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JP2021031913A - 農業用排水装置およびその制御方法 - Google Patents

農業用排水装置およびその制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】仕切体が耕作土で固まることに起因する動作不良を低減できる農業用排水装置を提供する。【解決手段】農業用排水装置は、上下動することで排水高さを設定可能な仕切体を備える排水部と、仕切体を上下動させる電動アクチュエータとを備える。アクチュエータ制御部は、排水高さの設定変更に基づいて仕切体を移動させる動作(S7)とは別に、間欠的に、仕切体を設定位置から移動させて設定位置に戻す変位動作(S11,S13)を電動アクチュエータに実行させる。【選択図】図6

Description

この発明は、農業用排水装置およびその制御方法に関し、特にたとえば、圃場からの排水を制御する農業用排水装置およびその制御方法に関する。
従来の農業用排水装置を備える圃場水管理システム(給排水システム)の一例が特許文献1に開示される。特許文献1の技術では、給水バルブおよび排水部(落水口)のそれぞれに、これらの可動部を駆動する電動アクチュエータを取り付けることで、圃場の用水管理を遠隔操作または自動制御で行うことを可能としている。
特開2017−193914号公報
水稲の用水管理においては、主として給水バルブからの給水量を制御することで圃場の水位を所望高さに保つので、排水部を稼働させる頻度は低い。このため、排水部の可動部である仕切体が耕作土で固まり、農業用排水装置に動作不良が起こり易いという問題がある。
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、農業用排水装置およびその制御方法を提供することである。
この発明の他の目的は、仕切体が耕作土で固まることに起因する動作不良を低減できる、農業用排水装置およびその制御方法を提供することである。
第1の発明は、圃場からの排水を制御する農業用排水装置であって、上下動することで排水高さを設定可能な仕切体を備える排水部、仕切体を上下動させる駆動機構を備える電動アクチュエータ、および電動アクチュエータの動作を制御するアクチュエータ制御部を備え、アクチュエータ制御部は、排水高さの指定に基づいて仕切体が所定の設定位置に固定されている際に、排水高さの設定変更に基づいて仕切体を移動させる動作とは別に、間欠的に、当該仕切体を設定位置から移動させて当該設定位置に戻す変位動作を電動アクチュエータに実行させる、農業用排水装置である。
第1の発明では、農業用排水装置は、圃場からの排水を制御する装置であって、排水高さを設定可能な仕切体を備える落水口などの排水部と、仕切体を上下動させる駆動機構を備える電動アクチュエータとを備える。電動アクチュエータの動作を制御するアクチュエータ制御部は、排水高さの設定変更に基づいて仕切体を移動させる動作とは別に、間欠的に、たとえば1日に1回などの設定時間がくるごとに、仕切体を設定位置から移動させて設定位置に戻す変位動作を電動アクチュエータに実行させる。
第1の発明によれば、仕切体を移動させて元の位置に戻す変位動作を間欠的に実行するので、仕切体が耕作土で固まることに起因する農業用排水装置の動作不良を低減できる。
第2の発明は、第1の発明に従属し、アクチュエータ制御部は、電動アクチュエータに変位動作を実行させるとき、仕切体の可動域の全域に亘って仕切体を上下動させるように当該電動アクチュエータを制御する。
第2の発明によれば、可動域の全域に亘って仕切体を上下動させるので、仕切体が耕作土で固まることをより好適に防止できる。
第3の発明は、第1の発明に従属し、アクチュエータ制御部は、電動アクチュエータに変位動作を実行させるとき、仕切体を設定位置から上方向にだけ移動させた後、当該設定位置に戻すように電動アクチュエータを制御する。
第3の発明によれば、設定位置よりも上側において仕切体を変位させるので、圃場に溜めた用水の流出を防止しつつ、仕切体が耕作土で固まることを防止できる。
第4の発明は、第1の発明に従属し、アクチュエータ制御部は、電動アクチュエータに変位動作を実行させるとき、仕切体を設定位置から上下の所定範囲に移動させた後、当該設定位置に戻すように当該電動アクチュエータを制御する。
