BAY806946、Bayer)、デュベリシブ(旧称IPI-145、Infinity Pharmaceuticals)、PQR309(Piqur Therapeutics,Switzerland)、及びTGR1202(旧称RP5230、TG Therapeutics)から選択される。
一部の実施形態では、1つまたは複数の他の治療剤は、白金系治療薬、別称プラチンである。プラチンは、主としてがん細胞等の迅速に複製している細胞において、それらがDNA修復及び/またはDNA合成を阻害するようにDNAの架橋を引き起こす。一部の実施形態では、白金系治療薬は、シスプラチン(PLATINOL(登録商標)、Bristol-Myers Squibb)、カルボプラチン(PARAPLATIN(登録商標)、Bristol-Myers Squibb;また、Teva;Pfizer)、オキサリプラチン(ELOXITIN(登録商標)Sanofi-Aventis)、ネダプラチン(AQUPLA(登録商標)、Shionogi)、ピコプラチン(Poniard Pharmaceuticals)、及びサトラプラチン(JM-216、Agennix)から選択される。
一部の実施形態では、1つまたは複数の他の治療剤は、細胞分裂に必須である微小管の妨害を引き起こす、タキサン化合物である。一部の実施形態では、タキサン化合物は、パクリタキセル(TAXOL(登録商標)、Bristol-Myers Squibb)、ドセタキセル(TAXOTERE(登録商標)、Sanofi-Aventis;DOCEFREZ(登録商標)、Sun Pharmaceutical)、アルブミン結合型パクリタキセル(ABRAXANE(登録商標)、Abraxis/Celgene)、カバジタキセル(JEVTANA(登録商標)、Sanofi-Aventis)、及びSID530(SK Chemicals,Co.)(NCT00931008)から選択される。
一部の実施形態では、1つまたは複数の他の治療剤は、ヌクレオシド阻害剤、すなわち、正常なDNA合成、タンパク質合成、細胞複製に干渉するか、または迅速に増殖している細胞を別様に阻害する治療剤である。
一部の実施形態では、ヌクレオシド阻害剤は、トラベクテジン(グアニジンアルキル化剤、YONDELIS(登録商標)、Janssen Oncology)、メクロレタミン(アルキル化剤、VALCHLOR(登録商標)、Aktelion Pharmaceuticals)、ビンクリスチン(ONCOVIN(登録商標)、Eli Lilly;VINCASAR(登録商標)、Teva Pharmaceuticals;MARQIBO(登録商標)、Talon Therapeutics)、テモゾロミド(アルキル化剤のプロドラッグ5-(3-メチルトリアゼン-1-イル)-イミダゾール-4-カルボキサミド(MTIC)、TEMODAR(登録商標)、Merck)、シタラビン注射液(ara-C、代謝拮抗性シチジン類似体、Pfizer)、ロムスチン(アルキル化剤、CEENU(登録商標)、Bristol-Myers Squibb;GLEOSTINE(登録商標)、NextSource Biotechnology)、アザシチジン(シチジンのピリミジンヌクレオシド類似体、VIDAZA(登録商標)、Celgene)、オマセタキシンメペスクシナート(セファロタキシンエステル)(タンパク質合成阻害剤、SYNRIBO(登録商標)、Teva Pharmaceuticals)、アスパラギナーゼErwinia chrysanthemi(アスパラギンの枯渇のための酵素、ELSPAR(登録商標)、Lundbeck;ERWINAZE(登録商標)、EUSA Pharma)、エリブリンメシル酸塩(微小管阻害剤、チューブリンベースの抗有糸分裂剤、HALAVEN(登録商標)、Eisai)、カバジタキセル(微小管阻害剤、チューブリンベースの抗有糸分裂剤、JEVTANA(登録商標)、Sanofi-Aventis)、カパセトリン(capacetrine)(チミジル酸シンターゼ阻害剤、XELODA(登録商標)、Genentech)、ベンダムスチン(二機能性メクロレタミン誘導体、DNA鎖間架橋を形成すると考えられる、TREANDA(登録商標)、Cephalon/Teva)、イキサベピロン(エポチロンBの半合成類似体、微小管阻害剤、チューブリンベースの抗有糸分裂剤、IXEMPRA(登録商標)、Bristol-Myers Squibb)、ネララビン(デオキシグアノシン類似体のプロドラッグ、ヌクレオシド系代謝阻害剤、ARRANON(登録商標)、Novartis)、クロファラビン(リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤のプロドラッグ、デオキシシチジンの競合的阻害剤、CLOLAR(登録商標)、Sanofi-Aventis)、ならびにトリフルリジン及びチピラシル(チミジンベースのヌクレオシド類似体及びチミジンホスホリラ一ゼ阻害剤、LONSURF(登録商標)、Taiho Oncology)から選択される。
一部の実施形態では、1つまたは複数の他の治療剤は、キナーゼ阻害剤またはVEGF-Rアンタゴニストである。本発明において有用な承認されたVEGF阻害剤及びキナーゼ阻害剤には、抗VEGFモノクローナル抗体であるベバシズマブ(AVASTIN(登録商標)、Genentech/Roche)、抗VEGFR-2抗体であるラムシルマブ(CYRAMZA(登録商標)、Eli Lilly)、及びziv-アフリベルセプト、別名VEGFトラップ(ZALTRAP(登録商標)、Regeneron/Sanofi)が含まれる。レゴラフェニブ(STIVARGA(登録商標)、Bayer)、バンデタニブ(CAPRELSA(登録商標)、AstraZeneca)、アキシチニブ(INLYTA(登録商標)、Pfizer)、及びレンバチニブ(LENVIMA(登録商標)、Eisai)等のVEGFR阻害剤;ソラフェニブ(NEXAVAR(登録商標)、Bayer AG及びOnyx)、ダブラフェニブ(TAFINLAR(登録商標)、Novartis)、及びベムラフェニブ(ZELBORAF(登録商標)、Genentech/Roche)等のRaf阻害剤;コビメチニブ(cobimetanib)(COTELLIC(登録商標)、Exelexis/Genentech/Roche)、トラメチニブ(MEKINIST(登録商標)、Novartis)等のMEK阻害剤;イマチニブ(GLEEVEC(登録商標)、Novartis)、ニロチニブ(TASIGNA(登録商標)、Novartis)、ダサチニブ(SPRYCEL(登録商標)、BristolMyersSquibb)、ボスチニブ(BOSULIF(登録商標)、Pfizer)、及びポナチニブ(INCLUSIG(登録商標)、Ariad Pharmaceuticals)等のBcr-Ablチロシンキナーゼ阻害剤;ゲフィチニブ(IRESSA(登録商標)、AstraZeneca)、エルロチニブ(TARCEEVA(登録商標)、Genentech/Roche/Astellas)、ラパチニブ(TyKERB(登録商標)、Novartis)、アファチニブ(GILOTRIF(登録商標)、Boehringer Ingelheim)、オシメルチニブ(活性化EGFRを標的とする、TAGRISSO(登録商標)、AstraZeneca)、及びブリガチニブ(ALUNBRIG(登録商標)、Ariad Pharmaceuticals)等のHer2及びEGFR阻害剤;カボザンチニブ(COMETRIQ(登録商標)、Exelexis)等のc-Met及びVEGFR2阻害剤;ならびにスニチニブ(SUTENT(登録商標)、Pfizer)、パゾパニブ(VOTRIENT(登録商標)、Novartis)等の多標的キナーゼ阻害剤;クリゾチニブ(XALKORI(登録商標)、Pfizer)、セリチニブ(ZYKADIA(登録商標)、Novartis)、及びアレクチニブ(ALECENZA(登録商標)、Genentech/Roche)等のALK阻害剤;イブルチニブ(IMBRUVICA(登録商標)、Pharmacyclics/Janssen)等のブルトン型チロシンキナーゼ阻害剤;ならびにミドスタウリン(RYDAPT(登録商標)、Novartis)等のFlt3受容体阻害剤。
開発段階にあり、本発明において使用され得る他のキナーゼ阻害剤及びVEGF-Rアンタゴニストには、チボザニブ(Aveo Pharmaecuticals)、バタラニブ(Bayer/Novartis)、ルシタニブ(Clovis Oncology)、ドビチニブ(TKI258、Novartis)、チアウアニブ(Chiauanib)(Chipscreen Biosciences)、CEP-11981(Cephalon)、リニファニブ(Abbott Laboratories)、ネラチニブ(HKI-272、Puma Biotechnology)、ラドチニブ(SUPECT(登録商標)、IY5511、Il-Yang Pharmaceuticals,S.Korea)、ルキソリチニブ(JAKAFI(登録商標)、Incyte Corporation)、PTC299(PTC Therapeutics)、CP-547,632(Pfizer)、フォレチニブ(Exelexis、GlaxoSmithKline)、キザルチニブ(Daiichi Sankyo)、及びモテサニブ(Amgen/Takeda)が含まれる。
一部の実施形態では、1つまたは複数の他の治療剤は、細胞の増殖、血管新生、及びグルコース取り込みを阻害するmTOR阻害剤である。一部の実施形態では、mTOR阻害剤は、エベロリムス(AFINITOR(登録商標)、Novartis)、テムシロリムス(TORISEL(登録商標)、Pfizer)、及びシロリムス(RAPAMUNE(登録商標)、Pfizer)である。
一部の実施形態では、1つまたは複数の他の治療剤は、プロテアソーム阻害剤である。本発明において有用な承認されたプロテアソーム阻害剤には、ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標)、Takeda)、カルフィルゾミブ(KYPROLIS(登録商標)、Amgen)、及びイキサゾミブ(NINLARO(登録商標)、Takeda)が含まれる。
一部の実施形態では、1つまたは複数の他の治療剤は、血小板由来成長因子(PDGF)、または上皮成長因子(EGF)もしくはその受容体(EGFR)のアンタゴニスト等の、成長因子アンタゴニストである。本発明において使用され得る承認されたPDGFアンタゴニストには、オララツマブ(LARTRUVO(登録商標)、Eli Lilly)が含まれる。本発明において使用され得る承認されたEGFRアンタゴニストには、セツキシマブ(ERBITUX(登録商標)、Eli Lilly)、ネシツムマブ(PORTRAZZA(登録商標)、Eli Lilly)、パニツムマブ(VECTIBIX(登録商標)、Amgen)、及びオシメルチニブ(活性化EGFRを標的とする、TAGRISSO(登録商標)、AstraZeneca)が含まれる。
一部の実施形態では、1つまたは複数の他の治療剤は、アロマターゼ阻害剤である。一部の実施形態では、アロマターゼ阻害剤は、エキセメスタン(AROMASIN(登録商標)、Pfizer)、アナストロゾール(ARIMIDEX(登録商標)、AstraZeneca)、及びレトロゾール(FEMARA(登録商標)、Novartis)から選択される。
一部の実施形態では、1つまたは複数の他の治療剤は、ヘッジホッグ経路のアンタゴニストである。本発明において使用され得る承認されたヘッジホッグ経路阻害剤には、ソニデギブ(ODOMZO(登録商標)、Sun Pharmaceuticals)、及びビスモデギブ(ERIVEDGE(登録商標)、Genentech)(いずれも基底細胞癌の治療のため)が含まれる。
一部の実施形態では、1つまたは複数の他の治療剤は、葉酸阻害剤である。本発明において有用な承認された葉酸阻害剤には、ペメトレキセド(ALIMTA(登録商標)、Eli Lilly)が含まれる。
一部の実施形態では、1つまたは複数の他の治療剤は、CCケモカイン受容体4(CCR4)阻害剤である。本発明において有用であり得る、研究が進行中のCCR4阻害剤には、モガムリズマブ(POTELIGEO(登録商標)、Kyowa Hakko Kirin,Japan)が含まれる。
一部の実施形態では、1つまたは複数の他の治療剤は、イソクエン酸デヒドロゲナーゼ(IDH)阻害剤である。本発明において使用され得る、研究が進行中のIDH阻害剤には、AG120(Celgene、NCT02677922)、AG221(Celgene、NCT02677922、NCT02577406)、BAY1436032(Bayer、NCT02746081)、IDH305(Novartis、NCT02987010)が含まれる。
一部の実施形態では、1つまたは複数の他の治療剤は、アルギナーゼ阻害剤である。本発明において使用され得る、研究が進行中のアルギナーゼ阻害剤には、急性骨髄性白血病及び骨髄異形成症候群(NCT02732184)ならびに固形腫瘍(NCT02561234)に対する第1相臨床試験において研究が進行しているAEB1102(ペグ化組換えアルギナーゼ、Aeglea Biotherapeutics)、ならびにCB-1158(Calithera Biosciences)が含まれる。
一部の実施形態では、1つまたは複数の他の治療剤は、グルタミナーゼ阻害剤である。本発明において使用され得る、研究が進行中のグルタミナーゼ阻害剤には、CB-839(Calithera Biosciences)が含まれる。
一部の実施形態では、1つまたは複数の他の治療剤は、腫瘍抗原、つまり腫瘍細胞の細胞表面上に発現したタンパク質に結合する、抗体である。本発明において使用され得る、腫瘍抗原に結合する承認された抗体には、リツキシマブ(RITUXAN(登録商標)、Genentech/BiogenIdec)、オファツムマブ(抗CD20、ARZERRA(登録商標)、GlaxoSmithKline)、オビヌツズマブ(抗CD20、GAZYVA(登録商標)、Genentech)、イブリツモマブ(抗CD20及びイットリウム-90、ZEVALIN(登録商標)、Spectrum Pharmaceuticals)、ダラツムマブ(抗CD38、DARZALEX(登録商標)、Janssen Biotech)、ジヌツキシマブ(抗糖脂質GD2、UNITUXIN(登録商標)、United Therapeutics)、トラスツズマブ(抗HER2、HERCEPTIN(登録商標)、Genentech)、アド-トラスツズマブエムタンシン(抗HER2、エムタンシンに融合、KADCYLA(登録商標)、Genentech)、及びペルツズマブ(抗HER2、PERJETA(登録商標)、Genentech)、及びブレンツキシマブベドチン(抗CD30-薬物コンジュゲート、ADCETRIS(登録商標)、Seattle Genetics)が含まれる。
一部の実施形態では、1つまたは複数の他の治療剤は、トポイソメラーゼ阻害剤である。本発明において有用な承認されたトポイソメラーゼ阻害剤には、イリノテカン(ONIVYDE(登録商標)、Merrimack Pharmaceuticals)、トポテカン(HYCAMTIN(登録商標)、GlaxoSmithKline)が含まれる。本発明において使用され得る、研究が進行中のトポイソメラーゼ阻害剤には、ピクサントロン(PIXUVRI(登録商標)、CTI Biopharma)が含まれる。
一部の実施形態では、1つまたは複数の他の治療剤は、BCL-2等の抗アポトーシスタンパク質の阻害剤である。本発明において使用され得る承認された抗アポトーシス薬には、ベネトクラクス(VENCLEXTA(登録商標)、AbbVie/Genentech)、及びブリナツモマブ(BLINCYTO(登録商標)、Amgen)が含まれる。臨床試験を経ており、本発明において使用され得る、アポトーシスタンパク質を標的とする他の治療剤には、ナビトクラクス(ABT-263、Abbott)、BCL-2阻害剤(NCT02079740)が含まれる。
一部の実施形態では、1つまたは複数の他の治療剤は、アンドロゲン受容体阻害剤である。本発明において有用な承認されたアンドロゲン受容体阻害剤には、エンザルタミド(XTANDI(登録商標)、Astellas/Medivation)が含まれ、承認されたアンドロゲン合成の阻害剤には、アビラテロン(ZYTIGA(登録商標)、Centocor/Ortho)が含まれ、承認された性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)受容体のアンタゴニスト(デガレリクス、FIRMAGON(登録商標)、Ferring Pharmaceuticals)。
一部の実施形態では、1つまたは複数の他の治療剤は、エストロゲンの合成または活性に干渉する、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)である。本発明において有用な承認されたSERMには、ラロキシフェン(EVISTA(登録商標)、Eli Lilly)が含まれる。
一部の実施形態では、1つまたは複数の他の治療剤は、骨吸収の阻害剤である。骨吸収を阻害する承認された治療薬は、RANKLに結合して、破骨細胞、それらの前駆体、及び破骨細胞様巨細胞の表面上で見出されるその受容体RANKへの結合(これは骨転移を有する固形腫瘍において骨病変を媒介する)を阻止する抗体である、デノスマブ(XGEVA(登録商標)、Amgen)である。骨吸収を阻害する他の承認された治療薬には、ゾレドロン酸(ZOMETA(登録商標)、Novartis)等のビスホスホネートが含まれる。
一部の実施形態では、1つまたは複数の他の治療剤は、2つの主要なp53抑制因子タンパク質であるMDMXとMDM2との間の相互作用の阻害剤である。本発明において使用され得る、研究が進行中のp53抑制タンパク質の阻害剤には、MDMX及びMDM2に等効力で結合して、p53とのそれらの相互作用を妨害するステープル化ペプチドである、ALRN-6924(Aileron)が含まれる。ALRN-6924は、AML、進行骨髄異形成症候群(MDS)、及び末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)(NCT02909972、NCT02264613)の治療に対する臨床試験において現在評価が進行している。
一部の実施形態では、1つまたは複数の他の治療剤は、形質転換増殖因子-ベータ(TGF-ベータまたはTGFβ)の阻害剤である。本発明において使用され得る、研究が進行中のTGF-ベータタンパク質の阻害剤には、乳癌、肺癌、肝細胞癌、結腸直腸癌、膵臓癌、前立腺癌、及び腎癌(NCT02947165)を含めた種々のがんの治療に関して臨床施設で試験が進行中の抗TGF-ベータ抗体である、NIS793(Novartis)が含まれる。一部の実施形態では、TGF-ベータタンパク質の阻害剤は、黒色腫(NCT00923169)、腎細胞癌(NCT00356460)、及び非小細胞肺癌(NCT02581787)に対して研究が進行している、フレソリムマブ(GC1008、Sanofi-Genzyme)である。さらに、一部の実施形態では、追加の治療剤は、例えば、Connolly et al.(2012)Int’l J.Biological Sciences 8:964-978に記載される、TGF-ベータトラップである。固形腫瘍の治療に関して現在臨床試験中の1つの治療用化合物は、二重特異性の抗PD-L1/TGF-βトラップ化合物(NCT02699515)、及び(NCT02517398)である、M7824(Merck KgaA、旧称MSB0011459X)である。M7824は、TGF-β「トラップ」として機能するヒトTGF-ベータ受容体IIの細胞外ドメインに融合された、PD-L1に対する完全ヒトIgG1抗体から構成される。
一部の実施形態では、1つまたは複数の他の治療剤は、細胞傷害性MMAEに連結された抗糖タンパク質NMB(gpNMB)抗体(CR011)である、グレムバツムマブベドチン-モノメチルアウリスタチンE(MMAE)(Celldex)から選択される。gpNMBは、がん細胞が転移する能力に関連する、複数の腫瘍型に過剰発現しているタンパク質である。
一部の実施形態では、1つまたは複数の他の治療剤は、抗増殖性化合物である。かかる抗増殖性化合物には、アロマターゼ阻害剤;抗エストロゲン薬;トポイソメラーゼI阻害剤;トポイソメラーゼII阻害剤;微小管活性化合物;アルキル化化合物;ヒストンデアセチラーゼ阻害剤;細胞分化プロセスを誘導する化合物;シクロオキシゲナーゼ阻害剤;MMP阻害剤;mTOR阻害剤;抗腫瘍代謝拮抗薬;プラチン化合物;タンパク質または脂質キナーゼ活性を標的とする/減少させる化合物及びさらなる抗血管新生化合物;タンパク質または脂質ホスファターゼの活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物;ゴナドレリンアゴニスト;抗アンドロゲン剤;メチオニンアミノペプチダーゼ阻害剤;マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤;ビスホスホネート;生体応答修飾物質;抗増殖性抗体;ヘパラナーゼ阻害剤;発がん性Rasアイソフォームの阻害剤;テロメラーゼ阻害剤;プロテアソーム阻害剤;血液悪性腫瘍の治療に使用される化合物;Flt-3の活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物;17-AAG(17-アリルアミノゲルダナマイシン、NSC330507)、17-DMAG(17-ジメチルアミノエチルアミノ-17-デメトキシ-ゲルダナマイシン、NSC707545)、IPI-504、TEMODAL CNF1010、CNF2024、CNF1010(Conforma Therapeuticsより)等のHsp90阻害剤;テモゾロミド(TEMODAL(登録商標));SB715992もしくはSB743921(GlaxoSmithKlineより)、またはペンタミジン/クロルプロマジン(CombinatoRxより)等のキネシンスピンドルタンパク質阻害剤;ARRY142886(Array BioPharmaより)、AZd244(AstraZenecaより)、PD181461(Pfizerより)、及びロイコボリン等のMEK阻害剤が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される「アロマターゼ阻害剤」という用語は、エストロゲン産生、例えば、基質アンドロステンジオン及びテストステロンから、それぞれエストロン及びエストラジオールへの変換を阻害する化合物に関する。この用語には、ステロイド、とりわけアタメスタン、エキセメスタン、及びホルメスタン、ならびに特に非ステロイド、とりわけアミノグルテチミド、ログレチミド、ピリドグルテチミド、トリロスタン、テストラクトン、ケトコナゾール、ボロゾール、ファドロゾール、アナストロゾール、及びレトロゾールが含まれるが、これらに限定されない。エキセメスタンは、商標名AROMASIN(商標)の下で製造販売されている。ホルメスタンは、商標名LENTARON(商標)の下で製造販売されている。ファドロゾールは、商標名AFEMA(商標)の下で製造販売されている。アナストロゾールは、商標名ARIMIDEX(商標)の下で製造販売されている。レトロゾールは、商標名FEMARA(商標)またはFEMAR(商標)の下で製造販売されている。アミノグルテチミドは、商標名ORIMETEN(商標)の下で製造販売されている。アロマターゼ阻害剤である化学療法剤を含む、本発明の組み合わせは、乳房腫瘍等のホルモン受容体陽性腫瘍の治療に特に有用である。
本明細書で使用される「抗エストロゲン薬」という用語は、エストロゲン受容体レベルでエストロゲンの作用に拮抗する化合物に関する。この用語には、タモキシフェン、フルベストラント、ラロキシフェン及びラロキシフェン塩酸塩が含まれるが、これらに限定されない。タモキシフェンは、商標名NOLVADEX(商標)の下で製造販売されている。ラロキシフェン塩酸塩は、商標名EVISTA(商標)の下で製造販売されている。フルベストラントは、商標名FASLODEX(商標)の下で投与され得る。抗エストロゲン薬である化学療法剤を含む、本発明の組み合わせは、乳房腫瘍等のエストロゲン受容体陽性腫瘍の治療に特に有用である。
本明細書で使用される「抗アンドロゲン薬」という用語は、アンドロゲンホルモンの生物学的効果を阻害することができる任意の物質に関し、これにはビカルタミド(CASODEX(商標))が含まれるが、これに限定されない。本明細書で使用される「ゴナドレリンアゴニスト」という用語には、アバレリクス、ゴセレリン及びゴセレリン酢酸塩が含まれるが、これらに限定されない。ゴセレリンは、商標名ZOLADEX(商標)の下で投与され得る。
本明細書で使用される「トポイソメラーゼI阻害剤」という用語には、トポテカン、ギマテカン、イリノテカン、カンプトテシン(camptothecian)及びその類似体、9-ニトロカンプトテシン及び高分子カンプトテシンコンジュゲートPNU-166148が含まれるが、これらに限定されない。イリノテカンは、例えば、商標CAMPTOSAR(商標)の下で、例えば、製造販売されるような形態で投与され得る。トポテカンは、商標名HYCAMPTIN(商標)の下で製造販売されている。
本明細書で使用される「トポイソメラーゼII阻害剤」という用語には、ドキソルビシン(CAELYX(商標)等のリポソーム製剤を含む)、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、及びネモルビシン等のアントラサイクリン、アントラキノンであるミトキサントロン及びロソキサントロン、ならびにポドフィロトキシンであるエトポシド及びテニポシドが含まれるが、これらに限定されない。エトポシドは、商標名ETOPOPHOS(商標)の下で製造販売されている。テニポシドは、商標名VM26-Bristolの下で製造販売されている。ドキソルビシンは、商標名ACRIBLASTIN(商標)またはADRIAMYCIN(商標)の下で製造販売されている。エピルビシンは、商標名FARMORUBICIN(商標)の下で製造販売されている。イダルビシンは、商標名ZAVEDOS(商標)の下で製造販売されている。ミトキサントロンは、商標名NOVANTRON(商標)の下で製造販売されている。
「微小管活性薬剤」という用語は、パクリタキセル及びドセタキセル等のタキサン;ビンブラスチンまたはビンブラスチン硫酸塩、ビンクリスチンまたはビンクリスチン硫酸塩、及びビノレルビン等のビンカアルカロイド;ディスコデルモリド;コルヒチン及びエポチロンならびにそれらの誘導体を含むがこれらに限定されない、微小管安定化化合物、微小管不安定化化合物、及びマイクロチューブリン重合阻害剤に関する。パクリタキセルは、商標名TAXOL(商標)の下で製造販売されている。ドセタキセルは、商標名TAXOTERE(商標)の下で製造販売されている。ビンブラスチン硫酸塩は、商標名VINBLASTIN R.P(商標)の下で製造販売されている。ビンクリスチン硫酸塩は、商標名FARMISTIN(商標)の下で製造販売されている。
本明細書で使用される「アルキル化剤」という用語には、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファラン、またはニトロソ尿素(BCNUまたはGliadel)が含まれるが、これらに限定されない。シクロホスファミドは、商標名CYCLOSTIN(商標)の下で製造販売されている。イホスファミドは、商標名HOLOXAN(商標)の下で製造販売されている。
