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JP2023117237A - 押出発泡粒子の製造方法 - Google Patents

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JP2023117237A
JP2023117237A JP2022019840A JP2022019840A JP2023117237A JP 2023117237 A JP2023117237 A JP 2023117237A JP 2022019840 A JP2022019840 A JP 2022019840A JP 2022019840 A JP2022019840 A JP 2022019840A JP 2023117237 A JP2023117237 A JP 2023117237A
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高之 合田
Takayuki Aida
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Abstract

【課題】ダイス温度のバラつきを低減することにより、押出発泡粒子の発泡倍率のバラつきおよび連続気泡率を低減する。【解決手段】本発明の製造方法に用いるダイス(10)は、複数の吐出孔(6)と、吐出孔(6)まで溶融樹脂を流通させる流路(1)と、流路(1)中の溶融樹脂を加熱するための加熱部(5a、5b)と、を備え、加熱部(5a、5b)は、ダイス(10)内部に挿入されており、流路(1)に対して平行な棒状のヒーターである。【選択図】図2

Description

本発明は押出発泡粒子の製造方法に関する。
従来、押出発泡粒子の製造方法において、製造装置のダイスでは、トーピード流路と呼ばれる流路を用い、ダイスの外周部にヒーターを設ける構成が一般的である。しかしながら、このような構成の場合、ダイスの温度にムラやバラつきが生じる傾向にあった。
また例えば、特許文献1には、溶融樹脂流路に連通し放射方向に形成された複数の放射状流路と、前記各放射状流路に連通する円状流路又は円弧状流路、円状溝流路又は円弧状溝流路と、前記各流路の中心に設けられた棒状ヒータとを備え、この流路に対応してそれぞれ複数のノズルを配設し、ノズルの均一加熱による樹脂の均一温度を得るようにした構成である、樹脂ペレット造粒用ダイスが開示されている。
特開平7-178726号公報
しかしながら、前述のような従来技術は、樹脂ペレットの製造方法に関する技術であり、押出発泡粒子の製造方法に適用するには、十分なものではなく、さらなる改善の余地があった。具体的には、押出発泡粒子の製造方法に関して、ダイスの温度にムラやバラつきが生じる場合、得られる押出発泡粒子の(i)発泡倍率にバラつきが生じる、または、(ii)連続気泡率が高くなることから、均一な押出発泡粒子の製造が困難であった。また、ダイス温度のバラつきにより、ダイスの一部分に局所的な温度低下が生じると、固化した樹脂によってダイス孔が詰まり、生産効率が下がるという欠点もあった。
そこで、押出発泡粒子の製造方法において、ダイス温度のバラつきを低減し得る技術の開発が望まれていた。
本発明の一態様は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、製造装置におけるダイス温度のバラつきを低減することにより、得られる押出発泡粒子の発泡倍率のバラつきおよび連続気泡率を低減し得る、押出発泡粒子の製造方法を提供することである。
すなわち、本発明の一態様は、以下の構成を含むものである。
〔1〕ダイスを有する押出発泡機を用いた熱可塑性樹脂の押出発泡粒子の製造方法であって、前記ダイスは、溶融樹脂を吐出するための複数の吐出孔と、前記吐出孔まで溶融樹脂を流通させる流路と、前記流路中の溶融樹脂を加熱するための加熱部と、を備え、前記加熱部は、前記ダイス内部に挿入されて配置されており、前記加熱部は、前記流路に対して平行な棒状のヒーターである、押出発泡粒子の製造方法。
〔2〕前記熱可塑性樹脂は、分岐構造を有するポリプロピレン系樹脂である、〔1〕に記載の押出発泡粒子の製造方法。
〔3〕前記流路は、前記溶融樹脂の流れ方向に多段階の分岐を有する、〔1〕または〔2〕に記載の押出発泡粒子の製造方法。
〔4〕前記流路の分岐は、少なくとも3段階以上である、〔3〕に記載の押出発泡粒子の製造方法。
〔5〕前記押出発泡粒子の造粒方法がダイフェースカット法である、〔1〕~〔4〕のいずれか1つに記載の押出発泡粒子の製造方法。
〔6〕〔1〕~〔5〕のいずれか1つに記載の製造方法により押出発泡粒子を製造する工程と、前記工程により得られた押出発泡粒子を発泡成形する工程と、を有する、発泡成形体の製造方法。
本発明の一態様によれば、製造装置におけるダイス温度のバラつきを低減することにより、得られる押出発泡粒子の発泡倍率のバラつきおよび連続気泡率を低減し得る、押出発泡粒子の製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る押出発泡粒子の製造方法に使用されるダイスの一例の概略構成であり、流路構成を背面から投影した図である。 図1に示すダイスの右側面からダイス内部の流路構成を投影した図であり、図1においてA-A’線断面よりも左側の流路構成は図示していない。 本発明の一実施形態に係る押出発泡粒子の製造方法に使用されるダイスの変形例1の概略構成であり、流路構成を背面から投影した図である。 本発明の一実施形態に係る押出発泡粒子の製造方法に使用されるダイスの変形例2を示す断面図であり、当該断面から流路構成を投影している。 従来の製造方法におけるダイスの概略構成を示す図である。 図5のB-B’断面図である。
本明細書中に記載された文献の全てが、本明細書中において参考文献として援用される。本明細書中、数値範囲に関して「A~B」と記載した場合、当該記載は「A以上B以下」を意図する。
〔1.押出発泡粒子の製造方法〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。以下、本発明の一実施形態にかかる押出発泡粒子の製造方法を、単に「本製造方法」と称することがある。「分岐構造を有するポリプロピレン系樹脂」を「分岐状ポリプロピレン系樹脂」と称することがある。
(1-1.押出発泡粒子の原料)
本発明の一実施形態に係る押出発泡粒子(以下、「本押出発泡粒子」と称することがある。)を製造するための原料として、結晶性の熱可塑性樹脂及び発泡剤の他に、必要に応じて各種添加剤を添加することができる。例えば、難燃剤、熱安定剤、ラジカル発生剤、加工助剤、耐候性安定剤、造核剤、発泡助剤、帯電防止剤、輻射伝熱抑制剤、及び、着色剤等を挙げることができる。これらの添加剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
