JP2022093009A - ハブユニット軸受及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】軽量化及び剛性向上を両立できるハブユニット軸受を提供する。【解決手段】ハブユニット軸受1は、内方部材20の外周面(軸部35の外周面36)に接続し、径方向に延びるフランジ板50と、フランジ板50の外周面52Dに接続する環状部材60と、を備える。フランジ板50は、軸方向内側に突出する内側凸部51と、軸方向外側に突出する外側凸部52と、が周方向において交互に形成された波形である。【選択図】図2
Description
本発明は、ハブユニット軸受及びその製造方法に関する。
ハブユニット軸受は、バネ下重量に影響を及ぼすため、車両の乗り心地向上及び燃費向上の為には軽量化や低回転慣性化が求められる一方、操安性向上の観点からは、高剛性であることも求められる。
特許文献1に記載された転がり軸受ユニットにおいては、内軸部に径方向外向きのフランジ部が設けられる。フランジ部の円周方向複数箇所には、貫通孔が設けられる。この貫通孔にはハブボルトが挿入され、フランジ部とディスクロータとが固定される。フランジ部には、軸心を中心とし且つ複数の貫通孔上を通過する仮想円周線に沿って、厚肉リブ部が形成される。さらに、フランジ部には、貫通孔の周辺部に、厚肉部が形成される。このように、大きな応力がかかる部分には厚肉リブ部及び厚肉部が設けられる一方、他の部分は薄肉部とすることで、回転部品であるハブ輪の質量と回転慣性を減少することを図っている。
しかしながら、特許文献1の転がり軸受ユニットにおいては、フランジ部の厚肉部及び厚肉リブが、中実構造であるため、質量と回転慣性の低減効果が十分ではない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、軽量化及び剛性向上を両立できるハブユニット軸受を提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 内周面に複列の転走面が形成された外方部材と、
外周面に複列の転走面が形成された内方部材と、
前記外方部材の前記複列の転走面と、前記内方部材の前記複列の転走面と、の間に配置される複数の転動体と、
を備えるハブユニット軸受において、
前記外方部材又は前記内方部材の外周面に接続し、径方向に延びるフランジ板と、
前記フランジ板の外周面に接続する環状部材と、
を備え、
前記フランジ板は、軸方向内側に突出する内側凸部と、軸方向外側に突出する外側凸部と、が周方向において交互に形成された波形である、
ハブユニット軸受。
(2) 前記フランジ板には、ハブボルトを挿入するためのボルト孔が設けられた締結部材が固定される
(1)に記載のハブユニット軸受。
(3) 前記フランジ板の軸方向内側面又は軸方向外側面には、補強板が溶接されている
(1)又は(2)に記載のハブユニット軸受。
(4) 内周面に複列の転走面が形成された外方部材と、
外周面に複列の転走面が形成された内方部材と、
前記外方部材の前記複列の転走面と、前記内方部材の前記複列の転走面と、の間に配置される複数の転動体と、
を備えるハブユニット軸受の製造方法であって、
フランジ板を、プレス成形によって、軸方向内側に突出する内側凸部と、軸方向外側に突出する外側凸部と、が周方向において交互に形成された波形とし、
前記フランジ板の内周面の全周を、前記外方部材又は前記内方部材の外周面の全周に溶接し、
前記フランジ板の径方向外側に、環状部材を配置し、
前記フランジ板の外周面の全周を、前記環状部材の内周面の全周に溶接し、
前記フランジ板の軸方向外側面と、前記外方部材又は前記内方部材の外周面のうち前記フランジ板の軸方向外側面よりも軸方向外側の部分と、前記環状部材の軸方向外側面と、を仕上げ加工する
ハブユニット軸受の製造方法。
(1) 内周面に複列の転走面が形成された外方部材と、
外周面に複列の転走面が形成された内方部材と、
前記外方部材の前記複列の転走面と、前記内方部材の前記複列の転走面と、の間に配置される複数の転動体と、
を備えるハブユニット軸受において、
前記外方部材又は前記内方部材の外周面に接続し、径方向に延びるフランジ板と、
