JP2022109235A - 研磨パッド、研磨パッドの製造方法、及び光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】被研磨物におけるディフェクトを抑制できる研磨パッド、当該研磨パッドの製造方法、及び当該研磨パッドを使用した光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法、を提供することを目的とする。【解決手段】ポリウレタン樹脂を含む研磨層を有する研磨パッドであって、前記ポリウレタン樹脂が、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー及び硬化剤を含む硬化性樹脂組成物の硬化物であり、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマーが、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応生成物であり、前記ポリオール成分が下記式(I)で表されるポリエーテルポリカーボネートジオールを含む、前記研磨パッド:TIFF2022109235000013.tif26121(上記式(I)中、R1は炭素数2~10の二価の炭化水素基であり、複数のR1は同一であってもよく、異なるものであってもよく、nは2~30の整数であり、mは1~20の整数である)【選択図】なし
Description
本発明は、研磨パッド、研磨パッドの製造方法、及び光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法に関する。本発明の研磨パッドは、光学材料、半導体ウエハ、半導体デバイス、ハードディスク用基板等の研磨に用いられ、特に半導体ウエハの上に酸化物層、金属層等が形成されたデバイスを研磨するのに好適に用いられる。
光学材料、半導体ウエハ、ハードディスク基板、液晶用ガラス基板、半導体デバイスは非常に精密な平坦性が要求される。このような各種材料の表面、特に半導体デバイスの表面を平坦に研磨するために、硬質研磨パッドが一般的に用いられている。
現在、多くの硬質研磨パッドにおける研磨層には、トリレンジイソシアネート(TDI)などのイソシアネート成分とポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)などの高分子量ポリオールを含むポリオール成分との反応生成物であるイソシアネート末端ウレタンプレポリマーを、3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタンなどの硬化剤により硬化させて得られた硬質ポリウレタン材料を使用することが一般的である。イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを形成する高分子量ポリオールは、ポリウレタンのソフトセグメントを形成するものであり、取り扱いやすさや適度なゴム弾性といった観点から、PTMGが高分子量ポリオールとして従来よく用いられていた。
現在、多くの硬質研磨パッドにおける研磨層には、トリレンジイソシアネート(TDI)などのイソシアネート成分とポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)などの高分子量ポリオールを含むポリオール成分との反応生成物であるイソシアネート末端ウレタンプレポリマーを、3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタンなどの硬化剤により硬化させて得られた硬質ポリウレタン材料を使用することが一般的である。イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを形成する高分子量ポリオールは、ポリウレタンのソフトセグメントを形成するものであり、取り扱いやすさや適度なゴム弾性といった観点から、PTMGが高分子量ポリオールとして従来よく用いられていた。
半導体デバイスの研磨においては、近年の集積回路の微細化・高密度化に伴い、被研磨物表面におけるスクラッチ(傷)、有機残渣等のディフェクト(欠陥)の抑制について、より厳密なレベルが要求されるようになってきている。しかし、PTMGを高分子量ポリオールとして使用した従来の研磨パッドでは、ディフェクトの抑制の点で不十分であることがあり、高分子量ポリオールとしてPTMG以外のポリオールを用いる検討がなされている。また、高分子量ポリオールとしてPTMG以外のポリオールを用いる場合、研磨レート等の研磨性能は、上記の従来の研磨パッドと同等以上であることが望ましい。
特許文献1には、ポリプロピレングリコール(PPG)及びPTMGの混合物であるポリオールブレンド、ポリアミン又はポリアミン混合物、並びにトルエンジイソシアネートのポリウレタン反応生成物を含む研磨パッドが開示されている。特許文献1の研磨パッドは、ポリウレタン反応生成物を形成するポリオールブレンドとして、PPG及びPTMGの混合物を用いることで、欠陥率(ディフェクト)を低減させている。
しかしながら、特許文献1の研磨パッドのように、高分子量ポリオールとしてPPGとPTMGの混合物を用いる場合、PPGとPTMGとは相溶性が悪く完全に均一とすることが難しいため、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーの重合反応が不均一なものとなってしまい、結果として、研磨性能が不安定で一定とならないことがある。
また、高分子量ポリオールとしてPTMGの全量をPPGに代えた場合、得られるイソシアネート末端ウレタンプレポリマーが軟質化してしまう傾向があるので、それを防ぐためにイソシアネート末端ウレタンプレポリマーの製造に際してポリオール成分とポリイソシアネート成分との当量調整が新たに必要となってしまう。さらに、高分子量ポリオールとしてPTMGの全量をPPGに代えた研磨パッドの研磨性能を本発明者らが検討したところ、後述の比較例3に示すように、高分子量ポリオールとしてPTMGを使用した従来の研磨パッドに比べて、ディフェクトを抑制できているものの、近年の集積回路の微細化・高密度化に対応するためには、より高いレベルのディフェクトの抑制が求められる。
また、高分子量ポリオールとしてPTMGの全量をPPGに代えた場合、得られるイソシアネート末端ウレタンプレポリマーが軟質化してしまう傾向があるので、それを防ぐためにイソシアネート末端ウレタンプレポリマーの製造に際してポリオール成分とポリイソシアネート成分との当量調整が新たに必要となってしまう。さらに、高分子量ポリオールとしてPTMGの全量をPPGに代えた研磨パッドの研磨性能を本発明者らが検討したところ、後述の比較例3に示すように、高分子量ポリオールとしてPTMGを使用した従来の研磨パッドに比べて、ディフェクトを抑制できているものの、近年の集積回路の微細化・高密度化に対応するためには、より高いレベルのディフェクトの抑制が求められる。
以上のように、被研磨物におけるディフェクトを抑制できる研磨パッドが望まれている。また、被研磨物におけるディフェクトを抑制すると共に、研磨レートに優れる研磨パッドが望まれている。
本発明は、被研磨物におけるディフェクトを抑制できる研磨パッド、当該研磨パッドの製造方法、及び当該研磨パッドを使用した光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法を提供することを目的とする。また、本発明は、被研磨物におけるディフェクトを抑制すると共に、研磨レートに優れる研磨パッド、当該研磨パッドの製造方法、及び当該研磨パッドを使用した光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法を提供することを別の目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意研究した結果、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを形成するポリオール成分として、特定の構造を有するポリエーテルポリカーボネートジオールを使用することにより、上記課題を解決できることを知見し、本発明を完成するに至った。本発明の具体的態様は以下のとおりである。
[1] ポリウレタン樹脂を含む研磨層を有する研磨パッドであって、
前記ポリウレタン樹脂が、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー及び硬化剤を含む硬化性樹脂組成物の硬化物であり、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマーが、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応生成物であり、
前記ポリオール成分が下記式(I)で表されるポリエーテルポリカーボネートジオールを含む、前記研磨パッド:
(上記式(I)中、
R1は炭素数2~10の二価の炭化水素基であり、複数のR1は同一であってもよく、異なるものであってもよく、
