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JP2024088119A - 炭化水素製造システム及び炭化水素製造方法 - Google Patents

炭化水素製造システム及び炭化水素製造方法 Download PDF

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JP2024088119A JP2022203137A JP2022203137A JP2024088119A JP 2024088119 A JP2024088119 A JP 2024088119A JP 2022203137 A JP2022203137 A JP 2022203137A JP 2022203137 A JP2022203137 A JP 2022203137A JP 2024088119 A JP2024088119 A JP 2024088119A
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oxygen
coupling reaction
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光一朗 吉徳
Koichiro Yoshitoku
敦弘 行本
Atsuhiro Yukimoto
幸男 田中
Yukio Tanaka
義夫 清木
Yoshio Seiki
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

Figure 2024088119000001
【課題】OCM反応によって炭化水素を製造する際に、二酸化炭素の排出量を削減できる炭化水素製造システム及び炭化水素製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】メタンの酸化カップリング反応により、メタンから炭素数2以上の炭化水素を生成させる炭化水素製造システムであって、メタンと酸素とから酸化カップリング反応を行う酸化カップリング反応装置と、イナート成分を含む原料ガスから前記イナート成分を分離する原料ガス分離装置と、酸化カップリング反応装置で生成される生成ガスに含まれる二酸化炭素を分離する二酸化炭素分離装置と、水素と二酸化炭素とからメタネーション反応を行うメタネーション装置と、を備える、炭化水素製造システム。
【選択図】図1

Description

本開示は、炭化水素製造システム及び炭化水素製造方法に関する。
天然ガス等のメタンを含むガスを用いた酸化カップリング反応(Oxidative Coupling of Methane、以下「OCM反応」ともいう。)により、オレフィン等の炭化水素を製造する技術が知られている。
例えば、特許文献1には、酸化カップリング反応装置の後段に二酸化炭素、一酸化炭素、水素を含むガスをメタンに転換してリサイクルする装置と、高圧スチーム発生装置(HRSG)とを備えたガスタービンシステムにパージガスを供給する炭化水素製造システムが提案されている。特許文献1の発明によれば、パージガスを供給することで、HRSGと接続されたスチームシステムから熱や動力を炭化水素製造システムで利用することが図られている。
米国特許出願公開第2016/0272556号明細書
しかしながら、特許文献1の発明では、パージガスをガスタービンの燃料としており、燃料はガスタービンにて燃焼され、二酸化炭素が排出される。加えて、酸化カップリング反応で生成された生成ガスの二酸化炭素分離装置から回収される二酸化炭素の一部はメタネーションに利用されるが、余剰分は、利用用途がなく、大気へ排出される。
一方で、近年、各産業において、カーボンニュートラルを目指す動きが活発化している。
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、OCM反応によって炭化水素を製造する際に、二酸化炭素の排出量を削減できる炭化水素製造システム及び炭化水素製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示に係る炭化水素製造システムは、メタンの酸化カップリング反応により、メタンから炭素数2以上の炭化水素を生成させる炭化水素製造システムであって、メタンと酸素とから酸化カップリング反応を行う酸化カップリング反応装置と、イナート成分を含む原料ガスから前記イナート成分を分離する原料ガス分離装置と、前記酸化カップリング反応装置で生成される生成ガスに含まれる二酸化炭素を分離する二酸化炭素分離装置と、水素と二酸化炭素とからメタネーション反応を行うメタネーション装置と、を備える。
本開示に係る炭化水素製造方法は、メタンの酸化カップリング反応により、メタンから炭素数2以上の炭化水素を生成させる炭化水素製造方法であって、メタンの酸化カップリング反応により、炭素数2以上の炭化水素を生成する工程と、イナート成分を含む原料ガスから前記イナート成分を分離する工程と、前記酸化カップリング反応で生成される生成ガスに含まれる二酸化炭素を分離する工程と、メタネーション反応により、水素と二酸化炭素とからメタンを生成する工程と、を有する。
本開示の炭化水素製造システム及び炭化水素製造方法によれば、OCM反応によって炭化水素を製造する際に、二酸化炭素の排出量を削減できる。
本開示の第一実施形態に係る炭化水素製造システムの構成を示す模式図である。 本開示の第一実施形態に係る炭化水素製造方法を示すフローチャートである。 高純度酸素ガス中の窒素濃度の影響をシミュレートした際のOCMプラントを簡略化したモデルの模式図である。 本開示の第二実施形態に係る炭化水素製造システムの構成を示す模式図である。 本開示の第三実施形態に係る炭化水素製造システムの構成を示す模式図である。
[第一実施形態]
≪炭化水素製造システム≫
本開示の炭化水素製造システムは、酸化カップリング反応装置と、原料ガス分離装置と、二酸化炭素分離装置と、メタネーション装置と、を備える。
以下、本開示の第一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る炭化水素製造システム1は、酸化カップリング反応装置10と、原料ガス分離装置20と、メタネーション装置30と、二酸化炭素分離装置80と、を備える。
熱回収装置74は、配管L4によって酸化カップリング反応装置10と接続されている。昇圧装置76は、配管L5によって熱回収装置74と接続されている。二酸化炭素分離装置80は、配管L6によって昇圧装置76と接続されている。メタネーション装置30と、二酸化炭素分離装置80とは、配管L7によって接続されている。酸化カップリング反応装置10と、メタネーション装置30とは、配管L8によって接続されている。酸化カップリング反応装置10には、配管L15が接続されている。原料ガス分離装置20と、昇圧装置76とは、配管L3によって接続されている。原料ガス分離装置20には、配管L1と配管L2とが接続されている。炭化水素分離装置82は、配管L9によって二酸化炭素分離装置80と接続されている。