前記フランジ板の外周面に接続する環状部材と、
を備え、
前記フランジ板は、軸方向内側に突出する内側凸部と、軸方向外側に突出する外側凸部と、が周方向において交互に形成された波形である、
ハブユニット軸受。
(2) 前記フランジ板には、ハブボルトを挿入するためのボルト孔が設けられた締結部材が固定される
(1)に記載のハブユニット軸受。
(3) 前記フランジ板の軸方向内側面又は軸方向外側面には、補強板が溶接されている
(1)又は(2)に記載のハブユニット軸受。
(4) 内周面に複列の転走面が形成された外方部材と、
外周面に複列の転走面が形成された内方部材と、
前記外方部材の前記複列の転走面と、前記内方部材の前記複列の転走面と、の間に配置される複数の転動体と、
を備えるハブユニット軸受の製造方法であって、
フランジ板を、プレス成形によって、軸方向内側に突出する内側凸部と、軸方向外側に突出する外側凸部と、が周方向において交互に形成された波形とし、
前記フランジ板の内周面の全周を、前記外方部材又は前記内方部材の外周面の全周に溶接し、
前記フランジ板の径方向外側に、環状部材を配置し、
前記フランジ板の外周面の全周を、前記環状部材の内周面の全周に溶接し、
前記フランジ板の軸方向外側面と、前記外方部材又は前記内方部材の外周面のうち前記フランジ板の軸方向外側面よりも軸方向外側の部分と、前記環状部材の軸方向外側面と、を仕上げ加工する
ハブユニット軸受の製造方法。
本発明によれば、軽量化及び剛性向上を両立できるハブユニット軸受を提供できる。
以下、本発明の各実施形態のハブユニット軸受1について、図面を参照して説明する。
(第一実施形態)
図1は、第一実施形態に係るハブユニット軸受1を示す断面図である。
図1は、第一実施形態に係るハブユニット軸受1を示す断面図である。
ハブユニット軸受1は、車輪(駆動輪または従動輪)を車体に回転自在に支持するものである。ハブユニット軸受1は、内周面に複列の転走面11a,11bが形成された外方部材10と、外周面に複列の転走面21a,21bが形成された内方部材20と、外方部材10の複列の転走面11a,11bと内方部材20の複列の転走面21a,21bとの間に配置される複数の転動体3と、複数の転動体3を転動自在に保持する保持器4と、を備えている。
なお、本明細書において、「軸方向内側(軸方向一方側)」及び「インナー側」とは、車体に取り付けた際のハブユニット軸受1の車体側を表し、図1中の右側である。「軸方向外側(軸方向他方側)」及び「アウター側」とは、車体に取り付けた際のハブユニット軸受1の車輪側を表し、図1中の左側である。また、「径方向外側」とは、内方部材20の回転軸Oから遠ざかる方向を表し、図1中の上側である。「径方向内側」とは、内方部材20の回転軸Oに近づく方向を表し、図1中の下側である。「周方向」とは、内方部材20の回転軸Oを中心に旋回する方向を表す。
外方部材10は、転がり軸受構造の外輪を構成する。外方部材10の内周面には、二列の転走面11a,11bが形成されている。二列の転走面11a,11bはそれぞれ、内方部材20の二列の転走面21a,21bに径方向に対向する。
内方部材20は、転がり軸受構造の内輪を構成する。内方部材20は、ハブ輪30と、内輪40と、を有する。ハブ輪30は、外方部材10の径方向内側に配置された軸部35を有する。
軸部35の外周面36のうちインナー側端部には、段部31が形成されている。段部31の外径は、ハブ輪30の他の部分の外径に比べて小さい。また、段部31は、回転軸Oを中心とする円筒形状である。
軸部35の外周面36のうち段部31よりもアウター側には、転走面21bが形成されている。軸部35の転走面21bは、外方部材10のアウター側の転走面11bに対向する。
軸部35の外周面36のうち転走面21bよりもアウター側には、径方向外側に、環状部材60が配置される。径方向において、軸部35の外周面36と環状部材60との間には、これら、軸部35の外周面36と環状部材60とを径方向に接続するフランジ板50が配置されている。
