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JP2021172638A - 外用医薬製剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、ロキソプロフェン及び/又はその塩と1価低級アルコールとを含み、1回当たりの投与量が2.0gを超えて過剰投与されるのを抑制できる外用医薬製剤を提供することである。【解決手段】(A)ロキソプロフェン及び/又はその塩と、(B)モノテルペン及び/又はカプサイシノイドと、(C)1価低級アルコールとを含み、1回当たりの投与量が2.0g以下に設定されている、外用医薬製剤。【選択図】なし

Description

本発明は、ロキソプロフェン及び/又はその塩と1価低級アルコールとを含み、1回当たりの投与量が2.0gを超えて過剰投与されるのを抑制できる外用医薬製剤に関する。
ロキソプロフェン及び/又はその塩は、非ステロイド性消炎鎮痛剤であり、解熱、鎮痛、及び消炎作用を有しており、外用医薬製剤に使用されている。ロキソプロフェン及び/又はその塩を含む外用医薬製剤について、ロキソプロフェン及び/又はその塩の経皮吸収性を向上させる製剤技術が種々検討されている。例えば、特許文献1には、支持体、膏体層および剥離ライナーからなる貼付剤において、軟体層にロキソプロフェンナトリウム、20℃で固体の有機酸、ゴム系エラストマー、粘着付与樹脂、可塑剤、酸化防止剤、及び温感刺激成分を含有させることにより、ロキソプロフェンナトリウムの経皮吸収性を向上させ得ることが開示されている。但し、特許文献1の製剤技術では、貼付剤に特化しているために、液状やゲル状等の形態には対応することができない。
一方、液剤やゲル剤等の形態に対応可能な製剤技術として、1価低級アルコールを基材として配合することによってロキソプロフェン及び/又はその塩の経皮吸収性を向上させ得ることが知られている。しかしながら、液状やゲル状等の外用医薬製剤では、投与量を制御し難く、過剰投与になってしまうことがある。また、液状外用医薬製剤では、多孔質部材又はボール部材が取り付けられた塗布部を有する塗布容器が多用されているが、1価低級アルコールは表面張力が弱いため、ロキソプロフェン及び/又はその塩と1価低級アルコールを含む液状外用医薬製剤を前記塗布容器に収容して使用すると、当該液状外用医薬製剤が塗布部から通過し易く過剰投与され易くなる。
従来、ロキソプロフェン及び/又はその塩と1価低級アルコールとを含む外用医薬製剤に関し、組成の点から、過剰投与を抑制できる製剤技術については知られていない。
特開2012−149061号公報
ロキソプロフェン及び/又はその塩には、副作用として腎毒性が知られているため、その過剰投与は安全性の点で問題になっており、ロキソプロフェン及び/又はその塩を一般的な濃度で含む外用医薬製剤では、安全性の点からは、1回当たりの投与量が2.0gを超える過剰投与を抑制できることが望ましい。
そこで、本発明は、ロキソプロフェン及び/又はその塩と1価低級アルコールとを含み、1回当たりの投与量が2.0gを超えて過剰投与されるのを抑制できる外用医薬製剤を提供することを課題とする。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、(A)ロキソプロフェン及び/又はその塩と、(B)モノテルペン及び/又はカプサイシノイドと、(C)低級アルコールを含む外用医薬製剤は、1回当たり最大で2.0gも経皮投与すれば、十分に強い冷感、熱感等又は灼熱感を使用者に与え、十分な使用実感(使用量が十分であるという実感)が得られることを見出した。つまり、前記外用医薬製剤は、最大で2.0gも投与すれば、使用者に十分な使用実感を与えられるため、使用者が誤って2.0gを超えて過剰投与するのを抑制できるという知見を得た。本発明は、かかる知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. (A)ロキソプロフェン及び/又はその塩と、(B)モノテルペン及び/又はカプサイシノイドと、(C)1価低級アルコールとを含み、
1回当たりの投与量が2.0g以下に設定されている、外用医薬製剤。
項2. 前記(B)成分が、モノテルペンとカプサイシノイドの組み合わせである、項1に記載の外用医薬製剤。
項3. 前記モノテルペンがメントールである、項1又は2に記載の外用医薬製剤。
項4. 前記カプサイシノイドがノナン酸バニリルアミドである、項1〜3のいずれかに記載の外用医薬製剤。
項5. 前記(C)成分が、エタノール及び/又はイソプロパノールである、項1〜4のいずれかに記載の外用医薬製剤。
項6. 外用医薬製剤が液剤であり、塗布部材を有する塗布容器に収容されている、項1〜5のいずれかに記載の外用医薬製剤。
項7. 前記塗布容器が、
口部を有し、前記外用医薬製剤を収容し、前記外用医薬製剤の残量を外部から視認可能な程度の透明性を有する領域を少なくとも部分的に含む容器本体と、
前記口部に取り付けられ、前記容器本体内から供給される前記外用医薬製剤を保持可能であり、患部に接触することにより、前記外用医薬製剤を前記患部に塗布する塗布部材と
を備え、
前記容器本体には、前記外用医薬製剤の残量を計量するための目盛りが設けられている、項6に記載の外用医薬製剤。
項8. (A)ロキソプロフェン及び/又はその塩と(C)1価低級アルコールを含む外用医薬製剤において、1回当たりの投与量が2.0gを超えて過剰投与されるのを抑制する方法であって、
前記外用医薬製剤において、(A)ロキソプロフェン及び/又はその塩と(C)1価低級アルコールと共に、(B)モノテルペン及び/又はカプサイシノイドを共存させる、前記方法。