スチームシステム70は、配管L19によって熱回収装置74と接続されている。補助ボイラ72は、配管L20によってスチームシステム70と接続されている。補助ボイラ72と炭化水素分離装置82とは、配管L10によって接続されている。補助ボイラ72には、配管L21と配管L22とが接続されている。炭化水素分離装置82には、配管L12と配管L13と配管L14とが接続されている。配管L10の分岐B1と、メタネーション装置30とは、配管L11によって接続されている。
深冷分離装置60と、酸素分離装置62とは、配管L16cで接続されている。深冷分離装置60には、配管L16aと配管L16bとが接続されている。酸素分離装置62は、配管L18によって酸化カップリング反応装置10と接続されている。酸素分離装置62には、配管L17が接続されている。
太陽熱蒸気システム40は、配管L23によってスチームシステム70と接続されている。スチームシステム70には、動力供給ラインL24が接続されている。動力供給ラインL24によって、スチームシステム70と、ユーティリティ機器90とが接続されている。
以下では、炭化水素製造システム1の各構成について詳細に説明する。
<酸化カップリング反応装置>
酸化カップリング反応装置10は、メタンと酸素とから酸化カップリング反応を行う装置である。
酸化カップリング反応装置10としては、例えば、触媒を備える反応器等が挙げられる。酸化カップリング反応装置10では、炭素数2以上の炭化水素と水を生成する酸化カップリング反応のほか、燃焼反応や水蒸気改質反応といった副反応が起こるため、二酸化炭素や一酸化炭素、水素が同時に生成する。
<熱回収装置>
熱回収装置74は、酸化カップリング反応装置10で発生した反応熱を回収し、生成した生成ガスを冷却する装置である。
熱回収装置74としては、例えば、廃熱ボイラ、熱交換器等が挙げられる。熱回収装置74としては、回収した熱を高圧スチームとしてスチームシステム70に供給できることから、廃熱ボイラが好ましい。
<昇圧装置>
昇圧装置76は、冷却された生成ガスを加圧し、二酸化炭素分離装置80に供給する装置である。
昇圧装置76としては、例えば、コンプレッサ等の加圧装置等が挙げられる。
<二酸化炭素分離装置>
二酸化炭素分離装置80は、生成ガスに含まれる二酸化炭素を分離して、メタネーション装置30に供給する装置である。メタネーション反応に余剰の二酸化炭素は、大気中に放出される。
二酸化炭素分離装置80としては、例えば、二酸化炭素吸収液を備える装置等が挙げられる。二酸化炭素吸収液としては、例えば、アミン系吸収液等が挙げられる。
<メタネーション装置>
メタネーション装置30は、水素と二酸化炭素と一酸化炭素とからメタネーション反応を行う装置である。
メタネーション装置30としては、例えば、触媒を備える反応器等が挙げられる。
<炭化水素分離装置>
炭化水素分離装置82は、生成ガスに含まれる炭化水素を分離し、精製する装置である。
炭化水素分離装置82としては、例えば、蒸留塔等のカラムが挙げられる。
<原料ガス分離装置>
原料ガス分離装置20は、天然ガスとイナート成分とを含む原料ガスから、イナート成分を分離する装置である。イナート成分としては、窒素、アルゴン、ヘリウム等が挙げられる。イナート成分としては、窒素が最も多く含まれる。
原料ガス分離装置20としては、例えば、イナート成分分離膜22を備える容器等が挙げられる。イナート成分分離膜22としては、例えば、高分子材料で形成された中空糸膜や、高温高圧でも適用可能なセラミックス膜等が挙げられる。
原料ガス分離装置は、イナート成分分離膜に代えて、他の分離機能を有していてもよい。他の分離機能としては、例えば、吸着剤を利用した分離機能等が挙げられる。吸着剤としては、例えば、モレキュラーシーブやゼオライト等の吸着剤が挙げられる。
<深冷分離装置>
深冷分離装置60は、空気からイナート成分を除去し、空気から酸素を分離する装置である。
深冷分離装置60としては、例えば、深冷分離蒸留塔等の窒素等のイナート成分を粗分離できる装置が挙げられる。
<酸素分離装置>
酸素分離装置62は、深冷分離装置60で分離した酸素から、さらに純度の高い酸素(高純度酸素ガス)を分離する装置である。酸素分離装置62は、高純度酸素ガスを分離する酸素分離膜64を有する。
酸素分離装置62としては、例えば、酸素分離膜64を備える高度精製装置等が挙げられる。酸素分離膜64としては、例えば、高分子材料で形成された中空糸膜やセラミックスで形成された多孔質体を有する薄膜等が挙げられる。
<スチームシステム>
スチームシステム70は、高圧スチームを動力に変換したり、熱を供給したりする装置である。
スチームシステム70としては、例えば、化学プラントへ動力を供給するためのスチームタービンと、スチームタービンや熱交換器等へ水蒸気を供給するための蒸気ヘッダから構成されるシステム等が挙げられる。
<補助ボイラ>
補助ボイラ72は、ガスを燃焼してその熱により高圧スチームを生成する装置である。
補助ボイラ72としては、例えば、公知のガスボイラ等が挙げられる。補助ボイラ72の燃料としては、例えば、後述するリサイクルガス中のイナート成分の濃度を管理する目的で炭化水素分離装置82から排出されるパージガスのほか、燃料天然ガス等を利用することができる。
<ユーティリティ機器>
ユーティリティ機器90は、炭化水素製造システム1の系内にある熱や動力が必要となる各種装置である。
ユーティリティ機器90としては、例えば、深冷分離装置60、昇圧装置76、炭化水素分離装置82等が挙げられる。
<太陽熱蒸気システム>
太陽熱蒸気システム40は、太陽光による熱エネルギーを利用して高圧スチームを生成する装置である。
太陽熱蒸気システム40としては、例えば、溶融塩を貯留した貯留槽と、貯留槽の溶融塩の熱を水に吸収させ、水蒸気を発生させる蒸発器と、ミラー(例えば、へリオスタット)と、ミラーで反射された太陽光を集め、貯留槽から循環された溶融塩を加熱する集光器とを備えるシステム等が挙げられる。
配管L1~L23としては、特に限定されず、金属製の配管、樹脂製の配管、樹脂に炭素繊維を混入した複合材料を用いた配管等が挙げられる。
動力供給ラインL24としては、例えば、同軸又はギア付きのコンプレッサタービン等の機器等が挙げられる。動力供給ラインL24は、熱供給ラインとして機能してもよい。その場合、動力供給ラインL24としては、蒸気配管等の配管が挙げられる。
≪炭化水素製造方法≫
本開示の炭化水素製造方法は、図2に示すように、酸化カップリング反応によりメタンから炭素数2以上の炭化水素を生成する工程(S1)と、メタンとイナート成分とを含む原料ガスからイナート成分を分離する工程(S2)と、酸化カップリング反応で生成される生成ガスに含まれる二酸化炭素を分離する工程(S3)と、メタネーション反応により、水素と二酸化炭素とからメタンを生成する工程(S4)と、を有する。
以下、本実施形態の炭化水素製造方法について、図1の炭化水素製造システム1を参照して説明する。なお、S1~S8の符号は、図2中の符号を意味する。
まず、メタンとイナート成分とを含む原料ガスを配管L1から原料ガス分離装置20に供給する。
原料ガスとしては、例えば、天然ガス、液化天然ガス、メタン発酵ガス等が挙げられる。
