JP2024128947A - マンギフェリン含有飲料 - Google Patents
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Abstract
【課題】マンギフェリンを含有する飲料における、マンギフェリンの経時的な安定性が向上した飲料を提供すること。【解決手段】マンギフェリン及び0.1w/w%以上のぶどう糖及び/又は果糖を含有することを特徴とする飲料。【選択図】なし
Description
本発明は、マンギフェリンを含有した飲料に関する。
近年、デカフェ・カフェインレス(ゼロ)市場が拡大している(非特許文献1)。カフェインは、覚醒作用や利尿作用などがあり、人によっては摂取量や体質により睡眠への影響等が広く知られている。これまで、妊娠中や授乳中の女性からの需要が市場の基盤となっていたが、カフェインを摂取する機会を減らして1日の総摂取量をコントロールしたいというニーズや質の良い睡眠をとるために夕方以降はカフェイン量の少ない飲料を飲みたいというニーズなど、新たな需要が広がっている。
併せて、カフェイン代替素材の開発が進んでいる。その候補素材の1つとして、マンゴー(Mangifera indica L.)葉抽出物に、カフェイン類似作用が認められ、注目を集めている(非特許文献2)。マンゴー葉抽出物の主成分は、マンギフェリンであり、マンギフェリンには、抗糖尿病や抗がん、抗酸化作用、免疫調節など様々な薬理作用が知られている(非特許文献3)。
一般的に、ポリフェノール類や還元型コエンザイムQ10などの抗酸化作用を持つ物質はその抗酸化作用により、飲料中での反応性に富み、安定性が悪いことが知られており、マンギフェリンも他の抗酸化作用を持つ物質と同様、飲料中での反応性に富み、安定性が悪い。抗酸化作用を持つ物質の安定性を改善する技術として、-SH基を有することで安定化されたアントシアニン組成物(特許文献1)や、還元型コエンザイムQ10、アスコルビン酸及びエタノール等のアルコールを用いた安定化方法(特許文献2)が開示されている。
一般的に、ポリフェノール類や還元型コエンザイムQ10などの抗酸化作用を持つ物質はその抗酸化作用により、飲料中での反応性に富み、安定性が悪いことが知られており、マンギフェリンも他の抗酸化作用を持つ物質と同様、飲料中での反応性に富み、安定性が悪い。抗酸化作用を持つ物質の安定性を改善する技術として、-SH基を有することで安定化されたアントシアニン組成物(特許文献1)や、還元型コエンザイムQ10、アスコルビン酸及びエタノール等のアルコールを用いた安定化方法(特許文献2)が開示されている。
富士経済「デカフェ・カフェインレス(ゼロ)市場の現状とポテンシャル探索調査2018」
食品と開発,Vol.54,No.2,P.99~105
European Journal of Pharmacology 513(2005)47-55
マンギフェリンを含有する飲料における、マンギフェリンの経時的な安定性が向上した飲料を提供すること。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、マンギフェリン及びクエン酸を含有する飲料にぶどう糖及び/又は果糖を配合すると、マンギフェリンの経時的な安定性が向上されることを見出した。
すなわち、本発明は、
(1)マンギフェリン、ぶどう糖及び/又は果糖、並びに、クエン酸及び/又はその塩を含有することを特徴とする飲料、
(2)ぶどう糖及び/又は果糖の含有量が0.1w/w%~20w/w%である(1)に記載の飲料、
(3)マンギフェリンの含有量が0.03w/w%~0.4w/w%である(1)~(2)のいずれかに記載の飲料、
(4)クエン酸及び/又はその塩の含有量がクエン酸遊離体として0.18w/w%~2.0w/w%である(1)~(3)のいずれかに記載の飲料、
(5)pHが2.5~5.0である(1)~(4)のいずれかに記載の飲料、
(6)マンギフェリンとクエン酸を含有する飲料にぶどう糖及び/又は果糖を配合することによるマンギフェリンの安定性を向上する方法、
