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JP2022155331A - 粘着シート積層体および粘着シート積層体の製造方法 - Google Patents

粘着シート積層体および粘着シート積層体の製造方法 Download PDF

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JP2022155331A JP2021058772A JP2021058772A JP2022155331A JP 2022155331 A JP2022155331 A JP 2022155331A JP 2021058772 A JP2021058772 A JP 2021058772A JP 2021058772 A JP2021058772 A JP 2021058772A JP 2022155331 A JP2022155331 A JP 2022155331A
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光男 櫻井
Mitsuo Sakurai
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

【課題】 剥離紙を有さない粘着シート、すなわち粘着シート積層体、および粘着シート積層体の製造方法を提供する。【解決手段】 本開示の粘着シート積層体は、底面剥離シートに対し粘着シートが2枚以上積層された粘着シート積層体であり、粘着シートは、粘着層、基材層、意匠層がこの順に積層され、底面剥離シートと粘着層とが接触しており、粘着シートが積層されることにより意匠層と粘着層とが接触している粘着シート積層体である。【選択図】 図1

Description

本開示は、粘着シート積層体、および粘着シート積層体の製造方法に関するものである。
一般的な住宅の内装において、壁面と天井面には、塩化ビニル系あるいはオレフィン系の壁紙が使用される。これらの壁紙は、現場で職人が糊付け機を用いて裏面に糊付けし、一定時間養生した後に貼ることが一般的であるため、専用の設備が必要であり、さらに施工までに時間を要するといった課題がある。
上記課題に対し、壁紙に対しあらかじめ粘着層を付与した粘着層付き壁紙が流通している(特許文献1)。
実用新案登録第3104480
しかしながら、特許文献1をはじめとする粘着層付き壁紙は、施工前の粘着層を保護するために剥離紙が設けられている。そのため施工時には剥離紙を除去する必要があるが、除去された剥離紙が床に散乱してその低摩擦性に起因して職人が転倒する危険性があるほか、剥離紙は廃棄対象となるため環境に優しくない、といった問題がある。
以上から、本開示の目的は、剥離紙を有さない粘着シート、すなわち粘着シート積層体、および粘着シート積層体の製造方法を提供することである。
本開示の粘着シート積層体は、底面剥離シートに対し粘着シートが2枚以上積層された粘着シート積層体であり、粘着シートは、粘着層、基材層、意匠層がこの順に積層され、底面剥離シートと粘着層とが接触しており、粘着シートが積層されることにより意匠層と粘着層とが接触している、粘着シート積層体である。
上記粘着シート積層体において、粘着層は、その両面に複数の凹形状を備えていてもよい。
上記粘着シート積層体において、凹形状は、粘着層の両面に均等に形成されていてもよい。
上記粘着シート積層体において、基材層側の面に開口する凹形状の各開口部の直径の平均値をDave 1とし、基材層とは反対側の面に開口する凹形状の各開口部の直径の平均値をDave 2としたときに、
|Dave 1-Dave 2|/Dave 2≦0.5
の関係を満たしていてもよい。
上記粘着シート積層体において、意匠層は、意匠樹脂層、および表面保護層の少なくともいずれかを含んでいてもよい。
本開示の粘着シート積層体の製造方法は、底面剥離シートを準備する工程と、離型性基材シートを準備する工程と、離型性基材シートに、気泡含有組成物を塗工する工程と、気泡含有組成物を加熱、乾燥させて粘着層を形成する工程と、基材層と意匠層との積層体の基材層側の面と、離型性基材シートに形成された粘着層とを接合させ、離型性基材シートを有する粘着シートとする工程と、離型性基材シートを有する粘着シートに対し、粘着シート側からハーフカットすることで、離型性基材シートを有するハーフカットされた粘着シートとする工程と、離型性基材シートを有するハーフカットされた粘着シートから離型性基材シートを剥離し、枚葉状粘着シートとする工程と、2枚以上の枚葉状粘着シートを積層し、その粘着層側の面に底面剥離シートを積層し粘着シート積層体とする工程と、を有する、粘着シート積層体の製造方法である。
本開示によれば、剥離紙を有さない粘着シート、すなわち粘着シート積層体、および粘着シート積層体の製造方法を提供することができる。
第1実施形態に係る粘着シート積層体の(a)概略斜視図、(b)、(c)断面の一部の概略を表す断面図 第1実施形態に係る粘着シート積層体の層構成を示す概略断面図 第2実施形態に係る粘着シート積層体の層構成を示す概略断面図 第2実施形態に係る粘着シート積層体の概略斜視断面図 粘着シート積層体の製造方法に係る製造装置を示す図 粘着シート積層体の製造方法に係る製造途中における積層状態を示す概略断面図
〔粘着シート積層体〕
(第1実施形態)
以下、本開示の粘着シート積層体の第1実施形態について、図1を参照して説明する。なお、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状、装飾などは理解を容易にするため適宜誇張、単純化などしている。また説明に直接的に関係しない構成などについては適宜省略している。なお、以下の各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
本明細書において、板、シート、フィルム等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は適宜置き換えても、本開示の本質も特許請求の範囲の解釈も不変である。本開示においては、シートの語を、いわゆる板、シート、およびフィルムと通常呼称されている厚みの形態のものも包含する広義の意味で用いるものとする。
また、本明細書において表面、裏面の言葉を使用しているが、表面、裏面の区別に技術的な意味は無く、シートの一方の面を表面としたときに、他方の面が裏面である。本明細書における粘着シート積層体においては、粘着シートを使用する際に通常の観察面となる側の面を表面と、その反対側の裏面として説明している。
図1(a)に本開示の第1実施形態に係る粘着シート積層体1の概略斜視図を示す。また図1(b)は、底面剥離シート20に対して、粘着シート2が2枚積層された状態の粘着シート積層体1の断面の概略を表す断面図である。
粘着シート積層体1は、底面剥離シート20に対して、粘着シート2が2枚以上積層されたものである。粘着シート2は、粘着層13、基材層11、意匠層10がこの順に積層されている。そして、底面剥離シート20の剥離性の良い面と粘着シート2の粘着層13とが接触しており、粘着シート2が2枚以上積層されることにより、意匠層10と粘着層13とが接触している。なお上記積層順を乱さず、本開示の作用効果が大幅に損なわれない限りにおいては、上記各層間の任意の位置にさらに任意の層を設けても良い。
例えば、基材層11と意匠層10との間に発泡樹脂層14を設けてもよい。また、粘着層13と基材層11との間にプライマー層を設けてもよい。
なお図1(a)からも明らかな様に、粘着シート2は枚葉状の形態を有している。粘着シート積層体の製造方法おいては、粘着シート2が枚葉状であることを明示的に表現する場合に、粘着シートを枚葉状粘着シートと称する場合がある。