原料ガス分離装置20に供給された原料ガスは、イナート成分分離膜22によってイナート成分が分離され、炭化水素ガス及び二酸化炭素(以下、「第一ガス」ともいう。)が得られる(S2)。分離されたイナート成分(主成分:窒素)は、配管L2を通流して外部に排出される。第一ガスは、配管L3を通流して昇圧装置76に供給される。
第一ガスは、イナート成分が除去されているため、後続の炭化水素分離装置82から排出されるガス(以下、「パージガス」ともいう。)の量を低減できる。このため、パージガスの燃焼に由来する二酸化炭素の排出量を削減できる。
なお、ここでは第一ガスを得る手法として、イナート成分分離膜22を用いる例を示したが、それに限られず、吸収液、吸着剤、蒸留塔による方法等を用いてもよい。
昇圧装置76に供給された第一ガスは、酸化カップリング反応装置10で生成したガス(以下、「生成ガス」ともいう。)と混合され、混合ガスとして昇圧装置76の内部で加圧される。
混合ガスを加圧する際の圧力は、ゲージ圧で、例えば、2~4MPaGが好ましい。混合ガスを加圧する際の圧力が上記下限値以上であると、後続の二酸化炭素分離装置80や炭化水素分離装置82での分離効率をより高められ、炭化水素製造システム1をよりコンパクトにできる。混合ガスを加圧する際の圧力が上記上限値以下であると、加圧に要するエネルギーを節約できる。
加圧された混合ガスは、配管L6を通流して二酸化炭素分離装置80に供給される。二酸化炭素分離装置80に供給された混合ガスは、吸収法又は吸着法によって、二酸化炭素と、その他のガス(以下、「第二ガス」ともいう。)とに分離される(S3)。吸収法としては、例えば、二酸化炭素を選択的に吸収する吸収液を利用した方法等が挙げられる。吸収液としては、例えば、アミン系の吸収液等が挙げられる。吸着法としては、例えば、二酸化炭素を選択的に吸着する吸着剤、又は分離膜を利用した方法等が挙げられる。吸着剤としては、例えば、モレキュラーシーブやゼオライト等の吸着剤が挙げられる。分離膜としては、例えば、高圧に耐えられるセラミック膜等が挙げられる。分離された二酸化炭素は、配管L7を通流してメタネーション装置30に供給され、余剰の二酸化炭素は外部に排出される。分離された第二ガスは、配管L9を通流して炭化水素分離装置82に供給される。
炭化水素分離装置82に供給された第二ガスは、蒸留法等によって、目的の炭素数2以上の炭化水素(例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等)に分離される(S6)。炭素数2の炭化水素は、配管L12から回収され、さらに蒸留塔によりエチレンとエタンとに分離される。炭素数3の炭化水素は、配管L13から回収される。炭素数4以上の炭化水素は、配管L14から回収される。この際、エタン等の飽和炭化水素は、配管L15から酸化カップリング反応装置10へと供給され、リサイクルされる。
炭化水素分離装置82で目的の炭化水素が分離された残りのガス(以下、「分離ガス」ともいう。)は、未反応のメタン、一酸化炭素、水素、窒素等を含んでいる。分離ガスは、配管L10、分岐B1、配管L11を通流して、メタネーション装置30に供給され、リサイクルされる。一方、分離ガスの残りは、パージガスとして、配管L10を通流して補助ボイラ72に供給される。
メタネーション装置30では、二酸化炭素分離装置80で分離された二酸化炭素と、分離ガスに含まれる水素とから下記式(1)の反応(メタネーション反応)によりメタンが生成する(S4)。また、メタネーション装置30では、分離ガスに含まれる一酸化炭素も反応に寄与し、下記式(2)の反応により、メタンが生成する。メタネーション装置30では、下記式(1)の反応のみが進行してもよく、下記式(1)及び(2)の双方の反応が進行してもよい。すなわち、メタネーション反応の原料には、一酸化炭素が含まれていてもよい。
CO+4H → CH+2HO ・・・(1)
CO+3H → CH+HO ・・・(2)
分離ガスに含まれるメタンは、メタネーション反応で生成したメタンとともにリサイクルガスとして配管L8を通流して酸化カップリング反応装置10に供給される。
炭化水素製造システム1では、原料ガスをリサイクルしている。酸化カップリング反応で消費されないイナート成分は、何も対処をしなければ、リサイクルによってリサイクルガス中に蓄積し、リサイクルガスに占めるイナート成分の濃度が高くなり、酸化カップリング反応の反応効率が低下する。リサイクルガスにおけるイナート成分の濃度を管理するため、パージガスとしてリサイクルガス(炭化水素分離装置82で分離された目的の炭化水素が分離された残りのガス)の一部を抜き出し、配管L10を通じて補助ボイラ72に燃料として供給する。
一方、配管L16aから空気を深冷分離装置60に供給する。深冷分離装置60に供給された空気は、深冷分離によって窒素等のイナート成分と、酸素を多く含むガス(以下、「高酸素濃度ガス」ともいう。)とに粗分離される(S5-1)。窒素等のイナート成分は、配管L16bを通流して外部に排出される。高酸素濃度ガスは、配管L16cを通流して酸素分離装置62に供給される。酸素分離装置62に供給された高酸素濃度ガスは、酸素分離膜64によって、極微量の窒素等のイナート成分が分離され、高酸素濃度ガスよりも酸素濃度が高められた高純度酸素ガスとして高度精製される(S5-2)。分離された窒素等のイナート成分は、配管L17を通流して外部に排出される。高純度酸素ガスは、配管L18を通流して酸化カップリング反応装置10に供給される。
なお、ここでは高純度酸素ガスを生成する手法として、酸素分離膜64を用いる例を示したが、それに限られず、吸収液、吸着剤、蒸留塔による方法等を用いてもよい。
深冷分離装置60で空気から窒素等のイナート成分を除去することで、酸化カップリング反応装置10に供給される高純度酸素ガス中の窒素等のイナート成分の量を低減できる。このため、後続の炭化水素分離装置82から排出される分離ガス及びパージガス中の窒素等のイナート成分の量を低減できる。その結果、パージガスの燃焼に由来する二酸化炭素の排出量を削減できる。
なお、空気の深冷分離装置60への供給と、原料ガスの原料ガス分離装置20への供給とは、両者が連続的に行われるものとする。
酸化カップリング反応装置10では、リサイクルガスに含まれるメタンと、酸素分離装置62から供給される高純度酸素ガスに含まれる酸素とから、下記式(3)の反応(メタンの酸化カップリング反応、OCM反応)により炭素数2以上の炭化水素(主としてエチレン)が生成する(S1)。
2CH+O → C+2HO ・・・(3)
酸化カップリング反応装置10では、炭素数2以上の炭化水素と水とを生成する酸化カップリング反応のほか、下記式(4)~(6)の燃焼反応や水蒸気改質反応といった副反応が起こるため、二酸化炭素や一酸化炭素、水素が同時に生成する。副反応は、メタンだけではなく、炭素数2以上の炭化水素も副反応の原料となり得る。
CH+HO → CO+3H ・・・(4)(水蒸気改質反応)
CH+1.5O → CO+2HO ・・・(5)(燃焼反応)
CH+2O → CO+2HO ・・・(6)(燃焼反応)
OCM反応によって生成したガス(生成ガス)は、配管L4を通流して熱回収装置74に供給される。