「ヒストンデアセチラーゼ阻害剤」または「HDAC阻害剤」という用語は、ヒストンデアセチラーゼを阻害し、抗増殖活性をもつ化合物に関する。これには、スベロイルアニリドヒドロキサム酸(SAHA)が含まれるが、これに限定されない。
「抗腫瘍代謝拮抗薬」という用語には、5-フルオロウラシルまたは5-FU、カペシタビン、ゲムシタビン、5-アザシチジン及びデシタビン等のDNA脱メチル化化合物、メトトレキサート及びエダトレキサート、ならびにペメトレキセド等の葉酸アンタゴニストが含まれるが、これらに限定されない。カペシタビンは、商標名XELODA(商標)の下で製造販売されている。ゲムシタビンは、商標名GEMZAR(商標)の下で製造販売されている。
本明細書で使用される「プラチン化合物」という用語には、カルボプラチン、シス-プラチン、シスプラチナム、及びオキサリプラチンが含まれるが、これらに限定されない。例えば、カルボプラチンは、例えば、商標CARBOPLAT(商標)の下で製造販売されるような形態で投与され得る。例えば、オキサリプラチンは、例えば、商標ELOXATIN(商標)の下で製造販売されるような形態で投与され得る。
本明細書で使用される「タンパク質もしくは脂質キナーゼ活性、またはタンパク質もしくは脂質ホスファターゼ活性を標的とする/減少させる化合物、またはさらなる抗血管新生化合物」という用語には、タンパク質チロシンキナーゼ及び/またはセリン及び/またはトレオニンキナーゼ阻害剤または脂質キナーゼ阻害剤、例えば、a)血小板由来成長因子受容体(PDGFR)の活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物、例えば、PDGFRの活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物、とりわけPDGF受容体を阻害する化合物、例えば、N-フェニル-2-ピリミジン-アミン誘導体、例えば、イマチニブ、SU101、SU6668、及びGFB-111、b)線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)の活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物、c)インスリン様成長因子受容体I(IGF-IR)の活性を標的とするか、減少させるか、もしくは阻害する化合物、例えば、IGF-IRの活性を標的とするか、減少させるか、もしくは阻害する化合物、とりわけIGF-I受容体のキナーゼ活性を阻害する化合物、またはIGF-I受容体の細胞外ドメインもしくはその成長因子を標的とする抗体、d)Trk受容体型チロシンキナーゼファミリーの活性を標的とするか、減少させるか、もしくは阻害する化合物、またはエフリンB4阻害剤、e)AxI受容体型チロシンキナーゼファミリーの活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物、f)Ret受容体型チロシンキナーゼの活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物、g)Kit/SCFR受容体型チロシンキナーゼの活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物、例えば、イマチニブ、h)C-kit受容体型チロシンキナーゼ(これはPDGFRファミリーの一部である)の活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物、例えば、c-Kit受容体型チロシンキナーゼファミリーの活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物、とりわけc-Kit受容体を阻害する化合物、例えば、イマチニブ、i)c-Ablファミリーのメンバー、それらの遺伝子融合産物(例えば、BCR-Ablキナーゼ)及び変異体の活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物、例えば、c-Ablファミリーメンバー及びそれらの遺伝子融合産物の活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物、例えば、N-フェニル-2-ピリミジン-アミン誘導体、例えば、イマチニブまたはニロチニブ(AMN107);ParkeDavisからのPD180970、AG957、NSC680410、PD173955;またはダサチニブ(BMS-354825)、j)セリン/トレオニンキナーゼのプロテインキナーゼC(PKC)及びRafファミリーのメンバー、MEK、SRC、JAK/pan-JAK、FAK、PDK1、PKB/Akt、Ras/MAPK、PI3K、SYK、TYK2、BTK、及びTECファミリーのメンバー、及び/またはスタウロスポリン誘導体を含むサイクリン依存性キナーゼファミリー(CDK)のメンバーの活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物、例えば、ミドスタウリン(さらなる化合物の例としては、UCN-01、サフィンゴール、BAY43-9006、ブリオスタチン1、ペリホシン;イルモホシン(llmofosine);RO318220及びRO320432;GO6976;lsis3521;LY333531/LY379196;イソキノリン(isochinoline)化合物;FTI;PD184352もしくはQAN697(P13K阻害剤)またはAT7519(CDK阻害剤)が挙げられる)、k)タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤の活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物、例えば、イマチニブメシル酸塩(GLEEVEC(商標))、またはチルホスチン、例えば、チルホスチンA23/RG-50810;AG99;チルホスチンAG213;チルホスチンAG1748;チルホスチンAG490;チルホスチンB44;チルホスチンB44(+)エナンチオマー;チルホスチンAG555;AG494;チルホスチンAG556、AG957、及びアダホスチン(4-{[(2,5-ジヒドロキシフェニル)メチル]アミノ}-安息香酸アダマンチルエステル;NSC680410、アダホスチン)を含めた、タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤の活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物、l)上皮成長因子ファミリーの受容体型チロシンキナーゼ(ホモまたはヘテロ二量体としてのEGFR1、ErbB2、ErbB3、ErbB4)及びそれらの変異体の活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物、例えば、上皮成長因子受容体ファミリーの活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物、とりわけEGF受容体型チロシンキナーゼファミリーのメンバー、例えば、EGF受容体、ErbB2、ErbB3、及びErbB4を阻害するか、またはEGFもしくはEGF関連リガンドに結合する、化合物、タンパク質、または抗体、CP358774、ZD1839、ZM105180;トラスツズマブ(HERCEPTIN(商標))、セツキシマブ(ERBITUX(商標))、イレッサ、タルセバ、OSI-774、Cl-1033、EKB-569、GW-2016、E1.1、E2.4、E2.5、E6.2、E6.4、E2.11、E6.3、またはE7.6.3、及び7H-ピロロ-[2,3-d]ピリミジン誘導体、m)c-Met受容体の活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物、例えば、c-Metの活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物、とりわけc-Met受容体のキナーゼ活性を阻害する化合物、またはc-Metの細胞外ドメインを標的とするかもしくはHGFに結合する抗体、n)PRT-062070、SB-1578、バリシチニブ、パクリチニブ、モメロチニブ、VX-509、AZD-1480、TG-101348、トファシチニブ、及びルキソリチニブを含むがこれらに限定されない、1つまたは複数のJAKファミリーメンバー(JAK1/JAK2/JAK3/TYK2及び/またはpan-JAK)のキナーゼ活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物、o)ATU-027、SF-1126、DS-7423、PBI-05204、GSK-2126458、ZSTK-474、ブパリシブ、ピクトレリシブ(pictrelisib)、PF-4691502、BYL-719、ダクトリシブ、XL-147、XL-765、及びイデラリシブを含むがこれらに限定されない、PI3キナーゼ(PI3K)のキナーゼ活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物、ならびにq)シクロパミン、ビスモデギブ、イトラコナゾール、エリスモデギブ(erismodegib)、及びIPI-926(サリデギブ(saridegib))を含むがこれらに限定されない、ヘッジホッグタンパク質(Hh)またはスムーズンド受容体(SMO)経路のシグナル伝達効果を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される「PI3K阻害剤」という用語には、PI3Kα、PI3Kγ、PI3Kδ、PI3Kβ、PI3K-C2α、PI3K-C2β、PI3K-C2γ、Vps34、p110-α、p110-β、p110-γ、p110-δ、p85-α、p85-β、p55-γ、p150、p101、及びp87を含むがこれらに限定されない、ホスファチジルイノシトール-3-キナーゼファミリーにおける1つまたは複数の酵素に対して阻害活性を有する化合物が含まれるが、これらに限定されない。本発明において有用なPI3K阻害剤の例としては、ATU-027、SF-1126、DS-7423、PBI-05204、GSK-2126458、ZSTK-474、ブパリシブ、ピクトレリシブ(pictrelisib)、PF-4691502、BYL-719、ダクトリシブ、XL-147、XL-765、及びイデラリシブが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される「Bcl-2阻害剤」という用語には、ABT-199、ABT-731、ABT-737、アポゴシポール、Ascentaのpan-Bcl-2阻害剤、クルクミン(及びその類似体)、二重Bcl-2/Bcl-xL阻害剤(Infinity Pharmaceuticals/Novartis Pharmaceuticals)、Genasense(G3139)、HA14-1(及びその類似体、WO2008118802を参照されたい)、ナビトクラクス(及びその類似体、US7390799を参照されたい)、NH-1(Shenayng Pharmaceutical University)、オバトクラクス(及びその類似体、WO2004106328を参照されたい)、S-001(Gloria Pharmaceuticals)、TWシリーズの化合物(Univ.of Michigan)、及びベネトクラクスを含むがこれらに限定されない、B細胞リンパ腫2タンパク質(Bcl-2)に対して阻害活性を有する化合物が含まれるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、Bcl-2阻害剤は、低分子治療薬である。一部の実施形態では、Bcl-2阻害剤は、ペプチド模倣体である。
本明細書で使用される「BTK阻害剤」という用語には、AVL-292及びイブルチニブを含むがこれらに限定されない、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)に対して阻害活性を有する化合物が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される「SYK阻害剤」という用語には、PRT-062070、R-343、R-333、Excellair、PRT-062607、及びフォスタマチニブを含むがこれらに限定されない、脾臓チロシンキナーゼ(SYK)に対して阻害活性を有する化合物が含まれるが、これらに限定されない。
BTK阻害化合物のさらなる例、及び本発明の化合物と組み合わせたかかる化合物によって治療可能な病態は、WO2008039218及びWO2011090760に見出すことができ、同文献の全体は参照により本明細書に援用される。
SYK阻害化合物のさらなる例、及び本発明の化合物と組み合わせたかかる化合物によって治療可能な病態は、WO2003063794、WO2005007623、及びWO2006078846に見出すことができ、同文献の全体は参照により本明細書に援用される。
PI3K阻害化合物のさらなる例、及び本発明の化合物と組み合わせたかかる化合物によって治療可能な病態は、WO2004019973、WO2004089925、WO2007016176、US8138347、WO2002088112、WO2007084786、WO2007129161、WO2006122806、WO2005113554、及びWO2007044729に見出すことができ、同文献の全体は参照により本明細書に援用される。
JAK阻害化合物のさらなる例、及び本発明の化合物と組み合わせたかかる化合物によって治療可能な病態は、WO2009114512、WO2008109943、WO2007053452、WO2000142246、及びWO2007070514に見出すことができ、同文献の全体は参照により本明細書に援用される。
さらなる抗血管新生化合物には、それらの活性に関して別の機構を有する、例えば、タンパク質または脂質キナーゼ阻害とは無関係の化合物、例えば、サリドマイド(THALOMID(商標))及びTNP-470が含まれる。
本発明の化合物と組み合わせて使用するのに有用なプロテアソーム阻害剤の例としては、ボルテゾミブ、ジスルフィラム、エピガロカテキン-3-ガレート(EGCG)、サリノスポラミドA、カルフィルゾミブ、ONX-0912、CEP-18770、及びMLN9708が含まれるが、これらに限定されない。
タンパク質または脂質ホスファターゼの活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物は、例えば、オカダ酸またはその誘導体等の、ホスファターゼ1、ホスファターゼ2A、またはCDC25の阻害剤である。
細胞分化プロセスを誘導する化合物には、レチノイン酸、α-、γ-、もしくはδ-トコフェロール、またはα-、γ-、もしくはδ-トコトリエノールが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用されるシクロオキシゲナーゼ阻害剤という用語には、Cox-2阻害剤、5-アルキル置換2-アリールアミノフェニル酢酸及び誘導体、例えば、セレコキシブ(CELEBREX(商標))、ロフェコキシブ(VIOXX(商標))、エトリコキシブ、バルデコキシブ、または5-アルキル-2-アリールアミノフェニル酢酸、例えば、5-メチル-2-(2’-クロロ-6’-フルオロアニリノ)フェニル酢酸、ルミラコキシブが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される「ビスホスホネート」という用語には、エチドロン酸、クロドロン酸、チルドロン酸、パミドロン酸、アレンドロン酸、イバンドロン酸、リセドロン酸、及びゾレドロン酸が含まれるが、これらに限定されない。エチドロン酸は、商標名DIDRONEL(商標)の下で製造販売されている。クロドロン酸は、商標名BONEFOS(商標)の下で製造販売されている。チルドロン酸は、商標名SKELID(商標)の下で製造販売されている。パミドロン酸は、商標名AREDIA(商標)の下で製造販売されている。アレンドロン酸は、商標名FOSAMAX(商標)の下で製造販売されている。イバンドロン酸は、商標名BONDRANAT(商標)の下で製造販売されている。リセドロン酸は、商標名ACTONEL(商標)の下で製造販売されている。ゾレドロン酸は、商標名ZOMETA(商標)の下で製造販売されている。「mTOR阻害剤」という用語は、シロリムス(RAPAMUNE(登録商標))、エベロリムス(CERTICAN(商標))、CCI-779、及びABT578等の、哺乳類ラパマイシン標的タンパク質(mTOR)を阻害し、抗増殖活性をもつ化合物に関する。
本明細書で使用される「ヘパラナーゼ阻害剤」という用語は、ヘパリン硫酸の分解を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物を指す。この用語には、PI-88が含まれるが、これらに限定されない。本明細書で使用される「生体応答修飾物質」という用語は、リンホカインまたはインターフェロンを指す。
本明細書で使用されるH-Ras、K-Ras、またはN-Ras等の「発がん性Rasアイソフォームの阻害剤」という用語は、Rasの発がん活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物、例えば、L-744832、DK8G557、またはR115777(ZARNESTRA(商標))等の「ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤」を指す。本明細書で使用される「テロメラーゼ阻害剤」という用語は、テロメラーゼの活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物を指す。テロメラーゼの活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物は、とりわけ、テロメスタチン等の、テロメラーゼ受容体を阻害する化合物である。
本明細書で使用される「メチオニンアミノペプチダーゼ阻害剤」という用語は、メチオニンアミノペプチダーゼの活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物を指す。メチオニンアミノペプチダーゼの活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物には、ベンガミドまたはその誘導体が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される「プロテアソーム阻害剤」という用語は、プロテアソームの活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物を指す。プロテアソームの活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物には、ボルテゾミブ(VELCADE(商標))及びMLN341が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される「マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤」または(「MMP」阻害剤)という用語には、コラーゲンペプチド模倣体及び非ペプチド模倣体阻害剤、テトラサイクリン誘導体、例えば、ヒドロキサメートペプチド模倣体阻害剤バチマスタット及びその経口で生物学的に利用可能な類似体マリマスタット(BB-2516)、プリノマスタット(AG3340)、メタスタット(NSC683551)、BMS-279251、BAY12-9566、TAA211、MMI270B、またはAAJ996が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される「血液悪性腫瘍の治療に使用される化合物」という用語には、FMS様チロシンキナーゼ受容体(Flt-3R)の活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物である、FMS様チロシンキナーゼ阻害剤;インターフェロン、1-β-D-アラビノフラノシルシトシン(ara-c)、及びブスルファン(bisulfan);ならびに未分化リンパ腫キナーゼを標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物である、ALK阻害剤が含まれるが、これらに限定されない。
FMS様チロシンキナーゼ受容体(Flt-3R)の活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物は、とりわけ、PKC412、ミドスタウリン、スタウロスポリン誘導体、SU11248、及びMLN518等の、Flt-3R受容体キナーゼファミリーのメンバーを阻害する化合物、タンパク質、または抗体である。
本明細書で使用される「HSP90阻害剤」という用語には、HSP90の内因性ATPase活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物;ユビキチンプロテオソーム経路を介してHSP90クライアントタンパク質を分解するか、標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物が含まれるが、これらに限定されない。HSP90の内因性ATPase活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物は、とりわけ、17-アリルアミノ、17-デメトキシゲルダナマイシン(17AAG)、ゲルダナマイシン誘導体;他のゲルダナマイシン関連化合物;ラディシコール及びHDAC阻害剤等の、HSP90のATPase活性を阻害する化合物、タンパク質、または抗体である。
本明細書で使用される「抗増殖性抗体」という用語には、トラスツズマブ(HERCEPTIN(商標))、トラツズマブ-DM1、アービタックス、ベバシズマブ(AVASTIN(商標))、リツキシマブ(RITUXAN(登録商標))、PRO64553(抗CD40)、及び2C4抗体が含まれるが、これらに限定されない。抗体とは、無傷のモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、少なくとも2つの無傷の抗体から形成される多重特異性抗体、及びそれらが所望の生物学的活性を示す限りにおける抗体断片を意味する。
急性骨髄性白血病(AML)の治療のために、本発明の化合物は、標準的な白血病療法、とりわけAMLの治療のために使用される治療法と組み合わせて使用することができる。特に、本発明の化合物は、例えば、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤及び/またはAMLの治療に有用な他の薬物、例えば、ダウノルビシン、アドリアマイシン、Ara-C、VP-16、テニポシド、ミトキサントロン、イダルビシン、カルボプラチナム、及びPKC412と組み合わせて投与することができる。
他の抗白血病化合物には、例えば、デオキシシチジンの2’-アルファ-ヒドロキシリボース(アラビノシド)誘導体である、ピリミジン類似体のAra-Cが含まれる。また、ヒポキサンチンのプリン類似体である6-メルカプトプリン(6-MP)及びフルダラビンリン酸エステルも含まれる。酪酸ナトリウム及びスベロイルアニリドヒドロキサム酸(SAHA)等のヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤の活性を標的とするか、減少させるか、または阻害する化合物は、ヒストンデアチラーゼとして知られる酵素の活性を阻害する。具体的なHDAC阻害剤には、MS275、SAHA、FK228(旧称FR901228)、トリコスタチンA、ならびにN-ヒドロキシ-3-[4-[[[2-(2-メチル-1H-インドール-3-イル)-エチル]-アミノ]メチル]フェニル]-2E-2-プロペンアミドまたはその薬学的に許容される塩、及びN-ヒドロキシ-3-[4-[(2-ヒドロキシエチル){2-(1H-インドール-3-イル)エチル]-アミノ]メチル]フェニル]-2E-2-プロペンアミドまたはその薬学的に許容される塩、とりわけ乳酸塩を含むがこれらに限定されない、US6,552,065に開示される化合物が含まれる。本明細書で使用されるソマトスタチン受容体アンタゴニストは、オクトレオチド、及びSOM230等の、ソマトスタチン受容体を標的とするか、治療するか、または阻害する化合物を指す。腫瘍細胞損傷手法とは、電離放射線等の手法を指す。上記及びこれ以降で言及される「電離放射線」という用語は、電磁波(X線及びガンマ線等)または粒子(アルファ粒子及びベータ粒子等)のいずれかとして発生する電離放射線を意味する。電離放射線は、放射線療法で提供されるが、これに限定されず、当該技術分野で既知である。Hellman,Principles of Radiation Therapy,Cancer,in Principles and Practice of Oncology,Devita et al.,Eds.,4th Edition,Vol.1,pp.248-275(1993)を参照されたい。
また、EDG結合剤及びリボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤も含まれる。本明細書で使用される「EDG結合剤」という用語は、FTY720等の、リンパ球再循環現象を調節する免疫抑制剤の部類を指す。「リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤」という用語は、フルダラビン及び/またはシトシンアラビノシド(ara-C)、6-チオグアニン、5-フルオロウラシル、クラドリビン、6-メルカプトプリン(とりわけ、ALLに対してara-Cと組み合わせて)、及び/またはペントスタチンを含むがこれらに限定されない、ピリミジンまたはプリンヌクレオシド類似体を指す。リボヌクレオチドレダクターゼ阻害剤は、とりわけ、ヒドロキシ尿素または2-ヒドロキシ-1H-イソインドール-1,3-ジオン誘導体である。
また、特に、VEGFの化合物、タンパク質、またはモノクローナル抗体、例えば、1-(4-クロロアニリノ)-4-(4-ピリジルメチル)フタラジンまたはその薬学的に許容される塩である1-(4-クロロアニリノ)-4-(4-ピリジルメチル)フタラジンスクシネート;ANGIOSTATIN(商標);ENDOSTATIN(商標);アントラニル酸アミド;ZD4190;Zd474;SU5416;SU6668;ベバシズマブ;または抗VEGF抗体もしくは抗VEGF受容体抗体、例えば、rhuMAb及びRHUFab、VEGFアプタマー、例えば、マクゴン(Macugon);FLT-4阻害剤、FLT-3阻害剤、VEGFR-2 IgGI抗体、アンギオザイム(Angiozyme)(RPI4610)、及びベバシズマブ(AVASTIN(商標))も含まれる。
本明細書で使用される光線力学的療法とは、光感作性化合物として知られるある特定の化学物質を使用して、がんを治療または予防する治療法を指す。光線力学的療法の例としては、VISUDYNE(商標)及びポルフィマーナトリウム等の化合物での治療が挙げられる。
本明細書で使用される抗血管新生ステロイドとは、例えば、アネコルタブ、トリアムシノロン、ヒドロコルチゾン、11-α-エピヒドロコルチゾール、コルテキソロン、17α-ヒドロキシプロゲステロン、コルチコステロン、デスオキシコルチコステロン、テストステロン、エストロン、及びデキサメタゾン等の、血管新生を遮断または阻害する化合物を指す。
