JP2022513702A - 阻害剤産生が低下した細胞およびその使用方法 - Google Patents
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Abstract
Description
セリンヒドロキシメチルトランスフェラーゼ(SHMT1)は、セリンおよびテトラヒドロフォレートからグリシンおよび5,10-メチレンテトラヒドロフォレートへの可逆的変換を触媒するサイトゾル酵素である。例示的なSHMT1アミノ酸配列は、UniProt ID番号:P50431(マウス)、Q6TXG7(ラット)、およびP34896(ヒト)の下で提供されている。
セリンヒドロキシメチルトランスフェラーゼ(SHMT2)は、セリンおよびテトラヒドロフォレートからグリシンおよび5,10-メチレンテトラヒドロフォレートへの可逆的変換を触媒するミトコンドリア酵素である。例示的なSHMT2アミノ酸配列は、UniProt ID番号:Q9CZN7(マウス)、Q5U3Z7(ラット)、およびP34897(ヒト)の下で提供されている。
C-1-テトラヒドロ葉酸合成酵素(サイトプラズマ)/MTHFD1(メチレンテトラヒドロ葉酸脱水素酵素としても知られる(NADP+依存性))は、テトラヒドロフォレート相互転換(たとえば、5,10-メチレンテトラヒドロフォレート+NADP+から5,10-メテニルテトラヒドロフォレート+NADPHへ)に関与している酵素である。例示的なMTHFD1アミノ酸配列は、以下のUniProt ID番号の下で提供されている:Q922D8(マウス)、P27653(ラット)、およびP11586(ヒト)。
一機能性C-1-テトラヒドロ葉酸合成酵素(ミトコンドリア)/MTHFD1L(メチレンテトラヒドロ葉酸脱水素酵素としても知られる(NADP+依存性)1様)は、ホルミルテトラヒドロ葉酸合成酵素活性を有する酵素である。例示的なMTHFD1Lアミノ酸配列は、以下のUniProt ID番号の下で提供されている:Q3V3R1(マウス)、B2GUZ3(ラット)、およびQ6UB35(ヒト)。
二機能性メチレンテトラヒドロ葉酸脱水素酵素/シクロヒドロラーゼ(ミトコンドリア)/MTHFD2(メチレンテトラヒドロ葉酸脱水素酵素としても知られる(NAD+依存性))は、テトラヒドロフォレート相互転換(たとえば、5,10-メチレンテトラヒドロフォレート+NAD+から5,10-メテニルテトラヒドロフォレート+NADHへ)に関与している酵素である。例示的なMTHFD2アミノ酸配列は、以下のUniProt ID番号の下で提供されている:P18155(マウス)、D4A1Y5(ラット)、およびP13995(ヒト)。
二機能性メチレンテトラヒドロ葉酸脱水素酵素/シクロヒドロラーゼ2様/MTHFD2L(メチレンテトラヒドロ葉酸脱水素酵素としても知られる(NADP+依存性)2様)は、テトラヒドロフォレート相互転換(たとえば、5,10-メチレンテトラヒドロフォレート+NAD+から5,10-メテニルテトラヒドロフォレート+NADHへ)に関与している酵素である。例示的なMTHFD2Lアミノ酸配列は、以下のUniProt ID番号の下で提供されている:D3YZG8(マウス)、D3ZUA0(ラット)、およびQ9H903(ヒト)。
ミトコンドリア葉酸輸送体/SLC25A32(溶質輸送体ファミリー25、メンバー32としても知られる)は、ミトコンドリアの内膜を横切るフォレートの輸送に関与している酵素である。例示的なSLC25A32アミノ酸配列は、以下のUniProt ID番号の下で提供されている:Q8BMG8(マウス)、B2GV53(ラット)、およびQ9H2D1(ヒト)。
グリセロール-3-リン酸脱水素酵素/GPD1(グリセロール-3-リン酸脱水素酵素1(可溶性)としても知られる)は、NAD+依存性グリセロール3-リン酸脱水素酵素活性を有するサイトプラズマ酵素である。例示的なGPD1アミノ酸配列は、以下のUniProt ID番号の下で提供されている:P13707(マウス)、O35077(ラット)、およびP21695(ヒト)。
グリセロール-3-リン酸脱水素酵素/GPD2(グリセロールリン酸脱水素酵素2、ミトコンドリアとしても知られる)は、FAD+依存性グリセロール3-リン酸脱水素酵素活性を有するミトコンドリア酵素である。例示的なGPD2アミノ酸配列は、以下のUniProt ID番号の下で提供されている:Q64521(マウス)、P35571(ラット)、およびP43304(ヒト)。
ホスホグリコール酸ホスファターゼ/PGPは、「グリセロール-3-リン酸ホスファターゼ」(G3PP)および「アスパルテートに基づく遍在的Mg(2+)依存性ホスファターゼ」(AUM)としても知られる。これはホスファターゼ活性を有しており、グリセロール-3-ホスフェートをグリセロールへと加水分解する。例示的なPGPアミノ酸配列は、以下のUniProt ID番号の下で提供されている:Q8CHP8(マウス)、D3ZDK7(ラット)、およびA6NDG6(ヒト)。
一態様では、本発明は、(i)細胞培養培地中に細胞を提供して、細胞培養プロセスを開始させることを含む、細胞培養方法であって、細胞が、細胞による成長および/または生産性阻害剤の合成のレベルが低下するように改変されている、方法を提供する。一部の実施形態では、成長および/または生産性阻害剤はフォーメートおよび/またはグリセロールである。
一部の実施形態では、ラクテートおよびアンモニアなどの細胞の成長を阻害する他の代謝物も細胞培養培地中において低レベルで維持される。ラクテートおよびアンモニアを低レベルに保つ方法は当業者に知られている。