OCM反応における温度は、例えば、400~1000℃が好ましい。OCM反応における温度が上記下限値以上であると、反応速度の上昇によって、炭素数2以上の炭化水素の生成がより促進される。OCM反応における温度が上記上限値以下であると、水蒸気改質反応や燃焼反応等の副反応を抑制でき、カップリング選択率の低下を抑制できる。
本明細書において、メタン転化率は、下記式(7)で定義される。
メタン転化率(%)=(反応器入口メタン流量-反応器出口メタン流量)/反応器入口メタン流量×100 ・・・(7)
本明細書において、カップリング選択率は、下記式(8)で定義される。
カップリング選択率(%)=(メタン換算C2+化合物流量)/(反応器入口メタン流量-反応器出口メタン流量)×100 ・・・(8)
なお、上記式における各流量の単位は基準状態(ノルマル)における体積基準の流量(例えば、Ncc/min)であり、カップリング選択率の定義における「メタン換算C2+化合物流量」は、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン等の炭素数2以上の炭化水素のそれぞれの化合物の流量にそれぞれの炭素数を乗じることによってメタン換算した流量を意味する。
OCM反応における圧力は、ゲージ圧で、例えば、0.4~2MPaGが好ましい。OCM反応における圧力が上記下限値以上であると、加圧に伴いガス容積が小さくなるため、酸化カップリング反応装置10をコンパクトにできる。OCM反応における圧力が上記上限値以下であると、カップリング選択率の低下を抑制でき、炭素数2以上の炭化水素の収率の低下をより抑制できる。
OCM反応における酸素とメタンとのモル比は、例えば、1:4~1:20が好ましい。OCM反応における酸素とメタンとのモル比が1:4未満であると、酸化カップリング反応の副反応(燃焼反応等)が過度に進行し、カップリング選択率が低下し、炭素数2以上の炭化水素の収率が低下する。OCM反応における酸素とメタンとのモル比が1:20超であると、酸化カップリング反応が限定的となり、メタン転化率が低くなり、炭素数2以上の炭化水素の収率が低下する。
OCM反応における酸素とメタンとのモル比は、高純度酸素ガスの流量により調節できる。酸化カップリング反応装置10の反応器内において、原料となる酸素が全て消費されると、それ以上の酸化カップリング反応が進まなくなることから、反応器入口の酸素供給量を調整することで、反応量の制御が可能となる。
また、反応器を複数段化し、反応器と反応器との間に冷却器を置くことで、発熱反応で上昇したガス温度を適切な温度に調整することができる。その場合、反応器と反応器との間に原料となる酸素を供給してもよい。
配管L15から酸化カップリング反応装置10に供給されるエタン(C)は、メタンと酸素との反応(酸化カップリング反応)が終わった後、反応器へ供給し、エタンの熱分解によりエチレンと水素とを得ることができる。その結果、目的生成物であるエチレンの収率を高めることができる。原料となるエタンは、炭化水素分離装置82で得られたものをリサイクルしてもよいし、炭化水素製造システム1の外部から導入してもよい。また、エタンの熱分解は吸熱反応のため、酸化カップリング反応で得られた高温の生成ガスを冷却することができる。
ここで、OCM反応における高純度酸素ガス中の窒素濃度がパージガス中のメタンの流量(含有量)に与える影響をシミュレートした例を説明する。
シミュレーションでは、OCMプラントを簡略化したモデル(図3参照)で、マスバランス解析を実施した。リサイクルガス(メタン+Nガス)の総量、酸化カップリング反応の反応率(メタン転化率、エチレン(C)生成量)を仮定し、そこから酸化カップリング反応に必要となる酸素供給量(CH/O比)を算出した。高純度酸素ガス中の窒素濃度(入口N)を0.0mol%とした例1、0.5mol%とした例2、1.0mol%とした例3の3通りのシミュレートを実施し、パージガス中のCHとNの量を算出した。結果を表1に示す。
Figure 2024088119000002
表1に示すように、パージガス中のメタンの流量は、例1で50.00kmol/h、例2で50.74kmol/h、例3で51.46kmol/hであった。このように、入口Nの濃度を低減することで、パージガス中のメタンの流量と窒素の流量とを低減できることが確認できた。このことは、高純度酸素ガス中の窒素濃度を低減することで、分離ガス及びパージガスの流量を低減できることを示している。表1のシミュレートの結果は、補助ボイラ72で燃焼によって生じるパージガス燃料由来の排ガスを低減でき、二酸化炭素の排出量を削減できることを示している。
OCM反応は発熱反応である。このため、熱回収装置74に供給される生成ガスは、高温(例えば、900℃)になっている。熱回収装置74では、高温の生成ガスとボイラ供給水とを熱交換させ、高圧スチームとして、配管L19を通流させてスチームシステム70に供給する。冷却された生成ガスは、配管L5を通流して昇圧装置76に供給される。
昇圧装置76に供給された生成ガスは、原料ガス分離装置20で分離された第一ガスと混合され、混合ガスとして昇圧装置76の内部で加圧される。
補助ボイラ72では、パージガスと燃料となる天然ガス(燃料天然ガス)とを燃焼して、高圧スチームと排ガスとを生成させる(S7)。排ガスは、排ガス処理装置(不図示)で窒素酸化物等の有害物質を除去後、配管L21を通流して外部へと排出される。高圧スチームは、配管L20を通流してスチームシステム70に供給される。
本実施形態では、パージガスの量が低減されているため、補助ボイラ72で生成される高圧スチームの量を保つため、配管L22から供給される燃料天然ガスの供給量を増やすことになる。
太陽熱蒸気システム40では、太陽光による熱エネルギーを利用して高圧スチームを生成する(S8)。太陽熱蒸気システム40は、二酸化炭素を排出することなく高圧スチームを生成できる。このため、補助ボイラ72へ供給されるパージガスの量が低減された場合、高圧スチームの量を保つために、燃料天然ガスの供給量は増やさず、太陽熱蒸気システム40を利用することで、プラントから排出される二酸化炭素の排出量を削減できる。
また、太陽熱蒸気システム40の設備増強により、蒸気発生量をさらに増加させ、その分、補助ボイラへ供給される燃料天然ガスの供給量を低減する事で、プラントから排出される二酸化炭素の排出量をさらに削減できる。
太陽熱蒸気システム40で生成した高圧スチームは、配管L23を介してスチームシステム70に供給される。
炭化水素製造システム1は、一定量でエチレン等の炭素数2以上の炭化水素を製造するシステムである。このため、動力を生み出すスチームシステム70へ供給される高圧スチームの量も不変であることが好ましい。太陽熱蒸気システム40は、天候の影響を受けるため、発生する高圧スチームの量が時間によって変化し得る。
特許文献1に記載の炭化水素製造システムでは、反応熱を回収してスチームを発生させる廃熱ボイラも、ガスタービンの高圧スチーム発生装置(HRSG)も、どちらも廃熱を利用しているため、スチーム発生量を調整できない。このため、天候の影響を受ける太陽熱蒸気システム40と組み合わせるメリットがない。