第4の発明によれば、設定位置から上下の所定範囲にだけ仕切体を移動させるので、圃場に溜めた用水の流出を抑制しつつ、仕切体が耕作土で固まることを防止できる。
第5の発明は、上下動することで排水高さを設定可能な仕切体を備える排水部と、仕切体を上下動させる駆動機構を備える電動アクチュエータとを備える農業用排水装置の制御方法であって、排水高さの指定に基づいて仕切体が所定の設定位置に固定されている際に、排水高さの設定変更に基づいて仕切体を移動させる動作とは別に、間欠的に、当該仕切体を設定位置から移動させて当該設定位置に戻す変位動作を当該電動アクチュエータに実行させる、農業用排水装置の制御方法である。
第5の発明によれば、第1の発明と同様の作用効果を奏し、仕切体が耕作土で固まることに起因する農業用排水装置の動作不良を低減できる。
この発明によれば、仕切体を移動させて元に戻す変位動作を間欠的に実行するので、仕切体が耕作土で固まってしまうことに起因する農業用排水装置の動作不良を低減できる。
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う後述の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
この発明の一実施例である農業用排水装置を用いた圃場水管理システムを示す図解図である。 農業用排水装置の内部構造を示す図解図である。 農業用排水装置が備える電動アクチュエータの内部構造を示す図解図である。 農業用排水装置が備えるアダプタを示す図解図である。 電動アクチュエータの電気的構成を示すブロック図である。 農業用排水装置において実行される仕切体の移動制御処理の一例を示すフロー図である。
図1を参照して、この発明の一実施例である農業用排水装置10(以下、単に「排水装置10」と言う。)は、圃場102からの排水を制御する装置であって、落水口などの排水部12と、排水部12に取り付けられる電動アクチュエータ14とを備える。この実施例では、排水装置10は、圃場102への給水を制御する農業用給水装置20(以下、単に「給水装置20」と言う。)と共に、圃場水管理システム100(以下、単に「システム100」と言う。)を構成する。
先ず、排水装置10の具体的な説明の前に、システム100について簡単に説明する。図1に示すように、システム100は、排水装置10と給水装置20とを備える。システム100は、排水装置10および給水装置20のそれぞれに設けられる電動アクチュエータ14,24を用いて、圃場102の用水管理(給排水)を遠隔操作または予め記憶されたプログラムに基づく自動制御などによって行う。
給水装置20は、圃場102への給水を制御するための装置であって、給水栓(給水バルブ)22と電動アクチュエータ24とを備える。この実施例では、給水栓22として、一般的に広く普及している、弁軸の軸回転に伴い弁軸及び弁体が上下動する方式の給水栓を用いている。また、電動アクチュエータ24としては、後述する排水装置10が備える電動アクチュエータ14と同様の構成のものが用いられる。給水栓22は、たとえば給水桝104内に配置されて、用水パイプライン106から分岐して圃場102内まで延びる分岐管108の下流側端部に取り付けられる。そして、給水栓22の上には、電動アクチュエータ24が取り付けられ、この電動アクチュエータ24によって給水栓22の可動部(弁軸および弁体)が上下動される。
一方、排水装置10は、圃場102からの排水を制御するための装置であって、排水部12と電動アクチュエータ14とを備える。この実施例では、排水部12として、水位設定機能を有する落水口が用いられる。排水部12は、たとえば排水桝110内に配置され、排水路112まで延びる排水管114の上流側端部に取り付けられる。そして、排水部12には、後述するアダプタ16を介して電動アクチュエータ14が取り付けられ、この電動アクチュエータ14によって排水部12の仕切体32が上下動される。なお、排水部12および電動アクチュエータ14を含む排水装置10の具体的構成については後述する。
