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JP2022139430A - バランサ装置及びこのバランサ装置を備えた内燃機関 - Google Patents

バランサ装置及びこのバランサ装置を備えた内燃機関 Download PDF

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JP2022139430A
JP2022139430A JP2021039814A JP2021039814A JP2022139430A JP 2022139430 A JP2022139430 A JP 2022139430A JP 2021039814 A JP2021039814 A JP 2021039814A JP 2021039814 A JP2021039814 A JP 2021039814A JP 2022139430 A JP2022139430 A JP 2022139430A
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balancer
oil
balancer shaft
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internal combustion
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JP2021039814A
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雅史 栗田
Masafumi Kurita
雅俊 松尾
Masatoshi Matsuo
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Hitachi Astemo Ltd
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Hitachi Astemo Ltd
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Abstract

Figure 2022139430000001
【課題】バランサ駆動ギアが固定された第1バランサシャフトを軸受けする軸受部の熱を効果的に放熱することができる内燃機関のバランサ装置及びオイルポンプ付きバランサ装置を提供する。
【解決手段】第1バランサシャフトの回転軸線の方向において、第1バランサシャフト第1軸受部と第1バランサシャフト第2軸受部との間に設けられ、オイルパンの側に開口したオイルストレーナの吸入開口部と、吸入開口部から第1バランサシャフト第1軸受部に向かって延びて、オイルポンプの吸込み部と接続されるオイルストレーナのオイル吸入通路と有し、オイルストレーナの吸入開口部とオイルストレーナのオイル吸入通路は、ハウジングに一体的に形成されている。オイルストレーナの吸入開口部からオイルポンプに向かうオイル吸入通路は、ハウジングに一体的に形成されているので、オイル吸入通路を流れるオイルは、ハウジングを形成する金属を介して第1バランサシャフトの軸受部の熱を効率よく持ち去ることができる。
【選択図】図10

Description

本発明は内燃機関のバランサ装置及びこのバランサ装置を備えた内燃機関に係り、特にクランクシャフトの回転をクランクギア(機関側ギア)によってバランサ装置に伝達するバランサ装置及びこのバランサ装置を備えた内燃機関に関するものである。
一般的な内燃機関においては、クランクシャフトによって駆動される第1バランサシャフトと、この第1バランサシャフトによって駆動される第2バランサシャフトとを回転自在に収容してなるバランサ装置を設け、このバランサ装置によって内燃機関で生じる振動を低減するようにしている。
そして、これらの第1バランサシャフト及び第2バランサシャフトにはバランサウエイトが設けられており、これら第1バランサシャフト及び第2バランサシャフトをクランクシャフトの回転数の2倍で回転させ、クランクシャフトに生じる慣性力と第1バランサシャフト、及び第2バランサシャフトで生じる慣性力とを釣り合わせることによって、内燃機関の振動を低減するようにしている。
このバランサ装置においては、国際公開第2017/141917号(特許文献1)にあるように、バランサ装置を内燃機関本体の下部に締結してオイルパン内に配置し、両バランサシャフトのうちの第1バランサシャフトを、クランクギア(クランクシャフトによって回転される)によって回転駆動し、この第1バランサシャフトによって第2バランサシャフトを同期用のギア伝動手段を介して駆動すると共に、第2バランサシャフトによってオイルポンプを駆動している。
このバランサ装置においては、平行に配置された第1バランサシャフト及び第2バランサシャフトを設け、第1バランサシャフト及び第2バランサシャフトの一端側に、第1ギア及び第2ギアを夫々噛み合わせたギア伝動機構を設けている。この場合、第1ギアと第2ギアは同じ歯数であり、第1バランサシャフト及び第2バランサシャフトは同じ回転数で同期回転するようになっている。
そして、第1バランサシャフトの他端にはバランサ駆動ギアを設け、また、第2バランサシャフトの他端にはオイルポンプ駆動用の減速ギアを設けており、この減速ギアは、オイルポンプの回転軸に固定されたポンプ駆動ギアに噛み合わされている。そして、内燃機関によって回転されるクランクギアと第1バランサシャフトのバランサ駆動ギアが噛み合わされているので、内燃機関のクランクシャフトによってクランクギアが回転されると、この回転は、バランサ駆動ギア⇒第1バランサシャフト⇒第1ギア⇒第2ギア⇒第2バランサシャフト⇒減速ギア⇒ポンプ駆動ギアに伝えられ、最終的にオイルポンプが回転、駆動されるものである。
ここで、上述したバランサ駆動ギア、第1バランサシャフト、第1ギア、第2ギア、第2バランサシャフト、及び減速ギアは、下部側ハウジングに載置されると共に、下部側ハウジングに組み合わされる上部側ハウジングによって覆われ、両ハウジングによって形成される空間に収納される。
バランサ駆動ギアにはクランクギアが上側から噛み合うので、バランサ駆動ギア、及びこれに近接して配置されたポンプ駆動ギアが位置する領域の上部側ハウジングは切り欠かれて開放される構造となっている。
国際公開第017/141917号