一方、補助ボイラ72を利用する炭化水素製造システム1では、スチームシステム70へ供給する高圧スチームの量から、太陽熱蒸気システム40からの高圧スチームの量を差し引いた不足分は、補助ボイラ72から供給される。補助ボイラ72は、燃料の焚き上げ量によって柔軟に高圧スチームの発生量を調整できる。このため、補助ボイラ72を利用する炭化水素製造システム1は、太陽熱蒸気システム40との親和性が高いプラントであるといえる。
スチームシステム70では、熱回収装置74、補助ボイラ72及び太陽熱蒸気システム40から供給された高圧スチームを動力に変換する。変換された動力は、動力供給ラインL24によって、ユーティリティ機器90に供給される。加えて、スチームシステム70では、炭化水素製造システム1で必要となる熱供給を行うことができる。
ユーティリティ機器90の多くは、スチームシステム70から動力や熱を供給される。このため、外部からのユーティリティ(動力、電力、熱)の供給量を必要最小限とすることができる。その結果、外部からのユーティリティを生成する際に排出される二酸化炭素の排出量を削減できる。例えば、化石燃料を用いて生成した電力を外部から受け入れて、プラント内で動力に変換して使用する場合では、外部で二酸化炭素が排出される。一方、炭化水素製造システム1では、プラント内で動力を生成するため、外部で生じる二酸化炭素排出を抑制することができる。
[第二実施形態]
≪炭化水素製造システム≫
次に、本開示の第二実施形態に係る炭化水素製造システムについて、図4を参照して説明する。以下、上述した第一実施形態と同じ構成には、同じ符号を付し、その説明を省略する。
図4に示すように、本実施形態に係る炭化水素製造システム2は、酸化カップリング反応装置10と、原料ガス分離装置20と、メタネーション装置30と、水電解装置50と、二酸化炭素分離装置80と、二酸化炭素回収装置92と、を備える。
水電解装置50は、配管L26によって、メタネーション装置30と接続されている。水電解装置50は、配管L27によって、酸化カップリング反応装置10と接続されている。水電解装置50は、配管L28によって、補助ボイラ72と接続されている。水電解装置50には、配管L25が接続されている。
二酸化炭素回収装置92は、配管L21によって補助ボイラ72と接続されている。二酸化炭素回収装置92と、メタネーション装置30とは、配管L29によって接続されている。
<水電解装置>
水電解装置50は、水電解反応(水の電気分解)により、水から酸素と水素とを生成する装置である。
水電解装置50としては、例えば、水槽と電極と電源とを備える装置等が挙げられる。
<二酸化炭素回収装置>
二酸化炭素回収装置92は、排ガス中の二酸化炭素を回収する装置である。
二酸化炭素回収装置92としては、例えば、二酸化炭素を選択的に吸着できる吸着剤が充填された容器や、二酸化炭素吸収液を用いた吸収塔等が挙げられる。
配管L25~L29は、配管L1~L23と同様である。
≪炭化水素製造方法≫
以下、本実施形態の炭化水素製造方法について、図4の炭化水素製造システム2を参照して説明する。
本実施形態の炭化水素製造方法は、下記式(9)の水電解反応により、水から酸素と水素とを生成する工程を有する。
2HO → 2H+O ・・・(9)
配管L25から供給された水は、水電解装置50で電圧を印加され、酸素と水素とに分解される。水電解装置50の電力としては、例えば、例えば、太陽光パネルによる発電を用いることで、二酸化炭素の排出量を低減した炭化水素製造システムとすることができる。太陽光パネルは日照時間や天候によって発電量が変わることから、蓄電池等の畜エネ設備を備えることで、水電解装置50へ供給する電力の平準化が可能である。
生成した酸素は、配管L27を通流して酸化カップリング反応装置10に供給される。酸素分離装置を併用する場合、酸素分離装置から供給される酸素の量を低減できる。
生成した水素は、配管L26を通流してメタネーション装置30に供給される。また、生成した水素は、配管L28を通流して補助ボイラ72に供給される。
補助ボイラ72から排出された排ガスは、配管L21を通流して二酸化炭素回収装置92に供給される。
二酸化炭素回収装置92では、排ガス中の二酸化炭素が回収される。回収された二酸化炭素は、配管L29を通流して、メタネーション装置30に供給される。
本実施形態の炭化水素製造方法において、水電解反応で生成する水素を利用することによって、メタネーション装置30で変換可能な二酸化炭素の量をシミュレートした。
シミュレーションでは、ヒート・マスバランス解析によって、原料天然ガスの量、酸化カップリング反応の反応率(メタン転化率、C2+選択率)を仮定し、それから必要となる酸素供給量、反応熱回収量をもとに廃熱ボイラスチーム発生量、CO分離装置から排出されるCO量を算出した。また、ユーティリティ機器90で必要となる各動力を算出し、スチームシステム70への供給すべき高圧スチーム量を算出した。スチームシステム70に供給すべき高圧スチーム量から、廃熱ボイラスチーム発生量を差し引き、補助ボイラ72のスチーム発生量を算出した。補助ボイラ72のスチーム発生量を満たすパージガス量、燃料天然ガス量を算出し、補助ボイラ72から排出されるCO排出量を算出した。酸化カップリング反応へ供給される酸素を、水の電解反応で生産した場合、副生される水素の生成量を化学両論比で算出し、この水素をメタネーションへ原料として供給するとした際に、メタネーション反応にて、COが原料として化学両論比で消費されるとした場合のCO量を、削減可能なCO量として算出した。結果の一例を表2に示す。
Figure 2024088119000003
表2に示すように、従来の炭化水素製造方法で排出される二酸化炭素の量は、199875kg/hであるのに対し、水電解反応で生成する水素をメタネーションに供給し、従来排出されていた二酸化炭素をメタネーションの原料とすることで、212449kg/hの二酸化炭素を削減できることが確認できた。このことは、水電解反応で生成する水素を利用することで、補助ボイラ72及び二酸化炭素分離装置80から排出される二酸化炭素の全量をメタネーション反応で利用できることを示している。メタネーション反応の余剰の水素は、燃料天然ガス等の代替えとして補助ボイラ72の燃料として利用可能である。
本実施形態の炭化水素製造方法によれば、水電解反応で生成した酸素を酸化カップリング反応装置10に供給するため、窒素等イナート成分の酸素への混入を防げる。水電解反応で生成した酸素を使用する場合、深冷分離装置から供給される窒素が混入している酸素の供給量を低減できるため、後続の炭化水素分離装置82から排出される分離ガス及びパージガス中の窒素量を低減できる。その結果、後続の補助ボイラ72で燃焼されるパージガスの量を低減でき、補助ボイラ72から排出されるパージガス燃料の燃焼に由来する排ガスの量を低減できる。このため、排ガスに含まれる二酸化炭素の排出量を削減できる。
本実施形態の炭化水素製造方法によれば、水電解装置50で生成した水素をメタネーション装置30に供給するため、従来、二酸化炭素分離装置80で回収後、外部(大気)へ排出されていた余剰の二酸化炭素を、メタネーション装置30の原料として利用できる。さらに、補助ボイラ72の排ガス中の二酸化炭素を二酸化炭素回収装置92で回収後、メタネーション装置30で原料として有効活用できるため、外部に排出される二酸化炭素の排出量を削減できる。
