[go: up one dir, main page]

JP2005341857A - パン用冷凍生地 - Google Patents

パン用冷凍生地 Download PDF

Info

Publication number
JP2005341857A
JP2005341857A JP2004164830A JP2004164830A JP2005341857A JP 2005341857 A JP2005341857 A JP 2005341857A JP 2004164830 A JP2004164830 A JP 2004164830A JP 2004164830 A JP2004164830 A JP 2004164830A JP 2005341857 A JP2005341857 A JP 2005341857A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bread
weight
parts
oil
dough
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004164830A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3989920B2 (ja
Inventor
Yoji Kameo
洋司 亀尾
Tatsuya Tokunaga
達也 徳永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2004164830A priority Critical patent/JP3989920B2/ja
Publication of JP2005341857A publication Critical patent/JP2005341857A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3989920B2 publication Critical patent/JP3989920B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Abstract

【課題】 老化を抑制し、かつ口どけ感を向上させるパン類とするためのパン用冷凍生地を提供する。
【解決手段】 小麦粉100重量部に対して、(A)油脂1〜67重量部、(B)保湿剤0.001〜5重量部、(C)乳化剤0.1〜7重量部を含有するパン用冷凍生地、又は該生地を用いて得られるパン類。
【選択図】 なし

Description

本発明は、パン用冷凍生地、及び該生地を用いて得られる新規な食感を有するパン類に関する。
近年、コンビニエンス等で焼き立てのパン類のニーズが高まっている。このことから、生産性向上のため、冷凍生地が使用されるケースが増えてきている。併せて、焼き立て感の持続のため、パン類の老化防止機能の強化も、販売から求められている。
また、消費者志向は多様化し、既存の概念に捕らわれない新しいタイプの食品、或はこれまでにない食感の食品が求められる傾向にあり、パン類に於いても同様に新規な食感が求められている。
パンはわが国に於いても欠かせない食品の一つで種類も多い。その中でパン類は弾力性のあるものが主流であり、従来、この食感はパンとして好ましいものとされていた。しかし、最近の多様化志向により、弾力性とは逆の食感、即ち、柔らかく、かつ口溶けの良いものも求められている。このことから、冷凍生地においても、焼き立て後のパン類の老化防止及び口溶け性の向上が望まれている。
これまで、乳化剤のみでの老化防止技術が種々提案されてきたが、乳化剤のみで老化防止効果を発現させようとすると、その添加量を多くすることが必要となり、結果としてある程度の老化防止効果は得られるものの、過剰に添加した乳化剤自身の風味等が出ることにより、パンとしての風味・食感が良好とならない場合があった。
また、冷凍生地において多糖類等からなる増粘剤を用いた従来の技術としては、カラギーナンを用いる技術(特許文献1)、多糖類を用いる技術(特許文献2)、澱粉類としてジェランガム含有澱粉のα化物を使用する技術(特許文献3)、酵母、アスコルビン酸類、ガム類、コハク酸モノグリセリド及びカゼイン類を含有する製パン改良剤と水とを混捏し、生地とした後、該生地を用いて常法により製パンする技術(特許文献4)、α化澱粉、アスコルビン酸類、並びにステアリル乳酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステルおよびガム類の少なくとも1種を添加して混捏してパン生地を製造する技術(特許文献5)、小麦グルテン、乳化剤、アルギン酸またはその誘導体、キサンタンガム、システイン、次亜塩素酸ナトリウム、蛋白分解酵素、乳酸又は乳酸塩を用いる技術(特許文献6)などが提案されている。
上記技術においてジェランガム、キサンタンガム等の多糖類(ガム類)を用いる理由としては増粘剤として用いることにより冷凍生地の製造及び該生地を用いてパン類を得ようとするときに生じる凍結、解凍といった条件下でも安定な水分保持能を向上させることにより、上記条件下で生じる生地ダメージに起因するパン品質の低下を防ぐことが目的である。即ち、上記目的を達成するためには冷凍生地(パン生地)調製中に増粘剤自身が吸水・凝集しないと充分な水分保持能を有することは不可能である。一方で一旦吸水・凝集した増粘剤は分散効率が低下し、焼成して得られたパン類の老化防止効果が効果的に発揮されない上、増粘剤が凝集することにより良好な食感が得にくい場合があった。