また、本実施形態で用いられる熱可塑性樹脂は、一般的な公知の発泡性を有する熱可塑性樹脂であれば特に限定されない。前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂およびこれらの混合物等が挙げられる。前記熱可塑性樹脂は、好ましくは、ポリオレフィン系樹脂、またはポリエステル系樹脂であり、特に好ましくは、分岐構造を有するポリプロピレン系樹脂である。なお、以下、分岐構造を有するポリプロピレン系樹脂を「分岐状ポリプロピレン系樹脂」と称することがある。
ポリエステル系樹脂としては、例えば、脂肪族系ポリエステル樹脂、芳香族系ポリエステル樹脂、脂肪族芳香族系ポリエステル樹脂などが挙げられる。ポリエステル系樹脂の具体例としては、例えば、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリ(ブチレンアジペート-co-ブチレンテレフラレート)(PBAT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等が挙げられる。また、ポリヒドロキシアルカノエートは、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート)(PHBH)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)(P3HB)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシバリレート)(PHBV)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-4-ヒドロキシブチレート)(P3HB4HB)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシオクタノエート)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシオクタデカノエート)からなる群から選択される少なくとも1種である。
また、ポリオレフィン系樹脂としては、特に限定されず、ポリプロピレン系樹脂が挙げられる。前記ポリプロピレン系樹脂としては、汎用の線状ポリプロピレン系樹脂でも良く、分岐構造あるいは高分子量成分を有する分岐状ポリプロピレン系樹脂であっても良い。分岐状ポリプロピレン系樹脂の製法としては、例えば、線状ポリプロピレン系樹脂(以下、この樹脂を「原料ポリプロピレン系樹脂」ということもある)に放射線を照射するか、または線状ポリプロピレン系樹脂、共役ジエン化合物およびラジカル重合開始剤を溶融混合する等の方法が挙げられる。本実施形態においては、ポリプロピレン系樹脂としては、特に分岐構造を有する樹脂が好ましく、その製法としては、線状ポリプロピレン樹脂、共役ジエン化合物およびラジカル重合開始剤を溶融混合して得られる分岐状ポリプロピレン系樹脂が、製造が容易で経済的に有利である点から好ましい。
本実施形態で使用可能な線状ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンの単独重合体、ブロック共重合体およびランダム共重合体であって、結晶性の重合体が挙げられる。プロピレンの共重合体としては、プロピレンを75重量%以上含有している重合体が、ポリプロピレン系樹脂の特徴である結晶性、剛性、耐薬品性等が保持されている点で好ましい。共重合可能なα-オレフィンは、エチレン、1-ブテン、イソブテン、1-ペンテン、3-メチル-1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、3,4-ジメチル-1-ブテン、1-ヘプテン、3-メチル-1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン等の炭素数2または4~12のα-オレフィン;シクロペンテン、ノルボルネン、テトラシクロ[6,2,11,8,13,6]-4-ドデセン等の環状オレフィン;5-メチレン-2-ノルボルネン、5-エチリデン-2-ノルボルネン、1,4-ヘキサジエン、メチル-1,4-ヘキサジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン等のジエン;塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸、スチレン、メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン等のビニル単量体;等が挙げられる。特に耐寒脆性の向上、安価である等という点から、エチレン、1-ブテンが好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの内、得られる発泡粒子の型内成形における成形性や得られる成形体の物性の観点から、ランダム共重合体が好ましく、さらにはプロピレン/エチレン/1-ブテンランダム共重合体、あるいはプロピレン/エチレンランダム共重合体が好ましい。
本実施形態で使用可能な分岐状ポリプロピレン系樹脂としては、前記線状ポリプロピレン系樹脂に、共役ジエン化合物およびラジカル重合開始剤を溶融混合して得られる分岐状ポリプロピレン系樹脂が好ましい。
前記共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3-ヘプタジエン、2,3-ジメチルブタジエン、2,5-ジメチル-2,4-ヘキサジエン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中では、ブタジエン、イソプレンが安価で取り扱い易く、反応が均一に進み易い点から、特に好ましい。
前記共役ジエン化合物の添加量としては、線状ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、0.01重量部以上、20重量部以下であることが好ましく、0.05重量部以上、5重量部以下であることがさらに好ましい。共役ジエン化合物の添加量が0.01重量部未満では分岐を十分に導入できない場合があり、また、20重量部を超える添加量においては、効果が飽和してしまい、経済的でない場合がある。
前記共役ジエン化合物と共重合可能な単量体、例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸金属塩、メタクリル酸金属塩、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル等のメタクリル酸エステル;等を併用してもよい。