本実施形態の炭化水素製造方法によれば、水電解装置50で生成した水素を補助ボイラ72に供給するため、水素を燃料として燃焼することで、パージガスの量が減少した分の高圧スチームの量を補填できる。水素の燃焼は、二酸化炭素を生成しないため、排ガスに含まれる二酸化炭素の排出量を削減できる。さらに、スチームシステム70からユーティリティ機器90に充分な動力を供給でき、外部からの動力を生成する際に排出される二酸化炭素の排出量を削減できる。
[第三実施形態]
≪炭化水素製造システム≫
次に、本開示の第三実施形態に係る炭化水素製造システムについて、図5を参照して説明する。以下、上述した第一実施形態又は第二実施形態と同じ構成には、同じ符号を付し、その説明を省略する。
図5に示すように、本実施形態に係る炭化水素製造システム3は、酸化カップリング反応装置10と、原料ガス分離装置20と、メタネーション装置30と、太陽熱蒸気システム40と、水電解装置50と、二酸化炭素分離装置80と、二酸化炭素回収装置92と、を備える。
本実施形態の炭化水素製造システム3は、第二実施形態の炭化水素製造システム2に加え、第一実施形態の炭化水素製造システム1における太陽熱蒸気システム40を備える。
本実施形態の炭化水素製造システム3は、太陽熱蒸気システム40の利用により、補助ボイラ72の燃料として使用していたパージガス、燃料天然ガスを削減することで、二酸化炭素の排出量を削減できる。
≪炭化水素製造方法≫
本実施形態の炭化水素製造方法は、太陽熱蒸気システム40を備える以外は、第二実施形態の炭化水素製造方法と同様である。
以上、本開示の実施の形態について詳細に説明したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本開示の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。また、本開示は実施形態によって限定されることはなく、クレームの範囲によってのみ限定される。
例えば、本開示の炭化水素製造システムは、原料ガス分離装置に代えて太陽熱蒸気システムを備えていてもよい。
例えば、本開示の炭化水素製造システムは、原料ガス分離装置に代えて水電解装置を備えていてもよい。
その他の実施形態として、水電解装置で生成した水素と、二酸化炭素回収装置で回収した二酸化炭素とは、メタネーション装置30とは異なる別置きのメタネーション装置へ供給し、メタンを生成させた後、メタネーション装置30の反応後のガスと合流させてもよい。それによって、水電解装置で生成した水素と、二酸化炭素回収装置で回収した二酸化炭素とのリサイクルラインへの合流がなくなるため、メタネーション装置30の原料ガスの濃度変動がなくなり、複雑な運転制御が不要となる。
<付記>
上述の実施形態に記載の炭化水素製造システム及び炭化水素製造方法は、例えば以下のように把握される。
(1)第1の態様に係る炭化水素製造システム1~3は、メタンの酸化カップリング反応により、メタンから炭素数2以上の炭化水素を生成させる炭化水素製造システムであって、メタンと酸素とから酸化カップリング反応を行う酸化カップリング反応装置10と、イナート成分を含む原料ガスから前記イナート成分を分離する原料ガス分離装置20と、前記酸化カップリング反応装置10で生成される生成ガスに含まれる二酸化炭素を分離する二酸化炭素分離装置80と、水素と二酸化炭素とからメタネーション反応を行うメタネーション装置30と、を備える。
上記構成によれば、原料ガスから窒素等のイナート成分が除去されているため、後続の炭化水素分離装置82から排出されるパージガス中のイナート成分の量を低減できる。このため、後続の補助ボイラ72で燃焼されるパージガスの量を低減でき、補助ボイラ72から排出されるパージガスの燃焼に由来する排ガスの量を低減できる。その結果、排ガスに含まれるパージガスの燃焼に由来する二酸化炭素の排出量を削減できる。
(2)第2の態様に係る炭化水素製造システム1~3は、(1)の炭化水素製造システム1~3であって、前記原料ガス分離装置20が前記原料ガスから前記イナート成分を分離するイナート成分分離膜22を有する。
上記構成によれば、原料ガスからイナート成分をより確実に分離できる。
(3)第3の態様に係る炭化水素製造システム1~3は、(1)又は(2)の炭化水素製造システム1~3であって、前記メタネーション装置では、前記メタネーション反応の原料として一酸化炭素をさらに含む。
上記構成によれば、メタネーション反応の原料として、系内で生成する一酸化炭素を有効活用できる。
(4)第4の態様に係る炭化水素製造システム1、3は、(1)又は(2)の炭化水素製造システム1、3であって、太陽光による熱エネルギーを利用して高圧スチームを生成する太陽熱蒸気システム40をさらに備える。
上記構成によれば、二酸化炭素を排出することなく高圧スチームを生成できるため、二酸化炭素の排出量を削減できる。
(5)第5の態様に係る炭化水素製造システム2、3は、(1)又は(2)の炭化水素製造システム2、3であって、水電解反応により、水から酸素と水素とを生成する水電解装置50をさらに備える。
上記構成によれば、二酸化炭素を排出することなく酸化カップリング反応に利用する酸素を得ることができるため、二酸化炭素の排出量を削減できる。
(6)第6の態様に係る炭化水素製造システム2、3は、(5)の炭化水素製造システム2、3であって、前記水電解装置50で生成した酸素を前記酸化カップリング反応装置10に供給する。
上記構成によれば、水電解反応で生成した酸素を酸化カップリング反応装置10に供給するため、不純物であるイナート成分の混入を防げる。この場合、深冷分離装置60から供給される、イナート成分が混入している酸素の供給量を低減できるため、後続の炭化水素分離装置82から排出される分離ガス及びパージガス量を低減できる。その結果、後続の補助ボイラ72で燃焼されるパージガスの量を低減でき、補助ボイラ72から排出されるパージガスの燃焼に由来する排ガスの量を低減できる。このため、排ガスに含まれるパージガスの燃焼に由来する二酸化炭素の排出量を削減できる。
(7)第7の態様に係る炭化水素製造システム1は、(1)~(6)のいずれか一つの炭化水素製造システム1であって、空気から酸素を分離する深冷分離装置60と、酸素分離装置62とをさらに備え、前記酸素分離装置62が前記深冷分離装置60で分離した酸素から、さらに純度の高い酸素を分離する酸素分離膜64を有する。
上記構成によれば、深冷分離装置60で空気からイナート成分を除去することで、酸化カップリング反応装置10に供給される高純度酸素ガス中のイナート成分の濃度を低減できる。このため、後続の炭化水素分離装置82から排出される分離ガス及びパージガス量を低減できる。その結果、後続の補助ボイラ72で燃焼されるパージガスの量を低減でき、補助ボイラ72から排出されるパージガスの燃焼に由来する排ガスの量を低減できる。このため、排ガスに含まれるパージガスの燃焼に由来する二酸化炭素の排出量を削減できる。
(8)第8の態様に係る炭化水素製造システム2、3は、(5)又は(6)の炭化水素製造システム2、3であって、前記水電解装置50で生成した水素を前記メタネーション装置30に供給する。