nは2~30の整数であり、
mは1~20の整数である。)。
[2] 前記式(I)におけるR1がn-ブチレン基及び/又は2-メチルブチレン基である、[1]に記載の研磨パッド。
[3] 前記ポリエーテルポリカーボネートジオールがポリテトラメチレンエーテルグリコールに由来する構造単位を含み、前記ポリテトラメチレンエーテルグリコールに由来する構造単位の数平均分子量が100~1500である、[1]又は[2]に記載の研磨パッド。
[4] 前記ポリエーテルポリカーボネートジオールの数平均分子量が200~5000である、[1]~[3]のいずれか1つに記載の研磨パッド。
[5] 前記ポリイソシアネート成分がトリレンジイソシアネートを含む、[1]~[4]のいずれか1つに記載の研磨パッド。
[6] 前記硬化剤が3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタンを含む、[1]~[5]のいずれか1つに記載の研磨パッド。
[7] 前記硬化性樹脂組成物が微小中空球体をさらに含む、[1]~[6]のいずれか1つに記載の研磨パッド。
[8] [1]~[7]のいずれか1つに記載の研磨パッドの製造方法であって、前記研磨層を成形する工程を含む、前記方法。
[9] 光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法であって、[1]~[7]のいずれか1つに記載の研磨パッドを使用して光学材料又は半導体材料の表面を研磨する工程を含む、前記方法。
前記ポリウレタン樹脂が、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー及び硬化剤を含む硬化性樹脂組成物の硬化物であり、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマーが、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応生成物であり、
前記ポリオール成分が下記式(I)で表されるポリエーテルポリカーボネートジオールを含む、前記研磨パッド:
R1は炭素数2~10の二価の炭化水素基であり、複数のR1は同一であってもよく、異なるものであってもよく、
nは2~30の整数であり、
mは1~20の整数である。)。
[2] 前記式(I)におけるR1がn-ブチレン基及び/又は2-メチルブチレン基である、[1]に記載の研磨パッド。
[3] 前記ポリエーテルポリカーボネートジオールがポリテトラメチレンエーテルグリコールに由来する構造単位を含み、前記ポリテトラメチレンエーテルグリコールに由来する構造単位の数平均分子量が100~1500である、[1]又は[2]に記載の研磨パッド。
[4] 前記ポリエーテルポリカーボネートジオールの数平均分子量が200~5000である、[1]~[3]のいずれか1つに記載の研磨パッド。
[5] 前記ポリイソシアネート成分がトリレンジイソシアネートを含む、[1]~[4]のいずれか1つに記載の研磨パッド。
[6] 前記硬化剤が3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタンを含む、[1]~[5]のいずれか1つに記載の研磨パッド。
[7] 前記硬化性樹脂組成物が微小中空球体をさらに含む、[1]~[6]のいずれか1つに記載の研磨パッド。
[8] [1]~[7]のいずれか1つに記載の研磨パッドの製造方法であって、前記研磨層を成形する工程を含む、前記方法。
[9] 光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法であって、[1]~[7]のいずれか1つに記載の研磨パッドを使用して光学材料又は半導体材料の表面を研磨する工程を含む、前記方法。
(定義)
本願において、「パーティクル」とは、被研磨物の表面に付着した、研磨スラリー等に含まれる細かい粒子が残留したものを意味する。
本願において、「パッド屑」とは、被研磨物の表面に付着した、研磨工程中に研磨パッドにおける研磨層の表面が摩耗して発生する研磨層の屑を意味する。
本願において、「スクラッチ」とは、被研磨物の表面についた傷を意味する。
本願において、「ディフェクト」とは、上述のパーティクル、パッド屑、スクラッチ等を含めた欠陥の総称である。
本願において、「X~Y」を用いて数値範囲を表す際は、その範囲は両端の数値であるX及びYを含むものとする。
本願において、「パーティクル」とは、被研磨物の表面に付着した、研磨スラリー等に含まれる細かい粒子が残留したものを意味する。
本願において、「パッド屑」とは、被研磨物の表面に付着した、研磨工程中に研磨パッドにおける研磨層の表面が摩耗して発生する研磨層の屑を意味する。
本願において、「スクラッチ」とは、被研磨物の表面についた傷を意味する。
本願において、「ディフェクト」とは、上述のパーティクル、パッド屑、スクラッチ等を含めた欠陥の総称である。
本願において、「X~Y」を用いて数値範囲を表す際は、その範囲は両端の数値であるX及びYを含むものとする。
本発明の研磨パッドは、被研磨物におけるディフェクトを抑制できる。また、本発明の研磨パッドは、被研磨物におけるディフェクトを抑制すると共に、研磨レートに優れる。
(作用)
本発明者らは、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを形成するポリオール成分とディフェクトとの関係について鋭意研究した結果、予想外にも、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを形成するポリオール成分として、特定の構造を有するポリエーテルポリカーボネートジオールを使用することにより、ディフェクトの発生を抑制できる研磨パッドが得られることを見出した。このような特性が得られる理由の詳細は明らかではないが、以下のように推察される。
本発明者らは、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを形成するポリオール成分とディフェクトとの関係について鋭意研究した結果、予想外にも、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを形成するポリオール成分として、特定の構造を有するポリエーテルポリカーボネートジオールを使用することにより、ディフェクトの発生を抑制できる研磨パッドが得られることを見出した。このような特性が得られる理由の詳細は明らかではないが、以下のように推察される。
上記式(I)で表されるポリエーテルポリカーボネートジオール(PEPCD)は、カーボネート基を有するため、PTMGに比べて結晶性が低いと考えられ、当該PEPCDから形成されるイソシアネート末端ウレタンプレポリマーの結晶性も低くなると考えられる。研磨層を形成するイソシアネート末端ウレタンプレポリマーの結晶性が低くなると、研磨した際に発生する研磨層の屑などが凝集しにくくなって大きな塊を形成しにくくなると考えられ、結果として被研磨物におけるディフェクトが抑制できるものと推察される。
以下、本発明の研磨パッド、及び研磨パッドの製造方法、及び光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法について、説明する。
1.研磨パッド、研磨パッドの製造方法
本発明の研磨パッドは、ポリウレタン樹脂を含む研磨層を有し、前記ポリウレタン樹脂が、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー及び硬化剤を含む硬化性樹脂組成物の硬化物であり、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマーが、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応生成物であり、前記ポリオール成分が下記式(I)で表されるポリエーテルポリカーボネートジオールを含むものである。
(上記式(I)中、
R1は炭素数2~10の二価の炭化水素基であり、複数のR1は同一であってもよく、異なるものであってもよく、
nは2~30の整数であり、
mは1~20の整数である。)
本発明の研磨パッドは、ポリウレタン樹脂を含む研磨層を有し、前記ポリウレタン樹脂が、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー及び硬化剤を含む硬化性樹脂組成物の硬化物であり、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマーが、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との反応生成物であり、前記ポリオール成分が下記式(I)で表されるポリエーテルポリカーボネートジオールを含むものである。
R1は炭素数2~10の二価の炭化水素基であり、複数のR1は同一であってもよく、異なるものであってもよく、
nは2~30の整数であり、
