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JP2024051534A - 熱伝導性シリコーン組成物、熱伝導性シリコーン硬化物及び電気部品 - Google Patents

熱伝導性シリコーン組成物、熱伝導性シリコーン硬化物及び電気部品 Download PDF

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JP2024051534A
JP2024051534A JP2022157752A JP2022157752A JP2024051534A JP 2024051534 A JP2024051534 A JP 2024051534A JP 2022157752 A JP2022157752 A JP 2022157752A JP 2022157752 A JP2022157752 A JP 2022157752A JP 2024051534 A JP2024051534 A JP 2024051534A
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thermally conductive
conductive silicone
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parts
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JP2022157752A
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English (en)
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晃洋 遠藤
Akihiro Endo
靖久 石原
Yasuhisa Ishihara
浩二 中西
Koji Nakanishi
優樹 田中
Yuki Tanaka
皓大 土屋
Kota Tsuchiya
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Abstract

【課題】高い熱伝導性を有し、圧縮性に優れた熱伝導性シリコーン組成物の硬化物を提供できる熱伝導性シリコーン組成物を提供すること。【解決手段】(A)1分子中に2個以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、(B)1分子中に2個以上のヒドロシリル基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(C)特定の平均粒径の球状アルミナフィラー(C-1)、(C-3)及び(C-4)、特定の平均粒径の破砕状アルミナフィラー(C-2)、特定の平均粒径の不定形窒化アルミニウムフィラー(C-5)及び(C-6)からなる熱伝導性充填材、(D)白金族金属系硬化触媒、(E)付加反応制御剤、(F)表面処理剤を特定の配合量で含む熱伝導性シリコーン組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、高熱伝導性を有する熱伝導性シリコーン組成物およびその硬化物、並びに該硬化物を含む電気部品に関する。
電気・電子機器の小型化及び高集積化が一段と進んでおり、パワー半導体やメモリー等の電気・電子部品から発生する熱の影響がこれまで以上に深刻になっている。電気・電子部品に熱が蓄積されると、電気・電子部品の温度が上昇し、動作不良や故障などを引き起こす可能性がある。このような問題を防ぐべく電子部品から発生した熱をヒートシンクなどの冷却部材に効率的に逃がすために、多くの熱放散方法及びそれに使用する熱放散部材が提案されている。
従来、電気・電子機器等においては、動作中の素子の温度上昇を抑えるために、アルミニウムや銅等、熱伝導率の高い金属板を用いたヒートシンクが使用されている。ヒートシンクは、素子から発生する熱を伝導し、その熱を外気との温度差によって表面から放出する。
発熱素子とヒートシンクをそのまま接触させた場合、その界面に空気が存在し熱伝導の障害となってしまうため、ヒートシンクを素子に密着させる必要がある。各素子には高さの違いや組み付け加工時の公差があるため、柔軟性と熱伝導性を有するシート又はグリースが使用されている。
シートは、グリースに比べ、取扱い性に優れており、熱伝導性の樹脂で形成された熱伝導性シートは様々な分野に用いられている。
また、車載分野では、寒冷地の最低温度である-40℃付近から、発熱部材の温度150℃以上の高温までの広い温度範囲での長期信頼性が要求される。さらに、難燃性、電気絶縁性などの特性が要求される場合も多い。これらの特性をすべて満たす樹脂としてシリコーンが好適であり、シリコーンと熱伝導性のフィラーとを配合した熱伝導性シリコーンのシートが使用されている。
発熱素子と、ヒートシンク及び筐体などの冷却部位の間にある程度の空間がある場合に、熱伝導性シリコーンシートがよく用いられる。該空間では、電気的な絶縁状態を確保しなければならない場合が多く、熱伝導性シートにも絶縁性が求められる事が多い。従って、熱伝導性フィラーとしてアルミニウム、銅、及び銀などの金属粒子を用いることができず、水酸化アルミニウム及びアルミナなどの絶縁性熱伝導性フィラーを用いることが多い。しかし、水酸化アルミニウムやアルミナは、それ自体の熱伝導率が低いために、これらを熱伝導性フィラーとして用いた熱伝導性シリコーン組成物の熱伝導率が低くなってしまう。
近年の電気・電子部品の発熱量増加を背景に、熱伝導性シートに求められる熱伝導率も上がってきているため、熱伝導性フィラーとして水酸化アルミニウム及びアルミナだけでは、充分な高熱伝導化を達成することができない。そこで、窒化ホウ素や窒化アルミニウムなどの窒化物を高熱伝導フィラーとして用いることが注目されている。一般的な鱗片状窒化ホウ素は、層状の結晶構造を有し、結晶の面方向と積層方向の熱伝導性に顕著な相違があるために、異方的な熱伝導性を示す。これに対して窒化アルミニウムはウルツ鉱型の結晶構造を有している。従って、窒化アルミニウムは、窒化ホウ素のような極端な異方性を有さない。
そこで、高熱伝導性フィラーとして窒化アルミニウムを選択した放熱材料が種々報告されている(特許文献1、特許文献2)。
しかしながら、窒化アルミニウムとして平均粒径が3μm以下のものをシリコーンに高充填させると、材料が高粘度化してしまい、成型性が低下してしまう。
また、特許文献3では、平均粒径0.2~1.0μmの球状アルミナと平均粒径1~3μm、最大粒径2~10μmの窒化アルミニウムを含むことで粘度上昇を抑制した、熱伝導性グリースが開示されている。しかし、窒化アルミニウムの粒子径が小さいため、高熱伝導化は難しいという課題があった。
そこで、特許文献4では、平均粒径30~150μmの窒化アルミニウム、平均粒径1~30μmの窒化アルミニウム又はアルミナ、平均粒径0.1~1μmの無機粒子を含有した、熱伝導性の高い組成物が提案されている。しかし、窒化アルミニウム等の無機粒子の種類や形状、及びシリコーン組成物を硬化物にした場合の硬度等が最適化されておらず、熱伝導性硬化物の熱伝導性や圧縮性を向上させることが困難であった。また、圧縮性が悪いと、組み付け加工時の公差以下にシートを収めることが困難であり、その他の部品を傷つけてしまう場合がある。
この問題を解決するため、特許文献5では、平均粒径20~120μmの非焼結の窒化アルミニウムと、平均粒径0.1~5μmの球状アルミナを含有するアルミナとを熱伝導性フィラーとして用いた圧縮性に優れた高熱伝導組成物が提案されている。しかしながら、大粒径フィラーに非焼結の不定形窒化アルミニウムフィラーのみを用いているため、シートが脆くなりやすく、高圧縮時にクラックが発生して絶縁性が低下する場合がある。近年、車載モジュールについては駆動電圧が高くなる傾向にあり、また、熱伝導シートには公差吸収のために高圧縮が求められるため、圧縮時の絶縁性確保が非常に重要であった。