図1(b)において、底面剥離シート20に近い方(図1(b)における下側)から順に、底面剥離シート20、粘着層13、基材層11、意匠層10、粘着層13、基材層11、意匠層10となっている。このうち粘着層13、基材層11、意匠層10の部分が粘着シート2であるため、上記層構成は底面剥離シート20、粘着シート2、粘着シート2と表すこともでき、すなわち、図1(b)は、底面剥離シート20に対して、粘着シート2が2枚積層された状態の粘着シート積層体1を表している。
図1(a)に示す様な粘着シート積層体1から、粘着シート2を1枚ずつ容易に剥がし取ることができる。剥がし取られた粘着シート2は、その一方の面に意匠層10が、他方の面に粘着層13が各露出する。
粘着シート積層体1に係る上記各層のうち、意匠層10については、以下に説明するように様々な層から構成される。以下、意匠層10の層構成について説明する。
第1実施形態に係る意匠層10は、表面保護層18を含み、また、模様絵柄層17、ベタ絵柄層16のうち、少なくともいずれかを含む。そして意匠層10がいずれの形態であっても表面保護層18が意匠層10における最表面(粘着シート2の意匠層10における基材層11側の面側とは反対側の面)となる様に積層される。すなわち粘着シート2において表面保護層18は最表面に露出している。
以下、第1実施形態に係る意匠層10の層構成について、具体的に説明する。
意匠層10が、表面保護層18および模様絵柄層17を含む場合、基材層11に近い側から、模様絵柄層17、表面保護層18の順に積層される(意匠層形態1)。意匠層形態1の概略断面図を図1(c)および図2(a)に示す。意匠層形態1においては、模様絵柄層17を多色刷り、あるいは単色であっても部分的に形成(印刷)することにより、人の目に絵柄模様と視認される様な場合である。模様絵柄層17に係る絵柄模様としては、一例として木目模様である。
なお理解を容易とするため、以降の積層状態の例示において、底面剥離シート20に対し粘着シート2が1枚のみ積層された例を図示している。粘着シート2が2枚以上積層された粘着シート積層体1を考えるならば、概略断面図における粘着シート2の部分が積層順を保ったまま繰り返し積層されることとなる。粘着シート2が2枚積層された状態を示す図1(b)の一部が、1枚のみ積層された状態を示す図1(c)に表されている。
次に、意匠層10が、表面保護層18およびベタ絵柄層16を含む場合、基材層11に近い側から、ベタ絵柄層16、表面保護層18の順に積層される(意匠層形態2、図2(b))。意匠層形態2においては、ベタ絵柄層16を単色ベタで形成(印刷)することにより、基材層11に係る色とは別のベタ色とすることができる。
意匠層10が、表面保護層18を含み、ベタ絵柄層16および模様絵柄層17の両者を含む場合、基材層11に近い側から、ベタ絵柄層16、模様絵柄層17、表面保護層18の順に積層される(意匠層形態3、図2(c))。意匠層形態3においては、模様絵柄層17に係る絵柄模様について、ベタ絵柄層16が、基材層11の色の影響を隠蔽したり、模様絵柄層17に係る色に深みを与えたりすることができる。
上記説明した意匠層形態1~意匠層形態3のいずれにおいても、意匠層の最表面には表面保護層18が積層され、すなわち、粘着シート2において表面保護層18は最表面に露出している。
表面保護層18は、傷や汚れに対する耐性が高く、表面保護層18を傷や汚れから保護することができる。そのため意匠層10、ひいては粘着シート2の耐傷性や耐汚染性、耐久性や信頼性を高めることができる。
また表面保護層18は、その表面において優れた離型性を有し、その上に積層された層と容易に離型することができる層である。
ここで、底面剥離シート20に対して粘着シート2が2枚以上積層された状態では、粘着シート2に係る粘着層13が、1枚下側の粘着シート2に係る意匠層10に対し積層されることとなるが、意匠層形態1~意匠層形態3の場合には、意匠層10の最表面に表面保護層18を有するため、意匠層10と粘着層13とが容易に離型することができる。すなわち、底面剥離シート20に対して粘着シート2が2枚以上積層された状態において、粘着シート2は1枚下側の粘着シート2から容易に離型することができる。そのため、粘着シート積層体1から粘着シート2を容易に剥がし取ることができる。
粘着シート積層体1は、一例として、420mm×680mmの大きさの底面剥離シート20に対し、420mm×680mmの大きさの粘着シート2が20枚積層されたものである。
上記の通り、本開示に係る粘着シート積層体1は、底面剥離シート20、および2枚以上の粘着シート2を含み、粘着シート2は、粘着層13、基材層11、および意匠層10を含む。そして意匠層10は、表面保護層18を含み、また、模様絵柄層17、ベタ絵柄層16のうち、少なくともいずれかを含むものである。以下、粘着シート積層体1に係る上記各層について説明する。
<底面剥離シート>
底面剥離シート20は、いわゆる剥離紙の機能を果たすものである。底面剥離シート20は、少なくとも一方の面に剥離性の良い面、すなわち離型層を有している。
底面剥離シート20としては、従来公知の離型フィルム、セパレート紙、セパレートフィルム、紙、剥離フィルム、剥離紙等の各種形態のものを適宜使用できる。例えば、上質紙、コート紙、含浸紙、プラスチックフィルム等の片面又は両面に離型層を形成したものを用いる。
離型層としては、離型性を有する材料であれば、特に限定されないが、例えば、シリコーン樹脂、有機樹脂変性シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アミノアルキド樹脂、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂等を挙げることができる。これらの樹脂は、エマルジョン型、溶剤型又は無溶剤型のいずれもが使用できる。離型層を備えた離型フィルムを用いる場合には、例えば、シリコーン離型タイプのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、未処理PETフィルム、PPフィルム、シリコーン離型タイプの紙等を用いることができる。
底面剥離シート20の厚さは、例えば、10μm以上、150μm以下とすることが望ましく、20μm以上、100μm以下とすることがさらに望ましい。上記層厚範囲の下限値を下回ると、コシがなく、剥離し難くなる。また、上記層厚範囲の上限値を越えると、コシが強すぎて貼り付け時の作業性が低下するからである。
また、離型性基材シート25としては、市販のものを使用してもよく、例えば、片面にシリコーン系剥離剤による易剥離処理が施されている厚さ38μmのポリエステルフィルム(三井化学東セロ株式会社製、商品名:SP-PET-01)等が挙げられる。
<基材層>
基材層11は、粘着シート2のベースとなる層であり、意匠層10を形成する際の基材となる層で、裏打材(紙からなる場合は裏打紙)とも呼称される。基材層11は、例えば、紙、織布、又は、不織布等を素材として用いてもよい。
紙としては、公知の各種化粧紙に用いられる上質紙、薄葉紙、クラフト紙、リンター紙、パーチメント紙、グラシン紙、硫酸紙等、又はこれらの紙に硝子繊維や樹脂纖維を混抄した混抄紙、これらの紙にゴムラテックス、アクリル樹脂殿樹脂を含浸した含浸紙等を用いることができる。一例として、パルプ75%、ポリエステル樹脂25%からなるフリース紙を挙げることができる。フリース紙は、寸法安定性があり、強度も強いため、DIYが盛んな海外においてよく使用されている。
紙の坪量は、通常、20~200g/m2程度の物を用いることができる。
