JP2020111215A - 操舵制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 操舵角の検出精度を向上させて操舵支援を高精度に実施できるようにする。【解決手段】 運転支援ECU10は、舵角補正部103を備えている。舵角補正部103は、舵角センサ52によって検出されたアクチュエータ舵角θiが遊び範囲内にある場合(θs(-)≦θi≦θs(+))には、補正後舵角θoをゼロとする。運転支援ECU10は、アクチュエータ舵角θiが境界舵角θs(+)よりも大きい場合には、補正後舵角θoを、アクチュエータ舵角θiから境界舵角θs(+)を減算した値(θo=θi−θs(+))とし、アクチュエータ舵角θiが境界舵角θs(-)よりも小さい場合には、補正後舵角θoを、アクチュエータ舵角θiから境界舵角θs(-)を減算した値(θo=θi−θs(-))とする。【選択図】 図3
Description
本発明は、自車両が目標走行ラインに沿って走行するように操舵アクチュエータの作動を制御する操舵制御装置に関する。
従来から、自車両が目標走行ラインに沿って走行するように操舵アクチュエータの作動を制御する操舵制御装置、例えば、車線維持支援制御を実施する車線維持支援装置が知られている。こうした車両の走行方向を制御する操舵制御装置においては、左右の操舵輪の舵角が目標舵角に追従するように操舵アクチュエータの作動を制御する。通常、操舵輪の舵角に検出に当たっては、操舵輪の向きを直接的に検出するのではなく、操舵アクチュエータが設けられている位置での舵角が検出される。例えば、電動パワーステアリングを用いて車線維持支援制御を実施する操舵制御装置は、操舵アクチュエータとしてのモータが設けられている位置での舵角対応値を検出する。この舵角対応値は、例えば、モータの回転角、あるいは、モータの回転トルクが最初に伝達されるステアリングシャフトの回転角を表す。
操舵アクチュエータの発生するトルクは、ステアリング機構を介して操舵輪に伝達される。これにより、操舵輪の向きが変えられる。特許文献1には、ステアリング機構に、ハンドルを操舵しても操舵力が操舵輪の向きを変化させない操舵区間(操舵遊び区間と呼ぶ)が存在していることが記載されている。この特許文献1に提案された装置は、油圧パワーステアリングと、油圧パワーステアリングよりもハンドル側のステアリングシャフトに操舵トルクを付与するモータとを備えており、油圧パワーステアリングによる操舵アシストとモータによる操舵アシストを組み合わせて、ドライバーの操舵操作をアシストする。
この特許文献1に提案された装置は、油圧パワーステアリングのアシスト量を所定量減らし、操舵遊び区間内においてのみモータで操舵力をアシストする。これにより、操舵遊び区間内におけるハンドル操作感が、操舵遊び区間外におけるハンドル操作感に比べて軽くなり、ドライバーが操舵遊び区間内であるか否かを把握できるようにしている。
上述したように、車両の走行方向を制御する操舵制御装置においては、操舵輪の舵角が目標舵角に追従するように操舵アクチュエータの作動を制御する。しかしながら、ステアリング機構に遊び(ガタ)が存在しているにも関わらず、操舵アクチュエータが設けられている位置での回転角(モータ回転角、あるいは、ステアリングシャフトの回転角)を、そのまま、操舵輪の舵角に対応した舵角対応値として扱っている。例えば、モータでステアリングシャフトに操舵トルクを付与する電動パワーステアリング装置を用いた操舵制御装置においては、モータ回転角を検出し、このモータ回転角と、モータから操舵輪までのトータルの減速比とに基づいて算出される舵角を、操舵輪の舵角とみなして操舵制御を実施している。
従って、操舵角の検出にあたってステアリング機構の遊びが考慮されていないため、操舵角の検出精度が低下するおそれがあり、操舵支援を高精度に行えない可能性がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、操舵角の検出精度を向上させて操舵支援を高精度に実施できるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、
ステアリング機構に操舵トルクを付与する操舵アクチュエータ(50)と、
前記操舵アクチュエータが設けられている位置での舵角対応値を表すアクチュエータ舵角(θi)を検出する舵角検出手段(52,80)と、
自車両を目標走行ラインに沿って走行させるための前記アクチュエータ舵角の目標値である目標舵角(θ*)を演算する目標舵角演算手段(101)と、
前記アクチュエータ舵角が前記目標舵角に追従するように前記操舵アクチュエータの作動を制御する操舵制御手段(10,80)と
