JP2021033183A - 定着装置、画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】部品の追加によるコストの増大を抑制しつつ、定着装置における摺動部材に対する加圧部材のスリップの発生状況を判定する。【解決手段】定着装置48は、ヒーター51と、摺動部材53と、加圧部材6と、駆動装置と、温度センサー57と、制御部と、スリップ判定部と、を備える。前記温度センサー57は、前記摺動部材53の温度を計測する。前記制御部は、前記加圧部材6が停止した状態で前記ヒーター51を作動させた後に、前記駆動装置を動作させることにより前記加圧部材6を一定速度で回転させる。前記スリップ判定部は、前記加圧部材6が回転しているときの前記温度センサー57の計測温度のピークの時間間隔に基づいて前記摺動部材53に対する前記加圧部材6のスリップの発生状況を判定する。【選択図】図2
Description
本発明は、トナー像をシートに定着させる定着装置およびそれを備える画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置は、シートに転写されたトナー像を加熱および加圧する定着装置を備える。また、前記定着装置が、幅方向に沿って並ぶ複数の発熱体からなるヒーターと、前記ヒーターを内包する筒状の摺動部材と、前記摺動部材との間にシートが通過するニップを形成する加圧ローラーとを備える場合がある。
前記加圧ローラーが回転すると、前記摺動部材が従動回転し、前記摺動部材の内周面が前記ヒーターの表面に対してシート搬送方向へ摺動する。前記摺動部材の前記内周面には、潤滑剤が塗布されている。
前記摺動部材は、摩耗、前記潤滑剤の経時劣化、または前記摺動部材の前記内周面への異物の混入などの原因によって劣化する。前記摺動部材の劣化は、前記摺動部材と前記ヒーターとの間の摩擦抵抗の増大として現れる。
前記摺動部材と前記ヒーターとの間の摩擦抵抗が増大すると、前記摺動部材に対する前記加圧ローラーのスリップが発生する。このスリップは、画質不良を引き起こす。
また、前記定着装置において、前記加圧ローラーを駆動するモーターの起動トルクと前記モーターの起動後の駆動トルクとの差に基づいて、前記摺動部材の推定寿命を判断することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、前記定着装置において、前記加圧ローラーのスリップが発生しているか否かを判定することは、画質不良の回避のために重要である。
例えば、前記加圧ローラーのスリップの発生状況を検出するために、前記摺動部材の回転速度を機械的または光学的に計測する回転計測機構を設けることが考えられる。しかしながら、前記回転計測機構が設けられると、複数の追加部品とそれら複数の追加部品の機械的な調整とが必要となる。このことは、コスト面において好ましくない。
本発明の目的は、部品の追加によるコストの増大を抑制しつつ、定着装置における摺動部材に対する加圧部材のスリップの発生状況を判定できる定着装置および画像形成装置を提供することにある。
本発明の一の局面に係る定着装置は、シートの搬送路の定着位置において前記シート上のトナー像を加熱および加圧することにより前記トナー像を前記シートに定着させる装置である。前記定着装置は、ヒーターと、摺動部材と、加圧部材と、駆動装置と、温度センサーと、制御部と、スリップ判定部と、を備える。前記ヒーターは、前記定着位置においてシート搬送方向に直交する幅方向に沿って配置されている。前記摺動部材は、前記ヒーターを内包する筒状の部材であり、回転可能に支持され、回転することによって潤滑剤が塗布された内周面が前記ヒーターの表面に対し前記シート搬送方向に沿って摺動する。前記加圧部材は、回転可能に支持されるとともに前記ヒーターへ向けて付勢され、前記摺動部材との間に前記シートが通過するニップを形成する。前記駆動装置は、前記摺動部材を回転駆動する。前記温度センサーは、前記摺動部材の温度を計測する。前記制御部は、前記加圧部材が停止した状態で前記ヒーターを作動させた後に、前記駆動装置を動作させることにより前記加圧部材を一定速度で回転させる。前記スリップ判定部は、前記加圧部材が回転しているときの前記温度センサーの計測温度のピークの時間間隔に基づいて前記摺動部材に対する前記加圧部材のスリップの発生状況を判定する。
本発明の他の局面に係る画像形成装置は、シートにトナー像を転写する転写装置と、前記トナー像を前記シートに定着させる前記定着装置と、を備える。
本発明によれば、部品の追加によるコストの増大を抑制しつつ、定着装置における摺動部材に対する加圧部材のスリップの発生状況を判定できる定着装置および画像形成装置を提供することが可能になる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
