JP2021031812A - カップ部付き衣類 - Google Patents

Abstract

【課題】本発明は、着用者の動作した際に、着用者の体の所定の位置から位置ずれすることの抑制を図ったカップ部付き衣類を提供することを目的とする。【解決手段】カップ部付き衣類１は、左右の乳房それぞれを覆う左右のカップ部２、２と、該左右のカップ部の下側周縁部２２に連続して設けられて左右のカップ部を支持する土台部３と、該土台部３の左右の両端から延びて背中に巻かれる一対のバック部４、４と、を備え、土台部及び、一対のバック部の着用者に接触する面に重なって滑止め部９が設けられている。【選択図】図２

Description

本発明は、カップ部付き衣類に関する。

従来、左右一対のカップ部と、カップ部の下縁側を支持する土台部と、土台部の両脇からそれぞれ延びて背面側に至るバック部と、カップ部とバック部とに連結された肩ストラップ部と、を有して構成されたブラジャーが知られている（例えば特許文献１参照）。

特開２０１６−６９７６８号公報

しかしながら、特許文献１に開示された従来のブラジャーは、着用者の動作した際に、所定の位置からずれ上がる等の位置ずれを生じさせてしまう場合があった。

本発明は、着用者の動作した際に、着用者の体の所定の位置から位置ずれすることの抑制を図ったカップ部付き衣類を提供することを目的とする。

上記目的を解決するために本発明は以下の構成を備える。

即ち、請求項１に記載の本発明は、左右の乳房それぞれを覆う左右のカップ部と、該左右のカップ部の下側周縁部に連続して設けられて前記左右のカップ部を支持する土台部と、該土台部の左右の両端から延びて背中に巻かれる一対のバック部と、を備えたカップ部付き衣類であって、前記土台部及び、前記一対のバック部の着用者に接触する面に重なって滑止め部が設けられていることを特徴とするカップ部付き衣類である。

これによれば、着用者がカップ部付き衣類を着用した状態で、着用者が体を動かした場合であっても、滑止め部が設けられていることで、その摩擦力により、カップ部付き衣類を所定の位置に留めることができる。即ち、滑止め部が設けられていることで、着用者の動作に応じてカップ部付き衣類が所定の位置から位置ずれすることの抑制を図ることができる。

また、滑止め部が、土台部及び一対のバック部の下端部の全長に連続形成されていることが好ましい。これによれば、着用者が動作した際に、カップ部付き衣類が所定の位置から位置ずれすることの抑制が図られる。

また、各カップ部が、乳房のバージスラインに接するように下向き凸に湾曲して設けられた下側周縁部と、該下側周縁部の脇側の端部から上方に延在する脇側周縁部と、を有し、土台部は、カップ部とバック部との間に設けられて両者を連結する間部を有し、滑止め部は、間部とバック部との境界位置から脇側周縁部まで連続形成されていることが好ましい。これによれば、着用者が動作した際においても、滑止め部によって、背中側に流れる肉が堰き止められた状態が維持される。

また、各カップ部及び各バック部に架け渡される肩ストラップ部を備え、滑止め部は、脇側周縁部の上端部から肩ストラップ部の途中位置まで連続形成されていることが好ましい。これによれば、着用者が動作した際においても、滑止め部が設けられていることで、肩ストラップが肩からずれ落ちることが抑制される。

本発明によれば、着用者がカップ部付き衣類を着用した状態で、着用者が体を動かした場合であっても、滑止め部が設けられていることで、その摩擦力により、カップ部付き衣類を所定の位置から移動することの抑制が図られる。即ち、滑止め部が設けられていることで、着用者の動作に応じてカップ部付き衣類が所定の位置から位置ずれすることの抑制を図ることができる。

本発明の一実施の形態にかかるカップ部付き衣類の表側を示す平面図である。 前記カップ部付き衣類の裏側を示す平面図である。

以下、本発明の一実施の形態にかかるカップ部付き衣類を、図１、２を参照して説明する。

図１は、本発明の一実施の形態にかかるカップ部付き衣類としてのブラジャー１を示す平面図である。同図に示すように、ブラジャー１は、左右のカップ部２、２と、各カップ部２の下側周縁部２２に縫着して設けられて当該カップ部２を支持する土台部３と、土台部３の左右の両端から延びて背中側に巻かれる一対のバック部４、４と、各カップ部２から各バック部４側に架け渡される肩ストラップ部５と、を備えて構成されている。ブラジャー１の着用時において、左右のカップ部２、２間は、着用者の「前中心」（符号Ｐ）に位置している。