特開平2−119739号公報 特開平8−256674号公報 特開平11−243841号公報 特開平7−177841号公報 特開平9−65822号公報 特開昭61−152226号公報
本発明が解決しようとする課題は、冷凍生地を用いて得られるパン類本来の形状、風味を有すると共に、老化防止作用があり、口溶けの良い新規な食感を有するパン類を提供することにある。
本発明は、小麦粉100重量部に対して、
(A)油脂1〜67重量部
(B)保湿剤0.001〜5重量部
(C)乳化剤0.1〜7重量部
を含有するパン用冷凍生地、及び該生地を用いて得られるパン類を提供するものである。
本発明で使用する油脂(A)は、動物性、植物性のいずれでも良く、バター、ラード、マーガリン、ショートニングなどの可塑性を持ったもの、液状油、又はそれらに水素添加をした硬化油(固体脂)、エステル交換油等幅広く用いることができる。配合量は1〜67重量部であるが、好ましくは3〜60重量部、更に5〜55重量部とすることが好ましい。
また、本発明で使用する油脂(A)は、融点25〜50℃の油脂(A1)と融点20℃以下の液体油(A2)を併用することが好ましい。
融点25〜50℃の油脂(A1)は、パン製造の面から見るとパンの内相組織の改良や容積の増大、機械耐性の向上等の機能を持ち、一般的にはバター、ラード、マーガリン、ショートニングなどの可塑性を持ったものが一般的に用いられる。J.C.Baker等は添加された油脂がパン生地の成型醗酵工程中で固形であることが有効に働くための必要条件であることを確認している。液状油や醗酵温度で融解してしまう油脂を練り込んだパン生地は、油脂を使用しないパン生地と同様、オーブン内での膨張が早期に停止し、容積の小さいパンしか得られていない。この理由は液状油の生地の場合、澱粉の糊化やグルテンの熱凝固が起こらない低い温度で生じる水蒸気、空気などによって膨張する力を保持できず、これらが生地外に蒸散してしまうためであると述べている(田中康夫,松本博編,製パンの科学II 製パン材料の科学,光琳(1992)/J.C.Baker,M.D.Mize,Cereal Chem.,19,84(1942))。
よって、好ましい油脂の特性としては、融点として25〜50℃が必要であるが、好ましくは27〜45℃、更に好ましくは30〜40℃であり、室温における性状は、半固体又は固体状態である。油脂(A)中のSFC(25℃)は、5〜40%、好ましくは10〜35%、更に好ましくは15〜30%である。
上記油脂には動植物油及びそれらに水素添加をした硬化油(固体脂)、エステル交換油が用いられる。
具体的な油脂(A1)としては、動物油としては牛脂、豚脂、魚油が用いられ、植物油としては大豆油、パーム油、パーム核油、綿実油、落花生油、ナタネ油、コーン油、サフラワー油、サンフラワー油、米油等が挙げられる。
油脂(A1)の小麦粉100重量部に対する配合量は、0.5〜50重量部であるが、更に2.5 〜43重量部、特に4.5〜38重量部とすることが製パン作業性及び風味の点から好ましい。
融点20℃以下の液体油(A2)は、ナタネ油、コーン油、大豆油、パーム油、米油、魚油等の食用油脂の内、融点が20℃以下のものである。好ましくは融点が10℃以下の液状油が好ましく、中でもナタネ油、コーン油、大豆油及び米油が好ましい。更に、液状油としてはジアシルグリセロール及び中鎖脂肪酸を含有したトリグリセライド及びジグリセライドも上記融点条件を満たすものであれば使用できる。融点20℃以下の液体油(A2)の最適な配合量としては、小麦粉100重量部に対して0.5〜17重量部であり、更に1〜10重量部であることが、生地強度及び機械耐性の点から好ましい。
本発明における(B)保湿剤としては、蛋白質、増粘多糖類等が挙げられる。
老化防止効果を発現するためには、保湿剤の添加量は小麦粉100重量部に対して0.001〜5重量部、好ましくは0.01〜2重量部、更に0.05〜1重量部であることが、充分な老化防止効果と良好な食感の両立の点から好ましい。
蛋白質としては水に溶解した時、粘性を呈する物質であれば良く、乳蛋白質及び植物性蛋白質等が挙げられる。乳蛋白質としてはナトリウムカゼイン、カルシウムカゼイン、レンネットカゼイン、ミルクカゼイン、ミルクホエー、ラクトアルブミン、ラクトグロブリン等が挙げられる。
また、増粘多糖類としては、ジェランガム、カラヤガム、タマリンド種子ガム、タラガム、グルコマンナン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、プルラン、グアーガム、イオタカラギナン、HMペクチン、LMペクチン、トラガントガム、結晶性セルロース、PGA(アルギン酸プロピレングリコールエステル)、SSHC(水溶性大豆多糖類)、ガティガム、メチルセルロース、サイリウムシード及びカシヤガム等が挙げられる。これら蛋白質及び増粘多糖類の中から1種を単独で用いても良いし、また異なる2種以上を組み合わせて用いても良い。中でも風味及び食感の点よりキサンタンガム、グアガム、ローカストビーンガムが好ましく、更に好ましくはキサンタンガムである。
