JP2021153414A - 冷凍パン用油脂組成物および冷凍パン用生地、冷凍パン用生地の製造方法 - Google Patents
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様々なパンが製造される中、商品の差別化として小麦粉本来の美味しさを訴求する商品が多く製造されている。小麦粉本来の美味しさを高める方法として、イーストの香りを抑えた短時間発酵であるストレート法を採用する方法、反対に低温長時間発酵させることで小麦粉中の遊離アミノ酸量を増強させ、小麦粉の旨みを高める方法などが挙げられる。しかし、いずれも発酵に特長をもたせたスクラッチ製法により製造されるパンであり、冷凍パンではなしえない製法である。
スクラッチ製法で焼成されるパンに比べて冷凍パンは、短時間でパンを提供できることや、店舗でのパンの売れ行きを見ながらパン生地を解凍し提供できることから食品廃棄を減らすことができ、パン生地を製造する必要がないため店舗ごとに製パン技術者が必ずしも必要ではないことから、人手不足でも対応しやすいことが利点である。一方で、冷凍パンは冷凍期間が長くなるほど冷凍パン用生地に含まれる水が氷結晶となりグルテンを損傷する、すなわち冷凍障害により冷凍パンのボリュームが低下し、さらにパン本来のソフトで弾力ある良好な食感が失われる。
上記課題を解決するために、一般的にパン生地にグルテンを添加する方法や、グルテンを強化するアスコルビン酸などを添加する方法、グルテン損傷の原因となる水の配合量を少なくする方法が取られる。しかしこれらの方法は、冷凍パンのボリュームを向上する効果はあるが、冷凍パン用生地の物性が硬くなることで作業性が低下するとともに冷凍パンのソフトさが失われてしまう。
すなわち、本発明は以下の発明である。
(A)食用油脂中に、(B)ブランチングエンザイムを含有する冷凍パン用油脂組成物。
〔2〕
(C)α−アミラーゼを含有する〔1〕記載の冷凍パン用油脂組成物。
〔3〕
(B)ブランチングエンザイムの活性量に対する(C)α−アミラーゼの活性量の比(C/B)は、0.005〜5である請求項2に記載の冷凍パン用油脂組成物。
〔4〕
穀粉に〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の冷凍パン用油脂組成物を含有する冷凍パン用生地。
〔5〕
穀粉に〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の冷凍パン用油脂組成物を添加することを特徴とする、冷凍パン用生地の製造方法。
本発明の冷凍パン用油脂組成物は、(A)食用油脂、(B)ブランチングエンザイムを含有することを特徴とし、(C)α−アミラーゼを含有してもよい。なお、本発明の冷凍パン用油脂組成物はショートニング、油中水型乳化物、水中油型乳化物いずれの形態においてもその効果を発揮することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(A)食用油脂としては、食用に適する油脂が使用でき、具体的には、牛脂、豚脂、魚油、パーム油、パーム核油、菜種油、大豆油、コーン油等の天然の動植物油脂、及びこれらの硬化油、極度硬化油、エステル交換油等が挙げられ、これらを目的に応じて適宜選択され、1種類又は2種類以上組み合わせて用いられる。(A)食用油脂に(B)ブランチングエンザイム、(C)α−アミラーゼを含有させることで、パン生地中にブランチングエンザイムおよびα−アミラーゼを均一に分散させることができ、作業性向上効果、焼成したパンのソフトさ、弾力性向上効果ならびに美味しさ向上効果、冷凍時のボリューム低下抑制効果を十分に発揮させることが出来る。反対に、(B)ブランチングエンザイムおよび(C)α−アミラーゼを(A)食用油脂に含有させず、冷凍生地に単体で添加した場合は、本発明の効果を得ることは期待できない。