ラジカル重合開始剤としては、一般に過酸化物、アゾ化合物等が挙げられるが、ポリプロピレン系樹脂や前記共役ジエン化合物からの水素引き抜き能を有する開始剤が好ましく、一般にケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステル等の有機過酸化物が挙げられる。これらのうち、特に水素引き抜き能が高い開始剤が好ましく、例えば1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n-ブチル4,4-ビス(t-ブチルパーオキシ)バレレート、2,2-ビス(t-ブチルパーオキシ)ブタン等のパーオキシケタール;ジクミルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α’-ビス(t-ブチルパーオキシ-m-イソプロピル)ベンゼン、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)-3-ヘキシン等のジアルキルパーオキサイド;ベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド;t-ブチルパーオキシオクテート、t-ブチルパーオキシイソブチレート、t-ブチルパーオキシラウレート、t-ブチルパーオキシ3,5,5-トリメチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、ジ-t-ブチルパーオキシイソフタレート等のパーオキシエステル;等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ラジカル重合開始剤の添加量としては、線状ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、0.01重量部以上、10重量部以下であることが好ましく、0.05重量部以上、4重量部以下であることがさらに好ましい。ラジカル重合開始剤の添加量が前記範囲内であれば、効率的に分岐構造を導入することができる。ラジカル重合開始剤の添加量が0.01重量部未満では分岐構造を十分に導入できない場合があり、また、10重量部を超える添加量では、分岐構造導入の効果が飽和してしまい経済的でない場合がある。
線状ポリプロピレン系樹脂、共役ジエン化合物およびラジカル重合開始剤を反応させるための装置としては、ロール、コニーダー、バンバリーミキサー、ブラベンダー;単軸押出機、2軸押出機等の混練機;2軸表面更新機、2軸多円板装置等の横型撹拌機;ダブルヘリカルリボン撹拌機等の縦型撹拌機;等が挙げられる。これらのうち、混練機を使用することが好ましく、特に単軸押出機、および2軸押出機等の押出機が生産性の点から好ましい。
線状ポリプロピレン系樹脂、共役ジエン化合物およびラジカル重合開始剤を混合、混練(撹拌)する順序、方法には特に制限はない。線状ポリプロピレン系樹脂、共役ジエン化合物およびラジカル重合開始剤を混合した後、溶融混練(撹拌)してもよいし、ポリプロピレン系樹脂を溶融混練(撹拌)した後、共役ジエン化合物あるいはラジカル開始剤を同時に、あるいは、別々に、一括してあるいは分割して混合してもよい。混練(撹拌)機の温度は130℃以上、300℃以下であることが、線状ポリプロピレン系樹脂が溶融し、かつ熱分解しないという点で好ましい。また溶融混練する時間は、一般に1~60分間であることが好ましい。
このようにして得られる分岐状ポリプロピレン系樹脂の形状、大きさに制限はなく、ペレット状でもよい。
本実施形態の分岐状ポリプロピレン系樹脂の融点は、130℃以上、155℃以下であることが好ましく、135℃以上、153℃以下であることがより好ましく、140℃以上、150℃以下であることがさらに好ましい。分岐状ポリプロピレン系樹脂の融点が前記範囲内であれば、型内発泡成形体の寸法安定性および耐熱性が向上する。また、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を型内発泡成形するときの成形加熱蒸気の圧力が適切になる。分岐状ポリプロピレン系樹脂の融点が130℃未満では、型内発泡成形体の寸法安定性が低下したり発泡成形体の耐熱性が不足したりする傾向があり、融点が155℃を超えると、型内発泡成形するときの成形加熱蒸気の圧力が高くなる傾向がある。
ここで、ポリプロピレン系樹脂の融点の測定は、示差走査熱量計DSC[例えば、セイコーインスツルメンツ(株)製、DSC6200型]を用いて、次のように行う。すなわち、ポリプロピレン系樹脂5~6mgを、10℃/分の昇温速度で40℃から220℃まで昇温して樹脂を融解し、その後、10℃/分の降温速度で220℃から40℃まで降温することにより結晶化させた後に、再度、10℃/分の昇温速度で40℃から220℃まで昇温したときの、2回目の昇温時のDSC曲線における融解ピーク温度を融点とする。
本実施形態の分岐状ポリプロピレン系樹脂は、メルトテンションが3~20cNであることが好ましく、3~15cNであることがさらに好ましく、3~10cNであることが好ましくより好ましい。当該構成によれば発泡粒子の連続気泡率が低くできるという利点を有する。
本実施形態で使用される発泡剤は、特に限定されないが、炭酸ガスが好ましい。炭酸ガスは、取り扱い時の安全上の観点および必要とされる設備仕様の簡素化という観点から好ましい発泡剤である。さらには、炭酸ガスを発泡剤として用いれば、窒素や水などの他の無機系発泡剤と比べて高発泡倍率の発泡体が得られ易い。発泡剤の添加量は、熱可塑性樹脂の種類および目標とする発泡粒子の発泡倍率により異なるため、適宜調整すればよいが、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、1重量部以上、20重量部以下が好ましく、1重量部以上、10重量部以下であることがより好ましい。
さらには、発泡粒子の気泡形状をコントロールする目的で、気泡核形成剤を添加してもよい。気泡核形成剤としては、重炭酸ソーダ-クエン酸混合物、クエン酸モノナトリウム塩、タルク、および炭酸カルシウム等が例示され、これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。気泡核形成剤の添加量は、特に制限はないが、通常、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、0.01重量部以上、5重量部以下であることが好ましい。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、分岐状ポリプロピレン系樹脂以外の他の合成樹脂を添加して基材樹脂としても良い。分岐状ポリプロピレン系樹脂以外の他の合成樹脂としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、直鎖状超低密度ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタアクリル酸共重合体等のエチレン系樹脂;ポリスチレン、スチレン-無水マレイン酸共重合体、スチレン-エチレン共重合体等のスチレン系樹脂;等が例示される。
本実施形態においては、必要に応じて、酸化防止剤、金属不活性剤、燐系加工安定剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、蛍光増白剤、金属石鹸、制酸吸着剤等の安定剤、または架橋剤、連鎖移動剤、造核剤、滑剤、可塑剤、充填材、強化材、顔料、染料、難燃剤、帯電防止剤等の添加剤を添加してもよい。前記制酸吸着剤としては、酸化マグネシウムおよびハイドロタルサイト等が例示される。
