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JP2023049449A - 冷凍生地用改良剤 - Google Patents

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JP2023049449A
JP2023049449A JP2021159188A JP2021159188A JP2023049449A JP 2023049449 A JP2023049449 A JP 2023049449A JP 2021159188 A JP2021159188 A JP 2021159188A JP 2021159188 A JP2021159188 A JP 2021159188A JP 2023049449 A JP2023049449 A JP 2023049449A
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JP
Japan
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bread
dough
frozen
ascorbic acid
amylase
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JP2021159188A
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舞 日下
Mai Kusaka
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Mitsubishi Corp Life Sciences Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Corp Life Sciences Ltd
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Corp Life Sciences Ltd filed Critical Mitsubishi Corp Life Sciences Ltd
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    • A21BAKING; EDIBLE DOUGHS
    • A21DTREATMENT OF FLOUR OR DOUGH FOR BAKING, e.g. BY ADDITION OF MATERIALS; BAKING; BAKERY PRODUCTS
    • A21D10/00Batters, dough or mixtures before baking
    • A21D10/02Ready-for-oven doughs
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A21BAKING; EDIBLE DOUGHS
    • A21DTREATMENT OF FLOUR OR DOUGH FOR BAKING, e.g. BY ADDITION OF MATERIALS; BAKING; BAKERY PRODUCTS
    • A21D2/00Treatment of flour or dough by adding materials thereto before or during baking
    • A21D2/08Treatment of flour or dough by adding materials thereto before or during baking by adding organic substances
    • A21D2/14Organic oxygen compounds
    • A21D2/22Ascorbic acid
    • AHUMAN NECESSITIES
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    • A21DTREATMENT OF FLOUR OR DOUGH FOR BAKING, e.g. BY ADDITION OF MATERIALS; BAKING; BAKERY PRODUCTS
    • A21D8/00Methods for preparing or baking dough
    • A21D8/02Methods for preparing dough; Treating dough prior to baking
    • A21D8/04Methods for preparing dough; Treating dough prior to baking treating dough with microorganisms or enzymes