なお、固体脂含量の測定は、基準油脂分析試験法「2.2.9 固体脂含量(NMR法)」に準じて測定する。測定装置は、「SFC−2000R」(アステック株式会社製)を使用し、本発明における固体脂含量は、この測定装置を用いて測定する。
本発明において使用される(B)ブランチングエンザイムは、1,4−α−D−グルカン鎖の一部を受容体1,4−α−Dグルカンの6−OH基に転移させ、アミロペクチンまたはグリコーゲンのようなα−1,6結合の枝分かれ構造を生成する酵素(酵素番号:EC2.4.1.18)である。至適温度は60〜75℃、好ましくは65〜75℃である。至適pHは5〜7であり、好ましくは5.5〜7である。澱粉構造が変化することにより、冷凍パン用生地の付着性低減により作業性及び歩留まりが向上し、焼成した冷凍パンの弾力性が向上する。また澱粉の構造が変化し、枝分かれ構造が生成されることで、冷凍パン用生地中の水を澱粉が保持する効果が高まり、冷凍期間中に生じる氷結晶によるグルテン損傷を抑制する。その結果、冷凍パンの内相が良好に保たれ、ソフトさを維持した冷凍パンが得られるだけでなく、冷凍パンのボリューム低下を抑制することができる。(A)食用油脂に含有させず、(B)ブランチングエンザイムを単体でパン生地に添加した場合、ブランチングエンザイムがすばやく均一にパン生地中に分散することができず、均一な澱粉構造の変化を促すことができない。そのため、付着性低減効果が得られず、本発明の効果である作業性及び歩留まり向上が得られない。さらにグルテン損傷を抑制する効果が得られない結果、ソフトさに優れた冷凍パンは得られず、またボリューム低下を抑制する効果も得られない。また、均一な澱粉構造の変化を促すことができない結果として、凝集性改善効果は得られるが、本発明の課題とする弾力性向上効果は得られない。
本発明において、ブランチングエンザイムを食用油脂に含有させず単体でパン生地に加えた場合、ブランチングエンザイムによる澱粉構造の変化が不均一であるため、凝集性は改善されるが、冷凍パン類の弾力性を向上させる効果はなく、ブランチングエンザイムを食用油脂に含有させることで冷凍パン類の弾力性を飛躍的に向上させることを見出した。また、この際、弾力性向上とともに凝集性の改善効果は消失する。
また、ブランチングエンザイムが食用油脂に配合されパン生地に投入された後、パン生地へなじみやすく、効果を発揮し易いという点から液状ブランチングエンザイムがより好ましい。
ブランチングエンザイムは、市販されており、例えばナガセケムテックスの「デナチームBBR LIGHT」や、ノボザイムジャパンの「SenseaForm」等が例示できる。
本発明において使用される(C)α−アミラーゼは、至適温度が45〜80℃であることが好ましい。α−アミラーゼとは、α-1,4−グルコシド結合を加水分解することによってデキストリンを生成する酵素であり、Bacillus等の細菌由来、Malt等の穀物由来、及びAspergillus等のカビ由来のいずれも用いることができる。
α−アミラーゼは、冷凍パン用生地に含まれる澱粉のα−1,4−グルコシド結合を加水分解し、焼成中の冷凍パン用生地の粘度が適度に低下する。これにより、グルテンの伸びが適度に向上し、冷凍パンの内相を細かなものにする。これにより、冷凍パンを食した際に小麦本来の甘みをより感じやすくすることができる。(C)α−アミラーゼを(A)食用油脂に含有させず単体で冷凍パン用生地に添加しても冷凍パンの内相を細かくする効果は得られず、その結果、冷凍パンを食した際に小麦本来の甘みをより感じやすくする効果は得られない。
α−アミラーゼは、市販されており、例えばノボザイムジャパン(株)の「Fungamyl」、「Novamyl」、「Novamyl−3D」、「Opticake Fresh50B」等が例示できる。