である。
すなわち、本発明は、
(1)マンギフェリン、ぶどう糖及び/又は果糖、並びに、クエン酸及び/又はその塩を含有することを特徴とする飲料、
(2)ぶどう糖及び/又は果糖の含有量が0.1w/w%~20w/w%である(1)に記載の飲料、
(3)マンギフェリンの含有量が0.03w/w%~0.4w/w%である(1)~(2)のいずれかに記載の飲料、
(4)クエン酸及び/又はその塩の含有量がクエン酸遊離体として0.18w/w%~2.0w/w%である(1)~(3)のいずれかに記載の飲料、
(5)pHが2.5~5.0である(1)~(4)のいずれかに記載の飲料、
(6)マンギフェリンとクエン酸を含有する飲料にぶどう糖及び/又は果糖を配合することによるマンギフェリンの安定性を向上する方法、
である。
本発明により、マンギフェリンの経時的な安定性が向上した飲料を提供することが可能となった。
本発明におけるマンギフェリンとは、別名1、3、6、7-テトラヒドロキシキサントンC2-β-D-グルコシドで示される化合物であり、抗糖尿病や抗がん、抗酸化作用、免疫調節など、様々な薬理作用が知られている。
本発明においては、マンギフェリンの由来は特に限定されず、市販のマンギフェリン(例えば、陝西NHKテクノロジー有限公司製のマンギフェリン)や、マンギフェリンを含有する植物からの抽出物、マンギフェリンを含有する植物であって良い。マンギフェリンは、様々な植物種に含有されており、例えば、マンゴー、サラシア、ハニーブッシュ、ハナスゲ等に含まれ、特に、マンゴーには多く含まれる。例えば、マンゴー葉抽出物であるNektium Pharma S.L.社製のZynamite(登録商標)には、マンギフェリンが60%以上含まれており、それを使用することもできる。
マンギフェリン含有量は、例えば、第十八改正日本薬局方の「白虎加人参湯エキス」に記載のマンギフェリン定量法を用いて定量することができる。本発明におけるマンギフェリンの含有量は、特に限定されないが、マンギフェリンの薬理作用の観点から、本発明の飲料中に、0.01w/w%以上が好ましく、発明の効果の観点から、0.03w/w%~0.4w/w%がより好ましく、0.03w/w%~0.23w/w%が特に好ましい。
本発明におけるぶどう糖とはグルコースのことをいい、果糖とはフルクトースのことをいい、どちらも糖類の1種である。本発明におけるぶどう糖は、公知の方法により製造できるほか、市販のぶどう糖(例えば、昭和産業社製の昭和無水結晶ぶどう糖(NCR)や、サンエイ糖化社製の含水結晶ぶどう糖、全糖ぶどう糖、液状ぶどう糖等)や、ぶどう糖を含む原料である異性化液糖や砂糖混合異性化液糖(例えば、サンエイ糖化社製のぶどう糖果糖液糖や砂糖混合ぶどう糖果糖液糖、王子コーンスターチ社製の王子の異性化糖HC等)を用いることができる。本発明における果糖も、公知の方法により製造できるほか、市販の果糖(例えば、日新製糖社製のクリスター300)や、果糖を含む原料である異性化液糖や砂糖混合異性化液糖(例えば、サンエイ糖化社製のぶどう糖果糖液糖や砂糖混合ぶどう糖果糖液糖、王子コーンスターチ社製の王子の異性化糖HC等)を用いることができる。
本発明におけるぶどう糖及び/又は果糖の含有量(複数含む場合はその合計量、以下同じ)は、発明の効果の観点から、本発明の飲料中に、通常、0.01w/w%を超える量であり、0.1w/w%以上が好ましく、0.1w/w%~20w/w%がより好ましく、発明の効果の観点から、0.1w/w%~15.0w/w%が特に好ましい。
また、本発明におけるぶどう糖及び/又は果糖の含有量は、特に限定されないが、発明の効果の観点から、マンギフェリン1質量部に対して、0.05質量部を超える量が好ましく、0.4~250質量部がより好ましく、0.8~97.4質量部が特に好ましい。
また、本発明におけるぶどう糖及び/又は果糖の含有量は、特に限定されないが、発明の効果の観点から、マンギフェリン1質量部に対して、0.05質量部を超える量が好ましく、0.4~250質量部がより好ましく、0.8~97.4質量部が特に好ましい。