特開平3-14873号公報 特許第4357064号公報 特開2004-91743号公報 特許第6246986号公報 特開2021-195499号公報
上記の通り、窒化アルミニウムを含有し、高熱伝導かつ圧縮時の絶縁性に優れる熱伝導性シリコーンシートを提供することが課題となる。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、高い熱伝導性を有し、圧縮性に優れた熱伝導性シリコーン組成物の硬化物を提供できる熱伝導性シリコーン組成物、その硬化物、及び該硬化物を含む電気部品を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では、
(A)1分子中に2個以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)1分子中に2個以上のヒドロシリル基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:ヒドロシリル基のモル数が(A)成分由来のアルケニル基のモル数の0.1~5.0倍量となる量、
(C)下記(C-1)成分~(C-6)成分からなる熱伝導性充填材:8,600~9,600質量部 、
(C-1)平均粒径が0.1μmを超えて2μm以下である球状アルミナフィラー:1,500~2,500質量部
(C-2)平均粒径が0.5μmを超えて5μm以下である破砕状アルミナフィラー:200~800質量部
(C-3)平均粒径が5μmを超えて20μm以下である球状アルミナフィラー:1,500~2,500質量部、
(C-4)平均粒径が60μmを超えて100μm以下である球状アルミナフィラー:500~1,500質量部、
(C-5)平均粒径が50μmを超えて90μm以下である不定形窒化アルミニウムフィラー:2,200~3,200質量部、
(C-6)平均粒径が90μmを超えて120μm以下である不定形窒化アルミニウムフィラー:500~1,500質量部、
(D)白金族金属系硬化触媒:(A)成分に対して白金族元素質量換算で0.1~2,000ppm
(E)付加反応制御剤:(A)成分100質量部に対して0.01~2.0質量部
(F)下記(F-1)及び(F-2)から選ばれる1種以上である表面処理剤:(A)成分100質量部に対し200~400質量部;
(F-1)下記一般式(1)
Si(OR4-a-b (1)
(式中、Rは独立に炭素原子数6~15のアルキル基であり、Rは独立に炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数6~12のアリール基、及び炭素原子数7~12のアラルキル基から選ばれる基であり、Rは独立に炭素原子数1~6のアルキル基であり、aは1~3の整数、bは0~2の整数であり、但しa+bは1~3の整数である。)
で表されるアルコキシシラン化合物、
(F-2)下記一般式(2)
Figure 2024051534000001
(式中、Rは独立に炭素原子数1~6のアルキル基であり、cは5~100の整数である。)
で表される分子鎖片末端がトリアルコキシシリル基で封鎖されたジメチルポリシロキサン、
を含むものであることを特徴とする熱伝導性シリコーン組成物を提供する。
本発明のこのような熱伝導性シリコーン組成物は、熱伝導性フィラー(熱伝導性充填材)として、不定形窒化アルミニウムと、破砕状アルミナと、球状アルミナとを特定の組成及び比率で配合することにより、容易に均一な組成物となることができる。また、本発明の熱伝導性シリコーン組成物から得られる熱伝導性シリコーン硬化物は、高熱伝導でありながら低硬度であるため、発熱部材に応力を掛けず、発熱部材や冷却部材の微細な凸凹にも追従できるのに十分な柔軟性及び圧縮性を有する。また、圧縮時のシート脆化が抑制されるため、高圧縮時においてもクラックが発生しにくく、駆動電圧が高く公差の大きいモジュールへの適用が可能である。さらに、本発明の熱伝導性シリコーン組成物の硬化物は、圧縮時の絶縁性を十分に確保することができる。つまり、本発明の熱伝導性シリコーン組成物は、高い熱伝導性を有し、圧縮性に優れた熱伝導性シリコーン組成物の硬化物を提供できる。
更に、(G)成分として、下記一般式(3)
Figure 2024051534000002
(式中、Rは独立に炭素数1~6のアルキル基、炭素数6~12のアリール基、及び炭素数7~12のアラルキル基から選ばれる基、dは5~2,000の整数である。)
で表される23℃における動粘度が10~100,000mm/sのオルガノポリシロキサン:(A)成分100質量部に対し0.1~100質量部
を含有するものであることが好ましい。
上記(G)成分は、粘度調整剤等の特性付与を目的として配合することができる。
本発明の組成物は、テクスチャーアナライザーにおいて、直径4mmの円柱プローブを用い、圧縮距離を15mmとし、速度を1mm/秒として測定した23℃における前記組成物の押し込み最大荷重が200g以下のものであることが好ましい。
このような押し込み最大荷重を有する熱伝導性シリコーン組成物であれば、所望の形に成型することが容易である。
また、本発明では、本発明の熱伝導性シリコーン組成物の硬化物であることを特徴とする熱伝導性シリコーン硬化物を提供する。
本発明の熱伝導性シリコーン硬化物は、高熱伝導でありながら低硬度であるため、発熱部材に応力を掛けず、発熱部材や冷却部材の微細な凸凹にも追従できるのに十分な柔軟性及び圧縮性を有する。また、圧縮時のシート脆化が抑制されるため、高圧縮時においてもクラックが発生しにくく、駆動電圧が高く公差の大きいモジュールへの適用が可能である。さらに、本発明の熱伝導性シリコーン硬化物は、圧縮時の絶縁性を十分に確保することができる。つまり、本発明の熱伝導性シリコーン硬化物は、高い熱伝導性を有することができ、優れた圧縮性を示すことができる。
本発明の熱伝導性シリコーン組成物の硬化物は、形状がシート状であることが好ましい。
熱伝導性シリコーン硬化物は、シート状であれば、取り扱い性に優れる。
前記熱伝導性シリコーン硬化物のアスカーC硬度計で測定した硬さが10ポイント以上、40ポイント以下であることが好ましい。
このような硬さを有する硬化物であれば、取り扱いが容易であると共に、被放熱体の形状に沿うように変形でき、被放熱体に応力をかけることなく良好な放熱特性を示すことができる。また、このような硬さを有する硬化物であれば、破れを防ぐことができる。
ホットディスク法により測定した23℃における熱伝導率が10W/mK以上であり得る。
このように、本発明の熱伝導性シリコーン硬化物は、優れた熱伝導率を示すことができる。したがって、本発明の熱伝導性シリコーン硬化物は、熱放散部材として有用である。
前記熱伝導性シリコーン硬化物の2mm厚のシートを50%圧縮した時の絶縁破壊電圧が10kV以上であり得る。
このように、本発明の熱伝導性シリコーン硬化物は、10kV以上の優れた圧縮時絶縁破壊電圧を示すことができ、圧縮時にクラックが入ることを防ぎ、安定的に絶縁を確保することができる。
また、本発明では、本発明の熱伝導性シリコーン硬化物を構成の一部として含むものであることを特徴とする電気部品を提供する。
本発明のシリコーン組成物の硬化物を用いた電気部品は、効率的な冷却が可能となることから、発熱による性能・寿命の低下がなく、安定した動作が可能となる。
本発明の電気部品は、例えば、車載用とすることができる。
本発明のシリコーン組成物の硬化物を用いた電気部品は、安定した絶縁保持が可能となることから、高絶縁・長寿命が要求される車載用途に適している。