ところで、クランクギアは、バランサ駆動ギアを下側方向(必ずしも真下方向ではない)に組み付けられ、クランクギアの回転力をバランサ駆動ギアに伝達するとき、クランクギアとバランサ駆動ギアの噛合によって生じる力が、バランサ駆動ギアに向かって生じる。このため、バランサ駆動ギアが固定された第1バランサシャフトが、この第1バランサシャフトを軸受けする軸受部に強く押し付けられ、この押し付け部分で多量の熱が発生するようになる。
軸受部が発熱すると、軸受部と第1バランサシャフトの間の間隙が大きくなって、第1バランサシャフトが軸受部との隙間で移動することになり、クランクギアとバランサ駆動ギアとの間の歯打ち音が大きくなる現象がある。
したがって、この歯打ち音を抑制するために、バランサ駆動ギアが固定された第1バランサシャフトを軸受けする軸受部の熱を効果的に放熱することが要請されている。このため、オイルパンに貯留されている潤滑オイルを利用して放熱を行うのが合理的である。
しかしながら、特許文献1にあるバランサ装置は、オイルストレーナからオイルポンプに向かうオイル吸入通路は、下部側ハウジングの外面と間隔をあけて設けられているため、オイル吸入通路を流れるオイルは、第1バランサシャフトの軸受部の熱を効率よく持ち去ることができない。
本発明の目的は、バランサ駆動ギアが固定された第1バランサシャフトを軸受けする軸受部の熱を効果的に放熱することができる内燃機関のバランサ装置及びこのバランサ装置を備えた内燃機関を提供することにある。
本発明は、
少なくとも、オイルパンのオイルを吸入するオイルポンプと、オイルポンプが取り付けられ、ハウジング内に形成された収納空間の内部に収納されたバランサ本体とを有する内燃機関のバランサ装置において、
バランサ本体は、少なくとも内燃機関のクランクギアと噛み合うバランサ駆動ギアが設けられたバランサシャフトを備え、
ハウジングに収納されたバランサシャフトの回転軸線の方向において、第1バランサシャフトのバランサ駆動ギアの側の位置に設けられバランサシャフトを軸支するバランサシャフト第1軸受部と、バランサシャフトのバランサ駆動ギアの反対側の位置に設けられバランサシャフトを軸支するバランサシャフト第2軸受部とを備え、
回転軸線の方向において、少なくともバランサシャフト第1軸受部とバランサシャフト第2軸受部との間に設けられ、回転軸線に直交する方向において、オイルパンのオイルを吸入可能に開口されたオイルストレーナの吸入開口部と、オイル吸入開口部からバランサシャフトに沿って延びてオイルポンプの吸込部と接続されるオイルストレーナのオイル吸入通路と有し、オイルストレーナのオイル吸入開口部とオイルストレーナのオイル吸入通路はハウジングに形成されている
ことを特徴としている。
本発明によれば、オイルストレーナのオイル吸入開口部からオイルポンプに向かうオイル吸入通路は、ハウジングに一体的に形成されているので、オイル吸入通路を流れるオイルは、ハウジングを形成する金属を介してバランサシャフトの軸受部の熱を効率よく持ち去ることができる。これによって、クランクギアとバランサ駆動ギアとの間の歯打ち音が大きくなるのを抑制することができる。
バランサ装置が設けられた内燃機関の断面を示す断面図である。 図1に示すバランサ装置の分解斜視図である。 本発明の第1の実施形態になるバランサ装置を軸方向に断面した断面図である。 図3に示すバランサ装置で上部側ハウジングの方から見た上面図である。 バランサ装置を下部側ハウジングの左下側から見た外観斜視図である。 バランサ装置を下部側ハウジングの右下側から見た外観斜視図である。 組み付け前の下部側ハウジングを外部側から見た外観図である。 組み付け前の下部側ハウジングの内部側を見た外観図である。 クランクギア、バランサ駆動ギア15、減速ギア21、及びポンプ駆動ギアの噛み合い状態を説明する説明図である。 図4のA‐A断面の断面図である。 図4のB‐B断面の断面図である。 図4のC‐C断面の断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例をもその範囲に含むものである。
本発明の実施形態を説明する前に、先ず図1に基づいて内燃機関とバランサ装置の設置状態を説明する。図1は内燃機関01の縦断面を示すものである。内燃機関01は例えば、直列4気筒のレシプロ方式の内燃機関である。シリンダヘッド02の下部には、シリンダブロック03が設けられており、シリンダブロック03の下面には、シリンダブロック04が固定されている。シリンダブロック04には、図示しないクランクシャフトが回転自在に支持されており、クランクシャフトは、その軸方向を内燃機関の前後方向に沿って配置されている。
内燃機関01は、車体前後方向に対してクランクシャフトが横向きとなるように車両に搭載されており、クランクシャフトの軸方向における一部分には、図示しないクランクギアが固定されている。クランクギアは後述するバランサ装置10を駆動するための駆動ギアである。
更に、シリンダブロック04の下部には、内部に潤滑オイルが貯留されるオイルパン05が取り付けられており、このオイルパン05の内部には、内燃機関01の二次振動を抑制するためのバランサ装置10が収容されている。オイルパン05は、内燃機関とは反対側(地側)に設けられており、内燃機関の摺動部分を潤滑するに潤滑オイルを貯留している。
バランサ装置10は、詳細は後述するが、上部側ハウジング、下部側ハウジング、バランサ本体、及びオイルポンプ11を有している。上部側ハウジング、及び下部側ハウジングは、複数のバランサ締結ボルト06により、上下方向に重なる状態でシリンダブロック04の下面に固定されている。また、オイルポンプ11は、バランサ装置10に複数のオイルポンプ締結ボルト07によって連結されて一体化されている。オイルポンプ11は、所定の運転状態に応じてポンプ室の容積変化量を変化させる可変容量形オイルポンプである。
本実施形態に使用される可変容量形オイルポンプは、ポンプ高回転時にポンプ室の容積変化量を減少させる機構を有するベーンポンプであり、例えば、特開2011-111926号公報等に記載された公知のものが用いられている。オイルポンプ11は、複数のオイルポンプ締結ボルト07により下部側ハウジングの正面側に固定されている。オイルポンプ11は下部側ハウジングに取り付けられているため、高い支持剛性が得られるものである。
ところで上述したように、バランサ装置10を駆動するクランクギアは、バランサ駆動ギアとの噛み合いを適切にするため、バランサ駆動ギアを下側方向(オイルパン側)に押圧するように組み付けられている。このため、バランサ駆動ギアが固定された第1バランサシャフトが、この第1バランサシャフトを軸受けする軸受部に強く押し付けられ、この押し付け部分で多量の熱が発生するようになる。