を備えた操舵制御装置において、
前記ステアリング機構における、前記操舵アクチュエータの設けられている位置から操舵輪までの間に存在する遊びに対応した舵角補正値(θs(+),θs(-))を使って、前記舵角検出手段によって検出された前記アクチュエータ舵角を補正する舵角補正手段(103)を
備えたことにある。
ステアリング機構に操舵トルクを付与する操舵アクチュエータ(50)と、
前記操舵アクチュエータが設けられている位置での舵角対応値を表すアクチュエータ舵角(θi)を検出する舵角検出手段(52,80)と、
自車両を目標走行ラインに沿って走行させるための前記アクチュエータ舵角の目標値である目標舵角(θ*)を演算する目標舵角演算手段(101)と、
前記アクチュエータ舵角が前記目標舵角に追従するように前記操舵アクチュエータの作動を制御する操舵制御手段(10,80)と
を備えた操舵制御装置において、
前記ステアリング機構における、前記操舵アクチュエータの設けられている位置から操舵輪までの間に存在する遊びに対応した舵角補正値(θs(+),θs(-))を使って、前記舵角検出手段によって検出された前記アクチュエータ舵角を補正する舵角補正手段(103)を
備えたことにある。
本発明の操舵制御装置は、自車両を目標走行ラインに沿って走行させるように、ステアリング機構に操舵トルクを付与してドライバーの運転を支援する。そのようにするために、操舵制御装置は、操舵アクチュエータと舵角検出手段と目標舵角演算手段と操舵制御手段と舵角補正手段とを備えている。
操舵アクチュエータは、ステアリング機構に操舵トルクを付与するもので、例えば、モータを採用することができる。舵角検出手段は、操舵アクチュエータが設けられている位置での舵角対応値を表すアクチュエータ舵角を検出する。例えば、操舵検出手段は、ステアリング機構に操舵トルクを付与するモータの回転角を検出する。あるいは、操舵検出手段は、操舵アクチュエータの回転トルクが最初に伝達されるステアリングシャフトの回転角を検出する。
目標舵角演算手段は、自車両を目標走行ラインに沿って走行させるためのアクチュエータ舵角の目標値である目標舵角を演算する。例えば、目標舵角演算手段は、目標走行ライン(例えば、自車両が走行している車線の中心ライン)を取得し、目標走行ラインに対する自車両の走行位置の幅方向のずれ量、自車両の進行方向の目標走行ラインに対するずれ角、目標走行ラインの形状などに基づいて目標舵角を演算する。目標走行ラインは、例えば、自車両の走行している車線の前方を撮像するカメラセンサ等によって車線のレーンマーカー(左右の白線など)を認識することで、このレーンマーカーを基準として設定される。
操舵制御手段は、アクチュエータ舵角が目標舵角に追従するように操舵アクチュエータの作動を制御する。
ステアリング機構に遊び(ガタ)が存在している場合には、舵角検出手段によって検出されたアクチュエータ舵角を、そのまま操舵輪の舵角に対応する角度として採用すると、その舵角は正確であるとは言えない。例えば、舵角中立位置付近から操舵アクチュエータが舵を切る方向に作動した場合には、操舵アクチュエータの作動が開始されても、ステアリング機構の遊びによって、すぐには操舵輪は操舵されない。そして、操舵アクチュエータが遊び分だけ作動すると(遊びが詰まると)、操舵アクチュエータの作動と連動して操舵輪が操舵し始める。
そこで、舵角補正手段は、ステアリング機構における、操舵アクチュエータの設けられている位置から操舵輪までの間に存在する遊びに対応した舵角補正値を使って、舵角検出手段によって検出されたアクチュエータ舵角を補正する。従って、本発明によれば、操舵角の検出精度を向上させることができ、その結果、操舵支援を高精度に実施できる。
この場合、例えば、前記舵角補正手段は、舵角中立位置から左右両方向に所定角度の範囲内を遊び範囲とし、前記アクチュエータ舵角が前記遊び範囲外となる場合には、前記所定角度を舵角補正値として用いて前記アクチュエータ舵角の絶対値を前記所定角度だけ減らすように補正し、前記アクチュエータ舵角が前記遊び範囲内となる場合には、アクチュエータ舵角をゼロ度(舵角中立位置)とするように補正するように構成されているとよい。
更に、例えば、操舵制御装置は、自車両の走行中に、前記遊び範囲を取得する遊び範囲取得手段を備えているとよい。この場合、遊び範囲取得手段は、操舵速度が予め設定された設定速度以下となる操舵中における、前記アクチュエータ舵角と操舵トルクとの関係を表すデータを取得し、前記データに基づいて前記遊び範囲を決定するとよい。