本発明で使用する乳化剤(C)としては、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチン、レシチン誘導体等が挙げられ、2種以上の混合系で用いられることが好ましい。
乳化剤(C)の添加量は小麦粉100重量部に対して0.1〜7重量部、好ましくは0.1〜5重量部とすることが、(1)乳化剤自身により老化を抑制する点から好ましく、また、液体油(A2)を用いた場合には、(2)粉体状態にある保湿剤(B)を液体油(A2)中に固定分散化させ、結果としてパンの食感(口溶け性)を向上させる点から好ましい。
更に、(C)乳化剤は、グリセリン脂肪酸エステルとプロピレングリコール脂肪酸エステルを用いることが、上記(1)の点から好ましい。本発明のグリセリン脂肪酸エステルとは、グリセリンと脂肪酸のエステル又はその誘導体であり、グリセリン脂肪酸モノエステル(通常モノグリセリド)、グリセリン脂肪酸ジエステル、グリセリン有機酸脂肪酸モノエステル、ポリグリセリン脂肪酸モノエステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル等を示す。また、本発明のプロピレングリコール脂肪酸エステルとは、プロピレングリコールと脂肪酸のエステルであり、モノエステル型、ジエステル型のものが用いられる。中でも、グリセリン脂肪酸モノエステル、プロピレングリコール脂肪酸モノエステルが上記(1)の点から好ましく、特に、これらを併用することが好ましい。即ち、グリセリン脂肪酸モノエステルとプロピレングリコール脂肪酸モノエステルの合計が乳化剤中80重量%以上であり、かつ、グリセリン脂肪酸エステル/プロピレングリコール脂肪酸モノエステル=1/0.5〜2.0の重量比率で、好ましくはほぼ1/1の重量比率であることが好ましい。また、融点20℃以下の液体油(A2)/乳化剤(C)の重量比率が6.5以下(液体油配合量を乳化剤配合量で割った値)、更に1.7〜6.5、特に2.0〜6.5、殊更3.0〜6.5とすることが、上記(2)の点から好ましい。即ち、液体油(A2)を流動性が無い状態まで硬化することが可能となり、かつ、同じ液体油中に分散されている粉体状態の保湿剤(B)を均一に、かつ、沈澱すること無く固定分散化できる。
本発明において、液体油が流動性が無く硬化した状態の尺度として、針入度を定めることができる。
ここで、針入度とは、ASTM−D217(「ASTM針入度の測定方法」Annual Book of Standards 1994.Section 5,Volume 05.01内のD217)に記載された針入度の測定に準じて次のように測定される値である。即ち、縦115mm×横115mm×深さ90mmの容器に油脂組成物を詰め、表面を平らにする。これを測定温度(20℃)に30分間放置した後、102.5gの円錐形の荷重を装着した針(Penetrometer Cone)を、表面を接して静置し、5秒後の進入距離を0.1mm単位で表示する。ここで、針入度は一般に数値が小さいほど、測定試料が硬いことを表す。本発明において、油脂組成物が流動性が無く硬化した状態にあるためには、針入度が200以下、特に100以下にすることが好ましい。
また、前記(1)の点から、グリセリン脂肪酸モノエステルが有効である。より効果的な老化防止効果を発現するためには、グリセリン脂肪酸モノエステルを5〜20重量部、更に7〜15重量部配合することが好ましい。グリセリン脂肪酸モノエステルがこの範囲にあると他の乳化剤に比べて老化防止効果が高くなる。また、前記(2)の点から、プロピレングリコール脂肪酸モノエステルの配合量は、5〜20重量部、更に7〜15重量部とすることが好ましい。
本発明におけるグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルの構成成分としての脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸等の炭素数12〜22の飽和脂肪酸もしくは不飽和脂肪酸が挙げられ、特に飽和脂肪酸が好ましく、炭素数14〜22の飽和脂肪酸が最も好ましい。これら脂肪酸は単一で構成されていても良いが、2種以上の混合系で構成されていてもよい。
他の使用できる乳化剤として、グリセリン脂肪酸エステルの1形態として記載されているグリセリン有機酸脂肪酸モノエステルとは、グリセリン脂肪酸モノエステルの3位のOH基を有機酸でエステル化した化合物である。有機酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸等の低級脂肪酸で構成される脂肪族モノカルボン酸、シュウ酸、コハク酸等の脂肪族飽和ジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族不飽和ジカルボン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、ジアセチル酒石酸、クエン酸等のオキシ酸、及びグリシン、アスパラギン酸等のアミノ酸が例示される。特に、クエン酸、コハク酸、酒石酸、ジアセチル酒石酸が好適で、HLBは4〜14のものが好適である。