(1)サンプル吸光度の測定:5mLの緩衝液(Britton−Robinson Buffer、pH8.5、50mM(阿南功一ら著,「基礎生化学実験法6」,P277,丸善(株)))にネオ.アミラーゼテスト「第一」〔第一化学薬品(株)より入手、製品番号701501−005〕を1錠添加し、約10秒間攪拌した後、2mM塩化カルシウム水溶液で希釈した1mLの酵素溶液を添加して、50℃にて15分間反応させる。1mLの0.5N水酸化ナトリウム水溶液を添加、攪拌することで反応を停止させた後、遠心分離(400×g、5分間)にて不溶成分を沈殿させ、得られた遠心上澄の620nmにおける吸光度を測定する。
(2)ブランク吸光度の測定:5mLの緩衝液(Britton−Robinson Buffer、pH 8.5、50mM(阿南功一ら著,「基礎生化学実験法6」,P277,丸善(株)))にネオ.アミラーゼテスト「第一」を1錠添加し、約10秒間攪拌する。これに1mLの0.5N水酸化ナトリウム水溶液を添加、攪拌した後、1mLの酵素溶液を添加し、50℃にて15分間インキュベートした後、遠心分離(400×g、5分間)を行なう。得られた遠心上澄の620nmにおける吸光度を測定する。
(3)酵素活性の算出:ネオ.アミラーゼテスト「第一」同封の国際単位の検量線を基準とし、これに(1)と(2)の吸光度の差をあてはめることでアミラーゼの活性を算出する。
一方で、α−アミラーゼの添加量を過大に増加すると、澱粉の分解が促進されるため、弾力性を向上するというブランチングエンザイムの効果が低下する傾向にある。そのため、ブランチングエンザイムの活性量に対するα−アミラーゼの活性量の比を調整することにより、本発明の効果をより一層発揮することができる。α−アミラーゼの効果を得つつ、冷凍パンの弾力性を向上するという観点において、C/Bの下限値としては、好ましくは0.03以上であり、より好ましくは0.08以上であり、上限値としては、好ましくは3以下であり、より好ましくは1.5以下であり、特に好ましくは0.5以下である。
まず油脂および油溶成分を融点温度以上の温度で加熱し、均一溶解後、加温した水および水に十分に溶解した水溶成分を添加し、均一に混合撹拌後、50〜55℃まで降温する。次に、酵素を添加し、試作機を用いて急冷可塑化し、30℃以下まで冷却することにより、目的の冷凍パン用油脂組成物を得る。上記製造において、高温状態にある均一混合物を冷却する際には均一混合物を入れている容器自身を外部から冷却しても良いが、一般的にショートニング、マーガリン製造に用いられるチラー、ボテーター、コンビネーター等を用いて急冷する方が性能上好ましい。
次に本発明の冷凍パン用生地の製造方法について説明する。本発明の冷凍パン用生地の製造方法は、穀粉に本発明の冷凍パン用油脂組成物を添加することを特徴とするものである。
工程(i):(A)食用油脂中に、(B)ブランチングエンザイムを含有する冷凍パン用油脂組成物を準備する工程。
工程(ii):穀粉に前記冷凍パン用油脂組成物を混練する工程。
(実施例1)
表1の配合組成で以下の方法により冷凍パン用油脂組成物を製造した。パーム硬化油(融点42℃)5kg、パーム油30kg、菜種硬化油35kg(融点36℃)、および菜種油30kg、配合し加熱溶解したのち、50〜55℃に降温し、ブランチングエンザイム100gを添加後、十分に撹拌を行い、ついでショートニング試作機を用いて急冷練り上げすることで冷凍パン用油脂組成物を得た。なお、酵素の活性u/gは表1に示す通りである。
強力粉1000g、上白糖180g、イースト60g、脱脂粉乳(製品名:脱脂粉乳 明治製)20g、食塩10g、全卵60g、水500gを投入し冷凍パン用ミキサー AM−20(愛工社製)にて低速2分間中速5分間捏ね上げ、ここで、実施例および比較例において得られた水中油型乳化物である冷凍パン用油脂組成物80g投入し、さらに低速3分、中速3分捏ね上げ、捏ね上げ温度20℃の生地を得た。すぐに70gに分割し、次いでモルダーを通してコッペパン形に成形した。成形された生地を天板に並べて、急速冷凍機にて冷凍(−25℃ 30分間)し、冷凍パン用生地を作製した。冷凍期間1週間後および3ヶ月後の冷凍パン用生地を25℃で70分間解凍した後、温度38℃、湿度85%にて50分間最終発酵を行った。最終発酵後、オーブンにて上火210℃、下火200℃で8分間焼成した。焼成後、室温にて放冷しポリエステル袋に入れた。