mは1~20の整数である。)
本発明の研磨パッドは、ポリウレタン樹脂を含む研磨層を有する。研磨層は被研磨材料に直接接する位置に配置され、研磨パッドのその他の部分は、研磨パッドを支持するための材料、例えば、ゴムなどの弾性に富む材料で構成されてもよい。研磨パッドの剛性によっては、研磨層を研磨パッドとすることができる。
本発明の研磨パッドは、被研磨物におけるディフェクトを抑制できることを除けば、一般的な研磨パッドと形状に大きな差異は無く、一般的な研磨パッドと同様に使用することができ、例えば、研磨パッドを回転させながら研磨層を被研磨材料に押し当てて研磨することもできるし、被研磨材料を回転させながら研磨層に押し当てて研磨することもできる。
本発明の研磨パッドは、一般に知られたモールド成形、スラブ成形等の製造法より作成できる。まずは、それら製造法によりポリウレタンのブロックを形成し、ブロックをスライス等によりシート状とし、ポリウレタン樹脂から形成される研磨層を成形し、支持体などに貼り合わせることによって製造される。あるいは支持体上に直接研磨層を成形することもできる。
より具体的には、研磨層は、研磨層の研磨面とは反対の面側に両面テープが貼り付けられ、所定形状にカットされて、本発明の研磨パッドとなる。両面テープに特に制限はなく、当技術分野において公知の両面テープの中から任意に選択して使用することが出来る。また、本発明の研磨パッドは、研磨層のみからなる単層構造であってもよく、研磨層の研磨面とは反対の面側に他の層(下層、支持層)を貼り合わせた複層からなっていてもよい。
研磨層は、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー及び硬化剤を含む硬化性樹脂組成物を調製し、当該硬化性樹脂組成物を硬化させることによって成形される。
研磨層は発泡ポリウレタン樹脂から構成することができるが、発泡は微小中空球体を含む発泡剤をポリウレタン樹脂中に分散させて行うことができる。この場合、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー、硬化剤、及び発泡剤を含む硬化性樹脂組成物を調製し、当該硬化性樹脂組成物を発泡硬化させることによって成形することができる。
硬化性樹脂組成物は、例えば、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを含むA液と、硬化剤成分を含むB液とを混合して調製する2液型の組成物とすることもできる。それ以外の成分はA液に入れても、B液に入れてもよいが、不具合が生じる場合はさらに複数の液に分割して3液以上の液を混合して構成される組成物とすることができる。
研磨層は発泡ポリウレタン樹脂から構成することができるが、発泡は微小中空球体を含む発泡剤をポリウレタン樹脂中に分散させて行うことができる。この場合、イソシアネート末端ウレタンプレポリマー、硬化剤、及び発泡剤を含む硬化性樹脂組成物を調製し、当該硬化性樹脂組成物を発泡硬化させることによって成形することができる。
硬化性樹脂組成物は、例えば、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを含むA液と、硬化剤成分を含むB液とを混合して調製する2液型の組成物とすることもできる。それ以外の成分はA液に入れても、B液に入れてもよいが、不具合が生じる場合はさらに複数の液に分割して3液以上の液を混合して構成される組成物とすることができる。
(イソシアネート末端ウレタンプレポリマー)
イソシアネート末端ウレタンプレポリマーは、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを反応させることにより得られる生成物であり、前記ポリオール成分が上記式(I)で表されるポリエーテルポリカーボネートジオールを含む。
イソシアネート末端ウレタンプレポリマーは、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを反応させることにより得られる生成物であり、前記ポリオール成分が上記式(I)で表されるポリエーテルポリカーボネートジオールを含む。
イソシアネート末端ウレタンプレポリマーのNCO当量(g/eq)としては、600未満が好ましく、350~550がより好ましく、400~500が最も好ましい。NCO当量(g/eq)が上記数値範囲内であることにより、適度な研磨性能の研磨パッドが得られる。
(ポリオール成分)
上記ポリエーテルポリカーボネートジオールを表す上記式(I)中、R1は、炭素数2~10の二価の炭化水素基であり、R1の例としては、エチレン、n-プロピレン、イソプロピレン、n-ブチレン、イソブチレン、1,1-ジメチルエチレン、n-ペンチレン、2,2-ジメチルプロピレン、2-メチルブチレンなどが挙げられ、特に、n-ブチレン基及び/又は2-メチルブチレン基であることが好ましい。上記式(I)中、複数のR1は同一であってもよく、異なるものであってもよいが、同一であることが好ましい。
上記式(I)中、nは、2~30の整数であり、3~15の整数であることが好ましく、3~10の整数であることがより好ましい。
上記式(I)中、mは、1~20の整数であり、1~10の整数であることが好ましく、1~5の整数であることがより好ましい。
上記ポリエーテルポリカーボネートジオールは、ポリテトラメチレンエーテルグリコールに由来する構造単位を含むことが好ましく、当該ポリテトラメチレンエーテルグリコールに由来する構造単位は上記式(I)中の-(R1-O)n-で表される部分であることが好ましい。当該ポリテトラメチレンエーテルグリコールに由来する構造単位の数平均分子量は、100~1500であることが好ましく、150~1000であることがより好ましく、200~850であることが最も好ましい。
上記ポリエーテルポリカーボネートジオールの数平均分子量は、200~5000であることが好ましく、500~3000であることがより好ましく、800~2500であることが最も好ましい。
上記ポリテトラメチレンエーテルグリコールに由来する構造単位及び上記ポリエーテルポリカーボネートジオールの数平均分子量は、以下の条件にてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)に基づいてポリスチレン換算の分子量として測定することができる。
<測定条件>
カラム:Ohpak SB-802.5HQ(排除限界10000)
移動相:5mM LiBr/DMF
流速:0.5ml/min(26kg/cm2)
オーブン:60℃
検出器:RI 40℃
試料量:20μl
上記ポリエーテルポリカーボネートジオールを表す上記式(I)中、R1は、炭素数2~10の二価の炭化水素基であり、R1の例としては、エチレン、n-プロピレン、イソプロピレン、n-ブチレン、イソブチレン、1,1-ジメチルエチレン、n-ペンチレン、2,2-ジメチルプロピレン、2-メチルブチレンなどが挙げられ、特に、n-ブチレン基及び/又は2-メチルブチレン基であることが好ましい。上記式(I)中、複数のR1は同一であってもよく、異なるものであってもよいが、同一であることが好ましい。
上記式(I)中、nは、2~30の整数であり、3~15の整数であることが好ましく、3~10の整数であることがより好ましい。
上記式(I)中、mは、1~20の整数であり、1~10の整数であることが好ましく、1~5の整数であることがより好ましい。
上記ポリエーテルポリカーボネートジオールは、ポリテトラメチレンエーテルグリコールに由来する構造単位を含むことが好ましく、当該ポリテトラメチレンエーテルグリコールに由来する構造単位は上記式(I)中の-(R1-O)n-で表される部分であることが好ましい。当該ポリテトラメチレンエーテルグリコールに由来する構造単位の数平均分子量は、100~1500であることが好ましく、150~1000であることがより好ましく、200~850であることが最も好ましい。
上記ポリエーテルポリカーボネートジオールの数平均分子量は、200~5000であることが好ましく、500~3000であることがより好ましく、800~2500であることが最も好ましい。
上記ポリテトラメチレンエーテルグリコールに由来する構造単位及び上記ポリエーテルポリカーボネートジオールの数平均分子量は、以下の条件にてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)に基づいてポリスチレン換算の分子量として測定することができる。
<測定条件>
カラム:Ohpak SB-802.5HQ(排除限界10000)
移動相:5mM LiBr/DMF
流速:0.5ml/min(26kg/cm2)
オーブン:60℃
検出器:RI 40℃
試料量:20μl
上記ポリエーテルポリカーボネートジオールのイソシアネート末端ウレタンプレポリマー全体に対する含有量は、25~75重量%が好ましく、35~65重量%がより好ましく、40~60重量%が最も好ましい。上記ポリエーテルポリカーボネートジオールの含有量が上記数値範囲内であることにより、被研磨物におけるディフェクトを抑制することができ、また、高い研磨レートを達成できる。