    • A21D8/042Methods for preparing dough; Treating dough prior to baking treating dough with microorganisms or enzymes with enzymes

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  • Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、冷凍輸送の直前でパン生地を展圧するレディトゥベイク用の冷凍生地
用改良剤の提供を課題とする。また、焼成前のホイロ工程を必要とせず、ホイロ時間の見
極め等が不要で製造工程の短縮も可能であることを課題とする。
【解決手段】冷凍生地用改良剤として、アスコルビン酸とアスコルビン酸オキシダーゼを
併用し、かつ、グルコースオキシダーゼとα-アミラーゼを一定の比率で含有することに
より、上記課題を解決可能な改良剤を得られる。
【選択図】なし

Description

本発明は、冷凍生地用改良剤に関する。
人手不足、働き方改革、食品廃棄物の削減等を解決するために、製パン業界では冷凍生地
パンの技術開発が進んでいる。とりわけ焼きたて感を求められるリテイルベーカリーやイ
ンストアベーカリーでは、店舗で焼いて陳列するだけのレディトゥベイク(Ready-
to-Bake)という製法が好まれるが、焼成後のパンの品質に改良の余地が多いため
、十分に普及していない。また、セントラル工場を持つインストアベーカリーの場合、当
該製法で作製したパン生地はホイロ工程後に冷凍した状態で輸送されるため、ボリューム
が大きく輸送コストがかかり、非効率的であることも問題とされる。引用文献1では、イ
ンスタント活性ドライイーストを用いることで、完全に発酵させたパン生地を冷凍直前に
展圧して、パン生地のボリュームを小さくしても、焼成したパンは良好なボリュームを復
元することを開示し、非効率的な輸送コストの問題を解決している。
引用文献1のように、冷凍輸送の直前でパン生地を展圧し、ボリュームを極力小さくでき
る製パン資材は非常に少なく、当該知見以外の解決方法も求められている。例えば、従来
使用してきた冷凍耐性イーストを用いて、レディトゥベイクの製法に変更したい場合には
、品質改良剤による改良が簡便で効果的と考えられる。しかしながら、展圧工程を含んだ
レディトゥベイク用の改良剤はほとんど知られていない。
一方で、引用文献2では、アスコルビン酸とアスコルビン酸オキシダーゼを併用した改良
剤を開示しており、ホイロ後冷凍のパンに優れた効果を示す。当該剤に含まれるアスコル
ビン酸オキシダーゼは、アスコルビン酸の酸化反応を促進し、間接的にグルテンネットワ
ークを強化すると考えられている。よって、アスコルビン酸による酸化反応を促進させる
ために、ホイロ時間や解凍時間を十分に確保して酸素曝露をしている。十分に酸素曝露さ
れたパン生地表面は、グルテンネットワークが強化されるが、酸素の少なかった内相はソ
フトなテクスチャーのまま保持されるため、引用文献2は当該方法をホイロ後冷凍パンに
用いている。ホイロ後冷凍法は、レディトゥベイクでもあるため、当該剤はレディトゥベ
イク用の改良剤でもあるが、展圧工程にも効果的であるかは記載されていない。
発明者は、パン生地を展圧しながらもホイロ工程を必要とせず、長期冷凍保存も可能な
新たなレディトゥベイクの製法と、当該製法を可能にする冷凍生地用改良剤について検討
した。当該冷凍生地用改良剤は、前記製法で用いた場合、長期間の冷凍保存後もボリュー
ムの大きなパンを得ることが出来る。本発明の検討において、発明者はアスコルビン酸と
アスコルビン酸オキシダーゼの併用効果は、α‐アミラーゼおよびグルコースオキシダー
ゼの存在下で顕著であり、これら酵素の含有比率は冷凍生地パンのボリュームと長期的な
冷凍障害の緩和やボリューム維持に影響することを見出した。
WO2009-130219号公報 特開平9-56323号公報
本発明は、冷凍輸送の直前でパン生地を展圧するレディトゥベイク用の冷凍生地用改良剤
の提供を課題とする。
発明者は鋭意検討を重ねた結果、アスコルビン酸、アスコルビン酸オキシダーゼ、α-ア
ミラーゼ、およびグルコースオキシダーゼを適量併用することにより、ホイロ工程を必要
とせず、かつ、パン生地を展圧した状態で冷凍輸送を可能にし、上記課題を解決すること
を見出した。
すなわち本発明は、
(1)アスコルビン酸、アスコルビン酸オキシダーゼ、α-アミラーゼおよびグルコース
オキシダーゼを含むレディトゥベイク(Ready-to-bake)用の冷凍生地用改
良剤、
(2)アスコルビン酸、アスコルビン酸オキシダーゼ、α-アミラーゼおよびグルコース