織布、又は、不織布としては、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂殿樹脂、又は硝子からなる纖維を用いた織布、又は、不織布を用いることができる。織布、又は、不織布の坪量は、通常、20~200g/m2程度の物を用いることができる。
基材層11の厚さは、通常、20μm以上2000μm以下のものを用いることができる。
また、基材層11は、表現する意匠にあわせて適宜着色してもよい。ここで、着色とは、後述の如く基材層11の素材自体に色を着けて加飾することを指している。基材層11を着色することにより、ベタ絵柄層16を省略することもできる。
<粘着層>
粘着層13は、基材層11の意匠層10とは反対側(図2上では、下側であり、これを基材層11の裏面側とも呼称する)の面に積層されており、粘着シート2を壁紙として使用する際には、被着体である壁に対する粘着性を発揮する層である。粘着層13は、その両面、即ち、基材層11に接する側、および1周分内側の粘着シート2に係る意匠層10に接する側、に開口した複数の凹形状13aを備えている。粘着層13の基材層11側面及び裏側面の各々の面に開口する各複数の凹形状13aの開口部の直径は一般的に分布を持つが、その同一面上に於ける平均直径は基材層11側面と裏側面とで同一または略同一であること、すなわち、凹形状13aは粘着層13の両面に均等に形成されていることが、1枚下側の粘着シート2に係る意匠層10に対する剥離性、基材層11および被着体の両者に対する十分な粘着力、および被着体との再剥離性の発現の上で好ましい。なお、ここで、両面の開口部直径が略同一、すなわち、凹形状13aは粘着層13の両面に均等に形成されている、とは、基材層11側の面に開口する凹形状13aの各開口部の直径の平均値をDave 1、裏側の面に開口する凹形状13aの各開口部の直径の平均値をDave 2としたときに、
|Dave 1-Dave 2|/Dave 2≦0.5
の関係を満たすことを意味する。特に、
|Dave 1-Dave 2|/Dave 2≦0.25
の関係を満たすことが、1枚下側の粘着シート2に係る意匠層10に対する剥離性、基材層11および被着体の両者に対する十分な粘着力、および被着体との再剥離性の発現の上でより好ましい。
また、粘着層13は、弾性を備えており、複数の凹形状13aがそれぞれ微細な吸盤として作用することから、様々な壁に対して粘着力(吸着力)を発揮することができる(図2参照)。
このように粘着層の両面における粘着力の差異を少なくすることによって、粘着シート2の利便性を大幅に向上させることができる。すなわち、粘着層の両面における粘着力に差異がないことから、粘着シート2の具体的な使用形態に応じて、必要な粘着力の調整を行うことが容易となる。例えば、粘着シート2を張り付ける被着体と粘着層との粘着力が強い場合には、粘着シート2を剥がすときに、基材層11と粘着層13との界面で剥離して、いわゆる「糊残り」を生じてしまうおそれがある。このような場合には、あらかじめ被着体側に粘着力を弱めるプライマー処理を行うことにより、粘着力のバランス調整を容易に行うことが可能である。
なお、各開口部の直径の平均値とは、全ての開口部の平均を求めることは現実的には不可能であるので、ここでは、1500μm×1100μmの観察範囲内において、直径が大きい開口部から順に3個の開口部について直径の計測を行ない、その平均値とした。
なお、各開口部の直径の平均値の求め方としては、上述の手法は一例であって、実際の粘着層13の形態に応じて、適宜最適化することが望ましい。例えば、極端に直径が大きな開口部や、開口形状が歪んだ開口部等の特異な開口部については、平均値の演算から除外するとよい。また、直径が大きい開口部から順に3個をサンプルとせずに、直径が大きい開口部から順に3個までは除外して、それ以降の大きさの開口部について、平均値の演算のサンプルとしてもよい。また、サンプル数Nも、3個よりも多くして精度を向上してもよい。
なお、平均値を求める際のサンプル数Nの決定については、サンプル数Nにおける平均値Dave 1(N)及びDave 2(N)の標準偏差σ(Dave 1(N))及びσ(Dave 2(N))がNの増加に対して十分に收束すると判斷される最小のサンプル数として決定すれば良い。通常の場合、3≦N≦100程度、好ましくは、10≦N≦30程度とする。
粘着層13は、例えば、特許文献2(特開2017-36404号公報)に開示されている液状の樹脂組成物(アクリルエマルジョン)を用いて後述する製造方法により形成される。粘着層13に用いる樹脂組成物としては、例えば、ポリアクリル酸2-エチルヘキシルを主成分とし、硫黄、ビシン:N,N-Bis(2-hydroxyethyl)glycine、N.N.-ジメチルオクタデカアミン等を含有するものを用いることができる。
粘着層13の層厚は、1μm以上、500μm以下であることが望ましい。上記層厚範囲の下限値を下回ると、凹形状の形成が困難になったり、凹形状の大きさが小さくなりすぎて、粘着(吸着)特性が低下したりする。また、上記層厚範囲の上限値を越えると、粘着シート2の柔軟性が低下して、作業性が悪くなる。
さらに、粘着層13の両面に凹形状13aを均等に設けるためには、粘着層13の層厚tは、20μm≦t≦40μmの範囲とすることが望ましい。
粘着層13の凹形状13aの大きさ(直径)や密度は、後述する製造工程における各種条件を変更することにより、調整可能である。例えば、粘着層13は、凹形状13aが含まれる程度を表す指標として、粘着層13の密度を用いることができる。この粘着層13の密度としては、特に限定されないが、例えば、0.1g/cm3以上、0.7g/cm3以下とすることができる。特に、基材層11および被着体の両者に対する十分な粘着力、1枚下側の粘着シート2に係る意匠層10に対する剥離性、および被着体との再剥離性の発現の上で、0.2g/cm3以上、0.6g/cm3以下であることが好ましい。また、凹形状13aの大きさ(直径)は、特に限定されないが、例えば、1μm以上、300μm以下とすることができる。尚、凹形状13aの大きさは、凹形状13aが球と見なし得る場合は、かかる球の直径を凹形状13aの大きさとする。もし、凹形状13aが球と見なし得ない場合は、当該凹形状13aと同体積の球の直径をかかる凹形状13aの大きさとする。
<発泡樹脂層>
発泡樹脂層14は、基材層11と意匠層10との間に設けられる層であるが、本開示の粘着シート積層体1においては必須の構成ではない。
発泡樹脂層14は、発泡剤含有未発泡樹脂層が発泡することにより形成された層である。発泡剤含有樹脂層は、化学発泡剤又は物理発泡剤の作用により発泡するもの(例えば加熱された際に発泡するもの)であれば特に制限されるものではないが、エチレン系樹脂であることが好ましい。
発泡樹脂層14を形成する樹脂としては例えば、エチレン単独重合体樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、エチレン-メチルアクリレート共重合体樹脂(EMA)、エチレン-エチルアクリレート共重合体樹脂(EEA)、炭素原子数3~5のエチレン-アルキルアクリレート共重合体樹脂、エチレン-メチルメタクリレート共重合体樹脂(EMMA)、エチレン-メタクリル酸共重合体樹脂(EMAA)、塩化ビニル樹脂等のエチレン系共重合体樹脂、ポリエチレン、プロピレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリイソプレン等のポリオレフィン系樹脂やこれらの樹脂の混合物等が挙げられる。
これらの樹脂は、電離放射線を照射することにより、容易に樹脂架橋させることでき、その照射により優れた耐スクラッチ性、耐摩耗性等、表面強度などが向上させることができる。これらの樹脂の中で、優れた耐スクラッチ性、耐摩耗性等、表面強度が優れる点で、EVA樹脂、EMAA樹脂が好ましく、特にEMAA樹脂が好ましい。