[画像形成装置10の構成]
実施形態に係る画像形成装置10は、シート9に画像を形成するプリント処理を行う装置である。画像形成装置10は、電子写真方式で前記プリント処理を行う。シート9は、用紙またはシート状の樹脂部材などの画像形成媒体である。
実施形態に係る画像形成装置10は、シート9に画像を形成するプリント処理を行う装置である。画像形成装置10は、電子写真方式で前記プリント処理を行う。シート9は、用紙またはシート状の樹脂部材などの画像形成媒体である。
図1に示されるように、画像形成装置10は、本体部1内に設けられたシート搬送装置3およびプリント装置40と、制御装置8と、操作装置801と、表示装置802とを備える。
シート搬送装置3は、シート送出装置30および複数組の搬送ローラー対31を備える。シート送出装置30は、シート収容部2に収容されたシート9を本体部1内の搬送路300へ送り出す。
複数組の搬送ローラー対31は、モーターによって回転駆動され、シート9を挟んで回転することによってシート9を搬送路300に沿って搬送する。さらに、複数組の搬送ローラー対31は、シート9を搬送路300の出口から排出トレイ101へ排出する。以下の説明において、搬送路300に沿ってシート9が搬送される方向のことをシート搬送方向D1と称する。また、シート搬送方向D1に直交し、搬送路300に沿う方向のことを幅方向D2と称する。
プリント装置40は、シート搬送装置3によって搬送路300に沿って搬送されるシート9にトナー像を形成する。プリント装置40は、作像装置4、光走査装置46、転写装置47および定着装置48を備える。作像装置4は、ドラム状の感光体41、帯電装置42、現像装置43およびドラムクリーニング装置45などを含む。
図1に示される画像形成装置10は、タンデム式のカラー画像形成装置である。そのため、プリント装置40は、イエロー、シアン、マゼンタおよびブラックの4色のトナーに対応した4つの作像装置4を備える。さらに、転写装置47は、中間転写ベルト471と、4つの作像装置4に対応する4つのベルト転写装置472と、シート転写装置473と、ベルトクリーニング装置474とを備える。
作像装置4において、感光体41が回転し、帯電装置42が感光体41の表面を帯電させる。さらに、光走査装置46が、レーザー光の走査によって感光体41の表面に静電潜像を書き込む。感光体41は、像担持体の一例である。
さらに、現像装置43が、感光体41の表面にトナーを供給することにより、前記静電潜像をトナー像として現像する。
転写装置47は、搬送路300において前記トナー像をシート9に転写する。転写装置47において、ベルト転写装置472は、感光体41の表面の前記トナー像を中間転写ベルト471の表面へ転写する。これにより、中間転写ベルト471の表面にカラーの前記トナー像が形成される。
シート転写装置473は、搬送路300において、中間転写ベルト471に形成された前記トナー像をシート9に転写する。
なお、画像形成装置10が、モノクロ画像形成装置である場合、シート転写装置473が、搬送路300において感光体41上の前記トナー像をシート9へ転写する。
ドラムクリーニング装置45は、感光体41の表面に残存するトナーを除去する。ベルトクリーニング装置474は、中間転写ベルト471に残存するトナーを除去する。
定着装置48は、搬送路300の定着位置P1において、シート9に転写された前記トナー像を加熱および加圧することにより、前記トナー像をシート9に定着させる。
定着装置48は、加熱装置5、加圧ローラー6、モーター60およびモーター駆動回路61を備える。加熱装置5は、ヒーター51、支持部材52、摺動部材53およびヒーター給電回路50を備える。
摺動部材53は、筒状の可撓部材である。加圧ローラー6は、表層にゴムなどの弾性部材の層が形成されたローラーである。
ヒーター51は、定着位置P1において幅方向D2に沿って配置されている。例えば、ヒーター51は、幅方向D2に沿って並ぶ複数の発熱体によって構成されている。前記発熱体各々は、電力が供給されることによって発熱する。
支持部材52は、ヒーター51を支持する部材である。ヒーター51および支持部材52は、長手方向が幅方向D2に沿う状態で配置されている。ヒーター51は、摺動部材53を加熱する。
摺動部材53は、可撓性の筒状の部材である。即ち、摺動部材53は、無端のベルト状の部材である。例えば、摺動部材53は筒状のフィルム部材である。