また、図示は省略するが、圃場102には、圃場水位を検出する超音波センサ等の水位センサ、気温を検出する温度センサ、気圧を検出する圧力センサ、土壌水分を検出する土壌水分センサ等のセンサ68(図5参照)が適宜設けられる。各センサ68は、配線などを介して電動アクチュエータ14,24と接続され、各センサ68で検出された圃場水位や気温などのセンサ情報は、電動アクチュエータ14,24の制御部に入力される。ただし、全ての電動アクチュエータ14,24に対して同種のセンサが接続される必要はなく、接続されるセンサの種類および数などが電動アクチュエータ14,24によって異なっていてもよいし、排水装置10および給水装置20のいずれか一方が備える電動アクチュエータ14,24にのみ、センサを接続することもできる。
また、この実施例では、システム100は、複数の耕作区を含むシステムとなっている。各耕作区に設置される排水装置10および給水装置20のそれぞれに取り付けられる電動アクチュエータ14,24は、特定小電力無線規格に従った無線通信方法によって中継機120と無線通信可能に接続される。そして、各電動アクチュエータ14,24は、この中継機120およびインターネット等のネットワークを経由して、ユーザが所有するスマートフォン、タブレット端末、PDAおよびPCのような遠隔操作端末と無線通信可能に接続される。
なお、この無線通信においては、クラウドコンピューティングを利用するとよい。たとえば、各電動アクチュエータ14,24で取得された情報(仕切体32の設定位置および弁体の開度などの排水装置10および給水装置20の状態に関する情報、および圃場102の水位や気温などのセンサ情報など)をクラウドサーバに随時送信して記憶しておく。ユーザは、遠隔操作端末からクラウドサーバにアクセスすることで、各電動アクチュエータ14,24で取得された情報を確認し、遠隔操作端末を用いて各電動アクチュエータ14,24を遠隔操作することで、圃場102の用水管理を行うことができる。
以下、排水装置10が備える排水部12および電動アクチュエータ14の構成について説明する。なお、上述のように、給水装置20が備える電動アクチュエータ24も電動アクチュエータ14と同様の構成を有している。
図1および図2に示すように、排水部12は、短円筒状のゴム製の受枠部材30と、受枠部材30に嵌入されて、受枠部材30によって上下動可能に支持される円筒状の仕切体(堰体)32とを備える。この仕切体32の上端開口は、排水口として機能する。そして、仕切体32に対して上下方向(軸方向)に力が加えられると、仕切体32が上下動して、排水口が任意の高さに調整される。すなわち、排水部12は、上下動することで排水高さを設定可能な仕切体32を備える。
図2および図3に示すように、電動アクチュエータ14は、排水部12の仕切体32を上下動させるための装置であって、円筒状の本体ケース40を備える。本体ケース40の大きさ、形状および材質などは、後述する内部機構を収容可能なものであれば特に限定されないが、この実施例では、呼び径が150mmの硬質ポリ塩化ビニル製の短管および管継手を組み合わせることによって本体ケース40を形成している。
本体ケース40の上には、太陽電池パネル42が着脱可能に取り付けられる。太陽電池パネル42は、屈曲板状の保持体44によって所定角度となるように支持される。
また、本体ケース40の内部には、電子基板46、アンテナ48および蓄電池50、並びにモータ52およびメインギア54等を含む駆動機構が収容される。電子基板46には、CPU90およびメモリ92等を含む制御部64、および他の機器と無線通信を行うための無線通信部66(図5参照)などが配設される。
蓄電池50は、太陽電池パネル42によって発電された電力を蓄電する。モータ52は、蓄電池50に蓄えられた電力によって駆動される。このモータ52の出力軸52aの先端部には、小ギア56が設けられており、メインギア54は、この小ギア56と連結されることで、モータ52からの駆動力を受けて軸線回りに回転する。
この実施例では、モータ52としてエンコーダ付きのモータが用いられる。モータ52のエンコーダは、出力軸52aの回転方向および回転数に応じたパルス信号を制御部64(CPU90)に出力する。制御部64は、エンコーダから入力されたパルス信号、つまり出力軸52aの回転方向および回転数に基づいて、排水装置10の仕切体32の位置を算出する。すなわち、エンコーダは、仕切体32の位置を検出する位置検出部として用いられる。ただし、位置検出部として機能するエンコーダは、必ずしもモータ52に設けられる必要はなく、エンコーダをメインギア54に設けて、メインギア54の回転方向および回転数に基づいて、仕切体32の位置を算出することもできる。