本発明におけるクエン酸及び/又はその塩は、公知の方法により製造できるほか、市販のクエン酸(例えば、磐田化学工業社製のクエン酸(無水)やクエン酸(結晶))や、クエン酸塩(例えば、昭和化工社製のクエン酸三ナトリウムやキシダ化学社製のクエン酸三カリウム、扶桑化学工業社製のクエン酸カルシウムやクエン酸鉄等)が挙げられる。クエン酸及び/又はその塩としては、好ましくは、クエン酸(無水)やクエン酸(結晶)やクエン酸三ナトリウムやクエン酸三カリウムである。
本発明におけるクエン酸及び/又はその塩の含有量は、特に限定されないが、本発明の飲料中に、クエン酸遊離体として0.01w/w%以上が好ましく、0.18~2.0w/w%がより好ましく、0.18~1.0w/w%が特に好ましい。
また、本発明におけるクエン酸及び/又はその塩の含有量は、特に限定されないが、発明の効果の観点から、マンギフェリン1質量部に対して、0.8質量部を超える量が好ましく、0.8~32.5質量部がより好ましく、1.5~24.5質量部が特に好ましい。
また、リン酸、又はリンゴ酸をマンギフェリンと共に配合してもよく、当該酸の配合量は上記クエン酸配合量と同量であって良く、さらにぶどう糖、果糖などの糖類を配合してもよい。
本発明におけるクエン酸及び/又はその塩の含有量は、特に限定されないが、本発明の飲料中に、クエン酸遊離体として0.01w/w%以上が好ましく、0.18~2.0w/w%がより好ましく、0.18~1.0w/w%が特に好ましい。
また、本発明におけるクエン酸及び/又はその塩の含有量は、特に限定されないが、発明の効果の観点から、マンギフェリン1質量部に対して、0.8質量部を超える量が好ましく、0.8~32.5質量部がより好ましく、1.5~24.5質量部が特に好ましい。
また、リン酸、又はリンゴ酸をマンギフェリンと共に配合してもよく、当該酸の配合量は上記クエン酸配合量と同量であって良く、さらにぶどう糖、果糖などの糖類を配合してもよい。
本発明の飲料のpHは、特に限定されないが、発明の効果という観点から、pH2.0~6.0が好ましく、pH2.5~5.0がより好ましく、pH2.8~4.6がさらに好ましい。また、本発明の飲料のpH調整は、通常使用されるpH調整剤を使用することができる。具体的なpH調整剤としては、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、乳酸、酢酸、マレイン酸、グルコン酸、アスパラギン酸、アジピン酸、グルタミン酸、フマル酸等の有機酸又はそれらの塩類、リン酸、塩酸等の無機酸、水酸化ナトリウム等の無機塩基等が使用でき、好ましいpH調整剤は、クエン酸、クエン酸塩、リンゴ酸、リンゴ酸塩、リン酸、塩酸、水酸化ナトリウムである。
また、本発明の飲料には、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分として、ビタミンA、ビタミンB群、ナイアシン、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK等のビタミン類、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、カリウム等のミネラル類、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、アルギニン、シトルリン、タウリン等のアミノ酸類またはその塩類、生薬類、生薬抽出物類、ローヤルゼリー、カフェイン等を適宜に配合することができる。
さらに、本発明の飲料には、本発明の効果を損なわない範囲で、抗酸化剤、着色料、香料、矯味剤、界面活性剤、増粘剤、安定剤、保存料、甘味料、酸味料等の添加物を適宜配合することができる。