摺動部材53は、ヒーター51および支持部材52を内包する状態で回転可能に支持されている。例えば、図2に示されるように、定着装置48は、円弧に沿う起立部55aを有する一対のガイド部材55を備える。
一対のガイド部材55は、それぞれの起立部55aが摺動部材53の内周面における幅方向D2の両端部に対向する状態で支持されている。これにより、一対のガイド部材55は、摺動部材53を回転可能に支持している。
摺動部材53が、ヒーター51および支持部材52の周囲で回転することより、摺動部材53の内周面がヒーター51の表面に対しシート搬送方向D1に沿って摺動する。摺動部材53の内周面には、潤滑剤54が塗布されている。
ヒーター51は、摺動部材53を加熱する。ヒーター51は、摺動部材53の内周面と接する基部材の一例である。即ち、ヒーター51は、摺動部材53を加熱する発熱部材であるとともに、前記基部材の内周面と接する前記基部材でもある。
加圧ローラー6は、ヒーター51へ向けて付勢された状態で回転可能に支持されている。例えば、加圧ローラー6は、不図示のバネによってヒーター51へ向けて付勢されている。シート9上の前記トナー像は、ヒーター51によって加熱され、加圧ローラー6によって加圧される。加圧ローラー6は加圧部材の一例である。
加圧ローラー6は、摺動部材53との間にシート9が通過するニップNp1を形成する。ニップNp1が形成される位置が定着位置P1である。
モーター60は、加圧ローラー6を回転駆動する駆動装置の一例である。モーター駆動回路61は、モーター60が予め定められた回転速度で一定に回転するように、モーター60に電力を供給する。これにより、加圧ローラー6が予め定められた一定の速度で回転する。例えば、モーター駆動回路61は、インバーター駆動回路である。
加圧ローラー6が回転することにより、摺動部材53は、加圧ローラー6に対して従動回転する。即ち、加圧ローラー6は、回転することによって摺動部材53を従動回転させる。
ヒーター給電回路50は、制御装置8からの指令に従って、ヒーター51に電力を供給する。さらに、ヒーター給電回路50は、制御装置8からの指令に従って、ヒーター51への給電量を調節する。
また、加熱装置5は、ヒーター51の温度を計測する定着温度センサー56をさらに備える。定着温度センサー56は、ヒーター51の温度を予め設定される目標温度に維持するためのフィードバック制御に用いられる温度センサーである。例えば、定着温度センサー56はサーミスタである。
定着温度センサー56は、定着位置P1の温度、即ち、ニップNp1の温度の代替指標となる温度を計測する。そのため、定着温度センサー56が、摺動部材53の温度を計測する位置に配置されてもよい。
操作装置801は、人の操作を受け付ける装置であり、例えば、操作ボタンおよびタッチパネルを含む。表示装置802は、情報を表示する装置であり、例えば、液晶表示ユニットなどのパネル表示装置を含む。
制御装置8は、各種のデータ処理と、シート搬送装置3、プリント装置40および表示装置802などの機器の制御とを実行する。
図3に示されるように、制御装置8は、CPU(Central Processing Unit)81と、RAM(Random Access Memory)82、二次記憶装置83および信号インターフェイス84などの周辺機器とを備える。
CPU81は、コンピュータープログラムを実行することにより、各種のデータ処理および制御を実行するプロセッサーである。RAM82は、コンピューター読み取り可能な揮発性の記憶装置である。RAM82は、CPU81が実行する前記コンピュータープログラムおよびCPU81が各種の処理を実行する過程で出力および参照するデータを一次記憶する。
CPU81は、前記コンピュータープログラムを実行することにより実現される複数の処理モジュールを含む。前記複数の処理モジュールは、主制御部8a、温度制御部8b、搬送制御部8cおよびプリント制御部8dなどを含む。
主制御部8aは、操作装置801に対する操作に応じて各種の処理を開始させる開始制御、および、表示装置802の制御などを実行する。
温度制御部8bは、定着温度センサー56の計測温度と予め設定される目標温度との比較に基づくフィードバック制御により加熱装置5への給電量を調節する。温度制御部8bは、ヒーター給電回路50を制御することにより、加熱装置5への給電量を調節する。
搬送制御部8cは、シート搬送装置3を制御する。プリント制御部8dは、シート9の搬送に同期して、プリント装置40に前記プリント処理を実行させる。
二次記憶装置83は、コンピューター読み取り可能な不揮発性の記憶装置である。二次記憶装置83は、前記コンピュータープログラムおよび各種のデータの記憶および更新が可能である。例えば、フラッシュメモリーまたはハードディスクドライブの一方または両方が、二次記憶装置83として採用される。