以上のように、本発明の熱伝導性シリコーン組成物であれば、容易に均一な組成物となることができる。また、本発明の熱伝導性シリコーン組成物から得られる熱伝導性シリコーン硬化物は、高熱伝導でありながら低硬度であるため、発熱部材に応力を掛けず、発熱部材や冷却部材の微細な凸凹にも追従できるのに十分な柔軟性及び圧縮性を有する。また、圧縮時のシート脆化が抑制されるため、高圧縮時においてもクラックが発生しにくく、駆動電圧が高く公差の大きいモジュールへの適用が可能である。さらに、本発明の熱伝導性シリコーン組成物の硬化物は、圧縮時の絶縁性を十分に確保することができる。つまり、本発明の熱伝導性シリコーン組成物は、高い熱伝導性を有し、圧縮性に優れた熱伝導性シリコーン組成物の硬化物を提供できる。
また、本発明の熱伝導性シリコーン硬化物であれば、高熱伝導でありながら低硬度であるため、発熱部材に応力を掛けず、発熱部材や冷却部材の微細な凸凹にも追従できるのに十分な柔軟性及び圧縮性を有する。また、圧縮時のシート脆化が抑制されるため、高圧縮時においてもクラックが発生しにくく、駆動電圧が高く公差の大きいモジュールへの適用が可能である。さらに、本発明の熱伝導性シリコーン硬化物は、圧縮時の絶縁性を十分に確保することができる。つまり、本発明の熱伝導性シリコーン硬化物は、高い熱伝導性を有することができ、優れた圧縮性を示すことができる。
そして、本発明の電気部品であれば、効率的な冷却が可能となることから、発熱による性能・寿命の低下がなく、安定した動作が可能となる。
上述のように、高い熱伝導性を有し、圧縮性に優れた熱伝導性シリコーン組成物の硬化物を提供できる熱伝導性シリコーン組成物、その硬化物、及び該硬化物を含む電気部品の開発が求められていた。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討を重ねた結果、熱伝導性フィラーとして不定形窒化アルミニウムと、破砕状アルミナと球状アルミナを用い、その平均粒径、配合比率を巧みに組み合わせることにより、オルガノポリシロキサンを含む熱伝導性シリコーン組成物を硬化した熱伝導性シリコーンシートにおいて、圧縮時の絶縁性が確保できることを見出した。得られる組成物の硬化物は、高熱伝導でありながら低硬度であるため、発熱部材に応力を掛けず、発熱部材や冷却部材の微細な凸凹にも追従できる柔軟性及び圧縮性を有することを見出した。また、圧縮時のシート脆化が抑制されるため、高圧縮時においてもクラックが発生しにくく、駆動電圧が高く公差の大きいモジュールへの適用が可能であることを見出した。本発明者らは、これらの知見に基づいて本発明を成すに至った。
即ち、本発明は、(A)1分子中に2個以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)1分子中に2個以上のヒドロシリル基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:ヒドロシリル基のモル数が(A)成分由来のアルケニル基のモル数の0.1~5.0倍量となる量、
(C)下記(C-1)成分~(C-6)成分からなる熱伝導性充填材:8,600~9,600質量部 、
(C-1)平均粒径が0.1μmを超えて2μm以下である球状アルミナフィラー:1,500~2,500質量部
(C-2)平均粒径が0.5μmを超えて5μm以下である破砕状アルミナフィラー:200~800質量部
(C-3)平均粒径が5μmを超えて20μm以下である球状アルミナフィラー:1,500~2,500質量部、
(C-4)平均粒径が60μmを超えて100μm以下である球状アルミナフィラー:500~1,500質量部、
(C-5)平均粒径が50μmを超えて90μm以下である不定形窒化アルミニウムフィラー:2,200~3,200質量部、
(C-6)平均粒径が90μmを超えて120μm以下である不定形窒化アルミニウムフィラー:500~1,500質量部、
(D)白金族金属系硬化触媒:(A)成分に対して白金族元素質量換算で0.1~2,000ppm
(E)付加反応制御剤:(A)成分100質量部に対して0.01~2.0質量部
(F)下記(F-1)及び(F-2)から選ばれる1種以上である表面処理剤:(A)成分100質量部に対し200~400質量部;
(F-1)下記一般式(1)
Si(OR4-a-b (1)
(式中、Rは独立に炭素原子数6~15のアルキル基であり、Rは独立に炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数6~12のアリール基、及び炭素原子数7~12のアラルキル基から選ばれる基であり、Rは独立に炭素原子数1~6のアルキル基であり、aは1~3の整数、bは0~2の整数であり、但しa+bは1~3の整数である。)
で表されるアルコキシシラン化合物、
(F-2)下記一般式(2)
Figure 2024051534000003
(式中、Rは独立に炭素原子数1~6のアルキル基であり、cは5~100の整数である。)
で表される分子鎖片末端がトリアルコキシシリル基で封鎖されたジメチルポリシロキサン、
を含むものであることを特徴とする熱伝導性シリコーン組成物である。
また、本発明は、本発明の熱伝導性シリコーン組成物の硬化物であることを特徴とする熱伝導性シリコーン硬化物である。
また、本発明は、本発明の熱伝導性シリコーン硬化物を構成の一部として含むものであることを特徴とする電気部品である。
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[熱伝導性シリコーン組成物]
本発明の熱伝導性シリコーン組成物は、上述の通り、1分子中に2個以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン(以下、アルケニル基含有オルガノポリシロキサンともいう)((A)成分)と、1分子中に2個以上のヒドロシリル基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン((B)成分)と、熱伝導性充填材(熱伝導性フィラー)((C)成分)と、白金族金属系硬化触媒((D)成分)と、付加反応制御剤((E)成分)と、表面処理剤((F)成分)とを含むシリコーン組成物である。
以下に詳細に説明する(A)成分~(F)成分を特定の配合量で含む本発明の熱伝導性シリコーン組成物は、容易に均一な組成物となることができる。また、本発明の熱伝導性シリコーン組成物から得られる熱伝導性シリコーン硬化物は、高熱伝導でありながら低硬度であるため、発熱部材に応力を掛けず、発熱部材や冷却部材の微細な凸凹にも追従できるのに十分な柔軟性及び圧縮性を有する。また、圧縮時のシート脆化が抑制されるため、高圧縮時においてもクラックが発生しにくく、駆動電圧が高く公差の大きいモジュールへの適用が可能である。さらに、本発明の熱伝導性シリコーン組成物の硬化物は、圧縮時の絶縁性を十分に確保することができる。
したがって、本発明の熱伝導性シリコーン組成物は、高い熱伝導性を有し、圧縮性に優れた熱伝導性シリコーン組成物の硬化物を提供できる。
以下、本発明の熱伝導性シリコーン組成物についてより詳細に説明する。
[(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサン]
(A)成分であるアルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に2個以上有するオルガノポリシロキサンであり、本発明の熱伝導性シリコーン硬化物の主剤となるものである。通常は主鎖部分が基本的にジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなるのが一般的であるが、これは分子構造の一部に分枝状の構造を含んだものであってもよく、また環状体であってもよいが、硬化物の機械的強度等、物性の点から直鎖状のジオルガノポリシロキサンが好ましい。
上記アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等の炭素原子数が2~8のものが挙げられ、中でもビニル基、アリル基等の低級アルケニル基が好ましく、特に好ましくはビニル基である。なお、アルケニル基は、分子中に2個以上存在することを特徴とし、好ましくは2~6個であり、より好ましくは2~3個である。また、得られる硬化物の柔軟性がよいものとするためには、分子鎖末端のケイ素原子にのみ結合して存在することが最も好ましい。
ケイ素原子に結合するアルケニル基以外の官能基としては、炭素原子数が1~10、好ましくは炭素原子数が1~6の1価炭化水素基が挙げられる。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、メチルベンジル基等のアラルキル基等が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、及びフェニル基が好適に用いられる。また、ケイ素原子に結合したアルケニル基以外の官能基は全てが同一であっても異なっていてもよい。
このオルガノポリシロキサンの23℃における動粘度は、通常、10~100,000mm/s、特に好ましくは100~50,000mm/sの範囲である。前記動粘度がこの範囲内にあれば、得られる組成物の保存安定性及び進展性が十分となる。なお、本明細書において、動粘度はJIS Z 8803:2011記載の方法でキャノン-フェンスケ粘度計を用いて23℃で測定した値である。
この(A)成分のオルガノポリシロキサンとして、1種単独のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンを用いても良いし、または動粘度が異なる2種以上のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンを組み合わせて用いてもよい。
[(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサン]
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1分子中に平均で2個以上、好ましくは2~100個のヒドロシリル基(ケイ素原子に直接結合する水素原子)を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンである。(B)成分は、(A)成分の架橋剤として作用する成分である。即ち、(B)成分中のヒドロシリル基と(A)成分中のアルケニル基とが、後述する(D)成分の白金族金属系硬化触媒により促進されるヒドロシリル化反応により付加して、架橋構造を有する3次元網目構造を与える。なお、ヒドロシリル基の数が2個未満の場合、硬化しない。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば、下記平均構造式(4)で示されるものが用いられるが、これに限定されるものではない。
Figure 2024051534000004
(式中、Rは独立に水素原子、又は炭素数1~12のアルキル基、炭素数6~12のアリール基、及び炭素数7~12のアラルキル基から選ばれる1価炭化水素基である。ただし、1分子中の2個以上、好ましくは2~10個のRは水素原子である。また、eは1以上の整数、好ましくは10~200の整数である。)
式(4)中、Rの水素原子以外の1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、メチルベンジル基等のアラルキル基が挙げられる。これらの1価炭化水素基の中で、好ましくは炭素原子数が1~10、特に好ましくは炭素原子数が1~6のものであり、中でも、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基等の炭素原子数1~3のアルキル基、及びフェニル基が好適に用いられる。
(B)成分の添加量は、ヒドロシリル基のモル数が(A)成分由来のアルケニル基のモル数の0.1~5.0倍量となる量であることを特徴とする。好ましくは、ヒドロシリル基のモル数が(A)成分由来のアルケニル基のモル数の0.3~2.0倍量となる量、更に好ましくは0.5~1.0倍量となる量である。(B)成分由来のヒドロシリル基の量が(A)成分由来のアルケニル基1モルに対して0.1モル未満であると硬化しない、又は硬化物の強度が不十分で成形体としての形状を保持できず取り扱えない場合がある。また5.0モルを超えると硬化物の柔軟性がなくなり、硬化物が脆くなる。
[(C)熱伝導性充填材]
本発明の熱伝導性シリコーン組成物は、熱伝導性充填材として、不定形窒化アルミニウムフィラー((C-5)成分及び(C-6)成分)と、破砕状アルミナフィラー((C-2)成分)と、球状アルミナフィラー((C-1)成分、(C-3)成分及び(C-4)成分)とからなるフィラーを用いる。
[(C-5)成分及び(C-6)成分:不定形窒化アルミニウム]
造粒体と不定形体がある。造粒体は球状粒子であるため、不定形体に対して、シリコーンポリマーへの充填性が良好である。その一方で、造粒体の熱伝導性は不定形体より劣る。これは、造粒させるときにイットリアを窒化アルミニウムに数%添加することにより、窒化アルミニウムの相とイットリアの相が混在するためである。また造粒体は、造粒工程を行うため非常に高価である。したがって、本発明では不定形窒化アルミニウムを必須とする。
[(C-2)成分:破砕状アルミナおよび(C-1)成分、(C-3)成分及び(C-4)成分:球状アルミナ]
アルミナはα、β、θ、γなど焼結する温度の違いで様々な結晶相を持つ。焼結する温度が最も高いαアルミナが、化学的に安定であるため、αアルミナを用いることが好ましい。また、一般的なアルミナは結晶相が単一で存在することはほとんどないが、できるだけα相の占める割合が高い方がよく、α化率が90%以上、好ましくは95%以上のものを用いることが好ましい。アルミナは、その製法により、球状、丸み状、破砕状など様々な粒状を有する。一般的に破砕状アルミナはα化率が高いため、破砕状アルミナが好ましい。一方で球状アルミナは、シリコーンポリマーへの充填性が良好であり、また、フィラーを極めて高充填した組成物の流動性を高めることができる。また、異なる粒度域の球状アルミナを配合することにより、硬化物が圧縮された際、各圧縮厚みで球状アルミナが効果的に流動することでクラックの発生が抑制される。したがって、本発明では破砕状アルミナおよび球状アルミナを必須とする。
(C)成分である熱伝導性充填材は、具体的には、下記(C-1)成分~(C-6)成分からなるものである。各成分のフィラーとしては1種又は2種以上を複合して用いてもよい。
(C-1)平均粒径が0.1μmを超えて2μm以下である球状アルミナフィラー:1,500~2,500質量部
(C-2)平均粒径が0.5μmを超えて5μm以下である破砕状アルミナフィラー:200~800質量部
(C-3)平均粒径が5μmを超えて20μm以下である球状アルミナフィラー:1,500~2,500質量部、
(C-4)平均粒径が60μmを超えて100μm以下である球状アルミナフィラー:500~1,500質量部、
(C-5)平均粒径が50μmを超えて90μm以下である不定形窒化アルミナフィラー:2,200~3,200質量部、
(C-6)平均粒径が90μmを超えて120μm以下である不定形窒化アルミナフィラー:500~1,500質量部。
なお、本発明において、平均粒径は、マイクロトラック・ベル製の粒子径分布測定装置MT3000IIにより測定した体積基準の累積50%粒子径(D50)の値である。
(C-1)成分の球状アルミナフィラーは、組成物の熱伝導率を向上させる役割も担うが、その主な役割は組成物の粘度調整、滑らかさ向上、充填性向上である。(C-1)成分の平均粒径は0.1μmを超えて2μm以下であり、0.2~1.5μmであることが、上記した特性発現のためにより好ましい。
(C-1)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して1,500~2,500質量部であり、好ましくは1,700~2,300質量部である。少なすぎると熱伝導率の向上が困難であり、多すぎると組成物の流動性が失われ、成形性が損なわれる。
(C-2)成分の破砕状アルミナフィラーは、(C-1)成分の球状アルミナフィラーと組み合わせて使用することにより、組成物の熱伝導率、滑らかさ、充填性を向上させる役割を担う。破砕状であるため他フィラーとの接触点が多くなり、球状アルミナフィラーに比べて熱伝導率を向上させる効果が高い。(C-2)成分の平均粒径は0.5μmを超えて5μm以下であり、0.7~3μmであることが、上記した特性発現のためにより好ましい。
(C-2)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して200~800質量部であり、好ましくは300~700質量部である。少なすぎると熱伝導率の向上が困難であり、多すぎると組成物の流動性が失われ、成形性が損なわれる。
(C-3)成分および(C-4)成分の球状アルミナフィラーは、組成物の熱伝導率、滑らかさ、充填性を向上させる役割を担う。広い粒度範囲で複数の粒度分布を持つ球状アルミナフィラーを併用することで、充填性が大きく向上する。また、硬化物が圧縮を受けた際にはこれら球状アルミナが変形時に流動することで、滑らかな圧縮が可能となり、硬化物におけるクラックの発生が抑制される。(C-3)成分の平均粒径は5μmを超えて20μm以下であり、7~15μmであることが、上記した特性発現のためにより好ましい。また、(C-4)成分の平均粒径は60μmを超えて100μm以下であり、75~95μmであることが、上記した特性発現のためにより好ましい。
(C-3)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して1,500~2,500質量部であり、好ましくは1,700~2,300質量部である。また、(C-4)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して500~1,500質量部であり、好ましくは700~1,300質量部である。少なすぎると熱伝導率の向上が困難であり、また、硬化物を圧縮した際にクラックが発生する場合がある。多すぎると組成物の流動性が失われ、成形性が損なわれる。
(C-5)成分および(C-6)成分の不定形窒化アルミニウムフィラーは、組成物の高熱伝導化を担っており、充填により組成物の熱伝導性が大きく向上する。(C-5)成分の平均粒径は50μmを超えて90μm以下であり、55~85μmであることが、上記した特性発現のためにより好ましい。また、(C-6)成分の平均粒径は90μmを超えて120μm以下であり、95~110μmであることが、上記した特性発現のためにより好ましい。
(C-5)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して2,200~3,200質量部であり、好ましくは2,400~3,000質量部である。また、(C-6)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して500~1,500質量部であり、好ましくは700~1,300質量部である。少なすぎると熱伝導率の向上が困難であり、多すぎると組成物の流動性が失われ、成形性が損なわれる。
上記配合割合で(C)成分を用いることで、上記した本発明の効果、特に優れた熱伝導性及び優れた圧縮性(優れた圧縮時絶縁性)をより有利にかつ確実に達成できる。
そして、上記(C)成分である熱伝導性充填材の含有量は、(A)成分100質量部に対し、8,600~9,600質量部とする。この範囲内から外れると、組成物を得る事ができないか、又は高い熱伝導率を示す硬化物を得ることができない。
[(D)白金族金属系硬化触媒]
(D)成分の白金族金属系硬化触媒は、(A)成分由来のアルケニル基と、(B)成分由来のヒドロシリル基との付加反応を促進するための触媒であり、ヒドロシリル化反応に用いられる触媒として周知の触媒が挙げられる。その具体例としては、例えば、白金(白金黒を含む)、ロジウム、パラジウム等の白金族金属単体、HPtCl・nHO、HPtCl・nHO、NaHPtCl・nHO、KaHPtCl・nHO、NaPtCl・nHO、KPtCl・nHO、PtCl・nHO、PtCl、NaHPtCl・nHO(但し、式中、nは0~6の整数であり、好ましくは0又は6である。)等の塩化白金、塩化白金酸及び塩化白金酸塩、アルコール変性塩化白金酸(米国特許第3,220,972号明細書参照)、塩化白金酸とオレフィンとのコンプレックス(米国特許第3,159,601号明細書、同第3,159,662号明細書、同第3,775,452号明細書参照)、白金黒、パラジウム等の白金族金属をアルミナ、シリカ、カーボン等の担体に担持させたもの、ロジウム-オレフィンコンプレックス、クロロトリス(トリフェニルフォスフィン)ロジウム(ウィルキンソン触媒)、塩化白金、塩化白金酸又は塩化白金酸塩とビニル基含有シロキサン、特にビニル基含有環状シロキサンとのコンプレックス等が挙げられる。
(D)成分の使用量は、(A)成分に対する白金族金属元素の質量換算で0.1~2,000ppmであり、好ましくは50~1,000ppmである。
[(E)反応制御剤]
(E)成分の付加反応制御剤は、通常の付加反応硬化型シリコーン組成物に用いられる公知の付加反応制御剤であれば、特に限定されない。例えば、1-エチニル-1-シクロヘキサノール、3-ブチン-1-オール、2-メチル-3-ブチン-2-オール、3-メチル-1-トリデシン-3-オール等のアセチレン化合物や各種窒素化合物、有機リン化合物、オキシム化合物、有機クロロ化合物、1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンや1,3,5,7-テトラメチル-1,3,5,7-テトラビニルシクロテトラシロキサン等のビニル基含有シロキサン等が挙げられる。(E)成分を配合する場合の使用量としては、(A)成分100質量部に対して0.01~2.0質量部、特に0.1~1.2質量部程度が望ましい。配合量が多すぎると硬化反応が進まず、成形効率が損なわれる場合がある。
[(F)表面処理剤]
(F)成分の表面処理剤は、組成物調製時に前記(C)成分を疎水化処理し、前記(A)成分との濡れ性を向上させ、(C)成分を(A)成分からなるマトリックス中に均一に分散させることを目的とする。該(F)成分としては、下記に示す(F-1)成分及び(F-2)成分から選ばれる1種以上である。
(F-1)成分は、下記一般式(1)で表されるアルコキシシラン化合物である。
Si(OR4-a-b (1)
(式中、Rは独立に炭素原子数6~15のアルキル基であり、Rは独立に炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数6~12のアリール基、及び炭素原子数7~12のアラルキル基から選ばれる基であり、Rは独立に炭素原子数1~6のアルキル基であり、aは1~3の整数、bは0~2の整数であり、但しa+bは1~3の整数である。)
