JP2023129091A - 介護支援具 - Google Patents
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Abstract
【課題】 椅座位姿勢における利用者が起立する際、膝や腿に対する負荷を一層軽減する事のできる介護支援具を提供すること。
【解決手段】 気体や液体等の流動体の導入や放出によって膨張又は収縮自在な膨縮袋を用いて形成された介護支援具であって、下側膨縮領域と上側膨縮領域を含む2以上の膨張領域に区切られている膨縮袋本体部と、当該区切られた膨張領域の少なくとも何れかに重ね合わせて設けられた持上げ膨張部とからなり、前記膨縮袋本体部に設けられた隣り合う膨張領域同士は相互に流動体の流通が可能であって、前記持上げ膨張部は、これが設けられている膨張領域と相互に流動体の流通が可能である介護支援具とする。
【選択図】図3
【解決手段】 気体や液体等の流動体の導入や放出によって膨張又は収縮自在な膨縮袋を用いて形成された介護支援具であって、下側膨縮領域と上側膨縮領域を含む2以上の膨張領域に区切られている膨縮袋本体部と、当該区切られた膨張領域の少なくとも何れかに重ね合わせて設けられた持上げ膨張部とからなり、前記膨縮袋本体部に設けられた隣り合う膨張領域同士は相互に流動体の流通が可能であって、前記持上げ膨張部は、これが設けられている膨張領域と相互に流動体の流通が可能である介護支援具とする。
【選択図】図3
Description
本発明は、要介護者などの利用者の立ち上がり、起き上がり、着座、横臥などの日常生活における動作を支援するための介護支援具に関し、特に気体や液体等の流動体を内部空間に導入及び排出することにより、膨張及び収縮する膨縮袋により利用者の動作を支援する事のできる介護支援具に関する。
高齢者や足腰に障害や怪我を抱えている者等、足腰が弱い者にとっては、椅子等に座った状態から立ち上がる起立動作や、椅子に座る着座動作、或いは横になっている横臥姿勢から起き上がったり、寝返りをするなどの動作は極めて負担が大きい。そのため、これ等の動作を自分だけでは行えない場合には、介護などの支援が必要となる。
そこで従前においては、このような動作を支援するための器具も提案されている。例えば特許文献1(特開2011-200333号公報)では、座席面上に設置可能な立ち上がり補助装置として、設置する座席の座席面に対して少なくとも一部が接する設置面を有する設置部と、前記設置部の前記設置面とは反対側に設けられる袋を有し、前記袋に注入される気体の量によって前記袋が変形する変形部と、前記袋に注入する気体の量を調整する調整部と、利用者が着座する着座面を有し前記設置部に対して特定の範囲内で移動可能に支持され、前記袋が変形することにより前記設置部との位置関係が変化する着座部とを具備する立ち上がり補助装置が提案されている。
また本願出願人も、簡易な構成でありながらも、利用者を持ち上げるような動作を支援することのできる介護支援具として、特許文献2(特開2019-111262号公報)を提案している。この文献では、内部に気体や液体等の流動体を導入することにより膨張する膨縮袋を2つ以上重ね合わせると共に、当該重ね合って設けられた2つ以上の膨縮袋における向かい合う縁部分を離間させて連結してなる介護支援具を提案している。
上述の通り、従前においても椅座位姿勢からの起立動作を支援する器具は提案されており、また2つ以上の膨張縮袋を用いてこれを実現するものも提案している。しかしながら、作業者の負担軽減という観点では未だ改良の余地を有するものとなっていた。
そこで本発明では、椅座位姿勢における利用者が起立する際、膝や腿に対する負荷を一層軽減する事のできる介護支援具を提供することを課題の1つとする。
また本発明では椅座位姿勢からの起立動作のみならず、横臥姿勢や仰臥姿勢等からの寝返りや起き上がりの動作についても支援する事のできる介護支援具を提供することも、前記課題とは別の課題の1つとする。
更にMRI等の検査施設においても、患者は横臥姿勢、仰臥姿勢または椅座位姿勢から立ち上がったり起き上がったりする事も多く、このような検査施設においても患者などの利用者の動作を支援することが望ましい。そこで本発明ではMRI等の検査施設においても利用者の動作を支援する事のできる介護支援具を提供することも、前記課題とは別の課題の1つとする。