信号インターフェイス84は、定着温度センサー56などの各種のセンサーが出力する信号をデジタルデータへ変換し、変換後のデジタルデータをCPU81へ伝送する。さらに、信号インターフェイス84は、CPU81が出力する制御指令を制御信号へ変換し、前記制御信号を制御対象の機器へ伝送する。
定着装置48の摺動部材53は、摩耗、潤滑剤54の経時劣化、または摺動部材53の内周面への異物の混入などの原因によって劣化する。摺動部材53の劣化は、摺動部材53とヒーター51との間の摩擦抵抗の増大として現れる。
摺動部材53とヒーター51との間の摩擦抵抗が増大すると、摺動部材53に対する加圧ローラー6のスリップが発生する。このスリップは、画質不良を引き起こす。
ところで、定着装置48において、加圧ローラー6のスリップが発生しているか否かを判定することは、画質不良の回避のために重要である。
例えば、加圧ローラー6のスリップの発生状況を検出するために、摺動部材53の回転速度を機械的または光学的に計測する回転計測機構を設けることが考えられる。しかしながら、前記回転計測機構が設けられると、複数の追加部品とそれら複数の追加部品の機械的な調整とが必要となる。このことは、コスト面において好ましくない。
一方、本実施形態において、定着装置48は、図2に示されるリップル温度センサー57を備え、後述するスリップ判定処理を実行する。これにより、定着装置48は、部品の追加によるコストの増大を抑制しつつ、摺動部材53に対する加圧ローラー6のスリップの発生状況を判定できる。
リップル温度センサー57は、摺動部材53の温度を計測する温度センサーである。図2に示される例では、リップル温度センサー57は、ヒーター51を支持する支持部材52によって支持されている。
即ち、支持部材52は、摺動部材53の内側に配置され、ヒーター51およびリップル温度センサー57を支持する。図2に示されるように、リップル温度センサー57は、定着位置P1に対してシート搬送方向D1の上流側の位置で、摺動部材53の内周面に接する状態で、支持部材52により支持されている。この場合、リップル温度センサー57がサーミスタであることが考えられる。
後述するように、リップル温度センサー57は、前記スリップ判定処理において、摺動部材53に発生する温度ムラを計測するために用いられる。
摺動部材53が回転するときに、摺動部材53のニップNp1に沿う部分がシート搬送方向D1への外力を受ける。リップル温度センサー57が図2に示される位置に配置されることにより、摺動部材53におけるリップル温度センサー57に対向する部分が、前記外力によって摺動部材53の内側へ寄る。そのため、定着装置48は、摺動部材53をリップル温度センサー57へ付勢するための機構を必要としない。
また、本実施形態において、CPU81が前記コンピュータープログラムを実行することにより実現される前記複数の処理モジュールは、スリップ判定部8eをさらに含む。温度制御部8b、搬送制御部8cおよびスリップ判定部8eが前記スリップ判定処理を実行する。
なお、前記スリップ判定処理を実行する温度制御部8b、搬送制御部8cおよびスリップ判定部8eは、定着装置48の一部を構成している。
[スリップ判定処理]
スリップ判定部8eは、予め定められた調査開始条件が成立するときに、前記スリップ判定処理を開始させる。例えば、前記調査開始条件は、以下に示される第1開始条件および第2開始条件を含む。
スリップ判定部8eは、予め定められた調査開始条件が成立するときに、前記スリップ判定処理を開始させる。例えば、前記調査開始条件は、以下に示される第1開始条件および第2開始条件を含む。
前記第1開始条件は、操作装置801に対して予め定められたスリップ判定開始操作が行われたという条件である。
前記第2開始条件は、前回の前記スリップ判定処理が実行されてから予め定められた時間が経過しており、前記プリント処理のジョブが受け付けられていないという条件である。
以下の説明において、リップル温度センサー57により計測される温度のことをリップル計測温度と称する。
前記スリップ判定処理において、まず、加圧ローラー6が停止した状態で、温度制御部8bが、ヒーター給電回路50にヒーター51へ給電させることにより、ヒーター51を作動させる。これにより、ヒーター51は、摺動部材53における周方向の一部のみを加熱する。従って、摺動部材53における周方向の一部のみが高温となり、摺動部材53に温度ムラが生じる。
その後、予め定められたリップル計測開始条件が成立したときに、搬送制御部8cが、モーター駆動回路61を通じてモーター60を動作させることにより、加圧ローラー6を一定速度で回転させる。例えば、前記リップル計測開始条件は、以下に示される第1計測開始条件または第2計測開始条件であることが考えられる。