軸部35の外周面36のうち、軸方向における転走面21bとフランジ板50(環状部材60)との間には、段部38が形成される。この段部38には、密封装置2が配置される。密封装置2は、外方部材10の内周面と内方部材20の軸部35の外周面との間の転動体3が設置された内部空間Sを密閉し、内部空間Sへの異物の侵入を防止する。密封装置2は、例えば、外方部材10のアウター側端部の内周面に固定された芯金5と、芯金5に加硫接着等で固定されたシール部6と、を有する。
外方部材10のインナー側端部の内周面には、キャップ部材7が固定される。キャップ部材7は、外方部材10のインナー側端部の開口を塞いで、異物の侵入を防止する。
内輪40は、ハブ輪30のインナー側の段部31に嵌合される。
内輪40の外周面のうち、アウター側には、転走面21aが形成されている。内輪40の転走面21aは、外方部材10のインナー側の転走面11aに対向する。
次に、フランジ板50及び環状部材60について詳細に説明する。図2は、第一実施形態のフランジ板50及び環状部材60をインナー側(軸方向内側)から見た図である。図3は、図2のIII-III線断面図(断面のみを表示した図)である。
環状部材60は、ハブ輪30の軸部35の外周面36の径方向外側に、径方向隙間を介して配置されている。環状部材60の中心軸は、ハブ輪30の中心軸Oに一致する。すなわち、環状部材60の内周面61及び外周面63は、中心軸Oを中心とする円筒面である。
フランジ板50は、環状部材60の内周面61と、ハブ輪30の軸部35の外周面36と、を径方向に接続するように、径方向に延びる。図2に示されるように、インナー側から見た平面視では、フランジ板50は円板形状である。しかし、フランジ板50は、単純な平面状の円板形状ではなく、図3に示されるように、軸方向内側(インナー側、図3中の上側)に突出する内側凸部51と、軸方向外側(アウター側、図3中の下側)に突出する外側凸部52と、が周方向において交互に形成された波形である。
内側凸部51及び外側凸部52の形状や数は適宜変更して良いが、ここでは、図1~図3に示された内側凸部51及び外側凸部52について説明する。
内側凸部51は、軸方向から見ると扇形であり(図2参照)、その断面形状はコの字状である(図3参照、図の上方が軸方向内側。)。図3に示されるように、内側凸部51の軸方向内側面51A及び軸方向外側面51Bは、略平面形状である。
外側凸部52は、軸方向から見ると扇形であり(図2参照)、その断面形状は矩形である(図3参照)。図3に示されるように、外側凸部52の軸方向内側面52A及び軸方向外側面52Bは、略平面形状である。
内側凸部51の周方向両端部と、外側凸部52の周方向両端部と、は軸方向に延びる壁部53によって接続される。したがって、図2に示されるように、周方向に「内側凸部51、壁部53、外側凸部52、壁部53、内側凸部51・・・」の順で連続して接続されることにより、フランジ板50が波形に形成される。なお、フランジ板50は、プレス成形によって上記のような波形とされる。
フランジ板50の内周面50Aの全周は、ハブ輪30の軸部35の外周面36の全周に溶接される。なお、フランジ板50の内周面50Aは、複数の内側凸部51の内周面51Cと、複数の外側凸部52の内周面52Cと、複数の壁部53の内周面53Aと、によって構成される。したがって、これら、複数の内側凸部51の内周面51Cと、複数の外側凸部52の内周面52Cと、複数の壁部53の内周面53Aと、が軸部35の外周面36の全周に溶接される。
フランジ板50の外周面50Bの全周は、環状部材60の内周面61の全周に溶接される。なお、フランジ板50の外周面50Bは、複数の内側凸部51の外周面51Dと、複数の外側凸部52の外周面52Dと、複数の壁部53の外周面53Bと、によって構成される。したがって、これら、複数の内側凸部51の外周面51Dと、複数の外側凸部52の外周面52Dと、複数の壁部53の外周面53Bと、が環状部材60の内周面61の全周に溶接される。
図3には、内側凸部51の外周面51Dと環状部材60の内周面61とが溶接されて、溶接痕Wが形成された状態が示されている。
なお、本実施形態においては、フランジ板50と軸部35との溶接、及びフランジ板50と環状部材60との溶接方法は、隅肉溶接が採用されているが、レーザ溶接等の他の溶接方法を採用しても構わない。