本実施形態において着色剤の添加に制限はなく、着色剤を添加せずにナチュラルな色とすることもできるし、青、赤、黒等の着色剤を添加して所望の色とすることもできる。着色剤としては、例えば、ペリレン系有機顔料、アゾ系有機顔料、キナクリドン系有機顔料、フタロシアニン系有機顔料、スレン系有機顔料、ジオキサジン系有機顔料、イソインドリン系有機顔料、カーボンブラック等が挙げられる。
また、前記発泡粒子は、ポリプロピレン系樹脂発泡粒子内を不活性ガスで加圧し、加熱して発泡倍率を高める方法(例えば、特開平10-237212号公報に記載の方法)も利用可能である。
本実施形態における発泡粒子の重量は、充填・膨張して外観が美麗な成形体となり易いことから、3mg/粒子以下であることが好ましく、2mg/粒子以下であることがさらに好ましい。下限は特に限定しないが、生産性等を考慮すると、0.3mg/粒子以上であることが好ましい。
また、本実施形態における発泡粒子の気泡径は、型内発泡成形において金型の隅々まで発泡粒子が膨張し、かつ得られる型内発泡成形体の収縮が小さいことから、0.1~1.0mmであることが好ましく、0.15~0.7mmであることがさらに好ましい。
本実施形態の型内発泡成形体は、前記発泡粒子を閉塞し得るが密閉し得ない金型に充填し、水蒸気で加熱して成形することにより得られる。
本実施形態の発泡粒子から型内発泡成形体を成形するには、例えば、(i)発泡粒子を無機ガスで加圧処理して粒子内に無機ガスを含浸させて所定の粒子内圧を付与した後、金型に充填し、蒸気等で加熱融着させる方法(例えば、特公昭51-22951号)、(ii)発泡粒子をガス圧力で圧縮して金型に充填し粒子の回復力を利用して、蒸気等で加熱融着させる方法(例えば、特公昭53-33996号)、(iii)間隙を広げた金型に発泡粒子を充填した後、所定の間隙まで金型を閉じて充填した発泡粒子を圧縮し、蒸気等で加熱融着させる方法等の方法を利用し得る。
(1-2.押出発泡粒子の製造方法)
本押出発泡粒子の製造方法としては、特に限定されず、公知の押出発泡方法を採用できる。本押出発泡粒子の製造方法は、熱可塑性樹脂を押出発泡する工程を含む。以下、熱可塑性樹脂として、分岐状ポリプロピレン系樹脂を使用した場合の製造方法を例に詳述する。より具体的に、前記押出発泡する工程は、例えば、(a)分岐状ポリプロピレン系樹脂と発泡剤とを製造装置内で溶融混練する第一の工程、および(b)第一の工程で得られた溶融樹脂を、ダイを通して前記製造装置の内圧よりも低圧である領域に吐出する第二の工程、を含む。
(1-2-1.第一の工程)
第一の工程について、具体的に説明する。第一の工程の具体例としては、製造装置にて、分岐状ポリプロピレン系樹脂、および、任意で、気泡核形成剤などの添加剤などを含む樹脂組成物を溶融させた後、樹脂組成物に発泡剤を溶解させる工程が挙げられる。溶融混練工程は、樹脂組成物と発泡剤とを含む溶融樹脂を調製する工程ともいえる。
(発泡剤)
製造方法において、使用する発泡剤は、特に限定されないが、炭酸ガスが好ましい。炭酸ガスを使用することにより、前記製造方法は、生産コストが小さく、かつ環境負荷が小さいという利点を有する。
本製造方法では、発泡剤として、(a)炭酸ガス以外の発泡剤を用いてもよく、(b)炭酸ガスと炭酸ガス以外の発泡剤とを併用してもよい。炭酸ガス以外の発泡剤としては、例えば、(a)物理系発泡剤(例えば、(a-1)プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類;(a-2)シクロペンタン、シクロブタン等の脂環式炭化水素類;(a-3)ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル等のエーテル類;(a-4)メタノール、エタノール等のアルコール類;(a-5)空気、窒素等の無機ガス;並びに(a-6)水など)、および、(b)重炭酸ナトリウム、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミンなどの熱分解型発泡剤を含む化学系発泡剤、などが挙げられる。
発泡剤の使用量は、特に限定されず、発泡剤の種類に応じて、および/または、目標とするポリプロピレン系樹脂押出発泡粒子の発泡倍率に応じて適宜調整すればよい。一例として、発泡剤の使用量は、分岐状ポリプロピレン系樹脂の重量100.0重量部に対して、0.5重量部~7.0重量部であってもよく、0.5重量部~6.0重量部であってもよく、0.5重量部~5.0重量部であってもよく、0.5重量部~4.0重量部であってもよく、0.5重量部~3.0重量部であってもよい。
第一の工程において、必要に応じて、安定剤(例えば、酸化防止剤、金属不活性剤、燐系加工安定剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、蛍光増白剤、金属石鹸、および制酸吸着剤など)および添加剤(例えば、気泡核形成剤、無機着色剤、有機着色剤、架橋剤、連鎖移動剤、滑剤、可塑剤、充填材、強化材、顔料、染料、難燃剤、および帯電防止剤など)をさらに使用してもよい。
着色剤および/または安定剤等の添加剤は、マスターバッチとして配合(使用)されてもよい。着色剤および/または安定剤等の添加剤のマスターバッチは、着色剤および/または安定剤等の添加剤と任意の樹脂(例えばポリプロピレン系樹脂や分岐状ポリプロピレン系樹脂)とを、任意の比率で混合することで得られ得る。マスターバッチにおける着色剤および/または安定剤等の添加剤の濃度は特に限定されず、例えば、マスターバッチ100重量%中、5~50重量%の着色剤および/または安定剤等の添加剤を含むマスターバッチであってもよい。
第一の工程において、樹脂組成物および発泡剤、並びに、任意で使用され得るその他の成分は、製造装置に供給される前に混合されていてもよく、製造装置内で混合されてもよい。換言すれば、前記第一の工程において、樹脂組成物が製造装置に供給されてもよく、製造装置内で樹脂組成物が調製(完成)されてもよい。前記第一の工程において、(i)樹脂組成物および発泡剤、並びに、任意で使用され得るその他の成分を混合する方法および順序、または(ii)樹脂組成物および発泡剤、並びに、任意で使用され得るその他の成分を製造装置へ供給する方法および順序、は特に限定されない。
第一の工程で得られた溶融樹脂を低圧領域に押出す前に、溶融樹脂を冷却してもよい。溶融樹脂を冷却するための装置としては、メルトクーラーやスタティックミキサーを用いることができる。
ここで、押出機からメルトクーラーを通し、ダイまでの間で保つ温度(「メルトクーラー~ダイ温度」と称する場合がある)は、特に限定されないが、樹脂組成物の融点をTとした場合、(T-10)℃~(T+30)℃であることが好ましく、(T-10)℃~(T+25)℃であることがより好ましく、(T-10)℃~(T+20)℃であることがさらに好ましく、(T-10)℃~(T+15)℃であることが特に好ましい。
(1-2-2.第二の工程)
第二の工程は、第一の工程で得られた溶融樹脂を、ダイを通して製造装置の内圧よりも低圧である領域に押出し、押し出された溶融樹脂を細断する工程である。第二の工程により、押出発泡粒子が得られる。そのため、第二の工程は、ポリプロピレン系樹脂押出発泡粒子を造粒する造粒工程ともいえる。