前記第1計測開始条件は、定着温度センサー56の計測温度が予め定められた基準温度に到達したという条件である。前記基準温度は、定着装置48の周囲の温度よりも十分高い温度である。
例えば、前記基準温度が、シート9が定着位置P1を通過するときに設定される前記目標温度から前記目標温度に対して50度程度低い温度までの範囲内であることが考えられる。
前記第2計測開始条件は、ヒーター51を作動させてから予め定められた時間が経過したという条件である。
前記リップル計測開始条件の成立によって加圧ローラー6が一定速度で回転すると、摺動部材53が従動回転し、摺動部材53における局所的高温部が、周期的にリップル温度センサー57の位置を通過する。
従って、図4に示されるように、前記リップル計測温度が、前記局所的高温部の通過に同期して周期的に変動する。図4のグラフは、前記リップル計測開始条件の成立によって加圧ローラー6が回転しているときも、ヒーター51が継続して作動する場合の前記リップル計測温度の変化を示す。
なお、前記リップル計測開始条件の成立によって加圧ローラー6が回転しているときに、温度制御部8bが、ヒーター51への給電を停止することも考えられる。本実施形態において、温度制御部8bおよび搬送制御部8cは、加圧ローラー6が停止した状態でヒーター51を作動させた後に、モーター60を動作させることにより加圧ローラー6を一定速度で回転させる制御部の一例である。
そして、スリップ判定部8eは、加圧ローラー6が一定速度で回転しているときの前記リップル計測温度のピークPk1,Pk2を検出する。前記リップル計測温度のピークPk1,Pk2は、前記リップル計測温度のトップピークPk1およびボトムピークPk2を含む。
トップピークPk1は、摺動部材53の前記局所的高温部がリップル温度センサー57の位置を通過するときに発生し、ボトムピークPk2は、摺動部材53における前記局所的高温部から最も離れた部分がリップル温度センサー57の位置を通過するときに発生する。
以下の説明において、トップピークPk1の時間間隔のことを第1ピーク時間間隔Ts1と称する。また、あるトップピークPk1とそのトップピークPk1の次に発生するボトムピークPk2との時間間隔、および、あるボトムピークPk2とそのボトムピークPk2の次に発生するトップピークPk1との時間間隔のことを第2ピーク時間間隔Ts2と称する。
第1ピーク時間間隔Ts1は、摺動部材53が1回転するのに要した時間である。第2ピーク時間間隔Ts2は、摺動部材53が半回転するのに要した時間である。
スリップ判定部8eは、第1ピーク時間間隔Ts1または第2ピーク時間間隔Ts2に基づいて実績ピーク周期を導出する。例えば、スリップ判定部8eは、複数の第1ピーク時間間隔Ts1の代表値、または、複数の第2ピーク時間間隔Ts2の代表値を、前記実績ピーク周期として導出する。前記代表値は、平均値または中央値などである。
前記実績ピーク周期は、加圧ローラー6が一定速度で回転しているときのリップル温度センサー57の計測温度のピークの時間間隔の一例である。
さらに、スリップ判定部8eは、前記実績ピーク周期に基づいて摺動部材53に対する加圧ローラー6のスリップの発生状況を判定する。
具体的には、スリップ判定部8eは、前記実績ピーク周期が予め定められた基準範囲内である場合に、加圧ローラー6の前記スリップが発生していないと判定し、前記実績ピーク周期が前記基準範囲から外れる場合に、加圧ローラー6の前記スリップが発生していると判定する。
ここで、摺動部材53が、一定速度で回転する加圧ローラー6の周速度と同じ周速度で回転する場合に、摺動部材53が1回転するのに要する時間のことを基準回転時間と称する。
前記実績ピーク周期が複数の第1ピーク時間間隔Ts1の代表値である場合、前記基準範囲は、前記基準回転時間を基準にした許容誤差範囲である。
一方、前記実績ピーク周期が複数の第2ピーク時間間隔Ts2の代表値である場合、前記基準範囲は、前記基準回転時間の半分の時間を基準にした許容誤差範囲である。
スリップ判定部8eは、加圧ローラー6の前記スリップが発生していると判定する場合に、予め定められた通知処理を実行する。
例えば、前記通知処理は、摺動部材53の交換準備または交換を促すメッセージを表示装置802に表示させる処理である。
さらに、スリップ判定部8eは、加圧ローラー6の前記スリップが発生状況の判定結果と、その判定結果が得られた日時の情報を含む判定記録情報を、二次記憶装置83に記憶させる。
前記判定記録情報は、例えば前記第2開始条件の成否の判定が行われるときに、前回の前記スリップ判定処理が行われてからの経過時間の判定のために用いられる。