上記一般式(1)において、Rで表されるアルキル基としては、例えば、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基等が挙げられる。このRで表されるアルキル基の炭素原子数が6~15の範囲を満たすと(A)成分の濡れ性が十分に向上し、取り扱い性がよく、組成物の低温特性が良好なものとなる。
で表される炭素原子数1~5のアルキル基の例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基が挙げられる。炭素原子数6~12のアリール基の例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニリル基等が挙げられる。そして、炭素原子数7~12のアラルキル基から選ばれる基の例としては、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、メチルベンジル基等が挙げられる。中でも、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基等の炭素原子数1~3のアルキル基、及びフェニル基が挙げられる。Rとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基等が挙げられる。
(F-2)成分は、下記一般式(2)で表される分子鎖片末端がトリアルコキシシリル基で封鎖されたジメチルポリシロキサンである。
Figure 2024051534000005
(式中、Rは独立に炭素原子数1~6のアルキル基であり、具体的には前記Rで例示されたアルキル基と同じものが例示できる。cは5~100、好ましくは5~70、特に好ましくは10~50の整数である。)
(F)成分の表面処理剤としては、(F-1)成分と(F-2)成分のいずれか一方でも両者を組み合わせて配合しても差し支えない。
(F)成分を配合する場合の配合量としては、(A)成分100質量部に対して200~400質量部であり、250~350質量部であることが好ましい。本成分の割合が多くなるとオイル分離を誘発する可能性がある。
[(G)オルガノポリシロキサン]
本発明の熱伝導性シリコーン組成物には、熱伝導性シリコーン組成物の粘度調整剤等の特性付与を目的として、任意成分である(G)成分のオルガノポリシロキサンを配合してもよい。この(G)成分としては、例えば、下記一般式(3)
Figure 2024051534000006
(式中、Rは独立に炭素数1~6のアルキル基、炭素数6~12のアリール基、及び炭素数7~12のアラルキル基から選ばれる基、dは5~2,000の整数である。)
で表される23℃における動粘度が10~100,000mm/sのオルガノポリシロキサンを添加することができる。(G)成分としては、1種のオルガノポリシロキサンを単独で用いても良いし、または2種以上のオルガノポリシロキサンを併用してもよい。
上記一般式(3)において、Rは独立に炭素数1~6のアルキル基、炭素数6~12のアリール基、及び炭素数7~12のアラルキル基から選ばれる基である。Rの具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、メチルベンジル基等のアラルキル基等が挙げられる。中でも、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基等の炭素原子数1~3のアルキル基、及びフェニル基が挙げられるが、特にメチル基、フェニル基が好ましい。
上記dは要求される粘度の観点から、好ましくは5~2,000の整数で、特に好ましくは10~1,000の整数である。
また、(G)成分の23℃における動粘度は、好ましくは10~100,000mm/sであり、特に100~10,000mm/sであることが好ましい。該動粘度がこの範囲内にあれば、得られる組成物の硬化物がオイルブリードするのを防ぐことができると共に、柔軟性に優れた熱伝導性シリコーン組成物を得ることができる。
(G)成分を本発明の熱伝導性シリコーン組成物に添加する場合、その添加量は特に限定されず、所望の効果が得られる量であればよいが、(A)成分100質量部に対して、好ましくは0.1~100質量部、より好ましくは1~50質量部である。該添加量がこの範囲にあると、硬化前の熱伝導性シリコーン組成物に良好な流動性、作業性を維持し易く、また(C)成分の熱伝導性充填材を該組成物に充填するのが容易である。
[その他の成分]
本発明の熱伝導性シリコーン組成物には、更に他の成分を配合しても差し支えない。例えば、酸化鉄等の耐熱性向上剤;シリカ等の粘度調整剤;着色剤;離型剤等の任意成分を配合することができる。
[熱伝導性シリコーン組成物の調製]
本発明の熱伝導性シリコーン組成物は、上述した各成分を常法に準じて均一に混合することにより調製することができる。上記シリコーン組成物の製造方法は、特に限定されないが、例えば上述した成分の所定量を2本ロール、ニーダー、バンバリーミキサー等公知の混練機で混練りすることによって得ることができる。また、必要により熱処理(加熱下での混練り)してもよい。
[熱伝導性シリコーン組成物の押し込み最大荷重]
本発明の熱伝導性シリコーン組成物の押し込み最大荷重は、テクスチャーアナライザーにおいて、直径4mm円柱プローブを用い、圧縮距離を15mmとし、速度を1mm/秒として測定した23℃における測定値が200g以下であることが好ましく、150g以下であることがさらに好ましい。押し込み最大荷重が200g以下であれば、組成物を所望の形に十分に成形することできる。
[熱伝導性シリコーン硬化物]
本発明の熱伝導性シリコーン硬化物は、以上に説明した本発明の熱伝導性シリコーン組成物の硬化物である。
本発明の熱伝導性シリコーン硬化物であれば、高熱伝導でありながら低硬度であるため、発熱部材に応力を掛けず、発熱部材や冷却部材の微細な凸凹にも追従できるのに十分な柔軟性及び圧縮性を有する。また、圧縮時のシート脆化が抑制されるため、高圧縮時においてもクラックが発生しにくく、駆動電圧が高く公差の大きいモジュールへの適用が可能である。さらに、本発明の熱伝導性シリコーン硬化物は、圧縮時の絶縁性を十分に確保することができる。
つまり、本発明の熱伝導性シリコーン硬化物は、高い熱伝導性を有することができ、優れた圧縮性を示すことができる。
[熱伝導性シリコーン硬化物の製造方法]
本発明の熱伝導性シリコーン組成物を成形する硬化条件としては、公知の付加反応硬化型シリコーンゴム組成物と同様でよく、例えば、常温でも十分硬化するが、必要に応じて加熱・加圧してもよい。好ましくは100~120℃で5~20分間で付加硬化させるのがよい。このような本発明のシリコーン硬化物は熱伝導性に優れる。硬化物がシート状であると、さらに輸送や実装など取り扱い性に優れたものとなる。
[熱伝導性シリコーン硬化物の硬度]
本発明における熱伝導性シリコーン硬化物の硬さは、アスカーC硬度計で測定した23℃における測定値が40以下、好ましくは35以下であることが好ましく、また10以上であることが好ましい。硬さが40以下であれば、被放熱体の形状に沿うように変形し、被放熱体に応力をかけることなく良好な放熱特性を示すことできる。また、硬さが10以上であれば、タックが大きくなり過ぎず、取り扱い性が低下するのを防ぐことができる。また、硬化物の破れが発生するのを防ぐことができる。なお、このような硬さは、(A)成分と(B)成分の比率を変えて、架橋密度を調整することにより、調整することができる。
[熱伝導性シリコーン硬化物の熱伝導率]
本発明における熱伝導性シリコーン硬化物の熱伝導率は、ホットディスク法により測定した23℃における測定値が10W/mK以上、特に11.0W/mK以上であることが望ましい。10W/m・K以上の熱伝導率であれば、熱放散部材として優れた熱伝導性を有するものとなる。
[熱伝導性シリコーン硬化物の圧縮時絶縁破壊電圧]