コルチコステロイドを含有するインプラントとは、フルオシノロン及びデキサメタゾン等の化合物を指す。
他の化学療法化合物には、植物アルカロイド、ホルモン化合物及びアンタゴニスト;生体応答修飾物質、好ましくはリンホカインもしくはインターフェロン;アンチセンスオリゴヌクレオチドもしくはオリゴヌクレオチド誘導体;shRNAもしくはsiRNA;あるいは多岐にわたる化合物または他のもしくは未知の作用機序を有する化合物が含まれるが、これらに限定されない。
コード番号、一般名または商標名によって特定される活性化合物の構造は、標準全書「Merck Index」の実際の版から、またはデータベース、例えば、Patents International(例えば、IMS World Publications)から採用され得る。
例示的ながん免疫療法剤
一部の実施形態では、1つまたは複数の他の治療剤は、がん免疫療法剤である。本明細書で使用されるとき、「がん免疫療法剤」という用語は、対象において免疫応答を強化する、刺激する、及び/または上方制御するのに有効である薬剤を指す。一部の実施形態では、本発明の化合物を用いたがん免疫療法剤の投与は、がんの治療において相乗効果を有する。
がん免疫療法剤は、例えば、低分子薬、抗体、または生物学的製剤もしくは低分子であり得る。生物学的がん免疫療法剤の例としては、がんワクチン、抗体、及びサイトカインが挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、抗体は、モノクローナル抗体である。一部の実施形態では、モノクローナル抗体は、ヒト化またはヒトのものである。
一部の実施形態では、がん免疫療法剤は、T細胞上の(i)刺激性(共刺激性を含む)受容体のアゴニスト、または(ii)阻害性(共阻害性を含む)シグナルのアンタゴニストであり、これらのいずれも抗原特異的T細胞応答の増幅をもたらす。
刺激性分子及び阻害性分子のうちのある特定のものは、免疫グロブリンスーパーファミリー(IgSF)のメンバーである。共刺激性受容体または共阻害性受容体に結合する膜結合型リガンドの1つの重要なファミリーは、B7ファミリーであり、これはB7-1、B7-2、B7-H1(PD-L1)、B7-DC(PD-L2)、B7-H2(ICOS-L)、B7-H3、B7-H4、B7-H5(VISTA)、及びB7-H6を含む。共刺激性受容体または共阻害性受容体に結合する膜結合型リガンドの別のファミリーは、同系のTNF受容体ファミリーメンバーに結合するTNFファミリーの分子であり、これはCD40及びCD40L、OX-40、OX-40L、CD70、CD27L、CD30、CD30L、4-1BBL、CD137(4-1BB)、TRAIL/Apo2-L、TRAILR1/DR4、TRAILR2/DR5、TRAILR3、TRAILR4、OPG、RANK、RANKL、TWEAKR/Fn14、TWEAK、BAFFR、EDAR、XEDAR、TACI、APRIL、BCMA、LTβR、LIGHT、DcR3、HVEM、VEGI/TL1A、TRAMP/DR3、EDAR、EDA1、XEDAR、EDA2、TNFR1、リンホトキシンα/TNFβ、TNFR2、TNFα、LTβR、リンホトキシンα1β2、FAS、FASL、RELT、DR6、TROY、NGFRを含む。
一部の実施形態では、がん免疫療法剤は、T細胞活性化を阻害するサイトカイン(例えば、IL-6、IL-10、TGF-β、VEGF、及び他の免疫抑制性サイトカイン)、または免疫応答を刺激するためにT細胞活性化を刺激するサイトカインである。
一部の実施形態では、本発明の化合物及びがん免疫療法剤の組み合わせは、T細胞応答を刺激することができる。一部の実施形態では、がん免疫療法剤は、(i)CTLA-4、PD-1、PD-L1、PD-L2、LAG-3、TIM-3、ガレクチン9、CEACAM-1、BTLA、CD69、ガレクチン-1、TIGIT、CD113、GPR56、VISTA、2B4、CD48、GARP、PD1H、LAIR1、TIM-1、及びTIM-4等のT細胞活性化を阻害するタンパク質のアンタゴニスト(例えば、免疫チェックポイント阻害剤)、または(ii)B7-1、B7-2、CD28、4-1BB(CD137)、4-1BBL、ICOS、ICOS-L、OX40、OX40L、GITR、GITRL、CD70、CD27、CD40、DR3、及びCD28H等のT細胞活性化を刺激するタンパク質のアゴニストである。
一部の実施形態では、がん免疫療法剤は、NK細胞上の阻害性受容体のアンタゴニストまたはNK細胞上の活性化受容体のアゴニストである。一部の実施形態では、がん免疫療法剤は、リリルマブ等のKIRのアンタゴニストである。
一部の実施形態では、がん免疫療法剤は、RG7155(WO11/70024、WO11/107553、WO11/131407、WO13/87699、WO13/119716、WO13/132044)またはFPA-008(WO11/140249、WO13169264、WO14/036357)を含めたCSF-1Rアンタゴニスト抗体等のCSF-1Rアンタゴニストを含むがこれらに限定されない、マクロファージまたは単球を阻害または枯渇させる薬剤である。
一部の実施形態では、がん免疫療法剤は、正の共刺激性受容体と結合するアゴニスト性薬剤、阻害性受容体を介してシグナル伝達を減弱させる遮断剤、アンタゴニスト、及び抗腫瘍T細胞の頻度を全身的に増加させる1つまたは複数の薬剤、腫瘍微小環境内の特有の免疫抑制経路に打ち勝つ(例えば、阻害性受容体の結合(例えば、PD-L1/PD-1相互作用)を遮断する、Tregを枯渇もしくは阻害する(例えば、抗CD25モノクローナル抗体(例えば、ダクリズマブ)を使用して、またはエクスビボでの抗CD25ビーズによる枯渇によって)、IDO等の代謝酵素を阻害する、またはT細胞エネルギーもしくは疲弊を逆戻りさせる/阻止する)薬剤、ならびに自然免疫の活性化及び/または腫瘍部位での炎症を誘発する薬剤から選択される。
一部の実施形態では、がん免疫療法剤は、CTLA-4アンタゴニストである。一部の実施形態では、CTLA-4アンタゴニストは、アンタゴニスト性CTLA-4抗体である。一部の実施形態では、アンタゴニスト性CTLA-4抗体は、YERVOY(イピリムマブ)またはトレメリムマブである。
一部の実施形態では、がん免疫療法剤は、PD-1アンタゴニストである。一部の実施形態では、PD-1アンタゴニストは、輸注によって投与される。一部の実施形態では、がん免疫療法剤は、プログラム死-1(PD-1)受容体に特異的に結合して、PD-1活性を阻害する抗体またはその抗原結合部分である。一部の実施形態では、PD-1アンタゴニストは、アンタゴニスト性PD-1抗体である。一部の実施形態では、アンタゴニスト性PD-1抗体は、OPDIVO(ニボルマブ)、KEYTRUDA(ペムブロリズマブ)、またはMEDI-0680(AMP-514、WO2012/145493)である。一部の実施形態では、がん免疫療法剤は、ピディリズマブ(CT-011)であり得る。一部の実施形態では、がん免疫療法剤は、AMP-224と呼ばれる、IgG1のFc部分に融合されたPD-L2(B7-DC)の細胞外ドメインから構成される組換えタンパク質である。
一部の実施形態では、がん免疫療法剤は、PD-L1アンタゴニストである。一部の実施形態では、PD-L1アンタゴニストは、アンタゴニスト性PD-L1抗体である。一部の実施形態では、PD-L1抗体は、MPDL3280A(RG7446、WO2010/077634)、デュルバルマブ(MEDI4736)、BMS-936559(WO2007/005874)、及びMSB0010718C(WO2013/79174)である。
一部の実施形態では、がん免疫療法剤は、LAG-3アンタゴニストである。一部の実施形態では、LAG-3アンタゴニストは、アンタゴニスト性LAG-3抗体である。一部の実施形態では、LAG3抗体は、BMS-986016(WO10/19570、WO14/08218)、またはIMP-731もしくはIMP-321(WO08/132601、WO009/44273)である。
一部の実施形態では、がん免疫療法剤は、CD137(4-1BB)アゴニストである。一部の実施形態では、CD137(4-1BB)アゴニストは、アゴニスト性CD137抗体である。一部の実施形態では、CD137抗体は、ウレルマブまたはPF-05082566(WO12/32433)である。
一部の実施形態では、がん免疫療法剤は、GITRアゴニストである。一部の実施形態では、GITRアゴニストは、アゴニスト性GITR抗体である。一部の実施形態では、GITR抗体は、BMS-986153、BMS-986156、TRX-518(WO006/105021、WO009/009116)、またはMK-4166(WO11/028683)である。
一部の実施形態では、がん免疫療法剤は、インドールアミン(2,3)-ジオキシゲナーゼ(IDO)アンタゴニストである。一部の実施形態では、IDOアンタゴニストは、エパカドスタット(INCB024360、Incyte)、インドキシモド(NLG-8189、NewLink Genetics Corporation)、カプマチニブ(capmanitib)(INC280、Novartis)、GDC-0919(Genentech/Roche)、PF-06840003(Pfizer)、BMS:F001287(Bristol-Myers Squibb)、Phy906/KD108(Phytoceutica)、キヌレニンを分解する酵素(Kynase、Ikena Oncology、旧称Kyn Therapeutics)、及びNLG-919(WO09/73620、WO009/1156652、WO11/56652、WO12/142237)から選択される。
一部の実施形態では、がん免疫療法剤は、OX40アゴニストである。一部の実施形態では、OX40アゴニストは、アゴニスト性OX40抗体である。一部の実施形態では、OX40抗体は、MEDI-6383またはMEDI-6469である。
一部の実施形態では、がん免疫療法剤は、OX40Lアンタゴニストである。一部の実施形態では、OX40Lアンタゴニストは、アンタゴニスト性OX40抗体である。一部の実施形態では、OX40Lアンタゴニストは、RG-7888(WO06/029879)である。
一部の実施形態では、がん免疫療法剤は、CD40アゴニストである。一部の実施形態では、CD40アゴニストは、アゴニスト性CD40抗体である。一部の実施形態では、がん免疫療法剤は、CD40アンタゴニストである。一部の実施形態では、CD40アンタゴニストは、アンタゴニスト性CD40抗体である。一部の実施形態では、CD40抗体は、ルカツムマブまたはダセツズマブである。
一部の実施形態では、がん免疫療法剤は、CD27アゴニストである。一部の実施形態では、CD27アゴニストは、アゴニスト性CD27抗体である。一部の実施形態では、CD27抗体は、バルリルマブである。
一部の実施形態では、がん免疫療法剤は、MGA271(B7H3に対する)(WO11/109400)である。
一部の実施形態では、がん免疫療法剤は、アバゴボマブ、アデカツムマブ、アフツズマブ、アレムツズマブ、アナツモマブマフェナトクス(anatumomab mafenatox)、アポリズマブ、アテゾリマブ(atezolimab)、アベルマブ、ブリナツモマブ、BMS-936559、カツマキソマブ、デュルバルマブ、エパカドスタット、エプラツズマブ、インドキシモド、イノツズマブオゾガマイシン、インテルムマブ(intelumumab)、イピリムマブ、イサツキシマブ、ラムブロリズマブ、MED14736、MPDL3280A、ニボルマブ、オビヌツズマブ、オカラツズマブ、オファツムマブ、オラタツマブ(olatatumab)、ペムブロリズマブ、ピディリズマブ、リツキシマブ、チシリムマブ、サマリズマブ、またはトレメリムマブである。
一部の実施形態では、がん免疫療法剤は、免疫刺激剤である。例えば、PD-1及びPD-L1阻害軸を遮断する抗体は、活性化された腫瘍反応性T細胞を解き放つことができ、臨床試験において、従来は免疫療法に感受性があると見なされなかったいくつかの腫瘍型を含む、増えつつある数の腫瘍組織像において恒久的な抗腫瘍応答を誘導することが示されている。例えば、Okazaki,T.et al.(2013)Nat.Immunol.14,1212-1218、Zou et al.(2016)Sci.Transl.Medを参照されたい。8.抗PD-1抗体ニボルマブ(OPDIVO(登録商標)、Bristol-Myers Squibb、別名ONO-4538、MDX1106、及びBMS-936558)は、以前の抗血管新生薬療法の最中または後に疾患進行を経験したRCCの患者において全生存期間を改善する可能性を示している。
一部の実施形態では、免疫調節治療薬は、腫瘍細胞のアポトーシスを特異的に誘導する。本発明において使用され得る承認された免疫調節治療薬には、ポマリドマイド(POMALYST(登録商標)、Celgene)、レナリドマイド(REVLIMID(登録商標)、Celgene)、インゲノールメブテート(PICATO(登録商標)、LEO Pharma)が含まれる。
一部の実施形態では、がん免疫療法剤は、がんワクチンである。一部の実施形態では、がんワクチンは、無症候性または最小限に症候性の転移性去勢抵抗性(ホルモン不応性)前立腺癌の治療に対して承認された、シプリューセル-T(PROVENGE(登録商標)、Dendreon/Valeant Pharmaceuticals)、ならびに切除不能な黒色腫の皮膚、皮下、及び結節性病変の治療に対して承認された遺伝子改変腫瘍溶解性ウイルス療法薬である、タリモジンラヘルパレプベク(IMLYGIC(登録商標)、BioVex/Amgen、旧称T-VEC)から選択される。一部の実施形態では、がん免疫療法剤は、腫瘍溶解性ウイルス療法薬、例えば、肝細胞癌(NCT02562755)及び黒色腫(NCT00429312)に対する、GM-CSFを発現するように操作されたチミジンキナーゼ-(TK-)欠損ワクシニアウイルスである、ペキサスチモジンデバシレプベク(pexastimogene devacirepvec)(PexaVec/JX-594、SillaJen/旧称Jennerex Biotherapeutics);結腸直腸癌(NCT01622543)、前立腺癌(NCT01619813)、頭頸部扁平上皮癌(NCT01166542)、膵腺癌(NCT00998322)、及び非小細胞肺癌(NSCLC)(NCT 00861627)を含めた多数のがんにおける、RASが活性化されていない細胞内では複製しない呼吸器系の腸内オーファンウイルス(respiratory enteric orphan virus)(レオウイルス)のバリアントである、ペラレオレップ(REOLYSIN(登録商標)、Oncolytics Biotech);卵巣癌(NCT02028117)、転移性もしくは進行上皮性腫瘍、例えば、結腸直腸癌、膀胱癌、頭頸部扁平上皮癌、及び唾液腺癌(NCT02636036)における、完全長CD80及びT受容体CD3タンパク質に特異的な抗体断片を発現するように操作されたアデノウイルスである、エナデノツシレブ(enadenotucirev)(NG-348、PsiOxus、旧称ColoAd1);黒色腫(NCT03003676)、及び腹膜疾患、結腸直腸癌もしくは卵巣癌(NCT02963831)における、GM-CSFを発現するように操作されたアデノウイルスである、ONCOS-102(Targovax/旧称Oncos);癌性腹膜炎(NCT01443260)、卵管癌、卵巣癌(NCT 02759588)において研究された、それぞれベータ-ガラクトシダーゼ(ベータ-gal)/ベータ-グルクロニダーゼもしくはベータ-gal/ヒトナトリウム・ヨウ素共輸送体(hNIS)を発現するように操作されたワクシニアウイルスである、GL-ONC1(GLV-1h68/GLV-1h153、Genelux GmbH);または膀胱癌(NCT02365818)における、GM-CSFを発現するように操作されたアデノウイルスである、CG0070(Cold Genesys)から選択される。
一部の実施形態では、がん免疫療法剤は、プロドラッグの5-フルオロシトシンを細胞傷害性薬物の5-フルオロウラシルに変換することができるシトシンデアミナーゼを発現するように操作されたTK欠損及びワクシニア増殖因子欠損ワクシニアウイルスである、JX-929(SillaJen/旧称Jennerex Biotherapeutics);治療困難なRAS変異に標的化されたペプチドベースの免疫療法剤である、TG01及びTG02(Targovax/旧称Oncos);ならびにAd5/3-E2F-デルタ24-hTNFα-IRES-hIL20と表記される操作されたアデノウイルスである、TILT-123(TILT Biotherapeutics);ならびに抗原特異的CD8 T細胞応答を発動するように設計された抗原を発現するようにさらに操作され得る、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(LCMV)の糖タンパク質(GP)を発現するように操作された水疱性口内炎ウイルス(VSV)である、VSV-GP(ViraTherapeutics)から選択される。
一部の実施形態では、がん免疫療法剤は、キメラ抗原受容体またはCARを発現するように操作されたT細胞である。かかるキメラ抗原受容体を発現するように操作されたT細胞は、CAR-T細胞と称される。
Tリンパ球において活性化シグナルを生成することができるT細胞受容体(TCR)の機能的末端であるエンドドメイン(TCRからのCD3-ゼータシグナル伝達ドメイン等)に融合された、細胞表面抗原に特異的なモノクローナル抗体に由来する一本鎖可変断片(scFv)である結合ドメイン(これは天然リガンドに由来してもよい)からなるCARが構築されている。抗原に結合した際に、かかるCARは、エフェクター細胞の内因性シグナル伝達経路に連結し、TCR複合体によって開始される活性化シグナルに類似した活性化シグナルを生成する。
例えば、一部の実施形態では、CAR-T細胞は、T細胞抗原受容体複合体のゼータ鎖(CD3ゼータ等)の細胞内シグナル伝達ドメインに融合された、抗原結合ドメイン(CD19に結合するドメイン等)を有する細胞外ドメインを含むように操作されたCAR-T細胞について開示する、米国特許8,906,682号(Juneら;参照によりその全体が本明細書に援用される)に記載されるもののうちの1つである。T細胞において発現されると、CARは、抗原結合特異性に基づいて抗原認識を方向転換することができる。CD19の場合、抗原は、悪性B細胞上に発現している。広範囲の適応症においてCAR-Tを用いた、200件を超える臨床試験が現在進行中である[https://clinicaltrials.gov/ct2/results?term=chimeric+antigen+receptors&pg=1]。
一部の実施形態では、免疫刺激剤は、レチノイン酸受容体関連オーファン受容体γ(RORγt)の活性化因子である。RORγtは、CD4+(Th17)及びCD8+(Tc17)T細胞の17型エフェクターサブセットの分化及び維持、ならびにNK細胞等のIL-17を発現している自然免疫細胞亜集団の分化において重要な役割を有する転写因子である。一部の実施形態では、RORγtの活性化因子は、LYC-55716(Lycera)であり、これは固形腫瘍(NCT02929862)の治療に対する臨床試験において現在評価が進行している。
一部の実施形態では、免疫刺激剤は、トル様受容体(TLR)のアゴニストまたは活性化因子である。TLRの好適な活性化因子には、SD-101(Dynavax)等のTLR9のアゴニストまたは活性化因子が含まれる。SD-101は、B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、及び他のリンパ腫(NCT02254772)に対して研究が進行している免疫刺激性CpGである。本発明において使用され得るTLR8のアゴニストまたは活性化因子には、頭頸部の扁平上皮癌(NCT02124850)及び卵巣癌(NCT02431559)に対して研究が進行しているモトリモド(VTX-2337、VentiRx Pharmaceuticals)が含まれる。
本発明において使用され得る他のがん免疫療法剤には、抗CD137モノクローナル抗体であるウレルマブ(BMS-663513、Bristol-Myers Squibb)、抗CD27モノクローナル抗体であるバルリルマブ(CDX-1127、Celldex Therapeutics)、抗OX40モノクローナル抗体であるBMS-986178(Bristol-Myers Squibb)、抗KIRモノクローナル抗体であるリリルマブ(IPH2102/BMS-986015、Innate Pharma、Bristol-Myers Squibb)、抗NKG2Aモノクローナル抗体であるモナリズマブ(IPH2201、Innate Pharma、AstraZeneca)、抗MMP9抗体であるアンデカリキシマブ(GS-5745、Gilead Sciences)、抗GITRモノクローナル抗体であるMK-4166(Merck & Co.)が含まれる。
一部の実施形態では、免疫刺激剤は、エロツズマブ、ミファムルチド、トル様受容体のアゴニストまたは活性化因子、及びRORγtの活性化因子から選択される。
一部の実施形態では、免疫刺激性治療薬は、組換えヒトインターロイキン15(rhIL-15)である。rhIL-15は、黒色腫及び腎細胞癌(NCT01021059及びNCT01369888)ならびに白血病(NCT02689453)に対する治療薬として臨床施設で試験されている。一部の実施形態では、免疫刺激剤は、組換えヒトインターロイキン12(rhIL-12)である。一部の実施形態では、IL-15ベースの免疫療法薬は、可溶性IL-15結合タンパク質であるIL-15受容体アルファ鎖に複合体化された内因性IL-15の合成形態から構成される融合複合体(IL15:sIL-15RA)である、ヘテロ二量体IL-15(hetIL-15、Novartis/Admune)であり、これは黒色腫、腎細胞癌、非小細胞肺癌、及び頭頸部扁平上皮癌(NCT02452268)に対する第1相臨床試験において試験されている。一部の実施形態では、組換えヒトインターロイキン12(rhIL-12)は、NM-IL-12(Neumedicines,Inc.)、NCT02544724、またはNCT02542124である。
一部の実施形態では、がん免疫療法剤は、Jerry L.Adams et al.,“Big opportunities for small molecules in immuno-oncology,”Cancer Therapy 2015,Vol.14,pages 603-622に記載されるものから選択され、同文献の内容は、参照によりその全体が本明細書に援用される。一部の実施形態では、がん免疫療法剤は、Jerry L.Adams et alの表1に記載される例から選択される。一部の実施形態では、がん免疫療法剤は、Jerry L.Adams et alの表2に列挙されるものから選択される、がん免疫療法標的を標的とする低分子である。一部の実施形態では、がん免疫療法剤は、Jerry L.Adams et alの表2に列挙されるものから選択される低分子薬剤である。
一部の実施形態では、がん免疫療法剤は、Peter L.Toogood,“Small molecule immuno-oncology therapeutic agents,”Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 2018,Vol.28,pages 319-329に記載される低分子がん免疫療法剤から選択され、同文献の内容は、参照によりその全体が本明細書に援用される。一部の実施形態では、がん免疫療法剤は、Peter L.Toogoodに記載されるような経路を標的とする薬剤である。
一部の実施形態では、がん免疫療法剤は、Sandra L.Ross et al.,“Bispecific T cell engager(BITE(登録商標))antibody constructs can mediate bystander tumor cell killing”,PLoS ONE 12(8):e0183390に記載されるものから選択され、同文献の内容は、参照によりその全体が本明細書に援用される。一部の実施形態では、がん免疫療法剤は、二重特異性T細胞エンゲージャー(BITE(登録商標))抗体構築物である。一部の実施形態では、二重特異性T細胞エンゲージャー(BITE(登録商標))抗体構築物は、CD19/CD3二重特異性抗体構築物である。一部の実施形態では、二重特異性T細胞エンゲージャー(BITE(登録商標))抗体構築物は、EGFR/CD3二重特異性抗体構築物である。一部の実施形態では、二重特異性T細胞エンゲージャー(BITE(登録商標))抗体構築物は、T細胞を活性化する。一部の実施形態では、二重特異性T細胞エンゲージャー(BITE(登録商標))抗体構築物は、T細胞を活性化し、このT細胞がサイトカインを放出して、バイスタンダー細胞上の細胞間接着分子1(ICAM-1)及びFASの上方制御が誘導される。一部の実施形態では、二重特異性T細胞エンゲージャー(BITE(登録商標))抗体構築物は、T細胞を活性化し、これにより誘導性のバイスタンダー細胞溶解がもたらされる。一部の実施形態では、バイスタンダー細胞は、固形腫瘍内にある。一部の実施形態では、溶解を受けているバイスタンダー細胞は、BITE(登録商標)により活性化されたT細胞に近接する。一部の実施形態では、バイスタンダー細胞は、腫瘍関連抗原(TAA)陰性がん細胞を含む。一部の実施形態では、バイスタンダー細胞は、EGFR陰性がん細胞を含む。一部の実施形態では、がん免疫療法剤は、PD-L1/PD1軸及び/またはCTLA4を遮断する抗体である。一部の実施形態では、がん免疫療法剤は、エクスビボで増殖させた腫瘍浸潤T細胞である。一部の実施形態では、がん免疫療法剤は、T細胞を腫瘍関連表面抗原(TAA)に直接つなげる二重特異性抗体構築物またはキメラ抗原受容体(CAR)である。
例示的な免疫チェックポイント阻害剤
一部の実施形態では、がん免疫療法剤は、本明細書に記載されるような免疫チェックポイント阻害剤である。
本明細書で使用される「チェックポイント阻害剤」という用語は、がん細胞が患者の免疫系を回避するのを阻止する際に有用な薬剤に関する。抗腫瘍免疫の破壊の主要な機構のうちの1つは、「T細胞疲弊」として知られ、これは抗原への慢性曝露により阻害性受容体の上方制御に至ることから生じる。これらの阻害性受容体は、無制御な免疫反応を阻止するために免疫チェックポイントとしての役目を果たす。
PD-1、ならびに細胞傷害性Tリンパ球抗原4(CTLA-4、B及びTリンパ球アテニュエーター(BTLA、CD272)、T細胞免疫グロブリン及びムチンドメイン-3(Tim-3)、リンパ球活性化遺伝子-3(Lag-3、CD223)等といった共阻害性受容体は、しばしばチェックポイントレギュレーターと称される。それらは、細胞周期進行及び他の細胞内シグナル伝達プロセスが進行すべきであるかどうかを細胞外情報により指令できるようにする、分子「ゲートキーパー」として作用する。
一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1に対する抗体である。PD-1は、プログラム細胞死1受容体(PD-1)に結合して、この受容体が阻害性リガンドPDL-1に結合するのを阻止し、こうして腫瘍が宿主抗腫瘍免疫応答を抑制する能力を無効にする。