また、制御装置8が、通電の停止または休止状態への移行の後に再起動した場合に、スリップ判定部8eは、前記判定記録情報を参照する。そして、スリップ判定部8eは、前記判定記録情報が前記スリップの発生を表す場合に、前記通知処理を実行する。
本実施形態において、定着装置48は、1つのリップル温度センサー57が追加されるだけで、摺動部材53に対する加圧ローラー6のスリップの発生状況を判定できる。
[第1応用例]
以下、定着装置48の第1応用例について説明する。
以下、定着装置48の第1応用例について説明する。
本応用例において、リップル温度センサー57が、定着温度センサー56を兼ねる。前述したように、定着温度センサー56は、シート9が定着位置P1を通過する場合に前記目標温度との比較に基づくヒーター51への給電量のフィードバック制御に用いられる温度を計測するセンサーである。
本応用例が採用される場合、前記スリップの発生状況の判定のために温度センサーの追加も不要である。
[第2応用例]
以下、定着装置48の第2応用例について説明する。
以下、定着装置48の第2応用例について説明する。
本応用例において、リップル温度センサー57は、非接触式の温度センサーである。この場合、リップル温度センサー57は、摺動部材53の内側および外側のいずれに配置されてもよい。例えば、サーモパイルが、リップル温度センサー57として採用されることが考えられる。
本応用例が採用される場合も、定着装置48が採用される場合と同様の効果が得られる。
[第3応用例]
以下、定着装置48の第3応用例について説明する。本応用例において、リップル温度センサー57は、摺動部材53の外側に配置され、摺動部材53の外周面に接している。
以下、定着装置48の第3応用例について説明する。本応用例において、リップル温度センサー57は、摺動部材53の外側に配置され、摺動部材53の外周面に接している。
また、本応用例において、定着装置48は、リップル温度センサー57を摺動部材53および摺動部材53の内側の支持部材52へ向けて弾性付勢する弾性部材を備える。前記弾性部材は、例えばバネである。
本応用例において、リップル温度センサー57は、前記弾性部材の付勢力により、支持部材52との間に摺動部材53の一部を挟み込む。これにより、リップル温度センサー57は、摺動部材53の温度を計測することができる。
本応用例が採用される場合も、定着装置48が採用される場合と同様の効果が得られる。
1 :本体部
2 :シート収容部
3 :シート搬送装置
4 :作像装置
5 :加熱装置
6 :加圧ローラー
8 :制御装置
8a :主制御部
8b :温度制御部
8c :搬送制御部
8d :プリント制御部
8e :スリップ判定部
9 :シート
10 :画像形成装置
30 :シート送出装置
31 :搬送ローラー対
40 :プリント装置
41 :感光体
42 :帯電装置
43 :現像装置
45 :ドラムクリーニング装置
46 :光走査装置
47 :転写装置
48 :定着装置
50 :ヒーター給電回路
51 :ヒーター
52 :支持部材
53 :摺動部材
54 :潤滑剤
55 :ガイド部材
55a :起立部
56 :定着温度センサー
57 :リップル温度センサー
60 :モーター
61 :モーター駆動回路
81 :CPU
82 :RAM
83 :二次記憶装置
84 :信号インターフェイス
101 :排出トレイ
300 :搬送路
471 :中間転写ベルト
472 :ベルト転写装置
473 :シート転写装置
474 :ベルトクリーニング装置
801 :操作装置
802 :表示装置
D1 :シート搬送方向
D2 :幅方向
Np1 :ニップ
P1 :定着位置
Pk1 :トップピーク
Pk2 :ボトムピーク
Ts1 :第1ピーク時間間隔
Ts2 :第2ピーク時間間隔
2 :シート収容部
3 :シート搬送装置
4 :作像装置
5 :加熱装置
6 :加圧ローラー
8 :制御装置
8a :主制御部
8b :温度制御部
8c :搬送制御部
8d :プリント制御部
8e :スリップ判定部
9 :シート
10 :画像形成装置
30 :シート送出装置
31 :搬送ローラー対
40 :プリント装置
41 :感光体
42 :帯電装置
43 :現像装置
45 :ドラムクリーニング装置
46 :光走査装置
47 :転写装置
48 :定着装置
50 :ヒーター給電回路
51 :ヒーター
52 :支持部材
53 :摺動部材
54 :潤滑剤
55 :ガイド部材
55a :起立部
56 :定着温度センサー
57 :リップル温度センサー
60 :モーター
61 :モーター駆動回路
81 :CPU