メインギア54は、両ボス型のギアであり、メインギア54の軸部には、略円柱状の回転軸58が挿通される。この回転軸58の下端部には、アダプタ16の連結軸74の上端部と連結されるカップリング部58aが形成される。また、メインギア54の軸部の内周面には、軸方向に沿って延びるキー溝54aが形成され、回転軸58の外周面には、キー溝54aと嵌合される滑りキー58bが軸方向に沿って延びるように形成される。これによって、回転軸58は、メインギア54が回転すると共に回転し、かつメインギア54の軸部に対して軸方向に摺動可能となる。
また、本体ケース40の外側面には、手動(電動手動)でモータ52を駆動させるための操作パネル60が設けられる。操作パネル60には、電源ボタン、上昇ボタンおよび下降ボタンなどの操作ボタン、並びに電動アクチュエータ14の動作モード(遠隔モード、自動モードまたは手動モード等)を切り替えるための選択ボタン等が適宜設けられる。この操作パネル60には、各センサ68から延びる配線を接続するための接続端子なども設けられる。また、本体ケース40の下端部には、回転軸58などの動作確認および清掃などの維持管理作業を行うための点検口62が形成される。
排水部12に電動アクチュエータ14を取り付ける際には、アダプタ16が用いられる。上述のように、排水部12の仕切体32は、上下動可能に設けられているだけであり、それ自体は回転力を受けても上下動しない。このため、電動アクチュエータ14の回転軸58の回転力は、上下方向(軸方向)の力に変換して、仕切体32に伝達する必要がある。そこで、ねじ機構によって上下動する可動部76をアダプタ16に設け、この可動部76を介して回転軸58と仕切体32とを連結するようにしている。
具体的には、図2および図4に示すように、アダプタ16は、排水桝110上に電動アクチュエータ14を載置するための平板状の台座70を備える。台座70の中央部には、挿通孔が形成され、この挿通孔に円筒状の保持部72が設けられる。この保持部72には、電動アクチュエータ14の回転軸58と連結される連結軸74の上部が回転可能に挿通される。また、連結軸74の下部74aの外周面には、雄ねじが形成され、この連結軸74の下部74aには、内周面に雌ねじが形成された円筒状の可動部76が螺合されている。この可動部76には、可動部76に対して仕切体32を連結固定するための固定部78が設けられる。さらに、可動部76が連結軸74と共に回転(連れ回り)することを防止するための棒状の回り止め部80が、固定部78と台座70とを連結するように設けられる。このようなアダプタ16において、連結軸74に対して軸線回りの回転力が加えられると、送りねじ機構によって可動部76および固定部78が上下動する。
アダプタ16を用いて排水部12に電動アクチュエータ14を取り付けるときには、排水桝110の上端部に台座70を取り付けると共に、仕切体32に対して固定部78の端部をボルト止めする。また、台座70上に電動アクチュエータ14を載置して台座70と本体ケース40の底壁とをボルト止めすると共に、連結軸74の上端部を回転軸58のカップリング部58aに対して回転不可に連結する。
図5は、電動アクチュエータ14の電気的構成を示すブロック図である。電動アクチュエータ14は、CPU90およびメモリ92を含む制御部(アクチュエータ制御部)64を備える。CPU90には、メモリ92の他、モータ52、操作パネル60、無線通信部66、センサ68およびRTC94等が接続される。
CPU90は、プロセッサとも呼ばれ、電動アクチュエータ14(延いては排水装置10)の全体制御を司る。メモリ92は、ROM、RAMおよびHDDなどを包括的に示したものであり、電動アクチュエータ14の動作を制御する制御プログラムを記憶したり、CPU90が動作する際のワークエリアとして機能したりする。
メモリ92に記憶される制御プログラムには、外部機器との間でデータおよびコマンド等を送受信するための通信プログラム、エンコーダからの入力信号に基づき仕切体32の位置を算出する位置算出プログラム、およびモータ52を駆動制御して仕切体32を所望位置に上下動させる移動制御プログラム等が含まれる。また、メモリ92には、制御プログラムの実行に必要な仕切体32の位置データ等のデータが記憶されたり、制御プログラムの実行に必要なタイマ(カウンタ)およびフラグが設けられたりする。