オキシダーゼを含む冷凍生地用改良剤であって、穀物粉100gあたりグルコースオキシ
ダーゼを1-31U/g、かつα-アミラーゼを0.1-3.9U含むレディトゥベイク
用の冷凍生地用改良剤、
(3)前記(1)および(2)に記載の剤を用いるレディトゥベイクの製造方法、
(4)ホイロ工程を必要としない前記(3)に記載の製造方法、
(5)(1)および(2)に記載の冷凍生地用改良剤を含有したパン、
本発明によると、アスコルビン酸とアスコルビン酸オキシダーゼを含む冷凍生地用改良
剤に、α-アミラーゼおよびグルコースオキシダーゼを適量組み合わせると、ホイロ工程
を必要とせず、かつ、パン生地を展圧した状態で冷凍輸送できる冷凍生地用改良剤が得ら
れる。当該剤を添加して製造した冷凍生地は、ボリュームを小さくしたまま輸送できるた
め、輸送コストを削減することが出来る。また、製造工程においても発酵時間をほとんど
取らないため、仕込みから冷凍保存までの製造時間も短く、大幅な労働力削減になる。ま
た、ベーカリーに届けられた冷凍生地を、ホイロ等で発酵させずに焼成できるため、ホイ
ロの見極めが難しい現場においても、品質の安定したパンを製造することが出来る。さら
に、当該剤を用いた冷凍生地は、長期間の冷凍期間を経ても、冷凍障害が軽微であり、ボ
リュームの維持にも効果的である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるパン製品とは、澱粉質原料を主原料として、焼成、油調、蒸し、または蒸
し焼き等の加熱処理をして製造される加工製品であり、例えばパン類、パン類乾燥品、ケ
ーキ類、ワッフル、シュー、ドーナツ、揚げ菓子、パイ、ピザ、クレープ等が挙げられる
。パン類としては、食事パン(例えば食パン、ライ麦パン、フランスパン、乾パン、バラ
イティブレッド、ロールパン、クロワッサン等)、調理パン(例えばホットドッグ、ハン
バーガー、サンドイッチ、カレーパン、ピザパイ等)、菓子パン(例えばジャムパン、あ
んぱん、クリームパン、レーズンパン、メロンパン、スイートロール、ブリオッシュ、デ
ニッシュ、コロネ等)、蒸しパン(例えば肉まん、中華まん、あんまん、蒸し饅頭等)、
特殊パン(例えば、グリッシーニ、マフィン、ピザ生地、ナン等)が挙げられる。パン類
乾燥品としては、ラスクやパン粉等が挙げられる。ケーキ類としては、蒸しケーキ、スポ
ンジケーキ、バターケーキ、ロールケーキ、ホットケーキ、どらやき、ブッセ、バームク
ーヘン、パウンドケーキ、チーズケーキまたはスナックケーキ等が挙げられる。
本発明における冷凍生地とは、製造工程中のいずれかで、一定期間、ベーカリー生地を冷
凍で保存する場合の生地を指し、当該生地は原材料配合により制限されない。
本発明におけるレディトゥベイクとは、ベーカリー製品の販売店舗のバックヤードで、成
型済みの冷凍生地を適宜解凍し、焼成するだけで焼きたてのベーカリー製品を商品棚に陳
列できる製造方法である。冷凍生地の解凍条件は、ホイロやドウコンディショナー等で温
度と湿度をコントロールしても良いし、室温に一定時間置くなどしてラックタイムを設け
ても良い。または、解凍工程を設けずに、冷凍パン生地を直接オーブンに入れて焼成して
も良い。
本発明において、レディトゥベイクの一製法として実施されるホイロ不要冷凍法とは、
通常の冷凍生地製法に含まれるホイロ工程(二次発酵)を行わずに、成型後、展圧して冷
凍保存できる製法である。
本発明で行ったホイロ不要冷凍法は、強力粉、イースト、砂糖、食塩、全卵、本発明にお
ける冷凍生地用改良剤、油脂、水をミキサーボールに秤量し、ミキシング後、捏上生地を
発酵(フロア)させる。発酵後のパン生地を大きく分割し、冷蔵庫で冷却した後、リバース
シーター等で油脂をパン生地に折り込む。十分に圧延して、クロワッサン等に成型する。
ラックタイムでパン生地を休ませた後、10mm程度にパンを展圧し、冷凍保存する。一
定の冷凍保存期間を経過し、焼成する場合は、ホイロ工程(二次発酵)を行わずに、焼成す
ることが出来る。
本発明における冷凍生地用改良剤は、少なくとも(a)アスコルビン酸、(b)アスコル
ビン酸オキシダーゼ、(c)グルコースオキシダーゼ、(d)α‐アミラーゼ、を含み、
必要に応じてその他の成分を含む組成物である。
[a:アスコルビン酸]
本発明で用いられるアスコルビン酸は、アスコルビン酸またはアスコルビン酸塩である。
アスコルビン酸塩の塩の種類に制限はなく、例としてナトリウム、カリウム等のアルカリ
金属塩や、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。当該塩は
、1種単独で用いても良いし、2種以上で併用しても良い。本発明におけるアスコルビン
酸またはアスコルビン酸塩は、食品グレード以上のものが好ましく、市販品を用いて良い