一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、生物学的治療薬または低分子である。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、モノクローナル抗体、ヒト化抗体、完全ヒト抗体、融合タンパク質、またはそれらの組み合わせである。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、CTLA-4、PDL1、PDL2、PD1、B7-H3、B7-H4、BTLA、HVEM、TIM3、GAL9、LAG3、VISTA、KIR、2B4、CD160、CGEN-15049、CHK1、CHK2、A2aR、B-7ファミリーリガンド、またはそれらの組み合わせから選択されるチェックポイントタンパク質を阻害する。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、CTLA-4、PDL1、PDL2、PD1、B7-H3、B7-H4、BTLA、HVEM、TIM3、GAL9、LAG3、VISTA、KIR、2B4、CD160、CGEN-15049、CHK1、CHK2、A2aR、B-7ファミリーリガンド、またはそれらの組み合わせから選択されるチェックポイントタンパク質のリガンドと相互作用する。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、免疫刺激剤、T細胞増殖因子、インターロイキン、抗体、ワクチン、またはそれらの組み合わせである。一部の実施形態では、インターロイキンは、IL-7またはIL-15である。一部の実施形態では、インターロイキンは、グリコシル化IL-7である。追加の態様では、ワクチンは、樹状細胞(DC)ワクチンである。
チェックポイント阻害剤には、免疫系の阻害性経路を統計学的に有意な様態で遮断または阻害するいずれの薬剤も含まれる。かかる阻害剤には、低分子阻害剤が含まれ得るか、または免疫チェックポイント受容体に結合して、それを遮断もしくは阻害する抗体もしくはその抗原結合断片、または免疫チェックポイント受容体リガンドに結合して、それを遮断もしくは阻害する抗体が含まれ得る。遮断または阻害に向けて標的とされ得る例示的なチェックポイント分子には、CTLA-4、PDL1、PDL2、PD1、B7-H3、B7-H4、BTLA、HVEM、GAL9、LAG3、TIM3、VISTA、KIR、2B4(CD2ファミリーの分子に属し、全てのNK、γδ、及び記憶CD8(αβ)T細胞上に発現する)、CD160(別称BY55)、CGEN-15049、CHK1及びCHK2キナーゼ、A2aR、ならびに種々のB-7ファミリーリガンドが含まれるが、これらに限定されない。B7ファミリーリガンドには、B7-1、B7-2、B7-DC、B7-H1、B7-H2、B7-H3、B7-H4、B7-H5、B7-H6、及びB7-H7が含まれるが、これらに限定されない。チェックポイント阻害剤には、CTLA-4、PDL1、PDL2、PD1、BTLA、HVEM、TIM3、GAL9、LAG3、VISTA、KIR、2B4、CD160、及びCGEN-15049のうちの1つまたは複数に結合して、その活性を遮断または阻害する抗体もしくはその抗原結合断片、他の結合タンパク質、生物学的治療薬、または低分子が含まれる。例示的な免疫チェックポイント阻害剤には、トレメリムマブ(CTLA-4遮断抗体)、抗OX40、PD-L1モノクローナル抗体(抗B7-Hl、MEDI4736)、MK-3475(PD-1遮断剤)、ニボルマブ(抗PD1抗体)、CT-011(抗PD1抗体)、BY55モノクローナル抗体、AMP224(抗PDL1抗体)、BMS-936559(抗PDL1抗体)、MPLDL3280A(抗PDL1抗体)、MSB0010718C(抗PDL1抗体)、及びイピリムマブ(抗CTLA-4チェックポイント阻害剤)が含まれるが、これらに限定されない。チェックポイントタンパク質リガンドには、PD-L1、PD-L2、B7-H3、B7-H4、CD28、CD86、及びTIM-3が含まれるが、これらに限定されない。
ある特定の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1アンタゴニスト、PD-L1アンタゴニスト、及びCTLA-4アンタゴニストから選択される。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、ニボルマブ(OPDIVO(登録商標))、イピリムマブ(YERVOY(登録商標))、及びペムブロリズマブ(KEYTRUDA(登録商標))からなる群から選択される。一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、ニボルマブ(抗PD-1抗体、OPDIVO(登録商標)、Bristol-Myers Squibb)、ペムブロリズマブ(抗PD-1抗体、KEYTRUDA(登録商標)、Merck)、イピリムマブ(抗CTLA-4抗体、YERVOY(登録商標)、Bristol-Myers Squibb)、デュルバルマブ(抗PD-L1抗体、IMFINZI(登録商標)、AstraZeneca)、及びアテゾリズマブ(抗PD-L1抗体、TECENTRIQ(登録商標)、Genentech)から選択される。
一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、ラムブロリズマブ(MK-3475)、ニボルマブ(BMS-936558)、ピディリズマブ(CT-011)、AMP-224、MDX-1105、MEDI4736、MPDL3280A、BMS-936559、イピリムマブ、リリルマブ、IPH2101、ペムブロリズマブ(KEYTRUDA(登録商標))、及びトレメリムマブからなる群から選択される。
一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、基底細胞癌(NCT03132636)、NSCLC(NCT03088540)、皮膚扁平上皮癌(NCT02760498)、リンパ腫(NCT02651662)、及び黒色腫(NCT03002376)を有する患者において試験された抗PD-1抗体である、REGN2810(Regeneron);びまん性大細胞型B細胞リンパ腫及び多発性骨髄腫に対して臨床試験中の、PD-1に結合する抗体であるピディリズマブ(CureTech)、別名CT-011;非小細胞肺癌、メルケル細胞癌、中皮腫、固形腫瘍、腎癌、卵巣癌、膀胱癌、頭頸部癌、及び胃癌に対して臨床試験中の、完全ヒトIgG1抗PD-L1抗体であるアベルマブ(BAVENCIO(登録商標)、Pfizer/Merck KGaA)、別名MSB0010718C);または非小細胞肺癌、黒色腫、トリプルネガティブ乳癌、及び進行性もしくは転移性固形腫瘍に対して臨床試験中の、PD-1に結合する阻害性抗体であるPDR001(Novartis)である。トレメリムマブ(CP-675,206、Astrazeneca)は、中皮腫、結腸直腸癌、腎臓癌、乳癌、肺癌及び非小細胞肺癌、膵管腺癌、膵臓癌、生殖細胞癌、頭頸部の扁平上皮癌、肝細胞癌、前立腺癌、子宮内膜癌、肝臓の転移性癌、肝臓癌、大細胞型B細胞リンパ腫、卵巣癌、子宮頸癌、転移性未分化甲状腺癌、尿路上皮癌、卵管癌、多発性骨髄腫、膀胱癌、軟部組織肉腫、及び黒色腫を含めたいくつかの適応症に対する臨床試験において研究されている、CTLA-4に対する完全ヒトモノクローナル抗体である。AGEN-1884(Agenus)は、進行固形腫瘍(NCT02694822)に対する第1相臨床試験において研究が進行している抗CTLA4抗体である。
一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、T細胞免疫グロブリンムチン含有タンパク質-3(TIM-3)の阻害剤である。本発明において使用され得るTIM-3阻害剤には、TSR-022、LY3321367、及びMBG453が含まれる。TSR-022(Tesaro)は、固形腫瘍(NCT02817633)において研究が進行している抗TIM-3抗体である。LY3321367(Eli Lilly)は、固形腫瘍(NCT03099109)において研究が進行している抗TIM-3抗体である。MBG453(Novartis)は、進行悪性腫瘍(NCT02608268)において研究が進行している抗TIM-3抗体である。
一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、ある特定のT細胞及びNK細胞上の免疫受容体である、Ig及びITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(またはTIGIT)の阻害剤である。本発明において使用され得るTIGIT阻害剤には、BMS-986207(Bristol-Myers Squibb)、抗TIGITモノクローナル抗体(NCT02913313)、OMP-313M32(Oncomed)、及び抗TIGITモノクローナル抗体(NCT03119428)が含まれる。
一部の実施形態では、チェックポイント阻害剤は、リンパ球活性化遺伝子-3(LAG-3)の阻害剤である。本発明において使用され得るLAG-3阻害剤には、BMS-986016及びREGN3767ならびにIMP321が含まれる。抗LAG-3抗体であるBMS-986016(Bristol-Myers Squibb)は、神経膠芽腫及び神経膠肉腫(NCT02658981)において研究が進行している。REGN3767(Regeneron)もまた、抗LAG-3抗体であり、悪性腫瘍(NCT03005782)において研究が進行している。IMP321(Immutep S.A.)は、黒色腫(NCT02676869)、腺癌(NCT02614833)、及び転移性乳癌(NCT00349934)において研究が進行している、LAG-3-Ig融合タンパク質である。
本発明において使用され得るチェックポイント阻害剤には、OX40アゴニストが含まれる。臨床試験において研究が進行しているOX40アゴニストには、転移性腎臓癌(NCT03092856)ならびに進行がん及び新生物(NCT02554812、NCT05082566)における、抗OX40アゴニスト抗体であるPF-04518600/PF-8600(Pfizer);第1相がん試験中(NCT02528357)の、抗OX40アゴニスト抗体であるGSK3174998(Merck);進行固形腫瘍(NCT02318394及びNCT02705482)における、抗OX40アゴニスト抗体であるMEDI0562(Medimmune/AstraZeneca);結腸直腸癌(NCT02559024)、乳癌(NCT01862900)、頭頸部癌(NCT02274155)、及び転移性前立腺癌(NCT01303705)を有する患者における、抗OX40アゴニスト抗体であるMEDI6469(Medimmune/AstraZeneca);ならびに進行がん(NCT02737475)における、抗OX40アゴニスト抗体であるBMS-986178(Bristol-Myers Squibb)が含まれる。
本発明において使用され得るチェックポイント阻害剤には、CD137(別称4-1BB)アゴニストが含まれる。臨床試験において研究が進行しているCD137アゴニストには、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(NCT02951156)ならびに進行がん及び新生物(NCT02554812及びNCT05082566)における、抗CD137アゴニスト抗体であるウトミルマブ(PF-05082566、Pfizer);黒色腫及び皮膚癌(NCT02652455)ならびに神経膠芽腫及び神経膠肉腫(NCT02658981)における、抗CD137アゴニスト抗体であるウレルマブ(BMS-663513、Bristol-Myers Squibb);ならびに転移性または局所進行悪性腫瘍(NCT03881488)における、抗CD137アゴニスト抗体であるCTX-471(Compass Therapeutics)が含まれる。
本発明において使用され得るチェックポイント阻害剤には、CD27アゴニストが含まれる。臨床試験において研究が進行しているCD27アゴニストには、頭頸部扁平上皮癌、卵巣癌、結腸直腸癌、腎細胞癌、及び神経膠芽腫(NCT02335918)、リンパ腫(NCT01460134)、ならびに神経膠腫及び星細胞腫(NCT02924038)における、抗CD27アゴニスト抗体であるバルリルマブ(CDX-1127、Celldex Therapeutics)が含まれる。
本発明において使用され得るチェックポイント阻害剤には、グルココルチコイド誘導腫瘍壊死因子受容体(GITR)アゴニストが含まれる。臨床試験において研究が進行しているGITRアゴニストには、悪性黒色腫及び他の悪性固形腫瘍(NCT01239134及びNCT02628574)における、抗GITRアゴニスト抗体であるTRX518(Leap Therapeutics);固形腫瘍及びリンパ腫(NCT02740270)における、抗GITRアゴニスト抗体であるGWN323(Novartis);進行がん(NCT02697591及びNCT03126110)における、抗GITRアゴニスト抗体であるINCAGN01876(Incyte/Agenus);固形腫瘍(NCT02132754)における、抗GITRアゴニスト抗体であるMK-4166(Merck)、ならびに進行固形腫瘍(NCT02583165)における、ヒトIgG1 Fcドメインを有するアゴニスト性六量体GITRリガンド分子であるMEDI1873(Medimmune/AstraZeneca)が含まれる。
本発明において使用され得るチェックポイント阻害剤には、誘導性T細胞共刺激因子(ICOS、別名CD278)アゴニストが含まれる。臨床試験において研究が進行しているICOSアゴニストには、リンパ腫(NCT02520791)における、抗ICOSアゴニスト抗体であるMEDI-570(Medimmune);第1相(NCT02723955)における、抗ICOSアゴニスト抗体であるGSK3359609(Merck);第1相(NCT02904226)における、抗ICOSアゴニスト抗体であるJTX-2011(Jounce Therapeutics)が含まれる。
本発明において使用され得るチェックポイント阻害剤には、キラーIgG様受容体(KIR)阻害剤が含まれる。臨床試験において研究が進行しているKIR阻害剤には、白血病(NCT01687387、NCT02399917、NCT02481297、NCT02599649)、多発性骨髄腫(NCT02252263)、及びリンパ腫(NCT01592370)における、抗KIR抗体であるリリルマブ(IPH2102/BMS-986015、Innate Pharma/Bristol-Myers Squibb);骨髄腫(NCT01222286及びNCT01217203)におけるIPH2101(1-7F9、Innate Pharma);ならびにリンパ腫(NCT02593045)における、長い細胞質尾部の3つのドメインに結合する抗KIR抗体(KIR3DL2)であるIPH4102(Innate Pharma)が含まれる。
本発明において使用され得るチェックポイント阻害剤には、CD47とシグナル制御性タンパク質アルファ(SIRPa)との間の相互作用のCD47阻害剤が含まれる。臨床試験において研究が進行しているCD47/SIRPa阻害剤には、第1相(NCT03013218)における、CD47に結合してCD47/SIRPa媒介性シグナル伝達を阻止する(SIRPa)のアンタゴニスト性バリアントであるALX-148(Alexo Therapeutics);第1相の臨床試験中(NCT02890368及びNCT02663518)である、ヒトCD47に結合して、それが「食べないで」シグナルをマクロファージに送達するのを阻止することによって作用する、SIRPaのN末端CD47結合ドメインをヒトIgG1のFcドメインと連結することによって作出される可溶性組換え融合タンパク質である、TTI-621(SIRPa-Fc、Trillium Therapeutics);白血病(NCT02641002)における、抗CD47抗体であるCC-90002(Celgene);ならびに結腸直腸新生物及び固形腫瘍(NCT02953782)、急性骨髄性白血病(NCT02678338)、及びリンパ腫(NCT02953509)における、Hu5F9-G4(Forty Seven,Inc.)が含まれる。
本発明において使用され得るチェックポイント阻害剤には、CD73阻害剤が含まれる。臨床試験において研究が進行しているCD73阻害剤には、固形腫瘍(NCT02503774)における、抗CD73抗体であるMEDI9447(Medimmune);及び固形腫瘍(NCT02754141)における、抗CD73抗体であるBMS-986179(Bristol-Myers Squibb)が含まれる。
本発明において使用され得るチェックポイント阻害剤には、インターフェロン遺伝子刺激因子タンパク質(STING、別名、膜貫通型タンパク質173、またはTMEM173)のアゴニストが含まれる。臨床試験において研究が進行しているSTINGのアゴニストには、リンパ腫(NCT03010176)における、アゴニスト性合成環状ジヌクレオチドであるMK-1454(Merck);及び第1相(NCT02675439及びNCT03172936)における、アゴニスト性合成環状ジヌクレオチドであるADU-S100(MIW815、Aduro Biotech/Novartis)が含まれる。
本発明において使用され得るチェックポイント阻害剤には、CSF1R阻害剤が含まれる。臨床試験において研究が進行しているCSF1R阻害剤には、結腸直腸癌、膵臓癌、転移性及び進行がん(NCT02777710)、ならびに黒色腫、非小細胞肺癌、頭頸部扁平上皮癌、消化管間質腫瘍(GIST)、及び卵巣癌(NCT02452424)における、CSF1R低分子阻害剤であるペキシダルチニブ(PLX3397、Plexxikon);ならびに膵臓癌(NCT03153410)、黒色腫(NCT03101254)、及び固形腫瘍(NCT02718911)における、抗CSF-1R抗体であるIMC-CS4(LY3022855、Lilly);ならびに進行固形腫瘍(NCT02829723)における、CSF1Rの経口利用可能な阻害剤であるBLZ945(4-[2((1R,2R)-2-ヒドロキシシクロヘキシルアミノ)-ベンゾチアゾール-6-イルオキシル]-ピリジン-2-カルボン酸メチルアミド、Novartis)が含まれる。
本発明において使用され得るチェックポイント阻害剤には、NKG2A受容体阻害剤が含まれる。臨床試験において研究が進行しているNKG2A受容体阻害剤には、頭頸部新生物(NCT02643550)及び慢性リンパ性白血病(NCT02557516)における、抗NKG2A抗体であるモナリズマブ(IPH2201、Innate Pharma)が含まれる。
一部の実施形態では、免疫チェックポイント阻害剤は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、イピリムマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、アテゾリズマブ、またはピディリズマブから選択される。
5.使用
本明細書に記載の化合物及び組成物は、一般に、eIF4Eまたはその変異体の阻害に有用である。
本発明においてeIF4Eまたはその変異体の阻害剤として利用される化合物の活性は、インビトロ、インビボ、または細胞株においてアッセイされ得る。インビトロアッセイには、eIF4Eまたはその変異体の阻害を決定するアッセイが含まれる。代替のインビトロアッセイは、阻害剤がeIF4Eに結合する能力を定量する。本発明においてeIF4Eまたはその変異体の阻害剤として利用される化合物をアッセイするための詳細な条件は、下記の実施例に定められる。
提供される化合物は、eIF4Eの阻害剤であり、したがって、eIF4Eの活性に関連する1つまたは複数の障害を治療するのに有用である。故に、ある特定の実施形態では、本発明は、eIF4E媒介性障害を治療するための方法を提供し、該方法は、それを必要とする患者に、本発明の化合物またはその薬学的に許容される組成物を投与するステップを含む、ある特定の実施形態では、eIF4E媒介性障害は、eIF4E媒介性がんである。一部の実施形態では、eIF4E媒介性がんは、乳癌、結腸直腸癌、肺癌、神経膠芽腫、肉腫、黒色腫、前立腺癌、及びリンパ腫から選択される。一部の実施形態では、eIF4E媒介性がんは、乳癌である。
本明細書で使用されるとき、「治療」、「治療する」、及び「治療すること」という用語は、本明細書に記載されるような疾患もしくは障害、またはその1つもしくは複数の症状を回復させる、緩和する、その発現を遅延させる、またはその進行を阻止することを指す。一部の実施形態では、治療は、1つまたは複数の症状が発症した後に施されてもよい。他の実施形態では、治療は、症状の不在下で施されてもよい。例えば、治療は、症状の発現前に(例えば、症状の病歴に照らして、及び/または遺伝的因子もしくは他の感受性因子に照らして)易罹患性の個体に施されてもよい。治療はまた、例えば、それらの再発を予防または遅延させるために、症状が消失した後にも継続されてもよい。
本明細書で使用されるとき、本明細書で使用される「eIF4E媒介性」障害、疾患、及び/または病態という用語は、細胞増殖性障害を含むがこれらに限定されない、eIF4Eまたはその変異体が役割を果たすことが知られている任意の疾患または他の有害な病態を意味する。一部の実施形態では、細胞増殖性障害は、本明細書に記載されるようながんである。
がん
がんには、一部の実施形態では、限定されないが、白血病(例えば、急性白血病、急性リンパ性白血病、急性骨髄球性白血病、急性骨髄芽球性白血病、急性前骨髄球性白血病、急性骨髄単球性白血病、急性単球性白血病、急性赤白血病、慢性白血病、慢性骨髄球性白血病、慢性リンパ性白血病)、真性赤血球増加症、リンパ腫(例えば、ホジキン病または非ホジキン病)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、多発性骨髄腫、重鎖病、ならびに固形腫瘍、例えば、肉腫及び癌腫(例えば、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫(lymphangioendotheliosarcoma)、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭癌、乳頭腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、肝細胞癌、胆管癌、絨毛腫、精上皮腫、胎生期癌、ウィルムス腫瘍、子宮頸癌、子宮癌、精巣癌、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星細胞腫、多形性神経膠芽腫(GBM、別名、神経膠芽腫)、髄芽細胞腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起神経膠腫、シュワン細胞腫、神経線維肉腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫、及び網膜芽細胞腫)が含まれる。
一部の実施形態では、がんは、神経膠腫、星細胞腫、多形性神経膠芽腫(GBM、別名、神経膠芽腫)、髄芽細胞腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起神経膠腫、シュワン細胞腫、神経線維肉腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫、または網膜芽細胞腫である。
一部の実施形態では、がんは、聴神経腫、星細胞腫(例えば、グレードI-毛様細胞性星細胞腫、グレードII-低悪性度星細胞腫、グレードIII-未分化星細胞腫、またはグレードIV-神経膠芽腫(GBM))、脊索腫、CNSリンパ腫、頭蓋咽頭腫、脳幹神経膠腫、上衣腫、混合型神経膠腫、視神経膠腫、上衣下腫、髄芽細胞腫、髄膜腫、転移性脳腫瘍、乏突起神経膠腫、下垂体腫瘍、原始神経外胚葉性(PNET)腫瘍、またはシュワン細胞腫である。一部の実施形態では、がんは、脳幹神経膠腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、若年性毛様細胞性星細胞腫(JPA)、髄芽細胞腫、視神経膠腫、松果体腫瘍、原始神経外胚葉性腫瘍(PNET)、またはラブドイド腫瘍等の、成人よりも子供でよく見られる種類である。一部の実施形態では、患者は、成人ヒトである。一部の実施形態では、患者は、子供または小児患者である。
がんには、別の実施形態では、限定されないが、中皮腫、肝胆道癌(肝臓及び胆管)、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭頸部癌、皮膚もしくは眼内黒色腫、卵巣癌、結腸癌、直腸癌、肛門部癌、胃癌、消化管癌(胃、結腸直腸、及び十二指腸)、子宮癌、輸卵管癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、膣癌、外陰癌、ホジキン病、食道癌、小腸癌、内分泌系の癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎癌、軟部組織肉腫、尿道癌、陰茎癌、前立腺癌、精巣癌、慢性もしくは急性白血病、慢性骨髄性白血病、リンパ球性リンパ腫、膀胱癌、腎臓もしくは尿道癌、腎細胞癌、腎盂癌、非ホジキンリンパ腫、脊椎軸腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、副腎皮質癌、胆嚢癌、多発性骨髄腫、胆管癌、線維肉腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、または前述のがんのうちの1つもしくは複数の組み合わせが含まれる。
一部の実施形態では、がんは、肝細胞癌、卵巣癌、上皮性卵巣癌、もしくは卵管癌;漿液性乳頭状嚢胞腺癌もしくは子宮漿液性乳頭状癌(UPSC);前立腺癌;精巣癌;胆嚢癌;肝臓胆管癌;軟部組織及び骨の滑膜肉腫;横紋筋肉腫;骨肉腫;軟骨肉腫;ユーイング肉腫;未分化甲状腺癌;副腎皮質腺腫;膵臓癌;膵管癌もしくは膵臓腺癌;消化管/胃(GIST)癌;リンパ腫;頭頸部の扁平上皮癌(SCCHN);唾液腺癌;神経膠腫、もしくは脳癌;神経線維腫症-1関連悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST);ワルデンシュトレームマクログロブリン血症;または髄芽細胞腫から選択される。
一部の実施形態では、がんは、肝細胞癌(HCC)、肝芽腫、結腸癌、直腸癌、卵巣癌、上皮性卵巣癌、卵管癌、漿液性乳頭状嚢胞腺癌、子宮漿液性乳頭状癌(UPSC)、肝臓胆管癌、軟部組織及び骨の滑膜肉腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、未分化甲状腺癌、副腎皮質腺腫、膵臓癌、膵管癌、膵臓腺癌、神経膠腫、神経線維腫症-1関連悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、または髄芽細胞腫から選択される。
