JP2022096134A - サイジング剤付着炭素繊維の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】サイジング剤を含むサイジング剤組成物を炭素繊維に付与しサイジング剤組成物が付着した炭素繊維を得ること、サイジング剤組成物が付着した炭素繊維を第1温度を有する熱風で乾燥処理すること、及び、第1温度を有する熱風で乾燥処理された炭素繊維を第1温度よりも低い第2温度を有する熱風で乾燥処理すること、を含む、サイジング剤付着炭素繊維の製造方法。
【選択図】なし
Description
サイジング剤を含むサイジング剤組成物を炭素繊維に付与し、サイジング剤組成物が付着した炭素繊維を得ること、
サイジング剤組成物が付着した前記炭素繊維を、第1温度を有する熱風で乾燥処理すること、及び、
前記第1温度を有する熱風で乾燥処理された前記炭素繊維を、前記第1温度よりも低い第2温度を有する熱風で乾燥処理すること
を含む、サイジング剤付着炭素繊維の製造方法。
<態様2>
前記サイジング剤の、動的粘弾性測定によって得られる50℃における粘度が10000mPa・s超であり、かつ100℃における粘度が400mPa・s以上700mPa・s以下である、態様1に記載の方法。
<態様3>
前記第1温度が、130℃以上である、態様1又は2に記載の方法。
<態様4>
サイジング剤の付着量が、炭素繊維に対して、0.3重量%~1.5重量%である、態様1~3のいずれか一項に記載の方法。
<態様5>
前記第1温度を有する熱風で乾燥処理された前記炭素繊維の水分含有率が、1.5%以下である、態様1~4のいずれか一項に記載の方法。
<態様6>
前記第1温度を有する熱風で乾燥処理された前記炭素繊維の水分含有率が、0.2%以上である、態様1~5のいずれか一項に記載の方法。
<態様7>
前記第2温度を有する熱風で乾燥処理された前記炭素繊維の水分含有率が、0.1%以下である、態様1~6のいずれか一項に記載の方法。
<態様8>
前記サイジング剤が、架橋可能基を有する樹脂を含有している、態様1~7のいずれか一項に記載の方法。
<態様9>
前記架橋可能基を有する樹脂が、エポキシ樹脂である、態様8に記載の方法。
<態様10>
前記サイジング剤が、ポリエステル樹脂をさらに含有している、態様8又は9に記載の方法。
<態様11>
前記第2温度を有する熱風での乾燥処理による、前記架橋可能基の当量の変化率が、10%以下である、態様8~10のいずれか一項に記載の方法記載の方法。
本開示に係るサイジング剤付着炭素繊維の製造方法は、
サイジング剤を含むサイジング剤組成物を炭素繊維に付与し、サイジング剤組成物が付着した炭素繊維を得る、付与工程
サイジング剤組成物が付着した炭素繊維を、第1温度を有する熱風で乾燥処理する、第1乾燥工程、及び、
第1温度を有する熱風で乾燥処理された炭素繊維を、第1温度よりも低い第2温度を有する熱風で乾燥処理する、第2乾燥工程、
を含む。
付与工程では、サイジング剤を含むサイジング剤組成物を炭素繊維に付与し、サイジング剤組成物が付着した炭素繊維を得る。
サイジング剤組成物は、サイジング剤及び分散媒又は溶媒を含むことができる。サイジング剤組成物を調製する方法は特に限定されず、公知の調製方法を用いることができる。
サイジング剤の組成は、特に限定されない。サイジング剤に含有される成分としては、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリイミド樹脂及びその変性物、並びにこれらの混合物が挙げられる。炭素繊維の使用用途などに応じて、適切なサイジング剤を選択することができる。
本発明では、サイジング剤の粘度を調節することによって、さらに優れた物性を有するサイジング剤付着炭素繊維を得ることができる。
本発明では、サイジング剤の付着量を調節することによって、さらに優れた物性を有するサイジング剤付着炭素繊維を得ることができる。
1.0mのサイジング剤付着炭素繊維を採取し、デシケーター内で10分保管し、重量aを測定する。このサイジング剤の付着した炭素繊維をアセトン中で洗浄し、120℃の熱風乾燥機で1時間乾燥させ、デシケーターに10分保管し、重量bを測定する。重量減少分をサイジング剤の付着量として、次式に従って、サイジング剤の付着量を算出する。
サイジング剤の付着量=(a-b)/b×100[%]