上記説明においては、発明の理解を助けるために、実施形態に対応する発明の構成要件に対して、実施形態で用いた符号を括弧書きで添えているが、発明の各構成要件は、前記符号によって規定される実施形態に限定されるものではない。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本実施形態の操舵制御装置の概略システム構成図である。
本実施形態の操舵制御装置は、運転支援制御部1と電動パワーステアリング部30とから構成される。運転支援制御部1は、運転支援ECU10を備えている。この運転支援ECU10は、ドライバーの運転を支援するための電子制御装置であって、マイクロコンピュータを主要部として備えている。運転支援ECU10は、車線維持支援制御を実施する。車線維持支援制御とは、自車両の走行位置が目標走行ライン付近に維持されるように、操舵トルクをステアリング機構40に付与してドライバーの操舵操作を支援する制御である。運転支援ECU10は、車線維持支援制御を実施するにあたって、電動パワーステアリング部30の操舵アシスト機能を利用する。尚、本明細書において、マイクロコンピュータは、CPUとROM及びRAM等の記憶装置と等を含み、CPUはROMに格納されたインストラクション(プログラム)を実行することにより各種機能を実現するようになっている。また、ECUは、Electric Control Unitの略である。
電動パワーステアリング部30は、操舵ハンドル41の操舵操作により操舵輪Wを転舵するステアリング機構40と、ステアリング機構40に組み付けられ操舵アシストトルクを発生する電動モータ50(以下、単にモータ50と呼ぶ)と、モータ50を駆動するモータドライバ70と、モータドライバ70の作動を制御するステアリングECU80とを主要部として備えている。
ステアリング機構40は、操舵ハンドル41を上端に一体回転するように接続したステアリングシャフト42を備える。ステアリングシャフト42は、メインシャフト42aとインターミディエイトシャフト42bとピニオンシャフト42cとをユニバーサルジョイント42d,42eで連結して構成される。ステアリングシャフト42の下端(ピニオンシャフト42cの下端)には、ピニオンギヤ43が接続されている。ピニオンギヤ43は、ラックバー44に形成されたラック歯と噛合する。
ラックバー44の両端には、それぞれ、ボールジョイント45を介してタイロッド46の一方端が接続される。各タイロッド46の他方端は、ボールジョイント47を介して、操舵輪Wを回転可能に支持するナックル(図示略)に接続されている。ステアリングシャフト42の軸線回りの回転運動は、ラックバー44の軸線方向の直線運動に変換され、このラックバー44の直線運動によって左右の操舵輪Wが左右に転舵される。
ステアリングシャフト42(メインシャフト42a)には減速ギヤ51を介してモータ50が組み付けられている。モータ50は、例えば、三相ブラシレスモータが使用される。モータ50は、ロータの回転により減速ギヤ51を介してステアリングシャフト42に、その中心軸周りの回転トルクを付与して、ドライバーの操舵操作をアシストする。
モータ50には、回転角センサ52が設けられる。この回転角センサ52は、例えば、レゾルバにより構成され、モータ50のロータの回転位置(回転角度)を表す検出信号をステアリングECU80に出力する。回転角センサ52は、三相ブラシレスモータの位相制御に用いられる回転角センサが兼用される。車線維持支援制御を実施する場合には、回転角センサ52は、操舵輪Wの舵角を検出するために用いられるため、以下、回転角センサ52を舵角センサ52と呼ぶ。
ステアリングECU80は、舵角センサ52の検出信号に基づいて、舵角中立点を基準としたロータの回転角度を減速ギヤ51の減速比で除算した値(つまり、メインシャフト42aにおいてモータ50と連結される個所の回転角度)を、アクチュエータ舵角θiとして検出する。アクチュエータ舵角θiは、その符号(正負)によって操舵方向が特定され、例えば、左操舵方向であれば正の値で表され、右操舵方向であれば負の値で表される。
尚、本実施形態においては、舵角センサ52は、モータ50のロータの回転角度を検出するが、それに代えて、ステアリングシャフト42(メインシャフト42a)の回転角度を直接検出してもよい。但し、ステアリングシャフト42の回転角度の検出位置は、後述するトーションバー61よりも操舵輪W側である必要がある。