上記構成によれば、原料天然ガスをメタネーションによって生成するメタン相当分だけ減らすことができ、プラントの経済性をより高められる。
(9)第9の態様に係る炭化水素製造システム2、3は、(1)~(8)のいずれか一つの炭化水素製造システム2、3であって、二酸化炭素回収装置92をさらに備え、回収した二酸化炭素を前記メタネーション装置30に供給する。
上記構成によれば、排ガス中の二酸化炭素をメタネーション装置30で有効活用できるため、外部に排出される二酸化炭素の排出量を削減できる。
(10)第10の態様に係る炭化水素製造システム1、3は、メタンの酸化カップリング反応により、メタンから炭素数2以上の炭化水素を生成させる炭化水素製造システムであって、メタンと酸素とから酸化カップリング反応を行う酸化カップリング反応装置10と、前記酸化カップリング反応装置10で生成される生成ガスに含まれる二酸化炭素を分離する二酸化炭素分離装置80と、水素と二酸化炭素とからメタネーション反応を行うメタネーション装置30と、太陽光による熱エネルギーを利用して高圧スチームを生成する太陽熱蒸気システム40と、を備える。
上記構成によれば、太陽熱をエネルギーとして二酸化炭素を排出することなく高圧スチームを生成できるため、二酸化炭素の排出量を削減できる。
(11)第11の態様に係る炭化水素製造システム2、3は、メタンの酸化カップリング反応により、メタンから炭素数2以上の炭化水素を生成させる炭化水素製造システムであって、メタンと酸素とから酸化カップリング反応を行う酸化カップリング反応装置10と、前記酸化カップリング反応装置10で生成される生成ガスに含まれる二酸化炭素を分離する二酸化炭素分離装置80と、水素と二酸化炭素とからメタネーション反応を行うメタネーション装置30と、水電解反応により、水から酸素と水素とを生成する水電解装置50と、を備える。
上記構成によれば、酸化カップリング反応に利用する酸素を高純度で得ることができるため、深冷分離装置からの酸素供給量を低減することで、パージガスの燃焼に由来する排ガス中の二酸化炭素量を低減でき、二酸化炭素の排出量を削減できる。
(12)第12の態様に係る炭化水素製造方法は、メタンの酸化カップリング反応により、メタンから炭素数2以上の炭化水素を生成させる炭化水素製造方法であって、メタンの酸化カップリング反応により、炭素数2以上の炭化水素を生成する工程S1と、イナート成分を含む原料ガスから前記イナート成分を分離する工程S2と、前記酸化カップリング反応で生成される生成ガスに含まれる二酸化炭素を分離する工程S3と、メタネーション反応により、水素と二酸化炭素とからメタンを生成する工程S4と、を有する。
上記構成によれば、原料ガスからイナート成分が除去されているため、後続の炭化水素分離工程S6で排出されるパージガス量を低減できる。このため、後続の燃焼工程S7で燃焼されるパージガスの量を低減でき、燃焼工程S7で排出されるパージガスの燃焼に由来する排ガスの量を低減できる。その結果、排ガスに含まれるパージガスの燃焼に由来する二酸化炭素の排出量を削減できる。
(13)第13の態様に係る炭化水素製造方法は、(12)の炭化水素製造方法であって、イナート成分分離膜によって前記原料ガスから前記イナート成分を分離する。
上記構成によれば、原料ガスからイナート成分をより確実に除去できる。
(14)第14の態様に係る炭化水素製造方法は、(12)又は(13)の炭化水素製造方法であって、前記メタネーション反応の原料として一酸化炭素をさらに含む。
上記構成によれば、メタネーション反応の原料として、系内で生成する一酸化炭素を有効活用できる。
(15)第15の態様に係る炭化水素製造方法は、(12)~(14)のいずれか一つの炭化水素製造方法であって、太陽光による熱エネルギーを利用して高圧スチームを生成する工程S8をさらに有する。
上記構成によれば、二酸化炭素を排出することなく高圧スチームを生成できるため、二酸化炭素の排出量を削減できる。
(16)第16の態様に係る炭化水素製造方法は、(12)~(15)のいずれか一つの炭化水素製造方法であって、水電解反応により、水から酸素と水素とを生成する工程をさらに有する。
上記構成によれば、二酸化炭素を排出することなく酸化カップリング反応に利用する酸素を得ることができるため、二酸化炭素の排出量を削減できる。また、水電解反応によって製造した酸素は、窒素等イナート成分の酸素への混入がないため、パージガスの量を低減でき、補助ボイラ72から排出されるパージガスの燃焼に由来する排ガスの量を低減できる。
(17)第17の態様に係る炭化水素製造方法は、(16)の炭化水素製造方法であって、前記水電解反応で生成した酸素を前記酸化カップリング反応に供給する。
上記構成によれば、水電解反応で生成した酸素を酸化カップリング反応に供給するため、不純物であるイナート成分の混入を防げる。この場合、イナート成分が混入している酸素の供給量を低減できるため、後続の炭化水素分離工程S6で排出されるパージガス量を低減できる。このため、後続の燃焼工程S7で燃焼されるパージガスの量を低減でき、燃焼工程S7で排出されるパージガスの燃焼に由来する排ガスの量を低減できる。その結果、排ガスに含まれるパージガスの燃焼に由来する二酸化炭素の排出量を削減できる。
(18)第18の態様に係る炭化水素製造方法は、(12)~(17)のいずれか一つの炭化水素製造方法であって、空気から酸素を分離する工程S5-1~S5-2をさらに有する。
上記構成によれば、空気からイナート成分を除去することで、酸化カップリング反応に供給される高純度酸素ガス中のイナート成分の濃度を低減できる。このため、後続の炭化水素分離工程S6で排出される分離ガス及びパージガス量を低減できる。その結果、後続の燃焼工程S7で燃焼されるパージガスの量を低減でき、燃焼工程S7で排出されるパージガスの燃焼に由来する排ガスの量を低減できる。このため、排ガスに含まれるパージガスの燃焼に由来する二酸化炭素の排出量を削減できる。
(19)第19の態様に係る炭化水素製造方法は、(16)~(18)のいずれか一つの炭化水素製造方法であって、前記水電解反応で生成した水素を前記メタネーション反応に供給する。
上記構成によれば、大気へ排出されていた二酸化炭素をメタネーションの原料として有効利用することで、二酸化炭素の排出量を低減できる。また、合成メタンの生成量をより高められる。このため、原料ガスの消費量を抑えることができ、経済的である。
(20)第20の態様に係る炭化水素製造方法は、(12)~(19)のいずれか一つの炭化水素製造方法であって、二酸化炭素を回収する工程をさらに有し、回収した二酸化炭素を前記メタネーション反応に供給する。
上記構成によれば、排ガス中の二酸化炭素を大気へ排出することなく、メタネーション反応で有効活用できるため、外部に排出される二酸化炭素の排出量を削減できる。