また、市販のグリセリン有機酸エステルは、未反応の有機酸やグリセリン脂肪酸モノエステルを一部含むが、このような市販のグリセリン有機酸脂肪酸モノエステルも本発明に適用できる。
また、ポリグリセリン脂肪酸モノエステルを構成するポリグリセリンの具体例としては、テトラグリセリン、ペンタグリセリン、ヘキサグリセリン、ヘプタグリセリン、ナノグリセリン、デカグリセリンなどからなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物が挙げられる。特にグリセロールの重合度が1〜9のものが好ましい。
ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルは、ポリグリセリンと縮合リシノレイン酸とのエステルであり、通常、グリセリングリセリン重合度2〜3のポリグリセリンとリシノレイン酸の3〜5の縮合リシノレイン酸とのモノもしくはジエステルの混合物が用いられる。
本発明に用いられるショ糖脂肪酸エステルとは、ショ糖と脂肪酸のエステルであり、モノ、ジ、トリ及びポリエステル等を含み、構成脂肪酸としては炭素数12〜24の脂肪酸の単一又は2種以上の混合系が好ましい。また、HLBは5〜15のものが好適である。
本発明に用いられるソルビタン脂肪酸エステルとは、ソルビタンと脂肪酸のエステルであり、構成脂肪酸としては炭素数12〜24の脂肪酸の単一又は2種以上の混合系が好ましい、ソルビタン脂肪酸エステルにはモノエステル型とトリエステル型のものがあるが、本発明ではモノエステル型のものが好適である。
本発明に用いられるレシチンは、フォスファチジルコリン、フォスファチジルエタノールアミン、フォスファチジルイノシトール、フォスファチジン酸等によりなるリン脂質混合物であって、大豆あるいは、卵黄等から得られるレシチンが代表的なものである。また、レシチン誘導体としてはリゾレシチン、リゾフォスファチジン酸等が挙げられる。
本発明においては、通常パンに用いられる全ての糖類を用いることができる。具体的にはグルコース、フルクトース、ガラクトース等の単糖類、マルトース、ショ糖、麦芽糖、水飴、異性化糖、転化糖、サイクロデキストリン、分岐サイクロデキストリン、デキストリンなどの多糖類、澱粉加水分解物などの還元糖、ソルビトール、マルチトール、キシリトールなどの糖アルコール類、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウムなどを使用することができ、これらは1種又は2種以上の混合系で使用することができる。糖類の配合量は、小麦粉を100重量部とした時のパン生地中で3〜50重量部であることが好ましく、更に5〜45重量部、特に10〜35重量部とすることが製パン作業性及びパン風味の点から好ましい。
本発明においては、(A2)融点20℃以下の液体油、(B)保湿材、(C)乳化剤を事前に混合し、油脂組成物(E)を調製し、小麦粉に配合することが好ましい。油脂組成物(E)としては、(A2)融点20℃以下の液体油50〜85重量部、(B)保湿剤0.1〜10重量部、(C)乳化剤10〜35重量部を含有し、(A2)/(C)の重量比率が6.5以下であるように調製したものが、上記(1)及び(2)の効果の点から好ましい。
また、油脂組成物中の(C)乳化剤の配合量は、(A2)/(C)の重量比率が6.5以下を満たした上で、更に14〜26重量部とすることが、上記(2)の点から好ましい。尚、このように(C)乳化剤を油脂組成物(E)としてパン中に配合する場合、更に必要量の(C)乳化剤を、油脂組成物(E)とは別個にパン中に配合することもできる。
なお、本発明における油脂組成物(E)には、その他の成分として、保存料、pH調製剤、色素、香料等を適宜使用してもよい。
具体的な油脂組成物(E)の製造方法としては、まず成分(A2)及び(C)を各成分の融点温度以上の温度で加熱し、均一溶解させた後、成分(B)を添加し、均一に混合撹拌する。上記均一になったものを上記各成分の融点以下の温度、好ましくは30℃以下まで冷却することにより目的の油脂組成物を得る。上記、冷却速度は速いほうが好ましい。即ち、冷却により乳化剤が結晶化する際、徐冷よりも急冷の方がより結晶が粗大化しないことより乳化剤自身の分散性を向上させ、老化防止効果を促進する点より好ましい。上記製造において、高温状態にある均一混合物を冷却するの際には均一混合物を入れている容器自身を外部から冷却しても良いが、一般的にショートニング、マーガリン製造に用いられるチラー、ボテーター、コンビネーター等を用いて急冷する方が性能上好ましい。
本発明において、パン調製時に添加する油脂組成物(E)の配合量は、パンに使用する小麦粉100重量部に対して、1〜20重量部、更に3〜10重量部であることが、前記(1)及び(2)の効果を発現する点から好ましい。
本発明においては、パン用冷凍生地を調製する際に、イースト(F)を用いることが好ましい。この場合イーストの中でも冷凍生地用のイーストを用いることが好ましい。イーストは、パン生地を冷凍する場合には、凍結中冷凍障害を受けて一部死滅する。よって、イーストの配合量は、小麦粉100重量部に対して3〜30重量部、好ましくは5〜25重量部、更に7〜20重量部であることが、解凍後のガス発生によるパンボリューム、死滅したイーストがパン風味に悪影響を及ぼさない点から好ましい。