ステアリングシャフト42には、トルクセンサ60が設けられる。トルクセンサ60は、例えば、ステアリングシャフト42の中間部(メインシャフト42aであって、モータ50の連結される位置よりも操舵ハンドル41側)に介装されたトーションバー61の捩れ角度を検出し、この捩れ角度に応じた操舵トルクTiを表す検出信号をステアリングECU80に出力する。操舵トルクTiは、その符号(正負)によってトルクの働いている方向が特定される。例えば、操舵ハンドル41が左方向に回動操作されたときのトルクについては正の値で表され、操舵ハンドル41が右方向に回動操作されたときのトルクについては負の値で表される。
ステアリングECU80は、マイクロコンピュータを主要部として備えている。ステアリングECU80は、通常のドライバーのハンドル操作時においては、ドライバーのハンドル操作に応じた最適な操舵アシストトルクが得られるように、操舵トルクTiに基づいてモータ50に流す目標電流を演算し、その目標電流がモータ50に流れるようにモータドライバ70の作動を制御する。
このようにドライバーの行ったハンドル操作に対して、ハンドル操作が軽くなるようにモータ50を駆動する制御を操舵アシスト制御と呼ぶ。この操舵アシスト制御においては、基本的には、操舵トルクTiが大きくなるほど増加する目標アシストトルクが設定される。
ステアリングECU80と運転支援ECU10とは、CAN(Controller Area Network)20を介して相互に送受信可能に接続されている。ステアリングECU80は、運転支援ECU10から車線維持用トルク指令を受信した場合には、車線維持用トルク指令で特定される制御量(後述する目標操舵トルクT*)に基づいてモータ50を駆動して操舵トルクを発生させる。この場合、操舵アシスト制御と違って、ドライバーの操舵操作を要することなくモータ50が駆動される。
本実施形態の操舵制御装置は、自車両を目標走行ラインに沿って走行させるようにドライバーの操舵操作を支援する機能、つまり、車線維持支援機能を備えている。本実施形態の操舵制御装置は、ドライバーの操舵操作を不要とした自動運転を可能とする装置ではなく、ドライバーの操舵操作を喚起できる程度の小さな操舵トルクを発生させるものであるが、必ずしもそうした装置である必要は無く、自動運転によって自車両を目標走行ラインに沿って走行させるように構成されていてもよい
運転支援ECU10は、ステアリングECU80からCAN20を介して操舵トルクTiおよびアクチュエータ舵角θiを表す情報を所定の周期で取得する。
運転支援ECU10には、車速センサ11、操作スイッチ12、カメラセンサ13、表示器14、および、ブザー15が接続されている。車速センサ11は、自車両の車速Vxを表す検出信号を運転支援ECU10に出力する。操作スイッチ12は、ドライバーが車線維持支援制御を実施させるか否かの選択を行うためのスイッチであり、選択信号を運転支援ECU10に出力する。操作スイッチ12がオンの場合には、車線維持支援制御が実施される。
カメラセンサ13は、車両前方を撮影し、画像処理を行うことで、道路の左右のレーンマーカー(例えば、白線)を認識する。カメラセンサ13は、このレーンマーカーに基づいて、自車両を走行させる目標走行ラインを決定する。例えば、カメラセンサ13は、図2に示すように、左白線LLと右白線LRとを認識し、この左右の白線の中央位置となる車線中央を目標走行ラインLdに決定する。
更に、カメラセンサ13は、この目標走行ラインLdの方向と車両進行方向とのずれ角(以下、ヨー角θyと呼ぶ)、目標走行ラインLdに対する車両重心位置の幅方向のずれ量(以下、オフセット量Dと呼ぶ)、および、目標トレースラインの曲率a(道路曲率aと呼ぶ)などを演算する。道路曲率aに変えて、道路半径R(=1/R)を演算してもよい。カメラセンサ13は、これらの演算結果である車線情報を運転支援ECU10に出力する。尚、オフセット量Dを表す、目標走行ラインLdに対する車両重心位置の幅方向のずれ量とは、車幅方向のずれ量であってもよいし、道路幅方向のずれ量であってもよい。
また、カメラセンサ13が撮影機能のみを有する場合、運転支援ECU10は、上述したカメラセンサ13の演算機能の一部または全部(即ち、画像処理、レーンマーカーの認識、目標走行ラインの決定、ヨー角θyの算出、オフセット量Dの算出、および、曲率aの算出などの一部または全部)を実行してもよい。
表示器14は、ドライバーが運転席に着座した位置で視認できる位置に設けられ、運転支援ECU10から送信された支援制御情報を画面に表示する。ブザー15は、カメラセンサ13によってレーンマーカーを認識できなかった場合、および、システム異常が検出された場合、等において鳴動して、車線維持支援制御を実施できない状況であることをドライバーに知らせる。