フランジ板50の内周面50Aの全周をハブ輪30の軸部35の外周面36の全周に溶接し、フランジ板50の外周面50Bの全周を環状部材60の内周面61の全周に溶接した後、これらの溶接部分には仕上げ加工が施される。
フランジ板50には、ハブボルト(不図示)を挿入するためのボルト孔71が設けられた圧入ナット70(締結部材)が固定される。より具体的に説明すると、図1に示すように、フランジ板50の外側凸部52には、軸方向内側面52Aから軸方向外側面52Bまで軸方向に貫通する貫通孔52Eが設けられる。そして、この貫通孔52Eに、圧入ナット70が圧入固定される。なお、図2に示すように、外側凸部52の周方向幅は内側凸部51の周方向幅よりも大きいので、圧入ナット70を外側凸部52に固定することが容易である。
圧入ナット70は、雌ネジ部が形成されたボルト孔71を有している。そして、ボルト孔71にハブボルトが挿入され、当該ハブボルトが車輪(駆動輪または従動輪)に締結されることで、フランジ板50に車輪が固定される。
図2の例では、複数の外側凸部52のうち半数の外側凸部52に圧入ナット70が固定されているが、圧入ナット70が固定される外側凸部52の個数は特に限定されるものではない。
また、フランジ板50に固定され、ハブボルトを挿入するためのボルト孔が設けられた締結部材としては、圧入ナット70に限定されず、例えば、ボルト孔を設けたブロック等でもよい。締結部材がブロックである場合、このブロックはフランジ板50に溶接等の手段で固定される。
なお、図示の例では、圧入ナット70の取り付け性を考慮し、圧入ナット70の幅を、フランジ板50の波形の谷の深さよりも小さくしているが、フランジ板50の軸方向剛性を高くするために、圧入ナット70の幅を、フランジ板50の波形の谷の深さよりも大きくすることもできる。
以上説明したように、本実施形態のハブユニット軸受1によれば、内方部材20の外周面(軸部35の外周面36)に接続し、径方向に延びるフランジ板50と、フランジ板50の外周面52Dに接続する環状部材60と、を備える。フランジ板50は、軸方向内側に突出する内側凸部51と、軸方向外側に突出する外側凸部52と、が周方向において交互に形成された波形である。
このように、フランジ板50は波形であるので、フランジ板50を薄肉としても剛性や強度を高くすることができるので、ハブ輪30の質量と回転慣性を低減することができる。
また、環状部材60が設けられているため、フランジ板50の軸方向の剛性を維持しつつ、周方向の剛性も高くなるので、周方向の力に対する変形を抑えることができる。
特に、駆動輪に使用されるハブユニット軸受では、駆動力や制動力を路面に伝える必要があるため、ハブフランジの周方向剛性が不足すると、径方向から見たフランジ形状が変形し、駆動/制動制御の遅れ感の原因となるとともに、ブレーキロータとのフレッチングコロージョンが進行し、ホイールアライメントの狂いが大きくなり、操縦安定性が低下する可能性がある。また、ブレーキロータがディスクの場合は、ブレーキジャダが大きくなる、等の不具合の原因となる。しかしながら、本実施形態では、フランジ板50の形状の変形が抑制できるので、上記不具合の発生が抑制される。
また、フランジ板50は、プレス成形によって波形とされる。したがって、フランジ板50は加工硬化により強度を増すことができる。
フランジ板50の内周面50Aの全周は、内方部材20の外周面(軸部35の外周面36)の全周に隅肉溶接され、フランジ板50の外周面50Bの全周は、環状部材60の内周面61の全周に強固に溶接される。
フランジ板50の軸方向外側面52Bと、内方部材20の外周面(軸部35の外周面36)のうち軸方向外側面52Bより軸方向外側の部分と、環状部材60の軸方向外側面と、は一体に仕上げ加工され、フランジ板50の軸方向外側面52Bへ、ディスクロータを振れなく取り付けられるようにしている。
フランジ板50には、ハブボルトを挿入するためのボルト孔が設けられた締結部材が固定される。本実施形態の締結部材は、フランジ板50に圧入固定された圧入ナット70である。したがって、低コストに、軸方向幅を十分に持った、ボルト孔を得ることが出来る。
(第二実施形態)