第二の工程において、第一の工程で得られた溶融樹脂を押出す領域は、製造装置の内圧よりも低圧である限り特に限定されない。例えば、第二の工程において、第一の工程で得られた溶融樹脂は、気相中に押出されてもよく、液相中に押出されてもよい。
第二の工程において製造装置の内圧よりも低圧である領域に押出された溶融樹脂は、直ちに発泡し始める。第二の工程では、発泡中の溶融樹脂を細断してもよく、発泡し終えた溶融樹脂を細断してもよい。発泡中の溶融樹脂を細断する場合、細断された溶融樹脂は、押出された先の領域中で発泡を完了し得る。
第一の工程で得られた溶融樹脂を押出す領域および押出された溶融樹脂の細断方法によって、第二の工程(造粒工程)は、コールドカット法およびダイフェースカット法の2つに大別され得る。コールドカット法としては、ダイから押出された発泡剤を含有する溶融樹脂を発泡させ、水槽の中を通して冷却しながらストランド状の発泡体を引き取った後に細断する方法(ストランドカット法)が挙げられる。ダイフェースカット法はダイの孔から押出された溶融樹脂をダイの表面に接触しながら又は僅かに隙間を確保しながら回転するカッターで切断する方法である。
ダイフェースカット法は、さらに冷却方法の違いから次の3方式に分けられる。すなわち、アンダーウォータカット(以下、UWCと称する場合もある)法、ウォータリングカット(以下、WRCと称する場合もある)法、およびホットカット(以下、HCと称する場合もある)法である。UWC法は、ダイ先端に取り付けたチャンバー内に所定圧力に調整された冷却水をダイの樹脂吐出面に接するように充満し、ダイの孔から押出された溶融樹脂を水中で切断する方法である。また、WRC法は、ダイに連結された冷却ドラムの内周面に沿って冷却水が流れる冷却ドラムをダイから下流側に配置し、空気中にて前記カッターで切断された溶融樹脂が発泡しながら、もしくは発泡後に前記冷却水中で冷却される方法である。HC法は、空気中にて溶融樹脂をカッターで切断し、切断された溶融樹脂が発泡しながら、もしくは発泡後に、空気中にて冷却される方法である。前記HC法としては、水及び空気の混合ミストを噴霧する工程をさらに含むミストカット法も挙げられる。
本製造方法では、使用するダイスに特徴を有する。本製造方法におけるダイスは、押出発泡機の先端に設けられており、押出発泡機から流れ出た溶融樹脂が、押出発泡機先端に存在するダイス内部の流路を通って、吐出孔から吐出される。ダイスは、溶融樹脂を吐出するための複数の吐出孔を有し、押出発泡機は、前記吐出孔まで溶融樹脂を流通させる流路と、前記流路中の溶融樹脂を加熱するための加熱部と、を備え、前記加熱部は、ダイス内部に挿入されて配置されている。また、前記加熱部は、前記流路に対して平行な棒状のヒーターである。このように、前記流路に対して平行な棒状のヒーターである加熱部が、ダイスの内部に挿入されるので、当該加熱部によりダイスの内部側から加温される。それゆえ、流路に対して温度のバラつきを低減することができる。
また、前記押出発泡法は、押出発泡機中で調製した溶融樹脂を、複数の小孔を有するダイスから押出した直後に回転カッターで切断して粒子化することが好ましい。前述のとおり、溶融樹脂を押出す領域および押出された溶融樹脂の細断方法には様々な方法が存在するが、本製造方法に適用し得る細断方法は、押出発泡法の各種条件に応じて、適宜設定し得る。例えばHC法を用いる場合、一般的にHC法では比較的サイズが大きいダイスが使用されるので、ダイスの流路の温度バラつきが大きく、当該温度バラつきの改善効果が期待できる。また、HC法以外に、UWC法、WRC法も本製造方法に適用し得る。
ダイスの形状は、特に限定されないが、四角形、円形、正多角形等を底面とする柱状が好ましく、円形を底面とする柱状が特に好ましい。当該構成によれば、吐出孔の流れにばらつきが生じにくいという利点を有する。
ダイスの直径は特に限定されないが、50mm~500mmが好ましく、50mm~470mmがより好ましく、50mm~430mmがさらに好ましく、50mm~400mmが特に好ましい。当該構成によれば、上述した、温度バラツキを低減する効果を発揮しやすいという利点を有する。
以下、本製造方法に使用するダイスの例を示す。図1は、本発明の一実施形態に係る押出発泡粒子の製造方法に使用されるダイス10の一例の概略構成であり、ダイス10の背面から流路構成を投影した図である。図2は、図1に示すダイス10の右側面からダイス10内部の流路構成を投影した図であり、図1においてA-A’線断面よりも左側の流路構成は図示していない。なお、本願明細書において、ダイスの「水平方向」および「垂直方向」とは、押出発泡機に取り付けられたダイスの、水平方向(地面と平行な方向ともいえる)および垂直方向(地面と垂直な方向といえる)を意味する。
図1および図2に示すように、ダイス10は、前段の押出発泡機から流れ出た溶融樹脂が通過する流路1と、加熱部5aおよび5bと、溶融樹脂が吐出される吐出孔6と、を備えている。流路1は、押出機から吐出孔6へ溶融樹脂を輸送するための輸送部材によって構成されている。流路1と吐出孔6とは連通している。また、加熱部5aおよび5bは、流路1中の溶融樹脂を加熱するために備えられている。
加熱部5aおよび5bは、ダイス10の本体内部に挿入されて配置されている。そして、加熱部5aおよび5bは、流路1に対して平行な棒状のヒーターである。換言すれば、棒状のヒーターである加熱部5aおよび5bは、ダイス10の中心軸Xに対して平行になるように、ダイス10内部に挿入されて配置されている。また、加熱部5aおよび5bは、ダイス10において、吐出孔6が設けられた面と反対側の面(以下、単に背面と称する場合がある)から挿入される。加熱部5aおよび5bは、例えば、ダイス10の背面から挿入されるカートリッジヒーターである。
流路1は、溶融樹脂の流れにおいて、3段階で分岐する。それゆえ、流入口1aから流入した溶融樹脂は、流路1を通過して吐出孔6から吐出されるまでに、中心軸Xの方向において、3段階で分岐する。また、図1および図2に示すように、流路1におけるそれぞれの段階での分岐の方向は、互いに異なる。
より具体的には、流路1は、流入口1aから中心軸Xに沿って伸び、分岐部Aにて水平方向に2つに分岐し分岐流路2となる。分岐流路2において、2方向に伸びた2つの流路はそれぞれ、分岐部B1、B2にて垂直方向に2つに分岐し、分岐流路3となる。ダイス10の背面から見て、分岐部B1、B2での分岐流路3の分岐方向は、分岐部Aでの分岐流路2の分岐方向に対して直角である。分岐流路3において、分岐部B1、B2にて分岐した4つの流路はそれぞれ、折れ曲がり部Y1~Y4にて、中心軸Xに平行になるように折れ曲がり、分岐部C1~C4にて2方向に分岐し、分岐流路4となる。分岐部C1~C4での分岐流路4の分岐方向と分岐部B1、B2での分岐流路3の分岐方向とは、互いに異なる。分岐流路4において、分岐部C1~C4にて分岐した8つの流路はそれぞれ、折れ曲がり部Z1~Z8にて折れ曲がり、吐出孔6と連通する。図2に示すように流路1の分岐の形態は、トーナメント戦における対戦表を表す図に似た形状となる。このことから、流路1のようにX軸方向において、多段階で分岐した流路を「トーナメント流路」と称する場合がある。なお、本実施形態にて使用されるダイスにおいては、加熱部としての棒ヒーターと干渉しない自由な流路を設計できる(棒ヒーターの本数も増やせる)との観点から、流路は、トーナメント流路であることが好ましい。
ダイス10の構成によれば、加熱部5aおよび5bは、流路1が構成するトーナメント形状の外部ではなく、内部に配置されている。換言すると、加熱部5aおよび5bは、トーナメント流路を構成する流路によって囲まれている。
図1および図2に示すように、例えば、加熱部5aは、分岐流路2、分岐流路3、および分岐流路4によって囲まれている。また、加熱部5bは、分岐流路3および分岐流路4によって囲まれている。
さらに、加熱部5aおよび5bの配置について、「トーナメント形状の内部に配置されている」、または「トーナメント流路を構成する流路によって囲まれている」とは、次のように換言することができる。すなわち、ダイス10の背面から見た流路1の投影図(図1に示す流路1)において、トーナメント流路を構成する面上の任意の2点を結ぶ直線のうち、加熱部5aまたは5bを通過する直線が少なくとも1つ存在すると換言することができる。
図1において、例えば、加熱部5aは、分岐流路4上の点IIと分岐流路3上の点IIIを結ぶ直線が通過するように配置されている。同様に、加熱部5bは、互いに対向する2つの分岐流路4それぞれに存在する点IVおよび点Vを結ぶ直線が通過するように配置されている。
このように、本製造方法によれば、使用するダイス10において、加熱部5aおよび5bは、流路1が構成するトーナメント形状の内部に配置されているので、流路1に対して温度のバラつきを低減することができる。その結果、本製造方法によれば、押出発泡粒子の倍率および連泡率のバラつきを小さくできる。また、本製造方法によれば、ダイス10の局所的な温度低下がなく、溶融樹脂の固化物がダイス10の流路1または吐出孔6に詰まる可能性が減り、生産安定性・生産効率が向上する。
また、ダイス10において、折れ曲がり部Z1~Z8から中心軸Xに平行になるように折れ曲がって伸長した先に吐出孔6が位置している。それゆえ、図1に示すダイス10において、折れ曲がり部Z1~Z8の位置がそれぞれ、吐出孔6の位置に対応する。図1に示すように、加熱部5aおよび5bは、これら複数の吐出孔6うち隣り合う2つと等間隔になるように配置されている。これにより、流路1に対して温度のバラつきをより低減することができる。
また、加熱部5aおよび5bの温度制御は、流路1に対して温度のバラつきを低減できれば、任意の温度制御であってもよい。加熱部5aおよび5bはそれぞれ、別々に温度制御されていてもよい。これにより、流路1の温度を精密に制御することができる。
また、加熱部は、流路1の内部に加え、流路1の外周部に配置されていてもよい。このような構成によれば、流路1内部に配された加熱部5aおよび5bと、流路1の外周部に配された加熱部とにより、流路1の温度を精密に制御できる。
また、ダイス10の構成によれば、図1および図2に示すように、流路1におけるそれぞれの段階での分岐の方向は、互いに異なる。すなわち、流路1に平行な如何なる断面においても、流入口1aから吐出孔6まで貫通した流路1が現れない。これにより、加熱部5aおよび5bを配置するスペースを確保することができる。なお、図2の断面図では、流路1の流路構成を投影図として示している。
なお、本製造方法において、ダイス10の流路1は、上述のトーナメント流路に限定されない。しかし、棒ヒーターと干渉しない自由な流路を設計できるという点で、流路1は、上述のような、樹脂の流れ方向に多段階の分岐を有するトーナメント流路であることが好ましい。具体的には、流路1の分岐は、少なくとも3段階以上であることが好ましい。
また、上記ダイス10に使用される材料は、硬さと加工性とを両立したものが好ましく、例えば、クロムモリブデン鋼、アルミニウムクロムモリブデン鋼等が好ましい。当該構成によれば、寸法精度良く加工でき、樹脂の圧力上昇に対して耐圧が高いという利点を有する。
また、棒状ヒーターである加熱部5aおよび5bの配置は、流路1が構成するトーナメント形状の内部に限定されず、流路1の構成に応じて適宜設定可能である。加熱部5aおよび5bは、ダイス10内部に挿入されて配置されており、流路1に対して平行であればよい。例えば、流路1が1段階だけ2方向に分岐するトーナメント流路である場合、トーナメント流路の外部に加熱部5aおよび5bが配置されても、流路1に対して温度のバラつきを低減できる。
また、流路1の断面形状は、特に限定されないが、円状、四角形状、正多角形状等であることが好ましく、円状が特に好ましい。当該構成によれば、流れの滞留が発生しにくいという利点を有する。
また、1箇所の加熱部5aまたは5bが、複数の棒状のヒーターを有していてもよい。ダイスの大きさが大きくなるほど、ヒーターの数を増やすことができるため、ヒーターの数が多いほど流路の温度バラつきが小さくなるという利点を有する。例えば、1箇所の加熱部が、2本のヒーターを有していても良く、好ましくは3本のヒーターを有しており、より好ましくは4本のヒーターを有しており、さらに好ましくは5本のヒーターを有する。
吐出孔6は、1つのダイス10に対して複数配置される。吐出孔6の大きさは、特に限定されないが、0.1mm~10mmであることが好ましく、0.1mm~6mmであることがより好ましく、0.2mm~4mmであることがさらに好ましく、0.3mm~2mmであることが特に好ましい。当該構成によれば、成形に好適な大きさの発泡粒子を得ることができるという利点を有する。
また、1つのダイス10における吐出孔6の数は、特に限定されないが、3個以上であることが好ましく、5個以上であることがより好ましく、10個以上であることがさらに好ましく、15個以上であることが特に好ましい。当該構成によれば、吐出孔の径を大きくしなくても、全体の断面積を大きくできるという利点を有する。
図3は、本発明の一実施形態に係る押出発泡粒子の製造方法に使用されるダイス10の変形例1の概略構成であり、流路構成を背面から投影した図である。
図3に示すように、変形例1としてのダイス10Aは、トーナメント流路における分岐の形態が図1および図2に示す構成と異なる。より具体的には、ダイス10Aにおいて、流路1Aは、流入口1aから中心軸Xに沿って伸び、分岐部Aにて4方向に分岐し分岐流路2Aとなる。
4方向に分岐した分岐流路2Aにおいて、垂直方向に伸びた2つの流路はそれぞれ、中心軸Xに平行になるように折れ曲がり、先端の分岐部B3、B5にて2方向に分岐し、分岐流路3Aとなる。当該分岐流路3Aにおいて、分岐部B3、B5にて分岐した4つの流路はそれぞれ、折れ曲がり部Z9、Z10、Z17、Z18にて折れ曲がり、吐出孔と連通する。