軸受部が発熱すると、軸受部と第1バランサシャフトの間の間隙が大きくなって、第1バランサシャフトが軸受部との隙間で移動することになり、クランクギアとバランサ駆動ギアとの間の歯打ち音が大きくなる現象がある。
この歯打ち音を抑制するために、バランサ駆動ギアが固定された第1バランサシャフトを軸受けする軸受部の熱を効果的に放熱することが必要である。このため、オイルパンに貯留されている潤滑オイルを利用して放熱を行うのが合理的である。
しかしながら、特許文献1にあるバランサ装置は、オイルストレーナからオイルポンプに向かうオイル吸入通路は、下部側ハウジングの外面と間隔をあけて設けられているため、オイル吸入通路を流れるオイルは、第1バランサシャフトの軸受部の熱を効率よく持ち去ることができない、という課題がある。
また、製造上の観点からすると、オイルストレーナからオイルポンプに向かうオイル吸入通路は、下部側ハウジングの外面と間隔をあけて設けられている。このため、オイルストレーナを個別に制作し、この後にオイルストレーナを下部側ハウジングに改めて固定することが必要となり、製造コストが高騰するという課題がある。
そこで、本実施形態では、図1にあるオイルパンの側に開口したオイルストレーナのオイル吸入開口部と、このオイル吸入開口部からオイルポンプの吸込部を接続するオイルストレーナのオイル吸入通路とを、下部側ハウジングに一体的に形成したことを特徴としている。
オイルストレーナのオイル吸入開口部からオイルポンプに向かうオイル吸入通路は、下部側ハウジングに一体的に形成されているので、オイル吸入通路を流れるオイルは、ハウジングを形成する金属を介して第1バランサシャフトの軸受部の熱を効率よく持ち去ることができる。
また、オイルストレーナのオイル吸入開口部とオイル吸入通路とを、下部側ハウジングに一体的に形成したので、オイルストレーナを個別に制作し、この後にオイルストレーナをハウジングに改めて固定することが必要なくなり、製造コストの高騰を抑制することができる。
以下、本発明の第1の実施形態について図2~図12を用いて詳細に説明する。図2は、バランサ装置10を構成部品毎に分解して斜めから眺めたものである。図面の左側が車両の前側(フロント側)であり、図面の右側が車両の後側(リア側)である。そして、このバランサ装置10は図1に示すようにシリンダブロック04に、バランサ締結ボルト06によって固定される。
図2において、下部側ハウジング12と上部側ハウジング13で形成される収納空間には、内燃機関の振動を抑制するバランサ本体が収納されており、更に、図面の右の車両の後側にはオイルポンプ11が、オイルポンプ締結ボルト07によって固定される。オイルポンプ11には、吸入したオイルを吐出するオイル吐出口27が設けられている。オイル吐出口27から吐出されたオイルは、内燃機関に送られて内燃機関の機械的な摺動部を潤滑した後にオイルパンに回収される。
バランサ本体は、バランサウエイトを有する第1回転系と、これもバランサウエイトを有する第2回転系から構成され、第1回転系の回転をギア伝動機構で反転させて第2回転系を回転させる構成となっている。そして、第1回転系と第2回転系を回転させることで、起振力を発生させ、ピストンの往復運動に起因する内燃機関の起振力二次成分と逆位相の起振力を発生させて内燃機関の振動の低減を図るようにしている。
第1回転系は、第1バランサシャフト14の両端に固定されたバランサ駆動ギア15、第1ギア16、及び第1バランサシャフト14を軸支する第1バランサシャフト第2軸受部17、第1バランサシャフト第1軸受部18、及び第1バランサシャフト14に設けられた第1バランサウエイト19から構成されている。
第1バランサシャフト第2軸受部17と第1バランサシャフト第1軸受部18は、下部側ハウジング12と上部側ハウジング13の間に支持され、これによって第1バランサシャフト14を回転、支持するものである。また、バランサ駆動ギア15、第1ギア16は、下部側ハウジング12と上部側ハウジング13の間の収納空間に回転可能に収納されている。
一方、第2回転系は、第2バランサシャフト20の両端に固定された減速ギア21、第2ギア22、及び第2バランサシャフト20を軸支する第2バランサシャフト第2軸受23、第2バランサシャフト第1軸受部24、及び第2バランサシャフト23に設けられた第2バランサウエイト25から構成されている。ここで、減速ギア21はオイルポンプ11の回転軸に固定されたポンプ駆動ギア(図9に示すポンプ駆動ギア48を参照)と噛み合わされ、ポンプ駆動ギアを回転させるものである。
また、第2バランサシャフト第2軸受23と第2バランサシャフト第1軸受部24は、下部側ハウジング12と上部側ハウジング13の間に支持され、これによって第2バランサシャフト20を回転、支持するものである。また、減速ギア21、第2ギア22は、下部側ハウジング12と上部側ハウジング13の間の収納空間に回転可能に収納されている。下部側ハウジング12と上部側ハウジング13はハウジング固定ボルト08によって互いに一体化されている。
ここで、ポンプ駆動ギアはオイルポンプ11に一体的に固定されているので、図2の図面では隠れて見ることができない。
そして、バランサ装置10の上方に配設されているクランクシャフトに固定されたクランクギアが回転すると、このクランクギアの回転数の2倍の回転数で、バランサ駆動ギア15が回転し、バランサ駆動ギア15が固定された第1バランサシャフト14も回転されるようになる。また、第1バランサシャフト14に固定された第1ギア16と噛み合った第2ギア22が回転することで、第1バランサシャフト14と位相調整された第2バランサシャフト20を回転させ、バランサ起振力を発生させている。
このバランサ装置10は、ピストンの往復運動に起因する内燃機関の起振力の二次成分と逆位相の起振力を発生させて、内燃機関の振動を低減するものである。このようなバランサ装置10は良く知られたものである。
図3は、バランサ装置10の軸方向断面を示している。図3において、バランサ装置10の後側には、オイルポンプ11が固定されており、バランサ装置10に内蔵された第2バランサシャフト20によって回転駆動されるものである。バランサ装置10は、下部側ハウジング12と上部側ハウジング13によって形成された収納空間に、バランサ本体が収納されている。
図3においては、第2バランサシャフト20側を断面したものであり、オイルポンプ11側の第1バランサシャフト14(図2参照)の端面にはバランサ駆動ギア15が固定されている。このバランサ駆動ギア15は、クランクシャフトによって回転されるクランクギア(図9に示すクランクギア47を参照)によって回転、駆動されるものである。
また、第2バランサシャフト20の一端には、オイルポンプ11のポンプ駆動ギアと噛み合う減速ギア21が固定され、第2バランサシャフト20の他端には、ギア伝動機構を構成する第2ギア22が固定されている。この第2ギア22は、図2にあるように、第1バランサシャフト14に固定された第1ギア16に噛み合う構成とされている。更に、減速ギア21と第2ギア22の間の第2バランサシャフト20には第2バランサウエイト25が設けられている。
第2バランサウエイト25と第2ギア22の間は第2バランサシャフト第2軸受部23で軸支され、バランサウエイト25と減速ギア21の間は第2バランサシャフト第1軸受部24で軸支されている。第2バランサシャフト第2軸受部23及び第2バランサシャフト第1軸受部24は、下部側ハウジング12の内部に設けられた軸受支持部で支持されている。また、第1バランサシャフト第2軸受部17及び第1バランサシャフト第1軸受部18も同じ構成とされている。
第2バランサシャフト第2軸受部23と第2バランサシャフト第1軸受部24、及び第1バランサシャフト第2軸受部17と第1バランサシャフト第1軸受部18は、転動軸受や平軸受を用いることができるが、本実施形態では平軸受を使用している。
オイルポンプ11の回転軸にはポンプ駆動ギア(図9に示すクランクギア48を参照)が固定されており、第2バランサシャフト20の端面に固定された減速ギア21で回転される。オイルポンプ11のポンプ駆動ギアはオイルポンプ11と一体化されており、バランサ装置10に組み付けられることによって、減速ギア21と噛み合される。したがって、ポンプ駆動ギアは、下部側ハウジング12及び上部側ハウジング13のオイルポンプ11側の端面とオイルポンプ11の間に配置される構成となっている。
上部側ハウジング13のバランサ駆動ギア15が配置される領域には、露出開口(図4参照)が形成されており、この露出開口からバランサ駆動ギア15の一部が上側に突出して露出されている。これによって、クランクギアと噛み合わせることが可能となる。また、露出開口からオイルポンプ11の側には、上部側ハウジング13に形成された、ポンプ駆動ギアを上側から覆う防油壁(図4参照)が形成されている。
下部側ハウジング12の下側(オイルパン側)には、オイルパン05(図1参照)に貯留された潤滑オイルを吸引して、オイルポンプ11のオイル吸込口26に供給するオイルストレーナ28が一体的に形成されている。つまり、下部側ハウジング12を構成する金属によって、オイルストレーナ28と下部側ハウジング11が一体不可分に形成されている。
ここで、オイルストレーナ28は、オイルパン05に開口したオイル吸入開口部29と、オイル吸入開口部29に配置された濾過部材30と、オイル吸入開口部29とオイルポンプ11のオイル吸込口26を繋ぐオイル吸入通路31、及びオイル吸入開口部29とオイル吸入通路31を形成する管壁部を含めたものを意味している。
そして、オイル吸入開口部29とオイル吸入通路31は、上述したように下部側ハウジング12に一体的に形成されている。つまり、下部側ハウジング12を鋳込み等によって形成するときに、オイル吸入開口部29とオイル吸入通路31とが同時に形成されている。したがって、オイル吸入通路31を流れる潤滑オイルは、下部側ハウジング12を形成する金属と直接的に接触することになる。
オイルストレーナ28は、図3にあるように、第2バランサシャフト20、及び図示していない第1バランサシャフト14に対して、平行に形成されたオイル吸入通路31を備えている。このため、オイル吸入通路31の軸線CAは、第2バランサシャフト20、及び図示していない第1バランサシャフト14の回転軸線と平行の関係となっている。
このように、オイル吸入通路31は、第2バランサシャフト20の長手方向に沿った長穴形状である。また、オイルストレーナ28のオイル吸入開口部29は、オイルパン05に貯留された潤滑オイルの側に突出するように形成されている。つまり、オイル吸入開口部29は、上部側ハウジング13とは反対側に開口し、下部側ハウジング12の外面から遠ざかる方向に延びて形成されている。オイル吸入開口部29の軸線CBとオイル吸入通路31の軸線CAは直交しているが、図7に示すように交わることはない。
以上のように、本実施形態のバランサ装置10においては、ハウジング12、13に収納された第1バランサシャフト14の回転軸線の方向において、第1バランサシャフト14のバランサ駆動ギア15の側の位置に設けられ第1バランサシャフト14を軸支するハウジングに設けられた第1バランサシャフト第1軸受部18と、第1バランサシャフトのバランサ駆動ギアの反対側の位置に設けられ第1バランサシャフトを軸支するハウジングに設けられた第1バランサシャフト第2軸受部と、第1バランサシャフト14の回転軸線の方向において、少なくとも第1バランサシャフト第1軸受部18と第1バランサシャフト第2軸受部17との間に設けられ、回転軸線に直交する方向において、オイルパンのオイルを吸入可能に開口されたオイルストレーナ28の吸入開口部29と、吸入開口部29から第1バランサシャフト第1軸受部18に沿って延びてオイルポンプの吸込部26と接続されるオイルストレーナのオイル吸入通路31と有し、オイルストレーナの吸入開口部29とオイルストレーナのオイル吸入通路31は、ハウジングに一体的に形成されている。
ここで、オイル吸入通路31は、第2バランサシャフト20の回転軸線に直交する面で見て、第2バランサシャフト20の下側(オイルパン05側)に位置している。また、第2バランサシャフト第2軸受部23と第2バランサシャフト第1軸受部24の間に位置して、第2バランサシャフト20に沿って延びてオイルポンプ11のオイル吸込口26に接続されている。このような位置に配置したのは、オイルポンプ11のオイル吸込口26が第2バランサシャフト20の側に配置されているからである。
ただ、第1バランサシャフト14は、第2バランサシャフト20に対して平行に配置されているので、オイル吸入通路31は、第1バランサシャフト14の回転軸線に直交する面で見て、第1バランサシャフト14の下側(オイルパン05側)に位置していると見ることができる。また、第1バランサシャフト第2軸受部17と第1バランサシャフト第1軸受部18の間に位置して、第1バランサシャフト14に沿って延びてオイルポンプの吸込部26に接続されていると見ることもできる。