本発明によれば、ロキソプロフェン及び/又はその塩と1価低級アルコールとを含む外用医薬製剤において、1回当たり最大で2.0gも経皮投与すれば、使用者に十分な冷感、熱感又は灼熱感を与え、十分な使用実感(使用量が十分であるという実感)が与えられるように設計されているので、使用者が誤って2.0gを超える用量で過剰投与するのを抑制でき、用量を遵守させ易くなっている。
本発明の外用医薬製剤を収容するために使用される塗布容器の好適な一例の正面図。 前記塗布容器の左側面図。 前記塗布容器の背面図。 前記塗布容器における、外力が加えられていない状態の塗布部材の周辺の側方断面図。 前記塗布容器における、患部に押し当てられた状態の塗布部材の周辺の側方断面図。
1.外用医薬製剤
本発明の外用医薬製剤は、ロキソプロフェン及び/又はその塩((A)成分と表記することがある)と、モノテルペン及び/又はカプサイシノイド((B)成分と表記することがある)と、1価低級アルコール((C)成分と表記することがある)を含み、1回当たりの投与量が2.0g以下に設定されていることを特徴とする。以下、本発明の外用医薬製剤について詳述する。
[(A)ロキソプロフェン及び/又はその塩]
本発明の外用医薬製剤は、(A)成分としてロキソプロフェン及び/又はその塩を含有する。
ロキソプロフェンは、2−[パラ−(2−オキソシクロペンチルメチル)フェニル]プロピオン酸とも称される非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAID)である。
ロキソプロフェンの塩としては、薬学上許容されることを限度として特に制限されないが、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。また、ロキソプロフェンの塩は、水和物であってもよい。
(A)成分として、ロキソプロフェン及び/又はその塩の中から1種を選択して単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。(A)成分の中でも、好ましくはロキソプロフェンの塩、より好ましくはロキソプロフェンナトリウム、更に好ましくはロキソプロフェンナトリウム水和物が挙げられる。
本発明の外用医薬製剤における(A)成分の含有量は、備えさせるべき薬効等に応じて適宜設定すればよいが、例えば0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜3重量%、より好ましくは0.5〜2重量%、更に好ましくは1.13重量%が挙げられる。
[(B)モノテルペン及び/又はカプサイシノイド]
本発明の外用医薬製剤は、(B)成分としてモノテルペン及び/又はカプサイシノイドを含有する。モノテルペン及び/又はカプサイシノイドを含有させることにより、本発明の外用医薬製剤の1回当たりの経皮投与量が2.0g以下の場合でも、強い冷感、熱感又は灼熱感により使用者に十分な使用実感を与えることができるので、本発明の外用医薬製剤が2.0gを超えて過剰投与されるのを抑制することが可能になる。
モノテルペンとは、分子内にイソプレン単位が2個含まれる構造を有し、清涼化作用等を有する公知の成分である。本発明で使用されるモノテルペンの種類については、薬学的に許容されることを限度として、特に制限されないが、例えば、メントール、チモール、ゲラニオール、リナロール、ボルネオール、シネオール、テルピネオール等のアルコール系モノテルペン;シトラール、シトロネラール、ペリルアルデヒド、サフラナール等のアルデヒド系モノテルペン;カンフル、メントン、カルボメントン、ヨノン等のケトン系モノテルペン等が挙げられる。これらのモノテルペンは、光学異性体が存在する場合には、d体、l体、dl体のいずれであってもよい。これらのモノテルペンは、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらのモノテルペンの中でも、好ましくはアルコール系モノテルペン、より好ましくはメントールが挙げられる。
また、本発明では、モノテルペンとして、モノテルペンを含む精油の状態で使用してもよい。モノテルペンを含む精油は、公知のものから適宜選択して使用することができるが、例えば、メントールを含む精油としては、ハッカ油、ペパーミント油、スペアミント油等が挙げられる。なお、本明細書におけるモノテルペンの含有量や比率に関する記載は、モノテルペンを含む精油を使用する場合は、当該精油に含まれるモノテルペン量に換算した値である。
カプサイシノイドとは、N−アシルワニリルアミドとも称される成分であり、血行促進作用等が知られている公知の成分である。カプサイシノイドにおけるアシル基は、直鎖状又は分岐状のいずれであってもよい。また、カプサイシノイドにおけるアシル基の炭素数については、特に制限されないが、例えば5〜15、好ましくは6〜11が挙げられる。
カプサイシノイドの種類については、薬学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、ノナン酸バニリルアミド、カプサイシン、ジヒドロカプサイシン、ノルジヒドロカプサイシン、ホモカプサイシン、ホモジヒドロカプサイシンが挙げられる。これらのカプサイシノイドは、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらのカプサイシノイドの中でも、好ましくはノナン酸バニリルアミドが挙げられる。
また、本発明では、カプサイシノイドとして、精製品を使用してもよいが、カプサイシノイド以外に他の成分が含まれている混合物を使用してもよい。このようなカプサイシノイドを含む混合物としては、具体的には、カプサイシノイドとして、トウガラシエキス、トウガラシチンキ、トウガラシ末等のトウガラシ類が挙げられる。