。例えば「ビタミンC」(扶桑化学工業株式会社製)を入手することが出来る。
[b:アスコルビン酸オキシダーゼ]
本発明で用いられるアスコルビン酸オキシダーゼは、アスコルビン酸をデヒドロアスコル
ビン酸に酸化する触媒機能を有する酵素である。当該反応により生成されたデヒドロアス
コルビン酸は、パン生地中のSH基を酸化してグルテンネットワークの形成を促進する。
アスコルビン酸オキシダーゼは、植物由来のものと微生物由来のものが知られているが、
本発明で用いられる当該酵素は、上述の触媒機能を有していれば、その起源は特に制限さ
れない。いかなる起源のものであっても使用でき、組み換え酵素を使用しても良く、1種
単独で用いても良いし、2種以上で併用しても良い。本発明におけるアスコルビン酸オキ
シダーゼは、食品グレード以上のものが好ましく、市販品を用いて良い。例えば、和光純
薬工業株式会社製、旭化成ファーマ株式会社製、ロシュ・ダイアグノスティクス株式会社
製、東洋紡株式会社製、天野エンザイム株式会社製、ナガセケムテックス株式会社製等を
入手することが出来る。
[c:グルコースオキシダーゼ]
本発明に用いられるグルコースオキシダーゼは、単独で使用するとグルテン間のジスルフ
ィド結合を促進する作用があり、グルテン間の結合が強まることでボリューム向上を期待
することが出来る。グルコースオキシダーゼは、当該酵素の単体または賦形剤で希釈され
たグルコースオキシダーゼ製剤を用いることもでき、その種類に制限はなく、1種単独で
用いてもよいし、2種以上で併用してもよい。本発明におけるグルコースオキシダーゼは
、食品グレード以上のものが好ましく、市販品を用いて良い。例えば、DSM Food
Specilities B.V.製、ダニスコジャパン株式会社製、新日本化学工業株式
会社製、ノボザイムジャパン株式会社製、天野エンザイム株式会社製、ナガセケムテック
ス株式会社製等を入手することが出来る。
本発明に用いられるグルコースオキシダーゼは、酸素存在下でグルコースをグルコン酸と
過酸化水素に変換する。活性単位は、pH5.1、35℃下でグルコースを完全に反応さ
せた際、消費された酸素量が毎分10m/分になるときの酵素量を1Uとする。
本発明において、レディトゥベイク用の冷凍生地用改良剤に含まれるグルコースオキシダ
ーゼは、パンの原材料中の小麦粉100gに対し、1-31U/gが好ましく、より好ま
しくは5-20U/g、さらに好ましくは7-16U/gである。添加量が31U/gよ
り多いとボリュームが低下する傾向があり、1U/gより少ないと冷凍耐性が低下する傾
向がある。
[d:α‐アミラーゼ]
本発明で用いられるα‐アミラーゼは、α‐1,4グルコシド結合を加水分解することに
よってデキストリンを生成する酵素である。当該酵素は、微生物由来のものと植物由来の
ものが知られているが、本発明で用いられるα‐アミラーゼは、その起源は特に制限され
ず、いかなる起源のα‐アミラーゼであっても使用でき、また組み換え酵素を使用しても
よい。α‐アミラーゼは、パン生地に含まれる澱粉のα-1,4-グルコシド結合を加水
分解し、焼成中のパン生地の粘度を適度に低下させたり、グルテンの伸展性を適度に向上
させたり、パンの喫食時に甘味を感じさせやすくするなどの効果を期待することが出来る
。α‐アミラーゼには、澱粉鎖の内側の結合をランダムに切るエンド型アミラーゼと、澱
粉鎖の非還元末端から特定数のグルコースやマルトース等を切り離していくエキソ型アミ
ラーゼがある。エンド型アミラーゼは、例えば、α‐アミラーゼ(EC.3.2.1.1.
)などがある。エキソ型アミラーゼは、例えば、澱粉からグルコースを切り離すグルコア
ミラーゼ(EC3.2.1.3)、マルトースを切り離すマルトース生成α‐アミラーゼ
(EC3.2.1.113)などがある。本発明においてα‐アミラーゼは、その種類に
制限はなく、1種単独で用いても良いし、2種以上で併用しても良い。本発明におけるα
‐アミラーゼは、食品グレード以上のものが好ましく、市販品を用いて良い。例えば、D
SM Food Specilities B.V.製、天野エンザイム株式会社製、HBI
製、新日本化学工業株式会社製、ノボザイムジャパン株式会社製、三菱ケミカルフーズ株
式会社製等を入手することが出来る。
本発明に用いられるα-アミラーゼは澱粉をデキストリンとマルトースに加水分解する。
活性単位は、pH6.6、30℃下で反応させてヨウ素で呈色させた際、吸光度620n
mで標準色調版と同じ吸光度になるときの澱粉の変換率が毎分1.0mgになる酵素の量
を1Uとする。
本発明において、レディトゥベイク用の冷凍生地用改良剤に含まれるα-アミラーゼは、
パンの原材料中の小麦粉100gに対し、0.1-3.9U/gが好ましく、より好まし
く0.5-2.5U/g、さらに好ましくは1.0-2.0U/gである。添加量が3.