例えば、エチレン系樹脂(EVA樹脂、EMAA樹脂等)、無機充填剤、顔料、熱分解型発泡剤及びセル調整剤を含む樹脂組成物を好適に用いることができる。その他にも、安定剤、滑剤等を添加剤として用いることができる。発泡樹脂層14の厚みは特に限定されるものではないが、50~600μm程度が好ましく、100~500μm程度がより好ましい。
樹脂成分としてEVA樹脂を用いる場合、EVA樹脂中の酢酸ビニル単位(共重合比率)は特に限定されるものではないが、5~30質量%程度であることが好ましく、10~20質量%程度がより好ましい。樹脂成分のメルトフローレート値(MFR)は特に限定されないが、5~75g/10分程度が好ましく、40~70g/10分程度がより好ましい。なお、本明細書においてMFRは、JIS K 7210(熱可塑性プラスチックの流れ試験方法)記載の試験方法により測定した値である。試験条件は、JIS K 6760記載の「190℃、21.18N(2.16kgf)」を採用したものである。発泡樹脂層の発泡状態(例えば、発泡セルの大きさ、発泡セル密度等)は特に限定されず、粘着シートの種類、用途等に応じて適宜設計することができる。
また、樹脂成分として、EMAA樹脂を用いる場合は、EMAA樹脂中のメタクリル酸単位(共重合比率)は、4~20質量%程度であることが好ましい。樹脂成分のメルトフローレート値は、用いる重合体の種類等によるが、通常は60~200g/10分とすることが好ましい。特に、100~200g/10分という高い範囲でも、良好な発泡状態を維持できるという点で有利である。
発泡樹脂層14に使用する発泡剤は、上記した発泡剤の中でも化学発泡剤が好ましく、化学発泡剤の中でも熱分解型発泡剤が好ましい。熱分解型発泡剤としては公知の発泡剤から選択することができる。例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスホルムアミド等のアゾ系;オキシベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、パラトルエンスルホニルヒドラジド等のビドラジド系などが挙げられる。熱分解型発泡剤の配合量は、発泡剤の種類、発泡倍率等に応じて適宜設定できる。発泡倍率は、1.5倍以上、好ましくは3~7倍程度であることから、熱分解型発泡剤の配合量は、樹脂成分100質量部に対して、1~20質量部程度とすることが好ましい。また、物理発泡剤としては、熱膨張型マイクロカプセルが挙げられ、例えば、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン等の揮発性液体膨張剤を塩化ビニリデン-アクリロニトリル-ジビニルベンゼンコポリマー、メタアクリレート-アクリロニトリル-ジビニルベンゼンコポリマー等の熱可塑性高分子重合体殻中に内包したマイクロカプセルであって、平均直径が1~100μmの範囲にあるようなものが利用可能である。
発泡樹脂層14中には、以下に記載するセル調整剤、無機充填剤、顔料等の添加剤を配合することができる。
セル調整剤は、例えばステアリン酸亜鉛等の金属石鹸等を使用することができる。セル調整剤の配合量は、樹脂成分100質量部に対して、0.3~10質量部程度が好ましく、1~5質量部程度がより好ましい。
無機充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン、ホウ酸亜鉛、モリブデン化合物、シリカ、アルミナ、カオリン、等が挙げられる。該無機充填剤を含むことにより、目透き抑制効果、表面特性向上効果等が得られる。該無機充填剤の配合量は、樹脂成分100質量部に対して0~100質量部程度が好ましく、20~70質量部程度がより好ましい。
顔料については、例えば酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、黄鉛、モリブデートオレンジ、カドミウムイエロー、ニッケルチタンイエロー、クロムチタンイエロー、酸化鉄(弁柄)、カドミウムレッド、群青、紺青、コバルトブルー、酸化クロム、コバルトグリーン、アルミニウム粉、ブロンズ粉、雲母チタン、硫化亜鉛等の無機顔料;例えば、アニリンブラック、ペリレンブラック、アゾ系(アゾレーキ、不溶性アゾ、縮合アゾ)、多環式(イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、ペリノン、フラバントロン、アントラピリミジン、アントラキノン、キナクリドン、ペリレン、ジケトピロロピロール、ジブロムアンザントロン、ジオキサジン、チオインジゴ、フタロシアニン、インダントロン、ハロゲン化フタロシアニン)等の有機顔料が挙げられる。該顔料の含有量は、樹脂成分100質量部に対して10~50質量部程度が好ましく、15~30質量部程度がより好ましい。
<プライマー層>
プライマー層は、基材層11と粘着層13との接合力を向上させるために設けられる層であるが、本開示の粘着シート積層体1においては必須の構成ではない。
プライマー層は、基材層11がポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル系樹脂等の場合、ポリオールとイソシアネートとからなりイソシアネートを硬化剤とする2液硬化型ウレタン樹脂や、イソシアネートを硬化剤とする塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体系樹脂等を用いることができる。厚さは特に限定はないが、通常、0.5μm以上5μm以下である。
プライマー層により基材層11と粘着層13との接合力が向上している。そのため粘着シート積層体1において、粘着層13とその上面に積層される基材層11との接合力と、粘着層13とその下面に積層される意匠層10との粘着力との差を一層大きくすることができる。そのため、粘着シート積層体1から粘着シート2を剥がし取る際に、粘着層13と1枚下側の粘着シート2に係る意匠層10の剥離が一層容易となり、粘着シート積層体1から粘着シート2を一層容易に剥がし取ることができる。
また、粘着シート2においては、プライマー層により基材層11と粘着層13との接合力が向上しているため、壁や天井などの被着体に貼り付けられた粘着シート2を被着体から剥離する際に粘着層13が被着体側に残る、いわゆる糊残りが一層起こり難くなるという効果を奏する。
<意匠層>
意匠層10は上記通り、表面保護層18を含み、また、模様絵柄層17、ベタ絵柄層16のうち、少なくともいずれかを含むものである。本開示では、粘着シート2において、基材層11(発泡樹脂層14が存在する場合には発泡樹脂層14)より上面側(粘着層13が積層される側とは反対側)に存在する層をまとめて意匠層10と呼んでいる。意匠層10に係る上記各層の積層形態は上記説明の通りである。
<模様絵柄層>
絵柄層形成とは、意匠層10の一部としてインキの層である模様絵柄層17を積層することによって、色調が(全面均一では無く)平面内において変化して平面内で所望の模様を構成する形態である。絵柄層としては、平面内において積層される領域が局在化している(すなわち、全面被覆ではない)模様絵柄層17と平面内を全面被覆して平面内の色調が均一となったベタ絵柄層16とがある。
これら絵柄層は、後述の通り公知のインキを用いた公知の印刷法により形成する事ができる。
また、所望の面上に公知の転写印刷法により平面内で局在化した模様状の金属膜を転写したり、あるいは一旦所望の面全面に金属膜を積層した後に公知の方法により不要な領域の金属膜を除去して所望の領域に局在化した模様状の金属膜を形成することにより、平面内で局在化した模様状の金属膜を形成したりする形態もある。本発明においては、模様絵柄層17の1形態として金属膜の局在化した模様状領域への積層も包含する。