次に、運転支援ECU10の実施する車線維持支援制御について説明する。図3は、運転支援ECU10の実施する車線維持支援制御に係る制御ブロック図である。運転支援ECU10は、目標舵角演算部101、FFトルク演算部102、舵角補正部103、減算部104、FBトルク演算部105、および、合算部106を備えている。各制御ブロック101〜106は、並行して、後述する演算処理を所定の演算周期にて繰り返し実施する。また、運転支援ECU10は、各種の演算の実行にあたって、各種のセンサ検出値を用いるが、そのセンサ検出値は、ことわりのない限り、演算時点における最新の値である。
目標舵角演算部101は、カメラセンサ13からオフセット量D、ヨー角θy、および、道路曲率aを入力し、これらの入力値に基づいて、式(1)を使って目標舵角θ*を演算する。
θ*=K1×D+K2×θy+K3×a ・・・(1)
ここで、K1、K2、および、K3は、それぞれ制御ゲインである。
θ*=K1×D+K2×θy+K3×a ・・・(1)
ここで、K1、K2、および、K3は、それぞれ制御ゲインである。
目標舵角θ*は、自車両が目標走行ラインLdに沿って走行できるように設定される操舵輪Wの目標舵角を、ステアリング機構40のオーバーオールギヤ比を使ってアクチュエータ舵角に換算した値である。
尚、目標舵角θ*の演算に関しては、上記式(1)に限るものではなく、任意の式にて実施することができる。また、例えば、制御ゲインK1〜K3は、車速Vxなど他のパラメータに応じて設定される値とすることもできる。
目標舵角演算部101は、算出した目標舵角θ*をFFトルク演算部102、および、減算部104に供給する。
FFトルク演算部102は、目標舵角θ*に基づいてフィードフォワード制御量であるFF目標操舵トルクTFF*を演算する。FFトルク演算部102は、図4に示す特性のFFトルクマップを記憶しており、このFFトルクマップを参照してFF目標操舵トルクTFF*を演算する。FFトルクマップは、目標舵角θ*が大きくなるに従って増加するFF目標操舵トルクTFF*を設定する特性を有している。FFトルクマップには不感帯が設定されており、目標舵角θ*がゼロ近傍領域に入る場合には、FF目標操舵トルクTFF*がゼロに設定される。尚、このFFトルクマップは、一例であって、例えば、不感帯が設定されていないものであってもよく、また、必ずしも、線形な特性である必要もない。
尚、図4のFFトルクマップは、目標舵角θ*が正の値をとる場合(つまり、左方向の目標舵角θ*が設定されている場合)のFF目標操舵トルクTFF*を表しているが、目標舵角θ*が負の値をとる場合(つまり、右方向の目標舵角θ*が設定されている場合)には、FF目標操舵トルクTFF*の符号が負になるだけであって、その大きさ(絶対値)は、目標舵角θ*が正の値をとる場合と変わらない。
FFトルク演算部102は、算出したFF目標操舵トルクTFF*を合算部106に供給する。
運転支援ECU10は、後述するように、フィードフォワード制御だけでなく、アクチュエータ舵角(ステアリングシャフトの舵角)が目標舵角に追従するように、フィードバック制御によって最終的な目標トルクを演算する。この場合、フィードバック制御量は、目標舵角θ*と舵角センサ52によって検出されるアクチュエータ舵角θiとの偏差に応じた値に設定するのが普通であるが、舵角センサ52によって検出されるアクチュエータ舵角θiが、実際の操舵輪Wの舵角に対応した値でないと精度の高いフィードバック制御を実施できなくなる。
ステアリング機構40には、遊び(ガタ)が存在する。例えば、遊びは、インターミディエイトシャフト42bのスライド収縮部、インターミディエイトシャフト42bのユニバーサルジョイント部、ピニオンギヤ43とラックバー44との噛合部、ラックバー44とタイロッド46との連結部、タイロッド46とナックルとの連結部などに存在する。このため、モータ50を駆動してステアリングシャフト42を回転させても、遊びが詰まっていない状態では、操舵輪Wは操舵されない。尚、ステアリングシャフト42は、減速ギヤ51を介してモータ50に連結されているため、この減速ギヤ51の噛合部にも遊びが存在する。
例えば、舵角中立位置付近からモータ50を駆動してステアリングシャフト42を回転させた場合、回転方向にステアリング機構40の遊びがあれば、操舵輪Wはすぐには操舵されない。そして、ステアリングシャフト42が遊び分だけ回転すると(遊びが詰まると)、ステアリングシャフト42の回転と連動して操舵輪Wが操舵し始める。操舵輪Wが操舵し始めた後は、ステアリングシャフト42に付与される操舵トルク(舵を切る方向に働くトルク)と、路面から操舵輪Wに働くセルフアライニングトルク(舵を戻す方向に働くトルク)との釣り合いによって、遊びが詰まった状態に維持される。