82 :RAM
83 :二次記憶装置
84 :信号インターフェイス
101 :排出トレイ
300 :搬送路
471 :中間転写ベルト
472 :ベルト転写装置
473 :シート転写装置
474 :ベルトクリーニング装置
801 :操作装置
802 :表示装置
D1 :シート搬送方向
D2 :幅方向
Np1 :ニップ
P1 :定着位置
Pk1 :トップピーク
Pk2 :ボトムピーク
Ts1 :第1ピーク時間間隔
Ts2 :第2ピーク時間間隔
Claims (6)
- シートの搬送路の定着位置において前記シート上のトナー像を加熱および加圧することにより前記トナー像を前記シートに定着させる定着装置であって、
前記定着位置においてシート搬送方向に直交する幅方向に沿って配置されたヒーターと、
前記ヒーターを内包する筒状の部材であり、回転可能に支持され、回転することによって潤滑剤が塗布された内周面が前記ヒーターの表面に対し前記シート搬送方向に沿って摺動する摺動部材と、
回転可能に支持されるとともに前記ヒーターへ向けて付勢され、前記摺動部材との間に前記シートが通過するニップを形成する加圧部材と、
前記摺動部材を回転駆動する駆動装置と、
前記摺動部材の温度を計測する温度センサーと、
前記加圧部材が停止した状態で前記ヒーターを作動させた後に、前記駆動装置を動作させることによって前記加圧部材を一定速度で回転させる制御部と、
前記加圧部材が回転しているときの前記温度センサーの計測温度のピークの時間間隔に基づいて前記摺動部材に対する前記加圧部材のスリップの発生状況を判定するスリップ判定部と、を備える定着装置。 - 前記摺動部材の内側に配置され、前記ヒーターおよび前記温度センサーを支持する支持部材をさらに備え、
前記温度センサーは、前記定着位置に対して前記シート搬送方向の上流側の位置で、前記摺動部材の前記内周面に接する状態で、前記支持部材により支持されている、請求項1に記載の定着装置。 - 前記スリップ判定部は、前記ピークの時間間隔が予め定められた基準範囲内である場合に前記加圧部材のスリップが発生していないと判定し、前記ピークの時間間隔が前記基準範囲から外れる場合に前記加圧部材のスリップが発生していると判定する、請求項1または請求項2に記載の定着装置。
- 前記スリップ判定部は、前記加圧部材のスリップが発生していると判定する場合に、予め定められた通知処理を実行する、請求項3に記載の定着装置。
- 前記温度センサーが、前記シートが前記定着位置を通過する場合に目標温度との比較に基づく前記ヒーターへの給電量のフィードバック制御に用いられる温度を計測するセンサーを兼ねる、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の定着装置。
- シートにトナー像を転写する転写装置と、
前記トナー像を前記シートに定着させる請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の定着装置と、
を備える画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019156248A JP2021033183A (ja) | 2019-08-29 | 2019-08-29 | 定着装置、画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2019156248A JP2021033183A (ja) | 2019-08-29 | 2019-08-29 | 定着装置、画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021033183A true JP2021033183A (ja) | 2021-03-01 |
Family
ID=74675752
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2019156248A Pending JP2021033183A (ja) | 2019-08-29 | 2019-08-29 | 定着装置、画像形成装置 |
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Citations (8)
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-
2019
- 2019-08-29 JP JP2019156248A patent/JP2021033183A/ja active Pending
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