a:処理前の繊維重量[g]
b:処理後の繊維重量[g]
本開示に係る方法で用いることができる炭素繊維は、特に制限されない。炭素繊維としては、好ましくは、ポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維が使用される。炭素繊維の詳細については、後述する。
第1乾燥工程では、第1温度を有する熱風を用いて、サイジング剤組成物が付着した炭素繊維を乾燥処理する。この乾燥工程(及び後述する第2乾燥工程)では、エアドライヤー、又は熱風乾燥機、例えば垂直流式の熱風乾燥機を用いることができる。特に、炭素繊維に対し垂直に熱風を吹き付ける垂直流の熱風乾燥機を使用することができ、この場合には、室温から100℃までの昇温速度をさらに早めることができる。
第1温度は、100℃以上であってよい。第1温度は、好ましくは、130℃以上、150℃以上、175℃以上、若しくは190℃以上であり、かつ/又は、250℃以下、240℃以下、230℃以下、220℃以下、若しくは210℃以下である。第1温度が当該範囲である場合には、付与したサイジング剤組成物の分散媒(水分)を速やかに除去できるだけでなく、炭素繊維を移送するためのローラー又は金属ガイドへのサイジング剤の付着を抑制することができ、かつ炭素繊維の耐擦過性をさらに向上させることができる。
第1温度を有する熱風で乾燥処理された炭素繊維の水分含有率は、4.0%以下であってよく、好ましくは、1.5%以下、1.2%以下、1.0%以下、0.7%以下、0.6%以下、0.4%以下、若しくは0.3%以下であり、かつ/又は、0.1%以上、0.15%以上、0.2%以上、若しくは0.25%以上である。なお、第1温度を有する熱風で乾燥処理された炭素繊維の水分含有率は、第2温度を有する熱風による乾燥処理を行う前に計測することができ、特には、第1温度を有する熱風による乾燥処理を行った直後に計測することができる。
第1乾燥工程における乾燥時間は、特に制限されないが、例えば、第1温度を有する熱風で乾燥処理された炭素繊維の水分含有率が所望の値となるように、乾燥に要する時間を適宜設定することができる。第1乾燥工程における乾燥時間は、例えば、0.2分~5分であってよい。
第2乾燥工程では、第1温度を有する熱風で乾燥処理された上記の炭素繊維を、第1温度よりも低い第2温度を有する熱風を用いて、乾燥処理する。
第2温度は、第1温度よりも低い温度である。第2温度は、第1温度よりも1℃以上、5℃以上、10℃以上、15℃以上、若しくは20℃以上低い温度であってよい。また、第1温度と第2温度との間の差異は、100℃以下、75℃以下、50℃以下、40℃以下、30℃以下、若しくは25℃以下であってよい。
第2温度を有する熱風で乾燥処理された炭素繊維の水分含有率は、好ましくは、0.2%以下、0.15%以下、0.10%以下、0.05%以下、若しくは0.01%以下であり、かつ/又は、0.001%以上、若しくは0.005%以上である。第2温度を有する熱風で乾燥処理された炭素繊維の水分含有率は、第2温度を有する熱風によって乾燥処理を行った直後に計測することができる。
第2乾燥工程における乾燥時間は、特に制限されないが、例えば、第2温度を有する熱風で乾燥処理された炭素繊維の水分含有率が所望の値となるように、乾燥に要する時間を適宜設定することができる。第2乾燥工程における乾燥時間は、例えば、0.2分~5分であってよい。
本開示に係る1つの実施態様では、第2温度を有する熱風での乾燥処理によるエポキシ当量の変化率が、10%以下である。第2温度を有する熱風での乾燥処理によるエポキシ当量の変化率は、好ましくは8%以下、より好ましくは5%以下、さらに好ましくは2%以下、特に好ましくは1%である。
(|E2-E1|×100)/E1 ・・・(1)
[式中、E1は第1乾燥工程後のエポキシ当量を示し、E2は第2乾燥工程後のエポキシ当量を示す。]
本発明で使用することができる炭素繊維は、特に制限が無く、ピッチ系、レーヨン系、ポリアクリロニトリル(PAN)系など、いずれの炭素繊維も使用できるが、操作性、工程通過性、及び機械強度等を鑑みると、アクリロニトリル系の炭素繊維が好ましい。炭素繊維の繊度、強度等の特性も特に制限が無く、公知のいずれの炭素繊維も制限無く使用できる。