左右のカップ部２、２は、それぞれ、例えば不織布等の保形性を有する素材（芯材）によって構成され、人体の乳房の形状に対応した椀形状に形成されている。左右のカップ部２、２は、略同一形状に形成されている。

各カップ部２の周縁部２０は、上側周縁部２１、下側周縁部２２及び脇側周縁部２３を有して構成されている。上側周縁部２１は、乳房の形状に沿うように上向き凸に湾曲して設けられている。下側周縁部２２は、下向き凸に湾曲して設けられている。脇側周縁部２３は、上側周縁部２１の脇側の端部（脇側周縁部２３の上端部）２１ａと下側周縁部２２の脇側の端部２２ａとの間に位置しかつ連続して設けられている。上側周縁部２１の脇側の端部２１ａは、下側周縁部２２の脇側の端部２２ａより僅かに前中心Ｐ側に位置し、脇側周縁部２３は、下側周縁部２２の脇側の端部２２ａから上側周縁部２１の脇側の端部２１ａに向かって略上方に延在して設けられている。

この各カップ部２は、芯材から成る上側部材２Ａ及び下側部材２Ｂから構成され、これら上側部材２Ａ及び下側部材２Ｂの境界部に縫い目から成る切替し部２Ｃが設けられている。切替し部２Ｃは、下側周縁部２２の前中心Ｐの近傍部から、着用者のバストトップを通って、上側周縁部２１の脇側の端部２１ａに向かって斜め上方に連続形成されている。このような切替し部２Ｃにより、着用者のバストトップの位置を高い位置に維持することができ、着用者の乳房の形が整えられる。さらに、各カップ部２の下側部材２Ｂの着用者に接触する面には、不図示のパッドが装着可能なポケットＰが設けられている。

さらに、各カップ部２と土台部３との境界部（各カップ部２の下側周縁部２２と同じ位置）には、金属製のワイヤー８が設けられている。ワイヤー８は、各カップ部２の下側周縁部２２に重なる位置に下向き凸に湾曲して設けられている。また、ワイヤー８の左右の両端部が、該両端部の間の中間部より着用者に近い後方側に位置している。このようなワイヤー８が設けられていることにより、ワイヤー８は着用者のバージスラインに沿って設置され、各カップ部２の下側周縁部２２の強度が補われて、着用者の乳房が適切に支持される。本実施形態のワイヤー８は左右の両端部が、該両端部の間の中間部より着用者に近い後方側に位置しているので、ワイヤー８を着用者のバージスラインに沿わせる、即ちフィットさせることができる。これにより、ワイヤー８がバージスラインに沿わされて着用者の乳房を囲みつつ、乳房の形を整える。

土台部３は難伸縮性（非伸縮性）を有する生地から構成されている。土台部３は、各カップ部２を支持しつつ、着用者の乳房と背中との間にある脇近傍部を支持する間部３０を有している。間部３０は、各カップ部２と各バック部４との間に設けられている。この間部３０は、表生地３０Ａと、表生地３０Ａと着用者との間の裏生地３０Ｂと、表生地３０Ａと裏生地３０Ｂとの間に介在されて弾力性を有する綿部材（不図示）と、を有して構成されている。綿部材は、所定の間隔をあけて縦方向に延在するステッチＳにより、表生地３０Ａと裏生地３０Ｂとの間に保持されている。このような間部３０が着用者の脇近傍部にフィットすることで、背中側に流れる肉が堰き止められ、乳房が着用者の前中心Ｐ側に寄せられる。

一対のバック部４、４は、それぞれ、土台部３の左右の両端に連続され、帯状に延びていて形成されている。各バック部４は、例えばパワーネット等の伸縮性を有する部材によって形成されている。各バック部４の左右のカップ部２、２から離れた端部には、着用者の背中心近傍で係脱される鉤ホック４Ａ及び受け部４Ｂが取り付けられている。なお、本実施形態では、ブラジャー１が、一対のバック部４、４を有し、着用者の背中心近傍で係脱される鉤ホック４Ａ及び受け部４Ｂが係脱されるバックホックブラジャーを一例として説明しているが、本発明はこれに限定されるものではない。カップ部付き衣類としてのブラジャーは、フロントホックブラジャーであってもよく、その場合には、着用者の前中心Ｐ近傍で係脱される鉤ホック４Ａ及び受け部４Ｂが取り付けられていてもよい。