次に、第二実施形態について説明する。図4は、第二実施形態に係るフランジ板50に第一補強板80を固定した状態を示す断面図である。
次に、第二実施形態について説明する。図4は、第二実施形態に係るフランジ板50に第一補強板80を固定した状態を示す断面図である。
本実施形態においては、フランジ板50の軸方向外側面50Cに、第一補強板80が固定されている。図4に示されるように、第一補強板80の断面は、平板状である。すなわち、第一補強板80は、平面状の軸方向内側面83及び軸方向外側面85を有する。不図示であるが、軸方向から見たとき、第一補強板80の形状とフランジ板50の形状とは略同一である。すなわち、フランジ板50の軸方向外側面50Cは、第一補強板80によって覆われている。ただし、第一補強板80には、フランジ板50の外側凸部52の貫通孔52Eと連通するように、連通孔81が形成されている。したがって、貫通孔52Eに固定された圧入ナット70のボルト孔71に挿入したハブボルトは、第一補強板80の連通孔81を介して、車輪まで到達可能である。
フランジ板50の軸方向外側を向いている軸方向外側面50Cは、内側凸部51の軸方向外側面51Bと外側凸部52の軸方向外側面52Bとを含むが、軸方向外側に位置する外側凸部52の軸方向外側面52Bに第一補強板80が溶接によって固定されている。図4には、外側凸部52の軸方向外側面52Bと、第一補強板80と、の溶接痕W1が図示されている。なお、外側凸部52の軸方向外側面52Bと、第一補強板80の軸方向内側面83と、の溶接手段は、スポット溶接や摩擦溶接等が挙げられる。
本実施形態によれば、内側凸部51の軸方向外側面51Bと、第一補強板80の軸方向内側面83と、一対の壁部53と、で囲まれる断面矩形構造Tが形成される。したがって、フランジ板50の軸方向及び周方向の剛性及び強度が更に向上する。
また、本実施形態によれば、軸方向剛性を高くするために、圧入ナット70の幅よりフランジ板50の波形の谷の深さの方を大きくしているが、取り付け性を考慮し、圧入ナット70の幅を、フランジ板50の波形の谷の深さよりも大きくすることもできる。
(第三実施形態)
次に、第三実施形態について説明する。図5は、第三実施形態に係るフランジ板50に第二補強板90を固定した状態を示す断面図である。
次に、第三実施形態について説明する。図5は、第三実施形態に係るフランジ板50に第二補強板90を固定した状態を示す断面図である。
本実施形態においては、フランジ板50の軸方向内側面50Dに、第二補強板90が固定されている。図5に示されるように、第二補強板90の断面は、平板状である。すなわち、第二補強板90は、平面状の軸方向内側面93及び軸方向外側面95を有する。不図示であるが、軸方向から見たとき、第二補強板90の形状とフランジ板50の形状とは略同一である。すなわち、フランジ板50の軸方向内側面50Dは、第二補強板90によって覆われている。ただし、第二補強板90には、フランジ板50の圧入ナット70が設けられる箇所と重なる位置に、連通孔91が形成されている。したがって、連通孔91を介して圧入ナット70をフランジ板50に固定可能である。また、ハブボルトは、連通孔91を介して、貫通孔52Eに固定された圧入ナット70のボルト孔71に挿入され、車輪まで到達可能である。
フランジ板50の軸方向内側を向いている軸方向内側面50Dは、内側凸部51の軸方向内側面51Aと外側凸部52の軸方向内側面52Aとを含むが、軸方向内側に位置する内側凸部51の軸方向内側面52Aに第二補強板90が溶接によって固定されている。図5には、内側凸部51の軸方向内側面51Aと、第二補強板90の軸方向外側面95と、の溶接痕W2が図示されている。なお、内側凸部51の軸方向内側面51Aと、第二補強板90と、の溶接手段は、スポット溶接や摩擦溶接等が挙げられる。
本実施形態によれば、フランジ板50に対する第二補強板90の溶接箇所が、フランジ板50の軸方向内側(インナー側)となるため、溶接による変形を小さくでき、外側凸部52の軸方向外側面52Bの機械加工量を減らすことができる。したがって、外側凸部52の肉厚を維持しつつ、低コスト且つ外側凸部52の平面度に優れたフランジ板50を得ることができる。