本発明における熱伝導性シリコーン硬化物の絶縁破壊電圧は、2mm厚のシート状硬化物を50%圧縮した時の絶縁破壊電圧を、JIS K 6249:2003に準拠して測定したときの測定値が10kV以上、より好ましくは12kV以上であることが好ましい。絶縁破壊電圧が10kV以上であれば、圧縮時にクラックが入るのを防ぐことができ、安定的に絶縁を確保することができる。
[電気部品]
本発明の電気部品は、本発明の熱伝導性シリコーン硬化物を構成の一部として含むものである。
なお、本発明のシリコーン組成物の硬化物は、電気部品という名称に拘泥することなく、一般の電子部品においても使用することができる。
本発明のシリコーン組成物の硬化物を用いた電気・電子部品は、効率的な冷却が可能となることから、発熱による性能・寿命の低下がなく、安定した動作が可能となる。また、本発明のシリコーン組成物の硬化物を用いた電気・電子部品は安定した絶縁保持が可能となることから、高絶縁・長寿命が要求される車載用途に適している。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[組成物の調製]
下記実施例及び比較例に用いられる(A)~(G)成分を下記に示す。
(A)成分:
下記式(5)で示されるオルガノポリシロキサン。
Figure 2024051534000007
(式中、fは下記粘度を与える数である。)
(A-1)動粘度:400mm/s
(A-2)動粘度:30,000mm/s
(B)成分:
下記式(6)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン。
Figure 2024051534000008
(C)成分:
平均粒径が下記の通りである球状アルミナ、破砕状アルミナ、及び窒化アルミニウム
(C-1-1)平均粒径が0.3μmの球状アルミナ
(C-1-2)平均粒径が1.0μmの球状アルミナ
(C-2)平均粒径が2.3μmの破砕状アルミナ
(C-3)平均粒径が10μmの球状アルミナ
(C-4)平均粒径が90μmの球状アルミナ
(C-5-1)平均粒径が60μmの不定形窒化アルミニウム
(C-5-2)平均粒径が80μmの不定形窒化アルミニウム
(C-6)平均粒径が100μmの不定形窒化アルミニウム
なお、平均粒径は、マイクロトラック・ベル製の粒子径分布測定装置MT3000IIにより測定した体積基準の累積50%粒子径(D50)の値である。
(D)成分:
5質量%塩化白金酸2-エチルヘキサノール溶液。
(E)成分:
付加反応制御剤として、3-メチル-1-トリデシン-3-オール。
(F)成分:(F-2)成分
下記式(7)で示される平均重合度が30で片末端がトリメトキシシリル基で封鎖されたジメチルポリシロキサン。
Figure 2024051534000009
(G)成分
可塑剤として、下記式(8)で示されるジメチルポリシロキサン。
Figure 2024051534000010
[実施例1~4、比較例1~4]
実施例1~4及び比較例1~4において、上記(A)~(G)成分を下記表1に示す所定の量を用いて下記のように組成物を調製し、成形硬化させ、下記方法に従って組成物の粘度、硬化物の熱伝導率、硬度、圧縮時の絶縁破壊電圧を測定した。結果を表1に併記する。
[組成物の調製]
(A)成分、(C)成分、(F)成分、(F)成分及び(G)成分を下記表1の実施例1~4及び比較例1~4の欄に示すそれぞれ所定の量で混合し、混合物をプラネタリーミキサーで60分間混練した。そこに(D)成分を下記表1の実施例1~4及び比較例1~4の欄に示すそれぞれ所定の量で加え、更にセパレータとの離型を促す内添離型剤として、メチルフェニルシリコーンオイル(商品名:KF-54、信越化学工業(株)製)を加え、30分間混練した。
そこに更に(B)成分及び(E)成分を下記表1の実施例1~4及び比較例1~4の欄に示すそれぞれ所定の量で加え、混合物を30分間混練し、組成物を得た。
[成形方法]
実施例1~4及び比較例1~4で得られた組成物を長さ60mm×幅60mmで、厚さ6mmもしくは2mmの金型に流し込み、プレス成形機を用い、120℃、10分間で成形した。
[評価方法]
組成物の押し込み最大荷重:
実施例1~4及び比較例1~4で得られた組成物の押し込み荷重を、テクスチャーアナライザー(商品名:TA.XTplus100C、英弘精機(株)製)を用いて23℃環境下で測定した。直径4mmの円柱プローブを用い、押し込み速度を1mm/秒、圧縮距離を15mmとして測定を行った。結果を表1に記載した。
硬化物の硬さ:
実施例1~4及び比較例1~4で得られた組成物を、プレス成型機を用いて上記条件で硬化した6mm厚のシートを2枚重ねてアスカーC硬度計で測定した。結果を表1に記載した。
硬化物の熱伝導率:
実施例1~4及び比較例1~4で得られた組成物を、プレス成型機を用いて上記条件で硬化した6mm厚のシートを2枚用いて、熱伝導率計(商品名:TPS-2500S、京都電子工業(株)製)により該シートの熱伝導率を測定した。結果を表1に記載した。
硬化物圧縮時の絶縁破壊電圧:
実施例1~4及び比較例1~4で得られた組成物を、プレス成型機を用いて上記条件で硬化した2mm厚のシートを作成した。次に、このシートをプレス機により50%圧縮し、1mm厚のシートを得た。このシートの絶縁破壊電圧を、JIS K 6249:2003に準拠して測定した。結果を表1に記載した。
Figure 2024051534000011
実施例1~4では、組成物の柔軟性、成形性、硬化物の硬さ、熱伝導率とも良好な結果であった。また、圧縮時のクラックの発生が抑制されており、高圧縮条件においても高絶縁性が維持された。
比較例1のように熱伝導性フィラーの配合量が多すぎると、組成物を得ることができなかった。一方で比較例2のように熱伝導性フィラーの配合量が少なすぎると、高熱伝導化することができなかった。比較例3のように熱伝導性フィラーの配合量・配合比が本発明の範囲から外れた場合、硬化物が脆化し、高圧縮化でクラックが入ることで絶縁特性の低下が観察された。
比較例4のように、(B)成分由来のヒドロシリル基のモル数が(A)成分由来のアルケニル基のモル数の0.1未満で合った場合、コンパウンドの硬化が充分でなくシート成形が不可となった。
本明細書は、以下の態様を包含する。
[1](A)1分子中に2個以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)1分子中に2個以上のヒドロシリル基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:ヒドロシリル基のモル数が(A)成分由来のアルケニル基のモル数の0.1~5.0倍量となる量、
(C)下記(C-1)成分~(C-6)成分からなる熱伝導性充填材:8,600~9,600質量部 、
(C-1)平均粒径が0.1μmを超えて2μm以下である球状アルミナフィラー:1,500~2,500質量部
(C-2)平均粒径が0.5μmを超えて5μm以下である破砕状アルミナフィラー:200~800質量部
(C-3)平均粒径が5μmを超えて20μm以下である球状アルミナフィラー:1,500~2,500質量部、
(C-4)平均粒径が60μmを超えて100μm以下である球状アルミナフィラー:500~1,500質量部、
(C-5)平均粒径が50μmを超えて90μm以下である不定形窒化アルミニウムフィラー:2,200~3,200質量部、
(C-6)平均粒径が90μmを超えて120μm以下である不定形窒化アルミニウムフィラー:500~1,500質量部、
(D)白金族金属系硬化触媒:(A)成分に対して白金族元素質量換算で0.1~2,000ppm
(E)付加反応制御剤:(A)成分100質量部に対して0.01~2.0質量部
(F)下記(F-1)及び(F-2)から選ばれる1種以上である表面処理剤:(A)成分100質量部に対し200~400質量部;