一部の実施形態では、がんは、肉腫、癌腫等の固形腫瘍、またはリンパ腫である。固形腫瘍は一般に、典型的には嚢胞または液状領域を含まない異常な組織の塊を含む。一部の実施形態では、がんは、腎細胞癌もしくは腎臓癌;肝細胞癌(HCC)もしくは肝芽腫、または肝臓癌;黒色腫;乳癌;結腸直腸癌(colorectal carcinoma)もしくは結腸直腸癌(colorectal cancer);結腸癌;直腸癌;肛門癌;非小細胞肺癌(NSCLC)もしくは小細胞肺癌(SCLC)等の肺癌;卵巣癌(ovarian cancer)、上皮性卵巣癌、卵巣癌(ovarian carcinoma)、もしくは卵管癌;漿液性乳頭状嚢胞腺癌もしくは子宮漿液性乳頭状癌(UPSC);前立腺癌;精巣癌;胆嚢癌;肝臓胆管癌;軟部組織及び骨の滑膜肉腫;横紋筋肉腫;骨肉腫;軟骨肉腫;ユーイング肉腫;未分化甲状腺癌;副腎皮質癌;膵臓癌;膵管癌もしくは膵臓腺癌;消化管/胃(GIST)癌;リンパ腫;頭頸部の扁平上皮癌(SCCHN);唾液腺癌;神経膠腫もしくは脳癌;神経線維腫症-1関連悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST);ワルデンシュトレームマクログロブリン血症;または髄芽細胞腫から選択される。
一部の実施形態では、がんは、腎細胞癌、肝細胞癌(HCC)、肝芽腫、結腸直腸癌(colorectal carcinoma)、結腸直腸癌(colorectal cancer)、結腸癌、直腸癌、肛門癌、卵巣癌、上皮性卵巣癌、卵巣癌、卵管癌、漿液性乳頭状嚢胞腺癌、子宮漿液性乳頭状癌(UPSC)、肝臓胆管癌、軟部組織及び骨の滑膜肉腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、軟骨肉腫、未分化甲状腺癌、副腎皮質癌、膵臓癌、膵管癌、膵臓腺癌、神経膠腫、脳癌、神経線維腫症-1関連悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、または髄芽細胞腫から選択される。
一部の実施形態では、がんは、肝細胞癌(HCC)、肝芽腫、結腸癌、直腸癌、卵巣癌、上皮性卵巣癌、卵巣癌、卵管癌、漿液性乳頭状嚢胞腺癌、子宮漿液性乳頭状癌(UPSC)、肝臓胆管癌、軟部組織及び骨の滑膜肉腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、未分化甲状腺癌、副腎皮質癌、膵臓癌、膵管癌、膵臓腺癌、神経膠腫、神経線維腫症-1関連悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、または髄芽細胞腫から選択される。
一部の実施形態では、がんは、肝細胞癌(HCC)である。一部の実施形態では、がんは、肝芽腫である。一部の実施形態では、がんは、結腸癌である。一部の実施形態では、がんは、直腸癌である。一部の実施形態では、がんは、卵巣癌(ovarian cancer)、または卵巣癌(ovarian carcinoma)である。一部の実施形態では、がんは、上皮性卵巣癌である。一部の実施形態では、がんは、卵管癌である。一部の実施形態では、がんは、漿液性乳頭状嚢胞腺癌である。一部の実施形態では、がんは、子宮漿液性乳頭状癌(UPSC)である。一部の実施形態では、がんは、肝臓胆管癌である。一部の実施形態では、がんは、軟部組織及び骨の滑膜肉腫である。一部の実施形態では、がんは、横紋筋肉腫である。一部の実施形態では、がんは、骨肉腫である。一部の実施形態では、がんは、未分化甲状腺癌である。一部の実施形態では、がんは、副腎皮質癌である。一部の実施形態では、がんは、膵臓癌、または膵管癌である。一部の実施形態では、がんは、膵臓腺癌である。一部の実施形態では、がんは、神経膠腫である。一部の実施形態では、がんは、悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)である。一部の実施形態では、がんは、神経線維腫症-1関連MPNSTである。一部の実施形態では、がんは、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症である。一部の実施形態では、がんは、髄芽細胞腫である。
一部の実施形態では、がんは、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、副腎皮質癌、肛門癌、虫垂癌、非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍、基底細胞癌、胆管癌、膀胱癌、骨癌、脳腫瘍、星細胞腫、脳及び脊髄腫瘍、脳幹神経膠腫、中枢神経系非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍、中枢神経系胎児性腫瘍、乳癌、気管支腫瘍、バーキットリンパ腫、カルチノイド腫瘍、原発不明がん、中枢神経系癌、子宮頸癌、小児がん、脊索腫、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性骨髄増殖性障害、結腸癌、結腸直腸癌、頭蓋咽頭腫、皮膚T細胞リンパ腫、非浸潤性乳管癌(DCIS)、胎児性腫瘍、子宮内膜癌、上衣芽細胞腫、上衣腫、食道癌、鼻腔神経芽細胞腫、ユーイング肉腫、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、肝外胆管癌、眼癌、骨の線維性組織球腫、胆嚢癌、胃癌、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、胚細胞腫瘍、卵巣胚細胞腫瘍、妊娠性絨毛腫瘍、神経膠腫、有毛細胞白血病、頭頸部癌、心臓癌、肝細胞癌、組織球増加症、ランゲルハンス細胞癌、ホジキンリンパ腫、下咽頭癌、眼内黒色腫、膵島細胞腫瘍、カポジ肉腫、腎臓癌、ランゲルハンス細胞組織球増加症、喉頭癌、白血病、口唇及び口腔癌、肝臓癌、非浸潤性小葉癌(LCIS)、肺癌、リンパ腫、AIDS関連リンパ腫、マクログロブリン血症、男性乳癌、髄芽細胞腫、髄様上皮腫、黒色腫、メルケル細胞癌、悪性中皮腫、原発不明転移性扁平上皮性頸部癌、NUT遺伝子が関与する正中線管癌(Midline Tract Carcinoma Involving NUT Gene)、口腔癌、多発性内分泌腫瘍症候群、多発性骨髄腫/形質細胞腫瘍、菌状息肉腫、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性新生物、慢性骨髄性白血病(CML)、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄腫、多発性骨髄腫、慢性骨髄増殖性障害、鼻腔癌、副鼻腔癌、鼻咽頭癌、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺癌、口腔癌(Oral Cancer)、口腔癌(Oral Cavity Cancer)、口唇癌、口腔咽頭癌、骨肉腫、卵巣癌、膵臓癌、乳頭腫、傍神経節腫、副鼻腔癌、鼻腔癌、副甲状腺癌、陰茎癌、咽頭癌、褐色細胞腫、中間分化型松果体実質腫瘍、松果体芽細胞腫、下垂体腫瘍、形質細胞腫瘍、胸膜肺芽腫、乳癌、中枢神経系(CNS)原発リンパ腫、前立腺癌、直腸癌、腎細胞癌、淡明細胞型腎細胞癌、腎盂癌、尿管癌、移行上皮癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、肉腫、セザリー症候群、皮膚癌、小細胞肺癌、小腸癌、軟部組織肉腫、扁平上皮癌、原発不明の頸部扁平上皮癌、頭頸部の扁平上皮癌(HNSCC)、胃癌、テント上原始神経外胚葉腫瘍、T細胞リンパ腫、精巣癌、咽喉癌、胸腺腫、胸腺癌、甲状腺癌、腎盂及び尿管の移行上皮癌、トリプルネガティブ乳癌(TNBC)、妊娠性絨毛腫瘍、原発不明、まれな小児がん、尿道癌、子宮癌、子宮肉腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、またはウィルムス腫瘍である。
ある特定の実施形態では、がんは、膀胱癌、乳癌(TNBCを含む)、子宮頸癌、結腸直腸癌、慢性リンパ性白血病(CLL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、食道腺癌、神経膠芽腫、頭頸部癌、白血病(急性及び慢性)、低悪性度神経膠腫、肺癌(腺癌、非小細胞肺癌、及び扁平上皮癌を含む)、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、黒色腫、多発性骨髄腫(MM)、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、腎癌(腎明細胞癌及び乳頭状腎細胞癌を含む)、及び胃癌から選択される。
一部の実施形態では、がんは、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、結腸直腸癌、多発性骨髄腫、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、膵臓癌、肝臓癌、肝細胞癌、神経芽細胞腫、他の固形腫瘍または他の血液癌である。
一部の実施形態では、がんは、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、結腸直腸癌、多発性骨髄腫、またはAMLである。
本発明は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)関連固形腫瘍、ヒトパピローマウイルス(HPV)-16陽性の不治の固形腫瘍、及びヒトT細胞白血病ウイルスI型(HTLV-I)によって引き起こされ、白血病細胞内のHTLV-Iのクローン性の組み込みを特徴とする高悪性度形態のCD4+ T細胞白血病である成人T細胞白血病(https://clinicaltrials.gov/ct2/show/study/NCT02631746を参照されたい)を含めたウイルス関連がん;ならびに胃癌、鼻咽頭癌、子宮頸癌、膣癌、外陰癌、頭頸部の扁平上皮癌、及びメルケル細胞癌におけるウイルス関連腫瘍 (https://clinicaltrials.gov/ct2/show/study/NCT02488759を参照されたく、また、https://clinicaltrials.gov/ct2/show/study/NCT0240886、https://clinicaltrials.gov/ct2/show/ NCT02426892も参照されたい)の診断、予後判定、及び治療のための方法及び組成物をさらに扱う。
一部の実施形態では、本発明は、腫瘍の治療を必要とする患者において腫瘍を治療するための方法を提供し、該方法は、患者に、化合物I、またはその薬学的塩もしくは組成物、ならびに本明細書に記載されるようながん免疫療法剤を投与することを含む。一部の実施形態では、腫瘍は、本明細書に記載のがんのうちのいずれかを含む。一部の実施形態では、腫瘍は、黒色腫のがんを含む。一部の実施形態では、腫瘍は、乳癌を含む。一部の実施形態では、腫瘍は、肺癌を含む。一部の実施形態では腫瘍は、小細胞肺癌(SCLC)を含む。一部の実施形態では、腫瘍は、非小細胞肺癌(NSCLC)を含む。
一部の実施形態では、腫瘍は、腫瘍のさらなる増殖を停止させることによって治療される。一部の実施形態では、腫瘍は、腫瘍の大きさ(例えば、体積または嵩)を、治療前の腫瘍の大きさと比べて少なくとも5%、10%、25%、50%、75%、90%、または99%低減することによって治療される。一部の実施形態では、腫瘍は、患者における腫瘍の量を、治療前の腫瘍の量と比べて少なくとも5%、10%、25%、50%、75%、90%、または99%低減することによって治療される。
一部の実施形態では、eIF4E媒介性障害、疾患、及び/または病態は、肥満症である。例えば、Conn et al.,“The major cap-binding protein eIF4E regulates lipid homeostasis and diet-induced obesity,”Nature Metabolism volume 3,pages 244-257を参照されたく、同文献の内容は、参照によりその全体が本明細書に援用される。
一部の実施形態では、eIF4E媒介性障害、疾患、及び/または病態は、線維性疾患である。例えば、Nho et al.,“Translational control of the fibroblast-extracellular matrix association:An application to pulmonary fibrosis,”Translation 2013;1:e23934を参照されたく、同文献の内容は、参照によりその全体が本明細書に援用される。一部の実施形態では、eIF4E媒介性障害、疾患、及び/または病態は、特発性肺線維症(IPF)である。一部の実施形態では、eIF4E媒介性障害、疾患、及び/または病態は、肺高血圧症である。一部の実施形態では、eIF4E媒介性障害、疾患、及び/または病態は、腎線維症である。一部の実施形態では、eIF4E媒介性障害、疾患、及び/または病態は、肝線維症である。一部の実施形態では、eIF4E媒介性障害、疾患、及び/または病態は、骨形成不全症である。一部の実施形態では、eIF4E媒介性障害、疾患、及び/または病態は、壊血病である。一部の実施形態では、eIF4E媒介性障害、疾患、及び/または病態は、強皮症または全身性硬化症である。一部の実施形態では、eIF4E媒介性障害、疾患、及び/または病態は、ケロイドである。一部の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、線維芽細胞と細胞外マトリックスの結合を制御するために使用される。
一部の実施形態では、eIF4E媒介性障害、疾患、及び/または病態は、心疾患である。例えば、Zeitz et al.,“Translating Translation to Mechanisms of Cardiac Hypertrophy,”J.Cardiovasc.Dev.Dis.2020,7,9;doi:10.3390/jcdd7010009を参照されたく、同文献の内容は、参照によりその全体が本明細書に援用される。一部の実施形態では、eIF4E媒介性障害、疾患、及び/または病態は、心肥大である。一部の実施形態では、eIF4E媒介性障害、疾患、及び/または病態は、心不全である。一部の実施形態では、eIF4E媒介性障害、疾患、及び/または病態は、不整脈である。一部の実施形態では、eIF4E媒介性障害、疾患、及び/または病態は、虚血である。一部の実施形態では、eIF4E媒介性障害、疾患、及び/または病態は、心臓のストレスである。
一部の実施形態では、eIF4E媒介性障害、疾患、及び/または病態は、疼痛または神経炎症である。例えば、Mody et al.,“eIF4E phosphorylation modulates pain and neuroinflammation in the aged,”GeroScience(2020)42:1663-1674を参照されたく、同文献の内容は、参照によりその全体が本明細書に援用される。一部の実施形態では、eIF4E媒介性障害、疾患、及び/または病態は、慢性疼痛である。一部の実施形態では、eIF4E媒介性障害、疾患、及び/または病態は、急性疼痛である。一部の実施形態では、eIF4E媒介性障害、疾患、及び/または病態は、高齢者の炎症性疼痛である。一部の実施形態では、eIF4E媒介性障害、疾患、及び/または病態は、神経障害性疼痛である。一部の実施形態では、eIF4E媒介性障害、疾患、及び/または病態は、加齢関連の軽度の炎症である。一部の実施形態では、eIF4E媒介性障害、疾患、及び/または病態は、慢性炎症である。一部の実施形態では、eIF4E媒介性障害、疾患、及び/または病態は、急性炎症である。
一部の実施形態では、eIF4E媒介性障害、疾患、及び/または病態は、炎症性疾患である。例えば、William et al.,“eIF4E-Binding Proteins 1 and 2 Limit Macrophage Anti-Inflammatory Responses through Translational Repression of IL-10 and Cyclooxygenase-2,”J Immunol 2018;200:4102-4116を参照されたく、同文献の内容は、参照によりその全体が本明細書に援用される。一部の実施形態では、eIF4E媒介性障害、疾患、及び/または病態は、自己免疫疾患である。
一部の実施形態では、eIF4E媒介性障害、疾患、及び/または病態は、アルツハイマー病(AD)である。例えば、Ghosh et al.,“Alzheimer’s disease-related dysregulation of mRNA translation causes key pathological features with ageing,”Translational Psychiatry(2020)10:192を参照されたく、同文献の内容は、参照によりその全体が本明細書に援用される。一部の実施形態では、eIF4E媒介性障害、疾患、及び/または病態は、神経変性病態である。一部の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、アミロイド-β(Aβ)斑及び/またはリン酸化タウ凝集体を低減または除去するために使用される。
ウイルス感染症
ある特定の実施形態では、eIF4E媒介性障害、疾患、及び/または病態は、ウイルス感染症である。したがって、ある特定の実施形態では、本発明は、ウイルス感染症を治療するための方法を提供し、該方法は、それを必要とする患者に、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される組成物を投与することを含む。一部の実施形態では、ウイルス感染症は、気道のウイルス感染症である。一部の実施形態では、ウイルス感染症は、上気道の感染症である。一部の実施形態では、ウイルス感染症は、下気道の感染症である。
一部の実施形態では、本発明は、ウイルス感染症に関連する疾患または病態を治療するための方法を提供し、該方法は、それを必要とする患者に、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される組成物を投与することを含む。一部の実施形態では、ウイルス感染症に関連する疾患または病態は、肺炎である。
ある特定の実施形態では、本発明は、ウイルス複製を阻害するための方法を提供し、該方法は、それを必要とする患者に、本発明の化合物、またはその薬学的に許容される組成物を投与することを含む。
本明細書で使用されるとき、「ウイルス」という用語は、生細胞の内側で増殖する微視的な感染性生物を指す。ウイルスは、タンパク質の外被に囲まれた核酸のコアから本質的になり、例えばウイルス感染として、生細胞の内側でのみ複製する能力を有する。
本明細書で使用されるとき、「ウイルス複製」という用語は、ウイルスの少なくとも1つの生活環が起こることによる追加のウイルスの産生を指す。例えばウイルス感染の間に、ウイルスは、宿主細胞の正常な機能を妨げて、細胞がウイルスによって決定される様態でふるまうようにし得る。例えば、ウイルス感染により、細胞は、未感染の細胞が通常はそのようにしないときに、サイトカインを産生するか、またはサイトカインに応答するようになり得る。多くのウイルス(例えば、インフルエンザ及び多くの動物ウイルス)は、それらのタンパク質カプシドを覆うウイルスエンベロープを有する。エンベロープは、典型的には、宿主細胞膜の部分(リン脂質及びタンパク質)に由来するが、いくらかのウイルス糖タンパク質を含む。機能的に、ウイルスエンベロープは、ウイルスが宿主細胞に侵入するのを助けるために使用される。エンベロープの表面上の糖タンパク質は、宿主の膜上の受容体部位を特定して、それに結合する役目を果たす。次いで、ウイルスエンベロープは、宿主の膜と融合して、カプシド及びウイルスゲノムが宿主に侵入し、感染することを可能にする。
一部の実施形態では、ウイルスは、ヘルペスウイルス、ポックスウイルス、及びヘパドナウイルス等のDNAウイルス;フラビウイルス、トガウイルス、コロナウイルス、D型肝炎、オルソミクソウイルス、パラミクソウイルス、ラブドウイルス、ブニヤウイルス、フィロウイルス、及びレトロウイルス等のRNAウイルスから選択されるエンベロープウイルスである。
一部の実施形態では、ウイルスは、ヒト病原体、例えば、インフルエンザ、RSV、HIV、ロタウイルス、ニューカッスル病ウイルス、マレック病ウイルス、メタニューモウイルス、パラインフルエンザウイルス、コロナウイルス(例えば、SARS-CoV、SARS-CoV-2、HcoV-HKU1、HcoV-NL63、及びTGEVを含む)、C型肝炎ウイルス、フラビウイルス(デング熱ウイルス、日本脳炎ウイルス、クンジンウイルス、黄熱ウイルス、及びウエストナイルウイルス等)、フィロウイルス(エボラウイルス及びマールブルグウイルス等)、カリシウイルス(ノロウイルス及びサポウイルスを含む)、ヒトパピローマウイルス、エプスタイン・バールウイルス、サイトメガロウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、及び単純ヘルペスウイルスアモン(amon)、ビルナウイルス科、クリソウイルス科(Chrysoviridae)、シストウイルス科、ハイポウイルス科、パルティティウイルス科、レオウイルス科(ロタウイルス等)、トティウイルス科、ニドウイルス目、アルテリウイルス科、コロナウイルス科(コロナウイルス及びSARS等)、ロニウイルス科、アストロウイルス科、バルナウイルス科(Barnaviridae)、ブロモウイルス科、カリシウイルス科、クロステロウイルス科、コモウイルス科、ジシストロウイルス科、フラビウイルス科(黄熱ウイルス、ウエストナイルウイルス、C型肝炎ウイルス、及びデング熱ウイルス等)、フレキシウイルス科、ヘペウイルス科(E型肝炎ウイルス等)、レビウイルス科、ルテオウイルス科、マルナウイルス科(Marnaviridae)、ナルナウイルス科(Narnaviridae)、ノダウイルス科、ピコルナウイルス科(ポリオウイルス、感冒ウイルス、及びA型肝炎ウイルス等)、ポティウイルス科、セキウイルス科(Sequiviridae)、テトラウイルス科、トガウイルス科(風疹ウイルス及びロスリバーウイルス等)、トンブスウイルス科、及びティモウイルス科(Tymoviridael)、ボルナウイルス科(ボルナ病ウイルス等)、フィロウイルス科(エボラウイルス及びマールブルグウイルス等、パラミクソウイルス科(麻疹ウイルス、及びムンプスウイルス等)、ラブドウイルス科(狂犬病ウイルス等)、アレナウイルス科(ラッサ熱ウイルス等)、ブニヤウイルス科(ハンタウイルス等)、ならびにオルトミクソウイルス科(インフルエンザウイルス等)である。
一部の実施形態では、ウイルスは、コロナウイルスである。一部の実施形態では、コロナウイルスは、以下のものから選択される。
●アルファコロナウイルス
○コラコウイルス(Colacovirus)
コウモリコロナウイルスCDPHE15
○デカコウイルス(Decacovirus)
コウモリコロナウイルスHKU10
キクガシラコウモリアルファコロナウイルスHuB-2013
○ドゥヴィナコウイルス(Duvinacovirus)
ヒトコロナウイルス229E
○ルチャコウイルス(Luchacovirus)
ルチェング(Lucheng)Rnラットコロナウイルス
○ミナコウイルス(Minacovirus)
フェレットコロナウイルス
ミンクコロナウイルス1
○ミヌナコウイルス(Minunacovirus)
ユビナガコウモリコロナウイルス1
ユビナガコウモリコロナウイルスHKU8
○マイオタコウイルス(Myotacovirus)
リケットのビッグフットコウモリ(Myotis ricketti)アルファコロナウイルスSax-2011
○ニクタコウイルス(Nyctacovirus)
チュウカヤマコウモリ(Nyctalus velutinus)アルファコロナウイルスSC-2013
○ペダコウイルス
ブタ流行性下痢ウイルス
イエローハウスコウモリ(Scotophilus bat)コロナウイルス512
○ライナコウイルス(Rhinacovirus)
キクガシラコウモリ(Rhinolophus bat)コロナウイルスHKU2
○セトラコウイルス(Setracovirus)
ヒトコロナウイルスNL63
NL63関連コウモリコロナウイルス株BtKYNL63-9b
○テガコウイルス
アルファコロナウイルス1-タイプ種
●ベータコロナウイルス
○エンベコウイルス
ベータコロナウイルス1
ヒトコロナウイルスOC43
中国ドブネズミコロナウイルスHKU24
ヒトコロナウイルスHKU1
マウスコロナウイルス-タイプ種
○ヒベコウイルス
コウモリHp-ベータコロナウイルス浙江省2013
○メルベコウイルス
ハリネズミコロナウイルス1
中東呼吸器症候群関連コロナウイルス(MERS-CoV)
アブラコウモリコロナウイルスHKU5
タケコウモリ(Tylonycteris bat)コロナウイルスHKU4
○ノベコウイルス
ルーセットオオコウモリ(Rousettus bat)コロナウイルスGCCDC1
ルーセットオオコウモリコロナウイルスHKU9
○サルベコウイルス
重症急性呼吸器症候群関連コロナウイルス
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoV)
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2、COVID-19)
●デルタコロナウイルス
○アンデコウイルス(Andecovirus)
ヒドリガモコロナウイルスHKU20
○ブルデコウイルス(Buldecovirus)
ヒヨドリコロナウイルスHKU11-タイプ種
ブタコロナウイルスHKU15
ムニアコロナウイルスHKU13
メジロコロナウイルスHKU16
○ヘルデコウイルス(Herdecovirus)
ゴイサギコロナウイルスHKU19
○ムールデコウイルス(Moordecovirus)
バン(Common moorhen)コロナウイルスHKU21
●ガンマコロナウイルス
○セガコウイルス(Cegacovirus)
シロイルカコロナウイルスSW1
○イガコウイルス(Igacovirus)
トリコロナウイルス-タイプ種
一部の実施形態では、コロナウイルスは、SARS-CoV(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス)である。一部の実施形態では、コロナウイルスは、COVID-19(コロナウイルス感染症2019)を引き起こしたウイルスストリング(string)である、SARS-CoV-2である。
一部の実施形態では、ウイルスは、ヒトライノウイルスである。一部の実施形態では、ウイルスは、インフルエンザウイルスである。一部の実施形態では、ウイルスは、ピコルナウイルス(例えば、ライノウイルス)である。一部の実施形態では、ウイルスは、ヒトパラインフルエンザウイルスである。一部の実施形態では、ウイルスは、ヒト呼吸器合胞体ウイルスである。一部の実施形態では、ウイルスは、アデノウイルスである。一部の実施形態では、ウイルスは、エンテロウイルスである。一部の実施形態では、ウイルスは、メタニューモウイルスである。