本発明の飲料としては、特に限定されるものではなく、液体飲料、ゼリー飲料、アイススラリーのような凍結飲料であって良く、医薬品、医薬部外品、又は食品(機能性表示食品や栄養機能食品、特定保健用食品も含む)であり得る。医薬品及び医薬部外品としては、例えば内服液剤、ドリンク剤等が挙げられる。食品としては、健康飲料、清涼飲料、炭酸飲料、スポーツ・機能性飲料、ノンアルコール飲料、ゼリー飲料等があげられ、特に健康飲料、清涼飲料、炭酸飲料、機能性飲料に有用である。また、そのまま飲用可能である点で容器詰め飲料であることが好ましい。容器詰め飲料の容器とは、特に限定されず、具体的には、ビン、缶、PETボトル、パウチ容器、紙パックなどが挙げられる。容量や重量についても特に限定されず、具体的には、10ml~500mlや10g~300gが好ましい。
本発明の飲料は、従来公知の方法により製造することができる。本発明の飲料を清涼飲料とする場合、例えば、全量の50%の水に、マンギフェリン、ぶどう糖及び/又は果糖、クエン酸及び/又はクエン酸塩を添加し、更に所望により前述した他の成分を添加し、更に水を加え容量調整する。マンギフェリンはマンギフェリンを含有する植物や植物エキスであって良い。必要に応じてpHの調整やろ過、加熱殺菌を施し、容器に充填して、適宜殺菌して製造することができる。
さらに、本発明の飲料を炭酸飲料とする場合、例えば、全量15%の水に、マンギフェリン、ぶどう糖及び/又は果糖、クエン酸及び/又はクエン酸塩を添加し、更に所望により前述した他の成分を添加し、飲料原液を調製する。必要に応じてpHの調整や加熱殺菌、ろ過をしてから冷却した後、二酸化炭素を圧入(カーボネーション)し、容器に充填して、適宜殺菌して製造することができる。そのガスボリュームは0.5~4.0であることが好ましい。前記ガスボリュームとは、標準状態(1気圧、20℃)において、溶媒である液体1に対しそれに溶けている二酸化炭素の体積比である。なお、炭酸飲料の製法には、プレミックス法とポストミックス法とがあるが、本発明においてはいずれを採用してもよい。
さらに、本発明の飲料を炭酸飲料とする場合、例えば、全量15%の水に、マンギフェリン、ぶどう糖及び/又は果糖、クエン酸及び/又はクエン酸塩を添加し、更に所望により前述した他の成分を添加し、飲料原液を調製する。必要に応じてpHの調整や加熱殺菌、ろ過をしてから冷却した後、二酸化炭素を圧入(カーボネーション)し、容器に充填して、適宜殺菌して製造することができる。そのガスボリュームは0.5~4.0であることが好ましい。前記ガスボリュームとは、標準状態(1気圧、20℃)において、溶媒である液体1に対しそれに溶けている二酸化炭素の体積比である。なお、炭酸飲料の製法には、プレミックス法とポストミックス法とがあるが、本発明においてはいずれを採用してもよい。
以下に、実施例、比較例、参考例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等に何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例、比較例、参考例では、Nektium Pharma S.L.社製のZynamite(登録商標)(マンギフェリン含量61.5%のマンゴー葉抽出物)、ぶどう糖は昭和産業株式会社製の昭和無水結晶ぶどう糖(NCR)、果糖は日新製糖株式会社製のクリスター300、クエン酸は磐田化学工業株式会社製のクエン酸(結晶)と昭和化工株式会社製のクエン酸三ナトリウム(結晶)、トレハロースは株式会社林原製のトレハ(登録商標)、マルトデキストリンは松谷化学工業株式会社製のTK-16、リン酸は富士フイルム和光純薬株式会社製のりん酸、リン酸水素二ナトリウムは富士フイルム和光純薬株式会社製のりん酸水素二ナトリウム、DL―リンゴ酸は扶桑化学工業株式会社製のDL-リンゴ酸、DL―リンゴ酸ナトリウムは扶桑化学工業株式会社製のDL-リンゴ酸ナトリウムを用いた。
飲料の調製:
