JP2021052568A - 電動機 - Google Patents
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Abstract
【課題】絶縁部材の絶縁性能を適切に設計する。【解決手段】複数の絶縁部材(70)は、複数のスロット(53)の内壁部にそれぞれ設けられ、固定子コア(50)と複数の巻線(60)とを電気的に絶縁する。複数の巻線(60)は、電圧が印加される第1巻線部に含まれる少なくとも1つの第1巻線(61)と、第1巻線(61)に印加される電圧とは異なる電圧が印加される第2巻線部に含まれる少なくとも1つ第2巻線(62)とを含む。複数の絶縁部材(70)は、固定子コア(50)と第1巻線(61)とを電気的に絶縁する部分の絶縁性能と固定子コア(50)と第2巻線(62)とを電気的に絶縁する部分の絶縁性能とが互いに異なる。【選択図】図3
Description
本開示は、電動機に関する。
特許文献1には、固定子に配設された複数のモータ巻線と、モータ巻線と独立して固定子に配設された複数の磁気支持巻線とを備える電動機が開示されている。
特許文献1のような電動機では、2つの巻線に要求される絶縁性能が互いに異なる。しかしながら、従来では、2つの巻線の絶縁性能をどのように設計するのか論じられていない。
本開示の第1の態様は、電動機に関し、この電動機は、回転子(30)と、固定子(40)とを備える。前記固定子(40)は、環状に形成されたバックヨーク(51)と、該バックヨーク(51)の内周に設けられる複数のティース(52)とを有する固定子コア(50)と、前記複数のティース(52)の間にそれぞれ形成される複数のスロット(53)を通過するように配線される複数の巻線(60)と、前記複数のスロット(53)の内壁部にそれぞれ設けられ、前記固定子コア(50)と前記複数の巻線(60)とを電気的に絶縁する複数の絶縁部材(70)とを有し、前記複数の巻線(60)は、電圧が印加される第1巻線部に含まれる少なくとも1つの第1巻線(61)と、該第1巻線部に印加される電圧とは異なる電圧が印加される第2巻線部に含まれる少なくとも1つの第2巻線(62)とを含み、前記複数の絶縁部材(70)は、前記固定子コア(50)と前記第1巻線(61)とを電気的に絶縁する部分の絶縁性能と前記固定子コア(50)と前記第2巻線(62)とを電気的に絶縁する部分の絶縁性能とが互いに異なる。
第1の態様では、固定子コア(50)と第1巻線(61)とを電気的に絶縁する部分の絶縁性能と固定子コア(50)と第2巻線(62)とを電気的に絶縁する部分の絶縁性能とを互いに異ならせることにより、これらの絶縁性能が互いに同一である場合よりも、固定子コア(50)と第1巻線(61)とを電気的に絶縁する部分および固定子コア(50)と第2巻線(62)とを電気的に絶縁する部分のうち一方において絶縁性能が過剰となることを抑制することができる。これにより、絶縁部材(70)の絶縁性能を適切に設計することができる。
本開示の第2の態様は、第1の態様において、前記複数のスロット(53)は、前記第1巻線(61)および前記第2巻線(62)が通過する共通スロット(54)を含み、前記複数の絶縁部材(70)のうち前記共通スロット(54)に設けられる絶縁部材(70)は、前記固定子コア(50)と前記第1巻線(61)とを電気的に絶縁する第1部分(70a)と、前記固定子コア(50)と前記第2巻線(62)とを電気的に絶縁する第2部分(70b)とを有し、前記第1部分(70a)の絶縁性能は、前記第2部分(70b)の絶縁性能と異なることを特徴とする電動機である。
第2の態様では、第1部分(70a)の絶縁性能と第2部分(70b)の絶縁性能とを互いに異ならせることにより、これらの絶縁性能が互いに同一である場合よりも、第1部分(70a)および第2部分(70b)のうち一方において絶縁性能が過剰となることを抑制することができる。これにより、共通スロット(54)に設けられる絶縁部材(70)の絶縁性能を適切に設計することができる。
本開示の第3の態様は、第2の態様において、前記共通スロット(54)には、前記第1巻線(61)と前記第2巻線(62)とを電気的に絶縁する線間絶縁部材(80)が設けられ、前記共通スロット(54)に設けられる線間絶縁部材(80)の絶縁性能は、前記複数の絶縁部材(70)のうち該共通スロット(54)に設けられる絶縁部材(70)の絶縁性能と異なることを特徴とする電動機である。
第3の態様では、線間絶縁部材(80)の絶縁性能と絶縁部材(70)の絶縁性能とを互いに異ならせることにより、これらの絶縁性能が互いに同一である場合よりも、線間絶縁部材(80)および絶縁部材(70)のうち一方において絶縁性能が過剰となることを抑制することができる。これにより、線間絶縁部材(80)の絶縁性能と絶縁部材(70)の絶縁性能とを適切に設計することができる。
本開示の第4の態様は、第3の態様において、前記共通スロット(54)を通過する第1巻線(61)の数は、2つ以上であり、前記共通スロット(54)を通過する2つ以上の第1巻線(61)のうち少なくとも2つに印加される電圧は、それぞれ異なる位相を有し、前記共通スロット(54)には、該共通スロット(54)を通過する2つ以上の第1巻線(61)の間を電気的に絶縁する少なくとも1つの第1相間絶縁部材(81)が設けられ、前記第1相間絶縁部材(81)の絶縁性能は、前記線間絶縁部材(80)の絶縁性能と異なることを特徴とする電動機である。
第4の態様では、第1相間絶縁部材(81)の絶縁性能と線間絶縁部材(80)の絶縁性能とを互いに異ならせることにより、これらの絶縁性能が互いに同一である場合よりも、第1相間絶縁部材(81)および線間絶縁部材(80)のうち一方において絶縁性能が過剰となることを抑制することができる。これにより、第1相間絶縁部材(81)の絶縁性能と線間絶縁部材(80)の絶縁性能とを適切に設計することができる。
本開示の第5の態様は、第4の態様において、前記共通スロット(54)を通過する第2巻線(62)の数は、2つ以上であり、前記共通スロット(54)を通過する2つ以上の第2巻線(62)のうち少なくとも2つに印加される電圧は、それぞれ異なる位相を有し、前記共通スロット(54)には、該共通スロット(54)を通過する2つ以上の第2巻線(62)の間を電気的に絶縁する少なくとも1つの第2相間絶縁部材(82)が設けられ、前記第2相間絶縁部材(82)の絶縁性能は、前記線間絶縁部材(80)の絶縁性能および前記第1相間絶縁部材(81)の絶縁性能と異なることを特徴とする電動機である。
第5の態様では、第2相間絶縁部材(82)の絶縁性能と線間絶縁部材(80)の絶縁性能と第1相間絶縁部材(81)とを異ならせることにより、これらの絶縁性能が同一である場合よりも、線間絶縁部材(80)と第1相間絶縁部材(81)と第2相間絶縁部材(82)のうち2つにおいて絶縁性能が過剰となることを抑制することができる。これにより、第1相間絶縁部材(81)の絶縁性能と第2相間絶縁部材(82)の絶縁性能と線間絶縁部材(80)の絶縁性能とを適切に設計することができる。
本開示の第6の態様は、第2の態様において、前記複数のティース(52)のうち前記共通スロット(54)を構成する2つのティース(52)の各々には、前記第1巻線(61)と前記第2巻線(62)とが集中巻により巻回され、前記共通スロット(54)を構成する2つのティース(52)の各々に巻回される第1巻線(61)に印加される電圧は、それぞれ異なる位相を有し、前記共通スロット(54)を構成する2つのティース(52)の各々に巻回される第2巻線(62)に印加される電圧は、それぞれ異なる位相を有し、前記共通スロット(54)を構成する2つのティース(52)の各々に巻回される第1巻線(61)の間の絶縁距離(D1)は、前記共通スロット(54)を構成する2つのティース(52)の各々に巻回される第2巻線(62)の間の絶縁距離(D2)と異なることを特徴とする電動機である。
第6の態様では、共通スロット(54)において第1巻線(61)の間の絶縁距離(D1)と第2巻線(62)の間の絶縁距離(D2)とを互いに異ならせることにより、これらの絶縁距離が互いに同一である場合よりも、第1巻線(61)の間の絶縁距離(D1)および第2巻線(62)の間の絶縁距離(D2)のうち一方が過剰となることを抑制することができる。これにより、第1巻線(61)の間の絶縁距離(D1)と第2巻線(62)の間の絶縁距離(D2)とを適切に設計することができる。
本開示の第7の態様は、第1の態様において、前記複数のスロット(53)は、前記第1巻線(61)が通過し且つ前記第2巻線(62)が通過しない第1スロット(55)と、前記第2巻線(62)が通過し且つ前記第1巻線(61)が通過しない第2スロット(56)とを含み、前記複数の絶縁部材(70)のうち前記第1スロット(55)に設けられる絶縁部材(70)の絶縁性能は、前記複数の絶縁部材(70)のうち前記第2スロット(56)に設けられる絶縁部材(70)の絶縁性能と異なることを特徴とする電動機である。
第7の態様では、第1スロット(55)に設けられる絶縁部材(70)の絶縁性能と第2スロット(56)に設けられる絶縁部材(70)の絶縁性能とを互いに異ならせることにより、これらの絶縁性能が互いに同一である場合よりも、第1スロット(55)に設けられる絶縁部材(70)および第2スロット(56)に設けられる絶縁部材(70)のうち一方において絶縁性能が過剰となることを抑制することができる。これにより、第1スロット(55)に設けられる絶縁部材(70)の絶縁性能と第2スロット(56)に設けられる絶縁部材(70)の絶縁性能とを適切に設計することができる。
本開示の第8の態様は、第1〜第7の態様のいずれか1つにおいて、前記固定子コア(50)と前記第1巻線(61)のコイルエンド部(61e)との間の絶縁距離(D3)は、前記固定子コア(50)と前記第2巻線(62)のコイルエンド部(62e)との間の絶縁距離(D4)と異なることを特徴とする電動機である。
第8の態様では、固定子コア(50)と第1巻線(61)のコイルエンド部(61e)との間の絶縁距離(D3)と固定子コア(50)と第2巻線(62)のコイルエンド部(62e)との間の絶縁距離(D4)とを互いに異ならせることにより、これらの絶縁距離が互いに同一である場合よりも、固定子コア(50)と第1巻線(61)のコイルエンド部(61e)との間の絶縁距離(D3)および固定子コア(50)と第2巻線(62)のコイルエンド部(62e)との間の絶縁距離(D4)のうち一方が過剰となることを抑制することができる。これにより、固定子コア(50)と第1巻線(61)のコイルエンド部(61e)との間の絶縁距離(D3)と固定子コア(50)と第2巻線(62)のコイルエンド部(62e)との間の絶縁距離(D4)とを適切に設計することができる。