また、舵が切れた状態から舵角中立位置に戻す方向にステアリングシャフト42に操舵トルクが付与されると、その操舵速度が車線維持支援制御で実施される程度であれば、セルフアライニングトルクによって遊びが詰まった状態に維持され、ステアリングシャフトの回転に合わせて操舵輪が操舵する。セルフアライニングトルクは、舵角中立位置に近づくにつれて小さくなる。従って、舵角中立位置近傍範囲では、操舵トルクとセルフアライニングトルクとの釣り合いが崩れるため遊びが発生する。
こうした現象を図5に示す。横軸は、舵角センサ52によって検出されるアクチュエータ舵角θiを表し、縦軸は、操舵輪Wの舵角にオーバーオールギヤ比を乗算した値θwを表す。図示するように、中立点(アクチュエータ舵角θi=0)を基準として左右両方向における所定角度範囲が、アクチュエータ舵角θiの変化に関わらず、舵角θwが変化しない範囲(遊び範囲と呼ぶ)となっている。この遊び範囲の境界となるプラス側のアクチュエータ舵角θiを境界舵角θs(+)と呼び、マイナス側のアクチュエータ舵角θiを境界舵角θs(-)と呼ぶ(θs(+)>0,θs(-)<0)。例えば、遊び範囲は、ハンドル舵角で表せば±5deg程度である。
こうした遊び範囲を想定した場合、舵角中立位置からモータ50が左操舵方向に駆動されると、アクチュエータ舵角θiが境界舵角θs(+)に達しないあいだは、遊びによって、ステアリングシャフト42のトルクが操舵輪Wに伝達されないため、モータ50の回転(ステアリングシャフト42の回転)に関わらず操舵輪Wの舵角は増加しない。そして、アクチュエータ舵角θiが境界舵角θs(+)に到達した以降は、ステアリングシャフト42のトルクが操舵輪Wに伝達されるため、アクチュエータ舵角θiの増加とともに操舵輪Wの舵角が増加する。
同様に、舵角中立位置からモータ50が右操舵方向に駆動された場合には、アクチュエータ舵角θiが境界舵角θs(-)に達しないあいだは、遊びによって、ステアリングシャフト42のトルクが操舵輪Wに伝達されないため、モータ50の回転(ステアリングシャフト42の回転)に関わらず操舵輪Wの舵角は減少しない(右方向に増加しない)。そして、アクチュエータ舵角θiが境界舵角θs(-)に到達した以降は、ステアリングシャフト42のトルクが操舵輪Wに伝達されるため、アクチュエータ舵角θiの減少(右方向への増加)とともに操舵輪Wの舵角が減少する(右方向に増加する)。
こうした遊び範囲を想定して、舵角補正部103は、図6に示すように、アクチュエータ舵角θiを補正して補正後舵角θoを算出する。
舵角補正部103は、アクチュエータ舵角θiが遊び範囲内にある場合、つまり、θs(-)≦θi≦θs(+)の関係が成立する場合には、補正後舵角θoをゼロ(舵角中立位置)とする。また、舵角補正部103は、アクチュエータ舵角θiが境界舵角θs(+)よりも大きい場合(θi>θs(+))には、補正後舵角θoを、アクチュエータ舵角θiから境界舵角θs(+)を減算した値(θo=θi−θs(+))とし、アクチュエータ舵角θiが境界舵角θs(-)よりも小さい場合(θi<θs(-))には、補正後舵角θoを、アクチュエータ舵角θiから境界舵角θs(-)を減算した値(θo=θi−θs(-))とする。つまり、舵角補正部103は、アクチュエータ舵角θiが遊び範囲外にある場合には、アクチュエータ舵角θiの値を、その絶対値が、境界舵角の絶対値(|θs(+)|=|θs(-)|)だけ小さくなるように補正した値に設定する。
舵角補正部103は、補正後舵角θoを減算部104に供給する。減算部104は、目標舵角演算部101から供給された目標舵角θ*と、舵角補正部103から供給された補正後舵角θoとを入力し、目標舵角θ*と補正後舵角θoとの偏差である舵角偏差Δθ(θ*−θo)を演算する。減算部104は、算出した舵角偏差ΔθをFBトルク演算部105に供給する。
FBトルク演算部105は、舵角偏差Δθに基づいて、フィードバック制御量であるFB目標操舵トルクTFB*を演算する。FBトルク演算部105は、例えば、舵角偏差Δθを比例項として含んだPID制御式、PI制御式、P制御式などによりFB目標操舵トルクTFB*を演算する。
FBトルク演算部105は、算出したFB目標操舵トルクTFB*を合算部106に供給する。
合算部106は、FFトルク演算部102から供給されたFF目標操舵トルクTFF*、および、FBトルク演算部105から供給されたFB目標操舵トルクTFB*を入力し、FF目標操舵トルクTFF*とFB目標操舵トルクTFB*とを合算した値である目標操舵トルクT*(=TFB*+TFF*)を算出する。