また、本実施形態によれば、軸方向剛性を高くするために、圧入ナット70の幅よりフランジ板50の波形の谷の深さの方をも大きくしているが、取り付け性を考慮し、圧入ナット70の幅を、フランジ板50の波形の谷の深さよりも大きくすることもできる。
(第四実施形態)
次に、第四実施形態について説明する。図6は、第四実施形態に係るフランジ板50に第一補強板80及び第二補強板90を固定した状態を示す断面図である。
次に、第四実施形態について説明する。図6は、第四実施形態に係るフランジ板50に第一補強板80及び第二補強板90を固定した状態を示す断面図である。
本実施形態においては、フランジ板50の軸方向外側面50Cに第一補強板80が固定され、フランジ板50の軸方向内側面50Dに第二補強板90が固定されている。すなわち、本実施形態は、第二実施形態と第三実施形態とを組み合わせた構成とされている。
なお、外側凸部52の軸方向外側面52Bと第一補強板80との溶接を行うため、第二補強板90には、溶接治具を挿入するための孔97が設けられている。したがって、孔97と溶接痕W1とは軸方向に対向する。
本実施形態によれば、第一補強板80及び第二補強板90によって挟まれたフランジ板50の構造が、ダンボールのような構造(トラス構造)となるので、第二実施形態や第三実施形態に比べてさらに、フランジ板50の軸方向及び周方向の剛性及び強度が向上する。
また、本実施形態によれば、軸方向剛性を高くするために、圧入ナット70の幅よりフランジ板50の波形の谷の深さよりも大きくしているが、取り付け性を考慮し、圧入ナット70の幅を、フランジ板50の波形の谷の深さよりも大きくすることもできる。
図7には、第四実施形態に係るフランジ板50及び環状部材60をインナー側(軸方向内側)から見た図が示されている。フランジ板50の軸方向内側面50Dの大部分は、第二補強板90によって覆われている。
第四実施形態のような構成においては、図6に示されるように、フランジ板50と第一補強板80によって囲まれる空間S1や、フランジ板50と第二補強板90によって囲まれるS2が形成される。これらの空間S1,S2には、水が溜まり、腐食の原因となる可能性がある。
そこで、図7に示されるように、第二補強板90及びフランジ板50には、第二補強板90及びフランジ板50の軸方向内側の外部からそれぞれの空間S1,S2に連通する水抜き孔9が設けられている。
空間S1と軸方向内側の外部とを連通する水抜き孔9は、第二補強板90とフランジ板50の内側凸部51とを貫通するように軸方向に延びる。空間S2と軸方向内側の外部とを連通する水抜き孔9は、第二補強板90を貫通するように軸方向に延びる。
水抜き孔9は、第二補強板90及びフランジ板50の内側凸部51の径方向外側端部に設けられることが好ましい。これにより、空間S1,S2に溜まった水が遠心力によって径方向外側に変位され、水抜き孔9を介して軸方向内側の外部に吐出される。
(第五実施形態)
次に、第五実施形態について説明する。図8は、第五実施形態に係るハブユニット軸受1を示す断面図である。
次に、第五実施形態について説明する。図8は、第五実施形態に係るハブユニット軸受1を示す断面図である。
本実施形態のハブユニット軸受1では、第一実施形態に比較し、圧入ナット70の雌ねじ部を有するボルト孔71が、円筒孔73に変更されている。そして、この円筒孔73にハブボルト8がセレーション嵌合されている。
本実施形態の構成は、第一実施形態のみならず、第二~第四実施形態にも適用可能である。
なお、上述の実施形態のハブユニット軸受1では、車輪取り付け用のフランジ板50が内方部材20に設けられていたが、車輪取り付け用のフランジ板50は外方部材10に設けられても構わない。その場合、環状部材60は、外方部材10の径方向外側に配置され、フランジ板50は、外方部材10の外周面と環状部材の内周面とを接続する。
本願発明は、各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において実施可能であり、様々な変形が可能である。