アクリル系前駆体繊維は、好ましくは、アクリロニトリルを90質量%以上、より好ましくは95質量%以上含有し、その他の単量体を10質量%以下含有する単量体を単独又は共重合した紡糸溶液を紡糸して製造される。その他の単量体としてはイタコン酸、(メタ)アクリル酸エステル等が例示される。紡糸後の原料繊維を、水洗、乾燥、延伸、オイリング処理することにより、前駆体繊維を得ることができる。前駆体繊維のフィラメント数は、製造効率の面では1,000本以上が好ましく、3,000本以上がより好ましい。
前駆体繊維を、加熱空気中200~300℃で10~100分間加熱し、耐炎化処理する。耐炎化処理では、延伸倍率0.90~1.20の範囲で繊維を延伸処理することが好ましい。
耐炎化処理した前駆体繊維を、不活性雰囲気下において300~2000℃で炭素化して、炭素繊維を得る。より引張強度の高い緻密な内部構造をもつ炭素繊維束を得るためには、300℃~1000℃で低温炭素化した後、1000~2000℃で高温炭素化する二段階の炭素化工程を経て、炭素化処理を行うことが好ましい。より高い弾性率が求められる場合は、さらに、2000~3000℃の高温で黒鉛化処理を行ってもよい。
上記で得られた炭素繊維は、サイジング剤及び/又はマトリックス樹脂との濡れ性を改善するために、表面酸化処理を行うことが好ましい。表面酸化処理は、従来公知のいずれの方法でも行うことができるが、装置が簡便であり工程での管理が容易であることから、工業的には電解酸化を用いることが一般的である。
本開示に係る方法で製造されるサイジング剤付着炭素繊維とマトリックス樹脂とから、炭素繊維強化樹脂複合材料(コンポジット)を形成することができる。
実施例1~11及び比較例1において、サイジング剤組成物を付与した炭素繊維に対して乾燥処理を行い、サイジング剤付着炭素繊維を得た。サイジング剤の付着量、エポキシ当量の計測、及び、得られたサイジング剤付着炭素繊維の物性評価は、下記のとおりにして行った。
サイジング剤の付着量は、下記のとおりにして計測した。
1.0mのサイジング剤付着炭素繊維を採取し、デシケーター内で10分保管し、重量aを測定した。このサイジング剤の付着した炭素繊維をアセトン中で洗浄し、120℃の熱風乾燥機で1時間乾燥させ、デシケーターに10分保管し、重量bを測定した。重量減少分をサイジング剤の付着量として、次式に従って、サイジング剤の付着量を算出した。
サイジング剤の付着量=(a-b)/b×100[%]
a:処理前の繊維重量[g]
b:処理後の繊維重量[g]
JIS K 7236に基づいて測定した。
第1乾燥工程後のエポキシ当量の測定値、及び第2乾燥工程後のエポキシ当量の測定値に基づいて、第2温度を有する熱風での乾燥処理によるエポキシ当量の変化率を算出した。
炭素繊維の水分含有率は、JIS K 0068に準じて、カールフィッシャー法により測定した。
大栄科学精器製作所製ハンドロメーター(型式:HOM-2)を用いて、以下の条件で測定を実施した。
測定サンプル:20cm長のサイジング剤付着炭素繊維
スリット幅:15mm
測定温度:20℃
擦過毛羽の値(μg/m)=蓄積毛羽量(μg)/評価繊維束長(m)
ピン接触切断回数の評価は、サイジング剤付着炭素繊維を50cm採取し、片側を固定し、直径2mmのステンレス製ピンを3本配置し、接触角は30度-120度-30度(合計接触角180度)として、誘導し、張力18.75mg/filamentの荷重をかけ、前後に30mm動かして接触させ、切断するまでの回数を測定することによって行った。
ローラーへの付着の評価は、サイジング剤付着炭素繊維をワインディングする工程において、ワインディング直前にある移送用ステンレス製フリーローラーの表面に付着したサイジング剤組成物の有無を目視で確認することによって、行った。
金属ガイドへの付着の評価は、上述の擦過毛羽測定において、測定終了後にサイジング付着炭素繊維が接触した金属バー表面に付着したサイジング剤組成物の有無を目視で確認することによって、行った。
開繊性の評価は、下記のとおりにして行った。サイジング剤付着炭素繊維を、100gの張力をかけ、速度5m/minで走行させ、そのときの幅を光電管等で、3分測定し、その平均値aを測定する。その後、同じ炭素繊維ボビンを使用し、張力を1kgとして、表面粗度Ra=2.0μmの金属バーに合計接触角180度で接触させて、速度5m/minで走行させ、そのときの幅を光電管等で、3分測定し、その平均値bを測定する。aに対するbの割合が、n=3の平均で、150%以上であった場合を「〇」、150%未満であった場合を「×」とした。