前記課題の少なくとも何れかを解決するために、本発明者らは要介護者の各種動作を詳細に検討し、これを支援する為に最適な動作を実現する介護支援具を創作することで、本発明を完成したものである。
即ち、本発明に係る介護支援具は、気体や液体等の流動体の導入や放出によって膨張又は収縮自在な膨縮袋を用いて形成された介護支援具であって、下側膨縮領域と上側膨縮領域を含む2以上の膨張領域に区切られている膨縮袋本体部と、当該区切られた膨張領域の少なくとも何れかに重ね合わせて設けられた持上げ膨張部とからなり、膨縮袋本体部に設けられた隣り合う膨張領域同士は相互に流動体の流通が可能であって、前記持上げ膨張部は、これが設けられている膨張領域と相互に流動体の流通を可能として構成することができる。
かかる介護支援具を構成する膨縮袋には、当然のことながら気体や液体等の流動体の導入や放出を行う流動体導入口又は流動体放出口が設けられる。かかる流動体導入口と流動体放出口は、何れかが他方を兼務することもできる。特に流動体導入口は、前記持上げ膨張部が設けられている膨張領域以外の膨張領域に設けることが望ましい。
また上記介護支援具において、前記膨縮袋本体部は、上下に重なって膨張する下側膨縮領域と上側膨縮領域とからなり、前記持上げ膨張部は、下側膨縮領域と上側膨縮領域との間に挟まれた状態で膨縮自在に設けることができる。この時、前記下側膨縮領域と上側膨縮領域とは、相互に流動体の流通が可能であって、前記持上げ膨張部は、下側膨縮領域および上側膨縮領域の少なくとも何れかと相互に流動体の流通を可能として形成することができる。このように形成した場合、前記流動体導入口は持上げ膨張部が設けられていない下側膨縮領域又は上側膨縮領域に形成することが望ましい。なお、当該持上げ膨張部は、下側膨縮領域および上側膨縮領域の双方と流動体の流通を可能とすることができる。かかる流動体の流通は両者間に開口する連通開口として形成することができる。
また上記介護支援具において、前記膨縮袋本体部における下側膨縮領域と上側膨縮領域露の間には、中間領域を設けることができる。かかる中間領域は、下側膨縮領域と上側膨縮領域露の間における流動体の通過を成し得る内径の流路をして形成することができ、更に当該流動体の通過量を調整する内径に形成することもできる。当該中間領域に設けた流動体の流路の内径などを調整することにより、下側膨縮領域と上側膨縮領域の膨張や収縮タイミングを調整することができる。
また当該中間領域を形成した場合には、前記下側膨縮領域と上側膨縮領域における相互の流動体の流通は、当該中間領域を介して行うことができ、当該中間領域は、前記持上げ膨張部の膨張により離間した下側膨縮領域と上側膨縮領域とを、流動体の流通を可能として連結するように構成することができる。即ち、当該中間領域を設ける事により、膨張時における介護支援具の全体の高さを高くすることができる。
そして前記介護支援具において、前記上側膨縮領域の上面の中央部には、流動体が導入されない凹部を設けることも望ましい。当該凹部は着座した利用者の臀部が収容されるか又は位置決めできる大きさに形成することができ、これにより当該上側膨縮領域が膨張した時における利用者の安定性を向上させることができる。また前記持上げ膨張部を下側膨縮領域の上面に設けた場合には、当該下側膨縮領域と持上げ膨張部とにおける流動体の流通を行う連通開口は、前記下側膨縮領域における中央部分から、前記上側膨縮領域から離れた側又は近い側に偏在して設けることが望ましい。当該連通開口の形成位置(開口位置)を調整することにより、当該持上げ膨張部の膨張タイミングを調整する為である。また前記膨縮袋に対する流動体の導入口を、持上げ膨張部が設けられていない膨張領域に設けることも望ましい。上側膨縮領域、下側膨縮領域、および持上げ膨張部の膨張開始タイミングを制御する為である。なお、当該持上げ膨張部の膨張スピードは前記連通開口の開口径や、当該連通開口の形成数によって調整することができる。
ぞして本発明では前記課題の少なくとも何れかを解決するために、上記本発明に係る介護支援具を利用した介護方法を提供する。即ち、上記本発明の介護支援具を用いた介護支援方法であって、当該介護支援具は、椅座位の利用者における臀部下に設けられており、気体や液体等の流動体が導入された膨縮袋は、最初に上側膨縮領域が膨張し、次いで下側膨縮領域が膨張を開始した後で、前記持上げ膨張部が膨張することにより、椅座位の利用者の起立動作を支援することを特徴とする介護支援方法を提供する。