本発明の外用医薬製剤において、(B)成分として、モノテルペン及びカプサイシノイドの中から1種を選択して単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(B)成分としてモノテルペンを使用した場合には、冷感による十分な使用実感を与えることができる。また、(B)成分の内、カプサイシノイドを使用した場合には、熱感による十分な使用実感を与えることができる。また、(B)成分としてモノテルペンとカプサイシノイドとを組み合わせて使用した場合には、冷感と熱感の相乗作用による灼熱感によって十分な使用実感を与えることができる。
使用者により一層効果的に使用実感を与えて、2.0gを超える用量で過剰投与するのを格段効果的に抑制させるという観点から、(B)成分として、好ましくはモノテルペンとカプサイシノイドの組み合わせ、より好ましくはメントールとノナン酸バニリルアミドとの組み合わせが挙げられる。
(B)成分としてモノテルペンとカプサイシノイドを組み合わせて使用する場合、これらの比率については、特に制限されないが、例えば、モノテルペン100重量部当たり、カプサイシノイドが0.05〜1重量部、好ましくは0.1〜0.8重量部、より好ましくは0.2〜0.7重量部が挙げられる。
本発明の外用医薬製剤における(B)成分の含有量は、使用する(B)成分の種類等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、(B)成分の総量で、0.0001〜10重量%、好ましくは0.001〜8重量%、より好ましくは0.01〜6重量%が挙げられる。
より具体的には、(B)成分の種類毎の含有量として、以下の範囲が挙げられる;
モノテルペンを使用する場合:0.1〜10重量%、好ましくは1〜8重量%、より好ましくは1.5〜5重量%、更に好ましくは3〜5重量%。
カプサイシノイドを使用する場合:0.0001〜0.1重量%、好ましく0.001〜0.05重量%、より好ましくは0.01〜0.015重量%、更に好ましくは0.012〜0.015重量%。
[(C)1価低級アルコール]
本発明の外用医薬製剤は、(C)成分として1価低級アルコールを含有する。本発明において、1価低級アルコールとは炭素数1〜5の1価アルコールを指す。
1価低級アルコールの種類については、特に制限されないが、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−アミルアルコール、sec−アミルアルコール、イソアミルアルコール、tert−アミルアルコール、ネオペンチルアルコール等が挙げられる。これらの1価低級アルコールは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの1価低級アルコールの中でも、好ましくは炭素数2〜5の1価アルコール、より好ましくはエタノール及びイソプロパノールが挙げられる。
本発明の外用医薬製剤における(C)成分の含有量としては、例えば、50〜90重量%、好ましくは60〜85重量%、より好ましくは70〜80重量%が挙げられる。
[水]
本発明の外用医薬製剤は、前記(A)〜(C)成分に加えて、更に水を含んでいてもよい。
本発明の外用医薬製剤に水を含有させる場合、(C)成分と水の比率については、特に制限されないが、例えば、(C)成分100重量部当たり、水が5〜60重量部、好ましくは15〜50重量部、より好ましくは20〜35重量部が挙げられる。
本発明の外用医薬製剤に水を含有させる場合、その含有量としては、例えば、5〜49重量%、好ましくは10〜37重量%、より好ましくは15〜35重量%が挙げられる。
[その他の成分]
本発明の外用医薬製剤は、前述する成分の他に、必要に応じて、通常使用される他の添加剤が含まれていてもよい。このような添加剤としては、例えば、界面活性剤、植物油、動物油、鉱物油、脂肪酸アルキルエステル、脂肪酸、高級アルコール、pH調節剤、緩衝剤、可溶化剤、防腐剤、保存剤、酸化防止剤、安定化剤、香料、着色料等が挙げられる。本発明の外用医薬製剤において、これらの添加剤を含有させる場合、その含有量については、使用する添加剤の種類等に応じて適宜設定すればよい。
また、本発明の外用医薬製剤は、前述する成分の他に、薬理成分が含まれていてもよい。このような薬理成分としては、例えば、ロキソプロフェン及び/又はその塩以外の非ステロイド性消炎鎮痛剤、ステロイド剤、抗ヒスタミン剤、局所麻酔剤、保湿剤、殺菌剤、抗菌剤、鎮痒剤、皮膚保護剤、カプサイシノイド以外の血行促進成分、ビタミン類、ムコ多糖類等が挙げられる。これらの薬理成分は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、本発明の外用医薬製剤において、これらの薬理成分を含有させる場合、その濃度については、使用する薬理成分の種類、期待する効果等に応じて適宜設定すればよい。
[製剤形態]
本発明の外用医薬製剤の製剤形態については、経皮投与可能であることを限度として特に制限されず、例えば、液剤(ローション剤、スプレー剤、エアゾール剤、乳液剤等を含む)、フォーム剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは液剤又はゲル剤、より好ましくは液剤が挙げられる。これらの製剤形態への調製は、第十七改正日本薬局方 製剤総則等に記載の公知の方法に従って、製剤形態に応じた添加剤を用いて製剤化することにより行うことができる。
[用量・用法]