(F-1)下記一般式(1)
Si(OR4-a-b (1)
(式中、Rは独立に炭素原子数6~15のアルキル基であり、Rは独立に炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数6~12のアリール基、及び炭素原子数7~12のアラルキル基から選ばれる基であり、Rは独立に炭素原子数1~6のアルキル基であり、aは1~3の整数、bは0~2の整数であり、但しa+bは1~3の整数である。)
で表されるアルコキシシラン化合物、
(F-2)下記一般式(2)
Figure 2024051534000012
(式中、Rは独立に炭素原子数1~6のアルキル基であり、cは5~100の整数である。)
で表される分子鎖片末端がトリアルコキシシリル基で封鎖されたジメチルポリシロキサン、
を含むものであることを特徴とする熱伝導性シリコーン組成物。
[2]更に、(G)成分として、下記一般式(3)
Figure 2024051534000013
(式中、Rは独立に炭素数1~6のアルキル基、炭素数6~12のアリール基、及び炭素数7~12のアラルキル基から選ばれる基、dは5~2,000の整数である。)
で表される23℃における動粘度が10~100,000mm/sのオルガノポリシロキサン:(A)成分100質量部に対し0.1~100質量部
を含有するものであることを特徴とする[1]に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
[3]テクスチャーアナライザーにおいて、直径4mmの円柱プローブを用い、圧縮距離を15mmとし、速度を1mm/秒として測定した23℃における前記組成物の押し込み最大荷重が200g以下のものであることを特徴とする[1]又は[2]に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
[4][1]~[3]のいずれか1つに記載の熱伝導性シリコーン組成物の硬化物であることを特徴とする熱伝導性シリコーン硬化物。
[5]形状がシート状である[4]に記載の熱伝導性シリコーン硬化物。
[6]前記熱伝導性シリコーン硬化物のアスカーC硬度計で測定した硬さが10ポイント以上、40ポイント以下である[4]又は[5]に記載の熱伝導性シリコーン硬化物。
[7]ホットディスク法により測定した23℃における熱伝導率が、10W/mK以上である[4]~[6]の何れか1つに記載の熱伝導性シリコーン硬化物。
[8]前記熱伝導性シリコーン硬化物の2mm厚のシートを50%圧縮した時の絶縁破壊電圧が10kV以上である[4]~[7]の何れか1つに記載の熱伝導性シリコーン硬化物。
[9][4]~[8]の何れか1つに記載の熱伝導性シリコーン硬化物を構成の一部として含むものであることを特徴とする電気部品。
[10]車載用である[9]に記載の電気部品。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (10)

  1. (A)1分子中に2個以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン:100質量部、
    (B)1分子中に2個以上のヒドロシリル基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:ヒドロシリル基のモル数が(A)成分由来のアルケニル基のモル数の0.1~5.0倍量となる量、
    (C)下記(C-1)成分~(C-6)成分からなる熱伝導性充填材:8,600~9,600質量部 、
    (C-1)平均粒径が0.1μmを超えて2μm以下である球状アルミナフィラー:1,500~2,500質量部
    (C-2)平均粒径が0.5μmを超えて5μm以下である破砕状アルミナフィラー:200~800質量部
    (C-3)平均粒径が5μmを超えて20μm以下である球状アルミナフィラー:1,500~2,500質量部、
    (C-4)平均粒径が60μmを超えて100μm以下である球状アルミナフィラー:500~1,500質量部、
    (C-5)平均粒径が50μmを超えて90μm以下である不定形窒化アルミニウムフィラー:2,200~3,200質量部、
    (C-6)平均粒径が90μmを超えて120μm以下である不定形窒化アルミニウムフィラー:500~1,500質量部、
    (D)白金族金属系硬化触媒:(A)成分に対して白金族元素質量換算で0.1~2,000ppm
    (E)付加反応制御剤:(A)成分100質量部に対して0.01~2.0質量部
    (F)下記(F-1)及び(F-2)から選ばれる1種以上である表面処理剤:(A)成分100質量部に対し200~400質量部;
    (F-1)下記一般式(1)
    Si(OR4-a-b (1)
    (式中、Rは独立に炭素原子数6~15のアルキル基であり、Rは独立に炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数6~12のアリール基、及び炭素原子数7~12のアラルキル基から選ばれる基であり、Rは独立に炭素原子数1~6のアルキル基であり、aは1~3の整数、bは0~2の整数であり、但しa+bは1~3の整数である。)
    で表されるアルコキシシラン化合物、
    (F-2)下記一般式(2)
    Figure 2024051534000014
    (式中、Rは独立に炭素原子数1~6のアルキル基であり、cは5~100の整数である。)
    で表される分子鎖片末端がトリアルコキシシリル基で封鎖されたジメチルポリシロキサン、
    を含むものであることを特徴とする熱伝導性シリコーン組成物。
  2. 更に、(G)成分として、下記一般式(3)
    Figure 2024051534000015
    (式中、Rは独立に炭素数1~6のアルキル基、炭素数6~12のアリール基、及び炭素数7~12のアラルキル基から選ばれる基、dは5~2,000の整数である。)
    で表される23℃における動粘度が10~100,000mm/sのオルガノポリシロキサン:(A)成分100質量部に対し0.1~100質量部
    を含有するものであることを特徴とする請求項1に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
  3. テクスチャーアナライザーにおいて、直径4mmの円柱プローブを用い、圧縮距離を15mmとし、速度を1mm/秒として測定した23℃における前記組成物の押し込み最大荷重が200g以下のものであることを特徴とする請求項1に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の熱伝導性シリコーン組成物の硬化物であることを特徴とする熱伝導性シリコーン硬化物。
  5. 形状がシート状である請求項4に記載の熱伝導性シリコーン硬化物。
  6. 前記熱伝導性シリコーン硬化物のアスカーC硬度計で測定した硬さが10ポイント以上、40ポイント以下である請求項4に記載の熱伝導性シリコーン硬化物。
  7. ホットディスク法により測定した23℃における熱伝導率が、10W/mK以上である請求項4に記載の熱伝導性シリコーン硬化物。
  8. 前記熱伝導性シリコーン硬化物の2mm厚のシートを50%圧縮した時の絶縁破壊電圧が10kV以上である請求項4に記載の熱伝導性シリコーン硬化物。
  9. 請求項4に記載の熱伝導性シリコーン硬化物を構成の一部として含むものであることを特徴とする電気部品。
  10. 車載用である請求項9に記載の電気部品。
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