1 ハブユニット軸受、2 密封装置、3 転動体、4 保持器、5 芯金、6 シール部、7 キャップ部材、8 ハブボルト、9 水抜き孔、10 外方部材、11a,11b 転走面、20 内方部材、21a,21b 転走面、30 ハブ輪、31 段部、35 軸部、36 外周面、38 段部、40 内輪、50 フランジ板、50A 内周面、50B 外周面、50C 軸方向外側面、50D 軸方向内側面、51 内側凸部、51A 軸方向内側面、51B 軸方向外側面、51C 内周面、51D 外周面、52 外側凸部、52A 軸方向内側面、52B 軸方向外側面、52C 内周面、52D 外周面、52E 貫通孔、53 壁部、53A 内周面、53B 外周面、60 環状部材、61 内周面、63 外周面、70 圧入ナット(締結部材)、71 ボルト孔、73 円筒孔、80 第一補強板、81 連通孔、83 軸方向内側面、85 軸方向外側面、90 第二補強板、91 連通孔、93 軸方向内側面、95 軸方向外側面、97 孔、O 回転軸、T 断面矩形構造、S 内部空間、S1,S2 空間、W,W1,W2 溶接痕
Claims (4)
- 内周面に複列の転走面が形成された外方部材と、
外周面に複列の転走面が形成された内方部材と、
前記外方部材の前記複列の転走面と、前記内方部材の前記複列の転走面と、の間に配置される複数の転動体と、
を備えるハブユニット軸受において、
前記外方部材又は前記内方部材の外周面に接続し、径方向に延びるフランジ板と、
前記フランジ板の外周面に接続する環状部材と、
を備え、
前記フランジ板は、軸方向内側に突出する内側凸部と、軸方向外側に突出する外側凸部と、が周方向において交互に形成された波形である、
ハブユニット軸受。 - 前記フランジ板には、ハブボルトを挿入するためのボルト孔が設けられた締結部材が固定される
請求項1に記載のハブユニット軸受。 - 前記フランジ板の軸方向内側面又は軸方向外側面には、補強板が溶接されている
請求項1又は2に記載のハブユニット軸受。 - 内周面に複列の転走面が形成された外方部材と、
外周面に複列の転走面が形成された内方部材と、
前記外方部材の前記複列の転走面と、前記内方部材の前記複列の転走面と、の間に配置される複数の転動体と、
を備えるハブユニット軸受の製造方法であって、
フランジ板を、プレス成形によって、軸方向内側に突出する内側凸部と、軸方向外側に突出する外側凸部と、が周方向において交互に形成された波形とし、
前記フランジ板の内周面の全周を、前記外方部材又は前記内方部材の外周面の全周に溶接し、
前記フランジ板の径方向外側に、環状部材を配置し、
前記フランジ板の外周面の全周を、前記環状部材の内周面の全周に溶接し、
前記フランジ板の軸方向外側面と、前記外方部材又は前記内方部材の外周面のうち前記フランジ板の軸方向外側面よりも軸方向外側の部分と、前記環状部材の軸方向外側面と、を仕上げ加工する
ハブユニット軸受の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020206061A JP2022093009A (ja) | 2020-12-11 | 2020-12-11 | ハブユニット軸受及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2020206061A JP2022093009A (ja) | 2020-12-11 | 2020-12-11 | ハブユニット軸受及びその製造方法 |
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Family Applications (1)
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JP2020206061A Pending JP2022093009A (ja) | 2020-12-11 | 2020-12-11 | ハブユニット軸受及びその製造方法 |
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-
2020
- 2020-12-11 JP JP2020206061A patent/JP2022093009A/ja active Pending
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