本発明の外用医薬製剤は、消炎鎮痛が求められる局所(皮膚)に経皮投与することにより使用される。本発明の外用医薬製剤は、外用消炎鎮痛剤として、肩こりに伴う肩の痛み、関節痛、腰痛、筋肉痛、腱鞘炎(手・手首の痛み)、肘の痛み(テニス肘等)、打撲痛、ねんざ痛、骨折痛、神経痛、変形性関節症、関節炎等に対する治療目的で使用することができる。
本発明の外用医薬製剤の投与対象となる身体部位については、消炎鎮痛が求められる部位であることを限度として、特に制限されないが、例えば、肩、首、背中、腕、手、手首、肘、腰、臀部、足、足首、膝、胸等が挙げられる。これらの身体部位の中でも、好適な一例として、肩が挙げられる。
本発明の外用医薬製剤は、1回当たりの投与量(外用医薬製剤の重量換算での投与量)が2.0g以下に設定される。本発明の外用医薬製剤は、1回当たり最大で2.0g経皮投与すれば、十分な冷感、熱感又は灼熱感を使用者に与え、極めて高い使用実感が得られるように設計されているので、2.0gを超えるような過剰投与を抑制することが可能になっている。
本発明の外用医薬製剤において、1回当たりの投与量については、2.0g以下の範囲で設定されていればよいが、より具体的には0.5〜2.0gが挙げられる。本発明の外用医薬製剤の1日当たり投与回数については、適用対象となる症状に応じて適宜設定すればよいが、例えば、1〜5回程度、好ましくは1〜4回程度が挙げられる。
本発明の外用医薬製剤において、1回の投与当たり、被投与対象となる患部(皮膚)面積については、特に制限されないが、例えば、10〜200cm2程度、好ましくは10〜150cm2程度、より好ましくは20〜40cm2程度が挙げられる。このような範囲の患部面積に対して本発明の外用医薬製剤を1回当たり2.0g経皮投与した際には、強い冷感、熱感又は灼熱感をより一層効果的に与えることができる。
[容器]
本発明の外用医薬製剤を収容する容器については、特に制限されず、製剤形態に応じて適宜設定すればよい。
本発明の外用医薬製剤が液剤である場合は、例えば、塗布部(多孔質部材又はボール部材等)を有する塗布容器を使用することができる。塗布容器の塗布部に取り付けられている多孔質部材としては、微細な連続孔を有し、多孔質性である部材であればよい。また、多孔質部材としては、塗布を容易とする観点から、可撓性部材であることが好ましい。このような多孔質部材としては、例えば、スポンジ部材及びメッシュ部材等が挙げられ、好ましくはスポンジ部材が挙げられる。多孔質部材の素材については、特に制限されないが、例えば、ウレタン、ラバー等の合成樹脂材料;セルロース等の天然材料が挙げられ、好ましくは合成樹脂材料が挙げられる。多孔質部材の特に好適な例として、ラバースポンジ部材が挙げられる。
本発明の外用医薬製剤が液剤である場合に使用される容器の好適な一例として、口部を有し、本発明の外用医薬製剤を収容し、前記外用医薬製剤の残量を外部から視認可能な程度の透明性を有する領域を少なくとも部分的に含む容器本体と、前記口部に取り付けられ、前記容器本体内から供給される前記外用医薬製剤を保持可能であり、患部に接触することにより、前記外用医薬製剤を前記患部に塗布する塗布部材とを備え、前記容器本体には、前記外用医薬製剤の残量を計量するための目盛りが設けられている塗布容器が挙げられる。当該塗布容器の容器本体には、外用医薬製剤の残量を計量するための目盛りが設けられているので、当該目盛りを参考にして、外用医薬製剤の使用量を定量的に把握することができる。そのため、外用医薬製剤の用量を遵守させ易くなり、2.0gを超える過剰投与するのを効果的に抑制することが可能になる。以下、かかる実施形態の塗布容器について図面を参照しつつ詳細に説明する。
<1.塗布容器の構成>
図1は、塗布容器100の正面図であり、図2は、その左側面図であり、図3は、その背面図である。なお、以下の説明においては、特に断らない限り、「上(天面)」「下(底面)」「左」「右」「前(正面)」「後(背面)」は、図1〜図3に示す通りに定義される。
塗布容器100は、本発明の外用医薬製剤(液剤)を収容する容器本体1と、容器本体1内の、当該外用医薬製剤を患部に塗布するための塗布部材2とを備える。塗布部材2は、患部に直接接触させるようにして使用される。また、塗布容器100は、塗布部材2を外側から覆うキャップ3をさらに備える。図2では、容器本体1からキャップ3が取り外されており、塗布部材2が露出している。塗布部材2は、接続部材4を介して容器本体1に取り付けられる。
容器本体1は、底面部10と、底面部10の外周縁から上方に延びる胴部11と、胴部11の上端縁に連続する肩部12と、肩部12の内周縁に連続する首部13とを有する。首部13は、容器本体1の上部開口を規定する口部を形成する。
底面部10は、平らな板状に形成されており、容器本体1は、塗布部材2、接続部材4及びキャップ3を取り付けた状態及び取り外した状態のいずれにおいても、底面部10を水平面上に配置することにより、起立させることができる。胴部11は、全体として筒状に形成される。図2に示すように、胴部11は、その下部(底面部10の近傍の部位)においては、前方部分が後ろ上がりに傾斜する傾斜面11aを形成するものの、その上方の中央部分においては、円筒状であり、断面径を維持しながら上方へ真っ直ぐに延びる。胴部11の中央部分の中心軸は、底面部10に直交している。胴部11の上部は、後方部分が前上がりに傾斜する傾斜面11bを形成する。胴部11の上端縁を含む平面は、前下がりに傾斜している。胴部11の背面部分は、その下端から上部近傍まで(傾斜面11bに達するまで)、側面視において直線状に延びている。