本発明の介護支援具は、気体や液体等の流動体の導入や放出によって膨張又は収縮自在な膨縮袋を用いて形成されている。この為、簡易な構成でありながらも、椅座位姿勢からの起立動作、横臥姿勢や仰臥姿勢等からの寝返りや起き上がりの動作を支援する事のできる介護支援具を提供することができる。
特に、下側膨縮領域と上側膨縮領域を含む2以上の膨張領域に区切られている膨縮袋本体部と、当該区切られた膨張領域の少なくとも何れかに重ね合わせて設けられた持上げ膨張部とからなり、膨縮袋本体部に設けられた隣り合う膨張領域同士は相互に流動体の流通が可能であって、前記持上げ膨張部は、これが設けられている膨張領域と相互に流動体の流通が可能である事から、下側膨縮領域と上側膨縮領域とが膨張した時の高さに加え、持上げ膨張部の膨張による高さ分だけ利用者を持ち上げることができる。その結果、要介護者などの利用者の動作に沿ったサポートを行うことができ、より的確な動作支援を行う事のできる介護支援具を提供することができる。
そして持上げ膨張部を設けた膨張領域と、当該持上げ膨張部との連通開口の形成位置を調整することにより、当該持上げ膨張部の膨張タイミングを調整することができ、更に当該連通開口の開口面積を調整することにより、膨張スピード、即ち利用者の持ち上げスピードを調整することもできる。その結果、利用者の動作に沿った支援を行うことのできる介護支援具とすることができる。前記持上げ膨張部の膨張タイミングの調整は、例えば斜め上方に向かって膨らむ上側膨縮領域の膨張具合による前記連通開口が開放されるタイミングを考慮することができる。
更に下側膨縮領域と上側膨縮領域とにおける流動体の通路の内径を調整することにより、相互の膨張タイミングや膨張速度を調整することができ、その結果、利用者の動作に沿った支援を行うことのできる介護支援具とすることができる。
そして前記膨縮袋と、当該膨縮袋に気体や液体等の流動体の導入や放出を行う流動体導入口又は流動体放出口とを樹脂などの非金属材料で形成することにより、MRI等の検査施設においても利用者の動作を支援する事のできる介護支援具とすることができる。
以下、図面を参照しながら、本実施の形態にかかる介護支援具50を具体的に説明する。図1は本実施の形態に係る介護支援具50の使用状態を示す側面図であり、(A)動作前の状態、(B)動作時の状態をそれぞれ示している。
図1に示す様に、本実施の形態に係る介護支援具50は、特に車椅子やソファーなどの各種の椅子に設置して使用するのに適した介護支援具50として構成した例を示している。但し、当該介護支援具50は、起座位からの起立動作を支援する以外でも、ベッドなどに設置して寝返り動作を支援するために使用することもできる。
本実施の形態において、介護支援具50は、座面に設置可能な膨縮袋30と、この膨縮袋30に気体や液体等の流動体を供給したり、排出(又は吸引)したりするための流体供給/排出手段としてのポンプ40と、このポンプ40と前記膨縮袋30とを接続するチューブ41とで構成している。かかる膨縮袋30は、本実施の形態では椅子に載せ置いて使用するように構成しているが、予め椅子の座面に固定して設置する事もできる。またポンプ40は、モータなどの各種動力を用いて駆動するものの他、手動式や足踏み式などの様に動力を用いないポンプを使用することもできる。特に当該ポンプ40が金属を用いることなく樹脂で形成されている場合には、MRI検査室などの検査施設においても、検査装置に影響を与えることなく使用することができる。またチューブ41として十分に長いものを使用する事により、膨縮袋30はMRI検査室に設置し、ポンプ40はMRI検査室外に設置することも可能である。そして当該ポンプ40は膨縮袋30に気体(特に空気)を供給して膨張させるように構成しているが、空気の代わりに他の気体や、水などを供給して膨張させるように構成しても良い。
図2は上記膨縮袋30を示す(A)展開状態の正面図、(B)展開状態の背面図、(C)C-C縦断面図、(D)座面設置状態における縦断面図である。この図に示す様に当該膨縮袋30は、空気などの気体や水などの液体等の流動体を導入することにより膨張又は収縮するように構成しており、少なくとも利用者が着座した状態において膨張し、起座位の利用者を持ち上げ支持する事のできる強度で形成する。