さらにブラジャー１は、図１に示すように、各バック部４の着用者から離れた側の面に重なって設けられる接続部材６を有している。接続部材６は三角形状と成るように成形され、その下端部６１はバック部４の下端部４１に支持され、頂部６２に肩ストラップ部５の後端５Ｂがリング部材７を介して連結されている。これによれば、着用者が特に腕部を動かした際に、その動作に追従して肩ストラップ部５の後端５Ｂが変位する。即ち、肩ストラップ部５の後端５Ｂが、着用者の動作に追従して変位することにより、着用者の動作を阻害することが抑制される。

肩ストラップ部５は、例えば紐状に形成されてその長手方向に伸縮性を有するゴム素材によって形成されている。肩ストラップ部５の前端５Ｆは、カップ部２の上側周縁部２１の脇側の端部２１ａに連結され、肩ストラップ部５の後端５Ｂは、リング部材７を介してバック部４の接続部材６に連結されている。

さらにブラジャー１は、図２に示すように、左右のカップ部２、２を着用者の所望の位置から移動することを抑制する滑止め部９を有している。本実施形態における滑止め部９は、「ナノフロント（登録商標）」（帝人（株）製）がブラジャーの着用者に接触する面の所定の箇所に固定されることで構成されている。即ち、滑止め部９は、摩擦力により、ブラジャー１が所定の位置から移動することの抑制を図っている。ここで、「所定の位置」とは、後述するように着用者によりブラジャー１が、ワイヤー８を着用者のバージスラインに重ね、乳房をカップ部２の内部に挿入し、前傾姿勢のまま一対のバック部４、４の端部４Ａ、４Ｂ同士を係止したブラジャー１の着用位置のことである。滑止め部９は、第１滑止め部９１と、第２滑止め部９２と、第３滑止め部９３と、を有して構成されている。

第１滑止め部９１は、土台部３及び一対のバック部４、４の下端部４１の全長に連続形成されている。即ち、第１滑止め部９１は、バック部４の鉤ホック４Ａ側の端部４ａから土台部３を介してバック部４の受け部４Ｂ側の端部４ｂまで連続形成されている。これによれば、着用者が動作した際においても、ワイヤー８が着用者のバージスラインに重なった所定の位置に、ブラジャー１を留めることができる。即ち、ブラジャー１の位置が、略着用時の位置に位置されるから、ブラジャー１が着用者の適切な位置に維持される。

第２滑止め部９２及び第３滑止め部９３は、間部３０とバック部４との境界位置３ｂからカップ部２の脇側周縁部２３を介して、肩ストラップ部５の途中位置５ｍまで連続形成されている。即ち、第２滑止め部９２は、土台部３の間部３０とバック部４との境界位置３ｂからカップ部２の脇側周縁部２３の上端部２１ａまで連続形成されている。

第３滑止め部９３は、脇側周縁部２３の上端部２１ａから肩ストラップ部５の途中位置５ｍまで連続形成されている。これによれば、第２滑止め部９２が土台部３の間部３０とバック部４との境界位置３ｂからカップ部２の脇側周縁部２３の上端部２１ａまで設けられていることで、間部３０が着用者の脇近傍部を支持し続けることが出来るから、背中側に流れる肉が堰き止められ、乳房が着用者の前中心Ｐ側に寄せられる。即ち、ブラジャー１の位置が、略着用時の位置に位置されるから、ブラジャー１が着用者の適切な位置に維持される。さらに、第３滑止め部９４が、脇側周縁部２３の上端部２１ａから肩ストラップ部５の途中位置５ｍまで連続形成されていることで、着用者が動作した際においても、肩ストラップ部５が、着用者の肩部からずれ落ちることが抑制される。

ここで、ブラジャー１を着用する際は、ワイヤー８を着用者のバージスラインに重ね、乳房をカップ部２の内部に挿入し、前傾姿勢のまま一対のバック部４、４の端部４Ａ、４Ｂ同士を係止する。さらに、土台の間部３０を、着用者の脇近傍部にフィットさせることで、背中側に流れる肉を堰止めつつ、乳房を着用者の前中心Ｐ側に寄せる。この後、肩ストラップ部５を着用者の肩部に架け渡す。こうして、ブラジャー１を着用する。ブラジャー１は着用者の「所定の位置」に装着される。

このようなブラジャー１（カップ部付き衣類）は、左右の乳房それぞれを覆う左右のカップ部２、２と、該左右のカップ部２、２の下側周縁部２２に連続して設けられて前記左右のカップ部２、２を支持する土台部３と、該土台部３の左右の両端から延びて背中に巻かれる一対のバック部４、４と、を備え、土台部３及び、一対のバック部４、４の着用者に接触する面に重なって滑止め部９が設けられている。これによれば、着用者がカップ部付き衣類としてのブラジャー１を着用した状態で、着用者が体を動かした場合であっても、滑止め部９が設けられていることで、その摩擦力により、ブラジャー１を所定の位置に留めることができる。即ち、滑止め部９が設けられていることで、着用者の動作に応じてブラジャー１が所定の位置から位置ずれすることの抑制を図ることができる。