首部13は、全体として円筒状に形成されており、胴部11の上部に対し縮径するように、肩部12を介して胴部11の上端縁に連続する。首部13は、断面径を維持しながら、胴部11の傾斜面11bの傾きを引き継ぐように、前上がりに傾斜する。首部13の外周面には、螺旋状のねじ山13aが形成されている。
首部13のねじ山13aは、キャップ3のねじ溝(図示せず)と螺合し、これにより、キャップ3は、容器本体1に対し着脱自在に取り付けられる。キャップ3は、円筒状の側壁部30と、側壁部30の上端縁に連続する円板状の天面部31とを有する。キャップ3のねじ溝は、側壁部30の内周面に螺旋状に形成されている。キャップ3は、首部13に取り付けられた状態で、塗布部材2と、塗布部材2を首部13に接続する接続部材4とを外側から覆い、これらを外部空間から密閉する。
容器本体1は、透明又は半透明に構成されており、本発明の外用医薬製剤の残量を外部から視認可能な程度の透明性を有する。容器本体1の材質は、特に限定されないが、典型的には、容器本体1は、合成樹脂製とすることができ、好ましい例を挙げると、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等から構成することができる。その他、容器本体1は、透明又は半透明のガラス製とすることもできる。キャップ3の材質も、特に限定されないが、典型的には、キャップ3は、合成樹脂製とすることができ、好ましい例を挙げると、ポリエチレン、ポリプロピレン等から構成することができる。
図4A及び図4Bは、塗布部材2の周辺の側方断面図であり、図4Aは、塗布部材2に外力が加えられていない状態を示しており、図4Bは、塗布部材2が患部に押し当てられた状態を示している。図4A及び図4Bには、塗布部材2の他、接続部材4及び首部13が示されている。これらの図に示す通り、塗布部材2は、接続部材4を介して首部13に取り付けられる。
接続部材4は、筐体40と、筐体40内に収容される弁構造体41とを有する。筐体40は、円筒状の側壁部401と、側壁部401の上端縁に連続する円環状の天面部402とを有する。天面部402は、側壁部401よりも径が大きく、側壁部401から径方向外方に突出したフランジ部402bを有する。天面部402の中央には、貫通孔402aが形成されている。天面部402の上面には、貫通孔402aを覆うように、塗布部材2が固定されている。塗布部材2は、上下方向の厚みが薄く、平面視において円形の薄板状である。塗布部材2と天面部402との固定方法は、特に限定されず、超音波での溶着、接着剤での接着等を挙げることができるが、本実施形態では、塗布部材2の外周部が天面部402に超音波で溶着されている。
接続部材4の側壁部401は、容器本体1の首部13内に挿入される。首部13の内径と、側壁部401の外径とは略等しく、首部13に側壁部401が挿入されたとき、前者の内周面と後者の外周面とがぴったりと接触する。その結果、両面間に作用する摩擦力により、接続部材4及びこれに固定される塗布部材2が、首部13に強固に固定され、容器本体1から意図せず脱落することがない。一方、接続部材4のフランジ部402bは、首部13の上端部に引っ掛かるため、接続部材4が首部13内に入り込み過ぎることもなく、塗布部材2は、首部13の外部に位置決めされる。
塗布部材2は、容器本体1内から供給される外用医薬製剤を保持可能であり、本実施形態では、多孔質構造を有する。多孔質構造の幾何学的な構造としては、スポンジ構造、ハニカム構造等、様々な構造を採用することができる。また、塗布部材2は、患部に直接接触する部位であるため、肌触りが良好な軟質の多孔質体から構成されることが好ましく、例えば、天然ゴム、発泡ポリウレタン、発泡ポリスチレン等から構成することができる。多孔質体の孔の平均径は、50μm〜500μmであることが好ましく、50〜250μmであることがより好ましい。この場合、外用医薬製剤(液剤)の保持性及び吸収性に優れるとともに、同時に放出性にも優れるため、使用者が外用医薬製剤の使用量をコントロールし易い。なお、本発明において、平均経は、水銀圧入式ポロシメータにより測定した値をいう。
塗布部材2は、連続気泡率が70%以上であることが好ましい。連続気泡率が、70%以上だと、外用医薬製剤の吸放出性及び保持性が良好となり、使用者が外用医薬製剤の使用量をコントロールし易い。これらの点で、連続気泡率は、より好ましくは80%以上であり、さらに好ましくは90%以上であり、特に好ましくは95%以上であり、最も好ましくは100%である。なお、本発明において、連続気泡率は、ASTM D 1940−62Tに準拠して測定した値である。
塗布部材2は、厚さが0.5〜3.5mmであることが好ましい。厚さが、0.5mm以上だと、肌触りが良好となる。また、厚さが、3.5mm以下だと、膨潤による変形が生じにくくなるため、外用医薬製剤の放出性の低下が避けられ、外用医薬製剤をより定量的に使用することができる点で好ましい。これらの点で、厚さは、より好ましくは1.5〜2.5mm、さらに好ましくは1.7〜2.0mmである。
筐体40の材質は、特に限定されないが、典型的には、筐体40は、合成樹脂製とすることができ、好ましい例を挙げると、ポリエチレン、ポリプロピレン等から構成することができる。弁構造体41の材質も、特に限定されないが、典型的には、弁構造体41は、合成樹脂製とすることができ、好ましい例を挙げると、ポリエチレン、ポリプロピレン等から構成することができる。
天面部402において貫通孔402aを規定する部位は、弁座402cを構成する。弁構造体41は、弁座402cに受け取られる弁体411と、弁体411の下方に連続し、弁体411を弁座402cに付勢する付勢部材412とを有する。弁体411は、貫通孔402aを開閉する。付勢部材412は、本実施形態では、上下方向に中心軸が延びるスプリング型であるが、板バネ型等、その他の構造を採用することもできる。弁座402c、弁体411及び付勢部材412は、全体として1つの弁を構成する。