本明細書中で使用する用語「培養物」および「細胞培養物」とは、細胞集団の生存および/または成長に適した条件下で、培地中に懸濁させた細胞集団をいう。当業者には明らかであるように、一部の実施形態では、本明細書中で使用するこれらの用語は、細胞集団と集団を懸濁させる培地とを含む組合せをいう。一部の実施形態では、細胞培養物の細胞は哺乳動物細胞を含む。
(a)増加もしくは減少したレベルで発現される、同定された遺伝子、または突然変異を含む同定された遺伝子に適用される遺伝子の欠失、破壊、置換、点突然変異、複数点突然変異、挿入突然変異もしくはフレームシフト突然変異のうちの任意の1つもしくは複数、あるいは
(b)遺伝子を含む1つまたは複数の核酸を、任意選択で発現可能な核酸またはベクター構築体として、細胞内に導入すること、
(c)CRISPR/CAS9もしくはCRISPR干渉もしくは干渉RNA、干渉mRNAもしくは干渉アプタマー、またはsiRNAもしくはsiRNA干渉、またはジンクフィンガー転写因子もしくはジンクフィンガーヌクレアーゼもしくは転写活性化剤様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)の使用による、遺伝子発現の抑圧または活性化
を含む。
細胞培養物しやすい任意の細胞を本発明に従って利用し得る。一部の実施形態では、細胞は哺乳動物細胞である。本発明に従って使用し得る哺乳動物細胞の非限定的な例としては、BALB/cマウス骨髄腫系(NSO/l、ECACC番号:85110503)、ヒト網膜芽細胞(PER.C6、CruCell、オランダLeiden)、SV40によって形質転換させたサル腎臓CV1系(COS-7、ATCC CRL 1651)、ヒト胚性腎臓系(293または懸濁培養中での成長用にサブクローニングした293細胞、Grahamら、J.Gen Virol.、36:59、1977)、ベビーハムスター腎細胞(BHK、ATCC CCL 10)、チャイニーズハムスター卵巣細胞+/-DHFR(CHO、UrlaubおよびChasin、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、77:4216、1980)、マウスセルトリ細胞(TM4、Mather、Biol.Reprod.、23:243~251、1980)、サル腎細胞(CV1 ATCC CCL 70)、アフリカミドリザル腎細胞(VERO-76、ATCC CRL-1 587)、ヒト子宮頸癌細胞(HeLa、ATCC CCL 2)、イヌ腎細胞(MDCK、ATCC CCL 34)、バッファローラット肝細胞(BRL 3A、ATCC CRL 1442)、ヒト肺細胞(W138、ATCC CCL 75)、ヒト肝細胞(Hep G2、HB 8065)、マウス乳癌(MMT 060562、ATCC CCL51)、TRI細胞(Matherら、Annals N.Y.Acad.Sci.、383:44~68、1982)、MRC5細胞、FS4細胞、およびヒト肝細胞癌系(Hep G2)が挙げられる。一部の好ましい実施形態では、細胞はCHO細胞である。一部の好ましい実施形態では、細胞はGS細胞である。
オフラインおよびオンライン測定方法を含めた当業者に知られている任意の方法によって、代謝物を同定することができるおよび/または代謝物(たとえばグリセロールもしくはフォーメート)の濃度を測定することができ、そのような測定法はまた、メタボロミクス分析またはメタボロミクス測定も構成する。細胞培養培地または細胞の試料、たとえば細胞ペレットに適用する。
上述の方法の一部の実施形態では、細胞成長および/または生産性は対照培養物と比較して増加しており、前記対照培養物は、改変細胞または細胞を生成する方法によって生成された細胞を含まない(すなわち細胞は未改変である)こと以外は同一である。
[式中、Δtはtとt+1時点との間の時間差である]。IVCCt=0は無視できると想定できる。VCDtおよびVCDt+1は、tおよびt+1時点での生存細胞密度である。
本明細書中で使用する用語「培地」、「細胞培養培地」、および「培養培地」とは、成長中の哺乳動物細胞を養う構成成分または栄養素を含有する溶液をいう。典型的には、栄養素としては、最小限の成長および/または生存のために細胞によって要求される、必須および非必須アミノ酸、ビタミン、エネルギー源、脂質、ならびに微量元素が挙げられる。また、そのような溶液は、それだけには限定されないが、ホルモンおよび/もしくは他の成長因子、特定のイオン(ナトリウム、塩化物、カルシウム、マグネシウム、およびリン酸など)、緩衝剤、ビタミン、ヌクレオシドもしくはヌクレオチド、微量元素(通常は非常に低い最終濃度で存在する無機化合物)、高い最終濃度で存在する無機化合物(たとえば鉄)、アミノ酸、脂質、ならびに/またはグルコースもしくは他のエネルギー源を含めた、最小限の速度より高く成長および/または生存を増強させる、さらなる栄養素または補助的構成成分も含有し得る。一部の実施形態では、培地は、細胞の生存および増殖に最適なpHおよび塩濃度に有利に配合する。一部の実施形態では、培地は、細胞培養を開始した後に加える供給培地である。
上述のように、多くの場合、細胞を、高レベルの所望の生成物(たとえば、組換えタンパク質または抗体)を産生するように選択または操作する。しばしば、細胞は、高レベルの組換えタンパク質を産生するように人の手によって、たとえば、目的タンパク質をコードしている遺伝子の導入によっておよび/またはその遺伝子(内在性であれ導入されたものであれ)の発現を調節する遺伝的制御要素の導入によって、操作される。
薬学的または他の商用の薬剤として現在使用されているまたは調査されている多数の抗体を考慮すると、抗体の産生は本発明に従って特に興味深い。抗体は、特定の抗原と特異的に結合する能力を有するタンパク質である。宿主細胞中において発現させることができる任意の抗体を本発明に従って産生させてよく、本発明の方法に従ってもしくは本発明の細胞によって産生させ得る。一部の実施形態では、発現させる抗体はモノクローナル抗体である。