模様絵柄層17は、公知のインキを用い公知の印刷法により適宜所望の絵柄を印刷して形成する。適用可能な公知の印刷法としては、グラビア印刷、シルクスクリーン印刷、平版オフセット印刷、フレキソ印刷等の有版印刷法、或いはインキジェット印刷、各種転写印刷等の無版印刷法の中から適宜選択することができる。
インキは、樹脂バインダー中に着色剤、その他必要に応じて各種添加剤を添加してなる。
樹脂バインダーは、印刷する対象の材料と要求性能に応じて選択されるが、例えば、アクリル樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂、アルキド系樹脂等が用いられる。
着色剤としては、例えば、弁柄、バーミリオンレッド、カドミウムレッド、チタンイエロー、黄鉛、鉄黄、群青、紺青、コバルトブルー、緑青、鉄黒、カーボンブラック、チタン白、亜鉛華、アンチモン白等の無機顔料、キナクリドンレッド、ポリアゾレッド、イソインドリノンイエロー、ニッケル-アゾ錯体、フタロシアニンブルー、アゾメチンアゾ系黒顔料、ペリレン系黒顔料等の有機顔料乃至染料、アルミニウム、真鍮、錫等の金属の鱗片状箔片からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛、真珠貝等の貝殻等の鱗片状箔片からなる真珠光沢(パール)顔料等を1種単独で又は2種以上混合配色して用いることができる。
絵柄としては、木目柄、石目柄、布目柄、皮シボ柄、幾何学模様、文字、全面ベタ又はこれら組み合わせを、所望の意匠外観に応じて適宜選択することができる。
<ベタ絵柄層>
ベタ絵柄層16は上述の通り、絵柄層のうち、平面内をインキの層で全面被覆して平面内の色調が均一とした層ある。ベタ絵柄層16の形成(印刷)方法、用いるインキについては、上記模様絵柄層17における説明と同様である。絵柄は当然に着色ベタ柄である。本開示の意匠層10においては、模様絵柄層17、ベタ絵柄層16のうち、少なくともいずれかが存在するものであるが、ある絵柄が模様絵柄層17とベタ絵柄層16のどちらに該当するかを厳密に区別する必要はない。
<表面保護層>
表面保護層18は、意匠層10、すなわち粘着シート2の最表面に積層される。表面保護層18は、傷や汚れに対する耐性が高く、表面保護層18を傷や汚れから保護することができるため、意匠層10、ひいては粘着シート2の耐傷性や耐汚染性、耐久性や信頼性を高めることができる層である。また表面保護層18は、その表面において優れた離型性を有し、その上に積層された層と容易に離型することができる層である。
表面保護層18は、樹脂からなる層の積層、塗膜の塗工、又は樹脂からなる層の積層と塗膜の塗工の併用により形成することができる。
表面保護層18を形成する樹脂としては、粘着層13との離型性を重視するならば、例えば、シリコーン樹脂、有機樹脂変性シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アミノアルキド樹脂、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂等を挙げることができる。これらの樹脂は、水系、エマルジョン型、溶剤型又は無溶剤型のいずれも使用することができる。
また保護に係る一般的な材料として例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、エチレン-プロピレン-ブテン共重合体、エチレン-ビニルアルコール共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、メチルメタクリレート-ブチルメタクリレート共重合体等のアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、エチレン-塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、エチレングリコール-テレフタル酸-イソフタル酸共重合体、ポリエステル系熱可塑性エラストマー等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル-スチレン共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)等のスチレン系樹脂、ポリイソプレン、天然ゴム、エチレンプロピレンゴム(EPR)、クロロプレンゴム等のゴム、ウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂等が挙げられる。なお、上記例示した樹脂以外を用いてもよい。表面保護層18の厚みは用途、要求性能等に応じて適宜選定すればよいが、通常、0.5μm以上100μm以下とされる。
塗膜の塗工の場合には、例えば、熱硬化型ウレタン樹脂、熱硬化型ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等の公知の熱硬化型樹脂(1液硬化型又は2液硬化型のもの)、紫外線、電子線等の電離放射線の照射により架橋ないし重合するアクリル酸エステル系、エポキシ系、不飽和ポリエステル系等の公知の電離放射線硬化型樹脂等、水系アクリル樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂の中から適宜選択することができる。塗膜の厚さは、通常、0.5μm以上10μm以下(硬化後の膜厚)とすることができる。
以上説明した本開示に係る粘着シート積層体1においては、底面剥離シート20に対して粘着シート2が2枚以上積層されており、底面剥離シート20に隣接する粘着シート2を除き、その他の粘着シート2は剥離紙を有さない。そのため、粘着シート積層体1から剥がし取られた粘着シート2は、最後の1枚を除き剥離紙を除去することなく、その裏面に粘着層13が露出することとなるため、そのまま施工することができる。
例えば、粘着シート2を壁紙シートとして室内における壁や天井にそのまま貼り付けることができる。すなわち、本開示の粘着シート積層体1に係る粘着シート2は、壁紙として施工、すなわち壁や天井に貼り付ける際に、糊付けの必要がなくかつ剥離紙を除去する必要もない。そのため壁紙として施工する際に、除去された剥離紙が床に散乱してその低摩擦性に起因して職人が転倒する危険性を回避できる。また除去された剥離紙は通常廃棄されるが、その剥離紙を有さないため環境に優しいといった利点がある。
また、粘着シート2を粘着付きデスクマットとして使用する場合においても、そのまま机上に貼り付けることができ、上記壁紙シートとして使用する場合と同様の効果を得ることができる。
また、粘着シート積層体1においては、粘着シート2に係る粘着層13の裏面側は、1枚下側の粘着シート2に係る意匠層10の最表面に対し積層されている。上述の通り、意匠層10、すなわち粘着シート2の最表面には、表面保護層18が露出している。そのため粘着シート2に係る粘着層13の裏面側は、1枚下側の粘着シート2に係る表面保護層18に対し積層されることとなる。表面保護層18は、その表面において耐汚染性などに起因して優れた離型性を有し、その上に積層された層と容易に離型することができる層であるため、底面剥離シート20に対して2枚以上積層されている粘着シート2は、隣接して積層される粘着シート2相互において、粘着層13と表面保護層18の界面において容易に剥がし取ることができる。すなわち、粘着シート積層体1から粘着シート2を容易に剥がし取ることができる。
また、本開示の粘着シート積層体1は直方体形状であるため、保管性や輸送性が良いという利点がある。
粘着シート積層体1に係る粘着シート2においては、粘着層13は基材層11と接して積層されるが、基材層11は紙、織布、又は、不織布等を素材とするため、その表面が粗いことにより粘着層13との粘着性を高いものとすることができる。そのため、上記表面保護層18の優れた離型性と相まって、粘着シート積層体1から粘着シート2を一層容易にかつ安定して剥がし取ることができる。
また、粘着シート2においては、上記の通り基材層11と粘着層13との粘着性が高いため、壁紙シートとして壁や天井などの被着体に貼り付けられた粘着シート2を被着体から剥離する際に粘着層13が被着体側に残る、いわゆる糊残りが起こり難い。そのため粘着シート2は、その層構成を保ったまま破壊されることなく被着体から剥離することができる。また、粘着層13の粘着効果は凹形状13aに起因する吸盤効果が主であるため、剥離後の粘着シート2を壁紙シートとして別の被着体に対して貼り付けることができる。すなわち粘着シート積層体1に係る粘着シート2はリワーク性が良いという効果を奏する。
粘着シート2においては、粘着層13と基材層11との間にプライマー層を有する場合には、上記粘着性がさらに高まるため、上記効果を一層得ることができる。
(第2実施形態)
次に、本開示の第2実施形態に係る粘着シート積層体101について説明する。第2実施形態に係る粘着シート積層体101の概略斜視図は、図1(a)に示した第1実施形態に係る粘着シート積層体1の概略斜視図と同様となるため省略する。また、底面剥離シート20に対して、第2実施形態に係る粘着シート102が2枚積層された状態の粘着シート積層体101の断面の概略を表す断面図についても、図1(b)と同様となるため省略する。
粘着シート積層体101は、底面剥離シート20に対して、粘着シート102が2枚以上積層されたものである。また、粘着シート102は、粘着層13、基材層11、意匠層がこの順に積層されている。以上の点においては、第1実施形態に係る粘着シート積層体1、および粘着シート2と同様である。第1実施形態と第2実施形態との差異は意匠層の構成が異なっているのみで、その他の点については第1実施形態と同様である。すなわち、底面剥離シート20の剥離性の良い面と粘着シート102の粘着層13とが接触しており、粘着シート102が2枚以上積層されることにより、意匠層110と粘着層13とが接触している。なお上記積層順を乱さず、本開示の作用効果が大幅に損なわれない限りにおいては、上記各層間の任意の位置にさらに任意の層を設けても良い。
例えば、基材層11と意匠層110との間に発泡樹脂層14を設けてもよい。また、粘着層13と基材層11との間にプライマー層を設けてもよい。
第2実施形態における意匠層110は、少なくとも意匠樹脂層12を含んでおり、意匠樹脂層12は、意匠層110の最表面(粘着シート102の意匠層110における基材層11側の面側とは反対側の表面)、すなわち粘着シート102の最表面に位置する様に積層されている。
以下、第2実施形態に係る意匠層110の層構成について、具体的に説明する。
意匠層110が意匠樹脂層12のみから構成される場合(意匠層形態4)の概略断面図を図3(a)に示す。通常、意匠樹脂層12の表面(基材層11とは反対の面)に凹凸模様12aが形成され、凹凸模様12aに係る陰影や触感により、意匠樹脂層12が絵柄模様として機能するような場合である。意匠樹脂層12の凹凸模様12aに係る絵柄模様のとしては、一例として木目模様に係る導管柄である。
上記意匠層形態1~意匠層形態3において、表面保護層18を意匠樹脂層12に置き換えても良い。それらの場合においても、意匠樹脂層12が意匠層110の表面(基材層11とは反対の面)となる様に積層される。
意匠層形態1において表面保護層18を意匠樹脂層12に置き換えた場合には、意匠層110は基材層11に近い側から、模様絵柄層17、意匠樹脂層12の順に積層される(意匠層形態5、図3(b))。意匠層形態5においては、模様絵柄層17に係る絵柄模様と意匠樹脂層12に係る凹凸模様12aとが相まって、豊かな意匠を表現することができる。一例としては、模様絵柄層17に係る絵柄模様が木目模様であり、意匠樹脂層12の凹凸模様12aが導管柄である組み合わせである。
意匠層形態2において表面保護層18を意匠樹脂層12に置き換えた場合には、意匠層110は基材層11に近い側から、ベタ絵柄層16、意匠樹脂層12の順に積層される(意匠層形態6、図3(c))。意匠層形態6においては、ベタ絵柄層16の色彩が意匠樹脂層12に係る凹凸模様12aを補強して、豊かな意匠を表現することができる。意匠樹脂層12の凹凸模様12aに係る絵柄模様のとしては、一例として漆喰、セメント、壁土等の左官加工表面の鏝痕を模した模様である。
意匠層形態3において表面保護層18を意匠樹脂層12に置き換えた場合には、意匠層110は基材層11に近い側から、ベタ絵柄層16、模様絵柄層17、意匠樹脂層12の順に積層される(意匠層形態7、図3(d))。意匠層形態7においては、意匠層形態3に係る意匠性の高い絵柄模様に対し、更に意匠樹脂層12に係る凹凸模様12aが付加されるため、より一層意匠性の高い絵柄模様とすることができる。
<意匠樹脂層>
意匠樹脂層12は、意匠層110の各形態について上記説明した通り、意匠層110の最表面に積層されており、複数の凹凸模様12aがその表面に形成されている。図3(a)に示した上記意匠層形態4に係る意匠樹脂層12のみからなる意匠層110を有する粘着シート102の概略斜視断面図を図4に示す。
意匠樹脂層12上の凹凸模様12aは、例えば、木材の導管溝、浮造加工木材表面の秋材部の隆起した年輪等の木材表面凹凸を表現したり、布地の表面凹凸模様(いわゆるテクスチュア)を表現したり、花崗岩、砂岩等の石材表面の凹凸を表現したり、煉瓦積みやタイル貼りの目地溝を表現したり、金属表面のヘアライン加工の凹凸を表現したり、あるいは漆喰、セメント、壁土等の左官加工表面の鏝痕や吹付塗装痕等の凹凸模様を表現したりしてもよく、その形態(凹凸模様)はどのような形態であってもよい。
意匠樹脂層12を形成する樹脂としては、表面保護層18として先に例示した材料及び厚みのものの中から適宜選択することができる。意匠樹脂層12の厚みは用途、要求性能等に応じて適宜選定すればよいが、通常、0.5μm以上100μm以下とされる。
通常、意匠樹脂層12は、裏面の基材層11や被着体を隠蔽する設計とされる。そのために意匠樹脂層12にはチタン白等の隠蔽性の高い着色剤を添加して不透明且つ隠蔽性とする。但し、意匠樹脂層12を透視して、その裏面の基材層11、模様絵柄層17、ベタ絵柄層16などの意匠外観を視認する必要がある場合は、意匠樹脂層12は隠蔽性の着色剤や添加剤を含まず、裏面の意匠外観を視認するに足る透明なものとする。なお、ここで言う透明とは無色透明の他、着色透明、艷消透明も包含する。
本発明の粘着シート102には、意匠外観を高めるために加飾(あるいは加飾処理とも言う)を施す。加飾には着色加飾と形状加飾とに大別される。
着色加飾としては着色と絵柄層形成とに大別される。
着色とは、模様絵柄層17、およびベタ絵柄層16を有さず、意匠樹脂層12、基材層11等の所望の層に着色剤を添加することによって、当該層全面に所望の色調を付与する形態である。ここで、色調とは、色相、明度、彩度、及び光沢度からなる視覚的属性を意味する。
また、所望の層の表面に所望の色調を付与するその他の形態として、所望の層の表面に真空蒸着、スパッタリング、無電解メッキ、金属箔の積層等によりアルミニウム、ニッケル、クロム、金、銀、銅、錫、真鍮等の金属薄膜を積層する形態もある。本発明においては、着色の1形態として金属膜の全面への積層も包含する。これらの金属薄膜は模様絵柄層17、あるいはベタ絵柄層16と考えることもできる。