なお、比較例7では、成形した生地を冷凍せずに、そのまま発酵(温度38℃、湿度85%、50分間)し、同様に焼成した。
冷凍パン製造時、冷凍前のパン生地がべたつくと、ミキシング機への冷凍パン用生地の付着が多くなり次工程へと進む際の作業量が多くなる、もしくはミキシング、デバイダー、モルダーなどの機器への冷凍パン用生地の付着量が多くなり、洗浄作業に対する作業量が多くなることから作業性が低下する。したがって、冷凍パン用生地のべたつきを作業性の評価とした。
(株)山電製「RHEONERII」を用いてフロアタイム終了後の冷凍パン用生地を30gに分割し、15分間ベンチタイムを経た冷凍パン用生地を各10個測定した。
冷凍パン用生地を測定台に置き、直径3cmの円盤型プランジャーにて5mm/secで2cm圧縮し、プランジャーが上昇する際に冷凍パン用生地に引っ張られる最大応力値(N)を測定し付着性の評価を行った。比較例1を使用した場合の応力値を100として、最大応力値(相対値)が110以上を「1」、110未満100以上を「2」、100未満95以上を「3」、95未満90以上を「4」、90未満を「5」として評価した。10個の平均値を作業性の評点とし、3以上を合格とした。
冷凍パン製造時、前後の転圧板の高さを4cm、2cmに設定した(株)オシキリ「ワイドファインモルダーWF」を用いて70gの冷凍パン用生地をコッペパン型に成型する際、モルダーから出た冷凍パン用生地の長辺が12cm以上のものは天板に並べた際に隣り合ったパンと焼成後ひっついてしまう、または生地表面が傷ついているものは生地表面の傷つきによるボリューム不良となるためそれらを成型不良とした。成型良好であった生地の割合を歩留まりとした。
歩留まり(%)=(1−成型不良個数/全個数)×100
歩留まり95%以上を合格とした。
(株)山電製「RHEONERII」を用いて冷凍3か月後に解凍、焼成した冷凍パンを各10個測定した。焼成後1日目の冷凍パンの長径を2分割するようにパンを切断し、切断部位から3cmの幅で再度パンを切断し、3cm幅の輪切りのパンを用意した。その輪切りのパンを、外皮表面が上になるように測定台に置いた。直径3cmの円盤型プランジャーにて1mm/secで0.8(N)の荷重となるまで圧縮し、計測開始から2分間、0.8(N)の荷重となるように圧縮変形させた。2分後の変形(mm)を測定し弾力性の評価を行った。比較例1を使用した場合の変形(mm)を100として、110以上を「1」、110未満100以上を「2」、100未満95以上を「3」、95未満90以上を「4」、90未満を「5」として評価した。10個の平均値を弾力性の評点とし、3以上を合格とした。
(株)山電製「RHEONERII」を用いて冷凍3か月後に解凍、焼成した冷凍パン各10個の焼成後1日目のソフトさを測定した。冷凍パン長径を2分割するようにパンを切断し、切断部位から3cmの幅で再度パンを切断し、3cm幅の輪切りのパンを用意した。その輪切りのパンを、外皮表面が上になるように測定台に置いた。直径3cmの円盤型プランジャーにて5mm/secで1.5cm圧縮する際に必要な応力(N)を測定しソフトさの評価を行った。比較例1を使用した場合の応力(N)を100として、105以上を「1」、105未満100以上を「2」、100未満95以上を「3」、95未満90以上を「4」、90未満を「5」として評価した。10個の平均値をソフトさの評点とし、3以上を合格とした。
冷凍1週間後および冷凍3か月後に解凍、焼成した冷凍パン各10個の焼成後1日目の比容積を測定し、ボリューム評価の指標とした。パンの比容積は、アステックス(株)製3Dレーザー体積計を用いて測定した。冷凍期間が長いほど冷凍パンのボリュームが低下することから、ボリューム低下抑制効果を以下の式にて評価した。
ボリューム低下抑制効果=
冷凍3か月冷凍パン平均比容積/冷凍1週間冷凍パン平均比容積
比較例1を使用した場合と比較して、ボリューム低下抑制効果が1.15倍以上の場合を「5」、1.10倍以上1.15倍未満の場合を「4」、1.05倍以上1.10倍未満の場合を「3」、1.0倍以上1.05倍未満の場合を「2」、1.0倍未満を「1」として評価を行い、3以上を合格とした。
冷凍3か月後に解凍、焼成した冷凍パンを焼成後1日目に食した際の美味しさを10人のパネラーにて評価した。比較例1を使用した冷凍パンの美味しさ(甘み)を基準とし、美味しさ(甘み)を非常に強く感じる(5)、美味しさ(甘み)を強く感じる(4)、美味しさ(甘み)をやや強く感じる(3)、比較例1と同等(2)、美味しさ(甘み)が弱い(1)として評価した。10人のパネラーの平均値を美味しさの評点とし、3以上を合格とした。
1)(商品名)「SenseaForm」(ブランチングエンザイム) ノボザイムジャパン(株)製、活性量25000u/g
2)(商品名)「デナチームBBR LIGHT」(ブランチングエンザイム) ナガセケムテックス(株)製、活性量50000u/g
3)(商品名)「Novamyl−3D」(マルトース生成α−アミラーゼ) ノボザイムジャパン(株)製、活性量1500u/g
4)(商品名)「Fungamyl」(α−アミラーゼ) ノボザイムジャパン(株)製、活性量15000u/g
〔使用乳化剤〕
5)(商品名)「エマルジーMS」(モノグリセリンモノ脂肪酸エステル)理研ビタミン(株)
6)(商品名)「リケマールPB100」(プロピレングリコールモノベヘン酸エステル)理研ビタミン(株)
また、実施例1〜3を見ると、ブランチングエンザイムの含有量は、食用油脂100gに対して250〜75000uとすることにより、本発明の効果が認められた。
また、実施例4〜6を見ると、α−アミラーゼを含有することにより、さらに優れた効果が認められ、さらに(B)ブランチングエンザイムの活性量に対する(C)α−アミラーゼの活性量の比(C/B)は、0.005〜5の範囲において、特に優れた効果が認められた。
また、実施例8、9を見ると、食用油脂のSFC(25℃)は、4〜40%の範囲において、優れた効果が認められた。
また、比較例3、4に示すように、ブランチングエンザイムを食用油脂と別々に添加しても本発明の効果は得られない。比較例5に示すように、ブランチングエンザイムを含有しない場合、O/W乳化といった形態の違いやその他成分としてモノグリセリンモノ脂肪酸エステルやプロピレングリコールモノ脂肪酸エステルといった乳化剤を配合しても本発明の効果を得ることができない。また、比較例6に示すように食用油脂のSFCが極端に低い場合、比較例2と比較して分かるように作業性、弾力、ソフトさ、美味しさに対する効果がさらに低下する。比較例7は生地を冷凍せず焼成した場合であり、比較例2と比較すると、弾力、ソフトさ、ボリューム、美味しさが生地を冷凍することで低下することがわかり、本発明の実施例1〜9の油脂組成物は冷凍パンにおいて優れた効果が認められた。
Claims (5)
- (A)食用油脂中に、(B)ブランチングエンザイムを含有する冷凍パン用油脂組成物。
- (C)α−アミラーゼを含有する請求項1記載の冷凍パン用油脂組成物。
- (B)ブランチングエンザイムの活性量に対する(C)α−アミラーゼの活性量の比(C/B)は、0.005〜5である請求項2に記載の冷凍パン用油脂組成物。
- 穀粉に請求項1〜3のいずれかに記載の冷凍パン用油脂組成物を含有する冷凍パン用生地。
- 穀粉に請求項1〜3のいずれかに記載の冷凍パン用油脂組成物を添加することを特徴とする、冷凍パン用生地の製造方法。
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