表1に記載の実施例1-1、実施例1-2、実施例1-3は次の方法に従い、飲料を得た。まず、全量の50%の常温の精製水に、クエン酸(結晶)、ぶどう糖又は果糖、マンゴー葉抽出物を添加し、精製水にて全量付近まで重量調整した。次に、必要に応じてクエン酸三ナトリウム(結晶)を用いてpH調整を行い、全量まで重量調整した。その後、十分に撹拌しながら、マルエム社製のスクリュー管No.7に約50g充填し、80℃25分間殺菌して飲料を得た。比較例1-1~比較例1-4は上記と同様の調製方法で、クエン酸(結晶)、クエン酸三ナトリウム(結晶)、ぶどう糖及び果糖、トレハロース、マルトデキストリンの中から選択して調製し、飲料を得た。さらに、表1に記載の参考例1、参考例2は実施例と同様の調整方法で、マンゴー葉抽出物、クエン酸(結晶)とクエン酸三ナトリウム(結晶)の代わりに、リン酸とリン酸水素二ナトリウム若しくはDL-リンゴ酸とDL-リンゴ酸ナトリウムを配合して処方の飲料を得た。
表2に記載の処方(実施例2-1~実施例5)は次の方法に従い、飲料を得た。まず、全量の50%の常温の精製水に、クエン酸(結晶)、ぶどう糖又は果糖、マンゴー葉抽出物を添加し、精製水にて全量付近まで重量調整し、必要に応じてクエン酸三ナトリウム(結晶)を用いてpH調整を行ったのち、全量まで重量調整した。その後、十分に撹拌しながら、マルエム社製のスクリュー管No.7に約50g充填し、80℃25分間殺菌して飲料を得た。比較例2~比較例5は、実施例2-1~実施例5と同様の調製方法で、ぶどう糖及び果糖を配合しない処方の飲料を得た。
尚、実施例3-2と比較例3-2は殺菌前の飲料のpHを、他の実施例と比較例は殺菌後の飲料のpHを示す。
表1に記載の実施例1-1、実施例1-2、実施例1-3は次の方法に従い、飲料を得た。まず、全量の50%の常温の精製水に、クエン酸(結晶)、ぶどう糖又は果糖、マンゴー葉抽出物を添加し、精製水にて全量付近まで重量調整した。次に、必要に応じてクエン酸三ナトリウム(結晶)を用いてpH調整を行い、全量まで重量調整した。その後、十分に撹拌しながら、マルエム社製のスクリュー管No.7に約50g充填し、80℃25分間殺菌して飲料を得た。比較例1-1~比較例1-4は上記と同様の調製方法で、クエン酸(結晶)、クエン酸三ナトリウム(結晶)、ぶどう糖及び果糖、トレハロース、マルトデキストリンの中から選択して調製し、飲料を得た。さらに、表1に記載の参考例1、参考例2は実施例と同様の調整方法で、マンゴー葉抽出物、クエン酸(結晶)とクエン酸三ナトリウム(結晶)の代わりに、リン酸とリン酸水素二ナトリウム若しくはDL-リンゴ酸とDL-リンゴ酸ナトリウムを配合して処方の飲料を得た。
表2に記載の処方(実施例2-1~実施例5)は次の方法に従い、飲料を得た。まず、全量の50%の常温の精製水に、クエン酸(結晶)、ぶどう糖又は果糖、マンゴー葉抽出物を添加し、精製水にて全量付近まで重量調整し、必要に応じてクエン酸三ナトリウム(結晶)を用いてpH調整を行ったのち、全量まで重量調整した。その後、十分に撹拌しながら、マルエム社製のスクリュー管No.7に約50g充填し、80℃25分間殺菌して飲料を得た。比較例2~比較例5は、実施例2-1~実施例5と同様の調製方法で、ぶどう糖及び果糖を配合しない処方の飲料を得た。
尚、実施例3-2と比較例3-2は殺菌前の飲料のpHを、他の実施例と比較例は殺菌後の飲料のpHを示す。
<試験例:マンギフェリンの残存率の算出>
表1及び表2に示す飲料に関して、5℃保管した飲料中のマンギフェリン量と、65℃の恒温槽にて14日間保管した飲料中のマンギフェリン量を、それぞれHPLC(液体クロマトグラフィー)法を用いてn=3で測定した。5℃保管した飲料中のマンギフェリン量の平均値に対し、65℃の恒温槽にて14日間保管した飲料中のマンギフェリン量の平均値を、マンギフェリンの残存率(%)として算出した。実施例及び比較例の算出結果を表1及び表2に示す。尚、算出結果は小数第2位を四捨五入して小数第1位までとした。