(21)第21の態様に係る炭化水素製造システム1~3は、メタンの酸化カップリング反応により、メタンから炭素数2以上の炭化水素を生成させる炭化水素製造システムであって、メタンと酸素とから酸化カップリング反応を行う酸化カップリング反応装置10と、イナート成分を含む原料ガスから前記イナート成分を分離する原料ガス分離装置20と、水素と二酸化炭素とからメタネーション反応を行うメタネーション装置30と、前記酸化カップリング反応装置10で生成される生成ガスに含まれる二酸化炭素を分離する二酸化炭素分離装置80と、前記炭化水素を含むガスから目的の炭化水素を分離する炭化水素分離装置82と、を備え、前記原料ガス分離装置20が前記原料ガスから前記イナート成分を分離するイナート成分分離膜22を有し、イナート成分の少なくとも一部が分離除去された原料ガスは任意のガス処理装置を経て、前記酸化カップリング反応装置10へ供給され、前記メタネーション装置30から前記酸化カップリング反応装置10へメタンを含むリサイクルガスが供給され、前記酸化カップリング反応装置10において、前記酸素と前記リサイクルガスに含まれるメタンとの酸化カップリング反応により、前記炭化水素を含む生成ガスを生成し、前記酸化カップリング反応装置10から、任意のガス処理装置を経て、前記炭化水素分離装置82へ前記生成ガスが供給され、前記炭化水素分離装置82において、前記生成ガスから目的の炭化水素を分離し、少なくとも水素を含む分離ガスを生成し、前記炭化水素分離装置82から前記メタネーション装置30へ前記分離ガスが供給され、前記メタネーション装置30において、前記分離ガスに含まれる水素と、任意の二酸化炭素供給源から供給された二酸化炭素とからメタンを生成し、必要に応じて前記分離ガスをパージガスとして補助ボイラ72に供給する。
上記構成によれば、原料ガスから窒素等イナート成分が除去されているため、炭化水素分離装置82から排出されるパージガス等イナート成分の量を低減できる。このため、後続の補助ボイラ72で燃焼されるパージガスの量を低減でき、補助ボイラ72から排出されるパージガスの燃焼に由来する排ガスの量を低減できる。その結果、排ガスに含まれるパージガスの燃焼に由来する二酸化炭素の排出量を削減できる。
1,2,3…炭化水素製造システム、10…酸化カップリング反応装置、20…原料ガス分離装置、22…イナート成分分離膜、30…メタネーション装置、40…太陽熱蒸気システム、50…水電解装置、60…深冷分離装置、62…酸素分離装置、64…酸素分離膜、70…スチームシステム、72…補助ボイラ、74…熱回収装置、76…昇圧装置、80…二酸化炭素分離装置、82…炭化水素分離装置、90…ユーティリティ機器、92…二酸化炭素回収装置

Claims (20)

  1. メタンの酸化カップリング反応により、メタンから炭素数2以上の炭化水素を生成させる炭化水素製造システムであって、
    メタンと酸素とから酸化カップリング反応を行う酸化カップリング反応装置と、
    イナート成分を含む原料ガスから前記イナート成分を分離する原料ガス分離装置と、
    前記酸化カップリング反応装置で生成される生成ガスに含まれる二酸化炭素を分離する二酸化炭素分離装置と、
    水素と二酸化炭素とからメタネーション反応を行うメタネーション装置と、を備える、炭化水素製造システム。
  2. 前記原料ガス分離装置が前記原料ガスから前記イナート成分を分離するイナート成分分離膜を有する、請求項1に記載の炭化水素製造システム。
  3. 前記メタネーション装置では、前記メタネーション反応の原料として一酸化炭素をさらに含む、請求項1又は2に記載の炭化水素製造システム。
  4. 太陽光による熱エネルギーを利用して高圧スチームを生成する太陽熱蒸気システムをさらに備える、請求項1又は2に記載の炭化水素製造システム。
  5. 水電解反応により、水から酸素と水素とを生成する水電解装置をさらに備える、請求項1又は2に記載の炭化水素製造システム。
  6. 前記水電解装置で生成した酸素を前記酸化カップリング反応装置に供給する、請求項5に記載の炭化水素製造システム。
  7. 空気から酸素を分離する深冷分離装置と、酸素分離装置とをさらに備え、前記酸素分離装置が前記深冷分離装置で分離した酸素から、さらに純度の高い酸素を分離する酸素分離膜を有する、請求項1又は2に記載の炭化水素製造システム。
  8. 前記水電解装置で生成した水素を前記メタネーション装置に供給する、請求項5に記載の炭化水素製造システム。
  9. 二酸化炭素回収装置をさらに備え、回収した二酸化炭素を前記メタネーション装置に供給する、請求項1又は2に記載の炭化水素製造システム。
  10. メタンの酸化カップリング反応により、メタンから炭素数2以上の炭化水素を生成させる炭化水素製造システムであって、
    メタンと酸素とから酸化カップリング反応を行う酸化カップリング反応装置と、
    前記酸化カップリング反応装置で生成される生成ガスに含まれる二酸化炭素を分離する二酸化炭素分離装置と、
    水素と二酸化炭素とからメタネーション反応を行うメタネーション装置と、
    太陽光による熱エネルギーを利用して高圧スチームを生成する太陽熱蒸気システムと、を備える、炭化水素製造システム。
  11. メタンの酸化カップリング反応により、メタンから炭素数2以上の炭化水素を生成させる炭化水素製造システムであって、
    メタンと酸素とから酸化カップリング反応を行う酸化カップリング反応装置と、
    前記酸化カップリング反応装置で生成される生成ガスに含まれる二酸化炭素を分離する二酸化炭素分離装置と、
    水素と二酸化炭素とからメタネーション反応を行うメタネーション装置と、
    水電解反応により、水から酸素と水素とを生成する水電解装置と、を備える、炭化水素製造システム。
  12. メタンの酸化カップリング反応により、メタンから炭素数2以上の炭化水素を生成させる炭化水素製造方法であって、
    メタンの酸化カップリング反応により、炭素数2以上の炭化水素を生成する工程と、
    イナート成分を含む原料ガスから前記イナート成分を分離する工程と、
    前記酸化カップリング反応で生成される生成ガスに含まれる二酸化炭素を分離する工程と、
    メタネーション反応により、水素と二酸化炭素とからメタンを生成する工程と、を有する、炭化水素製造方法。
  13. イナート成分分離膜によって前記原料ガスから前記イナート成分を分離する、請求項12に記載の炭化水素製造方法。
  14. 前記メタネーション反応の原料として一酸化炭素をさらに含む、請求項12又は13に記載の炭化水素製造方法。
  15. 太陽光による熱エネルギーを利用して高圧スチームを生成する工程をさらに有する、請求項12又は13に記載の炭化水素製造方法。
  16. 水電解反応により、水から酸素と水素とを生成する工程をさらに有する、請求項12又は13に記載の炭化水素製造方法。
  17. 前記水電解反応で生成した酸素を前記酸化カップリング反応に供給する、請求項16に記載の炭化水素製造方法。
  18. 空気から酸素を分離する工程をさらに有する、請求項12又は13に記載の炭化水素製造方法。
  19. 前記水電解反応で生成した水素を前記メタネーション反応に供給する、請求項16に記載の炭化水素製造方法。
  20. 二酸化炭素を回収する工程をさらに有し、回収した二酸化炭素を前記メタネーション反応に供給する、請求項19に記載の炭化水素製造方法。
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