合算部106は、算出した目標操舵トルクT*を表す情報を含んだ車線維持用トルク指令を、CAN20を介してステアリングECU80に送信する。
ステアリングECU80は、車線維持用トルク指令を受信すると、車線維持用トルク指令に含まれる情報である目標操舵トルクT*を目標電流に変換し、モータ50に目標電流が流れるようにモータドライバ70の作動を制御する。モータドライバ70には、モータ50に流れる電流を検出する電流センサ(図示略)が設けられている。ステアリングECU80は、電流センサによって検出される実電流が目標電流と等しくなるようにモータドライバ70のスイッチング素子(図示略)のデューティ比を制御する。これにより、モータ50から目標操舵トルクT*が出力され、操舵輪Wが転舵される。この結果、自車両を目標走行ラインLdに沿って走行させるようにドライバーの操舵操作を支援することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る操舵制御装置によれば、ステアリング機構40における、操舵アクチュエータの設けられている位置(モータ50により操舵トルクが付与されるステアリングシャフトの位置)から操舵輪Wまでの間に存在する遊びに対応した舵角補正値(θs(+),θs(-))を使って、舵角センサ52によって検出されたアクチュエータ舵角θiが補正される。これにより、操舵輪Wの操舵角の検出精度を向上させることができ、その結果、操舵支援制御(車線維持支援制御)を高精度に実施できる。
<変形例1>
上記実施形態においては、舵角補正の演算に用いられる境界舵角(θs(+),θs(-))は、予め設定された固定値として与えられるが、個々の車両ごとに設定されてもよい。例えば、運転支援ECU10は、車両走行中におけるアクチュエータ舵角θiの時間的変化量を表す操舵速度ωが所定速度以下となる場合の、アクチュエータ舵角θiと検出トルク(操舵トルク)とをサンプリングして、アクチュエータ舵角θiと検出トルクとの関係を取得する。操舵支援制御時においては、ゆっくり操舵される。従って、この所定速度は、操舵支援制御時における操舵速度の最大値と同程度に設定されるとよい。図7は、操舵速度ωが所定速度以下となる場合のアクチュエータ舵角θiと検出トルクとの関係の一例を表す。
上記実施形態においては、舵角補正の演算に用いられる境界舵角(θs(+),θs(-))は、予め設定された固定値として与えられるが、個々の車両ごとに設定されてもよい。例えば、運転支援ECU10は、車両走行中におけるアクチュエータ舵角θiの時間的変化量を表す操舵速度ωが所定速度以下となる場合の、アクチュエータ舵角θiと検出トルク(操舵トルク)とをサンプリングして、アクチュエータ舵角θiと検出トルクとの関係を取得する。操舵支援制御時においては、ゆっくり操舵される。従って、この所定速度は、操舵支援制御時における操舵速度の最大値と同程度に設定されるとよい。図7は、操舵速度ωが所定速度以下となる場合のアクチュエータ舵角θiと検出トルクとの関係の一例を表す。
図7に示すように、モータ50で操舵トルクを発生させても、その操舵トルクがステアリング機構の摩擦トルク(トーションバー61よりも操舵輪W側の摩擦に打ち勝つトルク)を上回るまでは、アクチュエータ舵角θiは変化しない。そして、操舵トルクが摩擦トルクを上回ると、アクチュエータ舵角θiが変化し始める。この場合、アクチュエータ舵角θiが所定舵角を超えると急激に検出トルクが増加する。従って、検出トルクが急激に増加するポイント、つまり、アクチュエータ舵角θiの増加開始から検出トルクの増加量が所定の閾値ΔTを超えたときのアクチュエータ舵角θiを境界舵角(θs(+),θs(-))に設定することができる。尚、ここでは、アクチュエータ舵角θiおよび検出トルクについては、その大きさ、つまり、絶対値について論じている。
運転支援ECU10は、所定車速以上で走行しているときのアクチュエータ舵角θiと検出トルクとをサンプリングして、アクチュエータ舵角θiと検出トルクとの関係を学習する。運転支援ECU10は、この学習結果に基づいて、上記のように、アクチュエータ舵角θiの増加開始から検出トルクの増加量が所定の閾値ΔTを超えたときのアクチュエータ舵角θiを境界舵角(θs(+),θs(-))に設定する。この検出トルク(操舵トルク)は、例えば、モータ50に流れる電流値から算出できる。従って、運転支援ECU10は、ステアリングECU80から、検出トルクの値を取得すればよい。