また、上記4方向に分岐した分岐流路2Aにおいて、水平方向に伸びた2つの流路はそれぞれ、中心軸Xに平行になるように折れ曲がり、先端の分岐部B4、B6にて3方向に分岐し、分岐流路3Aとなる。当該分岐流路3Aにおいて、分岐部B4、B6にて分岐した6つの流路はそれぞれ、中心軸Xに平行になるように折れ曲がり、先端の分岐部C5~C7、C8~C10にて2方向に分岐し、分岐流路4Aとなる。分岐流路4Aにおいて、分岐部C5~C7、C8~C10にて分岐した12個の流路はそれぞれ、折れ曲がり部Z11~Z16、Z19~Z24にて折れ曲がり、吐出孔と連通する。
また、加熱部5cおよび5dは、流路1Aが構成するトーナメント形状の内部に配置されている。換言すると、加熱部5cおよび5dは、流路1Aを構成する流路によって囲まれている。加熱部5cは、2つの分岐流路2A、分岐流路3A、および分岐流路4Aによって囲まれている。また、加熱部5dは、分岐流路3Aおよび2つの分岐流路4Aによって囲まれている。
図3に示す構成であっても、流路1Aに対して温度のバラつきをより低減することができる。
図4は、本発明の一実施形態に係る押出発泡粒子の製造方法に使用されるダイス10の変形例2を示す断面図であり、当該断面から流路構成を投影している。
図4に示すように、変形例2としてのダイス10Bは、流路1Bが、溶融樹脂の流れにおいて、4段階で分岐する点で図1に示す構成と異なる。ダイス10Bにおいて、流路1Bは、流入口1aから中心軸Xに沿って伸び、分岐部Aにて水平方向に分岐する。そして、分岐した流路は、分岐部B8にて垂直方向に2方向に分岐し分岐流路3Bとなる。2方向に分岐した分岐流路3Bはそれぞれ、中心軸Xに平行になるように折れ曲がり、分岐部C11、C12にて2方向に分岐し分岐流路4Bとなる。分岐流路4Bはそれぞれ、中心軸Xに平行になるように折れ曲がり、分岐部Dにて2方向に分岐し分岐流路7となる。また、加熱部5eは、流路1Bが構成するトーナメント形状の内部に配置されている。
図4に示す構成であっても、流路1Bに対して温度のバラつきをより低減することができる。
ここで、従来使用されていたダイスの概略構成を、図5に示す。また、図5に示すダイスのB-B’断面図を図6に示す。当該従来のダイスの流路は、「トーピード流路」と称され、ダイスの外側(外周部)から加熱部であるバンドヒーターまたは鋳込みヒーターによって、ダイスの外周からダイスを加熱する。トーピード流路では、ダイスが大きくなるほど、ヒーターから近いダイスの外側と、ヒーターから遠いダイスの中心付近において、温度差が大きくなり、ダイス温度にバラつきが生じるという欠点が存在した。
従来のトーピード流路の一例では、図5に示されるように、ダイス100の外側(外周部)に加熱部103が配置される。また、流路101は、流入口101aを有し、ダイス100の内側(内周部)にて、円錐状に分岐し、流路102となる。円錐状に分岐した流路102によって囲まれたダイス100の形状は、円錐形状であり、この囲まれた円錐形状の部分がトーピード104である。流路102は、吐出孔105と連通している。図5において、吐出孔105は、流路102の周囲に複数配置することができる。
図5に示すような従来のトーピード流路では、トーピード104が邪魔になり、加熱部であるヒーターをダイス100の裏側から差し込むことが不可能であった。それに対し、図1に示されるトーナメント流路では、棒状のヒーターである加熱部5aおよび5bを避けて流路1を配置することが可能となる。このことから、ダイス10の背面側から、棒状のヒーターである加熱部5aおよび5bを挿入することができる。これにより、ダイス10の温度のバラつきを低減させられるという利点を有する。
本発明の一実施形態において、ダイス10の温度バラつきは、特に限定されないが、9℃以下であることが好ましく、8℃以下であることがより好ましく、7℃以下であることがより好ましく、6℃以下であることがより好ましく、5℃以下であることがより好ましく、4℃以下であることがより好ましく、3℃以下であることがより好ましく、2℃以下であることがさらに好ましく、1℃以下であることが特に好ましい。当該構成によれば、得られる押出発泡粒子の発泡倍率のバラつきおよび連続気泡率を低減させることができるという利点を有する。なお、ダイス10の温度バラつきは、実施例に記載の方法で測定される。
加熱部は、図2や図4に図示されているようにダイスの先端まで入っていない。全ての吐出孔について、最も近い加熱部の先端との最短距離を求め、平均した距離を平均距離とし、その平均距離は、20mm以下が好ましく、10mm以下がより好ましく、5mm以下がさらにより好ましい。当該構成によれば、応答性良くかつ精度良く吐出孔の温度を制御できるという利点を有する。
ダイスの吐出孔側の面から見て、全ての吐出孔は、加熱部から40mm以下の範囲内に有ることが好ましく、20mm以下の範囲内に有ることがより好ましく、10mm以下の範囲内に有ることがさらに好ましい。当該構成によれば、吐出孔の温度バラツキが小さくなるという利点を有する。
本押出発泡粒子の発泡倍率のバラつきは、特に限定されないが、7.0%以下が好ましく、6.0%以下がより好ましく、5.0%以下がより好ましく、4.0%以下がさらに好ましく、3.0%以下が特に好ましい。当該構成によれば、製品である成形体の重量バラツキが少ないという利点を有する。なお、本押出発泡粒子の発泡倍率のバラつきは、実施例に記載の方法で測定される。
本押出発泡粒子の連続気泡率は、特に限定されないが、22.0%以下が好ましく、20.0%以下がより好ましく、18.0%以下がより好ましく、16.0%以下がより好ましく、14.0%以下がさらに好ましく、12.0%以下が特に好ましい。当該構成によれば、美麗な成形体を得ることができるという利点を有する。なお、本押出発泡粒子の連続気泡率は、実施例に記載の方法で測定される。
〔発泡成形体の製造方法〕
本実施形態に係る発泡成形体の製造方法は、上述の製造方法により押出発泡粒子を製造する工程と、当該工程により得られた押出発泡粒子を発泡成形する工程と、を有する方法である。発泡成形体を製造するために、上記押出発泡粒子は、公知の方法によって発泡成形することができ、特に限定されない。
以下、実施例および比較例によって本発明の一実施形態をより詳細に説明する。本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、本発明の一実施形態における実施例では、熱可塑性樹脂として、分岐状ポリプロピレン系樹脂を使用した。
(試験方法)
実施例および比較例において、各種物性の測定および評価に用いられた試験方法は以下の通りである。
<ダイス温度バラつき>
押出発泡粒子の製造開始から10分後に造粒装置を止めて、ダイスの表面の温度を接触式の温度計で、まんべんなく10点測定し、10点の最高温度と最低温度の差を、ダイス温度バラつきとした。
<発泡倍率>
以下の方法によって、ポリプロピレン系樹脂押出発泡粒子の発泡倍率を算出した:(1)押出発泡粒子の重量w(g)を測定した;(2)次に、重量の測定に用いた押出発泡粒子を、メスシリンダー中に入っているエタノール中に沈め、メスシリンダーの液面位置の上昇分に基づき押出発泡粒子の体積v(cm)を測定した;(3)重量w(g)を体積v(cm)で除し、押出発泡粒子の密度ρを算出した;(4)押出発泡粒子の基材樹脂の密度ρを押出発泡粒子の密度ρで除し(ρ/ρ)、発泡倍率とした。基材樹脂の密度ρとしては、一般的なポリプロピレン系樹脂の密度0.9g/cmを採用した。