操作パネル60は、手動(電動手動)による操作を受け付けるユーザインターフェイスであって、電源ボタン、仕切体32を上下動させるための操作ボタン、および動作モード切り替えるための選択ボタン等を含む。無線通信部66は、アンテナ48を介して中継機120と無線通信し、この中継機120を経由してクラウドサーバおよびユーザが所有する遠隔操作端末などの外部機器と無線通信を行う。センサ68は、圃場環境を測定するセンサの総称であり、水位センサ、温度センサ、圧力センサ、土壌水分センサ等を含む。RTC(リアルタイムクロック)94は、時間(西暦、月日および時刻(時分秒)を含む)をカウントする時計回路である。RTC94では、カレンダー機能によって曜日を知ることもできる。
このような排水装置10では、たとえば、ユーザが遠隔操作端末を用いてクラウドサーバにアクセスし、排水部12における排水高さ(仕切体32の上端開口の高さ位置)を変更するための操作指示を送信すると、この操作指示に応じた制御信号がクラウドサーバから電動アクチュエータ14に対して送信される。電動アクチュエータ14のCPU90は、受信した制御信号に応じてモータ52を駆動させる。このモータ52の駆動力は、メインギア54に伝達されて、メインギア54および回転軸58が回転する。これにより、回転軸58に固定的に連結されたアダプタ16の連結軸74に対して、回転力が付与される。連結軸74に対して軸線回りの回転力が加えられると、連結軸74と可動部76との送りねじ機構によって可動部76が上下動し、これに伴い、可動部76に連結固定された仕切体32が所定の高さ位置に移動される。
なお、給水装置20においても同様に、ユーザが遠隔操作端末を用いて操作指示を送信すると、電動アクチュエータ24のCPUは、操作指示に応じてモータを駆動制御し、給水栓22の弁体を全開位置および全閉位置などに移動させる。
上述のような排水装置10および給水装置20を備えるシステム100を圃場102に導入することにより、圃場102の用水管理にかかる労力を大幅に低減できる。しかし、水稲の用水管理においては、給水装置20の給水栓22と比較して、排水装置10の排水部12を稼働させる頻度が低い。このため、受枠部材30と仕切体32との間に入り込んだ耕作土が固まることで仕切体32が固定され(または動き難くなり)、排水装置10に動作不良が生じてしまうという問題があった。
そこで、この実施例では、排水高さの指定に基づいて仕切体32が所定の設定位置に固定されている際に、排水高さの設定変更に基づいて仕切体32を移動させる動作とは別に、間欠的に、仕切体32を設定位置から移動させて設定位置に戻す変位動作を電動アクチュエータ14に実行させるようにした。
具体的には、ユーザ(またはシステム管理者)が「毎日18時」などと予め設定した仕切体32を上下動させる時間(日付および時刻)をメモリ92等に記憶しておき、その設定時間がくるごとに、仕切体32の可動域の全域に亘って仕切体32が上下動するように電動アクチュエータ14を作動させる。すなわち、仕切体32を設定位置から上限位置(または下限位置)まで移動させた後、下限位置(または上限位置)まで移動させ、その後、設定位置に戻す。このように、仕切体32の可動域の全域に亘って仕切体32を間欠的に上下動させることで、受枠部材30と仕切体32との間に入り込んだ耕作土が固まることが適切に防止される。
なお、仕切体32を上下動させる頻度は、特に限定されず、「毎週月曜日の9時」或いは「毎月1日の18時」などと設定されても構わないが、耕作土によって仕切体32が固まってしまうことを確実に防止するためには、1日に1回は仕切体32を上下動させることが好ましい。
このような排水装置10における動作は、電動アクチュエータ14のCPU90が、メモリ92に記憶された制御プログラムを実行することによって実現される。図6は、CPU90による仕切体32の移動制御処理の一例を示すフロー図である。
図6に示すように、この移動制御処理を開始すると、電動アクチュエータ14のCPU90は、先ず、ステップS1において、排水高さの指定に基づき仕切体32を設定位置に固定する。たとえば、ユーザが排水部12の排水高さを15cmとする旨の操作指示をクラウドサーバに送信すると、排水装置10の電動アクチュエータ14に制御信号が送信される。クラウドサーバからの制御信号を無線通信部66が受信すると、CPU90は、その制御信号に基づいてモータ52を駆動制御し、仕切体32の上端開口の高さ位置が圃場102の地表面から15cmとなる位置まで仕切体32を移動させ、この位置で仕切体32を停止させる。次のステップS3では、仕切体32の設定位置をメモリ92等に記憶し、ステップS5に進む。
ステップS5では、排水高さの設定変更があるかどうかを判断する。すなわち、クラウドサーバから排水部12の排水高さを変更する旨の制御信号を受信したか否かを判断する。ステップS5で“N0”のとき、つまり排水高さの設定変更がない場合は、ステップS11に進む。一方、ステップS5で“YES”のとき、つまり排水高さの設定変更がある場合は、ステップS7に進む。ステップS7では、排水高さの設定変更に基づき、仕切体32を移動させる。たとえば、排水高さを10cmとする旨の制御信号を無線通信部66が受信すると、CPU90は、モータ52を駆動制御して、仕切体32をその位置まで移動させて停止させる。次のステップS9では、変更後の仕切体32の設定位置をメモリ92等に記憶し、ステップS11に進む。
ステップS11では、設定時間になったかどうかを判断する。すなわち、CPU90は、RTC94等を参照して、メモリ92等に記憶されている設定時間(たとえば18時)になったかどうかを判断する。ステップS11で“N0”のとき、つまり設定時間になっていない場合は、ステップS15に進む。一方、ステップS11で“YES”のとき、つまり設定時間になった場合は、ステップS13に進む。
ステップS13では、仕切体32の変位動作を実行する。すなわち、CPU90は、モータ52に制御信号を送信してモータ52を駆動制御し、仕切体32を設定位置から上限位置まで移動させた後、下限位置まで移動させ、その後、設定位置に戻す。ステップS13の処理が終了すると、ステップS15に進む。
ステップS15では、この移動制御処理を終了するかどうかを判断する。たとえば、CPU90は、この仕切体32の固化防止のための変位動作を使用しないモードに設定変更された場合に、この移動制御処理を終了すると判断する。ステップS15で“N0”のとき、つまり移動制御処理を終了しない場合は、ステップS5に戻る。一方、ステップS15で“YES”のときは、この移動制御処理を終了する。
以上のように、この実施例によれば、排水高さの設定変更に基づいて仕切体32を移動させる動作とは別に、仕切体32を設定位置から移動させて設定位置に戻す変位動作を電動アクチュエータ14に間欠的に実行させるようにしたので、受枠部材30と仕切体32との間に入り込んだ耕作土が固まってしまうことが防止される。したがって、仕切体32が耕作土で固まることに起因する排水装置10の動作不良を低減できる。
また、この実施例によれば、仕切体32の変位動作の際に、仕切体32の可動域の全域に亘って仕切体32を上下動させるので、仕切体32の可動域の全域において耕作土の固化が防止され、仕切体32が耕作土で固まることに起因する排水装置10の動作不良をより好適に低減できる。
なお、上述の実施例では、電動アクチュエータ14に仕切体32の変位動作を実行させる際に、仕切体32の可動域の全域に亘って仕切体32を上下動させるように電動アクチュエータ14を制御したが、仕切体の変位動作の具体的態様は、適宜変更可能である。
たとえば、電動アクチュエータ14に仕切体32の変位動作を実行させるとき、仕切体32を設定位置から上方向にだけ(たとえば上限位置または上限位置の近傍まで)移動させた後、設定位置に戻すように電動アクチュエータ14を制御することもできる。仕切体32を下限位置まで移動させると、用水管理に影響を及ぼさない程度ではあるが、圃場102に溜めた用水が流出してしまう。しかし、仕切体32を設定位置よりも上側において変位させることで、用水の流出を防止しつつ、仕切体32が耕作土で固まることを防止できる。また、電動アクチュエータ14の作動時間を短縮することもできる。
また、たとえば、電動アクチュエータ14に仕切体32の変位動作を実行させるとき、仕切体32を設定位置から上下の所定範囲(たとえば可動域の半分の範囲)に移動させた後、設定位置に戻すように電動アクチュエータ14を制御することもできる。これにより、用水の流出を低減しつつ、仕切体32が耕作土で固まることを防止できる。また、電動アクチュエータ14の作動時間を短縮することもできる。