表1及び表2に示す飲料に関して、5℃保管した飲料中のマンギフェリン量と、65℃の恒温槽にて14日間保管した飲料中のマンギフェリン量を、それぞれHPLC(液体クロマトグラフィー)法を用いてn=3で測定した。5℃保管した飲料中のマンギフェリン量の平均値に対し、65℃の恒温槽にて14日間保管した飲料中のマンギフェリン量の平均値を、マンギフェリンの残存率(%)として算出した。実施例及び比較例の算出結果を表1及び表2に示す。尚、算出結果は小数第2位を四捨五入して小数第1位までとした。
表1の比較例1-1、比較例1-2より、マンギフェリンの残存率はクエン酸を配合することにより低下したが、実施例1-1、実施例1-2、実施例1-3より、ぶどう糖又は果糖を配合することで、マンギフェリンの残存率は向上した。一方、比較例1-3、比較例1-4より、ぶどう糖や果糖以外の糖類として、トレハロースやマルトデキストリンを配合しても、マンギフェリンの残存率は向上しなかった。尚、参考例1、参考例2のように、クエン酸の代わりにリン酸やリンゴ酸といった他の酸類を配合した場合は、マンギフェリンの残存率はクエン酸より高かった。
このクエン酸の存在下における、ぶどう糖又は果糖によるマンギフェリンの経時的な安定性の向上の効果は、表2に示す条件においても確認ができた。
実施例2-1~実施例2-4及び比較例2より、ぶどう糖又は果糖を0.2w/w%~7.5w/w%で配合するとマンギフェリンの残存率が向上した。また、実施例3-1、実施例3-2及び比較例3-1、比較例3-2より、0.03w/w%~0.22w/w%のマンギフェリンの配合量で、ぶどう糖を配合するとマンギフェリンの残存率は向上した。さらに、表1及び表2の実施例1-1~実施例4及び比較例1-1~比較例4から、クエン酸はクエン酸遊離体として0.18w/w%~1.0w/w%の配合量で、ぶどう糖又は果糖を配合すると、マンギフェリンの残存率は向上することが確認できた。加えて、pHに関しては、実施例1-1、実施例1-2、実施例1-3、実施例5及び比較例1-2、比較例5より、pH2.8~pH4.6で、ぶどう糖又は果糖を配合すると、マンギフェリンの残存率の向上が確認できた。
実施例2-1~実施例2-4及び比較例2より、ぶどう糖又は果糖を0.2w/w%~7.5w/w%で配合するとマンギフェリンの残存率が向上した。また、実施例3-1、実施例3-2及び比較例3-1、比較例3-2より、0.03w/w%~0.22w/w%のマンギフェリンの配合量で、ぶどう糖を配合するとマンギフェリンの残存率は向上した。さらに、表1及び表2の実施例1-1~実施例4及び比較例1-1~比較例4から、クエン酸はクエン酸遊離体として0.18w/w%~1.0w/w%の配合量で、ぶどう糖又は果糖を配合すると、マンギフェリンの残存率は向上することが確認できた。加えて、pHに関しては、実施例1-1、実施例1-2、実施例1-3、実施例5及び比較例1-2、比較例5より、pH2.8~pH4.6で、ぶどう糖又は果糖を配合すると、マンギフェリンの残存率の向上が確認できた。
本発明により、マンギフェリンの経時的な安定性が向上したマンギフェリン含有飲料を提供することが可能となった。ゆえに、マンギフェリンを含有する安全性の高い素材であるマンゴー葉抽出物等を配合した食品、飲料、医薬品、医薬部外品を提供することにより、これらの産業の発達が期待できる。
Claims (6)
- マンギフェリン、ぶどう糖及び/又は果糖、並びに、クエン酸及び/又はその塩を含有することを特徴とする飲料。
- ぶどう糖及び/又は果糖の含有量が0.1w/w%~20w/w%である請求項1に記載の飲料。
- マンギフェリンの含有量が0.03w/w%~0.4w/w%である請求項1に記載の飲料。
- クエン酸及び/又はその塩の含有量がクエン酸遊離体として0.18w/w%~2.0w/w%である請求項1に記載の飲料。
- pHが2.5~5.0である請求項1に記載の飲料。
- マンギフェリンとクエン酸を含有する飲料にぶどう糖及び/又は果糖を配合することによるマンギフェリンの安定性を向上する方法。
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