(プリプレグ品位の評価)
得られたサイジング剤付着繊維を用いて下記の方法により一方向プリプレグシートを作製した。この時のプリプレグシート上の品位を、目視で観察し、下記の基準に従って評価した。
○:毛羽塊が0.5ケ/10m以下であり、毛羽立ちが見られないもの。
×:上記外であるもの
一方向プリプレグシートの作製に使用したエポキシ樹脂組成物の構成成分は、下記のとおりであった。
・35重量部のグリシジルアミン型エポキシ樹脂(ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製、アラルダイトMY0600(商品名))
・30重量部のグリシジルアミン型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、EP604(商品名))
・15重量部のビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、EP828(商品名))
・20重量部のウレタン変性エポキシ樹脂(アデカ社製、EPU-6(商品名))
・40重量部の芳香族アミン系硬化剤(4,4’-ジアミノジフェニルスルホン:和歌山精化工業製、セイカキュアS(商品名))
・35重量部のポリエーテルスルホン(住友化学工業(株)製、PES-5003P(商品名))
エポキシ樹脂にポリエーテルスルホンを添加し、120℃で60分間、プラネタリーミキサーを用いて撹拌し、ポリエーテルスルホンをエポキシ樹脂に完全溶解させた。樹脂温度を80℃以下に冷ました後、硬化剤を添加し、ロールミルを用いて混練して、プリプレグ作製用のエポキシ樹脂組成物を調製した。
調製したエポキシ樹脂組成物を、フィルムコーターを用いてそれぞれ離型紙上に塗布して、50g/m2の樹脂フィルムを、2枚作製した。次に、炭素繊維束を一方向に配列させた炭素繊維シートに、上記作製した樹脂フィルムをシート両面にそれぞれ1枚重ねた。加熱、加圧することにより、樹脂を炭素繊維シートに含浸させ、炭素繊維の目付が190g/m2で、マトリクス樹脂の質量分率が35.0%の一方向プリプレグを作製した。
(炭素繊維の製造)
ポリアクリロニトリル繊維を、空気中において250℃で耐炎化処理した後、窒素ガス雰囲気下、最高温度650℃で低温炭素化させた。その後、窒素雰囲気下1300℃で高温炭素化させて製造した炭素繊維を、10wt%の硫酸アンモニウム水溶液を用いた電解酸化によって表面処理し、炭素繊維(引張強度:4500MPa、引張弾性率:240GPa、単繊維径:7μm、フィラメント数:24000本)を得た。
サイジング剤組成物は、下記の成分を、分散媒としての水に分散させることによって調製した:
40~50重量%のエポキシ樹脂、
30~50重量%のポリエステル樹脂(PEs)、及び
5~10重量%のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー(PO/EO)。
サイジング剤組成物を熱風乾燥機100℃、30分の条件にて加熱し、水分を除去した。ついで、デシケーター内で室温に戻し、測定試料とした。
得られた測定試料を、動的粘弾性測定装置(テイ・エイ・インスツルメント社製、TA ARES-G2)を用い、周波数1.6Hz、歪10%、温度範囲30~120℃、昇温速度2℃/分、プレート径40mm、Gap0.5mmの条件で測定し、50℃、及び100℃での粘度を計測した。
第1温度及び第2温度がそれぞれ210℃及び150℃であったこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2に係るサイジング剤付着炭素繊維を製造した。実施例2についての測定及び評価の結果を、下記の表1に示す。
第1温度及び第2温度がそれぞれ170℃及び150℃であったこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3に係るサイジング剤付着炭素繊維を製造した。実施例3についての測定及び評価の結果を、下記の表1に示す。