一般に、細胞内に導入された核酸分子は、本発明に従って発現させることが所望されるタンパク質をコードしており、本発明の方法に従って、または本発明の細胞内におよび本発明の細胞によって、導入および発現させ得る。あるいは、核酸分子は、細胞による所望のタンパク質の発現を誘導する遺伝子産物をコードしていてよい。たとえば、導入された遺伝物質は、内在性または異種タンパク質の転写を活性化させる転写因子をコードしていてよい。その代わりにまたはそれに加えて、導入された核酸分子は、細胞によって発現されるタンパク質の翻訳または安定性を増加させ得る。
一般に、典型的には、本発明に従って発現されたタンパク質を単離および/または精製することが望ましい。特定の実施形態では、発現されたタンパク質は培地内に分泌され、したがって、細胞および他の固形物を、遠心分離または濾過によって、たとえば精製プロセスの第1のステップとして除去し得る。
本発明の特定の好ましい実施形態では、産生されたポリペプチドまたはタンパク質は薬理学的活性を有し、医薬品の調製において有用となるであろう。上述の本発明の組成物は、対象に投与し得る、または、最初に、それだけには限定されないが、非経口(たとえば静脈内)、皮内、皮下、経口、経鼻、気管支、眼、経皮(局所)、経粘膜、直腸、および経膣の経路を含めた、任意の利用可能な経路による送達用に配合し得る。本発明の医薬組成物は、典型的には、哺乳動物細胞系から発現させた精製したポリペプチドまたはタンパク質、送達剤(すなわち、上述の陽イオンポリマー、ペプチド分子輸送体、界面活性剤など)を、薬学的に許容できる担体と組み合わせて含む。本明細書中で使用する言葉「薬学的に許容できる担体」としては、薬学的投与に適合した、溶媒、分散媒、コーティング、抗細菌および抗真菌剤、等張および吸収遅延剤などが挙げられる。また、補助的活性化合物も組成物内に取り込ませることができる。
CHO細胞の流加(HiPDOG)培養物中に蓄積される代謝副産物としてのフォーメートおよびグリセロール
目的
本実験は、哺乳動物細胞のグルコース制限および慣用の流加培養物中に蓄積されるフォーメートおよびグリセロールのレベルを同定するために実施した。
細胞および培地
グルタミン合成酵素発現系を利用し、組換え抗体を発現するCHO細胞を、本実験において使用した。2種類の培地を本実験で使用した。1つ目の培地は「培地A」であり、これは培養の0日目に実験の接種に使用する。2つ目の培地は「培地B」であり、これは、慣用およびHIPDOG流加プロセスの供給培地として使用した濃縮栄養素培地である(次のセクションで説明する)。培地Aはインスリン非含有培地9(US7294484号、表14)の強化型であり、炭酸水素ナトリウムおよび塩化カリウムの濃度のわずかな相違を有し、ポリビニルアルコールの代わりにPluronic F68を含有する。これは、10%のグルタミン非含有培地5(US7294484号、表7)を加えることによって、ならびに8つのアミノ酸(Glu、Tyr、Gly、Phe、Pro、Thr、Trp、およびVal)の濃度をさらに上げることによって強化した。アミノ酸の濃度を以下の表1に列挙する。
慣用の流加プロセスおよびグルコース制限流加プロセスの2つの条件を用いた。グルコース制限流加プロセス(本明細書中以降HIPDOG培養)では、HIPDOGプロセスを使用してグルコースを制限した(Gagnonら、2011)。HIPDOG制御の作動中に使用したpH不感帯は7.025+/-0.025であった。
1000μLのそれぞれの試料を、Nanosep 3K Omegaマイクロ遠心濾過チューブを使用して60分間濾過し、630μLの濾過した試料をNMR分析に使用した。これらのフィルターはグリセロールで保存されており、したがって、いくらかの微量のグリセロールが分析に見られ得る。内部標準溶液をそれぞれの試料溶液に加え、生じた混合物を30秒間渦攪拌した。700μLの遠心分離した溶液を、データ獲得のためにNMRチューブに移した。NMRスペクトルは、オートチューニングを備えた低温冷却した1H/13C三重共鳴生体分子プローブを装着したVarian4チャネルVNMRS 700MHz NMR分光計で獲得した。使用したパルスシーケンスは1D-tnnoesyであり、水で990ミリ秒のプレサチュレーションおよび4秒の獲得時間であった。スペクトルは、298Kでの32個の過渡および4個の定常状態スキャンを用いて収集した。Chenomx NMR Suite 8.0中のプロセッサモジュールを使用して、スペクトルを処理し、cnxファイルを作成した。Chenomx NMR Suite 8.0中のプロファイラモジュールを使用して、332個の化合物が含有するChenomx化合物ライブラリバージョン9を用いて、化合物を同定および定量した。報告目的のために、プロファイリングした濃度を、NMRチューブの内容物ではなく元の試料の組成を反映するように補正した。試料調製中、内部標準を導入することによって、および必要な場合は少ない試料の分析体積を増加させるために、それぞれの試料を希釈した。
最初、慣用およびHIPDOG培養物のどちらにおいても細胞は指数関数的に成長し、それぞれ6日目および7日目にピーク細胞密度に到達し、HIPDOG培養物ははるかに高い細胞密度のピークであった(図1Aおよび1B)。HIPDOGプロセスにおけるラクテートレベルは、HIPDOG制御の適用が原因で低く保たれた(2日目~5日目)一方で、ラクテートレベルは、慣用の流加培養物の事例では非常に高レベルまで蓄積された。また、グルタミン合成酵素発現系を含む細胞の使用によって、慣用およびHIPDOG培養中にアンモニアも低レベルで維持された。力価(目的タンパク質の量/1リットルの細胞培養培地)を培養の最後に測定した(12日目)。慣用のプロセスでは、12日目での力価は2.3g/Lであり、HIPDOGプロセスでは、12日目での力価は4g/Lであった。HIPDOG培養物は、慣用のプロセスと比較してより高い力価に到達した。細胞密度および力価値の相違は、2つの培養物間で観察されたラクテート蓄積の相違の結果であることが有望である。
培養中のCHO細胞の増殖能力に対するフォーメートおよびグリセロールの効果のプロービング
目的
フォーメートおよびグリセロールは、それぞれセリン異化および解糖経路の副産物であり、これらは、CHO細胞のHiPDOGおよび慣用の流加培養物中に蓄積されることが観察された。これらの培養物中において、フォーメートおよびグリセロールについて観察された蓄積のピークレベルはそれぞれ5mMおよび10mMであった。本実験は、HiPDOGまたは慣用の流加培養物において観察された濃度範囲内または未満で、CHO細胞の成長に対するこれら2つの化合物の効果を個々にプロービングするために設定した。
組換え抗体を産生するCHO細胞(細胞系Aまたは細胞系B)を、低細胞密度(0.1E6個の細胞/mL)で、様々な条件下で、3つ組で6ウェルプレート培養物中に接種した。0日目におけるそれぞれのウェルの作業体積は4mLであった。細胞系Aは、新鮮な培地Aまたは様々な濃度のフォーメートを添加した新鮮な培地Aのどちらか中で接種した。細胞系Bは、新鮮な培地Aまたは様々な濃度のグリセロールを添加した新鮮な培地Aのどちらか中で接種した。フォーメートについて試験した濃度は[0、2、4、および6mM]であり、グリセロールでは[0、2、および4mM]であった。6ウェルプレートは、振盪プラットフォーム上、36.℃、5%の二酸化炭素でインキュベートした。すべての条件における細胞成長を5または6日間モニタリングした。
図3Aおよび3Bは、CHO細胞の成長に対するフォーメートまたはグリセロールの独立した効果を示す。新鮮な培地中で成長させた細胞は非常に良好に成長した。グリセロール(図3A)またはフォーメート(図3B)を2mMより高い濃度で添加した新鮮な培地中で細胞を培養した場合に、細胞成長は抑制された。このことは、フォーメートおよびグリセロールが細胞成長を独立して阻害することを実証している。フォーメートはセリン(またはグリシンもしくはスレオニン)異化の代謝副産物であり、グリセロールはグルコース代謝(解糖)の代謝副産物である。
CHO細胞の流加培養物中における、セリン添加の制限を介したフォーメートの蓄積の評価。
目的
本実施例の主目的は、セリンの供給を制限することによる、CHO細胞のHiPDOG培養物中におけるフォーメートの蓄積の低下を評価することであった。
細胞およびバイオリアクターのセットアップ
組換え抗体を発現するCHO細胞(細胞系C)を本実施例で使用した。2つの条件を本実施例の一部として試験した:A)セリンを含めて低レベルの10個のアミノ酸を有するHiPDOG培養物(低AA)、B)正常なアミノ酸濃度を有するHiPDOG培養物(対照)。実験は12日間実施した。
10μLの標準のアミノ酸混合溶液または使用済み培地試料(10倍希釈試料)のどちらかを、70μLのAccQTag Ultraホウ酸緩衝液(Waters UPLC AAA H-Class Applications Kit[176002983])と混合し、1.0mLのAccQ.Tag Ultra試薬希釈剤に事前に溶かした20μLのAccQTag試薬を加えた。反応を10分間55℃で進行させた。液体クロマトグラフィー分析を、二成分溶媒マネージャー、自動サンプラー、カラムヒーター、およびPDA検出器を装着したWaters Acquity UPLCシステム上で行った。分離カラムはWaters AccQTag Ultraカラム(2.1mm内径×100mm、1.7μm粒子)であった。カラムヒーターは55℃に設定し、移動相の流速は0.7mL/分に維持した。溶出液Aは10%のAccQTag Ultra濃縮液溶媒Aであり、溶出液Bは100%のAccQTag Ultra溶媒Bであった。非線形分離勾配は、0~0.54分(99.9%のA)、5.74分(90.0%のA)、7.74分(78.8%のA)、8.04~8.64分(40.4%のA)、8.73~10分(99.9%のA)であった。1マイクロリットルの試料を分析用に注入した。PDA検出器は260nmに設定した。事前に決定されたアミノ酸の溶出時間を使用して、それぞれの試料についてクロマトグラム上の特定のアミノ酸ピークを同定した。アミノ酸濃度は、ピーク下面積と標準溶液(アミノ酸標準H、Thermo Scientific、PI-20088)を使用して作成した検量線とを使用して推定した。
セリンの濃度を、低AA条件において0.5mM付近または未満に維持することに成功した(図4A)。低AA条件におけるセリンレベルのそのような制限は、フォーメートのより低い蓄積をもたらした(図4B)。
CHO細胞をフォーメート産生の抑制に向かって代謝的に操作するための遺伝子標的を決定するための実験。
目的
CHO細胞における成長阻害剤フォーメートの生合成の原因を調査した。フォーメートはセリン異化の副産物であり、哺乳動物細胞のミトコンドリアおよびサイトゾルにおいて起こることが知られている(図5)。セリンのミトコンドリアおよびサイトゾル異化経路において関連性のある異化酵素をコードしている遺伝子の発現(mRNA)レベルを、RNA配列分析を使用してプロービングした。遺伝子発現データに基づいて、代謝操作のための標的が、フォーメート産生に向かうセリン流動を抑制する努力の一環として同定された。
Pfizer専売のRNA配列データベースに照会して遺伝子発現レベルのベースライン予想を提供し、その延長で、セリン異化に関与している主要酵素のあり得る酵素活性を提供した。RNA配列データは、細胞系Cと同じ宿主を共有するCHO細胞系Dから由来するものであった。分析した酵素としては、SHMT1、SHMT2、MTHFD1、MTHFD1L、MTHFD2、MTHFD2L、SLC25A32が挙げられる。B-アクチンのRNA配列データを参照して含めた。データは、読取り/キロ塩基の転写物/百万個のマッピングされた読取り(RPKM)として報告した。
フォーメート生合成をもたらすセリン異化に関与している酵素の遺伝子発現レベルを表3に示す。セリンのミトコンドリアおよびサイトゾル異化経路の両方における酵素が発現される。しかし、ミトコンドリア異化経路における最初の酵素、SHMT2は、対応するサイトゾル異化酵素、SHMT1よりも高いレベルで発現される。ミトコンドリア経路がより活性であり得ることを示唆している。SHMT2が最初の酵素であるため、SHMT2酵素の活性を遺伝学的に抑制することで、フォーメート産生を有意に低下させることができる。
フォーメートの産生を抑制するための、CHO細胞におけるSHMT2発現レベルの下方調節
SHMT2の発現は、遺伝子発現を低下させる(ノックダウン)または遺伝子を作動不能にする(ノックアウト)分子生物学的技法を使用して、下方調節の標的とする。しばしばRNA干渉(RNAi)と呼ばれる、遺伝子発現をノックダウンする技法としては、マイクロRNA(miRNA)、低分子干渉RNA(siRNA)、およびアンチセンスRNA(asRNA)が挙げられる。遺伝子発現をノックアウトする技法としては、クラスター形成し、規則的に間隔が空いた短い回文構造の反復(CRISPR)、転写活性化剤様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、および亜鉛フィンガーヌクレアーゼ(ZFN)が挙げられる。SHMT2発現が低下するよう操作された細胞系、または作動不能にされたSHMT2遺伝子は、立ち代って、SHMT2酵素活性が低下または排除されており、その延長で、より少ないフォーメートを産生する。操作された細胞は、流加条件において、細胞外環境における成長、生産性、およびフォーメート蓄積のレベルについてアッセイする。操作された細胞は、フォーメートの産生の低下が原因で、より高い細胞密度まで成長し、より高いレベルのタンパク質を産生する。
CHO細胞をグリセロール産生の抑制に向かって代謝的に操作するための遺伝子標的を決定するための実験。
目的
CHO細胞における成長阻害剤グリセロールの生合成の原因を調査した。グリセロールはグリセロール-3-リン酸の既知の副産物である(図6)。最近では、膵臓B細胞および肝細胞中において、酵素ホスホグリコール酸ホスファターゼ(PGP)の作用によって、グリセロール-3-リン酸がグリセロールへと変換されることが報告されている(Mugaboら、2016)。グリセロール-3-リン酸(phospate)は、解糖中間体であるジヒドロキシアセトンリン酸(DHAP)の、サイトゾルグリセロール-3-リン酸脱水素酵素(GPD1)酵素による酵素的変換の産物である。グリセロールの生合成における関連性のある酵素の遺伝子発現レベルを、RNA配列分析を使用してプロービングした。遺伝子発現データに基づいて、代謝操作のための標的が、グリセロール産生に向かうグリセロール-3-リン酸流動を抑制する努力の一環として同定された。
Pfizer専売のRNA配列データベースに照会して遺伝子発現レベルのベースライン予想を提供し、その延長で、グリセロール(gycerol)-3-リン酸からグリセロールへの変換に関与している主要酵素のあり得る酵素活性を提供した。RNA配列データは、細胞系Cと同じ宿主を共有するCHO細胞系Dから由来するものであった。研究に含まれる酵素は、GPD1、GPD2、およびPGPであった。B-アクチンのRNA配列データを参照して含めた。データは、読取り/キロ塩基の転写物/百万個のマッピングされた読取り(RPKM)として報告した。
グリセロール-3-リン酸の代謝、したがってグリセロール蓄積に関与している主要遺伝子のRNA配列データを表4に示す。遺伝子PGP、GPD1、およびGPD2は5~21のRPKM値を有しており、遺伝子(および潜在的に対応するタンパク質)の発現ならびにCHO細胞におけるこのノードでの酵素活性の可能性を示唆している。PGP遺伝子が発現される際、PGP酵素の活性を遺伝学的に抑制することは、グリセロール産生を潜在的に低下させることができる。
グリセロールの産生を抑制するための、CHO細胞におけるPGP遺伝子発現の下方調節
PGPの発現は、遺伝子発現を低下させる(ノックダウン)または遺伝子を作動不能にする(ノックアウト)分子生物学的技法を使用して、下方調節の標的とする。しばしばRNA干渉(RNAi)と呼ばれる、遺伝子発現をノックダウンする技法としては、マイクロRNA(miRNA)、低分子干渉RNA(siRNA)、およびアンチセンスRNA(asRNA)が挙げられる。遺伝子発現をノックアウトする技法としては、クラスター形成し、規則的に間隔が空いた短い回文構造の反復(CRISPR)、転写活性化剤様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、および亜鉛フィンガーヌクレアーゼ(ZFN)が挙げられる。PGP発現が低下するよう操作された細胞系、または作動不能にされたPGP遺伝子は、立ち代って、PGP酵素活性が低下または排除されており、その延長で、より少ないグリセロールを産生する。操作された細胞は、流加条件において、細胞外環境における成長、生産性、およびグリセロール蓄積のレベルについてアッセイする。操作された細胞は、グリセロールの産生の低下が原因で、より高い細胞密度まで成長し、より高いレベルのタンパク質を産生する。