次にバランサ装置10を上部側ハウジング13の側から見た構成について説明する。図4において、上部側ハウジング13は、バランサ駆動ギア15が配置される領域に露出開口32が形成されており、この露出開口32からバランサ駆動ギア15の一部が上側に突出して露出されている。これによって、クランクギアと噛み合わせることが可能となる。また、露出開口32からオイルポンプ11の側には、上部側ハウジング13に形成された、ポンプ駆動ギアを上側から覆う防油壁33が形成されている。
また、後述するが。上部側ハウジング13には、内燃機関からの潤滑オイルを導入するオイル導入開口部45が形成されている。このオイル導入開口部45は、下部側ハウジング12のオイル導入開口部44(図8参照)に接続されている。
次に、本実施形態の特徴であるオイルストレーナ28の形状等について、図3、図5~図12を用いて説明する。
ここで、図5は、バランサ装置10を下部側ハウジング12に形成したオイルストレーナの吸入開口部29を左側において左下側から眺めた外観斜視図であり、図6は、バランサ装置10を下部側ハウジング12に形成したオイルストレーナの吸入開口部29を右側において右下側から眺めた外観斜視図であり、図7は、組み付け前の下部側ハウジング12を下側から眺めた外観図であり、図8は、組み付け前の下部側ハウジング12を内部側から眺めた外観図である。
また、図9は、クランクギア、バランサ駆動ギア15、減速ギア1、及びポンプ駆動ギアの噛み合い状態を説明する説明図であり、図10は、図4のA‐A断面の断面図であり、図11は、図4のB‐B断面の断面図であり、図12は、図4のC‐C断面の断面図である。
先ず、図5、及び図6において、バランサ装置10は、下部側ハウジング12と上部側ハウジング13がハウジング固定ボルト08によって一体化されている。そして、下部側ハウジング12には、オイルストレーナ28が形成されている。上述したように、下部側ハウジング12を構成する金属によって、オイルストレーナ28と下部側ハウジング11が一体不可分に形成されている。
このオイルストレーナ28は、上部側ハウジング13とは反対側の下部側ハウジング12の外側表面から、オイルパン05に貯留された潤滑オイルの側に突き出るように形成されている。つまり、オイル吸入通路31(図3参照)を形成するオイル吸入通路形成壁34は、下部側ハウジング12の外側表面から、オイルパン05の潤滑オイルの側に突き出る形状で形成されている。同様に、オイル吸入開口部29(図3参照)を形成するオイル吸入開口部形成壁35は、下部側ハウジング12の表面から、オイルパン05の潤滑オイルの側に突き出る形状で形成されている。
このように、下部側ハウジング12の外側表面から、オイル吸入通路形成壁34とオイル吸入開口部形成壁35を突き出る形状としたため、この部分からの熱の出入りを多くでき、上述した軸受部の熱を逃がし易くしている。
図7は、上部側ハウジング13と結合されない側の下部側ハウジング12の外側表面を示している。図7において、左端側が第1ギア16、第2ギア22が位置する側であり、右端側がバランサ駆動ギア15、減速ギア21が位置する側である。したがって、第1バランサシャフト14と第2バランサシャフト20は、互いに平行な関係を有して、左端側から右端側に並列に配置されることになる。
そして、下部側ハウジング12に形成されたオイル吸入開口部形成壁35は、円環状に形成され、内部にオイル吸入開口部29が形成されている。オイル吸入開口部形成壁35は、図3に示しているように、第2バランサシャフト20の第2バランサシャフト第2軸受23の領域と重なる位置まで存在している。
つまり、第2バランサシャフト20の回転軸線の方向で見て、第2バランサシャフト第2軸受23の形成領域とオイル吸入開口部29の形成領域は、下部側ハウジング12の金属部分を介して重なっている。これによって、第2バランサシャフト第2軸受23とオイル吸入開口部29とを近づけて熱伝達を高める構成としている。これは、第1バランサシャフト14から見ても同様のことがいえる。
また、このオイル吸入開口部形成壁35は、連続してオイル吸入通路形成壁34と接続されており、内部に形成したオイル吸入通路31は、オイルポンプ11のオイル吸込口26に接続されている。オイル吸入通路形成壁34は、第2バランサシャフト20に沿って平行に形成されている。
このため、図3に示すように、第2バランサシャフト第1軸受部24の形成領域とオイル吸入通路31の形成領域は、下部側ハウジング12の金属部分を介して重なっている。これによって、第2バランサシャフト第1軸受部24とオイル吸入通路31とを近づけて熱伝達を高める構成としている。これは、第1バランサシャフト14から見ても同様のことがいえる。
また、上述したように、下部側ハウジング12には、第1バランサシャフト14(図2参照)と第2バランサシャフト20(図2参照)が平行で並列に配置されるが、これに直交する方向に、間隔をあけて2列のハウジング固定ボルト孔36が形成されている。各列は、3個のハウジング固定ボルト孔36から形成されており、各列の3個のハウジング固定ボルト孔36は、ほぼ等間隔に配置されている。
ここで、左端側のハウジング固定ボルト孔36の列の真中のハウジング固定ボルト孔36Cは、第1バランサシャフト第2軸受部17と第2バランサシャフト第2軸受部23との間に設けられている。したがって、左端側のハウジング固定ボルト孔36の列の真中のハウジング固定ボルト孔36Cは、オイル吸入開口部形成壁35の中の領域に包含される位置に形成されている。ハウジング固定ボルト08を締め付けた時は、図3に示すように、ハウジング固定ボルト08がオイル吸入開口部29に覗くことになる。
このように、オイル吸入開口部形成壁35の内部で、ハウジング固定ボルト08Cを、他のハウジング固定ボルト08とほぼ等間隔に配置することができ、ハウジング固定ボルト08を締め付けることで、上側ハウジング13と均等な力で固定することができる。
次に、図8に基づいてバランサ装置10における軸受の潤滑について簡単に説明する。オイルポンプ11から吐出され内燃機関の機械的な摺動部を潤滑したオイルの一部は、バランサ装置10の上部側ハウジング13に導入されて、バランサ装置10内の軸受等の摺動部を潤滑するように、少なくとも下部側ハウジング12にオイル導入通路が形成されている。このオイル導入通路の構成は種々あるが、以下のような構成が知られている。
図8は、下部側ハウジング12の内部側の形状を示している。下部側ハウジング12の内部には、第1バランサシャフト14の両端にある第1バランサシャフト第2軸受部17と第1バランサシャフト第1軸受部18とを支持する第1バランサシャフト第2軸受支持部37と、第1バランサシャフト第1軸受支持部38が形成されている。
同様に、第2バランサシャフト20の両端にある第2バランサシャフト第2軸受23と第2バランサシャフト第1軸受部24とを支持する第2バランサシャフト第2軸受支持部39と、第2バランサシャフト第1軸受支持部40が形成されている。
内燃機関から戻ってきたオイルは、オイル導入開口部44からオイル導入通路41を流れ、第1オイル導入通路42と、第2オイル導入通路43に分岐される。
第1オイル導入通路42は、第1バランサシャフト第1軸受支持部38に流れ、次に第1バランサシャフト第1軸受支持部38を通過したオイルが、第2バランサシャフト第1軸受支持部40に導かれる。これによって、第1バランサシャフト第1軸受部18を潤滑し、更に第2バランサシャフト第1軸受部24を潤滑する。
同様に、第2オイル導入通路43は、第1バランサシャフト第2軸受支持部37に流れ、次に第1バランサシャフト第2軸受支持部37を通過したオイルが、第2バランサシャフト第2軸受支持部39に導かれる。これによって、第1バランサシャフト第2軸受部17を潤滑し、更に第2バランサシャフト第2軸受部23を潤滑する。
このように、下部側ハウジング12の第1オイル導入通路42は、オイル導入開口部44と第2バランサシャフト第1軸受支持部40とを接続し、第1バランサシャフト第1軸受支持部38は、オイル導入開口部44と第2バランサシャフト第1軸受支持部40との間に設けられる構成となる。
同様に、下部側ハウジング12の第2オイル導入通路43は、オイル導入開口部44と第2バランサシャフト第2軸受支持部39とを接続し、第1バランサシャフト第2軸受支持部37は、オイル導入開口部44と第2バランサシャフト第2軸受支持部39との間に設けられる構成となる。
次に、クランクギア、バランサ駆動ギア15、減速ギア21、及びポンプ駆動ギアの噛み合い状態を説明する。図9は、オイルポンプ11と、下部側ハウジング12及び上部側ハウジング13の間を断面して、クランクギア、バランサ駆動ギア15、減速ギア21、及びポンプ駆動ギアの噛み合い状態を仮想的に表している。
図9において、上部側ハウジング13の中央に形成された凹部46には、クランクギア47が配置されている。このクランクギア47は、内燃機関のクランクシャフトによって回転され、この回転をバランサ駆動ギア15に伝達している。バランサ駆動ギア15の回転は、図2にあるように、第1バランサシャフト14、第1ギア16、第2ギア22、第2バランサシャフト20を介して減速ギア21に伝達される。そして、減速ギア21の回転は、ポンプ駆動ギア48に伝達され、ポンプシャフトを回転してポンプ作用を行う構成である。
次に、図10~図12に基づいて、オイル吸入通路31の配置構成等について説明する。図10は図4のA‐A断面、図11は図4のB‐B断面、及び図12は図4のC‐C断面を示している。尚、以下の説明は、図10~図12をまとめて説明するものである。
図10にある通り、下部側ハウジング12と上部側ハウジング13とは、ハウジング固定ボルト08によって互いに強固に固定されている。下部側ハウジング12と上部側ハウジング13の間には、第1バランサシャフト14と第2バランサシャフト20が、所定の距離をおいて、紙面に対して直交する方向に延びるように平行に配置されている。尚、図10では、第1バランサシャフト第1軸受部18と、第2バランサシャフト第1軸受部24とで軸受されている。
そして、第1バランサシャフト14と第2バランサシャフト20の回転軸線に直交する面でみて、下部側ハウジング12の上部側ハウジング13とは反対側の外側表面には、オイル吸入通路形成壁34、オイル吸入開口部形成壁35が、下部側ハウジング12の外側表面から遠ざかるように形成されている。したがって、オイル吸入通路形成壁34、オイル吸入開口部形成壁35は、下部側ハウジング12の外面から突き出すような形状とされている。
また、図10~図12からわかるように、第1バランサシャフト14と第2バランサシャフト20は、第1バランサシャフト第1軸受支持部38と第2バランサシャフト第1軸受支持部40で軸支されている。このため、この部分には下部側ハウジング12を形成するための金属が存在している。したがって、各軸受部、特に第1バランサシャフト第1軸受部18で発生した熱は、この金属を伝熱してオイル吸入通路形成壁34内のオイル吸入通路31を流れるオイルに伝熱されるようになる。
また、オイル吸入通路形成壁34は、平行に配置された第1バランサシャフト14と第2バランサシャフト20において、第1バランサシャフト14の最外周面と第2バランサシャフト20の最外周面の間の配置領域(Rgn)の範囲内に配置されている。
ただ、下部側ハウジング12の体格寸法や、オイル吸入通路形成壁34の形状によっては、オイル吸入通路形成壁34が配置領域(Rgn)の範囲外になる場合がある。この場合は放熱を考慮して、オイル吸入通路31の半分以上が、配置領域(Rgn)に存在するように構成することが放熱効果の上で有利である。
更に図面からわかるように、第1バランサシャフト14と第2バランサシャフト20の回転軸線に直交する面でみて、下部側ハウジング12の上部側ハウジング13とは反対側の外側表面には、オイル吸入通路形成壁34、オイル吸入開口部形成壁35が、下部側ハウジング12の外面から遠ざかるように形成されている。
そして、上述の回転軸線に直交する面でみて、オイル吸入通路31は、第2バランサシャフト20と重なるように形成されている。つまり、第2バランサシャフト20を、オイル吸入通路形成壁34に投影したとき、第2バランサシャフト20とオイル吸入通路31は、互いに重なる位置関係とされている。
更に図11を用いて具体的に説明する。図11に示すように、平行に配置された第1バランサシャフト14と第2バランサシャフト20の回転軸(O)の夫々を結ぶ仮想線(VL)に直交する方向(OD)において、第2バランサシャフト20とオイル吸入通路形成壁34とは、第2バランサシャフト20からオイル吸入通路形成壁34を見た時に重なり合う位置関係に決められている。もちろん、オイル吸入開口部形成壁35も、仮想線(VL)に直交する方向(OD)に沿って延びている。
これによって、図7からわかるように、オイル吸入通路形成壁34を含めた全体的な配置構成のまとまりが良くなる効果を奏することができる。ここで、オイルポンプ11のオイル吸込口26が第1バランサシャフト14の側に配置されている場合は、第1バランサシャフト14とオイル吸入通路形成壁34とは、第1バランサシャフト14からオイル吸入通路形成壁34を見た時に重なり合う位置関係になる。
尚、図3からわかるように、第2バランサシャフト第1軸受部18と第2バランサシャフト第2軸受部17も、オイル吸入通路31と重なるように形成されている。つまり、第2バランサシャフト第1軸受部18と第2バランサシャフト第2軸受部17を、オイル吸入通路形成壁34に投影したとき、第2バランサシャフト20とオイル吸入通路31は、互いに重なる位置関係とされている。これによって、図7からわかるように、オイル吸入通路形成壁34を含めた全体的な配置構成のまとまりが良くなる効果を奏することができる。
上述したバランサ装置10を内燃機関に取り付けた場合は図1に示すような構成となる。つまり、図10にあるように、上部側ハウジング13が、バランサ締結ボルト06により、オイルパン05とシリンダブロック04の間で、シリンダブロック04の下面に固定される。
この状態で、オイルストレーナ28のオイル吸入開口部形成壁35の先端側は、オイルパン5の貯留された潤滑オイル面に潜るように浸漬される。この状態でオイルポンプ11が回転駆動されると、図3に示すように、潤滑オイルはオイル吸入開口部29から吸引され、オイル吸入通路31を流れてオイルポンプ11のオイル吸込口26に流入する。流入したオイルは、オイルポンプ11で加圧されて内燃機関へ向けて吐出される。
以上述べたように、本発明によれば、ハウジングに収納されたバランサシャフトの回転軸線の方向において、第バランサシャフトのバランサ駆動ギアの側の位置に設けられバランサシャフトを軸支するバランサシャフト第1軸受部と、バランサシャフトのバランサ駆動ギアの反対側の位置に設けられ前記バランサシャフトを軸支するバランサシャフト第2軸受部とを備え、回転軸線の方向において、少なくともバランサシャフト第1軸受部と前記バランサシャフト第2軸受部との間に設けられ、回転軸線に直交する方向において、オイルパンのオイルを吸入可能に開口されたオイルストレーナの吸入開口部と、オイル吸入開口部からバランサシャフトに沿って延びてオイルポンプの吸込部と接続されるオイルストレーナのオイル吸入通路と有し、オイルストレーナのオイル吸入開口部とオイルストレーナのオイル吸入通路は、ハウジングに形成されている
ことを特徴としている。
これによれば、オイルストレーナの吸入開口部からオイルポンプに向かうオイル吸入通路は、ハウジングに一体的に形成されているので、オイル吸入通路を流れるオイルは、ハウジングを形成する金属を介して第1バランサシャフトの軸受部の熱を効率よく持ち去ることができる。これによって、クランクギアとバランサ駆動ギアとの間の歯打ち音が大きくなるのを抑制することができる。
尚、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
10…バランサ装置、11…オイルポンプ、12…下部側ハウジング、13…上部側ハウジング、14…第1バランサシャフト、15…バランサ駆動ギア、16…第1ギア、17…第1バランサシャフト第2軸受部、18…第1バランサシャフト第1軸受部、19…第1バランサウエイト、20…第2バランサシャフト、21…減速ギア、22…第2ギア、23…第2バランサシャフト第2軸受部、24…第2バランサシャフト第1軸受部、25…第2バランサウエイト、26…ポンプ吸込口、27…オイル吐出口、28…オイルストレーナ、29…オイル吸入開口部、31…オイル吸入通路、34…オイル吸入通路形成壁、35…オイル吸入開口部形成壁。

Claims (17)

  1. 少なくとも、オイルパンのオイルを吸入するオイルポンプと、前記オイルポンプが取り付けられ、ハウジング内に形成された収納空間の内部に収納されたバランサ本体とを有する内燃機関のバランサ装置であって、
    前記バランサ本体は、少なくとも内燃機関のクランクギアと噛み合うバランサ駆動ギアが設けられたバランサシャフトを備え、
    前記ハウジングに収納された前記バランサシャフトの回転軸線の方向において、前記バランサシャフトの前記バランサ駆動ギアの側の位置に設けられ前記バランサシャフトを軸支するバランサシャフト第1軸受部と、前記バランサシャフトの前記バランサ駆動ギアの反対側の位置に設けられ前記バランサシャフトを軸支するバランサシャフト第2軸受部とを備え、
    前記回転軸線の方向において、少なくとも前記バランサシャフト第1軸受部と前記バランサシャフト第2軸受部との間に設けられ、前記回転軸線に直交する方向において、前記オイルパンのオイルを吸入可能に開口されたオイルストレーナのオイル吸入開口部と、前記オイル吸入開口部から前記バランサシャフトに沿って延びて前記オイルポンプの吸込部と接続される前記オイルストレーナのオイル吸入通路と有し、前記オイル吸入開口部とオイル吸入通路は、前記ハウジングに形成されている
    ことを特徴とする内燃機関のバランサ装置。
  2. 少なくとも、オイルパンのオイルを吸入して内燃機関に潤滑用のオイルを供給するオイルポンプと、前記オイルポンプが取り付けられ、ハウジング内に形成された収納空間の内部に収納されたバランサ本体とを有する内燃機関のバランサ装置であって、
    前記ハウジングは、
    上部側ハウジングと、前記上部側ハウジングに固定され、前記バランサ本体を収納する下部側ハウジングを備え、
    前記バランサ本体は、第1回転系と第2回転系を備え、
    前記第1回転系は、一端に前記内燃機関によって回転されるクランクギアと噛み合うバランサ駆動ギアが固定され、他端に第1ギアが固定される共に、前記バランサ駆動ギアと前記第1ギアの間に設けられた第1バランサウエイトを有した第1バランサシャフトと、前記バランサ駆動ギアの側に設けられた第1バランサシャフト第1軸受部及び前記第1ギアの側に設けられた第1バランサシャフト第2軸受部を備え、
    前記第2回転系は、一端に前記第1ギアと噛み合う第2ギアが固定され、他端に前記オイルポンプのポンプ駆動ギアと噛み合う減速ギアが固定される共に、前記第2ギアと前記減速ギアの間に設けられた第2バランサウエイトを有し、前記第1バランサシャフトと平行な位置関係にある第2バランサシャフトと、前記減速ギアの側に設けられた第2バランサシャフト第1軸受部及び前記第2ギアの側に設けられた第2バランサシャフト第2軸受部を備え
    前記第1バランサシャフト及び前記第2バランサシャフトの回転軸線の方向において、少なくとも、前記第1バランサシャフト第1軸受部と前記第1バランサシャフト第2軸受部との間に設けられ、前記回転軸線に直交する方向において、前記オイルパンのオイルを吸入可能に開口されたオイルストレーナのオイル吸入開口部と、前記オイル吸入開口部から前記第1バランサシャフトに沿って延びて前記オイルポンプの吸込部と接続される前記オイルストレーナのオイル吸入通路と有し、前記オイル吸入開口部とオイル吸入通路は、前記下部側ハウジングに形成されている
    ことを特徴とする内燃機関のバランサ装置。
  3. 請求項2に記載の内燃機関のバランサ装置であって、
    前記回転軸線に直交した面で見たときに、前記オイル吸入通路は、前記第1バランサシャフトの最外周面と前記第2バランサシャフトの最外周面を結ぶ配置領域の間に設けられた
    ことを特徴とする内燃機関のバランサ装置。
  4. 請求項3に記載の内燃機関のバランサ装置であって、
    前記回転軸線に直交した断面で見たときに、前記オイル吸入通路の半分以上が、前記配置領域に設けられた
    ことを特徴とする内燃機関のバランサ装置。
  5. 請求項3に記載の内燃機関のバランサ装置であって、
    前記回転軸線に直交した断面で見たときに、前記オイル吸入通路は、前記第2バランサシャフトと重なる位置に設けられた
    ことを特徴とする内燃機関のバランサ装置。
  6. 請求項3に記載の内燃機関のバランサ装置であって、
    前記回転軸線に直交した断面で見たときに、前記オイル吸入通路は、前記第2バランサシャフトの前記回転軸線に沿った長穴である
    ことを特徴とする内燃機関のバランサ装置。
  7. 請求項2に記載の内燃機関のバランサ装置であって、
    前記下部側ハウジングは、前記第2バランサシャフト第1軸受部と前記第2バランサシャフト第2軸受部を軸支し、前記回転軸線に直交した断面で見たときに、前記オイル吸入通路は、前記第2バランサシャフト第1軸受部と前記第2バランサシャフト第2軸受部と重なる位置に設けられた
    ことを特徴とする内燃機関のバランサ装置。
  8. 請求項7に記載の内燃機関のバランサ装置であって、
    前記下部側ハウジングは、前記第1バランサシャフト第1軸受部と前記第1バランサシャフト第2ロア軸受部を軸支し、
    前記上部側ハウジングから前記下部側ハウジングに向かって前記下部側ハウジングを見たときに、前記第1バランサシャフト第2軸受部及び前記第2バランサシャフト第2軸受部と重なる位置に、前記オイル吸入開口部が形成され、前記オイル吸入開口部は、前記上部側ハウジングとは反対側に開口している
    ことを特徴とする内燃機関のバランサ装置。
  9. 請求項8に記載の内燃機関のバランサ装置であって、
    前記下部側ハウジングから前記上部側ハウジングに向かって前記下部側ハウジングを見たときに、前記オイル吸入開口部の内部には、前記上部側ハウジングと前記下部側ハウジングを締結するための締結部材が設けられている
    ことを特徴とする内燃機関のバランサ装置。
  10. 請求項9に記載のバランサ装置であって、
    前記締結部材は、前記第1バランサシャフト第2軸受部と前記第2バランサシャフト第2軸受部との間に設けられている
    ことを特徴とする内燃機関のバランサ装置。
  11. 請求項2に記載の内燃機関のバランサ装置であって、
    前記内燃機関からのオイルが前記上部側ハウジングに導入され、更に前記上部側ハウジングからのオイルが前記第1バランサシャフト第1軸受部を通過した後に前記第2バランサシャフト第1軸受部に導かれる
    ことを特徴とする内燃機関のバランサ装置。
  12. 請求項2に記載の内燃機関のバランサ装置であって、
    前記上部側ハウジングは、前記内燃機関を通過したオイルが導かれる上部側オイル導入開口部を有し、
    前記下部側ハウジングは、前記上部側オイル導入開口部と接続される下部側オイル導入開口部と、前記下部側オイル導入開口部と接続され、前記第1バランサシャフト第1軸受部及び前記第2バランサシャフト第1軸受部を接続するオイル導入通路が設けられている
    ことを特徴とする内燃機関のバランサ装置。
  13. 請求項12に記載の内燃機関のバランサ装置であって、
    前記オイル導入通路において、前記第1バランサシャフト第1軸受部は、前記下部側オイル導入開口部と前記第2バランサシャフト第1軸受部との間に設けられていることを特徴とする内燃機関のバランサ装置。
  14. 請求項2に記載の内燃機関のバランサ装置であって、
    前記オイル吸入開口部を形成するオイル吸入開口部形成壁及び前記オイル吸入通路を形成するオイル吸入通路形成壁は、前記下部側ハウジングと一体不可分に形成されている
    ことを特徴とする内燃機関のバランサ装置。
  15. 請求項14に記載の内燃機関のバランサ装置であって、
    前記オイル吸入開口部形成壁及び前記オイル吸入通路形成壁は、前記下部側ハウジングの外側表面から突き出る形状に形成されている
    ことを特徴とする内燃機関のバランサ装置。
  16. 請求項15に記載の内燃機関のバランサ装置であって、
    平行に配置された前記第1バランサシャフトと前記第2バランサシャフトの回転軸の夫々を結ぶ仮想線に直交する方向において、前記第2バランサシャフトと前記オイル吸入通路形成壁とは、前記第2バランサシャフトから前記オイル吸入通路形成壁を見た時に重なり合う位置関係に決められている
    ことを特徴とする内燃機関のバランサ装置。
  17. シリンダブロックに固定されたオイルパンと、前記オイルパンの内部に収納され、前記オイルパンの潤滑オイルを吸入して吐出するオイルポンプと、前記オイルパンの内部に収納され、前記オイルポンプが取り付けられて前記シリンダブロックに固定されたバランサ装置とを備えた内燃機関において、
    前記バランサ装置は、請求項1~請求項16のいずれか1項に記載された前記バランサ装置であり、前記バランサ装置のオイルストレーナのオイル吸入開口部は、前記オイルパンに貯留された潤滑オイルに潜るように浸漬されている
    ことを特徴とする内燃機関。
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