サイジング剤の付着量が、それぞれ、炭素繊維に対して、0.5重量%、1.2重量%、0.2重量%、及び1.7重量%であったこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4~7に係るサイジング剤付着炭素繊維を製造した。実施例4~7についての測定及び評価の結果を、それぞれ、下記の表1に示す。
第1温度及び第2温度がそれぞれ110℃及び90℃であったこと以外は、実施例1と同様にして、実施例8に係るサイジング剤付着炭素繊維を製造した。実施例8についての測定及び評価の結果を、下記の表1に示す。
サイジング剤に添加したポリエステル樹脂の割合を変更し、サイジング剤の100℃における粘度を800mPa・sとしたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例8に係るサイジング剤付着炭素繊維を製造した。実施例8についての測定及び評価の結果を、下記の表1に示す。
サイジング剤の組成を、実施例10では、ウレタン変性エポキシ樹脂と脂肪酸エステルとし、実施例11では、エポキシ樹脂とPO/EOブロックポリマーとし、いずれもポリエステル樹脂を添加しなかったことで、サイジング剤の粘度を下記の表1のようにしたこと、及びサイジング剤の付着量が下記の表1のとおりであったこと以外は、実施例1と同様にして、実施例10~11に係るサイジング剤付着炭素繊維を製造した。実施例10~11についての測定及び評価の結果を、それぞれ、下記の表1に示す。
第2温度が230℃であったこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1に係るサイジング剤付着炭素繊維を製造した。比較例1についての測定及び評価の結果を、下記の表1に示す。
下記の表1で見られるとおり、実施例1~11では、サイジング剤組成物が付着した炭素繊維を、第1温度を有する熱風で乾燥処理した後に、第1温度よりも低い第2温度を有する熱風で乾燥処理しており、このようにして製造されたサイジング剤付着炭素繊維は、第1温度よりも高い第2温度を有する熱風で乾燥処理して得られた比較例1のサイジング剤付着炭素繊維と比較して、良好な風合いを有していた。
Claims (11)
- サイジング剤を含むサイジング剤組成物を炭素繊維に付与し、サイジング剤組成物が付着した炭素繊維を得ること、
サイジング剤組成物が付着した前記炭素繊維を、第1温度を有する熱風で乾燥処理すること、及び、
前記第1温度を有する熱風で乾燥処理された前記炭素繊維を、前記第1温度よりも低い第2温度を有する熱風で乾燥処理すること
を含む、サイジング剤付着炭素繊維の製造方法。 - 前記サイジング剤の、動的粘弾性測定によって得られる50℃における粘度が10000mPa・s超であり、かつ100℃における粘度が400mPa・s以上700mPa・s以下である、請求項1に記載の方法。
- 前記第1温度が、130℃以上である、請求項1又は2に記載の方法。
- サイジング剤の付着量が、炭素繊維に対して、0.3重量%~1.5重量%である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
- 前記第1温度を有する熱風で乾燥処理された前記炭素繊維の水分含有率が、1.5%以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記第1温度を有する熱風で乾燥処理された前記炭素繊維の水分含有率が、0.2%以上である、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
- 前記第2温度を有する熱風で乾燥処理された前記炭素繊維の水分含有率が、0.1%以下である、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
- 前記サイジング剤が、架橋可能基を有する樹脂を含有している、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
- 前記架橋可能基を有する樹脂が、エポキシ樹脂である、請求項8に記載の方法。
- 前記サイジング剤が、ポリエステル樹脂をさらに含有している、請求項8又は9に記載の方法。
- 前記第2温度を有する熱風での乾燥処理による、前記架橋可能基の当量の変化率が、10%以下である、請求項8~10のいずれか一項に記載の方法。
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