本実施の形態において、当該膨縮袋30は、膨縮袋30本体部と持上げ膨張部10とで形成しており、膨縮袋30本体部は、下側膨縮領域32と上側膨縮領域31の2つの膨張領域に区画している。また、この下側膨縮領域32と上側膨縮領域31の間には、両者間における気体の移動を果たすための中間領域33を設けている。かかる中間領域33には、下側膨縮領域32と上側膨縮領域31との内部空間を連通させる流路33aが確保される。この中間領域33における流路33aの内径や数を調整することにより、両者間における気体の移動量を調整することができる。即ち、当該中間領域33の流路33aの大きさによって、下側膨縮領域32と上側膨縮領域31の相互における膨張タイミングや膨張速度を両精することができる。
そして本実施の形態では、下側膨縮領域32に前記持上げ膨張部10を重ね合わせて設けている。当該下側膨縮領域32と持上げ膨張部10には、相互における気体の流通を行う連通開口11を設けている。そしてこの連通開口11の形成位置(開口位置)を調整することにより、当該持上げ膨張部10の膨張タイミングを調整することができ、前記上側膨縮領域31から離れた側に偏在して設けることにより、当該下側膨縮領域32がある程度膨張した後に、この持上げ膨張部10を膨張させることができる。またこの連通開口11の開口径を調整することにより、相互の膨張速度を調整することができる。
また本実施の形態では、上側膨縮領域31には、前記ポンプ40から供給される気体を案内するチューブ41を接続する気体の導入口23を形成している。この気体の導入口23は筒状であって、上側膨縮領域31の側縁に設けているが、その他にも端部や中心部分に設けることもできる。
以上のように構成した上側膨縮領域31、中間領域33、下側膨縮領域32、および持上げ膨張部10は相互に連通しており、前記ポンプ40からチューブ41を介して供給された空気などの気体は、気体の導入口23から案内されて、当該膨縮袋30を膨らませることができる。その際、中間領域33に確保される流路33aの内径は、前記持上げ膨張部10と下側膨縮領域32とに確保される連通開口11よりも大きく形成することが望ましい。前記気体の導入口23から供給された気体によって、上側膨縮領域31と下側膨縮領域32とが迅速に膨張し、ある程度膨張した後、即ち下側膨縮領域32の内部圧力が一定の値まで上昇した後に、前記持上げ膨張部10を膨張させるためである。
そして前記上側膨縮領域31には、流動体が導入されない凹部31aを形成している。かかる凹部31aは上側膨縮領域31の中心部分に形成しており、これは当該上側膨縮領域31の膨らみ具合を規制する膨張厚規制部として機能することができる。具体的には、当該上側膨縮領域31が膨張した場合には、その中心部分に窪みが生じるような形状に膨張することができる。よって当該上側膨縮領域31が膨張した場合には、当該凹部31aが存在する事により、利用者の臀部が収まる様な凹部31aを形成する事ができ、利用者は起立時の動作を安定且つ安心して行うことができる。なお当該凹部31aは、本実施の形態では楕円状に形成しているが、その他にも気体が導入されない形状に融着された領域を、直線状又は千鳥状に複数形成することによっても行うことができる。当該凹部31aは、膨縮袋30が球形に膨らむのを阻止するものであることから、その他にも上側膨縮領域31の内面の所定部分を貼り合わせることによって形成することもできる。
よって上側膨縮領域31に、膨張厚規制部として機能する凹部31aを設ける事により、膨張時における利用者の安定性が高まる。そして前記ポンプ40からチューブ41を介して供給された気体は、最初に上側膨縮領域31を膨らませることから、膨張開始後早いタイミングで利用者の起座位姿勢の安定性を高めることができる。その後、下側膨縮領域32を膨らませ、更に前記持上げ膨張部10を膨らませて利用者の臀部を持ち上げたとしても、安定性を確保した状態で起立動作を支援することができる。