弁構造体41は、付勢部材412の下方に連続するリング状の台座部413をさらに有する。筐体40の側壁部401の内周面には、その下部近傍において径方向内方に突出する突出部401aが形成されている。弁構造体41が筐体40内に収容されたとき、台座部413は、突出部401aに引っ掛かり、弁構造体41が筐体40内から脱落することがないように、突出部401aにより下方から支持される。また、弁構造体41が筐体40内に収容されたとき、付勢部材412は、塗布部材2に外力が加えられていない状態においても、自然長よりもやや圧縮されている。そのため、弁体411は、付勢部材412の復元力により、弁座402cに対し下方から上方に押し付けられ、天面部402の貫通孔402aをしっかりと密閉する(図4A参照)。
一方、塗布部材2は、患部に強く押し当てられたときに変形し、天面部402の貫通孔402aを介して筐体40の内部へと進入する(図4B参照)。このとき、弁体411は、塗布部材2により押されて、筐体40のより内部へと移動し、付勢部材412は、さらに圧縮される。その結果、弁体411が弁座402cから離れ、貫通孔402aが開かれる。このように開かれた貫通孔402aは、容器本体1内の外用医薬製剤を塗布部材2に供給するための供給口となる。以下、貫通孔402aを、供給口402aと呼ぶことがある。すなわち、塗布部材2が下方又は斜め下方を向くように塗布容器100を把持した状態で、塗布部材2を患部に強く押し当てると、容器本体1内の外用医薬製剤が、以上の通りに開かれた供給口402aに流れ込む。その結果、容器本体1内の外用医薬製剤は、毛細管現象により塗布部材2に吸収され、保持される。塗布部材2に保持された外用医薬製剤は、塗布部材2を患部に沿って優しく移動させることにより、塗布部材2から患部に移動し、塗布される。塗布部材2は、外用医薬製剤を保持した状態で患部に接触することにより、外用医薬製剤を患部に塗布する部材である。
その後、塗布部材2が患部から離れると、弁体411を筐体40のより内部へと押し込む力が解除され、付勢部材412が伸張する。このとき、弁体411は、付勢部材412の復元力に押されて、弁座402cに向かって下方から上方に移動し、再度、供給口402aを閉じるように弁座402cに受け取られる。その結果、容器本体1内が密閉され、外用医薬製剤が予期せずこぼれたり、無駄に揮発したりすることが防止される。
図2及び図3に示すように、容器本体1の胴部11には、容器本体1内の外用医薬製剤の残量を定量的に計量するための目盛り5が設けられている。目盛り5は、外用医薬製剤の重量(質量)を計量するものであっても、体積を計量するものであってもよい。本実施形態では、目盛り5は、胴部11の背面部分において、側面視において直線状に延びる部分に配置される。目盛り5は、上下方向に配列される多数のしるしを構成する部位(以下、しるし部という)5aを含む。しるし部5aは、本実施形態では、左右方向に延びる線状であり、上下方向に均等な間隔をあけて配列される。また、目盛り5は、いくつかのしるし部5aの近傍において、しるし部5aに対応する数量(図3の例では、20g、10g)を表示する部分(以下、数量表示部という)5bを含む。
目盛り5の計量単位は、本発明の外用医薬製剤の1回当たりの投与量と同じであることが好ましい。なお、目盛り5の計量単位とは、隣接するしるし部5aの間隔に対応する外用医薬製剤の量、すなわち、容器本体1内の外用医薬製剤の液面が当該間隔分だけ下がったときに取り出された外用医薬製剤の量を意味する。
また、塗布部材2の液剤(外用医薬製剤)の保持量は、使用者が外用医薬製剤の使用量をコントロールし易く、一度に多くの液剤を塗布し過ぎることを抑制できる点から、1.0g以下であることが好ましく、0.8g以下であることがより好ましく、0.5g以下であることがさらに好ましい。ここでいう保持量とは、塗布部材2を下方に向けて静止させたときに、塗布部材2から滴ることなく、塗布部材2に保持される液体の最大量を言う。また、塗布部材2の液体の保持量をR1とし、目盛り5の計量単位をR2とするとき、R1/R2≦1.0であることが好ましく、R1/R2≦0.5であることがより好ましい。
本実施形態の目盛り5は、凹凸構造を有する。なお、ここでいう凹凸構造とは、指で触れたときに、その存在を触覚で感じられる程度の凹凸を有することを意味する。そのため、目盛り5は、使用者が患部に外用医薬製剤を塗布するべく、容器本体1を手で把持したときに、滑り止めの役割を果たすこともでき、容器本体1の把持性を向上させる。特に、肩や背中等、手が届きにくい部位に塗布を行うときに、この滑り止めの機能は、効果的に作用する。また、容器本体1の下部前方の傾斜面11a及び上部後方の傾斜面11bも、指を引っ掛けやすく、容器本体1の把持性を向上させる。
本実施形態では、しるし部5aは、容器本体1においてしるし部5aが配置される部分(しるし部5aとしるし部5aとの間の領域)に対し、外方に突出するように形成される。同様に、数量表示部5bも、容器本体1において数量表示部5bが配置される部分に対し、外方に突出するように形成される。また、本実施形態では、しるし部5a及び数量表示部5bは、容器本体1と一体的に構成されている。このようなしるし部5a及び数量表示部5bは、容器本体1を金型等を用いて成形するときに、同時に成形することができる。
<2.塗布容器の使用方法>
次に、本発明の外用医薬製剤(液剤)が収容された塗布容器100の典型的な使用方法について説明する。