また、滑止め部９が、土台部３及び一対のバック部４、４の下端部４１の全長に連続形成されている。これによれば、着用者が動作した際に、カップ部付き衣類としてのブラジャー１が所定の位置から位置ずれすることの抑制が図られる。

また、各カップ部２が、乳房のバージスラインに接するように下向き凸に湾曲して設けられた下側周縁部２２と、該下側周縁部２２の脇側の端部から上方に延在する脇側周縁部２３と、を有し、土台部３は、カップ部２とバック部４との間に設けられて両者を連結する間部３０を有し、滑止め部９は、間部３０とバック部４との境界位置から脇側周縁部２３まで連続形成されている。これによれば、着用者が動作した際においても、滑止め部９によって、背中側に流れる肉が堰き止められた状態が維持される。

また、各カップ部２及び各バック部４に架け渡される肩ストラップ部５を備え、滑止め部９は、脇側周縁部２３の上端部２１ａから肩ストラップ部５の途中位置まで連続形成されている。これによれば、着用者が動作した際においても、滑止め部９が設けられていることで、肩ストラップ部５が肩からずれ落ちることが抑制される。

なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形例も本発明に含まれる。

前記実施形態では、滑止め部９が、「ナノフロント（登録商標）」（帝人（株）製）がブラジャー１の着用者に接触する面の所定の箇所に固定されることで構成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。滑止め部は、例えば、ゴム材がブラジャー１の着用者に接触する面の所定の箇所に固定されることで構成されていてもよく、滑止め部として機能するような素材から構成されていれば如何なる材料から構成されていてもよい。

また前記実施形態では、滑止め部９は、第１滑止め部９１、第２滑止め部９２、第３滑止め部９３を有して構成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。滑止め部は、適宜の場所に設けられていてもよい。即ち、滑止め部は、着用者に接触する面に重なって設けられていればよい。例えば、滑止め部は、カップ部２の下側周縁部２２に設けられていてもよい。また、カップ部付き衣類としてのブラジャー１は、第１滑止め部９１と第２滑止め部９２と第３滑止め部９３のうち、何れか１つのみを有していてもよい。

また、前記実施形態では、カップ部付き衣類としてブラジャー１の一例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、カップ部付き衣類は、ビスチェ、ボディスーツ、キャミソール、タンクトップ等、カップ部２を有する衣類全般に適用することもできる。

その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部、もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。

１ ブラジャー（カップ部付き衣類）
２、２ 左右のカップ部
３ 土台部
３ｂ 間部とバック部との境界位置
４、４ 一対のバック部
５ 肩ストラップ部
９ 滑止め部
２１ａ 脇側周縁部の上端部
２２ 各カップ部の下側周縁部
２３ 脇側周縁部
３０ 間部
４１ バック部の下端部

Claims (4)

1. 左右の乳房それぞれを覆う左右のカップ部と、該左右のカップ部の下側周縁部に連続して設けられて前記左右のカップ部を支持する土台部と、該土台部の左右の両端から延びて背中に巻かれる一対のバック部と、を備えたカップ部付き衣類であって、
   前記土台部及び、前記一対のバック部の着用者に接触する面に重なって滑止め部が設けられていることを特徴とするカップ部付き衣類。
2. 前記滑止め部が、前記土台部及び前記一対のバック部の下端部の全長に連続形成されていることを特徴とする請求項１に記載のカップ部付き衣類。
3. 前記各カップ部が、乳房のバージスラインに接するように下向き凸に湾曲して設けられた下側周縁部と、該下側周縁部の脇側の端部から上方に延在する脇側周縁部と、を有し、
   前記土台部は、前記カップ部と前記バック部との間に設けられて両者を連結する間部を有し、
   前記滑止め部は、前記間部と前記バック部との境界位置から脇側周縁部まで連続形成されていることを特徴とする請求項１または２に記載のカップ部付き衣類。
4. 前記各カップ部及び前記各バック部に架け渡される肩ストラップ部を備え、
   前記滑止め部は、前記脇側周縁部の上端部から前記肩ストラップ部の途中位置まで連続形成されていることを特徴とする請求項３に記載のカップ部付き衣類。