本発明で使用する小麦粉とは、強力粉、準強力粉が主に用いられ、食感改善等の観点より、中力粉および薄力粉が一部用いられる。一般には上記分類は小麦粉中蛋白量で定義され、強力粉は11.5〜13.0%、準強力粉は10.5〜12.5%、中力粉は7.5〜9.0%、薄力粉は6.5〜8.0%と定義される。
本発明で使用する小麦粉中のデンプン量は、小麦粉100重量部中、65〜78重量部、好ましくは68〜75重量部、更に好ましくは69〜72重量部が好ましい。
本発明におけるパンの原料としては、主原料としての小麦粉の他に、イーストフード、水、加工澱粉、乳製品、食塩、調味料(グルタミン酸ソーダ類や核酸類)、保存料、ビタミン、カルシウム等の強化剤、蛋白質、アミノ酸、化学膨張剤、フレーバー等が挙げられる。更に、一般に原料として用いると老化しやすくなる、レーズン等の乾燥果実、小麦ふすま、全粒粉等を使用することができる。
冷凍生地の製造方法としては、ストレート法、中種法により生地を調製し、その生地調製過程において生地を冷凍することによって得られる。生地を冷凍する過程としては、大きく醗酵前と醗酵後に分けられ、本発明においては何れでも製造することができる。更に、本発明は半焼成後に冷凍する工程をとる場合においても有効である。
本発明の冷凍生地を使用して製造するパン類としては、フィリングなどの詰め物をしたパンも含まれ、食パン、特殊パン、調理パン、菓子パンなどが挙げられる。具体的には、食パンとしては白パン、黒パン、フランスパン、バラエティーブレッド、ロール(テーブルロール、バンズ、バターロールなど)が挙げられる。特殊パンとしてはマフィンなど、調理パンとしてはホットドッグ、ハンバーガーなど、菓子パンとしてはジャムパン、あんパン、クリームパン、レーズンパン、メロンパン、スイートロール、リッチグッズ(クロワッサン、ブリオッシュ、デニッシュペストリー)などが挙げられる。
実施例1〜5、比較例1〜3
本発明における実施例1〜5、及び比較例1〜2に使用した油脂組成物(a〜g)の組成を表1に示した。なお、油脂組成物fについては下記(A2)に替えて(A1)に該当する油脂を用いた。
〔油脂組成物の調製方法〕
1)容量2リットルのステンレス製ビーカーに成分(A2)及び(B)を秤量する。
2)上記1)を85℃水浴中にて均一溶解し、30分間放置する。
この際、アンカー型フックを用い、スリーワンモータ(HIDON社製TYPE60G)を用いて撹拌を行った。
3)上記2)に予め秤量しておいた成分(C)を撹拌しながら添加し、均一になったことを確認後、30分放置する。
4)上記3)において、水浴中に大量の氷を入れて、30℃まで冷却し、30℃に温度を維持したまま、撹拌を行い、所定の容器に移す。
5)上記4)を15℃恒温槽にて1晩(約12時間)放置し、針入度測定及び製パン評価を行った。
実施例1〜5、及び比較例1〜2における油脂組成物についての(A2)融点20℃以下の液体油と乳化剤(C)の配合比率及び針入度の測定結果を表1に示した。
Figure 2005341857
上記油脂組成物a〜gを配合した実施例1〜5及び比較例1〜2、及び油脂組成物無添加配合である比較例3について冷凍生地を調製し、これを焼成することにより製パン評価を行った。評価を行ったパン配合を表2に示す。
〔冷凍生地の製造条件〕
縦型ミキサー(関東ミキサー10コート)、フックを用い、表2記載の配合に従い、小麦粉(強力粉)、冷凍生地用イースト、冷凍生地用イーストフード、砂糖、食塩、脱脂粉乳、全卵、水をミキサーに入れ、低速3分、中高速3分で混捏後、
油脂及び油脂組成物を添加し、更に低速3分、中高速2分、高速2分で混捏した(捏上温度22℃)。次に、得られた生地を下記の条件にて一次発酵させた。
一次発酵温度 27℃
一次発酵相対湿度 85%
一次発酵時間 60分
一次発酵終了温度 29.5℃
上記生地を40gの生地に分割し、分割での生地ダメージを回復させるために
ベンチタイムを27℃で20分とり、その後、モルダーで成型した。成型物を−30℃で急速冷凍し、中心温度が−12℃になったところで−20℃恒温槽に移し、保存した(1ヶ月間保存)。
〔パンの製造条件〕
−20℃で1ヶ月間保存した冷凍生地を25℃に60分間置くことにより解凍した後、温度35℃相対湿度80%で50分間発酵(ホイロ)させた。このようにして調製したパン生地を200℃オーブンにて8分間焼成した。焼成後、20において45分間冷却後、ビニール袋に入れ密封し、更に20℃において3日間保存したものをパンサンプルとした。
実施例及び比較例の評価として、パンサンプルについて官能評価を行なった。
〔パン官能評価〕
パンを喫食した際の柔らかさ、しっとり感、口溶けどけ感について10名のパネラーによるモナディック評価を下記の基準により行った。なお、柔らかさは「老化抑制効果」を表す。
◎;10名中8名以上が良好であると判断した。
○;10名中5〜7名が良好であると判断した。
△;10名中3〜4名が良好であると判断した。
×;10名中8名以上が良好ではないと判断した。
これらの結果を表2に示す。
Figure 2005341857
上記のように、本発明のパン用冷凍生地を製造し、これを焼成することにより得られたパンは、老化が抑制され、かつ口溶け感も向上することがわかった。