まず、使用者は、外用医薬製剤を患部に塗布しようとしたときに、キャップ3を取り外し、塗布部材2を露出させる。そして、使用者は、容器本体1の底面部10を下方に向けつつ水平に維持した状態で、透明又は半透明に構成される容器本体1の外部から、容器本体1内の外用医薬製剤の液面の位置を観察し、その残量を確認する。
その後、使用者は、塗布部材2を下方又は斜め下方に向けながら患部に強く押し当てることにより、弁構造体41を作動させ、供給口402aを開き、容器本体1内の外用医薬製剤を取り出し、塗布部材2に吸収させる。そして、塗布部材2から液体が滴らない程度に、塗布部材2に外用医薬製剤を保持させた後、塗布部材2を患部に押し当てる力を弱めることにより、供給口402aを閉じる。
そして、使用者は、再度、容器本体1の底面部10を下方に向けつつ水平に維持した状態で、容器本体1の外部から容器本体1内の外用医薬製剤の液面の位置を観察し、取り出された液量を確認する。すなわち、現在の残量と、前回確認した残量との差から、取り出された液量、すなわち、塗布部材2に現在保持されている外用医薬製剤の量を計算する。その後、塗布部材2に保持されている外用医薬製剤を患部に優しく塗り広げる。このとき、容器本体1内から新たに外用医薬製剤が漏れ出さないように、塗布部材2を患部に弱い力で接触させることが望ましい。なお、容器本体1は、上記の通り、胴部11の上部及び首部13が前傾姿勢に構成されているため、肩や背中等の手が届きにくい部位にも容易に外用医薬製剤を塗布することができる。
以上の作業を、規定量の外用医薬製剤を患部に塗布し終わるまで続ける。以上の方法によれば、使用者は、目盛り5を参考にして、外用医薬製剤の使用量を定量的に把握することができるため、外用医薬製剤の用量を遵守させ易くなり、2.0gを超える過剰投与するのを効果的に抑制することができる。
<3.変形例>
以上、本発明の外用医薬製剤が液剤である場合に使用される塗布容器の好適な一例について説明したが、本発明は前記塗布容器の構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、以下の変更が可能である。また、以下の変形例の要旨は、適宜組み合わせることができる。
<3−1>
前記で説明した塗布容器では、容器本体1は、その全体が、外用医薬製剤の残量を外部から視認可能な程度の透明性を有するように構成された。しかしながら、容器本体1は、同様の透明性を有する領域を部分的に含むように構成されてもよい。例えば、目盛り5の近傍に同様の透明性を有する窓を配置し、その他の部位を不透明に形成してもよい。或いは、目盛り5の部分のみに同様の透明性を付与してもよい。
<3−2>
前記で説明した塗布容器では、塗布部材2が、多孔質構造を有するように構成された。しかしながら、塗布部材2の構成は、これに限定されず、塗布容器100を、所謂ロール・オン・タイプの容器としてもよい。すなわち、塗布部材2を、容器本体1の口部(首部13)に回転可能に固定され、その表面に外用医薬製剤を保持可能な球体(ボール部材)としてもよい。
<3−3>
前記で説明した塗布容器では、目盛り5のしるし部5a及び数量表示部5bは、容器本体1においてこれらの部5a及び5bが配置される部分に対し、外方に突出するように形成された。しかしながら、しるし部5a及び数量表示部5bの少なくとも一部又は全部は、同部分に対し、内方に窪んでいてもよい。
また、しるし部5a及び数量表示部5bの少なくとも一部又は全部は、容器本体1と一体的に構成されていなくてもよく、例えば、容器本体1の表面に印刷されていてもよいし、容器本体1の表面に張り付けられた透明のセロファン等から構成される薄いフィルムに印刷されていてもよい。また、しるし部5a及び数量表示部5bの少なくとも一部又は全部、或いは目盛り5の全体を、容器本体1の表面に張り付けられるシールにより実現してもよい。また、しるし部5a及び数量表示部5bが、容器本体1と一体的に構成されていない場合において、目盛り5が、凹凸構造を有していなくてもよい。
2.過剰投与の抑制方法
本発明の過剰投与の抑制方法は、(A)ロキソプロフェン及び/又はその塩と(C)1価低級アルコールを含む外用医薬製剤において、1回当たりの投与量が2.0gを超えて過剰投与されるのを抑制する方法であって、前記外用医薬製剤において、(A)ロキソプロフェン及び/又はその塩と(C)1価低級アルコールと共に、(B)モノテルペン及び/又はカプサイシノイドを共存させることを特徴とする。
当該方法は、(A)成分と(C)成分を含む外用医薬製剤に対して、1回当たりの投与量が2.0gを超えて過剰投与されるのを抑制できる特性を付与するために実施される方法である。当該方法において、外用医薬製剤に配合される(A)〜(C)成分の種類、外用医薬製剤に配合可能な他の成分(水等)、外用医薬製剤の製剤形態、外用医薬製剤の容量・用法、外用医薬製剤を収容する容器等については、前記「1.外用医薬製剤」の欄に記載の通りである。
以下に実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
試験例
表1〜4に示す組成の外用医薬製剤(液剤)を調製し、図1に記載の塗布容器に収容した。塗布容器の塗布部材は、多孔質構造を有するラバースポンジ部材からなり、多孔質体の孔の平均経は180μm、連続気泡率は100%、厚さは1.8mm、液体保持量は0.2gであり、液体保持量R1(0.2g)と容器の目盛りの計量単位R2(0.5g)とは、R1/R2=0.4の関係であった。各外用医薬製剤の経皮投与時に感じる「冷感、熱感又は灼熱感」及び「使用実感」について、10名の被験者によって以下の方法で評価した。