本開示の第9の態様は、第1〜第8の態様のいずれか1つにおいて、前記第1巻線部および前記第2巻線部の一方は、通電により前記回転子(30)を回転駆動させるための電磁力を発生させる駆動巻線部であり、前記第1巻線部および前記第2巻線部の他方は、通電により前記回転子(30)を非接触で支持するための電磁力を発生させる支持巻線部であることを特徴とする電動機である。
第9の態様では、回転子(30)を非接触で支持しながら回転子(30)を回転駆動させる電動機(いわゆるベアリングレスモータ)を構成することができる。
本開示の第10の態様は、第9の態様において、前記駆動巻線部に印加される電圧は、前記支持巻線部に印加される電圧よりも高く、前記複数の絶縁部材(70)は、前記固定子コア(50)と前記駆動巻線部に含まれる巻線(60)とを電気的に絶縁する部分の絶縁性能が前記固定子コア(50)と前記支持巻線部に含まれる巻線(60)とを電気的に絶縁する部分の絶縁性能よりも高いことを特徴とする電動機である。
第10の態様では、回転子(30)を非接触で支持しながら回転子(30)を回転駆動させる電動機(いわゆるベアリングレスモータ)における絶縁部材(70)の絶縁性能を適切に設計することができる。
以下、図面を参照して実施の形態を詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付してその説明は繰り返さない。
(実施形態1)
図1は、実施形態1によるターボ圧縮機(10)の構成を例示する。ターボ圧縮機(10)は、冷媒回路(図示を省略)に設けられ、冷媒を圧縮する。この例では、ターボ圧縮機(10)は、ケーシング(11)と、駆動軸(12)と、インペラ(13)と、1つまたは複数(この例では2つ)の電動機(20)と、第1タッチダウン軸受(14)と、第2タッチダウン軸受(15)と、スラスト磁気軸受(16)と、制御部(17)と、電源部(18)とを備える。
図1は、実施形態1によるターボ圧縮機(10)の構成を例示する。ターボ圧縮機(10)は、冷媒回路(図示を省略)に設けられ、冷媒を圧縮する。この例では、ターボ圧縮機(10)は、ケーシング(11)と、駆動軸(12)と、インペラ(13)と、1つまたは複数(この例では2つ)の電動機(20)と、第1タッチダウン軸受(14)と、第2タッチダウン軸受(15)と、スラスト磁気軸受(16)と、制御部(17)と、電源部(18)とを備える。
なお、以下の説明において、「軸方向」とは、回転軸方向のことであって、駆動軸(12)の軸心の方向のことであり、「径方向」とは、駆動軸(12)の軸方向と直交する方向のことである。また、「外周側」とは、駆動軸(12)の軸心からより遠い側のことであり、「内周側」とは、駆動軸(12)の軸心により近い側のことである。
〔ケーシング〕
ケーシング(11)は、両端が閉塞された円筒状に形成され、円筒軸線が水平向きとなるように配置される。ケーシング(11)内の空間は、壁部(11a)によって区画され、壁部(11a)よりも右側の空間がインペラ(13)を収容するインペラ室(S1)を構成し、壁部(11a)よりも左側の空間が電動機(20)を収容する電動機室(S2)を構成する。また、電動機室(S2)には、電動機(20)と第1タッチダウン軸受(14)と第2タッチダウン軸受(15)とスラスト磁気軸受(16)が収容され、これらが電動機室(S2)の内周壁に固定される。
ケーシング(11)は、両端が閉塞された円筒状に形成され、円筒軸線が水平向きとなるように配置される。ケーシング(11)内の空間は、壁部(11a)によって区画され、壁部(11a)よりも右側の空間がインペラ(13)を収容するインペラ室(S1)を構成し、壁部(11a)よりも左側の空間が電動機(20)を収容する電動機室(S2)を構成する。また、電動機室(S2)には、電動機(20)と第1タッチダウン軸受(14)と第2タッチダウン軸受(15)とスラスト磁気軸受(16)が収容され、これらが電動機室(S2)の内周壁に固定される。
〔駆動軸〕
駆動軸(12)は、インペラ(13)を回転駆動するために設けられる。この例では、駆動軸(12)は、ケーシング(11)内を軸方向に延びてインペラ(13)と電動機(20)とを連結する。具体的には、駆動軸(12)の一端部にインペラ(13)が固定され、駆動軸(12)の中間部に電動機(20)が配置される。また、駆動軸(12)の他端部(すなわちインペラ(13)が固定された一端部とは反対側の端部)には、円盤状の部分(以下「円盤部(12a)と記載」)が設けられている。なお、駆動軸(12)は、磁性材料(例えば鉄)で構成される。
駆動軸(12)は、インペラ(13)を回転駆動するために設けられる。この例では、駆動軸(12)は、ケーシング(11)内を軸方向に延びてインペラ(13)と電動機(20)とを連結する。具体的には、駆動軸(12)の一端部にインペラ(13)が固定され、駆動軸(12)の中間部に電動機(20)が配置される。また、駆動軸(12)の他端部(すなわちインペラ(13)が固定された一端部とは反対側の端部)には、円盤状の部分(以下「円盤部(12a)と記載」)が設けられている。なお、駆動軸(12)は、磁性材料(例えば鉄)で構成される。
〔インペラ〕
インペラ(13)は、複数の羽根によって外形が略円錐形状となるように形成され、駆動軸(12)に連結される。この例では、インペラ(13)は、駆動軸(12)の一端部に固定された状態で、インペラ室(S1)に収容される。インペラ室(S1)には、吸入管(P1)と吐出管(P2)とが接続される。吸入管(P1)は、冷媒(流体)を外部からインペラ室(S1)に導くために設けられる。吐出管(P2)は、インペラ室(S1)内で圧縮された高圧の冷媒(流体)を外部へ戻すために設けられる。すなわち、この例では、インペラ(13)とインペラ室(S1)とによって圧縮機構が構成される。
インペラ(13)は、複数の羽根によって外形が略円錐形状となるように形成され、駆動軸(12)に連結される。この例では、インペラ(13)は、駆動軸(12)の一端部に固定された状態で、インペラ室(S1)に収容される。インペラ室(S1)には、吸入管(P1)と吐出管(P2)とが接続される。吸入管(P1)は、冷媒(流体)を外部からインペラ室(S1)に導くために設けられる。吐出管(P2)は、インペラ室(S1)内で圧縮された高圧の冷媒(流体)を外部へ戻すために設けられる。すなわち、この例では、インペラ(13)とインペラ室(S1)とによって圧縮機構が構成される。
〔電動機〕
電動機(20)は、回転子(30)と固定子(40)とを有し、電磁力により駆動軸(12)を非接触で支持し且つ電磁力により駆動軸(12)を回転駆動させる。回転子(30)は、駆動軸(12)に固定され、固定子(40)は、ケーシング(11)の内周壁に固定される。この例では、駆動軸(12)の軸方向において2つの電動機(20)が並んで配置される。なお、電動機(20)の構成については、後で詳しく説明する。
電動機(20)は、回転子(30)と固定子(40)とを有し、電磁力により駆動軸(12)を非接触で支持し且つ電磁力により駆動軸(12)を回転駆動させる。回転子(30)は、駆動軸(12)に固定され、固定子(40)は、ケーシング(11)の内周壁に固定される。この例では、駆動軸(12)の軸方向において2つの電動機(20)が並んで配置される。なお、電動機(20)の構成については、後で詳しく説明する。
〔タッチダウン軸受〕
第1タッチダウン軸受(14)は、駆動軸(12)の一端部(図1では右端部)の近傍に設けられ、第2タッチダウン軸受(15)は、駆動軸(12)の他端部(図1では左端部)の近傍に設けられる。第1および第2タッチダウン軸受(14,15)は、電動機(20)が非通電であるとき(すなわち駆動軸(12)が浮上していないとき)に駆動軸(12)を支持する。
第1タッチダウン軸受(14)は、駆動軸(12)の一端部(図1では右端部)の近傍に設けられ、第2タッチダウン軸受(15)は、駆動軸(12)の他端部(図1では左端部)の近傍に設けられる。第1および第2タッチダウン軸受(14,15)は、電動機(20)が非通電であるとき(すなわち駆動軸(12)が浮上していないとき)に駆動軸(12)を支持する。
〔スラスト磁気軸受〕
スラスト磁気軸受(16)は、第1および第2スラスト電磁石(16a,16b)を有し、駆動軸(12)の円盤部(12a)を電磁力によって非接触で支持する。具体的には、第1および第2スラスト電磁石(16a,16b)は、それぞれが円環状に形成された固定子コアと巻線とを有し、駆動軸(12)の円盤部(12a)を挟んで互いに対向し、第1および第2スラスト電磁石(16a,16b)の合成電磁力により駆動軸(12)の円盤部(12a)を非接触に支持する。すなわち、第1および第2スラスト電磁石(16a,16b)に流れる電流を制御することにより、第1および第2スラスト電磁石(16a,16b)の合成電磁力を制御して第1および第2スラスト電磁石(16a,16b)の対向方向(すなわち軸方向、図1では左右方向)における駆動軸(12)の位置を制御することができる。
スラスト磁気軸受(16)は、第1および第2スラスト電磁石(16a,16b)を有し、駆動軸(12)の円盤部(12a)を電磁力によって非接触で支持する。具体的には、第1および第2スラスト電磁石(16a,16b)は、それぞれが円環状に形成された固定子コアと巻線とを有し、駆動軸(12)の円盤部(12a)を挟んで互いに対向し、第1および第2スラスト電磁石(16a,16b)の合成電磁力により駆動軸(12)の円盤部(12a)を非接触に支持する。すなわち、第1および第2スラスト電磁石(16a,16b)に流れる電流を制御することにより、第1および第2スラスト電磁石(16a,16b)の合成電磁力を制御して第1および第2スラスト電磁石(16a,16b)の対向方向(すなわち軸方向、図1では左右方向)における駆動軸(12)の位置を制御することができる。
〔各種センサ〕
ターボ圧縮機(10)の各部には、位置センサや電流センサや回転速度センサなどの各種センサ(図示を省略)が設けられる。例えば、電動機(20)には、回転子(30)のラジアル方向(径方向)における位置に応じた検出信号を出力する位置センサ(図示を省略)が設けられ、スラスト磁気軸受(16)には、駆動軸(12)のスラスト方向(軸方向)における位置に応じた検出信号を出力する位置センサ(図示を省略)が設けられる。これらの位置センサは、例えば、測定対象物との間のギャップ(距離)を検出する渦電流式の変位センサによって構成される。
ターボ圧縮機(10)の各部には、位置センサや電流センサや回転速度センサなどの各種センサ(図示を省略)が設けられる。例えば、電動機(20)には、回転子(30)のラジアル方向(径方向)における位置に応じた検出信号を出力する位置センサ(図示を省略)が設けられ、スラスト磁気軸受(16)には、駆動軸(12)のスラスト方向(軸方向)における位置に応じた検出信号を出力する位置センサ(図示を省略)が設けられる。これらの位置センサは、例えば、測定対象物との間のギャップ(距離)を検出する渦電流式の変位センサによって構成される。
〔制御部〕
制御部(17)は、駆動軸(12)が非接触で支持された状態で駆動軸(12)の回転速度が予め定められた目標回転速度となるように、ターボ圧縮機(10)の各部に設けられた各種センサからの検出信号や駆動軸(12)の目標回転速度などの情報に基づいて、モータ電圧指令値とスラスト電圧指令値とを生成して出力する。モータ電圧指令値は、電動機(20)の固定子(40)の巻線に供給される電圧を制御するための指令値である。スラスト電圧指令値は、スラスト磁気軸受(16)の第1および第2スラスト電磁石(16a,16b)の巻線に供給される電圧を制御するための指令値である。制御部(17)は、例えば、プロセッサ、プロセッサを動作させるためのプログラムや情報を記憶するメモリなどによって構成される。
制御部(17)は、駆動軸(12)が非接触で支持された状態で駆動軸(12)の回転速度が予め定められた目標回転速度となるように、ターボ圧縮機(10)の各部に設けられた各種センサからの検出信号や駆動軸(12)の目標回転速度などの情報に基づいて、モータ電圧指令値とスラスト電圧指令値とを生成して出力する。モータ電圧指令値は、電動機(20)の固定子(40)の巻線に供給される電圧を制御するための指令値である。スラスト電圧指令値は、スラスト磁気軸受(16)の第1および第2スラスト電磁石(16a,16b)の巻線に供給される電圧を制御するための指令値である。制御部(17)は、例えば、プロセッサ、プロセッサを動作させるためのプログラムや情報を記憶するメモリなどによって構成される。
〔電源部〕
電源部(18)は、制御部(17)から出力されたモータ電圧指令値とスラスト電圧指令値とに基づいて、電動機(20)の固定子(40)の巻線とスラスト磁気軸受(16)の第1および第2スラスト電磁石(16a,16b)の巻線とに電圧をそれぞれ供給する。電源部(18)は、例えば、PWM(Pulse Width Modulation)アンプによって構成される。
電源部(18)は、制御部(17)から出力されたモータ電圧指令値とスラスト電圧指令値とに基づいて、電動機(20)の固定子(40)の巻線とスラスト磁気軸受(16)の第1および第2スラスト電磁石(16a,16b)の巻線とに電圧をそれぞれ供給する。電源部(18)は、例えば、PWM(Pulse Width Modulation)アンプによって構成される。
上記のように、電動機(20)の固定子(40)の巻線に印加される電圧を制御することにより、固定子(40)の巻線を流れる電流を制御して電動機(20)において発生する磁束を制御することができる。また、スラスト磁気軸受(16)の第1および第2スラスト電磁石(16a,16b)の巻線に供給される電圧を制御することにより、第1および第2スラスト電磁石(16a,16b)の巻線を流れる電流を制御して第1および第2スラスト電磁石(16a,16b)の合成電磁力を制御することができる。
〔電動機の構成〕
図2および図3は、電動機(20)の構成を例示する。この例では、電動機(20)は、コンシクエントポール型のベアリングレスモータ(埋込磁石型のベアリングレスモータ)を構成する。なお、図2では、巻線と絶縁部材の図示が簡略化され、ハッチングの図示が省略されている。
図2および図3は、電動機(20)の構成を例示する。この例では、電動機(20)は、コンシクエントポール型のベアリングレスモータ(埋込磁石型のベアリングレスモータ)を構成する。なお、図2では、巻線と絶縁部材の図示が簡略化され、ハッチングの図示が省略されている。
〈回転子〉
回転子(30)は、回転子コア(31)と、回転子コア(31)に設けられた複数(この例では4つ)の永久磁石(32)とを有する。
回転子(30)は、回転子コア(31)と、回転子コア(31)に設けられた複数(この例では4つ)の永久磁石(32)とを有する。
《回転子コア》
回転子コア(31)は、磁性材料で構成され、円柱状に形成される。回転子コア(31)の中央部には、駆動軸(12)を挿通するためのシャフト孔が形成される。
回転子コア(31)は、磁性材料で構成され、円柱状に形成される。回転子コア(31)の中央部には、駆動軸(12)を挿通するためのシャフト孔が形成される。
《永久磁石》
複数の永久磁石(32)は、回転子(30)の周方向において所定の角度ピッチで配置される。この例では、4つの永久磁石(32)が回転子(30)の周方向において90°の角度ピッチで配置される。また、この例では、4つの永久磁石(32)は、回転子コア(31)の外周面の近傍(外周部)に埋設され、それぞれが回転子コア(31)の外周面に沿う形状(円弧状)に形成される。そして、4つの永久磁石(32)の外周面側がN極となっており、回転子コア(31)の外周面のうち回転子(30)の周方向において4つの永久磁石(32)の間に位置する部分が擬似的にS極となっている。なお、4つの永久磁石(32)の外周面側がS極となっていてもよい。この場合、回転子コア(31)の外周面のうち回転子(30)の周方向において4つの永久磁石(32)の間に位置する部分が擬似的にN極となる。
複数の永久磁石(32)は、回転子(30)の周方向において所定の角度ピッチで配置される。この例では、4つの永久磁石(32)が回転子(30)の周方向において90°の角度ピッチで配置される。また、この例では、4つの永久磁石(32)は、回転子コア(31)の外周面の近傍(外周部)に埋設され、それぞれが回転子コア(31)の外周面に沿う形状(円弧状)に形成される。そして、4つの永久磁石(32)の外周面側がN極となっており、回転子コア(31)の外周面のうち回転子(30)の周方向において4つの永久磁石(32)の間に位置する部分が擬似的にS極となっている。なお、4つの永久磁石(32)の外周面側がS極となっていてもよい。この場合、回転子コア(31)の外周面のうち回転子(30)の周方向において4つの永久磁石(32)の間に位置する部分が擬似的にN極となる。
〈固定子〉
固定子(40)は、固定子コア(50)と、複数の巻線(60)と、複数の絶縁部材(70)とを有する。
固定子(40)は、固定子コア(50)と、複数の巻線(60)と、複数の絶縁部材(70)とを有する。
《固定子コア》
固定子コア(50)は、磁性材料で構成され、バックヨーク(51)と複数(この例では24本)のティース(52)とを有する。バックヨーク(51)は、環状(この例では円環状)に形成される。複数のティース(52)は、バックヨーク(51)の内周に設けられる。複数のティース(52)は、固定子(40)の周方向に所定の間隔をおいて配列される。このような構成により、固定子(40)の周方向において隣り合う2つのティース(52)の間には、巻線(60)が通過するスロット(53)が形成される。すなわち、固定子(40)の周方向に配列された複数(この例では24本)のティース(52)の間に複数(この例では24個)のスロット(53)がそれぞれ形成される。
固定子コア(50)は、磁性材料で構成され、バックヨーク(51)と複数(この例では24本)のティース(52)とを有する。バックヨーク(51)は、環状(この例では円環状)に形成される。複数のティース(52)は、バックヨーク(51)の内周に設けられる。複数のティース(52)は、固定子(40)の周方向に所定の間隔をおいて配列される。このような構成により、固定子(40)の周方向において隣り合う2つのティース(52)の間には、巻線(60)が通過するスロット(53)が形成される。すなわち、固定子(40)の周方向に配列された複数(この例では24本)のティース(52)の間に複数(この例では24個)のスロット(53)がそれぞれ形成される。
《巻線》
複数の巻線(60)は、複数のティース(52)の間にそれぞれ形成される複数のスロット(53)を通過するように配線される。複数の巻線(60)は、通電により電磁力を発生させる。この例では、複数の巻線(60)は、分布巻により複数のティース(52)に巻回される。また、この例では、巻線(60)は、絶縁材料(例えば樹脂)で構成された絶縁皮膜に覆われている。また、巻線(60)は、複数の電線(マグネットワイヤ)により構成されてもよい。
複数の巻線(60)は、複数のティース(52)の間にそれぞれ形成される複数のスロット(53)を通過するように配線される。複数の巻線(60)は、通電により電磁力を発生させる。この例では、複数の巻線(60)は、分布巻により複数のティース(52)に巻回される。また、この例では、巻線(60)は、絶縁材料(例えば樹脂)で構成された絶縁皮膜に覆われている。また、巻線(60)は、複数の電線(マグネットワイヤ)により構成されてもよい。
複数の巻線(60)は、少なくとも1つの第1巻線(61)と、少なくとも1つの第2巻線(62)とを含む。第1巻線(61)は、電圧が印加される第1巻線部に含まれる巻線(60)である。第2巻線(62)は、第1巻線部に印加される電圧とは異なる電圧が印加される第2巻線部に含まれる巻線(60)である。具体的には、第1巻線部に印加される電圧の大きさ(詳しくは最大瞬時値)は、第2巻線部に印加される電圧の大きさ(詳しくは最大瞬時値)と異なる。
この例では、複数の巻線(60)は、複数の第1巻線(61)と複数の第2巻線(62)とを含む。複数の第1巻線(61)の各々に印加される電圧は、それぞれ異なる位相を有する。なお、複数の第1巻線(61)の各々に印加される電圧は、それぞれ同一の瞬時値となっている。複数の第2巻線(62)の各々に印加される電圧は、それぞれ異なる位相を有する。なお、複数の第2巻線(62)の各々に印加される電圧は、それぞれ同一の瞬時値となっている。
また、この例では、第1巻線部および第2巻線部の一方は、駆動巻線部である。駆動巻線部には、駆動電圧が印加される。駆動巻線部は、通電により回転子(30)を回転駆動させるための電磁力を発生させる。第1巻線部および第2巻線部の他方は、支持巻線部である。支持巻線部には、支持電圧が印加される。支持巻線部は、通電により回転子(30)を非接触で支持するための電磁力を発生させる。
図2に示すように、この例では、駆動巻線部には、3相の駆動巻線が含まれ、支持巻線部には、3相の支持巻線が含まれる。複数の巻線(60)は、3相の駆動巻線を構成する3つの第1巻線(61)と、3相の支持巻線を構成する3つの第2巻線(62)とを含む。具体的には、細い一点鎖線で囲まれた第1巻線(61)がU相の駆動巻線を構成し、細い破線で囲まれた第1巻線(61)がV相の駆動巻線を構成し、細い点線で囲まれた第1巻線(61)がW相の駆動巻線を構成する。細い一点鎖線で囲まれた第2巻線(62)がU相の支持巻線を構成し、細い破線で囲まれた第2巻線(62)がV相の支持巻線を構成し、細い点線で囲まれた第2巻線(62)がW相の支持巻線を構成する。
3相の駆動巻線を構成する3つの第1巻線(61)の各々に印加される電圧は、それぞれ異なる位相を有する。具体的には、U相の駆動巻線を構成する第1巻線(61)には、U相の駆動電圧が印加され、V相の駆動巻線を構成する第1巻線(61)には、V相の駆動電圧が印加され、W相の駆動巻線を構成する第1巻線(61)には、W相の駆動電圧が印加される。
3相の支持巻線を構成する3つの第2巻線(62)の各々に印加される電圧は、それぞれ異なる位相を有する。具体的には、U相の支持巻線を構成する第2巻線(62)には、U相の支持電圧が印加され、V相の支持巻線を構成する第2巻線(62)には、V相の支持電圧が印加され、W相の支持巻線を構成する第2巻線(62)には、W相の支持電圧が印加される。
《第1電源部および第2電源部》
この例では、電源部(18)は、第1巻線部に含まれる第1巻線(61)に電圧を供給する第1電源部と、第2巻線部に含まれる第2巻線(62)に電圧を供給する第2電源部とを有する。第1電源部は、第1電源部に入力された直流電圧に基づいて、第1巻線(61)に供給される電圧を生成する。第2電源部は、第2電源部に入力された直流電圧に基づいて、第2巻線(62)に供給される電圧を生成する。例えば、第1電源部および第2電源部の各々は、PWMアンプやインバータなどにより構成される。図3の例では、第1電源部は、3相の駆動巻線を構成する3つの第1巻線(61)に3相の電圧(駆動電圧)をそれぞれ供給する。第2電源部は、3相の支持巻線を構成する3つの第2巻線(62)に3相の電圧(支持電圧)をそれぞれ供給する。例えば、駆動巻線である第1巻線(61)に駆動電圧を供給する第1電源部に入力される直流電圧は、680Vである。支持巻線である第2巻線(62)に支持電圧を供給する第2電源部に入力される直流電圧は、350Vである。なお、ベアリングレスモータでは、回転子(30)が回転することで駆動巻線に誘起電圧が発生する。一方、支持巻線には、誘起電圧が発生しない。そのため、駆動巻線に印加される駆動電圧よりも、支持巻線に印加される支持電圧を低く設計することができる。
この例では、電源部(18)は、第1巻線部に含まれる第1巻線(61)に電圧を供給する第1電源部と、第2巻線部に含まれる第2巻線(62)に電圧を供給する第2電源部とを有する。第1電源部は、第1電源部に入力された直流電圧に基づいて、第1巻線(61)に供給される電圧を生成する。第2電源部は、第2電源部に入力された直流電圧に基づいて、第2巻線(62)に供給される電圧を生成する。例えば、第1電源部および第2電源部の各々は、PWMアンプやインバータなどにより構成される。図3の例では、第1電源部は、3相の駆動巻線を構成する3つの第1巻線(61)に3相の電圧(駆動電圧)をそれぞれ供給する。第2電源部は、3相の支持巻線を構成する3つの第2巻線(62)に3相の電圧(支持電圧)をそれぞれ供給する。例えば、駆動巻線である第1巻線(61)に駆動電圧を供給する第1電源部に入力される直流電圧は、680Vである。支持巻線である第2巻線(62)に支持電圧を供給する第2電源部に入力される直流電圧は、350Vである。なお、ベアリングレスモータでは、回転子(30)が回転することで駆動巻線に誘起電圧が発生する。一方、支持巻線には、誘起電圧が発生しない。そのため、駆動巻線に印加される駆動電圧よりも、支持巻線に印加される支持電圧を低く設計することができる。
《共通スロット》
また、この例では、複数のスロット(53)は、共通スロット(54)を含む。共通スロット(54)には、第1巻線(61)および第2巻線(62)が通過する。図3の例では、複数のスロット(53)の各々は、共通スロット(54)に該当する。また、この例では、共通スロット(54)において、第1巻線(61)と第2巻線(62)とが径方向に並んで配線される。具体的には、共通スロット(54)において、第1巻線(61)は、第2巻線(62)の径方向外方に配線される。
また、この例では、複数のスロット(53)は、共通スロット(54)を含む。共通スロット(54)には、第1巻線(61)および第2巻線(62)が通過する。図3の例では、複数のスロット(53)の各々は、共通スロット(54)に該当する。また、この例では、共通スロット(54)において、第1巻線(61)と第2巻線(62)とが径方向に並んで配線される。具体的には、共通スロット(54)において、第1巻線(61)は、第2巻線(62)の径方向外方に配線される。
《絶縁部材》
図3に示すように、複数の絶縁部材(70)は、複数のスロット(53)の内壁部にそれぞれ設けられる。そして、複数の絶縁部材(70)は、固定子コア(50)と複数の巻線(60)とを電気的に絶縁する。この例では、絶縁部材(70)は、絶縁材料(例えば樹脂)で構成され、スロット(53)の内壁面に沿う板状に形成される。
図3に示すように、複数の絶縁部材(70)は、複数のスロット(53)の内壁部にそれぞれ設けられる。そして、複数の絶縁部材(70)は、固定子コア(50)と複数の巻線(60)とを電気的に絶縁する。この例では、絶縁部材(70)は、絶縁材料(例えば樹脂)で構成され、スロット(53)の内壁面に沿う板状に形成される。
また、複数の絶縁部材(70)は、固定子コア(50)と第1巻線(61)とを電気的に絶縁する部分の絶縁性能と、固定子コア(50)と第2巻線(62)とを電気的に絶縁する部分の絶縁性能とが互いに異なる。なお、絶縁性能の具体例としては、絶縁抵抗が挙げられる。例えば、絶縁抵抗が高くなるほど、絶縁性能が高くなる。
具体的には、複数の絶縁部材(70)は、第1巻線(61)および第2巻線(62)のうち要求される絶縁性能(以下「要求絶縁性能」と記載)が高いほうの巻線と固定コア(50)とを電気的に絶縁する部分の絶縁性能が第1巻線(61)および第2巻線(62)のうち要求絶縁性能が低いほうの巻線と固定コア(50)とを電気的に絶縁する部分の絶縁性能よりも高い。
なお、要求絶縁性能が異なる場合の具体例としては、第1巻線(61)に印加される電圧と第2巻線(62)に印加される電圧とが互いに異なる場合、第1巻線(61)に電圧を供給する第1電源部に入力される直流電圧と第2巻線(61)に電圧を供給する第2電源部に入力される直流電圧とが互いに異なる場合、第1電源部によるサージ電圧と第2電圧部によるサージ電圧とが互いに異なる場合などが挙げられる。第1電源部によるサージ電圧と第2電圧部によるサージ電圧とが互いに異なる場合の具体例としては、第1電源部を構成する部品(例えばスイッチング素子やゲート回路など)の仕様と第2電源部を構成する部品の仕様が互いに異なる場合、第1巻線(61)のインダクタンスと第2巻線(62)のインダクタンスとが互いに異なる場合などが挙げられる。
この例では、第1巻線(61)に印加される電圧は、第2巻線(62)に印加される電圧よりも高い。そのため、第1巻線(61)の要求絶縁性能は、第2巻線(62)の要求絶縁性能よりも高い。したがって、複数の絶縁部材(70)は、第1巻線(61)および第2巻線(62)のうち印加される電圧が高いほうの巻線と固定コア(50)とを電気的に絶縁する部分の絶縁性能が第1巻線(61)および第2巻線(62)のうち印加される電圧が低いほうの巻線と固定コア(50)とを電気的に絶縁する部分の絶縁性能よりも高い。
具体的には、この例では、駆動巻線部(第1巻線(61)が含まれる第1巻線部および第2巻線(62)が含まれる第2巻線部の一方)に印加される電圧は、支持巻線部(第1巻線(61)が含まれる第1巻線部および第2巻線(62)が含まれる第2巻線部の他方)に印加される電圧よりも高い。そして、複数の絶縁部材(70)は、固定子コア(50)と駆動巻線部に含まれる巻線(60)(第1巻線(61)および第2巻線(62)の一方)とを電気的に絶縁する部分の絶縁性能が固定子コア(50)と支持巻線部に含まれる巻線(60)(第1巻線(61)および第2巻線(62)の他方)とを電気的に絶縁する部分の絶縁性能よりも高い。
《絶縁部材の具体的構成》
実施形態1では、複数の絶縁部材(70)のうち共通スロット(54)に設けられる絶縁部材(70)は、第1部分(70a)と第2部分(70b)とを有する。第1部分(70a)は、固定子コア(50)と共通スロット(54)を通過する第1巻線(61)とを電気的に絶縁する。第2部分(70b)は、固定子コア(50)と共通スロット(54)を通過する第2巻線(62)とを電気的に絶縁する。
実施形態1では、複数の絶縁部材(70)のうち共通スロット(54)に設けられる絶縁部材(70)は、第1部分(70a)と第2部分(70b)とを有する。第1部分(70a)は、固定子コア(50)と共通スロット(54)を通過する第1巻線(61)とを電気的に絶縁する。第2部分(70b)は、固定子コア(50)と共通スロット(54)を通過する第2巻線(62)とを電気的に絶縁する。
また、実施形態1では、第1部分(70a)の絶縁性能は、第2部分(70b)の絶縁性能と異なる。具体的には、第1巻線(61)の要求絶縁性能が第2巻線(62)の要求絶縁性能よりも高い場合、第1部分(70a)の絶縁性能は、第2部分(70b)の絶縁性能よりも高い。逆に、第1巻線(61)の要求絶縁性能が第2巻線(62)の要求絶縁性能よりも低い場合、第1部分(70a)の絶縁性能は、第2部分(70b)の絶縁性能よりも低い。
この例では、第1巻線(61)に印加される電圧は、第2巻線(62)に印加される電圧よりも高い。そのため、第1巻線(61)の要求絶縁性能は、第2巻線(62)の要求絶縁性能よりも高い。したがって、第1部分(70a)の絶縁性能は、第2部分(70b)の絶縁性能よりも高い。
図3の例では、絶縁部材(70)の第1部分(70a)の厚み(L1)は、その絶縁部材(70)の第2部分(70b)の厚み(L2)よりも厚い。なお、この例では、絶縁部材(70)の第1部分(70a)を構成する絶縁材料は、絶縁部材(70)の第2部分(70b)を構成する絶縁材料と同一である。このように、絶縁部材(70)の一部を厚くすることにより、その絶縁部材(70)の一部における絶縁性能(例えば絶縁抵抗)を高くすることができる。
例えば、絶縁部材(70)は、第1部分(70a)の厚み(L1)と第2部分(70b)の厚み(L2)とが互いに異なる形状となるように、射出成形により共通スロット(54)内に形成されてもよい。または、絶縁材料(70)は、絶縁材料で構成された複数枚の絶縁紙を重ねることで形成されてもよい。この場合、絶縁部材(70)の第1部分(70a)を構成する絶縁紙の枚数と絶縁部材(70)の第2部分(70b)を構成する絶縁紙の枚数とが互いに異なる。
《線間絶縁部材》
また、この例では、共通スロット(54)には、線間絶縁部材(80)が設けられる。線間絶縁部材(80)は、共通スロット(54)を通過する第1巻線(61)と第2巻線(62)とを電気的に絶縁する。この例では、線間絶縁部材(80)は、絶縁材料で構成され、板状に形成される。例えば、線間絶縁部材(80)は、絶縁紙により構成される。そして、線間絶縁部材(80)は、共通スロット(54)内の空間を2つの空間(具体的には径方向に並ぶ2つの空間)に区画する。そして、この2つの空間のうち一方の空間(図3の例では径方向外側の空間)を第1巻線(61)が通過し、他方の空間(図3の例では径方向内側の空間)を第2巻線(62)が通過する。
また、この例では、共通スロット(54)には、線間絶縁部材(80)が設けられる。線間絶縁部材(80)は、共通スロット(54)を通過する第1巻線(61)と第2巻線(62)とを電気的に絶縁する。この例では、線間絶縁部材(80)は、絶縁材料で構成され、板状に形成される。例えば、線間絶縁部材(80)は、絶縁紙により構成される。そして、線間絶縁部材(80)は、共通スロット(54)内の空間を2つの空間(具体的には径方向に並ぶ2つの空間)に区画する。そして、この2つの空間のうち一方の空間(図3の例では径方向外側の空間)を第1巻線(61)が通過し、他方の空間(図3の例では径方向内側の空間)を第2巻線(62)が通過する。
なお、共通スロット(54)に設けられる線間絶縁部材(80)の絶縁性能は、その共通スロット(54)に設けられる絶縁部材(70)の絶縁性能と異なる。具体的には、線間絶縁部材(80)および絶縁部材(70)のうち要求絶縁性能が高いほうの部材の絶縁性能が線間絶縁部材(80)および絶縁部材(70)のうち要求絶縁性能が低いほうの部材の絶縁性能よりも高い。
この例では、線間絶縁部材(80)の要求絶縁性能は、絶縁部材(70)の要求絶縁性能よりも高い。したがって、線間絶縁部材(80)の絶縁性能は、絶縁部材(70)の絶縁性能よりも高い。例えば、線間絶縁部材(80)を構成する絶縁材料の絶縁性は、絶縁部材(70)を構成する絶縁材料の絶縁性よりも高い。
〔実施形態1の効果〕
以上のように、実施形態1の電動機(20)は、回転子(30)と、固定子(40)とを備える。固定子(40)は、環状に形成されたバックヨーク(51)と、バックヨーク(51)の内周に設けられる複数のティース(52)とを有する固定子コア(50)と、複数のティース(52)の間にそれぞれ形成される複数のスロット(53)を通過するように配線される複数の巻線(60)と、複数のスロット(53)の内壁部にそれぞれ設けられ、固定子コア(50)と複数の巻線(60)とを電気的に絶縁する複数の絶縁部材(70)とを有する。複数の巻線(60)は、電圧が印加される第1巻線部に含まれる少なくとも1つの第1巻線(61)と、第1巻線部に印加される電圧とは異なる電圧が印加される第2巻線部に含まれる少なくとも1つ第2巻線(62)とを含む。複数の絶縁部材(70)は、固定子コア(50)と第1巻線(61)とを電気的に絶縁する部分の絶縁性能と固定子コア(50)と第2巻線(62)とを電気的に絶縁する部分の絶縁性能とが互いに異なる。
以上のように、実施形態1の電動機(20)は、回転子(30)と、固定子(40)とを備える。固定子(40)は、環状に形成されたバックヨーク(51)と、バックヨーク(51)の内周に設けられる複数のティース(52)とを有する固定子コア(50)と、複数のティース(52)の間にそれぞれ形成される複数のスロット(53)を通過するように配線される複数の巻線(60)と、複数のスロット(53)の内壁部にそれぞれ設けられ、固定子コア(50)と複数の巻線(60)とを電気的に絶縁する複数の絶縁部材(70)とを有する。複数の巻線(60)は、電圧が印加される第1巻線部に含まれる少なくとも1つの第1巻線(61)と、第1巻線部に印加される電圧とは異なる電圧が印加される第2巻線部に含まれる少なくとも1つ第2巻線(62)とを含む。複数の絶縁部材(70)は、固定子コア(50)と第1巻線(61)とを電気的に絶縁する部分の絶縁性能と固定子コア(50)と第2巻線(62)とを電気的に絶縁する部分の絶縁性能とが互いに異なる。
上記の構成では、固定子コア(50)と第1巻線(61)とを電気的に絶縁する部分の絶縁性能と固定子コア(50)と第2巻線(62)とを電気的に絶縁する部分の絶縁性能とを互いに異ならせることにより、これらの絶縁性能が互いに同一である場合よりも、固定子コア(50)と第1巻線(61)とを電気的に絶縁する部分および固定子コア(50)と第2巻線(62)とを電気的に絶縁する部分のうち一方(具体的には要求絶縁性能が低い方)において絶縁性能が過剰となることを抑制することができる。これにより、絶縁部材(70)の絶縁性能を適切に設計することができる。
また、絶縁部材(70)の絶縁性能を適切に設計することができるので、絶縁部材(70)の厚みを適切に設計することができる。これにより、スロット(53)内における巻線(60)の占積率(スロット(53)の断面積に対してスロット(53)を通過する巻線(60)の断面積の合計が占める割合)を向上させることができる。このように、スロット(53)内における巻線(60)の占積率を向上させることができるので、電動機(20)のコイルエンド部を小さくすることができる。これにより、電動機(20)の軸方向長さを短くすることができるので、電動機(20)を小型化することができる。
また、実施形態1の電動機(20)では、複数のスロット(53)は、第1巻線(61)および第2巻線(62)が通過する共通スロット(54)を含む。複数の絶縁部材(70)のうち共通スロット(54)に設けられる絶縁部材(70)は、固定子コア(50)と第1巻線(61)とを電気的に絶縁する第1部分(70a)と、固定子コア(50)と第2巻線(62)とを電気的に絶縁する第2部分(70b)とを有する。第1部分(70a)の絶縁性能は、第2部分(70b)の絶縁性能と異なる。
上記の構成では、第1部分(70a)の絶縁性能と第2部分(70b)の絶縁性能とを互いに異ならせることにより、これらの絶縁性能が互いに同一である場合よりも、第1部分(70a)および第2部分(70b)のうち一方(具体的には要求絶縁性能が低い方)において絶縁性能が過剰となることを抑制することができる。これにより、共通スロット(54)に設けられる絶縁部材(70)の絶縁性能を適切に設計することができる。
また、共通スロット(54)に設けられる絶縁部材(70)の絶縁性能を適切に設計することができるので、絶縁部材(70)の第1部分(70a)の厚み(La)および第2部分(70b)の厚み(Lb)を適切に設計することができる。これにより、スロット(53)内における巻線(60)の占積率を向上させることができるので、電動機(20)のコイルエンド部を小さくすることができる。その結果、電動機(20)の軸方向長さを短くすることができ、電動機(20)を小型化することができる。
また、実施形態1の電動機(20)では、共通スロット(54)には、第1巻線(61)と第2巻線(62)とを電気的に絶縁する線間絶縁部材(80)が設けられる。共通スロット(54)に設けられる線間絶縁部材(80)の絶縁性能は、複数の絶縁部材(70)のうち共通スロット(54)に設けられる絶縁部材(70)の絶縁性能と異なる。
上記の構成では、線間絶縁部材(80)の絶縁性能と絶縁部材(70)の絶縁性能とを互いに異ならせることにより、これらの絶縁性能が互いに同一である場合よりも、線間絶縁部材(80)および絶縁部材(70)のうち一方(具体的には要求絶縁性能が低い方)において絶縁性能が過剰となることを抑制することができる。これにより、線間絶縁部材(80)の絶縁性能と絶縁部材(70)の絶縁性能とを適切に設計することができる。
また、線間絶縁部材(80)の絶縁性能と絶縁部材(70)の絶縁性能とを適切に設計することができるので、線間絶縁部材(80)の厚みおよび絶縁部材(70)の厚みを適切に設計することができる。これにより、スロット(53)内における巻線(60)の占積率を向上させることができるので、電動機(20)のコイルエンド部を小さくすることができる。その結果、電動機(20)の軸方向長さを短くすることができ、電動機(20)を小型化することができる。
また、実施形態1の電動機(20)では、第1巻線部および第2巻線部の一方は、通電により回転子(30)を回転駆動させるための電磁力を発生させる駆動巻線部である。第1巻線部および第2巻線部の他方は、通電により回転子(30)を非接触で支持するための電磁力を発生させる支持巻線部である。
上記の構成では、回転子(30)を非接触で支持しながら回転子(30)を回転駆動させる電動機(いわゆるベアリングレスモータ)を構成することができる。
また、実施形態1の電動機(20)では、駆動巻線部に印加される電圧は、支持巻線部に印加される電圧よりも高い。複数の絶縁部材(70)は、固定子コア(50)と駆動巻線部に含まれる巻線(60)とを電気的に絶縁する部分の絶縁性能が固定子コア(50)と支持巻線部に含まれる巻線(60)とを電気的に絶縁する部分の絶縁性能よりも高い。
上記の構成では、回転子(30)を非接触で支持しながら回転子(30)を回転駆動させる電動機(いわゆるベアリングレスモータ)における絶縁部材(70)の絶縁性能を適切に設計することができる。
なお、実施形態1の電動機(20)では、共通スロット(54)において、第1巻線(61)は、第2巻線(62)の径方向内方に配線されてもよい。
(実施形態1の変形例1)
図4は、実施形態1の変形例1による電動機(20)の要部を例示する。
図4は、実施形態1の変形例1による電動機(20)の要部を例示する。
実施形態1の変形例1では、共通スロット(54)を通過する第1巻線(61)の数は、2つ以上である。共通スロット(54)を通過する2つ以上の第1巻線(61)のうち少なくとも2つに印加される電圧は、それぞれ異なる位相を有する。図4の例では、共通スロット(54)を通過する第1巻線(61)の数は、2つである。例えば、共通スロット(54)を通過する2つの第1巻線(61)のうち1つの第1巻線(61)は、U相の駆動巻線を構成し、もう1つの第1巻線(61)は、V相の駆動巻線を構成する。
また、実施形態1の変形例1では、共通スロット(54)には、少なくとも1つの第1相間絶縁部材(81)が設けられる。第1相間絶縁部材(81)は、共通スロット(54)を通過する2つ以上の第1巻線(61)の間を電気的に絶縁する。図4の例では、第1相間絶縁部材(81)は、絶縁材料で構成され、板状に形成される。例えば、第1相間絶縁部材(81)は、絶縁紙により構成される。そして、第1相間絶縁部材(81)は、共通スロット(54)と線間絶縁部材(80)とにより形成される2つの空間(具体的には径方向に並ぶ2つの空間)のうち一方の空間(図4の例では径方向外側の空間)に配置され、その空間を2つの空間(具体的には径方向に並ぶ2つの空間)に区画する。そして、この2つの空間を2つの第1巻線(61)がそれぞれ通過する。
なお、共通スロット(54)に設けられる第1相間絶縁部材(81)の絶縁性能は、その共通スロット(54)に設けられる線間絶縁部材(80)の絶縁性能と異なる。具体的には、第1相間絶縁部材(81)および線間絶縁部材(80)のうち要求絶縁性能が高いほうの部材の絶縁性能が第1相間絶縁部材(81)および線間絶縁部材(80)のうち要求絶縁性能が低いほうの部材の絶縁性能よりも高い。
この例では、第1相間絶縁部材(81)の要求絶縁性能は、線間絶縁部材(80)の要求絶縁性能よりも低い。したがって、第1相間絶縁部材(81)の絶縁性能は、線間絶縁部材(80)の絶縁性能よりも低い。例えば、第1相間絶縁部材(81)を構成する絶縁材料の絶縁性は、線間絶縁部材(80)を構成する絶縁材料の絶縁性よりも低い。
実施形態1の変形例1では、共通スロット(54)を通過する第2巻線(62)の数は、2つ以上である。共通スロット(54)を通過する2つ以上の第2巻線(62)のうち少なくとも2つに印加される電圧は、それぞれ異なる位相を有する。図4の例では、共通スロット(54)を通過する第2巻線(62)の数は、2つである。例えば、共通スロット(54)を通過する2つの第2巻線(62)のうち1つの第1巻線(61)は、U相の支持巻線を構成し、もう1つの第2巻線(62)は、V相の支持巻線を構成する。
また、実施形態1の変形例1では、共通スロット(54)には、少なくとも1つの第2相間絶縁部材(82)が設けられる。第2相間絶縁部材(82)は、共通スロット(54)を通過する2つ以上の第2巻線(62)の間を電気的に絶縁する。図4の例では、第2相間絶縁部材(82)は、絶縁材料で構成され、板状に形成される。例えば、第2相間絶縁部材(82)は、絶縁紙により構成される。そして、第2相間絶縁部材(82)は、共通スロット(54)と線間絶縁部材(80)とにより形成される2つの空間(具体的には径方向に並ぶ2つの空間)のうち一方の空間(図4の例では径方向内側の空間)に配置され、その空間を2つの空間(具体的には径方向に並ぶ2つの空間)に区画する。そして、この2つの空間を2つの第2巻線(62)がそれぞれ通過する。
なお、共通スロット(54)に設けられる第2相間絶縁部材(82)の絶縁性能は、その共通スロット(54)に設けられる線間絶縁部材(80)の絶縁性能および第1相間絶縁部材(81)の絶縁性能と異なる。具体的には、線間絶縁部材(80)と第1相間絶縁部材(81)と第2相間絶縁部材(82)のうち要求絶縁性能が最も高い絶縁部材の絶縁性能が最も高く、線間絶縁部材(80)と第1相間絶縁部材(81)と第2相間絶縁部材(82)のうち要求絶縁性能が最も低い絶縁部材の絶縁性能が最も低い。
この例では、第1相間絶縁部材(81)の要求絶縁性能は、線間絶縁部材(80)の供給絶縁性能よりも低く、第2相間絶縁部材(82)の要求絶縁性能は、第1相間絶縁部材(81)の要求絶縁性能よりも低い。したがって、第1相間絶縁部材(81)の絶縁性能は、線間絶縁部材(80)の絶縁性能よりも低く、第2相間絶縁部材(82)の絶縁性能は、第1相間絶縁部材(81)の絶縁性能よりも低い。
なお、実施形態1の変形例1による電動機(20)のその他の構成は、図1〜図3に示した実施形態1による電動機(20)の構成と同様である。
〔実施形態1の変形例1の効果〕
以上のように、実施形態1の変形例1の電動機(20)では、共通スロット(54)を通過する第1巻線(61)の数は、2つ以上である。共通スロット(54)を通過する2つ以上の第1巻線(61)のうち少なくとも2つに印加される電圧は、それぞれ異なる位相を有する。共通スロット(54)には、共通スロット(54)を通過する2つ以上の第1巻線(61)の間を電気的に絶縁する少なくとも1つの第1相間絶縁部材(81)が設けられる。第1相間絶縁部材(81)の絶縁性能は、線間絶縁部材(80)の絶縁性能と異なる。
以上のように、実施形態1の変形例1の電動機(20)では、共通スロット(54)を通過する第1巻線(61)の数は、2つ以上である。共通スロット(54)を通過する2つ以上の第1巻線(61)のうち少なくとも2つに印加される電圧は、それぞれ異なる位相を有する。共通スロット(54)には、共通スロット(54)を通過する2つ以上の第1巻線(61)の間を電気的に絶縁する少なくとも1つの第1相間絶縁部材(81)が設けられる。第1相間絶縁部材(81)の絶縁性能は、線間絶縁部材(80)の絶縁性能と異なる。
上記の構成では、第1相間絶縁部材(81)の絶縁性能と線間絶縁部材(80)の絶縁性能とを互いに異ならせることにより、これらの絶縁性能が互いに同一である場合よりも、第1相間絶縁部材(81)および線間絶縁部材(80)のうち一方(具体的には要求絶縁性能が低い方)において絶縁性能が過剰となることを抑制することができる。これにより、第1相間絶縁部材(81)の絶縁性能と線間絶縁部材(80)の絶縁性能とを適切に設計することができる。
また、第1相間絶縁部材(81)の絶縁性能と線間絶縁部材(80)の絶縁性能とを適切に設計することができるので、第1相間絶縁部材(81)の厚みおよび線間絶縁部材(80)の厚みを適切に設計することができる。これにより、スロット(53)内における巻線(60)の占積率を向上させることができるので、電動機(20)のコイルエンド部を小さくすることができる。その結果、電動機(20)の軸方向長さを短くすることができ、電動機(20)を小型化することができる。
また、実施形態1の変形例1の電動機(20)では、共通スロット(54)を通過する第2巻線(62)の数は、2つ以上である。共通スロット(54)を通過する2つ以上の第2巻線(62)のうち少なくとも2つに印加される電圧は、それぞれ異なる位相を有する。共通スロット(54)には、共通スロット(54)を通過する2つ以上の第2巻線(62)の間を電気的に絶縁する少なくとも1つの第2相間絶縁部材(82)が設けられる。第2相間絶縁部材(82)の絶縁性能は、線間絶縁部材(80)の絶縁性能および第1相間絶縁部材(81)の絶縁性能と異なる。
上記の構成では、第2相間絶縁部材(82)の絶縁性能と線間絶縁部材(80)の絶縁性能と第1相間絶縁部材(81)とを異ならせることにより、これらの絶縁性能が同一である場合よりも、線間絶縁部材(80)と第1相間絶縁部材(81)と第2相間絶縁部材(82)のうち2つ(具体的には要求絶縁性能が最も高い絶縁部材を除く2つの絶縁部材)において絶縁性能が過剰となることを抑制することができる。これにより、第1相間絶縁部材(81)の絶縁性能と第2相間絶縁部材(82)の絶縁性能と線間絶縁部材(80)の絶縁性能とを適切に設計することができる。
また、第1相間絶縁部材(81)の絶縁性能と第2相間絶縁部材(82)の絶縁性能と線間絶縁部材(80)の絶縁性能とを適切に設計することができるので、線間絶縁部材(80)の厚みと第2相間絶縁部材(82)の厚みと絶縁部材(70)の厚みを適切に設計することができる。これにより、スロット(53)内における巻線(60)の占積率を向上させることができるので、電動機(20)のコイルエンド部を小さくすることができる。その結果、電動機(20)の軸方向長さを短くすることができ、電動機(20)を小型化することができる。
なお、実施形態1の変形例1による電動機(20)において、第1相間絶縁部材(81)および第2相間絶縁部材(82)の一方が省略されてもよい。また、共通スロット(54)を通過する第1巻線(61)の数および共通スロット(54)を通過する第2巻線(62)の数のうち一方の数が1つであってもよい。
(実施形態1の変形例2)
図5は、実施形態1の変形例2による電動機(20)の要部を例示する。図5に示すように、実施形態1の変形例2では、複数の巻線(60)は、集中巻により複数のティース(52)に巻回される。
図5は、実施形態1の変形例2による電動機(20)の要部を例示する。図5に示すように、実施形態1の変形例2では、複数の巻線(60)は、集中巻により複数のティース(52)に巻回される。
実施形態1の変形例2では、複数のティース(52)のうち共通スロット(54)を構成する2つのティース(52)の各々には、第1巻線(61)と第2巻線(62)とが集中巻により巻回される。
共通スロット(54)を構成する2つのティース(52)の各々に巻回される第1巻線(61)に印加される電圧は、それぞれ異なる位相を有する。例えば、2つのティース(52)の各々に巻回された第1巻線(61)のうち1つの第1巻線(61)は、U相の駆動巻線を構成し、もう1つの第1巻線(61)は、V相の駆動巻線を構成する。
共通スロット(54)を構成する2つのティース(52)の各々に巻回される第2巻線(62)に印加される電圧は、それぞれ異なる位相を有する。例えば、2つのティース(52)の各々に巻回された第2巻線(62)のうち1つの第2巻線(62)は、U相の支持巻線を構成し、もう1つの第2巻線(62)は、V相の支持巻線を構成する。
共通スロット(54)を構成する2つのティース(52)の各々に巻回される第1巻線(61)の間の絶縁距離(D1)は、共通スロット(54)を構成する2つのティース(52)の各々に巻回される第2巻線(62)の間の絶縁距離(D2)と異なる。具体的には、第1巻線(61)の間の絶縁距離(D1)および第2巻線(62)の間の絶縁距離(D2)のうち要求絶縁性能が高いほうの絶縁距離が第1巻線(61)の間の絶縁距離(D1)および第2巻線(62)の間の絶縁距離(D2)のうち要求絶縁性能が低いほうの絶縁距離よりも短い。
この例では、2つのティース(52)の各々に巻回される第1巻線(61)の間の要求絶縁性能は、2つのティース(52)の各々に巻回される第2巻線(62)の間の要求絶縁性能よりも高い。したがって、第1巻線(61)の間の絶縁距離(D1)は、第2巻線(62)の間の絶縁距離(D2)よりも長い。
なお、実施形態1の変形例2による電動機(20)のその他の構成は、図1〜図3に示した実施形態1による電動機(20)の構成と同様である。
〔実施形態1の変形例2の効果〕
以上のように、実施形態1の変形例2の電動機(20)では、複数のティース(52)のうち共通スロット(54)を構成する2つのティース(52)の各々には、第1巻線(61)と第2巻線(62)とが集中巻により巻回される。共通スロット(54)を構成する2つのティース(52)の各々に巻回される第1巻線(61)に印加される電圧は、それぞれ異なる位相を有する。共通スロット(54)を構成する2つのティース(52)の各々に巻回される第2巻線(62)に印加される電圧は、それぞれ異なる位相を有する。共通スロット(54)を構成する2つのティース(52)の各々に巻回される第1巻線(61)の間の絶縁距離(D1)は、共通スロット(54)を構成する2つのティース(52)の各々に巻回される第2巻線(62)の間の絶縁距離(D2)と異なる。
以上のように、実施形態1の変形例2の電動機(20)では、複数のティース(52)のうち共通スロット(54)を構成する2つのティース(52)の各々には、第1巻線(61)と第2巻線(62)とが集中巻により巻回される。共通スロット(54)を構成する2つのティース(52)の各々に巻回される第1巻線(61)に印加される電圧は、それぞれ異なる位相を有する。共通スロット(54)を構成する2つのティース(52)の各々に巻回される第2巻線(62)に印加される電圧は、それぞれ異なる位相を有する。共通スロット(54)を構成する2つのティース(52)の各々に巻回される第1巻線(61)の間の絶縁距離(D1)は、共通スロット(54)を構成する2つのティース(52)の各々に巻回される第2巻線(62)の間の絶縁距離(D2)と異なる。
上記の構成では、共通スロット(54)において第1巻線(61)の間の絶縁距離(D1)と第2巻線(62)の間の絶縁距離(D2)とを互いに異ならせることにより、これらの絶縁距離が互いに同一である場合よりも、第1巻線(61)の間の絶縁距離(D1)および第2巻線(62)の間の絶縁距離(D2)のうち一方(具体的には要求される絶縁距離が短い方)が過剰となることを抑制することができる。これにより、第1巻線(61)の間の絶縁距離(D1)と第2巻線(62)の間の絶縁距離(D2)とを適切に設計することができる。
また、第1巻線(61)の間の絶縁距離(D1)と第2巻線(62)の間の絶縁距離(D2)とを適切に設計することができるので、スロット(53)内における巻線(60)の占積率を向上させることができる。これにより、電動機(20)のコイルエンド部を小さくすることができる。その結果、電動機(20)の軸方向長さを短くすることができ、電動機(20)を小型化することができる。
(実施形態2)
図6は、実施形態2による電動機(20)の要部を例示する。
図6は、実施形態2による電動機(20)の要部を例示する。
実施形態2では、複数のスロット(53)は、第1スロット(55)と、第2スロット(56)とを含む。第1スロット(55)には、第1巻線(61)が通過し、且つ、第2巻線(62)が通過しない。第2スロット(56)には、第2巻線(62)が通過し、且つ、第1巻線(61)が通過しない。
実施形態2では、第1スロット(55)に設けられる絶縁部材(70)の絶縁性能は、第2スロット(56)に設けられる絶縁部材(70)の絶縁性能と異なる。具体的には、第1スロット(55)に設けられる絶縁部材(70)および第2スロット(56)に設けられる絶縁部材(70)のうち要求絶縁性能が高いほうの絶縁部材(70)の絶縁性能が第1スロット(55)に設けられる絶縁部材(70)および第2スロット(56)に設けられる絶縁部材(70)のうち要求絶縁性能が低いほうの絶縁部材(70)の絶縁性能よりも高い。
この例では、第1巻線(61)に印加される電圧は、第2巻線(62)に印加される電圧よりも高い。そのため、第1巻線(61)の要求絶縁性能は、第2巻線(62)の要求絶縁性能よりも高く、第1巻線(61)が通過する第1スロット(55)に設けられる絶縁部材(70)の要求絶縁性能は、第2巻線(62)が通過する第2スロット(56)に設けられる絶縁部材(70)の要求絶縁性能よりも高い。したがって、第1スロット(55)に設けられる絶縁部材(70)の絶縁性能は、第2スロット(56)に設けられる絶縁部材(70)の絶縁性能よりも高い。
図6の例では、第1スロット(55)に設けられる絶縁部材(70)の厚み(L1)は、第2スロット(56)に設けられる絶縁部材(70)の厚み(L2)よりも厚い。なお、この例では、第1スロット(55)に設けられる絶縁部材(70)を構成する絶縁材料は、第2スロット(56)に設けられる絶縁部材(70)を構成する絶縁材料と同一である。このように、絶縁部材(70)を厚くすることにより、その絶縁部材(70)における絶縁性能(例えば絶縁抵抗)を高くすることができる。
なお、実施形態1の変形例1による電動機(20)のその他の構成は、図1〜図3に示した実施形態1による電動機(20)の構成と同様である。
〔実施形態2の効果〕
以上のように、実施形態2の電動機(20)では、複数のスロット(53)は、第1巻線(61)が通過し且つ第2巻線(62)が通過しない第1スロット(55)と、第2巻線(62)が通過し且つ第1巻線(61)が通過しない第2スロット(56)とを含む。複数の絶縁部材(70)のうち第1スロット(55)に設けられる絶縁部材(70)の絶縁性能は、複数の絶縁部材(70)のうち第2スロット(56)に設けられる絶縁部材(70)の絶縁性能と異なる。
以上のように、実施形態2の電動機(20)では、複数のスロット(53)は、第1巻線(61)が通過し且つ第2巻線(62)が通過しない第1スロット(55)と、第2巻線(62)が通過し且つ第1巻線(61)が通過しない第2スロット(56)とを含む。複数の絶縁部材(70)のうち第1スロット(55)に設けられる絶縁部材(70)の絶縁性能は、複数の絶縁部材(70)のうち第2スロット(56)に設けられる絶縁部材(70)の絶縁性能と異なる。
上記の構成では、第1スロット(55)に設けられる絶縁部材(70)の絶縁性能と第2スロット(56)に設けられる絶縁部材(70)の絶縁性能とを互いに異ならせることにより、これらの絶縁性能が互いに同一である場合よりも、第1スロット(55)に設けられる絶縁部材(70)および第2スロット(56)に設けられる絶縁部材(70)のうち一方(具体的には要求絶縁性能が低い方)において絶縁性能が過剰となることを抑制することができる。これにより、第1スロット(55)に設けられる絶縁部材(70)の絶縁性能と第2スロット(56)に設けられる絶縁部材(70)の絶縁性能とを適切に設計することができる。
(実施形態3)
図7は、実施形態3による電動機(20)の要部を例示する。
図7は、実施形態3による電動機(20)の要部を例示する。
実施形態3では、固定子コア(50)と第1巻線(61)のコイルエンド部(61e)との間の絶縁距離(D3)は、固定子コア(50)と第2巻線(62)のコイルエンド部(62e)との間の絶縁距離(D4)と異なる。具体的には、固定子コア(50)と第1巻線(61)のコイルエンド部(61e)との間の絶縁距離(D3)および固定子コア(50)と第2巻線(62)のコイルエンド部(62e)との間の絶縁距離(D4)のうち要求絶縁性能が高いほうの絶縁距離が固定子コア(50)と第1巻線(61)のコイルエンド部(61e)との間の絶縁距離(D3)および固定子コア(50)と第2巻線(62)のコイルエンド部(62e)との間の絶縁距離(D4)のうち要求絶縁性能が低いほうの絶縁距離よりも長い。
この例では、固定子コア(50)と第1巻線(61)のコイルエンド部(61e)との間の要求絶縁性能は、固定子コア(50)と第2巻線(62)のコイルエンド部(62e)との間の要求絶縁性能よりも高い。したがって、固定子コア(50)と第1巻線(61)のコイルエンド部(61e)との間の絶縁距離(D3)は、固定子コア(50)と第2巻線(62)のコイルエンド部(62e)との間の絶縁距離(D4)よりも長い。
また、実施形態3では、固定子コア(50)と第1巻線(61)のコイルエンド部(61e)との間および固定子コア(50)と第2巻線(62)のコイルエンド部(62e)との間に、コイルエンド絶縁部材(90)が設けられる。コイルエンド絶縁部材(90)は、絶縁材料で構成される。例えば、コイルエンド絶縁部材(90)は、射出成形により固定子コア(50)と第1巻線(61)のコイルエンド部(61e)との間(または第2巻線(62)のコイルエンド部(62e)との間)に形成される。なお、コイルエンド絶縁部材(90)は、絶縁部材(70)と一体に形成されてもよい。
なお、実施形態3による電動機(20)のその他の構成は、実施形態2による電動機(20)の構成と同様である。
〔実施形態3の効果〕
実施形態3の電動機(20)では、固定子コア(50)と第1巻線(61)のコイルエンド部(61e)との間の絶縁距離(D3)は、固定子コア(50)と第2巻線(62)のコイルエンド部(62e)との間の絶縁距離(D4)と異なる。
実施形態3の電動機(20)では、固定子コア(50)と第1巻線(61)のコイルエンド部(61e)との間の絶縁距離(D3)は、固定子コア(50)と第2巻線(62)のコイルエンド部(62e)との間の絶縁距離(D4)と異なる。
上記の構成では、固定子コア(50)と第1巻線(61)のコイルエンド部(61e)との間の絶縁距離(D3)と固定子コア(50)と第2巻線(62)のコイルエンド部(62e)との間の絶縁距離(D4)とを互いに異ならせることにより、これらの絶縁距離が互いに同一である場合よりも、固定子コア(50)と第1巻線(61)のコイルエンド部(61e)との間の絶縁距離(D3)および固定子コア(50)と第2巻線(62)のコイルエンド部(62e)との間の絶縁距離(D4)のうち一方(具体的には要求される絶縁距離が短い方)が過剰となることを抑制することができる。これにより、固定子コア(50)と第1巻線(61)のコイルエンド部(61e)との間の絶縁距離(D3)と固定子コア(50)と第2巻線(62)のコイルエンド部(62e)との間の絶縁距離(D4)とを適切に設計することができる。
(その他の実施形態)
以上の説明では、第1巻線部が駆動巻線部であり、第2巻線部が支持巻線部である場合を例に挙げたが、第1巻線部は、支持巻線部であってもよく、第2巻線部は、駆動巻線部であってもよい。言い換えると、第1巻線(61)が駆動巻線であり、第2巻線(62)が支持巻線である場合を例に挙げたが、第1巻線(61)は、支持巻線であってもよく、第2巻線(62)は、支持巻線であってもよい。
以上の説明では、第1巻線部が駆動巻線部であり、第2巻線部が支持巻線部である場合を例に挙げたが、第1巻線部は、支持巻線部であってもよく、第2巻線部は、駆動巻線部であってもよい。言い換えると、第1巻線(61)が駆動巻線であり、第2巻線(62)が支持巻線である場合を例に挙げたが、第1巻線(61)は、支持巻線であってもよく、第2巻線(62)は、支持巻線であってもよい。
また、実施形態1による電動機(20)において、実施形態3のように、固定子コア(50)と第1巻線(61)のコイルエンド部(61e)との間の絶縁距離(D3)が、固定子コア(50)と第2巻線(62)のコイルエンド部(62e)との間の絶縁距離(D4)と異なっていてもよい。実施形態1の変形例1、実施形態1の変形例2についても同様である。
また、以上の説明では、電動機(20)がコンシクエントポール型のベアリングレスモータ(埋込磁石型のベアングレスモータ)である場合を例に挙げたが、電動機(20)は、他のタイプのベアリングレスモータであってもよい。例えば、電動機(20)は、表面磁石型、インセット型、BPM(Buried Permanent Magnet)型、順突極型、同期リラクタンス型、スイッチトリラクタンス型、誘導型のいずれかのタイプのベアリングレスモータであってもよい。
また、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態および変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり置換したりしてもよい。
以上説明したように、本開示は、電動機として有用である。
10 ターボ圧縮機
11 ケーシング
12 駆動軸
13 インペラ
20 電動機
30 回転子
40 固定子
50 固定子コア
51 バックヨーク
52 ティース
53 スロット
54 共通スロット
55 第1スロット
56 第2スロット
60 巻線
61 第1巻線
61e コイルエンド部
62 第2巻線
62e コイルエンド部
70 絶縁部材
70a 第1部分
70b 第2部分
80 線間絶縁部材
81 第1相間絶縁部材
82 第2相間絶縁部材
90 コイルエンド絶縁部材
11 ケーシング
12 駆動軸
13 インペラ
20 電動機
30 回転子
40 固定子
50 固定子コア
51 バックヨーク
52 ティース
53 スロット
54 共通スロット
55 第1スロット
56 第2スロット
60 巻線
61 第1巻線
61e コイルエンド部
62 第2巻線
62e コイルエンド部
70 絶縁部材
70a 第1部分
70b 第2部分
80 線間絶縁部材
81 第1相間絶縁部材
82 第2相間絶縁部材
90 コイルエンド絶縁部材
Claims (10)
- 回転子(30)と、
固定子(40)とを備え、
前記固定子(40)は、
環状に形成されたバックヨーク(51)と、該バックヨーク(51)の内周に設けられる複数のティース(52)とを有する固定子コア(50)と、
前記複数のティース(52)の間にそれぞれ形成される複数のスロット(53)を通過するように配線される複数の巻線(60)と、
前記複数のスロット(53)の内壁部にそれぞれ設けられ、前記固定子コア(50)と前記複数の巻線(60)とを電気的に絶縁する複数の絶縁部材(70)とを有し、
前記複数の巻線(60)は、電圧が印加される第1巻線部に含まれる少なくとも1つの第1巻線(61)と、該第1巻線部に印加される電圧とは異なる電圧が印加される第2巻線部に含まれる少なくとも1つ第2巻線(62)とを含み、
前記複数の絶縁部材(70)は、前記固定子コア(50)と前記第1巻線(61)とを電気的に絶縁する部分の絶縁性能と前記固定子コア(50)と前記第2巻線(62)とを電気的に絶縁する部分の絶縁性能とが互いに異なる
ことを特徴とする電動機。 - 請求項1において、
前記複数のスロット(53)は、前記第1巻線(61)および前記第2巻線(62)が通過する共通スロット(54)を含み、
前記複数の絶縁部材(70)のうち前記共通スロット(54)に設けられる絶縁部材(70)は、前記固定子コア(50)と前記第1巻線(61)とを電気的に絶縁する第1部分(70a)と、前記固定子コア(50)と前記第2巻線(62)とを電気的に絶縁する第2部分(70b)とを有し、
前記第1部分(70a)の絶縁性能は、前記第2部分(70b)の絶縁性能と異なる
ことを特徴とする電動機。 - 請求項2において、
前記共通スロット(54)には、前記第1巻線(61)と前記第2巻線(62)とを電気的に絶縁する線間絶縁部材(80)が設けられ、
前記共通スロット(54)に設けられる線間絶縁部材(80)の絶縁性能は、前記複数の絶縁部材(70)のうち該共通スロット(54)に設けられる絶縁部材(70)の絶縁性能と異なる
ことを特徴とする電動機。 - 請求項3において、
前記共通スロット(54)を通過する第1巻線(61)の数は、2つ以上であり、
前記共通スロット(54)を通過する2つ以上の第1巻線(61)のうち少なくとも2つに印加される電圧は、それぞれ異なる位相を有し、
前記共通スロット(54)には、該共通スロット(54)を通過する2つ以上の第1巻線(61)の間を電気的に絶縁する少なくとも1つの第1相間絶縁部材(81)が設けられ、
前記第1相間絶縁部材(81)の絶縁性能は、前記線間絶縁部材(80)の絶縁性能と異なる
ことを特徴とする電動機。 - 請求項4において、
前記共通スロット(54)を通過する第2巻線(62)の数は、2つ以上であり、
前記共通スロット(54)を通過する2つ以上の第2巻線(62)のうち少なくとも2つに印加される電圧は、それぞれ異なる位相を有し、
前記共通スロット(54)には、該共通スロット(54)を通過する2つ以上の第2巻線(62)の間を電気的に絶縁する少なくとも1つの第2相間絶縁部材(82)が設けられ、
前記第2相間絶縁部材(82)の絶縁性能は、前記線間絶縁部材(80)の絶縁性能および前記第1相間絶縁部材(81)の絶縁性能と異なる
ことを特徴とする電動機。 - 請求項2において、
前記複数のティース(52)のうち前記共通スロット(54)を構成する2つのティース(52)の各々には、前記第1巻線(61)と前記第2巻線(62)とが集中巻により巻回され、
前記共通スロット(54)を構成する2つのティース(52)の各々に巻回される第1巻線(61)に印加される電圧は、それぞれ異なる位相を有し、
前記共通スロット(54)を構成する2つのティース(52)の各々に巻回される第2巻線(62)に印加される電圧は、それぞれ異なる位相を有し、
前記共通スロット(54)を構成する2つのティース(52)の各々に巻回される第1巻線(61)の間の絶縁距離(D1)は、前記共通スロット(54)を構成する2つのティース(52)の各々に巻回される第2巻線(62)の間の絶縁距離(D2)と異なる
ことを特徴とする電動機。 - 請求項1において、
前記複数のスロット(53)は、前記第1巻線(61)が通過し且つ前記第2巻線(62)が通過しない第1スロット(55)と、前記第2巻線(62)が通過し且つ前記第1巻線(61)が通過しない第2スロット(56)とを含み、
前記複数の絶縁部材(70)のうち前記第1スロット(55)に設けられる絶縁部材(70)の絶縁性能は、前記複数の絶縁部材(70)のうち前記第2スロット(56)に設けられる絶縁部材(70)の絶縁性能と異なる
ことを特徴とする電動機。 - 請求項1〜7のいずれか1つにおいて、
前記固定子コア(50)と前記第1巻線(61)のコイルエンド部(61e)との間の絶縁距離(D3)は、前記固定子コア(50)と前記第2巻線(62)のコイルエンド部(62e)との間の絶縁距離(D4)と異なる
ことを特徴とする電動機。 - 請求項1〜8のいずれか1つにおいて、
前記第1巻線部および前記第2巻線部の一方は、通電により前記回転子(30)を回転駆動させるための電磁力を発生させる駆動巻線部であり、
前記第1巻線部および前記第2巻線部の他方は、通電により前記回転子(30)を非接触で支持するための電磁力を発生させる支持巻線部である
ことを特徴とする電動機。 - 請求項9において、
前記駆動巻線部に印加される電圧は、前記支持巻線部に印加される電圧よりも高く、
前記複数の絶縁部材(70)は、前記固定子コア(50)と前記駆動巻線部に含まれる巻線(60)とを電気的に絶縁する部分の絶縁性能が前記固定子コア(50)と前記支持巻線部に含まれる巻線(60)とを電気的に絶縁する部分の絶縁性能よりも高い
ことを特徴とする電動機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019175988A JP2021052568A (ja) | 2019-09-26 | 2019-09-26 | 電動機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019175988A JP2021052568A (ja) | 2019-09-26 | 2019-09-26 | 電動機 |
Publications (1)
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JP2019175988A Pending JP2021052568A (ja) | 2019-09-26 | 2019-09-26 | 電動機 |
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-
2019
- 2019-09-26 JP JP2019175988A patent/JP2021052568A/ja active Pending
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