Claims (5)

  1. 小麦粉100重量部に対して、
    (A)油脂1〜67重量部
    (B)保湿剤0.001〜5重量部
    (C)乳化剤0.1〜7重量部
    を含有するパン用冷凍生地。
  2. (A)油脂が、(A1)融点25〜50℃の油脂0.5〜50重量部、及び(A2)融点20℃以下の液体油0.5〜17重量部を配合するものである請求項1記載のパン用冷凍生地。
  3. (A2)融点20℃以下の液体油50〜85重量部、(B)保湿剤0.1〜10重量部、(C)乳化剤10〜35重量部を含有し、(A2)/(C)の比率が6.5以下である(E)油脂組成物を予め調製し、小麦粉100重量部に対して、
    (A1)融点25〜50℃の油脂0.5〜50重量部
    (E)油脂組成物1〜20重量部
    を配合するものである請求項1又は2記載のパン用冷凍生地。
  4. 更に、小麦粉100重量部に対して、(F)イースト3〜30重量部を配合する請求項1〜3の何れか1項記載のパン用冷凍生地。
  5. 請求項1〜4の何れか1項記載のパン用冷凍生地を用いて得られるパン類。
JP2004164830A 2004-06-02 2004-06-02 パン用冷凍生地 Expired - Fee Related JP3989920B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004164830A JP3989920B2 (ja) 2004-06-02 2004-06-02 パン用冷凍生地