絵柄層形成とは、第1実施形態において説明した模様絵柄層17、あるいはベタ絵柄層16の少なくともいずれかを形成することである。
形状加飾としては、粘着シート2、102の表面、各構成層の層間界面、或いはこれらの両面上に凹凸形状からなる凹凸模様を賦形する形態である。凹凸模様としては、上記の意匠樹脂層12上の凹凸模様として例示した様な各種形状が適用できる。また、凹凸模様の賦形方法としては公知の各種賦形方法を適用する事ができる。通常多用される賦形方法は、所望の凹凸模様と平面視形状が同一で且つ逆凹凸のエンボス版(賦形型)を用意し、加熱軟化した意匠樹脂層12の賦形すべき表面にエンボス版を押圧して、意匠樹脂層12表面をエンボス版表面の凹凸形状に賦形すると共に軟化樹脂を冷却固化せしめて賦形した凹凸模様を固定し、その後にエンボス版を離型する方法である。
粘着シート積層体101においては、粘着シート102に係る粘着層13の裏面側は、1枚下側の粘着シート102に係る意匠層110の最表面に対し積層されている。上述の通り、意匠層110の最表面、すなわち粘着シート102の最表面には、意匠樹脂層12が露出している。そのため粘着シート102に係る粘着層13の裏面側は、1枚下側の粘着シート102に係る意匠樹脂層12に対し積層されることとなる。意匠樹脂層12は、上述の通りその表面に凹凸模様12aが形成されており、粘着層13は意匠樹脂層12表面の凸部分にしか接触しないため、粘着層13と意匠樹脂層12との接触面積は少ないものとなっており、粘着層13に係る元々の粘着力とも相まって、粘着層13と意匠樹脂層12とは容易に離型することできる。そのため、底面剥離シート20に対して2枚以上積層されている粘着シート102は、隣接して積層される粘着シート102相互において、粘着層13と意匠樹脂層12の界面において容易に剥がし取ることができる。すなわち、粘着シート積層体101から粘着シート102を容易に剥がし取ることができる。
第2実施形態に係る粘着シート積層体101、および粘着シート102に係るその他の効果は、上記説明した第1実施形態に係る粘着シート積層体1、および粘着シート2に係る効果と同様である。
〔粘着シート積層体の製造方法〕
(実施形態)
次に、第1実施形態に係る粘着シート積層体1、および第2実施形態に係る粘着シート積層体101の製造方法について説明する。図5は、粘着シート積層体1、101の製造装置を示す図であり、図6は、粘着シート積層体1、101の製造途中における積層状態を示す概略断面図である。ここでは、一例として、粘着シート102が、粘着層13、基材層11、模様絵柄層17、意匠樹脂層12からなり、上記順序に積層される場合について説明する。この形態は意匠層110が上記説明した意匠層形態5である場合に相当する。
少なくとも一方の面に剥離性の良い面を有する底面剥離シート20を準備する(図6(h))。
別途、粘着層13を形成するための特許文献2に開示されているアクリルエマルジョンの組成物を攪拌機に入れ、この組成物中に窒素ガスを混合しながら攪拌を行い、組成物中に気泡を含め、気泡含有組成物130を作製する(図5のP1:泡立て工程)。
次に、別途、いわゆる剥離紙として離型性基材シート25を準備し(図6(a))、離型性基材シート25上に気泡含有組成物130を塗工し、気泡含有組成物130の液状塗工層を形成する(図5のP2:塗工工程)。塗工工程では、例えば、コンマコータを用いることができるが、その他の公知の塗工手法を用いてもよい。
離型性基材シート25上に気泡含有組成物の液状塗工層を塗工したら、該液状塗工層を加熱しながら乾燥させて気泡含有組成物の固化塗工層として粘着層13を形成する(図5のP3:乾燥工程、図6(b))。乾燥工程では、例えば、温度を60℃~140℃程度の乾燥炉を用いることができる。乾燥時間としては、例えば、30秒~10分程度を例示することができる。また、乾燥工程では、気泡含有組成物130に対して送風を行いながら乾燥を促進してもよい。乾燥工程を行うことにより、気泡含有組成物130の固化塗工層の露出面側(図6における上側)及び離型性基材シート25側(図6における下側)の両面に平均直径が同一ないし略同一の開口部を有する凹形状13aが形成されて、粘着層13が形成される。この凹形状13aは、気泡含有組成物130中に含まれていた気泡のうち該露出面側近傍の気泡が破泡して固化塗工層の露出面側に気泡の形状の一部が残り、一方、固化塗工層と離型性基材シート25との界面及びその近傍に集まった気泡が気泡含有組成物の固化によって、固化した該組成物中の気泡との界面形状が固定化することにより形成される。ここで、気泡含有組成物130の硬化が不十分な状態で気泡が破泡すると凹形状13aが残りにくくなる。一方、気泡が破泡する前に気泡含有組成物130が硬化してしまうと、凹形状13aが形成されないおそれがある。よって、ある程度、気泡含有組成物130の硬化が進んだ状態で破泡が行われる条件で乾燥工程が行われることが望ましい。したがって、乾燥工程における温度や送風量が、凹形状13aの状態に大きく影響を与える。
別途、基材層11を準備し(図6(c))、基材層11の一方の面に印刷などの方法で模様絵柄層17を積層する(図6(d))。次いで模様絵柄層17の基材層11側の面とは反対側の面に意匠樹脂層12を積層し、意匠樹脂層12の露出する表面側にエンボス加工などの方法で凹凸模様12aを賦形し、粘着なし粘着シートを得る(図6(e))。
乾燥工程により粘着層13を形成した後、露出する粘着層13と、粘着なし粘着シートの基材層11とを接合させる(図5のP4:貼り付け工程、図6(f))。この貼り付け工程では、粘着層13の凹形状13aによる吸着力(粘着力)によって貼り付けを行うので、加熱が不要であり、また、僅かな加圧力だけで接合が可能である。よって、基材層11、模様絵柄層17および意匠樹脂層12にダメージを与えることがない。
上記貼り付け工程が完了すれば、離型性基材シート25を有する粘着シート102が得られる。以上の様に粘着層13を形成するにあたり、まず離型性基材シート25に対し粘着層13を形成する方法であれば、粘着シート102の製造において、基材層11、模様絵柄層17および意匠樹脂層12に粘着層13形成時の熱や気泡含有組成物中の溶剤等の低分子量成分によるダメージを与えることなく、粘着シート102を効率よく製造可能である。
離型性基材シート25を有する粘着シート102は、離型性基材シート25が上面となる向きに搬送され、下面側からカッターでハーフカットされる(図5のP5:ハーフカット工程)。ハーフカットとは、厚さ方向において途中まで切断し、その先は切断しないような切断方法である。ハーフカット工程におけるハーフカットは、離型性基材シート25を有する粘着シート102において、粘着シート102は切断するが離型性基材シート25は切断しない。離型性基材シート25を有する粘着シート102は、ハーフカット工程後においても、粘着層13による粘着力のため、粘着シート102部分と離型性基材シート25部分とが分離せずに、粘着シート102にハーフカット線が入った状態のまま搬送される。
次に、粘着シート102にハーフカット線が入った状態である離型性基材シート25を有する粘着シート102から離型性基材シート25を剥離除去する(図5のP6:剥離工程、図6(g))。この工程おいて、粘着シート102はハーフカット線により互いに分離し、枚葉状粘着シート102Mとなり、粘着層13を上面に露出した状態でローラー上を搬送される。ローラーで搬送される経路の途中に、枚葉状粘着シート102Mが落下できるだけの落下開口が生じるように水平方向に往復運動するスライドローラー群SRが設けられている。ローラー上を搬送される枚葉状粘着シート102Mが所定位置に到達したタイミングで、スライドローラー群SRがスライドし落下開口が形成される。該枚葉状粘着シート102Mは落下開口からスタッカーSTのジグにガイドされつつ自由落下して、スタッカーST内に粘着層13を上面に露出した状態で積層されていく(図5のP7:粘着シート積層工程)。枚葉状粘着シート102Mが所定枚数積層されたところで、スタッカーSTごと別の位置に移動し、所定枚数積層された枚葉状粘着シート102Mの最上面に、最初に準備しておいた底面剥離シート20を剥離性の良い面を下向きにして積層する(図5のP8:底面剥離シート積層工程、図6(i))。上記により、製造方法の実施形態に係る粘着シート積層体101を製造することができる。落下開口の下には新たなスタッカーがセットされる。また、底面剥離シート積層工程の後、粘着シート積層体101の外周の少なくとも一部を粘着シート102の厚さ方向に断裁することで、粘着シート積層体101の外周面(該断裁に係る面)を整えても良い。
以上の製造方法を換言すると、本開示に係る粘着シート積層体1、101の製造方法は、底面剥離シート20を準備する工程と、離型性基材シート25を準備する工程と、離型性基材シート25に気泡含有組成物130を塗工する工程と、気泡含有組成物130を加熱、乾燥させて粘着層13を形成する工程と、基材層11と意匠層10との積層体の基材層側の面と離型性基材シート25に形成された粘着層13とを接合させ離型性基材シートを有する粘着シートとする工程と、離型性基材シートを有する粘着シートに対し、粘着シート側からハーフカットすることで、離型性基材シートを有するハーフカットされた粘着シートとする工程と、離型性基材シートを有するハーフカットされた粘着シートから離型性基材シート25を剥離し、枚葉状粘着シート2M、102Mとする工程と、2枚以上の枚葉状粘着シート2M、102Mを積層し、その粘着層13側の面に底面剥離シート20を積層し粘着シート積層体1、101とする工程と、を有する粘着シート積層体1、101の製造方法である。
<離型性基材シート>
離型性基材シート25は、いわゆる剥離紙の機能を果たすものであるが、上記実施形態に係る粘着シート積層体1、101を製造する際には、その途中の工程でのみ用いられるもので、完成した粘着シート積層体1、101には存在しない構成である。離型性基材シート25は、粘着シート2、102を構成する各層に対する粘着層13形成時の熱や気泡含有組成物中の溶剤等の低分子量成分によるダメージの回避、および製造途中における取扱性を考慮して設けられ、上記の通り粘着シート積層体1、101として積層される前に剥離除去されるものである。
離型性基材シート25の材料、厚さなどは、上記底面剥離シート20で説明した内容と同様であるため説明は省略する。
実施形態に係る製造方法においては、粘着層13は離型性基材シート25に対し、積層形成され、その後粘着なし粘着シートと接合される。そのため、粘着なし粘着シートに係る各層、すなわち粘着シート2、102における粘着層13を除く各層は、粘着層13を形成する際の乾燥工程における熱や気泡含有組成物中の溶剤等の低分子量成分の影響を受けることがない。そのため、粘着シート積層体1、101、および粘着シート2、102を高品質なものとすることができる。
また、実施形態に係る製造方法においては、離型性基材シート25を使用するものの、工程途中において離型性基材シート25を単独で破壊することなく巻き取っている。この単独で破壊することなく巻き取られた離型性基材シート25は、その後、別の粘着シート積層体1、101を製造する際に、再利用することができる。そのため、製造途中においては離型性基材シート25を使用するものの、剥離後は破棄されることなく再利用可能であるため、環境に優しい製造方法である。
実施形態に係る製造方法にて製造された粘着シート積層体1、101においても、粘着シート積層体1、101について上記説明した効果を当然に有する。
以上、本開示に係る粘着シート積層体、および粘着シート積層体の製造方法について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本開示の技術的範囲に包含される。
本開示に係る粘着シート積層体1、101においては、粘着シート2、102を容易に剥がし取ることができる。剥がし取られた粘着シート2、102は、離型性基材シート25を剥離除去することなくそのまま粘着付きの壁紙シートとして、壁や天井に施工することができる。また、粘着シート2、102を粘着付きデスクマットとして使用する場合においても、そのまま机上に貼り付けることができる。すなわち、粘着シート2、102は、施工性に優れ、また剥離紙による転倒を予防した粘着シートとして使用することができる。また粘着シート積層体1、101の状態においては、直方体形状であり、保管や輸送あるいは陳列の際に便宜であるため、職人が施工する際の壁紙シートとして有用である他、DIY用途など個人向けの壁紙シートとしても有用である。また粘着シート2、102は住宅や建築物の内装のみならず、自動車や鉄道車両などの輸送機器における内装などとしても好適に用いることもできる。
1、101 粘着シート積層体
2、102 粘着シート
10、110 意匠層
11 基材層
12 意匠樹脂層
12a 凹凸模様
13 粘着層
13a 凹形状
14 発泡樹脂層
16 ベタ絵柄層
17 模様絵柄層
18 表面保護層
20 底面剥離シート
25 離型性基材シート
130 気泡含有組成物

Claims (6)

  1. 底面剥離シートに対し粘着シートが2枚以上積層された粘着シート積層体であり、
    前記粘着シートは、粘着層、基材層、意匠層がこの順に積層され、
    前記底面剥離シートと前記粘着層とが接触しており、
    前記粘着シートが積層されることにより前記意匠層と前記粘着層とが接触している、粘着シート積層体。
  2. 前記粘着層は、その両面に複数の凹形状を備えている、請求項1に記載の粘着シート積層体。
  3. 前記凹形状は、前記粘着層の両面に均等に形成されている、請求項2に記載の粘着シート積層体。
  4. 前記基材層側の面に開口する前記凹形状の各開口部の直径の平均値をDave 1とし、前記基材層とは反対側の面に開口する前記凹形状の各開口部の直径の平均値をDave 2としたときに、
    |Dave 1-Dave 2|/Dave 2≦0.5
    の関係を満たす請求項2または請求項3のいずれか1項に記載の粘着シート積層体。
  5. 前記意匠層は、意匠樹脂層、および表面保護層の少なくともいずれかを含む、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の粘着シート積層体。
  6. 底面剥離シートを準備する工程と、
    離型性基材シートを準備する工程と、
    前記離型性基材シートに、気泡含有組成物を塗工する工程と、
    前記気泡含有組成物を加熱、乾燥させて粘着層を形成する工程と、
    基材層と意匠層との積層体の前記基材層側の面と、前記離型性基材シートに形成された前記粘着層とを接合させ、離型性基材シートを有する粘着シートとする工程と、
    前記離型性基材シートを有する粘着シートに対し、前記粘着シート側からハーフカットすることで、離型性基材シートを有するハーフカットされた粘着シートとする工程と、
    前記離型性基材シートを有するハーフカットされた粘着シートから前記離型性基材シートを剥離し、枚葉状粘着シートとする工程と、
    2枚以上の前記枚葉状粘着シートを積層し、その前記粘着層側の面に前記底面剥離シートを積層し粘着シート積層体とする工程と、
    を有する粘着シート積層体の製造方法。
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