さらに、たとえば、電動アクチュエータ14に仕切体32の変位動作を実行させるときには、水位センサからの水位情報に基づいて仕切体32の下方への移動量を決定し、設定位置から下方へは、決定した移動量だけ仕切体32を移動させることもできる。具体例を挙げると、仕切体32の設定位置(上端開口の高さ位置)が地表面から15cmであり、水位センサによって検出された圃場水位が10cmである場合には、仕切体32の設定位置から下方への移動量は、5cmに決定するとよい。これにより、用水の流出を低減しつつ、仕切体32が耕作土で固まることをより適切に防止できる。また、電動アクチュエータ14の作動時間を短縮することもできる。
また、上述の実施例では、図6に示すS11およびS13において、電動アクチュエータ14のCPU90が設定時間になったかどうかを判断し、設定時間になったときに仕切体32の変位動作を実行するようにした。しかし、図6に示すS11およびS13の処理は、クラウドサーバ(管理サーバ)からの指示に基づいてCPU90が実行しても構わない。すなわち、クラウドサーバが、設定時間になったときに、仕切体32の変位動作を実行するよう電動アクチュエータ14に制御信号を送信し、電動アクチュエータ14のCPU90は、受信した制御信号に従ってモータ52を駆動制御するようにしてもよい。
さらに、上述の実施例では、排水部12として円筒状の仕切体32を有する落水口を例示したが、排水部12は、平板状の仕切体を有するものでも構わない。
さらにまた、上述の実施例では、仕切体32を設定位置から移動させて設定位置に戻す変位動作を間欠的に電動アクチュエータ14に実行させる制御方法を排水装置10に適用したが、この制御方法を給水装置20に応用することもできる。すなわち、給水栓22の開度の設定変更に基づいて弁体を移動させる動作とは別に、間欠的に、弁体を設定位置から移動させて設定位置に戻す変位動作を電動アクチュエータ24に実行させることもできる。
なお、上で挙げた寸法などの具体的数値および具体的形状などは、いずれも単なる一例であり、製品の仕様などの必要に応じて適宜変更可能である。
10 …農業用排水装置
12 …排水部
14,24 …電動アクチュエータ
16 …アダプタ
20 …農業用給水装置
22 …給水栓
32 …仕切体
52 …モータ
54 …メインギア
58 …回転軸
64 …制御部
90 …CPU
92 …メモリ

Claims (5)

  1. 圃場からの排水を制御する農業用排水装置であって、
    上下動することで排水高さを設定可能な仕切体を備える排水部、
    前記仕切体を上下動させる駆動機構を備える電動アクチュエータ、および
    前記電動アクチュエータの動作を制御するアクチュエータ制御部を備え、
    前記アクチュエータ制御部は、排水高さの指定に基づいて前記仕切体が所定の設定位置に固定されている際に、前記排水高さの設定変更に基づいて前記仕切体を移動させる動作とは別に、間欠的に、当該仕切体を前記設定位置から移動させて当該設定位置に戻す変位動作を前記電動アクチュエータに実行させる、農業用排水装置。
  2. 前記アクチュエータ制御部は、前記電動アクチュエータに前記変位動作を実行させるとき、前記仕切体の可動域の全域に亘って前記仕切体を上下動させるように当該電動アクチュエータを制御する、請求項1記載の農業用排水装置。
  3. 前記アクチュエータ制御部は、前記電動アクチュエータに前記変位動作を実行させるとき、前記仕切体を前記設定位置から上方向にだけ移動させた後、当該設定位置に戻すように前記電動アクチュエータを制御する、請求項1記載の農業用排水装置。
  4. 前記アクチュエータ制御部は、前記電動アクチュエータに前記変位動作を実行させるとき、前記仕切体を前記設定位置から上下の所定範囲に移動させた後、当該設定位置に戻すように当該電動アクチュエータを制御する、請求項1記載の農業用排水装置。
  5. 上下動することで排水高さを設定可能な仕切体を備える排水部と、前記仕切体を上下動させる駆動機構を備える電動アクチュエータとを備える農業用排水装置の制御方法であって、
    排水高さの指定に基づいて前記仕切体が所定の設定位置に固定されている際に、前記排水高さの設定変更に基づいて前記仕切体を移動させる動作とは別に、間欠的に、当該仕切体を前記設定位置から移動させて当該設定位置に戻す変位動作を当該電動アクチュエータに実行させる、農業用排水装置の制御方法。
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