<倍率バラつき>
ポリプロピレン系樹脂発泡粒子1kgを、JIS Z8801(1994)付表2記載の標準篩(呼び寸法1、1.18、1.4、1.7、2、2.36、2.8、3.35、4、4.75、5.6の11種の篩)で篩い分けした。各篩に残る分岐状ポリオレフィン系樹脂発泡粒子の重量分率Wi、発泡倍率Kiを測定し、下記の式(1)から平均発泡倍率Kavを算出した。
Kav=Σ(Ki×Wi) ・・式(1)
次に重量分率Wi、発泡倍率Kiと平均発泡倍率Kavを用いて式(2)
σm=[Σ{Wi×(Kav―Ki)}]1/2 ・・式(2)
(i=各篩を表す)
から発泡倍率の標準偏差σmを計算し、式(3)
倍率バラつきR(%)=(σm/Kav)×100 ・・式(3)
から倍率バラつきR(%)を求めた。
<連続気泡率>
ポリプロピレン系樹脂押出発泡粒子の連続気泡率は、空気比較式比重計[東京サイエンス(株)製、モデル1000]を用いて、ASTM D2856-87の手順C(PROCEDURE C)に記載の方法に従って、測定して求めた。より具体的には、押出発泡粒子の連続気泡率は、以下(1)~(3)を順に実施して算出した:(1)空気比較式比重計を用いて押出発泡粒子の体積Vc(cm)を測定した;(2)次いで、Vcを測定後の押出発泡粒子の全量を、メスシリンダーに入っているエタノール中に沈めた;(3)その後、メスシリンダーにおけるエタノールの位置の上昇量から、押出発泡粒子の見かけ上の体積Va(cm)を求めた;(4)以下の式により、押出発泡粒子の連続気泡率を算出した:
連続気泡率(%)=((Va-Vc)×100)/Va。
〔実施例1〕
<分岐状ポリプロピレン系樹脂組成物の製造>
以下の方法により、分岐状ポリプロピレン系樹脂組成物を製造した。ランダムポリプロピレン樹脂、RD265CF(Borouge社製)を二軸押出機に供給し、次いで、RD265CF100重量部に対して、ラジカル重合開始剤としてt-ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(日油製、パーブチルI)1.0重量部を二軸押出機に供給した。その後、溶融混練されたRD265CFおよびラジカル重合開始剤に対して、RD265CF100重量部に対してイソプレン0.4重量部を、二軸押出機に供給し、二軸押出機内で樹脂混合物を調製した。樹脂混合物の二軸押出機への供給量は、70kg/hであった。
シリンダ温度180℃、スクリュー回転数230rpmで、調製された樹脂混合物を二軸押出機内で溶融混練し、分岐状ポリプロピレン系樹脂組成物を得た(溶融混練工程)。得られた分岐状ポリプロピレン系樹脂組成物を、吐出量70kg/hでダイからストランド状に吐出した(吐出工程)。吐出された分岐状ポリプロピレン系樹脂組成物(ストランド)を、(a)水冷し、その後(b)ペレット状(円柱状)に細断した。
<押出発泡粒子の製造>
分岐状ポリプロピレン系樹脂組成物100重量部および気泡核形成剤としてタルク0.02重量部をブレンドし、樹脂混合物を調製した。その後、樹脂混合物を、原料供給部から二軸押出機(溶融混練部)に供給し、シリンダ温度180℃およびスクリュー回転数120rpmにて、樹脂混合物の溶融混練を開始した。樹脂混合物の二軸押出機への供給量は、10kg/hであった。樹脂混合物の溶融混練の途中で、発泡剤として炭酸ガスを発泡剤供給部から二軸押出機内に圧入し、得られた組成物をさらに溶融混練した。発泡剤の二軸押出機への供給量は、0.4kg/hであった。
溶融混練工程を経て得られた、溶融混練された組成物を、造粒部が有するダイスを通過させて、製造装置の内圧よりも低圧である空気相に、吐出量10kg/hで吐出した。押し出された組成物を、空気中で切断された発泡粒子が水中で冷却されるWRC法により発泡粒子を得た。切断に用いた刃の枚数は2枚、刃の回転数は1200rpm、WRCに用いた水の温度は50℃である。
<ダイスの構造>
ダイスとして、流路が1→2→4→8→16→32と5段階で分岐する構造である、トーナメント流路のダイスを用いた。加熱は、棒状のカートリッジヒーター8本をダイス内部に流路に平行に挿入する方法とし、温度制御は4カ所(温度制御1つがカートリッジヒーター2本を受け持つ)設けた。この構造のダイスの温度バラつきは0.5℃であった。
また、ダイスの構造の特徴と、得られた発泡粒子の物性を表1に示した。
〔比較例1〕
<押出発泡粒子の製造>
実施例1と同様の方法で製造した、分岐状ポリプロピレン系樹脂組成物を、用いたダイス以外は、実施例1と同様の方法で発泡粒子を得た。
<ダイスの構造>
ここで用いたダイスは、トーピードと呼ばれる円錐を用いた一般的な構造であり、流路がトーピードに沿って円形を保ちながら放射状に広がる構造である。加熱は円錐状のダイスの外側側面に沿って設置したアルミ鋳込みヒーターを用いて加温しており、アルミ鋳込みヒーターは2分割されており、それぞれで温度制御されるため、2か所で温度制御される。この構造のダイスの温度バラつきは9.4℃であった。
また、ダイスの構造の特徴と、得られた発泡粒子の物性を表1に示した。
実施例1と比較例1を比較すると、実施例1の方が「ダイス温度バラつき」が大幅に改善し、かつ、得られた発泡粒子の倍率バラつきと連続気泡率が大幅に改善した。
1、1A、1B 流路
2、2A、3、3A、3B、4、4A、4B 分岐流路
5a、5b、5c、5d、5e 加熱部
6 吐出孔
7 分岐流路
10 ダイス
A、B1、B3、B4、B8、C1、C11、C5 分岐部

Claims (6)

  1. ダイスを有する押出発泡機を用いた熱可塑性樹脂の押出発泡粒子の製造方法であって、
    前記ダイスは、
    溶融樹脂を吐出するための複数の吐出孔と、
    前記吐出孔まで溶融樹脂を流通させる流路と、
    前記流路中の溶融樹脂を加熱するための加熱部と、を備え、
    前記加熱部は、前記ダイス内部に挿入されて配置されており、
    前記加熱部は、前記流路に対して平行な棒状のヒーターである、押出発泡粒子の製造方法。
  2. 前記熱可塑性樹脂は、分岐構造を有するポリプロピレン系樹脂である、請求項1に記載の押出発泡粒子の製造方法。
  3. 前記流路は、前記溶融樹脂の流れ方向に多段階の分岐を有する、請求項1または2に記載の押出発泡粒子の製造方法。
  4. 前記流路の分岐は、少なくとも3段階以上である、請求項3に記載の押出発泡粒子の製造方法。
  5. 前記押出発泡粒子の造粒方法がダイフェースカット法である、請求項1~4のいずれか1項に記載の押出発泡粒子の製造方法。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の製造方法により押出発泡粒子を製造する工程と、
    前記工程により得られた押出発泡粒子を発泡成形する工程と、を有する、発泡成形体の製造方法。
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