9U/gより多いと生地のべたつきや冷凍耐性の低下が生じやすく、0.1U/gより少
ないとボリュームが低下する傾向ある。
[その他成分]
本発明の冷凍生地用改良剤には、本発明の目的を阻害しない範囲で他の任意の成分が含ま
れても良く、例えば、澱粉類(加工澱粉、デキストリン、難消化性デキストリン等)、酸
化剤(L-シスチン等)、還元剤(グルタチオン等)、乳化剤(ジアセチル酒石酸モノグ
リセリド、ステアロイル乳酸ナトリウム、コハク酸モノグリセリド、クエン酸モノグリセ
リド等)、上記酵素以外の酵素(へミセルラーゼ、プロテアーゼ、ホスホリパーゼA2等
)、増粘多糖類(グアガム、キサンタンガムなど)、グルテンやレシチンなどの食品素材
等が挙げられる。各種成分は1種単独で使用しても良いし、2種以上で併用しても良い。
本発明の冷凍生地用改良剤は、当該剤のみ、または、当該剤を含む製菓・製パン用ミック
スの原料として用いることができる。
本発明の冷凍生地用改良剤は、食品に添加する方法を特に限定されない。例えば、食品を
製造する際に原料の一部として添加しても良いし、他の原料と混合させてから添加しても
良い。添加する時期は特に限定されず、好ましくは食品にしやすい点で、原料の混合前ま
たは混合中に添加することである。
本発明の冷凍生地用改良剤を添加する量は、特に限定されず、ベーカリー製品の種類、性
質に応じて当業者が適宜選択することができる。添加量は、例えば、ベーカーズパーセン
トで、好ましくは0.01-5質量部、より好ましくは0.01-4質量部、さらに好ま
しくは0.1-3質量部である。ここで、ベーカーズパーセントとは、穀物粉生地におけ
る配合量を示す方法として一般的に使用されているものであり、配合した穀物粉の総質量
を100%とした場合の、その他の各原料の質量比を意味する。ベーカーズパーセントは
対粉パーセントとも呼ばれる。
本発明において、冷凍生地パンのボリュームは比容積(mL/g)で評価した。比容積の
測定は菜種置換法に準じた。菜種置換法は、測定試料よりも一回り大きな容器を用意し、
中に菜種を満たして、上面をすり切りする。容器中の菜種をいったん取り出し、パンを容
器に入れ、菜種を容器に戻した後、上面をすり切りする。あふれた菜種の容積をメスシリ
ンダーで測定する。この菜種の容積が、測定試料の容積に相当する。
以下に実施例を用いて、本発明を具体的に説明する。
本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1) アスコルビン酸とアスコルビン酸オキシダーゼの併用効果に対するその他
の酵素の影響
ホイロ不要冷凍法におけるアスコルビン酸、アスコルビン酸オキシターゼおよびその他の
酵素の添加効果について、表1に示す配合および試験区で検討した。当該冷凍生地用改良
剤は、上記4つの酵素以外に、共通の品質改良効果を有する原材料を含むが、これらの原
材料は上記4つの酵素と互いに影響しないものとする。ホイロ不要冷凍法で作製する冷凍
生地パンは、表2に示す原材料と表3に示す工程に従って作製し、評価方法は、冷凍保存
して一定期間(1週間後、2週間後)を経過した後の比容積を比較した。比容積は菜種置
換法で測定した。
(表1)
Figure 2023049449000001
(表2)
Figure 2023049449000002
(表3)
Figure 2023049449000003
実施例1の結果を表4に示した。
試験区1と試験区2の結果より、アスコルビン酸にα‐アミラーゼを併用しても、比容積
が増加し、併用効果が認められた。
試験区1と試験区3の結果より、アスコルビン酸にグルコースオキシダーゼを併用すると
、比容積は減少し、併用効果は認められなかった。
試験区1と試験区4と試験区5の結果より、アスコルビン酸とアスコルビン酸オキシダー
ゼの併用効果は、その他の酵素の有無により影響を受け、α‐アミラーゼの存在下では併
用効果をさらに高めるが、グルコースオキシダーゼの存在下では併用効果は認められず、
比容積が大きく減少した。
(表4)
Figure 2023049449000004
(実施例2)冷凍生地用改良剤の配合検討
ホイロ不要冷凍法で作製する冷凍生地パンに対し、ボリューム向上と長期冷凍に耐えられ
る冷凍生地用改良剤を見出すため、アスコルビン酸、アスコルビン酸オキシダーゼ、α-
アミラーゼおよびグルコースオキシダーゼの配合比を検討した(表5)。
ホイロ不要冷凍法で作製する冷凍生地パンは、表2に示す原材料と表6に示す工程に従っ
て作製し、評価方法は、冷凍保存して一定期間(1週間後、2週間後、4週間後)を経過
した後の比容積を比較した。比容積は菜種置換法で測定した。
(表5)
Figure 2023049449000005
(表6)
Figure 2023049449000006
実施例2の結果を表7および表8に示した。表7はグルコースオキシダーゼの添加量を変
えたときの結果を示し、表8はα-アミラーゼの添加量を変えたときの結果を示した。
(表7)
Figure 2023049449000007
(表8)
Figure 2023049449000008
表7の結果より、アスコルビン酸100ppm、アスコルビン酸オキシダーゼ100pp
m、α-アミラーゼ100ppm(1.2U/g)とするとき、グルコースオキシターゼ
50ppm(7.9U/g:実施区2)は他試験区よりも有意に比容積が増加した。グル
コースオキシターゼ100ppm(15.7U/g:実施区1)は冷凍2週間後以降、グ
ルコースオキシターゼ50ppm(7.9U/g:実施区2)と同等の比容積を示した。
グルコースオキシダーゼ0ppm(0U/g:比較区2)は冷凍1週間後では他試験区と
比容積に差はなかったが、冷凍2週間目以降、比容積が減少した。
表8の結果より、アスコルビン酸100ppm、アスコルビン酸オキシダーゼ100pp
m、グルコースオキシダーゼ100ppm(15.8U/g)とするとき、α‐アミラー
ゼ100ppm(1.2U/g)以上の添加で、比容積が増加することが示された。とり
わけ、α‐アミラーゼ100ppm(1.2U/g:実施区5)は冷凍4週間後の比容積
も大きかった。
実施例1および実施例2の結果より、アスコルビン酸とアスコルビン酸オキシダーゼを併
用したホイロ不要冷凍法では、グルコースオキシダーゼとα‐アミラーゼの添加により、
比容積や長期冷凍保存に対する冷凍耐性が変化した。実施例1における試験区1、試験区
2および試験区4より、α‐アミラーゼはアスコルビン酸またはアスコルビン酸とアスコ
ルビン酸オキシダーゼの併用条件下において、生地伸展性を向上させて比容積を増加させ
たと示唆された。しかしながら、実施例2の実施区3のように、多すぎると長期冷凍保存
に対する冷凍耐性が低下する可能性も考えられた。また、実施例1における試験区1、試
験区3および試験区5より、グルコースオキシダーゼはアスコルビン酸またはアスコルビ
ン酸とアスコルビン酸オキシダーゼの併用条件下において、生地骨格を強化させて比容積
を小さくすることが示唆された。しかしながら、実施例2において、長期冷凍保存に対す
る冷凍耐性を高める可能性も考えられた。
以上の結果より、アスコルビン酸とアスコルビン酸オキシダーゼを併用したホイロ不要冷
凍法では、グルコースオキシダーゼとα‐アミラーゼは、アスコルビン酸オキシダーゼに
対して一定範囲内の比率で使用した場合にのみ比容積の増加や長期冷凍保存が可能である
ことが示された。下記に各酵素の最適な比率を示した。
表7、表8の結果より、穀物粉100gあたり
グルコースオキシダーゼは1-31U/gが好ましく、より好ましくは5-20U/g、
さらに好ましくは7-16U/gであり、α-アミラーゼは0.1-3.5U/gが好ま
しく、より好ましくは1.0-3.0U/g、さらに好ましくは1.0-2.5U/gで
ある。
以上のことから、アスコルビン酸とアスコルビン酸オキシダーゼを併用したホイロ不要冷
凍法では、アスコルビン酸オキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、およびα‐アミラー
ゼの比率をアスコルビン酸オキシターゼ:グルコースオキシダーゼ:α‐アミラーゼ=1
:0.01以上1以下:1以上3以下とする冷凍生地用改良剤は、当該製法において、比
容積の大きいパンを得ることが可能であり、かつ、長期冷凍保存をしても冷凍障害による
比容積低下を防ぐことが示された。
(実施例3)ホイロ工程の有無による冷凍生地用改良剤の効果
本発明における冷凍生地用改良剤は、レディトゥベイクのうちの一つの製法として、ホイ
ロ工程が不要であることを特徴とするが、ホイロ工程を有する場合の効果や影響について
検討した。冷凍生地用改良剤は表9に示す試験区と配合とし、原材料は表2、製パン工程
は表10に従い、作製した。比較区4に用いた冷凍生地用改良剤は、レディトゥベイク用
の改良剤ではなく、一般的な冷凍生地用改良剤のうち、アスコルビン酸、グルコースオキ
シダーゼ、α-アミラーゼを含む改良剤であり、実施区6は本発明で得られた結果より、
アスコルビン酸、アスコルビン酸オキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、およびα-ア
ミラーゼをそれぞれレディトゥベイク製法として最適な配合比で構成される改良剤である
。冷凍保存1日後、1週間後、および4週間後の比容積を比較した。比容積は菜種置換法
で測定した。
(表9)
Figure 2023049449000009
(表10)
Figure 2023049449000010
実施例3の結果を表11に示した。保存1日から4週間後に渡り、実施区6は比較区4よ
り、比容積が大きく維持された。以上より、アスコルビン酸、アスコルビン酸オキシダー
ゼ、グルコースオキシダーゼ、およびα-アミラーゼを含み、穀物粉100gに対してグ
ルコースオキシダーゼは1-31U/g、かつ、α-アミラーゼは0.1-3.5U/g
である改良剤は、レディトゥベイクの製法のうち、ホイロ不要で作製することも出来るが
、ホイロ工程を行った場合にも、長期冷凍保存で比容積を大きく維持するのに効果的であ
ることが示された。
(表11)
Figure 2023049449000011
本発明における冷凍生地用改良剤は、未だパンの品質に改良の余地が多いレディトゥベイ
クを、より簡便に、より安定的に行うことを可能にする改良剤である。パン生地を展圧す
ることにより、輸送コスト等を削減出来る他、ホイロ工程を必要としないため、パン生地
の管理に不慣れな製造員でも焼きたてのパンを提供出来たり、製造工程を減らすことが出
来るため、労働環境の改善にもつながると考えられる。

Claims (5)

  1. アスコルビン酸、アスコルビン酸オキシダーゼ、グルコースオキシダーゼおよびα-アミ
    ラーゼを含むレディトゥベイク(Ready-to-bake)用の冷凍生地用改良剤。
  2. アスコルビン酸、アスコルビン酸オキシダーゼ、グルコースオキシダーゼおよびα-アミ
    ラーゼを含む冷凍生地用改良剤であって、穀物粉100gあたりグルコースオキシダーゼ
    を1-31U/g、かつα-アミラーゼを0.1-3.9U含むレディトゥベイク用の冷
    凍生地用改良剤。
  3. 請求項1および2に記載の剤を用いるレディトゥベイクの製造方法。
  4. ホイロ工程を必要としない請求項3に記載の製造方法。
  5. 請求項1および2に記載の冷凍生地用改良剤を含有したパン。

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