左肩に外用医薬製剤を2.0g(塗布容器の塗布部を肩に当てて15cm幅で10往復)を経皮投与した。外用医薬製剤を塗布した皮膚面積は約30cm2である。外用医薬製剤の塗布直後に「冷感、熱感又は灼熱感」及び「使用実感」について、VAS(Visual Analogue Scale)法によるアンケートによって評価した。「冷感、熱感又は灼熱感」については、「冷感、熱感又は灼熱感が無い」を「0点」、「強い冷感、熱感又は灼熱感がある」を「10点」として評価した。また、「使用実感」については、使用実感が十分にある(使用量が十分であると感じられ、追加で塗布したくない)を「6点」、使用実感が全くない(追加で塗布したい)を「−6点」として評価した。10名の被験者のアンケート結果の平均値(小数点以下第2位を四捨五入)を以下の評価基準に従って分類した。
<冷感、熱感又は灼熱感の評価基準>
○:8.0〜10.0点
△:4.0〜7.9点
×:0〜3.9点
<使用実感の評価基準>
+++:5.0〜6.0点
++ :3.0〜4.9点
+ :1.0〜2.9点
± :−0.9〜0.9点
− :−2.9〜−1.0点
−− :−4.9〜−3.0点
−−−:−6.0〜−5.0点
結果を表1〜4に示す。ロキソプロフェンナトリウム水和物及び1価低級アルコールを含み、メントール及びノナン酸バニリルアミドを含まない外用医薬製剤(比較例1〜4)では、2.0gを経皮投与しても冷感、熱感又は灼熱感が感じず、使用実感が全く得られず、ほとんどの被験者が追加で投与したいと考えた。これに対して、ロキソプロフェンナトリウム水和物及び1価低級アルコールと共に、メントール又はノナン酸バニリルアミドを含む外用医薬製剤(実施例1〜28)では、2.0gを経皮投与した際、強い冷感、熱感又は灼熱感により極めて高い使用実感を得ることができ、追加で投与したいと考える被験者はいなかった。即ち、実施例1〜28の外用医薬製剤は過剰投与され難い特性を有していた。特に、メントールを3重量%以上又はノナン酸バニリルアミドを0.012重量%以上含む場合には、2.0gを経皮投与した際の冷感、熱感又は灼熱感がより強くなるため、使用実感がより一層向上していた(10人全員が5点以上をつけ、全員が「追加で投与したくない」と回答した)。特に実施例7、14、21及び28は、1.0gを経皮投与した場合でも高い使用実感が得られ、より過剰投与し難い外用医薬製剤であった。さらに、ニコチン酸ベンジルエステル0.01重量%を配合した以外は実施例7と同様に調製した外用医薬製剤(メントール、ノナン酸バニリルアミド、ニコチン酸ベンジルエステルを併用)は、0.5gを経皮投与した場合でも強い灼熱感(平均点:9.8点)、極めて高い使用実感(平均点:5.9
点)を使用者に与えることができ、実施例1〜28よりもさらに過剰投与されにくい優れた外用医薬製剤であった。
なお、(B)成分としてL−メントールを含む外用医薬製剤(実施例1〜3、8〜10、15〜17、及び22〜24)では冷感、(B)成分としてノナン酸バニリルアミドを含む外用医薬製剤(実施例4〜6、11〜13、18〜20、及び25〜27)では熱感、(B)成分としてL−メントール及びノナン酸バニリルアミドを含む外用医薬製剤(実施例7、14、21及び28)では灼熱感がそれぞれ感じられる製剤であった。
Figure 2021172638
Figure 2021172638
Figure 2021172638
Figure 2021172638
100 塗布容器
1 容器本体
11 胴部
13 首部(口部)
2 塗布部材
3 キャップ
4 接続部材
40 筐体
402c 弁座
41 弁構造体
411 弁体
412 付勢部材
5 目盛り
5a しるし部

Claims (8)

  1. (A)ロキソプロフェン及び/又はその塩と、(B)モノテルペン及び/又はカプサイシノイドと、(C)1価低級アルコールとを含み、
    1回当たりの投与量が2.0g以下に設定されている、外用医薬製剤。
  2. 前記(B)成分が、モノテルペンとカプサイシノイドの組み合わせである、請求項1に記載の外用医薬製剤。
  3. 前記モノテルペンがメントールである、請求項1又は2に記載の外用医薬製剤。
  4. 前記カプサイシノイドがノナン酸バニリルアミドである、請求項1〜3のいずれかに記載の外用医薬製剤。
  5. 前記(C)成分が、エタノール及び/又はイソプロパノールである、請求項1〜4のいずれかに記載の外用医薬製剤。
  6. 外用医薬製剤が液剤であり、塗布部材を有する塗布容器に収容されている、請求項1〜5のいずれかに記載の外用医薬製剤。
  7. 前記塗布容器が、
    口部を有し、前記外用医薬製剤を収容し、前記外用医薬製剤の残量を外部から視認可能な程度の透明性を有する領域を少なくとも部分的に含む容器本体と、
    前記口部に取り付けられ、前記容器本体内から供給される前記外用医薬製剤を保持可能であり、患部に接触することにより、前記外用医薬製剤を前記患部に塗布する塗布部材と
    を備え、
    前記容器本体には、前記外用医薬製剤の残量を計量するための目盛りが設けられている、
    請求項6に記載の外用医薬製剤。
  8. (A)ロキソプロフェン及び/又はその塩と(C)1価低級アルコールを含む外用医薬製剤において、1回当たりの投与量が2.0gを超えて過剰投与されるのを抑制する方法であって、
    前記外用医薬製剤において、(A)ロキソプロフェン及び/又はその塩と(C)1価低級アルコールと共に、(B)モノテルペン及び/又はカプサイシノイドを共存させる、前記方法。
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