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004164830A JP3989920B2 (ja) 2004-06-02 2004-06-02 パン用冷凍生地

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005341857A true JP2005341857A (ja) 2005-12-15
JP3989920B2 JP3989920B2 (ja) 2007-10-10

Family

ID=35494785

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004164830A Expired - Fee Related JP3989920B2 (ja) 2004-06-02 2004-06-02 パン用冷凍生地

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3989920B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008000133A (ja) * 2006-05-22 2008-01-10 Omu Milk Products Co Ltd 食品の品質改良材
JP2014131503A (ja) * 2012-12-05 2014-07-17 Kao Corp ベーカリー用油脂組成物
JP2021153414A (ja) * 2020-03-25 2021-10-07 日油株式会社 冷凍パン用油脂組成物および冷凍パン用生地、冷凍パン用生地の製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008000133A (ja) * 2006-05-22 2008-01-10 Omu Milk Products Co Ltd 食品の品質改良材
JP2014131503A (ja) * 2012-12-05 2014-07-17 Kao Corp ベーカリー用油脂組成物
JP2021153414A (ja) * 2020-03-25 2021-10-07 日油株式会社 冷凍パン用油脂組成物および冷凍パン用生地、冷凍パン用生地の製造方法
JP7537110B2 (ja) 2020-03-25 2024-08-21 日油株式会社 冷凍パン用油脂組成物および冷凍パン用生地、冷凍パン用生地の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3989920B2 (ja) 2007-10-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4447566B2 (ja) 電子レンジ加熱に適したパン類
JP4407969B2 (ja) 中華まん類
EP2229817B1 (en) Bread product comprising a fat and oil composition and an emulsifier blend, having an improved freshness retention
JP3540313B1 (ja) ベーカリー製品用油脂組成物
US20090169698A1 (en) Baked goods
JP3600192B2 (ja) パン類の製造方法
JP4298696B2 (ja) 焼き菓子類
US8137727B2 (en) Bread suitable for heating in microwave oven
JP3989920B2 (ja) パン用冷凍生地
JPH02124052A (ja) デンプン食品の品質改良剤
JP2005176733A (ja) 液体油を含有するパン類
JP3989919B2 (ja) パン類
JP4754649B2 (ja) 液体油を含有するパン類
JP2005185165A (ja) 液体油を含有するパン類
JP4754650B2 (ja) 液体油を含有するパン類
JP3600193B2 (ja) パン類の製造方法
JP3384408B1 (ja) 製パン用クリーム状組成物
JP2023113523A (ja) 製パン用油脂組成物および製パン用穀粉生地
JP2005185146A (ja) ベーカリー製品用マスキング剤

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060407

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060418

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060605

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061010

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061211

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070206

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070326

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20070524

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070717

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070718

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100727

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 3989920

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110727

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110727

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120727

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120727

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130727

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees