JP2021070180A - メッシュシート及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】軽量かつ高強度であり、通気性が良好であるとともに柔軟性に優れた、炭素繊維層と熱可塑性樹脂層とを含む多層テープを多軸方向に重ねて交点を固定して形成されたメッシュシートを提供する。【解決手段】相互に間隔をあけて平行に配置された複数の多層テープを、多軸方向に重ねて交点を固定して形成されたメッシュシートであって;前記多層テープが、少なくとも1層の炭素繊維層と、複数の熱可塑性樹脂層とを含むとともに、前記多層テープの両表面には熱可塑性樹脂層が配置され、前記炭素繊維層が、炭素繊維のマルチフィラメントを開繊し扁平化し1方向に引き揃えてなるものであり、前記炭素繊維層の厚みが10〜200μmであり、前記熱可塑性樹脂層の厚みが5〜100μmであり、前記多層テープの厚みが0.03〜0.5mmであり、前記多層テープの幅が1〜20mmであるメッシュシート。【選択図】図1
Description
本発明は、炭素繊維層と熱可塑性樹脂層とを含む多層テープを多軸方向に重ねて交点を固定して形成されたメッシュシートに関する。
近年、優れた強度、軽量、成形性、リサイクル性といった観点から炭素繊維を利用した繊維強化プラスチック材料(以下、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)材と略記することがある)が車両用部材やスポーツ用部材に多く使われている。CFRP材は短繊維の炭素繊維を樹脂中に混錬させて押出成型を行う方法や、炭素繊維を一方向に配列させた材料にエポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂を含浸させる方法によって製造される。
特許文献1には、複数本の強化繊維束を一方向に引き揃え、且つ該強化繊維束それぞれを幅広く薄く開繊させてなる強化繊維シートに、熱可塑性樹脂繊維を不織状態で布帛とした熱可塑性樹脂不織布を重ね合わせて加熱しつつ加圧することにより、該熱可塑性樹脂不織布を溶融させ前記強化繊維中に該溶融した熱可塑性樹脂を含浸させて、前記強化繊維シートを該熱可塑性樹脂によるプリプレグ状態としてなることを特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂シートが記載されている。これによれば、強化繊維束に熱可塑性樹脂が含浸し易く、しかも、強化繊維の配向を乱すこともなく、製造コストも低減できる繊維強化熱可塑性樹脂シート及びそれを用いた構造材並びに繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造方法を提供できるとされている。しかしながら、特許文献1に記載の繊維強化熱可塑性樹脂シートは、熱可塑性樹脂繊維を不織状態で布帛とした熱可塑性樹脂不織布を用いており、当該シートを製織して織物構造材を形成しているため、織物構造材が波打ちして、強度が低下する問題があった。強化繊維束に熱可塑性樹脂が含浸し易く、しかも、強化繊維の配向を乱すこともなく、製造コストも低減できる繊維強化熱可塑性樹脂シート及びそれを用いた構造材並びに繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造方法を提供する
特許文献2には、コンクリート躯体の外周面に対して強化繊維を含んで形成された少なくとも一枚の繊維シートが巻き付けられるとともに、そのように巻き付けられた状態にある前記繊維シートの外面側が硬化型樹脂で被覆されたコンクリート構造物であって、前記繊維シートは、前記コンクリート躯体の前記外周面に対する巻き付け方向での端部が当該繊維シートにおける巻き付け方向での前記端部以外の部分又は同様に前記外周面に巻き付けられている他の繊維シートの一部と巻き付け方向で重なった重なり領域を有し、且つ、前記コンクリート躯体側から引き裂き方向の応力が加わったときには前記外周面に対して巻き付け方向へ前記重なり領域を保持しつつ相対移動可能となる状態で巻き付けられていることを特徴とするコンクリート構造物が記載されている。これによれば、地震時にせん断力等が作用するコンクリート躯体の補強を施工コストの低減を図りつつ容易に実現することができるとされている。しかしながら、地震時にせん断力等が作用するコンクリート躯体の補強を施工
コストの低減を図りつつ容易に実現することができるこの方法では繊維シートをコンクリート躯体へ巻き付けた後、硬化型樹脂で被覆するため、施工にかかる人的負担及び塗工費用が大きく、また、巻き付けた繊維シートの上から硬化型樹脂を被覆するため、繊維シートが巻き付けられたコンクリート部分が見えず、補強部分の状態をそのままでは確認できない。更に、施工のやり直しや構造物自体を撤去する際には、構造物と補強構造を分離させる必要があるが、これらの補強構造は硬化されているため、補強構造を完全に破壊させて取り除く必要があった。また、補強構造に用いられる強化繊維はその素材の特性上、破損や割れが発生した場合には繊維くずや毛羽が周囲に飛散しやすいという問題もあった。
コストの低減を図りつつ容易に実現することができるこの方法では繊維シートをコンクリート躯体へ巻き付けた後、硬化型樹脂で被覆するため、施工にかかる人的負担及び塗工費用が大きく、また、巻き付けた繊維シートの上から硬化型樹脂を被覆するため、繊維シートが巻き付けられたコンクリート部分が見えず、補強部分の状態をそのままでは確認できない。更に、施工のやり直しや構造物自体を撤去する際には、構造物と補強構造を分離させる必要があるが、これらの補強構造は硬化されているため、補強構造を完全に破壊させて取り除く必要があった。また、補強構造に用いられる強化繊維はその素材の特性上、破損や割れが発生した場合には繊維くずや毛羽が周囲に飛散しやすいという問題もあった。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、軽量かつ高強度であり、通気性が良好であるとともに柔軟性に優れた、炭素繊維層と熱可塑性樹脂層とを含む多層テープを多軸方向に重ねて交点を固定して形成されたメッシュシートを提供することを目的とするものである。
上記課題は、相互に間隔をあけて平行に配置された複数の多層テープを、多軸方向に重ねて交点を固定して形成されたメッシュシートであって;
前記多層テープが、少なくとも1層の炭素繊維層と、複数の熱可塑性樹脂層とを含むとともに、前記多層テープの両表面には熱可塑性樹脂層が配置され、
前記炭素繊維層が、炭素繊維のマルチフィラメントを開繊し扁平化し1方向に引き揃えてなるものであり、
前記炭素繊維層の厚みが10〜200μmであり、前記熱可塑性樹脂層の厚みが5〜100μmであり、
前記多層テープの厚みが0.03〜0.5mmであり、前記多層テープの幅が1〜20mmである、メッシュシートを提供することによって解決される。
前記多層テープが、少なくとも1層の炭素繊維層と、複数の熱可塑性樹脂層とを含むとともに、前記多層テープの両表面には熱可塑性樹脂層が配置され、
前記炭素繊維層が、炭素繊維のマルチフィラメントを開繊し扁平化し1方向に引き揃えてなるものであり、
前記炭素繊維層の厚みが10〜200μmであり、前記熱可塑性樹脂層の厚みが5〜100μmであり、
前記多層テープの厚みが0.03〜0.5mmであり、前記多層テープの幅が1〜20mmである、メッシュシートを提供することによって解決される。
このとき、開口率が10〜80%であることが好適であり、前記炭素繊維層中に空気を含有しており、該空気の体積が、前記多層テープの体積の5〜30%であることが好適である。積層不織布であることが好適であり、前記複数の多層テープを三軸以上の方向に重ねてなることが好適である。前記メッシュシートの少なくとも1面に粘着剤層を有することが好適であり、構造物に貼り付けることによって構造物を補強するための補強用シートであることが好適な実施態様である。
また、上記課題は、炭素繊維のマルチフィラメントを開繊し扁平化し1方向に引き揃えて形成された炭素繊維集合体の両面に熱可塑性樹脂を積層し、加熱しながら加圧することによって炭素繊維シートを形成し、得られた炭素繊維シートを、炭素繊維の軸方向に沿ってスリットして多層テープを製造し、得られた複数の多層テープを相互に間隔をあけて平行に配置し、多軸方向に重ねてから交点を固定するメッシュシートの製造方法を提供することによっても解決される。メッシュシートを構造物に貼り付ける、構造物の補強方法も好適な実施態様である。
本発明のメッシュシートは、軽量かつ高強度であり、通気性が良好であるとともに柔軟性に優れる。したがって、構造物を補強するための補強用シートとして好適に用いられる。
以下、図面を参照しながら本発明を具体的に説明する。図1は、本発明のメッシュシート1の一例を示した図である。図1に示されるように、本発明のメッシュシート1は、相互に間隔をあけて平行に配置された複数の多層テープ2を、多軸方向に重ねて交点を固定してなるものである。多層テープ2は、少なくとも1層の炭素繊維層5と、複数の熱可塑性樹脂層4とを含むとともに、前記多層テープ2の両表面に熱可塑性樹脂層4が配置されてなり、前記炭素繊維層5は、炭素繊維のマルチフィラメントを開繊し扁平化し1方向に引き揃えてなるものである。図2には炭素繊維シート3の層構成の一例が示されており、炭素繊維層5の両面に熱可塑性樹脂層4が積層されてなる。そして、図3に示されるように、炭素繊維シート3を炭素繊維の配向と同方向にスリット刃6によって一定幅に裁断することにより多層テープ2を得ることができる。
多層テープ2に関しては、炭素繊維束(炭素繊維の単繊維が収束されたマルチフィラメント)を複数本並列に引揃えて固定することにより形成することが考えられる。しかしながら、この方法では、隣り合う炭素繊維束同士を固定しにくく、引揃えるときの張力もムラが生じやすいことで、炭素繊維束が分離し、糸が割れてヨレたような状態になりやすい。さらに、高強度である反面、引っ張ってもほとんど伸びないため、張力のムラが強度等の物性を大きく下げる原因になりやすい。また、この方法では、多層テープ2の厚みを小さくすることが難しく、そのため柔軟性が得られにくい。そして、炭素繊維束同士を強固に固定させるために、比較的硬い熱硬化性樹脂を使うことになれば、ますます柔軟性が得られにくいことになる。
かかる観点から、炭素繊維束のまま用いず、炭素繊維のマルチフィラメントを開繊し扁平化し1方向に引き揃えて炭素繊維層5を形成し、更に熱可塑性樹脂層4を配置することにより炭素繊維シート3を形成する構成が採用される。後述する多層テープ2の交点を均一に固定する観点から、熱可塑性樹脂層4がフィルム状である構成が採用される。図2に示されるように、炭素繊維層5の両面に熱可塑性樹脂層4が積層された構成が炭素繊維シート3として好適に採用される。そして、炭素繊維シート3における炭素繊維層5は、炭素繊維のマルチフィラメントを開繊し扁平化し1方向に引き揃えてなるものである。炭素繊維層5は、炭素繊維を1,000〜40,000本収束させた炭素繊維束に対し、気流を通過させて開繊しながら一方向に引揃えることで好適に形成することができる。かかる開繊技術については、特許第3064019号に記載された方法等を採用することができる。炭素繊維シート3は、この炭素繊維層5に熱可塑性樹脂層4を積層し、加熱及び加圧を施すこと等で得ることができる。そして、図3に示されるように、炭素繊維シート3を炭素繊維の配向と同方向にスリット刃6によって一定幅に裁断することにより多層テープ2を得ることができる。このような開繊処理によって扁平化された炭素繊維シート3を用いると、より扁平な多層テープ2が作製できる。
炭素繊維シート3における熱可塑性樹脂層4に使用される熱可塑性樹脂としては特に限定されず、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル;ナイロンなどのポリアミド;等の単量体、共重合体、変性重合体が挙げられる。本発明では、炭素繊維のマルチフィラメントを開繊し扁平化し1方向に引き揃えることにより炭素繊維層が形成され、さらに熱可塑性樹脂層4を積層することにより炭素繊維層5の形状を保つことができる。熱可塑性樹脂の中では、融着性、加工性が良好である上に、樹脂としても柔軟であり、多層テープ2の柔軟性を損ねにくい等の観点から、ポリオレフィンを主原料とした樹脂が好ましく用いられる。ポリオレフィンの中でも、ポリプロピレンが好適に採用される。
炭素繊維シート3及びこれから得られる多層テープ2における熱可塑性樹脂の割合としては、全体の質量の40〜70%であることが好ましい。熱可塑性樹脂の割合が上記の範囲にあると、炭素繊維を使う物性面でのメリットを損ねず、炭素繊維を樹脂で十分に固定することができるとともに、本発明のメッシュシート1の柔軟性が実現できるため好ましい。
本発明における炭素繊維シート3及びこれから得られる多層テープ2としては、少なくとも1層の炭素繊維層5と、複数の熱可塑性樹脂層4とを含むとともに、前記多層テープ2の両表面には熱可塑性樹脂層4が配置されてなる。具体的な層構成としては、例えば、全体が三層構造である場合、熱可塑性樹脂層4/炭素繊維層5/熱可塑性樹脂層4とすることができる。また、熱可塑性樹脂層4/炭素繊維層5/熱可塑性樹脂層4/炭素繊維層5/熱可塑性樹脂層4の5層構造も好適に採用される。
本発明において、炭素繊維層5の厚みは、10〜200μmである。ここで、炭素繊維層5は一層に留める方が多層テープ2の厚みを薄くする上では有利であり、強度を保つためには炭素繊維層5の厚みを大きくすることが良いと考えられる。炭素繊維層5はその層が厚くなればなるほど層内の炭素繊維の向きにバラつきが生じやすくなり、単に厚みを増やしても期待通りに強度が得られない。かかる観点から、炭素繊維層5は薄い層で複数層設ける方が好ましい。炭素繊維層5の厚みは、15μm以上であることが好ましく、20μm以上であることがより好ましく、25μm以上であることが更に好ましい。一方、炭素繊維層5の厚みは、180μm以下であることが好ましく、150μm以下であることがより好ましく、120μm以下であることが更に好ましく、80μm以下であることが特に好ましい。
後述するように、熱可塑性樹脂層4を、炭素繊維層5の表面に積層し加熱及び加圧すると、その一部又は大部分が炭素繊維層5の内部に含浸されることになり、当該炭素繊維層5中には空気も含まれる。したがって、前記炭素繊維層5中に空気を含有しており、該空気の体積が、多層テープ2の体積の5〜30%であることが好適な実施態様である。
また、炭素繊維層5はその素材の特質上、毛羽が発生しやすい素材である。本発明のメッシュシート1は、その表面に熱可塑性樹脂層4が配置されてなるため、直接人の手に触れる用途や、大気中で使用される用途であっても、毛羽の発生を抑えることが可能である。熱可塑性樹脂層4を、炭素繊維層5の表面に積層し加熱及び加圧すると、その一部又は大部分が炭素繊維層5の内部に含浸されることになる。メッシュシート1の表面に存在する熱可塑性樹脂層4の厚みが、5〜100μmであれば、含浸状態については特に限定されない。熱可塑性樹脂層4の厚みが5μm未満の場合、含浸不足となり炭素繊維の毛羽が表面に出るおそれがあり、6μm以上であることが好ましく、8μm以上であることがより好ましく、10μm以上であることが更に好ましい。一方、熱可塑性樹脂層4の厚みが100μmを超える場合、炭素繊維シート3およびメッシュシート1の柔軟性を損ねるおそれがあり、80μm以下であることが好ましく、60μm以下であることがより好ましく、40μm以下であることが更に好ましい。また、用途に応じてバリア層や粘着剤層などを更に積層することも可能である。
図3に示されるように、炭素繊維シート3を炭素繊維の配向と同方向にスリット刃6によって一定幅に裁断することにより多層テープ2を得ることができる。多層テープ2の幅は1〜20mmである。多層テープ2の幅がこの範囲にあることでメッシュシート1にしたときの交点面積を大きくとることができ、目ずれ、糸ヨレ等を防ぐことで炭素繊維も十分にその物性が発揮できる。多層テープ2の幅は、2mm以上であることが好ましく、5mm以上であることがより好ましい。一方、多層テープ2の幅は、18mm以下であることが好ましい。
本発明において、多層テープ2の厚みは0.03〜0.5mmである。厚みがこの範囲にあることでメッシュシート1の柔軟性を確保することができる。多層テープ2の厚みは、0.05mm以上であることが好ましく、0.08mm以上であることがより好ましく、0.1mm以上であることが更に好ましい。一方、多層テープ2の厚みは、0.48mm以下であることが好ましい。
また、多層テープ2の扁平率(幅/厚み)としては特に限定されないが、20〜600であることが好ましい。扁平率がこの範囲にあることで、メッシュシート1を曲げたり、押圧負荷をかけた際に、交点で重なり合う糸同士が押圧し合うことで生じる強度低下を抑えることができる。また、厚みが薄くなり幅が大きくなると、メッシュシート1に加工する際の過程で、多層テープ2が意図せず折れたり、捩じれる(撚られる)ことで、強度低下を招くおそれがあるが、この扁平率の範囲であれば、これを抑えることもできる。
本発明のメッシュシート1は、相互に間隔をあけて平行に配置された複数の多層テープ2を、多軸方向に重ねて交点を固定して形成されてなるものである。前記交点を固定する方法としては任意の方法が採用されるが、接着により固定する場合、交点面積が大きい方が、接着が剥がれにくい。例えば、多軸方向に重ねた多層テープ2の交点を固定しなかった場合、多層テープ2の蛇行やヨレが生じやすい。この状態では各多層テープ2にかかるテンションが一定ではなく、メッシュシート1にした際の強度が低下する可能性がある。また、多層テープ2を固定したとしても交点の糸同士の接触面積が小さいと固定が剥がれ、同様に蛇行やヨレが生じる。接触面積が小さい状態で固定する方法として、ステッチを使用して固定する方法も考えられるが、製造工程が複雑になるし、ステッチを挿入すると、多層テープ2が上下に波打ちやすいといった問題が出てくる。このような波打ちも蛇行やヨレと同様に強度が低下する原因となる。本発明のようなメッシュシート1では、個々の交点面積を大きくすることで固定する方が有利である。また、波打ち等を抑えるという観点では糸の厚みを抑える方が有利である。
多層テープ2の交点を固定する方法は(1)接着剤の塗布、(2)ホットメルト接着、(3)炭素繊維シート3に予め粘着剤層を設けたものをスリットして多層テープ2としておく方法、(4)予め熱融着性樹脂を多層テープ2に含有させておき、加熱加圧融着することで交点を固定する方法などが挙げられる。上記(4)の方法において、多層テープ2の表面に配置された熱可塑性樹脂層4に熱融着性を持つものを用いると、余分な工程無しで熱融着性の多層テープ2が作製できて好ましい。この方法を行う上で、多層テープ2の厚みが大きいと、融着に高い温度および高い圧力が必要になる。高い温度をかけると熱可塑性樹脂が必要以上に溶融し、熱可塑性樹脂によって保持されていた炭素繊維の配向に乱れが生じやすくなる。炭素繊維の配向に乱れが生じると強度が低下するため好ましくない。また、高い圧力も同様に炭素繊維の配向に悪影響を及ぼす。本発明では、多層テープ2の厚みが一定範囲にあり、熱および圧力のエネルギーを必要以上にかける必要がないので、炭素繊維の配向に影響を及ぼす可能性が小さい。また、メッシュシート1を用いた製品を別の物品へ貼り付けて使用する場合、上記(3)の方法で多層テープ2を作製していれば、粘着剤層は多層テープ2同士の固定だけではなく、物品へ貼り付けにも利用でき好ましい。
多層テープ2は公知の多軸クロス製造装置に導入し、多軸方向に重ねて配置することで本発明のメッシュシート1となる。図1では、三軸方向に多層テープ2を配置しているが、多層テープ2が直交するように二軸方向に配置してもよいし、四軸方向に配置してもよい。強度を高く保つ観点から、複数の多層テープ2を三軸以上の方向に重ねてなることが好適な実施態様である。
また、メッシュシート1を形成する際に、多層テープ2を経緯糸として用い、メッシュ状の織物とすることが考えられる。しかしながら、メッシュ状の織物とすると多層テープ2が波打ちやすく、強度が低下することになる。強度を高く保つ観点から、織物よりも波打ちを少なくできる積層不織布の形態の方が有利といえる。このように、多層テープ2を多軸方向に重ねて配置した積層不織布の方が多層テープ2の折れ、撚りを抑えやすい点でも有利である。メッシュシート1を建築物等の構造物の補強として用いる場合においては、構造物へ貼り付ける際に構造物と多層テープ2がなるべく線状に密着している方が補強効果において有利である。かかる観点からも、積層不織布の形態の方が有利といえる。
多層テープ2の配置間隔としては、最終製品の用途に応じて適宜設定してメッシュシート1を形成すればよい。多層テープ2の配置間隔としては、4〜60mmであることが好ましい。そして、メッシュシート1の開口率としては10〜80%であることが好ましい。開口率は、より好ましくは10〜50%である。建物等の構造物の補強に用いる場合、メッシュの向こう側がある程度視認できればよく、高い強度を持つことが求められるため、開口率が10〜30%であることがさらに好ましい。本発明のメッシュシート1は扁平な多層テープ2を交差して形成されるため、多層テープ2に囲まれた一つ一つの開口領域の面積は大きくなり、メッシュシート1全体の開口率が小さくても十分な視認性と強度を両立できる。
本発明のメッシュシート1の厚みは、0.1〜1mmであることが好ましく、重量が150〜1,000g/m2であることが好ましい。メッシュシート1の厚みや重量がこの範囲にあれば、CFRP材としての軽量でありながら強度が大きいといった特性を生かしながら、柔軟性も両立できるのでメッシュシート1を利用する場面において作業性にも優れる。メッシュシート1の厚みは、0.2mm以上であることがより好ましい。一方、メッシュシート1の厚みは、0.8mm以下であることがより好ましく、0.6mm以下であることが更に好ましい。
本発明のメッシュシート1の製造方法としては特に限定されないが、炭素繊維のマルチフィラメントを開繊し扁平化し1方向に引き揃えて形成された炭素繊維集合体の両面に熱可塑性樹脂を積層し、加熱しながら加圧することによって炭素繊維シート3を形成し、得られた炭素繊維シート3を、炭素繊維の軸方向に沿ってスリットして多層テープ2を製造し、得られた複数の多層テープ2を相互に間隔をあけて平行に配置し、多軸方向に重ねてから交点を固定することにより好適に製造される。
前記加熱しながら加圧する際の圧力としては、8〜32MPaであることが好ましい。加圧する際の圧力が8MPa未満の場合、炭素繊維間に熱可塑性樹脂が十分に食い込まないことで熱可塑性樹脂層4と炭素繊維層5が層間剥離しやすくなるおそれがあり、10MPa以上であることがより好ましく、15MPa以上であることが更に好ましい。一方、加圧する際の圧力が32MPaを超える場合、必要以上に熱可塑性樹脂層4が炭素繊維層5に含浸し、炭素繊維層5内の空気量が低下する上に、炭素繊維の配向に乱れが生じるおそれがあり、30MPa以下であることがより好ましく、28MPa以下であることが更に好ましい。また、前記加熱しながら加圧する際の加熱温度は熱可塑性樹脂の軟化温度を考慮して適宜選択される。熱可塑性樹脂としてポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを選択する場合の加熱温度としては、120〜170℃であることが好ましい。加熱温度が120℃未満の場合、熱可塑性樹脂の軟化が不十分であることで熱可塑性樹脂が炭素繊維間に食い込まず、熱可塑性樹脂層4と炭素繊維層5が層間剥離しやすくなるおそれがあり、130℃以上であることがより好ましく、135℃以上であることが更に好ましい。一方、加熱温度が170℃を超える場合、熱可塑性樹脂の流動性が高くなりすぎることで必要以上に熱可塑性樹脂層4が炭素繊維層5に含浸するおそれがあり、160℃以下であることがより好ましい。
本発明のメッシュシート1を建築物等の構造物に貼り付けて補修、補強等を行う場合、メッシュシート1の少なくとも1面に粘着剤層を有することが好適な実施態様である。このように、メッシュシート1に粘着剤層が積層されていれば、構造物へ接着剤を塗布してからメッシュシート1を貼り付けるといった作業が不要になり望ましい。本発明のメッシュシート1は柔軟であり、曲げたときの反発力も抑えられているため、構造物等に貼り付けた後にメッシュシート1の反発により剥離する現象も抑えられる。すなわち、構造物に貼り付けることによって構造物を補強するための補強用シートであることが好適な実施態様であり、本発明のメッシュシート1を構造物に貼り付ける、構造物の補強方法が好適に採用される。構造物としては特に限定されないが、コンクリート構造物が好適である。粘着剤層を積層する場合、粘着剤層に隣接して離型層を積層しても良い。
[実施例1]
特許第3064019号に記載の炭素繊維開繊技術を利用して、炭素繊維開繊糸を一方向に引揃えた炭素繊維層5(厚み34μm)の両面に市販されているPPフィルム4(厚み20μm)を積層して加熱(150℃)および加圧(20MPa)を施して3層からなる炭素繊維シート3(厚み81μm)を得た。炭素繊維層5への熱可塑性樹脂の含浸状態は半含侵であった。得られた炭素繊維シート3を炭素繊維の配向と同方向にスリット刃6によって幅15mmに裁断したものを多層テープ2とする。多層テープ2を多軸積層不織布製造装置へ導入し、流れ方向を0度とすると、0度/45度/90度の方向に多層テープ2を積層した。各方向の多層テープ2の配置間隔は25mmで配置される。多層テープ2同士の交点を加熱(150℃)および加圧(20MPa)することで交点が溶着され、開口率が16%の三軸のメッシュシート1A(厚み243μm、重量132g/m2)を作製した。メッシュシート1Aは幅1mのロール体である。
特許第3064019号に記載の炭素繊維開繊技術を利用して、炭素繊維開繊糸を一方向に引揃えた炭素繊維層5(厚み34μm)の両面に市販されているPPフィルム4(厚み20μm)を積層して加熱(150℃)および加圧(20MPa)を施して3層からなる炭素繊維シート3(厚み81μm)を得た。炭素繊維層5への熱可塑性樹脂の含浸状態は半含侵であった。得られた炭素繊維シート3を炭素繊維の配向と同方向にスリット刃6によって幅15mmに裁断したものを多層テープ2とする。多層テープ2を多軸積層不織布製造装置へ導入し、流れ方向を0度とすると、0度/45度/90度の方向に多層テープ2を積層した。各方向の多層テープ2の配置間隔は25mmで配置される。多層テープ2同士の交点を加熱(150℃)および加圧(20MPa)することで交点が溶着され、開口率が16%の三軸のメッシュシート1A(厚み243μm、重量132g/m2)を作製した。メッシュシート1Aは幅1mのロール体である。
[実施例2]
実施例1と同様の炭素繊維層5およびPPフィルム4を用いて、PPフィルム4/炭素繊維層5/PPフィルム4/炭素繊維層5/PPフィルム4の順で積層し、実施例1と同様に加熱および加圧を施して5層からなる炭素繊維シート3(厚み155μm)を得た。炭素繊維層5への熱可塑性樹脂の含浸状態は半含浸であった。得られた炭素繊維シート3を用い、実施例1と同様にして多層テープ2を得て、開口率が16%の三軸のメッシュシート1B(厚み465μm、重量230g/m2)を作製した。メッシュシート1Bは幅1mのロール体である。
実施例1と同様の炭素繊維層5およびPPフィルム4を用いて、PPフィルム4/炭素繊維層5/PPフィルム4/炭素繊維層5/PPフィルム4の順で積層し、実施例1と同様に加熱および加圧を施して5層からなる炭素繊維シート3(厚み155μm)を得た。炭素繊維層5への熱可塑性樹脂の含浸状態は半含浸であった。得られた炭素繊維シート3を用い、実施例1と同様にして多層テープ2を得て、開口率が16%の三軸のメッシュシート1B(厚み465μm、重量230g/m2)を作製した。メッシュシート1Bは幅1mのロール体である。
[比較例1]
炭素繊維開繊技術を利用することなく、フィラメント数6,000本の炭素繊維束をそのまま一方向に引揃えて織成し、開口率が30%のメッシュシートCを作製した。
炭素繊維開繊技術を利用することなく、フィラメント数6,000本の炭素繊維束をそのまま一方向に引揃えて織成し、開口率が30%のメッシュシートCを作製した。
[コンクリート構造物の補強試験]
円柱状のコンクリート構造物8の一部に、ひび割れ補修剤を塗布した後、実施例1で得られたメッシュシート1Aと比較例1で得られたメッシュシートCをそれぞれ巻き付けた。そして、当該メッシュシートCの表面にのみエポキシ樹脂を塗布することにより、エポキシ樹脂で被覆された炭素繊維構造体Cを形成した。7日経過後と14日経過後に、メッシュシート1Aが巻き付けられた部分をそれぞれ目視により観察したところ、7日経過後では当該補修剤がまだ乾いていないことが確認され、14日経過後では当該補修剤の表面が乾いており補修が完了していることが確認された。当該メッシュシート1Aはコンクリート構造物8から剥がれることもなかった。したがって、メッシュシート1Aを用いることで、コンクリート構造体8の様子を目視で確認することができる。一方、炭素繊維構造体Cが巻き付けられた部分は、目視で観察しても当該補修剤の様子が確認できないため、当該炭素繊維構造体Cの一部を削り取る必要があった。試験終了後、試験体を廃棄するために、コンクリート構造物8からメッシュシート1Aと炭素繊維構造体Cとをそれぞれ分離する必要がある。メッシュシート1Aは、コンクリート構造体8から容易に剥がすことができ、完全に分離することができた。一方、炭素繊維構造体Cは、ハンマーで全体を叩きコンクリート構造体8を破損させることでコンクリート構造物8から分離させることができた。その際に破損した繊維くずや毛羽が周囲を汚してしまい清掃が必要であった。
円柱状のコンクリート構造物8の一部に、ひび割れ補修剤を塗布した後、実施例1で得られたメッシュシート1Aと比較例1で得られたメッシュシートCをそれぞれ巻き付けた。そして、当該メッシュシートCの表面にのみエポキシ樹脂を塗布することにより、エポキシ樹脂で被覆された炭素繊維構造体Cを形成した。7日経過後と14日経過後に、メッシュシート1Aが巻き付けられた部分をそれぞれ目視により観察したところ、7日経過後では当該補修剤がまだ乾いていないことが確認され、14日経過後では当該補修剤の表面が乾いており補修が完了していることが確認された。当該メッシュシート1Aはコンクリート構造物8から剥がれることもなかった。したがって、メッシュシート1Aを用いることで、コンクリート構造体8の様子を目視で確認することができる。一方、炭素繊維構造体Cが巻き付けられた部分は、目視で観察しても当該補修剤の様子が確認できないため、当該炭素繊維構造体Cの一部を削り取る必要があった。試験終了後、試験体を廃棄するために、コンクリート構造物8からメッシュシート1Aと炭素繊維構造体Cとをそれぞれ分離する必要がある。メッシュシート1Aは、コンクリート構造体8から容易に剥がすことができ、完全に分離することができた。一方、炭素繊維構造体Cは、ハンマーで全体を叩きコンクリート構造体8を破損させることでコンクリート構造物8から分離させることができた。その際に破損した繊維くずや毛羽が周囲を汚してしまい清掃が必要であった。
1 メッシュシート(A,B)
2 多層テープ
3 炭素繊維シート
4 熱可塑性樹脂層
5 炭素繊維層
6 スリット刃
7 切断線
8 コンクリート構造体
2 多層テープ
3 炭素繊維シート
4 熱可塑性樹脂層
5 炭素繊維層
6 スリット刃
7 切断線
8 コンクリート構造体
Claims (9)
- 相互に間隔をあけて平行に配置された複数の多層テープを、多軸方向に重ねて交点を固定して形成されたメッシュシートであって;
前記多層テープが、少なくとも1層の炭素繊維層と、複数の熱可塑性樹脂層とを含むとともに、前記多層テープの両表面には熱可塑性樹脂層が配置され、
前記炭素繊維層が、炭素繊維のマルチフィラメントを開繊し扁平化し1方向に引き揃えてなるものであり、
前記炭素繊維層の厚みが10〜200μmであり、前記熱可塑性樹脂層の厚みが5〜100μmであり、
前記多層テープの厚みが0.03〜0.5mmであり、前記多層テープの幅が1〜20mmである、メッシュシート。 - 開口率が10〜80%である請求項1に記載のメッシュシート。
- 前記炭素繊維層中に空気を含有しており、該空気の体積が、前記多層テープの体積の5〜30%である、請求項1又は2に記載のメッシュシート。
- 積層不織布である、請求項1〜3のいずれかに記載のメッシュシート。
- 前記複数の多層テープを三軸以上の方向に重ねてなる、請求項1〜4のいずれかに記載のメッシュシート。
- 前記メッシュシートの少なくとも1面に粘着剤層を有する、請求項1〜5のいずれかに記載のメッシュシート。
- 構造物に貼り付けることによって構造物を補強するための補強用シートである、請求項1〜6のいずれかに記載のメッシュシート。
- 炭素繊維のマルチフィラメントを開繊し扁平化し1方向に引き揃えて形成された炭素繊維集合体の両面に熱可塑性樹脂を積層し、加熱しながら加圧することによって炭素繊維シートを形成し、
得られた炭素繊維シートを、炭素繊維の軸方向に沿ってスリットして多層テープを製造し、
得られた複数の多層テープを相互に間隔をあけて平行に配置し、
多軸方向に重ねてから交点を固定する、請求項1〜7のいずれかに記載のメッシュシートの製造方法。 - 請求項1〜7のいずれかに記載のメッシュシートを構造物に貼り付ける、構造物の補強方法。
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JP2019196960A JP2021070180A (ja) | 2019-10-30 | 2019-10-30 | メッシュシート及びその製造方法 |
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