減弱したPGP発現レベルを有するCHOクローンの開発
背景および目的
グリセロールは、流加培養物の細胞培養培地中に高レベルまで蓄積され、時折、培養14日目までに約19mMが測定される。2mM以上のグリセロール濃度は成長阻害効果を有することが示されており(図3A)、栄養素炭素の消耗をもたらし、培養環境の容積モル浸透圧濃度の増加をもたらす。したがって、ノックダウンまたはノックアウト戦略を通じてグリセロール産生経路に関与している主要酵素のタンパク質発現を変調させることによる、グリセロール産生の抑制を試みた。ホスホグリコール酸ホスファターゼ(PGP)は、グリセロール-3-リン酸からのリン酸基の加水分解によってグリセロールを生じる酵素として仮定された。本実験の目的は、CRISPR CAS9手法を使用して、PGP遺伝子の完全または部分的なノックアウト(KO)を有する安定なCHOクローン細胞系を開発することであった。
PGPのエクソンを標的化するガイドRNA(gRNA)を、gRNA設計アルゴリズムを使用して設計した。候補gRNA配列をコードしているDNA構築体を、Cas9 mRNAと共に組換え抗体産生CHO細胞系(以降、野生型(WT)と呼ぶ)内に同時形質移入し、GeneArt Genomic切断検出アッセイを使用してgRNAの有効性を評価した。性能が上位の2つのgRNAを利用して突然変異クローン細胞系を確立した。突然変異クローンは、PGP DNA配列中における変更を検出するためのサンガーシーケンシングを使用して同定した。溶解物を候補突然変異クローンから、WT(形質移入していない)細胞系から、およびgRNA/Cas9で形質移入した対照細胞系から収集したが、PGP座位でのDNAの変更は示さなかった。等量の細胞溶解液を使用してSDS-PAGEゲルを実行し、免疫ブロッティングを行って、PGP発現レベルにおける変化を検出した。
PGPのレベルが低下した安定なノックアウトクローンを、Cas9 mRNAを用いた2つの独立したgRNAの形質移入を介して作製した(図7)。PGP発現の減少(図7、上のバンド)が、複数の突然変異クローン細胞系における2つの独立した実験で観察された。残留PGP発現が、生じたクローンのうちの2つ(クローン377、406)において観察され、部分的KOが示唆されたが、PGP発現は他のクローン(クローン343、609、878)の溶解物において検出不可能であり、完全なKOが示唆された。対照クローン217(PGPに向けられたgRNA/Cas9を用いて形質移入したが、PGP座位でのDNAの変更は示さなかった)および野生型宿主(形質移入していない)細胞系は、KOクローンのどれよりもPGP発現が高かった(図7)。
流加培養物中におけるグリセロール産生に対する低下したPGPタンパク質レベルの効果の調査
背景および目的
本実験の目的は、PGP発現の低下が、流加培養物中におけるグリセロールレベルおよびグリセロール産生の減少をもたらすかを理解することであった。
実施例8に記載の野生型宿主(WT)、PGPノックアウト(PGPΔ)、および対照クローンを、1.0E6個の細胞/mLの密度で、ambr細胞培養容器中に接種した。このシステムは、バイオリアクター条件を、温度、pH、および栄養素供給を良好に制御することができる、より小さなスケールで模倣することを意図する。細胞をこのシステムにおいて12日間培養し、6、8、および11日目にサンプリングした。BioHTバイオプロセス分析器を使用してグリセロールレベルを測定し、グリセロールレベルの変化を経時的にモニタリングし、細胞数を正規化することによって比グリセロール産生速度を計算した。
PGPΔ培養物の使用済み培地は、mgのグリセロール/リットル(図8A)および比グリセロール産生(ピコグラム(pcg)/細胞/日、図8B)の両方によって測定して、全体的により低いグリセロール濃度を示した。クローン343、609、および878からの使用済み培地は、クローン377、406、対照クローン、およびWTからのものよりも有意に低いレベルのグリセロールを示したため、グリセロール低下の度合はPGPタンパク質低下の度合と相関していた(図8A)。比グリセロール産生の減少は、PGPΔクローン中のPGP発現レベルとも相関していた(図8B)。
流加培養物中におけるラクテートの蓄積に対する低下したPGPタンパク質レベルの効果の調査。
背景および目的
本実験は、PGPタンパク質発現レベルを低下させることが細胞培養培地中のラクテートレベルに対して効果を有するかを決定するために行った。
実施例8および9に記載の野生型宿主(WT)、PGPノックアウト(PGPΔ)、および対照クローンを、1.0E6個の細胞/mLの密度で、ambr容器中に接種した。このシステムは、バイオリアクター条件を、温度、pH、および栄養素供給を良好に制御することができる、より小さなスケールで模倣することを意図する。細胞をこのシステムにおいて12日間モニタリングし、1、2、4、5、6、7、8、10、11、および12日目にサンプリングした。ラクテートレベルはBioprofile Nova Flexを使用して測定した。
PGPタンパク質発現の低下は、完全なKO PGPΔクローンの事例で見られたように、細胞培養環境中のラクテート蓄積の減少をもたらした(図9)。ラクテート産生の比速度もこれらのクローンにおいて低かった(データ示さず)。
減弱したSHMT2発現レベルを有するCHO細胞系の開発
背景および目的
フォーメートは、流加培養物の細胞培養培地中に高レベルまで蓄積され、培養8日目までに約6mM、14日目までに10mM以上の濃度が測定される。2mM以上のフォーメート蓄積は、成長阻害効果を有することが以前に示されている(図3B)。ノックダウンまたはノックアウト戦略を通じて炭素代謝に関与している酵素のタンパク質発現を変調させることによる、フォーメート産生の阻害を本実験において試みた。本実験の目的は、SHMT2タンパク質発現のレベルが低下した安定なCHOクローンを開発することであった。SHMT2は、セリンからグリシンとメチレン-テトラヒドロフォレート(THF)への切断を触媒するミトコンドリア酵素である。酵素MTHFD2/MTHFD2Lはメチレン-THFを10-ホルミル-THFへと変換し、これがその後、MTHFD1Lによってフォーメートへと変換される。
SHMT2のエクソンを標的化するガイドRNA(gRNA)を、gRNA設計アルゴリズムを使用して設計した。候補gRNA配列をコードしているDNA構築体を、Cas9 mRNAと共に組換え抗体産生CHO細胞系(以降、野生型(WT)と呼ぶ)内に同時形質移入し、GeneArt Genomic切断検出アッセイを使用してgRNAの有効性を評価した。性能が上位の2つのgRNAを利用して突然変異クローン細胞系を確立した。突然変異クローンは、SHMT2 DNA配列中における変更を検出するためのサンガーシーケンシングを使用して同定した。溶解物を候補突然変異クローン細胞系から、WT(形質移入していない)細胞系から、およびgRNA/Cas9で形質移入した対照細胞系から収集したが、SHMT2座位でのDNAの変更は示さなかった。等量の細胞溶解液を使用してSDS-PAGEゲルを実行し、免疫ブロッティングを行って、SHMT2発現レベルにおける変化を検出した。
SHMT2タンパク質レベルが低下したクローンを、Cas9 mRNAを用いた2つの独立したgRNAの形質移入を介して作製した(図10)。SHMT2タンパク質発現の減少が、複数の突然変異クローン細胞系における2つの独立した実験で観察され、これらのクローン(クローン482、746、および277)中における部分的KOが示唆された。対照クローン425(SHMT2に向けられたgRNA/Cas9を用いて形質移入したが、SHMT2座位でのDNAの変更は示さなかった)および野生型宿主(形質移入していない)細胞系は、KOクローンのどれよりもSHMT2発現が高かった(図10)。
流加培養物中におけるフォーメート産生に対する低下したSHMT2タンパク質レベルの効果の調査
背景および目的
本実験の目的は、SHMT2タンパク質発現の低下が、流加培養物中におけるフォーメート産生および蓄積の減少をもたらすかを理解することであった。
実施例11に記載の野生型宿主(WT)、SHMT2ノックアウト(SHMT2Δ)、および対照CHOクローンを、1.0E6個の細胞/mLの密度で、ambr容器中に接種した。このシステムは、バイオリアクター条件を、温度、pH、および栄養素供給を良好に制御することができる、より小さなスケールで模倣することを意図する。細胞をこのシステムにおいて12日間モニタリングし、6、8、および11日目にサンプリングした。BioHTバイオプロセス分析器を使用してフォーメートレベルを測定し、フォーメートレベルの変化を経時的にモニタリングし、細胞数を正規化することによって比フォーメート産生速度を計算した。
SHMT2Δ培養物の使用済み培地は、mgのフォーメート/リットル(図11)によって測定して、全体的により低いフォーメート濃度を示した。
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Claims (25)
- (i)細胞培養培地中に細胞を提供して、細胞培養プロセスを開始させること
を含む、細胞培養方法であって、細胞が、細胞による成長または生産性阻害剤の合成のレベルを低下させるように改変されており、阻害剤が、フォーメートまたはグリセロールである、方法。 - 阻害剤がフォーメートであり、細胞が、1つまたは複数の遺伝子の発現を改変させるように改変されており、遺伝子が以下:セリンヒドロキシメチルトランスフェラーゼ(サイトゾル)(SHMT1)、セリンヒドロキシメチルトランスフェラーゼ(ミトコンドリア)(SHMT2)、C-1-テトラヒドロ葉酸合成酵素(サイトプラズマ)(MTHFD1)、一機能性C-1-テトラヒドロ葉酸合成酵素(ミトコンドリア)(MTHFD1L)、二機能性メチレンテトラヒドロ葉酸脱水素酵素/シクロヒドロラーゼ(ミトコンドリア)(MTHFD2)、二機能性メチレンテトラヒドロ葉酸脱水素酵素/シクロヒドロラーゼ2様(MTHFD2L)、およびミトコンドリア葉酸輸送体(SLC25A32)のうちの1つまたは複数からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
- 阻害剤がグリセロールであり、細胞が、1つまたは複数の遺伝子の発現を改変させるように改変されており、遺伝子が以下:グリセロール-3-リン酸脱水素酵素(サイトプラズマ)(GPD1)、グリセロール-3-リン酸脱水素酵素(ミトコンドリア)(GPD2)、およびホスホグリコール酸ホスファターゼ(PGP)のうちの1つまたは複数からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
- 1つまたは複数の遺伝子が、遺伝子発現を減少させるように改変されている、請求項2または3のいずれか一項に記載の方法。
- (ii)細胞培養培地中の阻害剤フォーメートまたはグリセロールを、(a)C2を超えない濃度、または(b)少なくともC1かつC2を超えない濃度に維持すること
をさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。 - 阻害剤がフォーメートであり、C1が0.001mMであり、C2が、20mM、15mM、10mM、8mM、6mM、4mM、または2mMである、請求項5に記載の方法。
- 阻害剤がグリセロールであり、C1が0.001mMであり、C2が、20mM、15mM、10mM、8mM、6mM、4mM、または2mMである、請求項5に記載の方法。
- ステップ(ii)が、フォーメートまたはグリセロールの濃度を測定するステップを含み、
a)測定した濃度がC2を超える場合、細胞培養培地中のフォーメートもしくはグリセロールの前駆体の濃度は、細胞培養培地に提供されるフォーメートもしくはグリセロールの前駆体の量をそれぞれ低下させることによって減少される、または、
b)測定した濃度がC1未満である場合、細胞培養培地中のフォーメートもしくはグリセロールの濃度は、フォーメートもしくはグリセロールをそれぞれ細胞培養培地に加えることによって増加される、
請求項5から7のいずれか一項に記載の方法。 - フォーメートまたはグリセロールの濃度が、NMR、HPLC、またはUPLCを使用して測定され、オンラインであってよい、請求項8に記載の方法。
- pHセンサーを使用して細胞培養物のpHをモニタリングし、事前に決定されたpH値を上回る上昇に応答して、グルコースを細胞培養物に供給する、前述の請求項のいずれか一項に記載の方法。
- 細胞培養物が流加培養物である、前述の請求項のいずれか一項に記載の方法。
- 細胞培養方法が増殖期および産生期を含み、ステップ(ii)が増殖期中に適用される、請求項5から11のいずれか一項に記載の方法。
- 1つまたは複数の遺伝子の発現を改変させることが、
(a)遺伝子の遺伝子欠失、破壊、置換、点突然変異、複数点突然変異、挿入突然変異もしくはフレームシフト突然変異、または
(b)1つもしくは複数の遺伝子を含む1つもしくは複数の核酸を、任意選択で発現可能な構築体もしくは発現可能なベクター構築体として、細胞内に導入すること
を含む、請求項1から12のいずれかに記載の方法。 - 細胞による成長または生産性阻害剤の合成のレベルを低下させる1つまたは複数の改変遺伝子を含む細胞であって、阻害剤がフォーメートまたはグリセロールである、細胞。
- 阻害剤がフォーメートであり、細胞が、1つまたは複数の遺伝子の発現を改変させるように改変されており、遺伝子が以下:セリンヒドロキシメチルトランスフェラーゼ(サイトゾル)(SHMT1)、セリンヒドロキシメチルトランスフェラーゼ(ミトコンドリア)(SHMT2)、C-1-テトラヒドロ葉酸合成酵素(サイトプラズマ)(MTHFD1)、一機能性C-1-テトラヒドロ葉酸合成酵素(ミトコンドリア)(MTHFD1L)、二機能性メチレンテトラヒドロ葉酸脱水素酵素/シクロヒドロラーゼ(ミトコンドリア)(MTHFD2)、二機能性メチレンテトラヒドロ葉酸脱水素酵素/シクロヒドロラーゼ2様(MTHFD2L)、およびミトコンドリア葉酸輸送体(SLC25A32)のうちの1つまたは複数からなる群から選択される、請求項14に記載の細胞。
- 阻害剤がグリセロールであり、細胞が、1つまたは複数の遺伝子の発現を改変させるように改変されており、遺伝子が以下:グリセロール-3-リン酸脱水素酵素(サイトプラズマ)(GPD1)、グリセロール-3-リン酸脱水素酵素(ミトコンドリア)(GPD2)、およびホスホグリコール酸ホスファターゼ(PGP)のうちの1つまたは複数からなる群から選択される、請求項14に記載の細胞。
- 1つまたは複数の遺伝子が、遺伝子発現を減少させるように改変されており、遺伝子の欠失、破壊、置換、点突然変異、複数点突然変異、挿入突然変異またはフレームシフト突然変異が、改変遺伝子に適用される、請求項14から16のいずれか一項に記載の細胞。
- 遺伝子発現の減少が、対応する未改変細胞中における遺伝子の活性と比較して、90パーセント以下、80パーセント以下、70パーセント以下、60パーセント以下、50パーセント以下、45パーセント以下、40パーセント以下、35パーセント以下、30パーセント以下、25パーセント以下、20パーセント以下、15パーセント以下、10パーセント以下、5パーセント以下、2.5パーセント以下のレベルのうちのいずれかの、それぞれの改変遺伝子の発現または活性をもたらす、請求項17に記載の細胞。
- 細胞がCHO細胞である、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法または細胞。
- 細胞が異種組換えタンパク質を発現する、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法または細胞。
- 細胞によって産生された組換えタンパク質を得ること、および精製することをさらに含む、請求項20に記載の方法または細胞。
- 細胞成長または生産性が対照培養物と比較して増加しており、前記対照培養物が、未改変の細胞を含むこと以外は同一である、請求項1から21のいずれか一項に記載の方法または細胞。
- 細胞成長が最大生細胞密度によって決定され、対照培養物と比較して少なくとも5%増加している、請求項22に記載の方法または細胞。
- 生産性が、発現された組換えタンパク質の力価によって決定され、対照培養物と比較して少なくとも5%増加している、請求項22に記載の方法または細胞。
- 細胞培養物の最大生細胞密度が、1×106個の細胞/mL、5×106個の細胞/mL、1×107個の細胞/mL、5×107個の細胞/mL、1×108個の細胞/mL、または5×108個の細胞/mLより高い、請求項23に記載の方法または細胞。
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