以上のように構成した介護支援具50は、各膨縮領域の内部空間に空気などの流体を供給することにより図3に示す様に膨張することができる。即ち、図3(A)に示す様に、ポンプ40からチューブ41を介して供給された空気などの気体は、気体の導入口23から上側膨縮領域31に供給されて、当該上側膨縮領域31を膨らませる。そして図3(B)に示す様に、上側膨縮領域31が一定の内部圧力になると、当該上側膨縮領域31内の気体は、前記中間領域33における流路33aを通って下側膨縮領域32に案内され、この下側膨縮領域32を膨らませる。そして下側膨縮領域32が膨らんで一定の内部圧力まで上昇するか、或いは前記上側膨縮領域31が斜め上方に起き上がって膨張して連通開口11が解放されると、当該連通開口11を介して持上げ膨張部10に気体が案内され、この持上げ膨張部10を膨らませる。この持上げ膨張部10の膨張タイミングは、連通開口11の形成位置や当該連通開口11の開口径によって調整することができる。かかる持上げ膨張部10の膨張により、前記上側膨縮領域31は押し上げられて、嵩高が増加する。この時、前記中間領域33は上側膨縮領域31と下側膨縮領域32との間に存在して、上側膨縮領域31が持ち上げられた分の高さに対応して膨張する。その結果、前記持上げ膨張部10によって上側膨縮領域31を持ち上げることができ、当該上側膨縮領域31に着座している利用者の臀部を持ち上げることができる。特に当該持上げ膨張部10の膨張によって、前記上側膨縮領域31は中間領域33を中心として円弧状(斜め上方)に膨らむことから、座面となる上側膨縮領域31は斜めに傾斜する向きに持ち上げられる。その結果、利用者の臀部を起立しやすい向きに押し上げることができる。よって、この実施の形態に係る介護支援具50により、起座位の利用者の立ち上がり動作に沿う動きで起立動作を支援することができる。
図4は他の実施の形態に係る幾つかの介護支援具50を示す縦断面図である。これらの実施の形態では、膨縮袋30に対する流動体の導入口23の設置位置や、持上げ膨張部10に流動体を案内する連通開口11の形成位置を異ならせている。図4(A)に示す介護支援具50は前記図1~3に示した介護支援具50の膨張具合を示している。
図4(B)に示す介護支援具50は、上側膨縮領域31に持上げ膨張部10を設け、当該持上げ膨張部10と上側膨縮領域31とを連通させる連通開口11は上側膨縮領域31に形成している。その結果、上側膨縮領域31に供給された気体により上側膨縮領域31が膨らむと、この気体は持上げ膨張部10にも案内されて当該上側膨縮領域31を持ち上げる。これと同時に中間領域33に設けられた流路33aを介して下側膨縮領域32に気体が案内されて、下側膨縮領域32も膨らむことにより、前記上側膨縮領域31を持ち上げることができる。即ち、この実施の形態では、最初に迅速に上側膨縮領域31を持ち上げて、その後ゆっくりと上側膨縮領域31を持ち上げる事のできる介護支援具50が実現する。
図4(C)に示す介護支援具50は、上側膨縮領域31に持上げ膨張部10を設け、当該持上げ膨張部10と上側膨縮領域31とを連通させる連通開口11は上側膨縮領域31に形成すると共に、膨縮袋30に対する流動体の導入口23は下側膨縮領域32に形成している。このように形成した介護支援具50によれば、最初に下側膨縮領域32が膨らみ、その後、中間領域33に設けられた流路33aを介して案内された気体によって上側膨縮領域31が膨らむ。そして最後に連通開口11を介して案内された持上げ膨張部10が膨らむことにより、座面となる上側膨縮領域31を持ち上げることができる。
図4(D)に示す介護支援具50は、上側膨縮領域31に持上げ膨張部10を設け、当該持上げ膨張部10と上側膨縮領域31とを連通させる連通開口11は上側膨縮領域31に形成すると共に、膨縮袋30に対する流動体の導入口23は中間領域33に形成している。このように形成した介護支援具50によれば、気体の導入口23から供給された気体は、上側膨縮領域31と下側膨縮領域32とをほぼ同じタイミングで膨らませることができ、上側膨縮領域31の内部圧力が一定の値に達した後に、連通開口11を介して持上げ膨張部10に気体が導入され、上側膨縮領域31を持ち上げる様に膨らむことができる。
その他にも、前記膨縮袋30に対する流動体の導入口23の設置位置や、持上げ膨張部10に流動体を案内する連通開口11の形成位置は、様々な組み合わせで形成することができ、これによって各膨縮領域を膨らませるタイミングなどを調整することができる。
また、本実施の形態にかかる介護支援具50は、前記とは逆の動作により、利用者の着座動作を支援することができる。即ち、椅子などの座面に、各膨縮袋30が膨らんでいる状態の介護支援具50を設置し、これに利用者が着座動作を行うことにより、着座動作開始初期の段階で、利用者の体重を当該介護支援具50が支持することができる。そして上側膨縮領域31に着座することにより、各膨縮領域内に充填されている空気などの流体は徐々に排出され、利用者はゆっくりと座面に着座することができる。
以上の様に本実施の形態に係る介護用支援具は、椅子に限らず使用することができ、浴槽内での使用の他、布団やベッドなどの寝具の上に設置して、各膨縮領域の膨張により、利用者を起こしたり、或いは寝返りを行わせたりすることもできる。更に前記した実施の形態に係る介護用支援具は、便座などに設置して使用することもできる。
また、上記した実施の形態に係る介護支援具50において、前記膨縮袋30は樹脂シートを用いて形成する他、天然ゴム又は合成ゴムからなるシートで形成することができ、膨張時において利用者を持ち上げることのできる程度の強度で形成するのが望ましい。
本発明の介護支援具は、要介護者の起立動作や寝返り動作、或いは着座動作などの各種の動作を支援するために使用することができ、介護分野の他、日常の生活においても利用することができる。更に検査などにおいて検査対象者の動作を支援するために使用する医療補助具としても利用することができる。
10 膨張部
11 連通開口
23 導入口
30 膨縮袋
31 上側膨縮領域
31a 凹部
32 下側膨縮領域
33 中間領域
33a 流路
40 ポンプ
41 チューブ
50 介護支援具
11 連通開口
23 導入口
30 膨縮袋
31 上側膨縮領域
31a 凹部
32 下側膨縮領域
33 中間領域
33a 流路
40 ポンプ
41 チューブ
50 介護支援具
Claims (5)
- 気体や液体等の流動体の導入や放出によって膨張又は収縮自在な膨縮袋を用いて形成された介護支援具であって、
下側膨縮領域と上側膨縮領域を含む2以上の膨張領域に区切られている膨縮袋本体部と、当該区切られた膨張領域の少なくとも何れかに重ね合わせて設けられた持上げ膨張部とからなり、
前記膨縮袋本体部に設けられた隣り合う膨張領域同士は相互に流動体の流通が可能であって、
前記持上げ膨張部は、これが設けられている膨張領域と相互に流動体の流通が可能である事を特徴とする、介護支援具。
- 前記膨縮袋本体部は、上下に重なって膨張する下側膨縮領域と上側膨縮領域とからなり、前記持上げ膨張部は、下側膨縮領域と上側膨縮領域との間に挟まれた状態で膨縮自在に設けられており、
前記下側膨縮領域と上側膨縮領域とは、相互に流動体の流通が可能であって、
前記持上げ膨張部は、下側膨縮領域および上側膨縮領域の少なくとも何れかと相互に流動体の流通が可能である、請求項1に記載の介護支援具。
- 前記膨縮袋本体部における下側膨縮領域と上側膨縮領域露の間には、中間領域が設けられており、前記下側膨縮領域と上側膨縮領域における相互の流動体の流通は、当該中間領域を介して行われ、
当該中間領域は、前記持上げ膨張部の膨張により離間した下側膨縮領域と上側膨縮領域とを、流動体の流通を可能として連結する、請求項3に記載の介護支援具。
- 前記上側膨縮領域の上面の中央部には、流動体が導入されない凹部が設けられており、
前記持上げ膨張部は下側膨縮領域の上面に設けられており、
当該下側膨縮領域と持上げ膨張部とにおける流動体の流通を行う連通開口は、前記下側膨縮領域における中央部分から、前記上側膨縮領域から離れた側に偏在して設けられており、
前記膨縮袋に対する流動体の導入口は、持上げ膨張部が設けられていない膨張領域に設けられている、請求項2又は3に記載の介護支援具。
- 請求項1~4の何れか一項に記載の介護支援具を用いた介護支援方法であって、
前記介護支援具は、椅座位の利用者における臀部下に設けられており、
気体や液体等の流動体が導入された膨縮袋は、最初に上側膨縮領域が膨張し、次いで下側膨縮領域が膨張を開始した後で、前記持上げ膨張部が膨張することにより、椅座位の利用者の起立動作を支援することを特徴とする介護支援方法。
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2022
- 2022-03-04 JP JP2022033871A patent/JP2023129091A/ja active Pending
Patent Citations (2)
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