一部の実施形態では、ウイルスは、エボラ及びマールブルグウイルス(フィロウイルス科);ロスリバーウイルス、チクングニアウイルス、シンドビスウイルス、東部ウマ脳炎ウイルス(トガウイルス科、アルファウイルス)、水疱性口内炎ウイルス(ラブドウイルス科、水疱ウイルス)、アマパリ(Amapari)ウイルス、ピチンデウイルス、タカリベウイルス、フニンウイルス、マチュポウイルス(アレナウイルス科、マムアレナウイルス)、ウエストナイルウイルス、デング熱ウイルス、黄熱ウイルス(フラビウイルス科、フラビウイルス);ヒト免疫不全ウイルス1型(レトロウイルス科、レンチウイルス);モロニーマウス白血病ウイルス(レトロウイルス科、ガンマレトロウイルス);A型インフルエンザウイルス(オルトミクソウイルス科);呼吸器合胞体ウイルス(パラミクソウイルス科、ニューモウイルス亜科、ニューモウイルス);ワクシニアウイルス(ポックスウイルス科、コードポックスウイルス亜科、オルソポックスウイルス);単純ヘルペスウイルス1型、単純ヘルペスウイルス2型(ヘルペスウイルス科、アルファヘルペスウイルス亜科、単純ウイルス);ヒトサイトメガロウイルス(ヘルペスウイルス科、ベータヘルペスウイルス亜科、サイトメガロウイルス);キンウワバ科核多角体病ウイルス(バキュロウイルス科、アルファバキュロウイルス科)(昆虫ウイルス);エボラ及びマールブルグウイルス(フィロウイルス科);セムリキ森林ウイルス、ロスリバーウイルス、チクングニアウイルス、オニョンニョンウイルス、シンドビスウイルス、東部/西部/ベネズエラウマ脳炎ウイルス(トガウイルス科、アルファウイルス);風疹(ドイツ麻疹(German measles))ウイルス(トガウイルス科、ルビウイルス);狂犬病ウイルス、ラゴスコウモリウイルス、モコラウイルス(ラブドウイルス科、リッサウイルス);アマパリウイルス、ピチンデウイルス、タカリベウイルス、フニンウイルス、マチュポウイルス、グアナリトウイルス、サビアウイルス、ラッサウイルス(アレナウイルス科、マムアレナウイルス);ウエストナイルウイルス、デング熱ウイルス、黄熱ウイルス、ジカウイルス、日本脳炎ウイルス、セントルイス脳炎ウイルス、ダニ媒介脳炎ウイルス、オムスク出血熱ウイルス、キャサヌル森林ウイルス(フラビウイルス科、フラビウイルス);ヒトC型肝炎ウイルス(フラビウイルス科、ヘパシウイルス);ヒト免疫不全ウイルス1型(レトロウイルス科、レンチウイルス);A/B型インフルエンザウイルス(オルトミクソウイルス科、一般的インフルエンザウイルス);呼吸器合胞体ウイルス(パラミクソウイルス科、ニューモウイルス亜科、ニューモウイルス);ヘンドラウイルス、ニパウイルス(パラミクソウイルス科、パラミクソウイルス亜科、ヘニパウイルス);麻疹ウイルス(パラミクソウイルス科、パラミクソウイルス亜科、モルビリウイルス);大痘瘡(痘瘡)ウイルス(ポックスウイルス科、コードポックスウイルス亜科、オルソポックスウイルス);ヒトB型肝炎ウイルス(ヘパドナウイルス科、オルトヘパドナウイルス);デルタ肝炎ウイルス(D型肝炎ウイルス)(ウイルス科未分類、デルタウイルス);単純ヘルペスウイルス1型、単純ヘルペスウイルス2型(ヘルペスウイルス科、アルファヘルペスウイルス亜科、単純ウイルス);ヒトサイトメガロウイルス(ヘルペスウイルス科、ベータヘルペスウイルス亜科、サイトメガロウイルス)からなる群から選択される。
一部の実施形態では、ウイルスは、以下のウイルス科から選択される。
●アデノウイルス科、パピローマウイルス科、ポリオーマウイルス科、ヘルペスウイルス科、及びポックスウイルス科(これらには、アデノウイルス、単純ヘルペス-1、単純ヘルペス-2、水痘帯状疱疹、エプスタイン・バールウイルス、サイトメガロウイルス、ヒトヘルペスウイルス8、ヒトパピローマウイルス、BKウイルス、JCウイルス、水痘及び天然痘が含まれるが、これらに限定されない)、
●ヘパドナウイルス科(B型肝炎ウイルスを含むがこれらに限定されない)、
●パルボウイルス科(ヒトボカウイルス及びパルボウイルスB19を含むがこれらに限定されない)、
●アストロウイルス科、カリシウイルス科、ピコルナウイルス科、コロナウイルス科(Coronoviridae)、フラビウイルス科、レトロウイルス科、トガウイルス科、ヘペウイルス科(これらには、ヒトアストロウイルス、ノーウォークウイルス、コクサッキーウイルス、A型肝炎、ポリオウイルス、ライノウイルス、重症急性呼吸器症候群ウイルス(SARS)、C型肝炎ウイルス、黄熱ウイルス、デング熱ウイルス、ウエストナイルウイルス、風疹ウイルス、E型肝炎ウイルスが含まれるが、これらに限定されない)、アレナウイルス科、ブニヤウイルス科、フィロウイルス科、オルトミクソウイルス科、パラミクソウイルス科、及びラブドウイルス科(これらには、インフルエンザウイルス、グアナリトウイルス、フニンウイルス、ラッサウイルス、マチュポウイルス、サビアウイルス、クリミア・コンゴ出血熱ウイルス、エボラウイルス、マールブルグウイルス、麻疹(Measelse)ウイルス、ムンプスウイルス、パラインフルエンザウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、ヒトメタニューモウイルス、ヘンドラウイルス、ヒパ(Hipah)ウイルス、狂犬病ウイルスが含まれるが、これらに限定されない)、レオウイルス科(トラウイルス(Toravirus)、オルビウイルス、コルティウイルス、バンナウイルスを含むがこれらに限定されない)。D型肝炎ウイルス。追加のウイルスには下記が含まれる:ラブドウイルス科(水疱性口内炎ウイルスを含むがこれらに限定されない)。ピコルナウイルス科(口蹄疫ウイルスを含むがこれらに限定されない)、ペスチウイルス科(ブタコレラ及びウシウイルス性下痢を含むがこれらに限定されない)。アルテリウイルス科(ウシ動脈炎ウイルス、ブタ生殖器呼吸器症候群ウイルス、乳酸デヒドロゲナーゼ上昇ウイルス、及びサル出血熱ウイルスを含むがこれらに限定されない)。コロナウイルス科(感染性気管支炎ウイルス、伝染性胃腸炎コロナウイルス(coronoavirus)、ウシコロナウイルス、ネココロナウイルス、イヌコロナウイルス、マウス(moust)肝炎ウイルスを含むがこれらに限定されない)、トロウイルス科(ベルン(Berne)ウイルス、ブレダ(Breda)ウイルスを含むがこれらに限定されない)。オルトミクソウイルス科(トリインフルエンザウイルス、ブタインフルエンザウイルスを含むがこれらに限定されない)。レオウイルス科(ブルータングウイルスを含むがこれらに限定されない)。サーコウイルス科(Clroviridae)(ニワトリ貧血ウイルス、ブタサーコウイルス-1、ブタサーコウイルス(cirovirus)-2、オウム類嘴羽毛病ウイルス、ハトサーコウイルス、カナリアサーコウイルス、及びガチョウサーコウイルスを含むがこれらに限定されない)。アスファウイルス科(アフリカブタ熱ウイルスを含むがこれらに限定されない)。レトロウイルス科(トリ白血病ウイルス、ラウス肉腫ウイルス、マウス乳癌ウイルス、マウス白血病ウイルス、ネコ白血病ウイルス、ウシ(boine)白血病ウイルス、ウォールアイ皮膚肉腫ウイルス、サル及びネコ免疫不全ウイルス、サルフォーミーウイルスを含むがこれらに限定されない)。フラビウイルス科(ダニ媒介脳炎ウイルス、日本脳炎ウイルス、セントルイス脳炎ウイルス、イスラエルトルコ髄膜脳脊髄炎ウイルス、シティアワン(Sitiawan)ウイルス、ウエッセルズブロン(Wesselsbron)ウイルス、及び羊跳躍病ウイルスを含むがこれらに限定されない)。パラミクソウイルス科(イヌジステンパーウイルス、アザラシジステンパーウイルス、クジラモルビリウイルス、ニューカッスル病ウイルス、牛疫ウイルスを含むがこれらに限定されない)。ほとんどの確認されたPS妨害感受性(PS-Interception-Susceptible)エンベロープウイルスは、以下のRNAウイルスである:エボラ及びマールブルグウイルス(フィロウイルス科);ロスリバーウイルス、チクングニアウイルス、シンドビスウイルス、東部ウマ脳炎ウイルス(トガウイルス科、アルファウイルス)、水疱性口内炎ウイルス(ラブドウイルス科、水疱ウイルス)、アマパリウイルス、ピチンデウイルス、タカリベウイルス、フニンウイルス、マチュポウイルス(アレナウイルス科、マムアレナウイルス)、ウエストナイルウイルス、デング熱ウイルス、黄熱ウイルス(フラビウイルス科、フラビウイルス);ヒト免疫不全ウイルス1型(レトロウイルス科、レンチウイルス);モロニーマウス白血病ウイルス(レトロウイルス科、ガンマレトロウイルス);A型インフルエンザウイルス(オルトミクソウイルス科);呼吸器合胞体ウイルス(パラミクソウイルス科、ニューモウイルス亜科、ニューモウイルス)。確認されたPS妨害感受性エンベロープDNAウイルスは、以下である:ワクシニアウイルス(ポックスウイルス科、コードポックスウイルス亜科、オルソポックスウイルス);単純ヘルペスウイルス1型、単純ヘルペスウイルス2型(ヘルペスウイルス科、アルファヘルペスウイルス亜科、単純ウイルス);ヒトサイトメガロウイルス(ヘルペスウイルス科、ベータヘルペスウイルス亜科、サイトメガロウイルス);キンウワバ科核多角体病ウイルス(バキュロウイルス科、アルファバキュロウイルス科)(昆虫ウイルス)。見込まれるPS妨害感受性の重要なエンベロープRNAウイルスは、以下である:エボラ及びマールブルグウイルス(フィロウイルス科);セムリキ森林ウイルス、ロスリバーウイルス、チクングニアウイルス、オニョンニョンウイルス、シンドビスウイルス、東部/西部/ベネズエラウマ脳炎ウイルス(トガウイルス科、アルファウイルス);風疹(ドイツ麻疹)ウイルス(トガウイルス科、ルビウイルス);狂犬病ウイルス、ラゴスコウモリウイルス、モコラウイルス(ラブドウイルス科、リッサウイルス);アマパリウイルス、ピチンデウイルス、タカリベウイルス、フニンウイルス、マチュポウイルス、グアナリトウイルス、サビアウイルス、ラッサウイルス(アレナウイルス科、マムアレナウイルス);ウエストナイルウイルス、デング熱ウイルス、黄熱ウイルス、ジカウイルス、日本脳炎ウイルス、セントルイス脳炎ウイルス、ダニ媒介脳炎ウイルス、オムスク出血熱ウイルス、キャサヌル森林ウイルス(フラビウイルス科、フラビウイルス);ヒトC型肝炎ウイルス(フラビウイルス科、ヘパシウイルス);ヒト免疫不全ウイルス1型(レトロウイルス科、レンチウイルス);A/B型インフルエンザウイルス(オルトミクソウイルス科、一般的インフルエンザウイルス);呼吸器合胞体ウイルス(パラミクソウイルス科、ニューモウイルス亜科、ニューモウイルス);ヘンドラウイルス、ニパウイルス(パラミクソウイルス科、パラミクソウイルス亜科、ヘニパウイルス);麻疹ウイルス(パラミクソウイルス科、パラミクソウイルス亜科、モルビリウイルス)。見込まれるPS妨害感受性エンベロープDNAウイルスは、以下である:大痘瘡(痘瘡)ウイルス(ポックスウイルス科、コードポックスウイルス亜科、オルソポックスウイルス);ヒトB型肝炎ウイルス(ヘパドナウイルス科、オルトヘパドナウイルス);デルタ肝炎ウイルス(D型肝炎ウイルス)(ウイルス科未分類、デルタウイルス);単純ヘルペスウイルス1型、単純ヘルペスウイルス2型(ヘルペスウイルス科、アルファヘルペスウイルス亜科、単純ウイルス);ヒトサイトメガロウイルス(ヘルペスウイルス科、ベータヘルペスウイルス亜科、サイトメガロウイルス)。
一部の実施形態では、本発明は、ウイルス感染症を治療するための方法を提供し、該方法は、眼(網膜、強膜、水晶体、虹彩、瞳孔、角膜、黄斑、網膜血管、視神経)、耳(外耳道、中耳の骨、鼓膜、耳管、蝸牛神経、前庭神経、三半規管、蝸牛)、鼻(鼻孔、前庭、鼻甲介、副鼻腔)、口腔及び中咽頭(唇、歯肉、硬口蓋及び軟口蓋、唾液腺、口蓋垂、扁桃腺、アデノイド、歯)、中枢神経系及び関連構造(脳、大脳、小脳、嗅覚球(olvactory bulb)、視床下部、網様体、延髄、髄膜、脳室、視床、松果腺)、末梢神経系及び腸管神経系(自律神経、交感神経、副交感神経、感覚神経、神経節細胞、神経節)、皮膚(表皮、真皮、付属器構造、皮脂腺、毛包、角質層、顆粒細胞、有棘細胞、汗腺)、気道(喉頭、気管、気管支、細気管支、肺、肺胞、胸膜)、消化管(咽頭、食道、胃、小腸、十二指腸、空腸、回腸、結腸、直腸、虫垂、肛門)、肝臓(肝内胆管及び肝外胆管、胆嚢、肝臓、肝細胞、小管、ヘリング管)、膵臓(膵臓内分泌部、膵臓外分泌部、膵管、膵腺房)、尿路(腎皮質、尿細管、腎盂、糸球体、尿管、膀胱、尿道)、男性生殖管(前立腺、精巣、陰嚢、精巣上体、精管、亀頭、包皮、尿道海綿体、陰茎海綿体、カウパー腺)、女性生殖管(卵巣、卵管采、輸卵管、子宮、子宮内膜、子宮頸管内膜、子宮頸管腺、子宮頸部、子宮頸膣部、膣、陰唇、胎盤)、内分泌系(松果体、下垂体、甲状腺、副甲状腺、副腎、副腎皮質、副腎髄質)、心血管系(心臓、心膜、心筋、心内膜、心房、心室、冠状動脈、三尖弁、大動脈弁、僧帽弁、肺動脈弁、大動脈、動脈、細動脈、毛細血管、細静脈、静脈、下大静脈、上大静脈、肺動脈、肺静脈)、筋骨格系(骨、腱、靭帯、骨格筋、平滑筋、筋膜)、及び血液(血小板、赤血球、白血球、及びそれら全ての前駆体、ならびに骨髄)を含むがこれらに限定されない組織における、ウイルス誘発性またはウイルスに関連する損傷及び疾患(壊死、炎症、硬化症)によって引き起こされる疾患を治療することを含む。
ある特定の実施形態では、本発明の化合物または組成物は、患者に経鼻投与される。他の実施形態では、本発明の化合物または組成物は、肺吸入を介して患者に投与される。
本発明の方法による化合物及び組成物は、疾患、障害、及び/または病態の治療またはその重症度の軽減に有効な任意の量及び任意の投与経路を使用して投与されてもよい。必要とされる正確な量は、対象の種、年齢、及び全身状態、疾患または病態の重症度、特定の薬剤、その投与様式等に応じて対象間で様々であろう。本発明の方法による化合物及び組成物は、好ましくは、投与の容易性及び投薬量の均一性のために単位剤形中で製剤化される。本明細書で使用される「単位剤形」という表現は、治療される患者に適切な薬剤の物理的に個別的な単位を指す。しかしながら、化合物及び組成物の1日の総使用量は、賢明な医療判断の範囲内で主治医によって決定されることが理解されよう。任意の特定の患者または生物に対する具体的な有効用量レベルは、治療されている障害及び障害の重症度;用いられる具体的な化合物の活性;用いられる具体的な組成物;患者の年齢、体重、全般的な健康、性別、及び食生活;用いられる具体的な化合物の投与時間、投与経路、及び排泄速度;治療の継続期間;用いられる具体的な化合物と組み合わせてまたはそれと同時に使用される薬物、ならびに医療分野で周知の同様の要因を含めた、様々な因子に依存することになる。本明細書で使用される「患者」という用語は、動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを意味する。
本発明の薬学的に許容される組成物は、治療されている疾患または障害の重症度に応じて、ヒト及び他の動物に経口で、直腸内に、非経口で、大槽内に、膣内に、腹腔内に、局所に(散剤、軟膏、または液滴によって等)、頬側に、口腔スプレーまたは点鼻薬として等で投与することができる。ある特定の実施形態では、本発明の化合物は、所望の治療効果を得るために、1日当たり約0.01mg/kg~約50mg/kg、好ましくは約1mg/kg~約25mg/kg(対象の体重)の投薬量レベルで、1日1回または複数回、経口または非経口で投与されてもよい。
経口投与用の液体剤形には、薬学的に許容される乳剤、微粒子乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤、及びエリキシル剤が含まれるが、これらに限定されない。活性化合物に加えて、液体剤形は、例えば、水または他の溶媒等の当該技術分野で一般的に使用される不活性希釈剤、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、ピーナッツ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、及びソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにそれらの混合物等の可溶化剤及び乳化剤を含有してもよい。不活性希釈剤の他に、経口組成物はまた、湿潤剤、乳化剤及び懸濁化剤、甘味剤、香味剤、ならびに芳香剤等のアジュバントも含むことができる。
注射用調製物、例えば、滅菌された注射用の水性または油性懸濁液が、好適な分散剤または湿潤剤及び懸濁化剤を使用して、公知技術に従って製剤化されてもよい。滅菌注射用調製物はまた、例えば、1,3-ブタンジオール中の溶液としての、無毒の非経口で許容される希釈剤または溶媒中の滅菌注射液、懸濁液または乳剤であってもよい。用いられ得る許容されるビヒクル及び溶媒の中には、水、リンゲル液(U.S.P.)、及び等張塩化ナトリウム液がある。加えて、滅菌された固定油が、溶媒または懸濁媒として慣習的に用いられる。この目的で、合成モノまたはジグリセリドを含めた任意の無刺激性固定油を用いることができる。加えて、オレイン酸等の脂肪酸が注射剤の調製において使用される。
注射用製剤は、例えば、細菌保持フィルターに通した濾過によって、または、使用前に滅菌水もしくは他の滅菌注射用媒体中に溶解もしくは分散させることができる滅菌された固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことによって、滅菌され得る。
本明細書に記載されるような化合物の効果を延長するために、皮下注射または筋肉内注射からの化合物の吸収を緩徐化することがしばしば望ましい。これは、水に難溶性の結晶質材料または非晶質材料の液体懸濁液の使用によって遂行されてもよい。すると、化合物の吸収速度はその溶解速度に依存し、溶解速度が今度は結晶サイズ及び結晶形態に依存し得る。代替として、非経口投与された化合物形態の吸収遅延は、化合物を油性ビヒクル中に溶解または懸濁させることによって遂行される。注射用デポー形態は、ポリラクチド-ポリグリコリド等の生分解性ポリマー中で化合物のマイクロカプセル化マトリックスを形成させることによって作製される。化合物対ポリマーの比、及び用いられる特定のポリマーの性質に応じて、化合物の放出速度が制御され得る。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)及びポリ(無水物)が挙げられる。デポー注射用製剤はまた、身体組織と適合性であるリポソームまたは微粒子乳剤に化合物を封入することによっても調製される。
直腸または膣内投与用の組成物は、好ましくは坐剤であり、坐剤は、周囲温度では固体であるが、体温では液体であるため直腸または膣腔内で溶けて活性化合物を放出する、ココアバター、ポリエチレングリコール、または坐剤ワックス等の好適な非刺激性の賦形剤または担体と本発明の化合物を混合することによって調製され得る。
経口投与用の固体剤形には、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、及び顆粒剤が含まれる。かかる固体剤形では、活性化合物は、クエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウム等の少なくとも1つの不活性な薬学的に許容される賦形剤もしくは担体、及び/またはa)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、及びケイ酸等の充填剤もしくは増量剤、b)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、及びアカシア等の結合剤、c)グリセロール等の保湿剤、d)寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、ある特定のシリケート、及び炭酸ナトリウム等の崩壊剤、e)パラフィン等の溶解遅延剤、f)第四級アンモニウム化合物等の吸収促進剤、g)例えば、セチルアルコール及びグリセロールモノステアレート等の湿潤剤、h)カオリン及びベントナイトクレイ等の吸収剤、ならびにi)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、及びそれらの混合物等の滑沢剤と混合される。カプセル剤、錠剤、及び丸剤の場合、剤形はまた、緩衝剤を含んでもよい。
類似の種類の固体組成物がまた、ラクトースすなわち乳糖等の賦形剤、ならびに高分子量ポリエチレングリコール等を使用した、軟質充填及び硬質充填ゼラチンカプセルにおける充填剤として用いられてもよい。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、及び顆粒剤の固体剤形は、腸溶性コーティング及び医薬製剤学分野で周知の他のコーティング等のコーティング及び外殻により調製され得る。それらは、任意選択で、乳白剤を含有してもよく、また、それらが活性成分(複数可)を腸管のある特定の部分でのみ、またはその部分で優先的に、任意選択で遅延した様態で放出する組成物のものであり得る。使用され得る埋め込み用組成物の例としては、ポリマー物質及びワックスが挙げられる。類似の種類の固体組成物がまた、ラクトースすなわち乳糖等の賦形剤、ならびに高分子量ポリエチレングリコール等を使用した、軟質充填及び硬質充填ゼラチンカプセルにおける充填剤として用いられてもよい。
活性化合物はまた、上述したような賦形剤のうちの1つまたは複数とともにした、マイクロカプセル化形態にあることができる。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、及び顆粒剤の固体剤形は、腸溶性コーティング、放出制御コーティング、及び医薬製剤学分野で周知の他のコーティング等のコーティング及び外殻により調製され得る。かかる固体剤形では、活性化合物は、スクロース、ラクトース、またはデンプン等の少なくとも1つの不活性希釈剤と混和されてもよい。かかる剤形はまた、通常の慣行であるように、不活性希釈剤以外の追加の物質、例えば、ステアリン酸マグネシウム及び微晶質セルロースのような打錠用滑沢剤及び他の打錠補助剤を含んでもよい。カプセル剤、錠剤、及び丸剤の場合、剤形はまた、緩衝剤を含んでもよい。それらは、任意選択で、乳白剤を含有してもよく、また、それらが活性成分(複数可)を腸管のある特定の部分でのみ、またはその部分で優先的に、任意選択で遅延した様態で放出する組成物のものであり得る。使用され得る埋め込み用組成物の例としては、ポリマー物質及びワックスが挙げられる。
本発明の化合物の局所または経皮投与用の剤形には、軟膏、パスタ剤、クリーム、ローション、ゲル、散剤、液剤、スプレー剤、吸入剤、または貼付剤が含まれる。活性成分は、滅菌条件下で、薬学的に許容される担体、及び必要とされ得る場合には任意の必要な防腐剤または緩衝剤と混和される。眼科用製剤、点耳薬、及び点眼薬もまた、本発明の範囲内にあることが企図される。さらに、本発明は、経皮吸収型貼付剤の使用を企図し、これは化合物の身体への制御性送達を提供するという、さらなる利点を有する。かかる剤形は、活性化合物を適正な媒体中に溶解または分配させることによって作製することができる。皮膚を横断した化合物の流れを増加させるために吸収向上剤もまた使用することができる。その速度は、速度制御膜を設けることによって、または化合物をポリマーマトリックスもしくはゲル中に分散させることによってのいずれかで制御することができる。
以下の実施例は、例示目的で提供されるにすぎず、本発明をいかなる様式でも限定するものとして解釈されるべきではない。
下記の実施例に図示されるように、ある特定の例示的な実施形態では、以下の一般的手順に従って化合物を調製する。これらの一般的方法は、本発明のある特定の化合物の合成について図示するが、本明細書に記載されるような全ての化合物ならびにこれらの化合物の各々のサブクラス及び種に対して以下の一般的方法、及び当業者に既知の他の方法を適用することができることが理解されよう。
実施例1.ある特定の例示的な化合物の合成
スキーム1:化合物a、b、c、530のための経路
スキーム2:化合物627、628、631、632、637、673、674のための経路
スキーム3:化合物615のための経路
スキーム4:化合物658、660、665、666、668、670のための経路
スキーム5:化合物627-s、633-s、637-sのための経路
スキーム6:化合物628-s、629-s、635-sのための経路
スキーム7:化合物632-sのための経路
スキーム8:化合物I-3、I-5、I-6、I-7、I-8、I-11、I-14、I-17のための経路
スキーム9:化合物I-15のための経路
スキーム10:化合物I-9、I-10のための経路
スキーム11:化合物I-1、I-4、I-25、I-26のための経路
スキーム12:化合物I-2、I-12、I-13、I-18、I-19、I-20、I-21、I-22、I-23のための経路
スキーム13:化合物I-16のための経路
スキーム14:化合物I-24のための経路
一般情報:全ての蒸発は、回転蒸発器を用いて真空で実施した。分析試料は、室温で真空(1~5mmHg)乾燥させた。薄層クロマトグラフィー(TLC)はシリカゲルプレート上で行い、スポットをUV光(214及び254nm)によって可視化した。カラム及びフラッシュクロマトグラフィーによる精製は、シリカゲル(200~300メッシュ)を使用して実施した。溶媒系は、体積に基づく混合物として報告する。全てのNMRスペクトルは、Bruker 400(400MHz)分光計で記録した。1H化学シフトは、重水素化溶媒を内部標準として用いてppm単位のδ値で報告する。データは、以下のように報告する:化学シフト、多重度(s=一重線、d=二重線、t=三重線、q=四重線、br=広域、m=多重線)、カップリング定数(Hz)、積分。
LCMSスペクトルは、エレクトロスプレーイオン化を用いてAgilent 1200シリーズ6110または6120質量分光計で得、別途指定されない限り、一般的なLCMS条件は以下の通りであった:
方法A(Agilent LCMS 1200-6110、カラム:Waters X-Bridge C18(50mm×4.6mm×3.5μm);カラム温度:40℃;流量:3.0mL/分;移動相:0.8分間で95%[水+0.05%TFA]及び5%[CHCN+0.05%TFA]から0%[水+0.05%TFA]及び100%[CHCN+0.05%TFA]、次いでこの条件下で0.4分間、最後に0.01分間で95%[水+0.05%TFA]及び5%[CHCN+0.05%TFA]に変更)。
方法B(Agilent LCMS 1200-6110、カラム:Waters X-Bridge C18(50mm×4.6mm×3.5μm);カラム温度:40℃;流量:2.0mL/分;移動相:1.6分間で95%[水+0.05%TFA]及び5%[CHCN+0.05%TFA]から0%[水+0.05%TFA]及び100%[CHCN+0.05%TFA]、次いでこの条件下で1.4分間、最後に0.05分間で95%[水+0.05%TFA]及び5%[CHCN+0.05%TFA]に変更し、この条件下で0.7分間)。
方法C(Agilent LCMS 1200-6120、カラム:Waters X-Bridge C18(50mm×4.6mm×3.5μm);カラム温度:40℃;流量:2.0mL/分;移動相:1.6分間で95%[水+10mMのNHHCO]及び5%[CHCN]から0%[水+10mMのNHHCO]及び100%[CHCN]、次いでこの条件下で1.4分間、最後に0.1分間で95%[水+10mMのNHHCO]及び5%[CHCN]に変更し、この条件下で0.7分間)。
方法D(Agilent LCMS 1200-6120、カラム:Waters X-Bridge C18(50mm×4.6mm×3.5μm);カラム温度:45℃;流量:2.3mL/分;移動相:1.75分間で95%[水+10mMのNHHCO]及び5%[CHCN]から0%[水+10mMのNHHCO]及び100%[CHCN]、次いでこの条件下で0.8分間、最後に0.1分間で95%[水+10mMのNHHCO]及び5%[CHCN]に変更し、この条件下で0.1分間)。
1-(3,4-ジクロロフェニル)-3-メチルブタン-1-オン(a-1)の合成
THF(100mL)中のs-1(10.0g、58.1mmol)の溶液に、臭化イソブチルマグネシウム(THF中1.0M、87.1mL、87.1mmol)を添加した。反応物を室温で16時間撹拌した。反応が完了すると、それをNHCl水溶液(飽和、500mL)中に注ぎ、EtOAc(100mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、HO(100mL)及びブライン(80mL)で洗浄し、次いで無水NaSOで乾燥させ、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=20/1)によって精製して、a-1(7.50g、収率55.8%)を黄色の油として得た。
2-ブロモ-1-(3,4-ジクロロフェニル)-3-メチルブタン-1-オン(a-2)の合成
THF(150mL)中のa-1(7.50g、32.5mmol)及びPTAT(18.3g、48.7mmol)の混合物を室温で一晩撹拌した。反応が完了すると、それを濃縮し、残渣をHO(100mL)中に溶解させ、次いでEtOAc(100mL×2)で抽出した。有機層を合わせ、HO(60mL×2)及びブライン(80mL)で洗浄し、次いで無水NaSOによって乾燥させた。溶液を濃縮して粗生成物を得、それをさらに精製することなく次のステップで直接使用して、a-2(10.1g、収率100%)を茶色の油として得た。
1-(3,4-ジクロロフェニル)-3-メチル-2-チオシアナトブタン-1-オン(a)の合成
EtOH(100.0mL)中のa-2(10.1g、32.5mmol)及びNaSCN(5.26g、64.9mmol)の混合物を100℃で6時間撹拌した。反応が完了すると、それを濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10/1)によって精製して、a(5.32g、収率57.0%)を白色の固体として得た。
1-(3,4-ジクロロフェニル)-3-メチルブタン-2-オン(615-1)の合成
DMF(12.0mL)中の611-1(1.30g、6.34mmol)及びイソ酪酸メチル(648mg、6.34mmol)の溶液に、KHDMS(THF中1.0M、25.0mL)を-10℃で添加した。反応物を室温で3時間撹拌した。反応が完了すると、それをNHCl水溶液(飽和、80.0mL)で反応停止処理し、EtOAc(100mL×2)で抽出し、合わせた有機相をブライン(100mL)で洗浄し、無水NaSOによって乾燥させ、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=50/1)によって精製して、615-1(900mg、収率61.4%)を黄色の油として得た。
5-(3,4-ジクロロフェニル)-4-イソプロピルチアゾール-2-アミン(615)の合成
CHCN(10.0mL)中の615-1(900mg、3.89mmol)、チオ尿素(593mg、7.79mmol)、CBrCl(1.50mL)、及びKHCO(780mg、7.79mmol)の混合物を80℃で3時間撹拌した。反応が完了すると、それを濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=3/1)によって精製して、615(500mg、収率44.7%)を黄色の固体として得た。
5-ブロモ-4-イソプロピルチアゾール-2-アミン(658-2)の合成
AcOH/MeCN(v/v=1/10、77.0mL)中の658-1(10.0g、70.3mmol)及びNBS(15.0g、84.4mmol)の混合物を室温で一晩撹拌した。反応が完了すると、それを濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=3/1)によって精製して、658-2(11.0g、収率70.7%)を黄色の固体として得た。
4-イソプロピル-5-(ナフタレン-2-イル)チアゾール-2-アミン(658)の合成
トルエン/EtOH/HO(v/v/v=3/3/1、3.0mL)中の658-2(200mg、0.904mmol)、ナフタレン-2-イルボロン酸(187mg、1.09mmol)、Pd(PPh(104mg、0.0904mmol)、及びKPO(384mg、1.81mmol)の混合物をN雰囲気下で、85℃で16時間撹拌した。反応が完了すると、それを濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=3/1)によって精製して、658(70.0mg、収率28.8%)を黄色の固体として得た。
1-(4-(2-アミノ-4-イソペンチルチアゾール-5-イル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オン(632-s)の合成
ジオキサン(20.0mL)中の632(600mg、1.84mmol)、ピリジン-2(1H)-オン(211mg、2.21mmol)、N,N-ジメチルエタン-1,2-ジアミン(24.4mg、0.277mmol)、CuI(35.1mg、0.184mmol)、及びKPO(783mg、3.69mmol)の混合物をN雰囲気下で、110℃で16時間撹拌した。反応が完了すると、それを濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=3/1)によって精製して、632-s(100mg、収率16.0%)を黄色の固体として得た。
2-(5-(3,4-ジクロロフェニル)-4-イソプロピルチアゾール-2-イルアミノ)-5-(トリフルオロメチル)ニコチン酸(I-1)の合成
トルエン(3.0mL)中の615(120mg、0.418mmol)、2-クロロ-5-(トリフルオロメチル)ニコチン酸(113mg、0.501mmol)、Pd(dba)(38.9mg、0.0418mmol)、X-phos(36.2mg、0.0627mmol)、及びCsCO(272mg、0.836mmol)の混合物をN雰囲気下で、100℃で一晩撹拌した。反応が完了すると、それを濃縮し、分取HPLCによって精製して、I-1(50.0mg、収率25.1%)を黄色の固体として得た。
2-(5-(3,4-ジクロロフェニル)-4-イソプロピルチアゾール-2-イルアミノ)-5-(チオフェン-2-イル)ニコチン酸メチル(616-1)の合成
トルエン(3.0mL)中の615(120mg、0.418mmol)、2-クロロ-5-(チオフェン-2-イル)ニコチン酸メチル(127mg、0.501mmol)、Pd(dba)(38.9mg、0.0418mmol)、X-phos(36.2mg、0.0627mmol)、及びCsCO(272mg、0.836mmol)の混合物をN雰囲気下で、100℃で一晩撹拌した。反応が完了すると、それを濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10/1)によって精製して、616-1(100mg、収率47.4%)を黄色の固体として得た。
2-(5-(3,4-ジクロロフェニル)-4-イソプロピルチアゾール-2-イルアミノ)-5-(チオフェン-2-イル)ニコチン酸(I-2)の合成
THF/MeOH/HO(v/v/v=4/1/1、3.0mL)中の616-1(100mg、0.198mmol)の溶液に、LiOH(HO中2.0M、1.0mL)を添加した。反応物を40℃で2時間撹拌した。反応が完了すると、得られた反応物を濃縮し、次いでそれをHO(15.0mL)で希釈し、HCl(1.0M)でpHを4~5に調整した。混合物をEtOAc(10.0mL×2)で抽出し、合わせた有機相をブライン(10.0mL)で洗浄し、無水NaSOによって乾燥させ、濃縮し、残渣を分取HPLCによって精製して、I-2(60.0mg、収率61.7%)を黄色の固体として得た。
2-(4-イソペンチル-5-(4-モルホリノフェニル)チアゾール-2-イルアミノ)-5-(トリフルオロメチル)ニコチン酸メチル(636-1)の合成
トルエン(5.0mL)中の635-s(200mg、0.379mmol)、モルホリン(39.6mg、0.454mmol)、Pd(dba)(35.2mg、0.0379mmol)、X-phos(32.9mg、0.0569mmol)、及びCsCO(247mg、0.758mmol)の混合物をN雰囲気下、マイクロ波下で、150℃で45分間撹拌した。反応が完了すると、それを濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=3/1)によって精製して、636-1(20.0mg、収率9.88%)を黄色の固体として得た。
2-(4-イソペンチル-5-(4-モルホリノフェニル)チアゾール-2-イルアミノ)-5-(トリフルオロメチル)ニコチン酸(I-16)の合成
THF/MeOH/HO(v/v/v=4/1/1、2.0mL)中の636-1(20.0mg、0.0.374mmol)の溶液に、LiOH(HO中2.0M、0.50mL)を添加した。反応物を40℃で2時間撹拌した。反応が完了すると、得られた反応物を濃縮し、次いでそれをHO(15.0mL)で希釈し、HCl(1.0M)でpHを4~5に調整した。混合物をEtOAc(10.0mL×2)で抽出し、合わせた有機相をブライン(10.0mL)で洗浄し、無水NaSOによって乾燥させ、濃縮し、残渣をMeOH(1.0mL×2)で洗浄することによって精製して、I-16(6.0mg、収率30.8%)を黄色の固体として得た。
2-(5-(4-ブロモフェニル)-4-イソプロピルチアゾール-2-イルアミノ)-5-(トリフルオロメチル)ニコチン酸メチル(670-3)の合成
トルエン(3.0mL)中の670(100mg、0.336mmol)、2-クロロ-5-(トリフルオロメチル)ニコチン酸メチル(96.7mg、0.404mmol)、Pd(dba)(31.2mg、0.0336mmol)、X-phos(29.1mg、0.0504mmol)、及びCsCO(219mg、0.672mmol)の混合物をN雰囲気下で、100℃で一晩撹拌した。反応が完了すると、それを濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=5/1)によって精製して、670-3(90.0mg、収率53.5%)を黄色の固体として得た。
2-(4-イソプロピル-5-(4-(チオフェン-2-イル)フェニル)チアゾール-2-イルアミノ)-5-(トリフルオロメチル)ニコチン酸(I-24)の合成
ジオキサン/HO(v/v=5/1、2.0mL)中の670-3(90.0mg、0.180mmol)、チオフェン-2-イルボロン酸(27.6mg、0.216mmol)、Pd(dppf)Cl(13.1mg、0.0180mmol)、及びNaCO(38.2mg、0.360mmol)の混合物をN雰囲気下で、85℃で16時間撹拌した。反応が完了すると、それを濃縮し、分取HPLCによって精製して、I-24(5.0mg、収率5.68%)を黄色の固体として得た。
実施例2.ある特定の例示的な化合物の合成
スキーム1:化合物677のための経路
スキーム2:化合物678-sのための経路
スキーム3:化合物684-sのための経路
スキーム4:化合物I-27のための経路
スキーム5:化合物I-28、I-40、I-41、I-45、I-47~I-50のための経路
スキーム6:化合物I-29、I-30、I-51のための経路
スキーム7:化合物I-31のための経路
スキーム8:化合物I-32~I-36、I-38、I-39、I-42~I-44のための経路
スキーム9:化合物I-37のための経路
スキーム10:化合物I-46のための経路
一般情報:全ての蒸発は、回転蒸発器を用いて真空で実施した。分析試料は、室温で真空(1~5mmHg)乾燥させた。薄層クロマトグラフィー(TLC)はシリカゲルプレート上で行い、スポットをUV光(214及び254nm)によって可視化した。カラム及びフラッシュクロマトグラフィーによる精製は、シリカゲル(200~300メッシュ)を使用して実施した。溶媒系は、体積に基づく混合物として報告する。全てのNMRスペクトルは、Bruker 400(400MHz)分光計で記録した。1H化学シフトは、重水素化溶媒を内部標準として用いてppm単位のδ値で報告する。データは、以下のように報告する:化学シフト、多重度(s=一重線、d=二重線、t=三重線、q=四重線、br=広域、m=多重線)、カップリング定数(Hz)、積分。
LCMSスペクトルは、エレクトロスプレーイオン化を用いてAgilent 1200シリーズ6110または6120質量分光計で得、別途指定されない限り、一般的なLCMS条件は以下の通りであった:
方法A(Agilent LCMS 1200-6110、カラム:Waters X-Bridge C18(50mm×4.6mm×3.5μm);カラム温度:40℃;流量:3.0mL/分;移動相:0.8分間で95%[水+0.05%TFA]及び5%[CHCN+0.05%TFA]から0%[水+0.05%TFA]及び100%[CHCN+0.05%TFA]、次いでこの条件下で0.4分間、最後に0.01分間で95%[水+0.05%TFA]及び5%[CHCN+0.05%TFA]に変更)。
方法B(Agilent LCMS 1200-6110、カラム:Waters X-Bridge C18(50mm×4.6mm×3.5μm);カラム温度:40℃;流量:2.0mL/分;移動相:1.6分間で95%[水+0.05%TFA]及び5%[CHCN+0.05%TFA]から0%[水+0.05%TFA]及び100%[CHCN+0.05%TFA]、次いでこの条件下で1.4分間、最後に0.05分間で95%[水+0.05%TFA]及び5%[CHCN+0.05%TFA]に変更し、この条件下で0.7分間)。
方法C(Agilent LCMS 1200-6120、カラム:Waters X-Bridge C18(50mm×4.6mm×3.5μm);カラム温度:40℃;流量:2.0mL/分;移動相:1.6分間で95%[水+10mMのNHHCO]及び5%[CHCN]から0%[水+10mMのNHHCO]及び100%[CHCN]、次いでこの条件下で1.4分間、最後に0.1分間で95%[水+10mMのNHHCO]及び5%[CHCN]に変更し、この条件下で0.7分間)。
方法D(Agilent LCMS 1200-6120、カラム:Waters X-Bridge C18(50mm×4.6mm×3.5μm);カラム温度:45℃;流量:2.3mL/分;移動相:1.75分間で95%[水+10mMのNHHCO]及び5%[CHCN]から0%[水+10mMのNHHCO]及び100%[CHCN]、次いでこの条件下で0.8分間、最後に0.1分間で95%[水+10mMのNHHCO]及び5%[CHCN]に変更し、この条件下で0.1分間)。
2-アミノ-5-フェニルニコチン酸メチル(677-1)の合成
ジオキサン/HO(v/v=5/1、10.0mL)中のsm1(2.0g、8.66mmol)、フェニルボロン酸(1.58g、13.0mmol)、Pd(dppf)Cl(316mg、0.433mmol)、及びNaCO(1.84g、17.3mmol)の混合物をN雰囲気下で、80℃で一晩撹拌した。反応が完了すると、それを濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=3/1)によって精製して、677-1(2.0g、収率100%)を黄色の固体として得た。
2-クロロ-5-フェニルニコチン酸メチル(677)の合成
CHCl(50.0mL)中の677-1(1.50g、6.58mmol)、t-BuONO(1.02g、9.87mmol)、及びTEBA(2.25g、9.87mmol)の混合物を室温で一晩撹拌した。反応が完了すると、それを濃縮して粗生成物を得、それをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=20/1)によって精製して、677(500mg、収率30.7%)を黄色の固体として得た。
N-(5-ブロモ-4-イソプロピルチアゾール-2-イル)アセトアミド(678-s)の合成
ピリジン(30.0mL)中の658-2(6.0g、27.1mmol)の混合物に、AcO(3.32g、32.6mmol)を添加した。反応物を室温で16時間撹拌した。反応が完了すると、それをHO(300mL)中に注ぎ、EtOAc(100mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、HO(80.0mL)及びブライン(80.0mL)で洗浄し、次いで無水NaSOで乾燥させ、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10/1)によって精製して、678-s(7.10g、収率99.4%)を黄色の固体として得た。
4-イソブチルチアゾール-2-アミン(684-2)の合成
EtOH(200mL)中の684-1(11.0g、110mmol)及びBr(26.4g、121mmol)の混合物を-5℃で2時間撹拌した。反応が完了すると、それを濃縮し、EtOAc(500mL)で溶解させた。有機相をHO(100mL)及びブライン(100mL)で洗浄し、次いで無水NaSOで乾燥させ、濃縮して粗生成物を得、それをEtOH(200mL)で溶解させた。この溶液にチオ尿素(16.7g、220mmol)を添加した。反応物を85℃で一晩撹拌した。反応が完了すると、それを濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=3/1)によって精製して、684-2(8.0g、収率46.6%)を黄色の固体として得た。
5-ブロモ-4-イソブチルチアゾール-2-アミン(684-3)の合成
AcOH/CHCN(v/v=1/10、60.0mL)中の684-2(8.0g、51.3mmol)及びNBS(11.0g、61.5mmol)の混合物を室温で一晩撹拌した。反応が完了すると、それを濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=3/1)によって精製して、684-3(2.50g、収率20.8%)を黄色の固体として得た。
4-イソブチル-5-(ナフタレン-2-イル)チアゾール-2-アミン(684-s)の合成
トルエン/HO(v/v=5/1、20.0mL)中の684-3(800mg、3.42mmol)、ナフタレン-2-イルボロン酸(882mg、5.13mmol)、Pd(OAc)(76.8mg、0.342mmol)、PCy(95.9mg、0.342mmol)、及びKPO(1.45g、6.74mmol)の混合物をN雰囲気下で、85℃で2時間撹拌した。反応が完了すると、それを濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=2/1)によって精製して、684-s(120mg、収率12.4%)を黄色の固体として得た。
5-シクロヘキセニル-4-イソプロピルチアゾール-2-アミン(677-3)の合成
トルエン/EtOH/HO(v/v/v=3/3/1、5.0mL)中の658-2(221mg、1.00mmol)、シクロヘキセニルボロン酸(189mg、1.50mmol)、Pd(PPh(57.8mg、0.050mmol)、及びKPO(425mg、2.00mmol)の混合物をN雰囲気下で、85℃で一晩撹拌した。反応が完了すると、それを濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=3/1)によって精製して、677-3(100mg、収率45.0%)を黄色の固体として得た。
2-(5-シクロヘキセニル-4-イソプロピルチアゾール-2-イルアミノ)-5-フェニルニコチン酸メチル(677-4)の合成
トルエン(3.0mL)中の677-3(100mg、0.450mmol)、677(123mg、0.495mmol)、Pd(dba)(41.9mg、0.045mmol)、X-phos(39.0mg、0.0675mmol)、及びCsCO(220mg、0.675mmol)の混合物をN雰囲気下で、110℃で16時間撹拌した。反応が完了すると、それを濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10/1)によって精製して、677-4(150mg、収率76.9%)を黄色の固体として得た。
2-(5-シクロヘキセニル-4-イソプロピルチアゾール-2-イルアミノ)-5-フェニルニコチン酸(I-27)の合成
MeOH/THF/HO(v/v/v=4/1/1、3.0mL)中の677-4(150mg、0.346mmol)の溶液に、LiOH(HO中2.0M、1.0mL)を添加した。反応物を40℃で2時間撹拌した。反応が完了すると、得られた反応物を濃縮し、次いでそれをHO(15.0mL)で希釈し、HCl(1.0M)でpHを4~5に調整した。混合物をEtOAc(10.0mL×2)で抽出し、合わせた有機相をブライン(10.0mL)で洗浄し、無水NaSOによって乾燥させ、濃縮し、残渣をMeOHで洗浄することによって精製して、I-27(60.0mg、収率41.3%)を黄色の固体として得た。
N-(4-イソプロピル-5-(1-メチル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)チアゾール-2-イル)アセトアミド(678-1)の合成
ジオキサン/HO(v/v=5/1、10.0mL)中の678-s(669mg、2.54mmol)、1-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン(850mg、3.81mmol)、Pd(dppf)Cl(92.8mg、0.127mmol)、及びNaCO(538mg、5.08mmol)の混合物をN雰囲気下で、85℃で4時間撹拌した。反応が完了すると、それを濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=8/1)によって精製して、678-1(700mg、収率98.6%)を黄色の固体として得た。
4-イソプロピル-5-(1-メチル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)チアゾール-2-アミン(678-2)の合成
EtOH(10.0mL)中の678-1(700mg、2.66mmol)の溶液に、NaOH(HO中2.0M、3.5mL)を添加した。反応物を75℃で2時間撹拌した。反応が完了すると、得られた反応物を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=1/1)によって精製して、678-2(400mg、収率67.3%)を黄色の固体として得た。
2-(4-イソプロピル-5-(1-メチル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)チアゾール-2-イルアミノ)-5-フェニルニコチン酸メチル(678-3)の合成
トルエン(5.0mL)中の678-2(150mg、0.633mmol)、677(188mg、0.759mmol)、Pd(dba)(58.9mg、0.0633mmol)、X-phos(54.9mg、0.095mmol)、及びCsCO(309mg、0.950mmol)の混合物をN雰囲気下で、110℃で16時間撹拌した。反応が完了すると、それを濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=5/1)によって精製して、678-3(80.0mg、収率28.2%)を茶色の油として得た。
2-(4-イソプロピル-5-(1-メチル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)チアゾール-2-イルアミノ)-5-フェニルニコチン酸(I-28)の合成
THF/MeOH/HO(v/v/v=4/1/1、5.0mL)中の678-3(80.0mg、0.178mmol)の溶液に、LiOH(HO中2.0M、1.0mL)を添加した。反応物を40℃で2時間撹拌した。反応が完了すると、得られた反応物を濃縮し、次いでそれをHO(15.0mL)で希釈し、HCl(1.0M)でpHを4~5に調整した。混合物をEtOAc(10.0mL×2)で抽出し、合わせた有機相をブライン(10.0mL)で洗浄し、無水NaSOによって乾燥させ、濃縮し、残渣を分取HPLCによって精製して、I-28(30.0mg、収率38.7%)を赤色の固体として得た。
2-(4-イソプロピル-5-(1-メチル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)チアゾール-2-イルアミノ)-5-(チオフェン-2-イル)ニコチン酸メチル(681-1)の合成
トルエン(5.0mL)中の678-2(120mg、0.506mmol)、2-クロロ-5-(チオフェン-2-イル)ニコチン酸メチル(150mg、0.608mmol)、Pd(dba)(47.1mg、0.0506mmol)、X-phos(43.9mg、0.0759mmol)、及びCsCO(247mg、0.759mmol)の混合物をN雰囲気下で、110℃で2時間撹拌した。反応が完了すると、それを濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10/1)によって精製して、681-1(90.0mg、収率39.2%)を黄色の固体として得た。
2-(4-イソプロピル-5-(1-メチル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)チアゾール-2-イルアミノ)-5-(チオフェン-2-イル)ニコチン酸(I-29)の合成
THF/MeOH(v/v=4/1、3.0mL)中の681-1(90.0mg、0.198mmol)の溶液に、NaOH(HO中2.0M、1.0mL)を添加した。反応物を50℃で1時間撹拌した。反応が完了すると、得られた反応物を濃縮し、次いでそれをHO(15.0mL)で希釈し、HCl(1.0M)でpHを4~5に調整した。混合物をEtOAc(10.0mL×2)で抽出し、合わせた有機相をブライン(10.0mL)で洗浄し、無水NaSOによって乾燥させ、濃縮し、残渣を分取HPLCによって精製して、I-29(40.0mg、収率45.9%)を黄色の固体として得た。
5-(2,4-ジクロロフェニル)-4-イソプロピルチアゾール-2-アミン(690-1)の合成
トルエン/HO(v/v=5/1、10.0mL)中の658-2(300mg、1.36mmol)、2,4-ジクロロフェニルボロン酸(389mg、2.04mmol)、Pd(OAc)(30.5mg、0.136mmol)、PCy(57.2mg、0.204mmol)、及びKPO(577mg、2.72mmol)の混合物をN雰囲気下で、85℃で16時間撹拌した。反応が完了すると、それを濃縮し、分取HPLCによって精製して、690-1(200mg、収率51.5%)を黄色の固体として得た。
2-(5-(2,4-ジクロロフェニル)-4-イソプロピルチアゾール-2-イルアミノ)-5-(トリフルオロメチル)ニコチン酸(I-31)の合成
トルエン(5.0mL)中の690-1(200mg、0.699mmol)、2-クロロ-5-(トリフルオロメチル)ニコチン酸(189mg、0.839mmol)、Pd(dba)(65.0mg、0.0699mmol)、X-phos(60.6mg、0.105mmol)、及びCsCO(342mg、1.05mmol)の混合物をN雰囲気下で、110℃で16時間撹拌した。反応が完了すると、それを濃縮し、分取HPLCによって精製して、I-31(35.0mg、収率22.2%)を黄色の固体として得た。
N-(5-(ベンゾ[b]チオフェン-3-イル)-4-イソプロピルチアゾール-2-イル)アセトアミド(691-1)の合成
ジオキサン/HO(v/v=5/1、10.0mL)中の678-s(450mg、1.71mmol)、ベンゾ[b]チオフェン-3-イルボロン酸(457mg、2.57mmol)、Pd(dppf)Cl(62.5mg、0.0855mmol)、及びNaCO(363mg、3.42mmol)の混合物をN雰囲気下で、85℃で4時間撹拌した。反応が完了すると、それを濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10/1)によって精製して、691-1(300mg、収率55.5%)を黄色の固体として得た。
5-(ベンゾ[b]チオフェン-3-イル)-4-イソプロピルチアゾール-2-アミン(691-2)の合成
EtOH(10.0mL)中の691-1(300mg、0.949mmol)の溶液に、NaOH(HO中2.0M、2.0mL)を添加した。反応物を75℃で2時間撹拌した。反応が完了すると、得られた反応物を濃縮して粗生成物を得、それをさらに精製することなく次のステップで直接使用して、691-2(150mg、収率57.7%)を黄色の固体として得た。
2-(5-(ベンゾ[b]チオフェン-3-イル)-4-イソプロピルチアゾール-2-イルアミノ)-5-(トリフルオロメチル)ニコチン酸(I-32)の合成
トルエン(5.0mL)中の691-2(150mg、0.547mmol)、2-クロロ-5-(トリフルオロメチル)ニコチン酸(148mg、0.657mmol)、Pd(dba)(50.9mg、0.0547mmol)、X-phos(47.4mg、0.0821mmol)、及びCsCO(267mg、0.821mmol)の混合物をN雰囲気下で、110℃で16時間撹拌した。反応が完了すると、それを濃縮し、分取HPLCによって精製して、I-32(100mg、収率39.5%)を黄色の固体として得た。
N-(5-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-4-イソプロピルチアゾール-2-イル)アセトアミド(696-1)の合成
ジオキサン/HO(v/v=5/1、10.0mL)中の678-s(450mg、1.71mmol)、2,4-ジフルオロフェニルボロン酸(448mg、2.57mmol)、Pd(dppf)Cl(62.5mg、0.0855mmol)、及びNaCO(363mg、3.42mmol)の混合物をN雰囲気下で、85℃で4時間撹拌した。反応が完了すると、それを濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10/1)によって精製して、696-1(100mg、収率18.7%)を黄色の固体として得た。
5-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-4-イソプロピルチアゾール-2-アミン(696-2)の合成
EtOH(5.0mL)中の696-1(100mg、0.321mmol)の溶液に、濃HCl(1.0mL)を添加した。反応物を85℃で一晩撹拌した。反応が完了すると、得られた反応物を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=3/1)によって精製して、696-2(70.0mg、収率80.9%)を黄色の固体として得た。
2-(5-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-4-イソプロピルチアゾール-2-イルアミノ)-5-(トリフルオロメチル)ニコチン酸(I-37)の合成
トルエン(3.0mL)中の696-2(70.0mg、0.259mmol)、2-クロロ-5-(トリフルオロメチル)ニコチン酸(70.2mg、0.311mmol)、Pd(dba)(24.1mg、0.0259mmol)、X-phos(22.5mg、0.0389mmol)、及びCsCO(127mg、0.389mmol)の混合物をN雰囲気下で、110℃で16時間撹拌した。反応が完了すると、それを濃縮し、分取HPLCによって精製して、I-37(10.0mg、収率8.40%)を黄色の固体として得た。
N-(4-イソプロピル-5-(ピリジン-2-イル)チアゾール-2-イル)アセトアミド(705-1)の合成
トルエン(10.0mL)中の678-s(450mg、1.71mmol)、2-(トリブチルスタンニル)ピリジン(944mg、2.57mmol)、及びPd(PPhCl(60.0mg、0.0855mmol)の混合物をN雰囲気下、マイクロ波下で、140℃で2時間撹拌した。反応が完了すると、それを濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=8/1)によって精製して、705-1(270mg、収率60.5%)を黄色の固体として得た。
4-イソプロピル-5-(ピリジン-2-イル)チアゾール-2-アミン(705-2)の合成
EtOH(10.0mL)中の705-1(270mg、1.03mmol)の溶液に、NaOH(HO中2.0M、2.0mL)を添加した。反応物を室温で6時間撹拌した。反応が完了すると、得られた反応物を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=3/1)によって精製して、705-2(120mg、収率53.0%)を黄色の固体として得た。
2-(4-イソプロピル-5-(ピリジン-2-イル)チアゾール-2-イルアミノ)-5-(トリフルオロメチル)ニコチン酸メチル(705-3)の合成
トルエン(5.0mL)中の705-2(120mg、0.548mmol)、2-クロロ-5-(トリフルオロメチル)ニコチン酸メチル(158mg、0.658mmol)、Pd(dba)(51.0mg、0.0548mmol)、X-phos(47.5mg、0.0822mmol)、及びCsCO(268mg、0.822mmol)の混合物をN雰囲気下で、120℃で8時間撹拌した。反応が完了すると、それを濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10/1)によって精製して、705-3(110mg、収率47.6%)を黄色の固体として得た。
2-(4-イソプロピル-5-(ピリジン-2-イル)チアゾール-2-イルアミノ)-5-(トリフルオロメチル)ニコチン酸(I-46)の合成
THF/MeOH/HO(v/v/v=4/1/1、5.0mL)中の705-3(110mg、0.261mmol)の溶液に、LiOH(HO中2.0M、1.0mL)を添加した。反応物を40℃で2時間撹拌した。反応が完了すると、得られた反応物を濃縮し、次いでそれをHO(15.0mL)で希釈し、HCl(1.0M)でpHを4~5に調整した。混合物をEtOAc(10.0mL×2)で抽出し、合わせた有機相をブライン(10.0mL)で洗浄し、無水NaSOによって乾燥させ、濃縮し、残渣を分取HPLCによって精製して、I-46(75.0mg、収率70.5%)を黄色の固体として得た。
I-52、I-53、及びI-54の合成
5-ブロモ-4-シクロプロピルチアゾール-2-アミン(722-2)の合成
AcOH/CHCN(v/v=1/10、20.0mL)中の722-1(2.0g、14.3mmol)及びNBS(3.05g、17.1mmol)の混合物を室温で一晩撹拌した。反応が完了すると、それを濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=3/1)によって精製して、722-2(1.10g、収率35.2%)を黄色の固体として得た。
N-(5-ブロモ-4-シクロプロピルチアゾール-2-イル)アセトアミド(722-3)の合成
ピリジン(10.0mL)中の722-2(1.10g、5.02mmol)の混合物に、AcO(1.02g、10.0mmol)を添加した。反応物を室温で16時間撹拌した。反応が完了すると、それをHO(100mL)中に注ぎ、EtOAc(80.0mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、HO(50.0mL)及びブライン(50.0mL)で洗浄し、次いで無水NaSOで乾燥させ、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=10/1)によって精製して、722-3(600mg、収率50.3%)を白色の固体として得た。
N-(5-(3-クロロ-4-メトキシフェニル)-4-シクロプロピルチアゾール-2-イル)アセトアミド(722-4)の合成
ジオキサン/HO(v/v=5/1、20.0mL)中の722-3(600mg、2.30mmol)、(3-クロロ-4-メトキシフェニル)ボロン酸(643mg、3.45mmol)、Pd(dppf)Cl(168mg、0.23mmol)、及びNaCO(488mg、4.60mmol)の混合物をN雰囲気下で、85℃で16時間撹拌した。反応が完了すると、それを濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=8/1)によって精製して、722-4(350mg、収率47.2%)を黄色の固体として得た。
5-(3-クロロ-4-メトキシフェニル)-4-シクロプロピルチアゾール-2-アミン(722-s)の合成
EtOH(10.0mL)中の722-4(350mg、3.62mmol)及びNaOH(HO中2.0M、3.0mL)の混合物を75℃で2時間撹拌した。反応が完了すると、それを濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=3/1)によって精製して、722-s(200mg、収率65.7%)を黄色の固体として得た。
2-((5-(3-クロロ-4-メトキシフェニル)-4-シクロプロピルチアゾール-2-イル)アミノ)-5-(チオフェン-2-イル)ニコチン酸メチル(722-5)の合成
トルエン(5.0mL)中の722-s(200mg、0.712mmol)、2-クロロ-5-(チオフェン-2-イル)ニコチン酸メチル(181mg、0.712mmol)、Pd(dba)(66.2mg、0.0712mmol)、X-phos(61.7mg、1.07mmol)、及びCsCO(464mg、1.42mmol)の混合物をN雰囲気下で、110℃で16時間撹拌した。反応が完了すると、それを濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=8/1)によって精製して、722-5(150mg、収率42.3%)を黄色の固体として得た。
2-((5-(3-クロロ-4-メトキシフェニル)-4-シクロプロピルチアゾール-2-イル)アミノ)-5-(チオフェン-2-イル)ニコチン酸(I-52)の合成
MeOH/THF/HO(v/v/v=4/1/1、3.0mL)中の722-5(150mg、0.301mmol)の溶液に、LiOH(HO中2.0M、1.0mL)を添加した。反応物を室温で2時間撹拌した。反応が完了すると、得られた反応物を濃縮し、次いでそれをHO(15.0mL)で希釈し、HCl(1.0M)でpHを4~5に調整した。混合物をEtOAc(10.0mL×2)で抽出し、合わせた有機相をブライン(10.0mL)で洗浄し、無水NaSOによって乾燥させ、濃縮し、残渣をMeOHで洗浄することによって精製して、I-52(40.0mg、収率27.4%)を黄色の固体として得た。
I-55の合成
1-(4-フルオロ-3-メトキシフェニル)-4-メチルペンタン-2-オン(821-2)の合成
CHCl(50.0mL)中の821-1(2.50g、13.6mmol)及び(COCl)(2.07g、16.3mmol)の溶液に、DMF(2滴)を添加した。反応物を室温で2時間撹拌した。反応が完了すると、それを濃縮し、THF(20.0mL)で溶解させた。溶液を、THF(10.0mL)中の臭化イソブチルマグネシウム(THF中1.0M、20.4mL、20.4mmol)及びCuI(389mg、2.04mmol)の混合物に-78℃で添加した。反応物を室温で一晩撹拌した。反応が完了すると、それをNHCl水溶液(飽和、60.0mL)中に注ぎ、EtOAc(80.0mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、HO(50.0mL)及びブライン(80.0mL)で洗浄し、次いで無水NaSOで乾燥させ、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=30/1)によって精製して、821-2(2.00g、収率65.7%)を無色の油として得た。
5-(4-フルオロ-3-メトキシフェニル)-4-イソブチルチアゾール-2-アミン(821-s)の合成
CHCN(35.0mL)中の821-2(2.00g、8.92mmol)、チオ尿素(1.36g、17.8mmol)、CBrCl(5.0mL)、及びKHCO(1.78g、17.8mmol)の混合物を80℃で3時間撹拌した。反応が完了すると、それを濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=3/1)によって精製して、821-s(1.20g、収率48.0%)を黄色の固体として得た。
実施例3.ヒトeIF4E/4G2結合アッセイにおける化合物の試験
C末端His-タグを有するヒトeIF4E(aa28~217)を封入体としてE.coli内で発現させた。タンパク質を8Mの尿素で可溶化し、ニッケルが充填されたHisTrap HPカラム(GE Healthcare)を使用して変性条件下で精製した。次いで、精製したタンパク質を、20mMのHepes(pH7.0)、0.5MのNaCl、1mMのDTT、1mMのEDTA、0.5Mのアルギニン+6Mの尿素中に希釈し、次いで尿素を含まない同じ緩衝液中に一晩透析することによって再度折り畳ませた。タンパク質を20mMのHepes(pH6.5)、50mMのNaCl、1mMのEDTA、1mMのDTT中にさらに透析し、Hitrap SPセファロースFFカラム(GE Healthcare)を使用して濃縮した。濃縮したタンパク質を20mMのHepes(pH7.0)、0.5MのNaCl、5mMのDTT、及び10%グリセロール中に透析し、使用時まで-80℃で貯蔵した。
試験化合物(DMSO中3.43mMの原液)をDMSO中に2倍段階希釈した(10段階の濃度点)。化合物溶液(1.2μl/ウェル)をポリプロピレン製384ウェル黒色マイクロプレート(Matrix,Thermal Scientific)中に添加した。アッセイ緩衝液(50mMのNaPi(pH6.5)、50mMのKCl、1mMのDTT、及び0.5mg/mlのガンマグロブリン)を1ウェル当たり22マイクロリットル、及びアッセイ緩衝液中82.5nMの精製eIF4Eを1ウェル当たり8マイクロリットルで添加した。試料を室温(20~23℃)で4時間インキュベートした。ビオチン標識4G2ペプチド(Ac-Lys-Gln-Tyr-Asp-Arg-Glu-Phe-Leu-Leu-Asp-Phe-Gln-Phe-Met-Pro-Lys(Aha-Bio)-NH2、DMSO中1.75μMの原液)を、アッセイ緩衝液(DTTを含まない)中0.14μMに希釈し、5μl/ウェルを添加した。試料を室温で20分間インキュベートした。次いで、アッセイ緩衝液(DTTを含まない)中6.4nMのEu-ストレプトアビジン(Eu-SA、Perkin Elmer)及び80nMのアロフィコシアニン(APC)-抗His抗体(Columbia Biosciences)を1ウェル当たり5マイクロリットルで添加し、試料を室温で20分間インキュベートした。
Envisionリーダー(Perkin Elmer)で蛍光の340nmでの励起ならびに615nm及び665nmでの発光を読み取ることによって、アッセイシグナルを監視した。正規化されたTR-FRET(時間分解蛍光共鳴エネルギー移動)アッセイシグナル(Rn)を下記の式によって算出した。
Rn=[(A-Ba-C×D)/(D-Bd)]×(Dc-Bd)
式中、Aは、665nmでの試料の蛍光強度であり、
Dは、615nmでの試料の蛍光強度であり、
Ba及びBdは、それぞれ665nm及び615nmでのプレートのバックグラウンドであり、
Dcは、615nmでのアッセイ緩衝液中0.78nMのEu-SAの蛍光強度である。
クロストーク因子(C)は、以下の式によって決定する。
C=(Ac-Ba)/(Dc-Bd)
式中、Acは、665nmでのアッセイ緩衝液中0.78nMのEu-SAの蛍光強度である。
IC50値は、xLFitプログラム(IDBS)を使用して算出した。下記の表3は、一部の化合物のIC50を列挙し、表中、AはIC50≦0.5μMを表し、Bは500nM<IC50≦1μMを表し、CはIC50>1μMを表す。
本発明のいくつかの実施形態が記載されているが、本発明の化合物及び方法を利用する他の実施形態を提供するために基本的な実施例を変化させてもよいことは明らかである。したがって、本発明の範囲は、実施例として代表的に示された具体的な実施形態ではなく、明細書及び添付の特許請求の範囲によって定義されることが理解されよう。

Claims (26)

  1. 式I:
    の化合物、またはその薬学的に許容される塩であって、式中、
    環Aが、フェニル、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~6員の単環式ヘテロ芳香環、3~7員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式炭素環、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する3~7員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式複素環、8~10員の二環式芳香族炭素環、または窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する8~10員の二環式ヘテロ芳香環から選択される、任意選択で置換される環であり、
    が、結合、または任意選択で置換される二価の直鎖もしくは分岐状C1-8炭化水素鎖であり、前記炭化水素鎖の1、2、3、または4個のメチレン単位が、任意選択でかつ独立して、-O-、-S-、-N(R)-、-C(O)-、または-S(O)-と置き換えられ、
    が、ハロゲン、R、-OR、-SR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)N(R)、-S(O)R、-S(O)OR、または-S(O)N(R)であり、
    が、結合、または任意選択で置換される二価の直鎖もしくは分岐状C1-8炭化水素鎖であり、前記炭化水素鎖の1、2、3、または4個のメチレン単位が、任意選択でかつ独立して、-O-、-S-、-N(R)-、-C(O)-、-S(O)-、または-Cy-と置き換えられ、
    が、-CN、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)N(R)、-N(R)-C(O)-R、-N(R)-C(O)-OR、-S(O)-N(R)、-S(O)-N(R)-C(O)R、-C(O)-N(R)-S(O)R、-C(=NR)-N(R)、-N(R)-C(=NR)-N(R)、または窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~6員の単環式ヘテロ芳香環であり、
    -Cy-が、フェニレン、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~6員の単環式ヘテロ芳香環、3~7員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式炭素環、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する3~7員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式複素環、8~10員の二環式芳香族炭素環、または窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する8~10員の二環式ヘテロ芳香環から選択される、任意選択で置換される二価の環であり、
    Rが、水素、任意選択で置換される-C1-6脂肪族であるか、あるいはフェニル、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~6員の単環式ヘテロ芳香環、3~7員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式炭素環、または窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する3~7員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式複素環から選択される、任意選択で置換される環である、
    前記化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  2. 環Aが、任意選択で置換されるフェニルである、請求項1に記載の化合物。
  3. 環Aが、
    であり、式中、各Rが独立して、ハロゲン、R、-N(R)、-OR、-SR、-C(O)OR、または-S(O)Rであり、nが、0、1、2、3、4、または5である、請求項2に記載の化合物。
  4. 環Aが、
    であり、式中、各R11及びR12が独立して、ハロゲン、R、-N(R)、-OR、-SR、-C(O)OR、または-S(O)Rである、請求項2に記載の化合物。
  5. が、結合である、先行請求項のいずれか1項に記載の化合物。
  6. が、水素ではない、先行請求項のいずれか1項に記載の化合物。
  7. が、任意選択で置換される-C1-6脂肪族である、請求項6に記載の化合物。
  8. が、
    である、先行請求項のいずれか1項に記載の化合物。
  9. が、カルボキサミド、またはスルホンアミド、またはジアゾール部分を介してはチアゾール部分に結合しない、先行請求項のいずれか1項に記載の化合物。
  10. が、
    である、請求項9に記載の化合物。
  11. が、-COOHである、先行請求項のいずれか1項に記載の化合物。
  12. 前記化合物が、式II:
    のもの、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、Rが独立して、ハロゲン、R、-N(R)、-OR、-SR、-C(O)OR、または-S(O)Rであり、nが、0、1、2、3、4、または5である、請求項1に記載の化合物。
  13. 前記化合物が、式II-a~II-d:
    のもの、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、R11及びR12の各々が独立して、ハロゲン、R、-N(R)、-OR、-SR、-C(O)OR、または-S(O)Rである、請求項1に記載の化合物。
  14. 前記化合物が、式III:
    のもの、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、Rが独立して、ハロゲン、R、-N(R)、-OR、-SR、-C(O)OR、または-S(O)Rであり、nが、0、1、2、3、4、または5である、請求項1に記載の化合物。
  15. 前記化合物が、式III-a~III-d:
    のもの、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、R11及びR12の各々が独立して、ハロゲン、R、-N(R)、-OR、-SR、-C(O)OR、または-S(O)Rである、請求項1に記載の化合物。
  16. 前記化合物が、式IV:
    のもの、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、Rが独立して、ハロゲン、R、-N(R)、-OR、-SR、-C(O)OR、または-S(O)Rであり、nが、0、1、2、3、4、または5である、請求項1に記載の化合物。
  17. 前記化合物が、式IV-a~IV-d:
    のもの、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、R11及びR12の各々が独立して、ハロゲン、R、-N(R)、-OR、-SR、-C(O)OR、または-S(O)Rである、請求項1に記載の化合物。
  18. 前記化合物が、式V:
    のもの、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、Rが独立して、ハロゲン、R、-N(R)、-OR、-SR、-C(O)OR、または-S(O)Rであり、nが、0、1、2、3、4、または5である、請求項1に記載の化合物。
  19. 前記化合物が、式V-a~V-d:
    のもの、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、R11及びR12の各々が独立して、ハロゲン、R、-N(R)、-OR、-SR、-C(O)OR、または-S(O)Rである、請求項1に記載の化合物。
  20. 前記化合物が、式VI:
    のもの、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、Rが独立して、ハロゲン、R、-N(R)、-OR、-SR、-C(O)OR、または-S(O)Rであり、nが、0、1、2、3、4、または5である、請求項1に記載の化合物。
  21. 前記化合物が、式VI-a~VI-d:
    のもの、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、R11及びR12の各々が独立して、ハロゲン、R、-N(R)、-OR、-SR、-C(O)OR、または-S(O)Rである、請求項1に記載の化合物。
  22. 前記化合物が、式VII:
    のもの、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、Rが独立して、ハロゲン、R、-N(R)、-OR、-SR、-C(O)OR、または-S(O)Rであり、nが、0、1、2、3、4、または5である、請求項1に記載の化合物。
  23. 前記化合物が、式VII-a~VII-d:
    のもの、またはその薬学的に許容される塩であり、式中、R11及びR12の各々が独立して、ハロゲン、R、-N(R)、-OR、-SR、-C(O)OR、または-S(O)Rである、請求項1に記載の化合物。
  24. 表1から選択される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
  25. 請求項1~24のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体、アジュバント、またはビヒクルとを含む、薬学的組成物。
  26. 患者においてeIF4E媒介性障害、疾患、及び/または病態を治療するための方法であって、前記患者に、請求項1~24のいずれか1項に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、前記方法。
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