イソシアネート末端ウレタンプレポリマーに含まれる、上記ポリエーテルポリカーボネートジオール以外のポリオール成分としては、低分子量ポリオール、上記ポリエーテルポリカーボネートジオール以外の高分子量ポリオール、又はそれらの組み合わせが挙げられる。本発明において、低分子量ポリオールとは数平均分子量が30~300であるポリオールであり、高分子量ポリオールとは数平均分子量が300を超えるポリオールである。上記低分子量ポリオール及び上記ポリエーテルポリカーボネートジオール以外の高分子量ポリオールの数平均分子量は、上記ポリテトラメチレンエーテルグリコールに由来する構造単位及び上記ポリエーテルポリカーボネートジオールの数平均分子量において示したものと同様の方法により、測定することができる。
上記低分子量ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、又はそれらの組み合わせが挙げられる。
上記ポリエーテルポリカーボネートジオール以外の高分子量ポリオールとしては、例えば、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリエーテルポリオール;
エチレングリコールとアジピン酸との反応物やブチレングリコールとアジピン酸との反応物等のポリエステルポリオール;
ポリカーボネートポリオール;
ポリカプロラクトンポリオール;又はそれらの組み合わせ;が挙げられる。
上記ポリエーテルポリカーボネートジオール以外の高分子量ポリオールとしては、例えば、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリエーテルポリオール;
エチレングリコールとアジピン酸との反応物やブチレングリコールとアジピン酸との反応物等のポリエステルポリオール;
ポリカーボネートポリオール;
ポリカプロラクトンポリオール;又はそれらの組み合わせ;が挙げられる。
上記ポリエーテルポリカーボネートジオールの上記高分子量ポリオール全体に対する含有量は、80~100重量%が好ましく、85~100重量%がより好ましく、90~100重量%が最も好ましい。上記ポリエーテルポリカーボネートジオールの含有量が上記数値範囲内であることにより、被研磨物におけるディフェクトを抑制することができ、また、高い研磨レートを達成できる。
また、上記高分子量ポリオールを上記ポリエーテルポリカーボネートジオールからなるものとすることもできる。
また、上記高分子量ポリオールを上記ポリエーテルポリカーボネートジオールからなるものとすることもできる。
(ポリイソシアネート成分)
イソシアネート末端ウレタンプレポリマーに含まれるポリイソシアネート成分としては、
例えば、m-フェニレンジイソシアネート、
p-フェニレンジイソシアネート、
2,6-トリレンジイソシアネート(2,6-TDI)、
2,4-トリレンジイソシアネート(2,4-TDI)、
ナフタレン-1,4-ジイソシアネート、
ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート(MDI)、
4,4’-メチレン-ビス(シクロヘキシルイソシアネート)(水添MDI)、
3,3’-ジメトキシ-4,4’-ビフェニルジイソシアネート、
3,3’-ジメチルジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、
キシリレン-1,4-ジイソシアネート、
4,4’-ジフェニルプロパンジイソシアネート、
トリメチレンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、
プロピレン-1,2-ジイソシアネート、
ブチレン-1,2-ジイソシアネート、
シクロヘキシレン-1,2-ジイソシアネート、
シクロヘキシレン-1,4-ジイソシアネート、
p-フェニレンジイソチオシアネート、
キシリレン-1,4-ジイソチオシアネート、
エチリジンジイソチオシアネート、又はそれらの組み合わせが挙げられる。
この中でも、得られる研磨パッドの研磨特性や機械的強度等の観点から、2,6-トリレンジイソシアネート(2,6-TDI)、2,4-トリレンジイソシアネート(2,4-TDI)等のトリレンジイソシアネートを使用することが好ましい。
イソシアネート末端ウレタンプレポリマーに含まれるポリイソシアネート成分としては、
例えば、m-フェニレンジイソシアネート、
p-フェニレンジイソシアネート、
2,6-トリレンジイソシアネート(2,6-TDI)、
2,4-トリレンジイソシアネート(2,4-TDI)、
ナフタレン-1,4-ジイソシアネート、
ジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート(MDI)、
4,4’-メチレン-ビス(シクロヘキシルイソシアネート)(水添MDI)、
3,3’-ジメトキシ-4,4’-ビフェニルジイソシアネート、
3,3’-ジメチルジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、
キシリレン-1,4-ジイソシアネート、
4,4’-ジフェニルプロパンジイソシアネート、
トリメチレンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、
プロピレン-1,2-ジイソシアネート、
ブチレン-1,2-ジイソシアネート、
シクロヘキシレン-1,2-ジイソシアネート、
シクロヘキシレン-1,4-ジイソシアネート、
p-フェニレンジイソチオシアネート、
キシリレン-1,4-ジイソチオシアネート、
エチリジンジイソチオシアネート、又はそれらの組み合わせが挙げられる。
この中でも、得られる研磨パッドの研磨特性や機械的強度等の観点から、2,6-トリレンジイソシアネート(2,6-TDI)、2,4-トリレンジイソシアネート(2,4-TDI)等のトリレンジイソシアネートを使用することが好ましい。
(硬化剤)
硬化性樹脂組成物に含まれる硬化剤としては、例えば、以下に説明するアミン系硬化剤が挙げられる。
アミン系硬化剤を構成するポリアミンとしては、例えば、ジアミンが挙げられ、これには、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのアルキレンジアミン;イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジアミンなどの脂肪族環を有するジアミン;3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタン(別名:メチレンビス-o-クロロアニリン)(以下、MOCAと略記する。)などの芳香族環を有するジアミン;2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2-ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2-ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシプロピルエチレンジアミン等の水酸基を有するジアミン、特にヒドロキシアルキルアルキレンジアミン;又はそれらの組み合わせが挙げられる。また、3官能のトリアミン化合物、4官能以上のポリアミン化合物も使用可能である。
硬化性樹脂組成物に含まれる硬化剤としては、例えば、以下に説明するアミン系硬化剤が挙げられる。
アミン系硬化剤を構成するポリアミンとしては、例えば、ジアミンが挙げられ、これには、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのアルキレンジアミン;イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジアミンなどの脂肪族環を有するジアミン;3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタン(別名:メチレンビス-o-クロロアニリン)(以下、MOCAと略記する。)などの芳香族環を有するジアミン;2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2-ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2-ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシプロピルエチレンジアミン等の水酸基を有するジアミン、特にヒドロキシアルキルアルキレンジアミン;又はそれらの組み合わせが挙げられる。また、3官能のトリアミン化合物、4官能以上のポリアミン化合物も使用可能である。
特に好ましい硬化剤は、上述したMOCAであり、硬化剤をMOCAからなるものとすることもできる。このMOCAの化学構造は、以下のとおりである。
硬化剤全体の量は、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーのNCOのモル数に対する、硬化剤のNH2のモル数の比率(NH2のモル数/NCOのモル数)が、好ましくは0.7~1.1、より好ましくは0.75~1.0、最も好ましくは0.8~0.95となる量を用いる。
(微小中空球体)
本発明において、硬化性樹脂組成物は微小中空球体をさらに含むことができる。
微小中空球体をポリウレタン樹脂に混合することによって発泡体を形成することができる。微小中空球体とは、熱可塑性樹脂からなる外殻(ポリマー殻)と、外殻に内包される低沸点炭化水素とからなる未発泡の加熱膨張性微小球状体と、未発泡の加熱膨張性微小球状体を加熱膨張させたものをいう。前記ポリマー殻としては、例えば、アクリロニトリル-塩化ビニリデン共重合体、アクリロニトリル-メチルメタクリレート共重合体、塩化ビニル-エチレン共重合体などの熱可塑性樹脂を用いることができる。同様に、ポリマー殻に内包される低沸点炭化水素としては、例えば、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、石油エーテル、又はそれらの組み合わせを用いることができる。
本発明において、硬化性樹脂組成物は微小中空球体をさらに含むことができる。
微小中空球体をポリウレタン樹脂に混合することによって発泡体を形成することができる。微小中空球体とは、熱可塑性樹脂からなる外殻(ポリマー殻)と、外殻に内包される低沸点炭化水素とからなる未発泡の加熱膨張性微小球状体と、未発泡の加熱膨張性微小球状体を加熱膨張させたものをいう。前記ポリマー殻としては、例えば、アクリロニトリル-塩化ビニリデン共重合体、アクリロニトリル-メチルメタクリレート共重合体、塩化ビニル-エチレン共重合体などの熱可塑性樹脂を用いることができる。同様に、ポリマー殻に内包される低沸点炭化水素としては、例えば、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、石油エーテル、又はそれらの組み合わせを用いることができる。
(その他の成分)
その他に当業界で一般的に使用される触媒などを硬化性樹脂組成物に添加しても良い。
また、上述したポリイソシアネート成分を硬化性樹脂組成物に後から追加で添加することもでき、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーと追加のポリイソシアネート成分との合計重量に対する追加のポリイソシアネート成分の重量割合は、0.1~10重量%が好ましく、0.5~8重量%がより好ましく、1~5重量%が特に好ましい。
ポリウレタン樹脂硬化性組成物に追加で添加するポリイソシアネート成分としては、上述のポリイソシアネート成分を特に限定なく使用することができるが、4,4’-メチレン-ビス(シクロヘキシルイソシアネート)(水添MDI)が好ましい。
その他に当業界で一般的に使用される触媒などを硬化性樹脂組成物に添加しても良い。
また、上述したポリイソシアネート成分を硬化性樹脂組成物に後から追加で添加することもでき、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーと追加のポリイソシアネート成分との合計重量に対する追加のポリイソシアネート成分の重量割合は、0.1~10重量%が好ましく、0.5~8重量%がより好ましく、1~5重量%が特に好ましい。
ポリウレタン樹脂硬化性組成物に追加で添加するポリイソシアネート成分としては、上述のポリイソシアネート成分を特に限定なく使用することができるが、4,4’-メチレン-ビス(シクロヘキシルイソシアネート)(水添MDI)が好ましい。
2.光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法
本発明の光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法は、上述の研磨パッドを使用して光学材料又は半導体材料の表面を研磨する工程を含む。
本発明の光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法は、研磨パッドの表面、光学材料若しくは半導体材料の表面、又はそれらの両方にスラリーを供給する工程を更に含むことができる。
本発明の光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法は、上述の研磨パッドを使用して光学材料又は半導体材料の表面を研磨する工程を含む。
本発明の光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法は、研磨パッドの表面、光学材料若しくは半導体材料の表面、又はそれらの両方にスラリーを供給する工程を更に含むことができる。
(スラリー)
スラリーに含まれる液体成分としては、特に限定されないが、水(純水)、酸、アルカリ、有機溶剤、又はそれらの組み合わせが挙げられ、被研磨物の材質や所望の研磨条件等によって選択される。スラリーは、水(純水)を主成分とすることが好ましく、スラリー全体に対して、水を80重量%以上含むことが好ましい。スラリーに含まれる砥粒成分としては、特に限定されないが、シリカ、珪酸ジルコニウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マンガン、又はそれらの組み合わせが挙げられる。スラリーは、液体成分に可溶な有機物やpH調整剤等、その他の成分を含有していてもよい。
スラリーに含まれる液体成分としては、特に限定されないが、水(純水)、酸、アルカリ、有機溶剤、又はそれらの組み合わせが挙げられ、被研磨物の材質や所望の研磨条件等によって選択される。スラリーは、水(純水)を主成分とすることが好ましく、スラリー全体に対して、水を80重量%以上含むことが好ましい。スラリーに含まれる砥粒成分としては、特に限定されないが、シリカ、珪酸ジルコニウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マンガン、又はそれらの組み合わせが挙げられる。スラリーは、液体成分に可溶な有機物やpH調整剤等、その他の成分を含有していてもよい。
本発明を以下の例により実験的に説明するが、以下の説明は、本発明の範囲が以下の例に限定して解釈されることを意図するものではない。
(材料)
後述の実施例1~7及び比較例1~3で使用した材料を以下に列挙する。
後述の実施例1~7及び比較例1~3で使用した材料を以下に列挙する。
・ポリエーテルポリカーボネートジオール(イソシアネート末端ウレタンプレポリマーの原料として使用)
PEPCD(1)・・・数平均分子量250のポリテトラメチレンエーテルグリコールに由来する構造単位を含み、数平均分子量が1000であるポリエーテルポリカーボネートジオール(1)(上述の式(I)において、複数のR1がいずれもn-ブチレンであり、nが3.2、mが2.8であるポリエーテルポリカーボネートジオールである。下記の表1に詳細を示す。)
PEPCD(2)~(4)・・・それぞれポリエーテルポリカーボネートジオール(2)~(4)(上記PEPCD(1)と同様に、下記の表1に詳細を示す。)
PEPCD(1)・・・数平均分子量250のポリテトラメチレンエーテルグリコールに由来する構造単位を含み、数平均分子量が1000であるポリエーテルポリカーボネートジオール(1)(上述の式(I)において、複数のR1がいずれもn-ブチレンであり、nが3.2、mが2.8であるポリエーテルポリカーボネートジオールである。下記の表1に詳細を示す。)
PEPCD(2)~(4)・・・それぞれポリエーテルポリカーボネートジオール(2)~(4)(上記PEPCD(1)と同様に、下記の表1に詳細を示す。)
・イソシアネート末端ウレタンプレポリマー:
プレポリマー(1)・・・ポリイソシアネート成分として、2,4-トリレンジイソシアネートを43.8重量%含み、ポリオール成分として、上述の式(I)で表され、数平均分子量250のポリテトラメチレンエーテルグリコールに由来する構造単位を含み、数平均分子量が1000であるポリエーテルポリカーボネートジオールを50.4重量%、及びジエチレングリコールを5.8重量%含む、NCO当量420のウレタンプレポリマー
*各成分の含有量(重量%)はウレタンプレポリマー全体を100重量%とした場合の値を意味する。以下、プレポリマー(2)~(4)においても同様である。
プレポリマー(2)・・・ポリイソシアネート成分として、2,4-トリレンジイソシアネートを40.7重量%含み、ポリオール成分として、数平均分子量650のポリテトラメチレンエーテルグリコールを27.9重量%、数平均分子量1000のポリテトラメチレンエーテルグリコールを27.9重量%、及びジエチレングリコールを3.5重量%含む、NCO当量420のウレタンプレポリマー
プレポリマー(3)・・・ポリイソシアネート成分として、2,4-トリレンジイソシアネートを44.5重量%含み、ポリオール成分として、数平均分子量650のポリテトラメチレンエーテルグリコールを48.2重量%、及びジエチレングリコールを7.3重量%含む、NCO当量440のウレタンプレポリマー
プレポリマー(4)・・・ポリイソシアネート成分として、2,4-トリレンジイソシアネートを35.6重量%含み、ポリオール成分として、数平均分子量1000のポリプロピレングリコールを59.4重量、及びジエチレングリコールを5.0重量%含む、NCO当量500のウレタンプレポリマー
プレポリマー(5)~(10)・・・下記の表2に詳細を示す。
表2に示す各成分の数値は、ウレタンプレポリマー全体を1000重量部とした場合の各成分の重量部を意味する。
例えば、表2に示すプレポリマー(5)は、ポリイソシアネート成分として、2,4-トリレンジイソシアネートを375重量部含み、高分子量ポリオール成分として、上述のPEPCD(1)を562重量部含み、低分子量ポリオール成分として、ジエチレングリコールを63重量部含む、NCO当量500のウレタンプレポリマーである。プレポリマー(5)全体に対して、2,4-トリレンジイソシアネート、PEPCD(1)、及びジエチレングリコールの含有量は、それぞれ37.5重量%、56.2重量%、及び6.3重量%となる。
プレポリマー(1)・・・ポリイソシアネート成分として、2,4-トリレンジイソシアネートを43.8重量%含み、ポリオール成分として、上述の式(I)で表され、数平均分子量250のポリテトラメチレンエーテルグリコールに由来する構造単位を含み、数平均分子量が1000であるポリエーテルポリカーボネートジオールを50.4重量%、及びジエチレングリコールを5.8重量%含む、NCO当量420のウレタンプレポリマー
*各成分の含有量(重量%)はウレタンプレポリマー全体を100重量%とした場合の値を意味する。以下、プレポリマー(2)~(4)においても同様である。
プレポリマー(2)・・・ポリイソシアネート成分として、2,4-トリレンジイソシアネートを40.7重量%含み、ポリオール成分として、数平均分子量650のポリテトラメチレンエーテルグリコールを27.9重量%、数平均分子量1000のポリテトラメチレンエーテルグリコールを27.9重量%、及びジエチレングリコールを3.5重量%含む、NCO当量420のウレタンプレポリマー
プレポリマー(3)・・・ポリイソシアネート成分として、2,4-トリレンジイソシアネートを44.5重量%含み、ポリオール成分として、数平均分子量650のポリテトラメチレンエーテルグリコールを48.2重量%、及びジエチレングリコールを7.3重量%含む、NCO当量440のウレタンプレポリマー
プレポリマー(4)・・・ポリイソシアネート成分として、2,4-トリレンジイソシアネートを35.6重量%含み、ポリオール成分として、数平均分子量1000のポリプロピレングリコールを59.4重量、及びジエチレングリコールを5.0重量%含む、NCO当量500のウレタンプレポリマー
プレポリマー(5)~(10)・・・下記の表2に詳細を示す。
表2に示す各成分の数値は、ウレタンプレポリマー全体を1000重量部とした場合の各成分の重量部を意味する。
例えば、表2に示すプレポリマー(5)は、ポリイソシアネート成分として、2,4-トリレンジイソシアネートを375重量部含み、高分子量ポリオール成分として、上述のPEPCD(1)を562重量部含み、低分子量ポリオール成分として、ジエチレングリコールを63重量部含む、NCO当量500のウレタンプレポリマーである。プレポリマー(5)全体に対して、2,4-トリレンジイソシアネート、PEPCD(1)、及びジエチレングリコールの含有量は、それぞれ37.5重量%、56.2重量%、及び6.3重量%となる。
・硬化剤:
MOCA・・・3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタン(別名:メチレンビス-o-クロロアニリン)(NH2当量=133.5)
MOCA・・・3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタン(別名:メチレンビス-o-クロロアニリン)(NH2当量=133.5)
・微小中空球体:
Expancel461DU20(日本フィライト株式会社製)
Expancel461DE20d70(日本フィライト株式会社製)
Expancel461DU20(日本フィライト株式会社製)
Expancel461DE20d70(日本フィライト株式会社製)
(実施例1)
A成分としてプレポリマー(1)を100g、B成分として硬化剤であるMOCAを28.6g、C成分として微小中空球体(Expancel461DU20)3.0gをそれぞれ準備した。なお、各成分の比率を示すためにg表示として記載しているが、ブロックの大きさに応じて必要な重量(部)を準備すれば良い。以下同様にg(部)表記で記載する。
A成分とC成分を混合し、A成分とC成分との混合物及びB成分それぞれを予め減圧脱泡した後、A成分とC成分との混合物及びB成分を混合機に供給し、A成分、B成分、及びC成分の混合液を得た。なお、得られたA成分、B成分、及びC成分の混合液における、A成分のプレポリマーのNCOのモル数に対する、B成分のMOCAのNH2のモル数の比率(NH2のモル数/NCOのモル数)は0.90である。
得られたA成分、B成分、及びC成分の混合液を80℃に加熱した型枠(850mm×850mmの正方形の形状)に注型し、30分間、80℃にて一次硬化させた。形成された樹脂発泡体を型枠から抜き出し、オーブンにて120℃で4時間、二次硬化した。得られた樹脂発泡体を25℃まで放冷した後、再度オーブンにて120℃で5時間加熱した。得られた樹脂発泡体を厚さ方向にわたって1.3mm厚にスライスしてウレタンシートを作成し、このウレタンシートの裏面に両面テープを貼り付け、研磨パッドとした。
A成分としてプレポリマー(1)を100g、B成分として硬化剤であるMOCAを28.6g、C成分として微小中空球体(Expancel461DU20)3.0gをそれぞれ準備した。なお、各成分の比率を示すためにg表示として記載しているが、ブロックの大きさに応じて必要な重量(部)を準備すれば良い。以下同様にg(部)表記で記載する。
A成分とC成分を混合し、A成分とC成分との混合物及びB成分それぞれを予め減圧脱泡した後、A成分とC成分との混合物及びB成分を混合機に供給し、A成分、B成分、及びC成分の混合液を得た。なお、得られたA成分、B成分、及びC成分の混合液における、A成分のプレポリマーのNCOのモル数に対する、B成分のMOCAのNH2のモル数の比率(NH2のモル数/NCOのモル数)は0.90である。
得られたA成分、B成分、及びC成分の混合液を80℃に加熱した型枠(850mm×850mmの正方形の形状)に注型し、30分間、80℃にて一次硬化させた。形成された樹脂発泡体を型枠から抜き出し、オーブンにて120℃で4時間、二次硬化した。得られた樹脂発泡体を25℃まで放冷した後、再度オーブンにて120℃で5時間加熱した。得られた樹脂発泡体を厚さ方向にわたって1.3mm厚にスライスしてウレタンシートを作成し、このウレタンシートの裏面に両面テープを貼り付け、研磨パッドとした。
(実施例2)
実施例1のA成分のプレポリマー(1)100g及びB成分のMOCA28.6gに代えて、A成分としてプレポリマー(5)100g、B成分としてMOCA24.0gを準備した以外は、実施例1と同様にして、ウレタンシートを作成し、研磨パッドを得た。
なお、A成分、B成分、及びC成分の混合液における、A成分のプレポリマーのNCOのモル数に対する、B成分のMOCAのNH2のモル数の比率(NH2のモル数/NCOのモル数)は0.90である。
実施例1のA成分のプレポリマー(1)100g及びB成分のMOCA28.6gに代えて、A成分としてプレポリマー(5)100g、B成分としてMOCA24.0gを準備した以外は、実施例1と同様にして、ウレタンシートを作成し、研磨パッドを得た。
なお、A成分、B成分、及びC成分の混合液における、A成分のプレポリマーのNCOのモル数に対する、B成分のMOCAのNH2のモル数の比率(NH2のモル数/NCOのモル数)は0.90である。
(実施例3)
実施例1のA成分のプレポリマー(1)100g及びB成分のMOCA28.6gに代えて、A成分としてプレポリマー(6)100g、B成分としてMOCA20.0gを準備した以外は、実施例1と同様にして、ウレタンシートを作成し、研磨パッドを得た。
なお、A成分、B成分、及びC成分の混合液における、A成分のプレポリマーのNCOのモル数に対する、B成分のMOCAのNH2のモル数の比率(NH2のモル数/NCOのモル数)は0.90である。
実施例1のA成分のプレポリマー(1)100g及びB成分のMOCA28.6gに代えて、A成分としてプレポリマー(6)100g、B成分としてMOCA20.0gを準備した以外は、実施例1と同様にして、ウレタンシートを作成し、研磨パッドを得た。
なお、A成分、B成分、及びC成分の混合液における、A成分のプレポリマーのNCOのモル数に対する、B成分のMOCAのNH2のモル数の比率(NH2のモル数/NCOのモル数)は0.90である。
(実施例4)
実施例1のA成分のプレポリマー(1)100gに代えて、A成分としてプレポリマー(7)100gを準備した以外は、実施例1と同様にして、ウレタンシートを作成し、研磨パッドを得た。
なお、A成分、B成分、及びC成分の混合液における、A成分のプレポリマーのNCOのモル数に対する、B成分のMOCAのNH2のモル数の比率(NH2のモル数/NCOのモル数)は0.90である。
実施例1のA成分のプレポリマー(1)100gに代えて、A成分としてプレポリマー(7)100gを準備した以外は、実施例1と同様にして、ウレタンシートを作成し、研磨パッドを得た。
なお、A成分、B成分、及びC成分の混合液における、A成分のプレポリマーのNCOのモル数に対する、B成分のMOCAのNH2のモル数の比率(NH2のモル数/NCOのモル数)は0.90である。
(実施例5)
実施例1のA成分のプレポリマー(1)100gに代えて、A成分としてプレポリマー(8)100gを準備した以外は、実施例1と同様にして、ウレタンシートを作成し、研磨パッドを得た。
なお、A成分、B成分、及びC成分の混合液における、A成分のプレポリマーのNCOのモル数に対する、B成分のMOCAのNH2のモル数の比率(NH2のモル数/NCOのモル数)は0.90である。
実施例1のA成分のプレポリマー(1)100gに代えて、A成分としてプレポリマー(8)100gを準備した以外は、実施例1と同様にして、ウレタンシートを作成し、研磨パッドを得た。
なお、A成分、B成分、及びC成分の混合液における、A成分のプレポリマーのNCOのモル数に対する、B成分のMOCAのNH2のモル数の比率(NH2のモル数/NCOのモル数)は0.90である。
(実施例6)
実施例1のA成分のプレポリマー(1)100gに代えて、A成分としてプレポリマー(9)100gを準備した以外は、実施例1と同様にして、ウレタンシートを作成し、研磨パッドを得た。
なお、A成分、B成分、及びC成分の混合液における、A成分のプレポリマーのNCOのモル数に対する、B成分のMOCAのNH2のモル数の比率(NH2のモル数/NCOのモル数)は0.90である。
実施例1のA成分のプレポリマー(1)100gに代えて、A成分としてプレポリマー(9)100gを準備した以外は、実施例1と同様にして、ウレタンシートを作成し、研磨パッドを得た。
なお、A成分、B成分、及びC成分の混合液における、A成分のプレポリマーのNCOのモル数に対する、B成分のMOCAのNH2のモル数の比率(NH2のモル数/NCOのモル数)は0.90である。
(実施例7)
実施例1のA成分のプレポリマー(1)100gに代えて、A成分としてプレポリマー(10)100gを準備した以外は、実施例1と同様にして、ウレタンシートを作成し、研磨パッドを得た。
なお、A成分、B成分、及びC成分の混合液における、A成分のプレポリマーのNCOのモル数に対する、B成分のMOCAのNH2のモル数の比率(NH2のモル数/NCOのモル数)は0.90である。
実施例1のA成分のプレポリマー(1)100gに代えて、A成分としてプレポリマー(10)100gを準備した以外は、実施例1と同様にして、ウレタンシートを作成し、研磨パッドを得た。
なお、A成分、B成分、及びC成分の混合液における、A成分のプレポリマーのNCOのモル数に対する、B成分のMOCAのNH2のモル数の比率(NH2のモル数/NCOのモル数)は0.90である。
(比較例1)
実施例1のA成分のプレポリマー(1)100gに代えて、A成分としてプレポリマー(2)100gを準備した以外は、実施例1と同様にして、ウレタンシートを作成し、研磨パッドを得た。
なお、A成分、B成分、及びC成分の混合液における、A成分のプレポリマーのNCOのモル数に対する、B成分のMOCAのNH2のモル数の比率(NH2のモル数/NCOのモル数)は0.90である。
実施例1のA成分のプレポリマー(1)100gに代えて、A成分としてプレポリマー(2)100gを準備した以外は、実施例1と同様にして、ウレタンシートを作成し、研磨パッドを得た。
なお、A成分、B成分、及びC成分の混合液における、A成分のプレポリマーのNCOのモル数に対する、B成分のMOCAのNH2のモル数の比率(NH2のモル数/NCOのモル数)は0.90である。
(比較例2)
実施例1のA成分のプレポリマー(1)100g、及びB成分のMOCA28.6gに代えて、A成分としてプレポリマー(3)100g、B成分として硬化剤であるMOCA27.3gをそれぞれ準備した以外は、実施例1と同様にして、ウレタンシートを作成し、研磨パッドを得た。
なお、A成分、B成分、及びC成分の混合液における、A成分のプレポリマーのNCOのモル数に対する、B成分のMOCAのNH2のモル数の比率(NH2のモル数/NCOのモル数)は0.90である。
実施例1のA成分のプレポリマー(1)100g、及びB成分のMOCA28.6gに代えて、A成分としてプレポリマー(3)100g、B成分として硬化剤であるMOCA27.3gをそれぞれ準備した以外は、実施例1と同様にして、ウレタンシートを作成し、研磨パッドを得た。
なお、A成分、B成分、及びC成分の混合液における、A成分のプレポリマーのNCOのモル数に対する、B成分のMOCAのNH2のモル数の比率(NH2のモル数/NCOのモル数)は0.90である。
(比較例3)
実施例1のA成分のプレポリマー(1)100g、B成分のMOCA28.6g、及びC成分の微小中空球体(Expancel461DU20)3.0gに代えて、A成分としてプレポリマー(4)100g、B成分として硬化剤であるMOCA24.0g、C成分として微小中空球体(Expancel461DE20d70)2.5gをそれぞれ準備した以外は、実施例1と同様にして、ウレタンシートを作成し、研磨パッドを得た。
なお、A成分、B成分、及びC成分の混合液における、A成分のプレポリマーのNCOのモル数に対する、B成分のMOCAのNH2のモル数の比率(NH2のモル数/NCOのモル数)は0.90である。
実施例1のA成分のプレポリマー(1)100g、B成分のMOCA28.6g、及びC成分の微小中空球体(Expancel461DU20)3.0gに代えて、A成分としてプレポリマー(4)100g、B成分として硬化剤であるMOCA24.0g、C成分として微小中空球体(Expancel461DE20d70)2.5gをそれぞれ準備した以外は、実施例1と同様にして、ウレタンシートを作成し、研磨パッドを得た。
なお、A成分、B成分、及びC成分の混合液における、A成分のプレポリマーのNCOのモル数に対する、B成分のMOCAのNH2のモル数の比率(NH2のモル数/NCOのモル数)は0.90である。
(評価方法)
実施例1及び4並びに比較例1~3それぞれのウレタンシート(両面テープを貼り付ける前の状態)又は研磨パッドについて、以下の(1)厚み、密度、D硬度、引張強度、及び引裂強度、(2)ディフェクト、並びに(3)研磨レートの各測定を行った。また、実施例2、3、及び5~7それぞれのウレタンシート(両面テープを貼り付ける前の状態)について、以下の(1)厚み、密度、D硬度、引張強度、及び引裂強度の測定を行った。測定結果を以下の表3~8及び図1~4に示す。
実施例1及び4並びに比較例1~3それぞれのウレタンシート(両面テープを貼り付ける前の状態)又は研磨パッドについて、以下の(1)厚み、密度、D硬度、引張強度、及び引裂強度、(2)ディフェクト、並びに(3)研磨レートの各測定を行った。また、実施例2、3、及び5~7それぞれのウレタンシート(両面テープを貼り付ける前の状態)について、以下の(1)厚み、密度、D硬度、引張強度、及び引裂強度の測定を行った。測定結果を以下の表3~8及び図1~4に示す。
(1)厚み、密度、D硬度、引張強度、及び引裂強度
(厚み)
ウレタンシートの厚み(mm)は、日本工業規格(JIS K 6550)に準拠して測定した。
(厚み)
ウレタンシートの厚み(mm)は、日本工業規格(JIS K 6550)に準拠して測定した。
(密度)
ウレタンシートの密度(g/cm3)は、日本工業規格(JIS K 6505)に準拠して測定した。
ウレタンシートの密度(g/cm3)は、日本工業規格(JIS K 6505)に準拠して測定した。
(D硬度)
ウレタンシートのD硬度は、日本工業規格(JIS-K-6253)に準拠して、D型硬度計を用いて測定した。ここで、測定試料は、少なくとも総厚さ4.5mm以上になるように、必要に応じて複数枚のウレタンシートを重ねることで得た。
ウレタンシートのD硬度は、日本工業規格(JIS-K-6253)に準拠して、D型硬度計を用いて測定した。ここで、測定試料は、少なくとも総厚さ4.5mm以上になるように、必要に応じて複数枚のウレタンシートを重ねることで得た。
(引張強度)
ウレタンシートを日本工業規格(JIS6550)の引張強度の測定で規定するダンベル状に切り出し、引張速度100mm/分、試験温度20℃で日本工業規格(JIS6550)に準じて引張強度(kg/mm2)を測定した。
ウレタンシートを日本工業規格(JIS6550)の引張強度の測定で規定するダンベル状に切り出し、引張速度100mm/分、試験温度20℃で日本工業規格(JIS6550)に準じて引張強度(kg/mm2)を測定した。
(引裂強度)
ウレタンシートを日本工業規格(JIS6550)の引裂強度の測定で規定する切り込みを有する長方形状に切り出し、引裂速度100mm/分、試験温度20℃で日本工業規格(JIS6550)に準じて引裂強度(kg/mm2)を測定した。
ウレタンシートを日本工業規格(JIS6550)の引裂強度の測定で規定する切り込みを有する長方形状に切り出し、引裂速度100mm/分、試験温度20℃で日本工業規格(JIS6550)に準じて引裂強度(kg/mm2)を測定した。
(2)ディフェクト
研磨パッドを、研磨装置の所定位置にアクリル系接着剤を有する両面テープを介して設置し、下記の研磨条件にて研磨加工を施した。
そして、研磨処理枚数が5枚目、15枚目、25枚目の基板を表面検査装置(KLAテンコール社製、Surfscan SP2XP)の高感度測定モードを用いて、大きさが90nm以上となるディフェクト(表面欠陥)を検出した。検出された各ディフェクトについて、レビューSEM(KLAテンコール社製、eDR-5210)を用いて、測定モード:ELECTRON_OPTICS・測定条件:ELECTRON_LANDING_ENERGY 300eV・BEAM_CURRENT 100pAで撮影したSEM画像の解析を行い、「パーティクル」・「パッド屑」・「スクラッチ」の各分類からそれぞれの個数を計測した。結果を表5及び6並びに図1及び3に示す。
「パーティクル」・「パッド屑」・「スクラッチ」の各ディフェクトの数が少なければ少ない程、ディフェクトが少なく良好であるといえる。
研磨パッドを、研磨装置の所定位置にアクリル系接着剤を有する両面テープを介して設置し、下記の研磨条件にて研磨加工を施した。
そして、研磨処理枚数が5枚目、15枚目、25枚目の基板を表面検査装置(KLAテンコール社製、Surfscan SP2XP)の高感度測定モードを用いて、大きさが90nm以上となるディフェクト(表面欠陥)を検出した。検出された各ディフェクトについて、レビューSEM(KLAテンコール社製、eDR-5210)を用いて、測定モード:ELECTRON_OPTICS・測定条件:ELECTRON_LANDING_ENERGY 300eV・BEAM_CURRENT 100pAで撮影したSEM画像の解析を行い、「パーティクル」・「パッド屑」・「スクラッチ」の各分類からそれぞれの個数を計測した。結果を表5及び6並びに図1及び3に示す。
「パーティクル」・「パッド屑」・「スクラッチ」の各ディフェクトの数が少なければ少ない程、ディフェクトが少なく良好であるといえる。
<研磨試験の条件>
・使用研磨機:荏原製作所社製、F-REX300X
・Disk:3MA188(#100)
・回転数:(定盤)85rpm、(トップリング)86rpm
・研磨圧力:3.5psi
・研磨剤:フジミインコーポレーテッド社製、品番:PL6115(PL6115原液:純水=重量比1:1の混合液を使用)
・研磨剤温度:20℃
・研磨剤吐出量:200ml/min
・使用ワーク(被研磨物):12インチシリコンウエハ上にテトラエトキシシランをPE-CVDで絶縁膜1μmの厚さになるように形成した基板
・パッドブレーク:35N 10分
・コンディショニング:Ex-situ、35N、4スキャン
・研磨処理枚数:25枚
・使用研磨機:荏原製作所社製、F-REX300X
・Disk:3MA188(#100)
・回転数:(定盤)85rpm、(トップリング)86rpm
・研磨圧力:3.5psi
・研磨剤:フジミインコーポレーテッド社製、品番:PL6115(PL6115原液:純水=重量比1:1の混合液を使用)
・研磨剤温度:20℃
・研磨剤吐出量:200ml/min
・使用ワーク(被研磨物):12インチシリコンウエハ上にテトラエトキシシランをPE-CVDで絶縁膜1μmの厚さになるように形成した基板
・パッドブレーク:35N 10分
・コンディショニング:Ex-situ、35N、4スキャン
・研磨処理枚数:25枚
(3)研磨レート
研磨パッドを、研磨装置の所定位置にアクリル系接着剤を有する両面テープを介して設置し、上記「(2)ディフェクト」の研磨条件にて研磨加工を施した。そして、研磨処理枚数が5枚目、15枚目、25枚目の基板の研磨レート(単位:Å)を測定した。結果を表7及び8並びに図2及び4に示す。
研磨パッドを、研磨装置の所定位置にアクリル系接着剤を有する両面テープを介して設置し、上記「(2)ディフェクト」の研磨条件にて研磨加工を施した。そして、研磨処理枚数が5枚目、15枚目、25枚目の基板の研磨レート(単位:Å)を測定した。結果を表7及び8並びに図2及び4に示す。
表5及び6並びに図1及び3の結果より、ポリエーテルポリカーボネートジオールを含むウレタンプレポリマーを使用した実施例1及び4の研磨パッドは、ポリテトラメチレンエーテルグリコールを含むウレタンプレポリマーを使用した比較例1及び2の研磨パッド、並びにポリプロピレングリコールを含むウレタンプレポリマーを使用した比較例3の研磨パッドに比べて、ディフェクトが極めて少なく、ディフェクトの発生を抑制できることがわかった。特に、実施例1及び4の研磨パッドは、比較1~3の研磨パッドとは異なり、研磨処理枚数に関わらずパッド屑に関するディフェクトが観察されず、ディフェクトの抑制の点で極めて優れていることがわかった。
また、表7及び8並びに図2及び4の結果より、実施例1及び4の研磨パッドは、比較例1~3の研磨パッドに比べて、研磨レートが同等以上であり、研磨性に優れていることがわかった。
以上より、上記式(I)で表されるポリエーテルポリカーボネートジオールを含むイソシアネート末端ウレタンプレポリマーを使用して形成された研磨パッドは、研磨時のディフェクトの発生を抑制でき、また、研磨レートに優れることがわかった。
また、表7及び8並びに図2及び4の結果より、実施例1及び4の研磨パッドは、比較例1~3の研磨パッドに比べて、研磨レートが同等以上であり、研磨性に優れていることがわかった。
以上より、上記式(I)で表されるポリエーテルポリカーボネートジオールを含むイソシアネート末端ウレタンプレポリマーを使用して形成された研磨パッドは、研磨時のディフェクトの発生を抑制でき、また、研磨レートに優れることがわかった。
Claims (9)
- 前記式(I)におけるR1がn-ブチレン基及び/又は2-メチルブチレン基である、請求項1に記載の研磨パッド。
- 前記ポリエーテルポリカーボネートジオールがポリテトラメチレンエーテルグリコールに由来する構造単位を含み、前記ポリテトラメチレンエーテルグリコールに由来する構造単位の数平均分子量が100~1500である、請求項1又は2に記載の研磨パッド。
- 前記ポリエーテルポリカーボネートジオールの数平均分子量が200~5000である、請求項1~3のいずれか1つに記載の研磨パッド。
- 前記ポリイソシアネート成分がトリレンジイソシアネートを含む、請求項1~4のいずれか1つに記載の研磨パッド。
- 前記硬化剤が3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタンを含む、請求項1~5のいずれか1つに記載の研磨パッド。
- 前記硬化性樹脂組成物が微小中空球体をさらに含む、請求項1~6のいずれか1つに記載の研磨パッド。
- 請求項1~7のいずれか1つに記載の研磨パッドの製造方法であって、前記研磨層を成形する工程を含む、前記方法。
- 光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法であって、請求項1~7のいずれか1つに記載の研磨パッドを使用して光学材料又は半導体材料の表面を研磨する工程を含む、前記方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021004349 | 2021-01-14 | ||
JP2021004349 | 2021-01-14 |
Publications (1)
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JP2022109235A true JP2022109235A (ja) | 2022-07-27 |
Family
ID=82556813
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022001608A Pending JP2022109235A (ja) | 2021-01-14 | 2022-01-07 | 研磨パッド、研磨パッドの製造方法、及び光学材料又は半導体材料の表面を研磨する方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2022109235A (ja) |
-
2022
- 2022-01-07 JP JP2022001608A patent/JP2022109235A/ja active Pending
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