この変形例1によれば、補正後舵角θoを一層精度よく演算することができ、その結果、操舵支援制御(車線維持支援制御)を更に高精度に実施できる。尚、アクチュエータ舵角θiと検出トルクとの関係については、車線維持支援制御の実施時に学習してもよいし、ドライバーの操舵操作時に学習してもよい。また、車両工場において、各車両ごとに、上記のアクチュエータ舵角θiと検出トルクとの関係を測定して、境界舵角(θs(+),θs(-))を設定するようにしてもよい。
<変形例2>
変形例1では、検出トルクの増加量が所定の閾値ΔTを超えたときのアクチュエータ舵角θiを境界舵角(θs(+),θs(-))に設定する構成であるが、この変形例2は、境界舵角(θs(+),θs(-))の設定方法についてのみ変形例1とは異なる。
変形例1では、検出トルクの増加量が所定の閾値ΔTを超えたときのアクチュエータ舵角θiを境界舵角(θs(+),θs(-))に設定する構成であるが、この変形例2は、境界舵角(θs(+),θs(-))の設定方法についてのみ変形例1とは異なる。
図8に示すように、アクチュエータ舵角θiが所定舵角を超えると検出トルクが急に増加し始め、それ以降、検出トルクはアクチュエータ舵角θiの増加にほぼ比例して直線状に増加する。この変形例2では、運転支援ECU10は、アクチュエータ舵角θiと検出トルクとの関係を学習し、アクチュエータ舵角θiの増加にほぼ比例して直線状に増加する検出トルクの接線Lfを求め、この接線Lfで表される検出トルクが摩擦トルク(Tf,−Tf)と等しくなるポイント(グラフ上の交点P(+),P(-))におけるアクチュエータ舵角θiを境界舵角(θs(+),θs(-))に設定する。
この変形例2によれば、変形例1と同様に、補正後舵角θoを一層精度よく演算することができ、その結果、操舵支援制御(車線維持支援制御)を更に高精度に実施できる。
<変形例3>
上記実施形態および変形例1,2においては、ステアリング機構に存在する遊び(ガタ)を補償するようにアクチュエータ舵角θiを補正するものであるが、この変形例3では、上記の遊びに加えて、ステアリング機構40に存在する撓みについても考慮してアクチュエータ舵角θiを補正する。例えば、ラックバー44を支持するギヤボックス部材は、ブッシュ(図示略)を介して車体にマウントされている。また、インターミディエイトシャフト42bには振動減衰のためにゴムダンパー(図示略)を設ける場合がある。このため、操舵時においては、ブッシュやゴムダンパーが撓み、その撓み量(弾性変形分)に比例して操舵輪Wの舵角が少なくなる。換言すれば、アクチュエータ舵角θiは、ブッシュ等の撓み量に比例して、操舵輪Wの実際の舵角にオーバーオールギヤ比を乗算した値よりも大きくなる。
上記実施形態および変形例1,2においては、ステアリング機構に存在する遊び(ガタ)を補償するようにアクチュエータ舵角θiを補正するものであるが、この変形例3では、上記の遊びに加えて、ステアリング機構40に存在する撓みについても考慮してアクチュエータ舵角θiを補正する。例えば、ラックバー44を支持するギヤボックス部材は、ブッシュ(図示略)を介して車体にマウントされている。また、インターミディエイトシャフト42bには振動減衰のためにゴムダンパー(図示略)を設ける場合がある。このため、操舵時においては、ブッシュやゴムダンパーが撓み、その撓み量(弾性変形分)に比例して操舵輪Wの舵角が少なくなる。換言すれば、アクチュエータ舵角θiは、ブッシュ等の撓み量に比例して、操舵輪Wの実際の舵角にオーバーオールギヤ比を乗算した値よりも大きくなる。
そこで、運転支援ECU10は、上述した補正後舵角θo(実施形態あるいは変形例1,2で算出される補正後舵角θo)に対して、更に、補正係数Kを乗算して最終的な補正後舵角θoを演算する(θo=θo×K)。この場合、補正係数Kは、ステアリング機構40に存在する撓みを考慮した値であって、1よりも小さな正の値である(K<1)。
従って、この変形例3によれば、ステアリング機構に存在する撓みについても考慮して補正後舵角θoが算出されるため、補正後舵角θoを一層精度よく演算することができ、その結果、操舵支援制御(車線維持支援制御)を更に高精度に実施できる。
以上、本実施形態(変形例を含む)に係る操舵制御装置について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態においては、ラックピニオン式のステアリング機構を備えた操舵制御装置であるが、適用されるステアリング機構は、ラックピニオン式に限るものでは無く、例えば、RBS(リサーキュレーテッド・ボールステアリング)式であってもよい。特に、遊びの大きなステアリング機構を有する車両(バス、トラックなどの大型車両)には有効である。
また、本実施形態においては、運転支援ECU10が舵角センサ52によって検出されるアクチュエータ舵角θiを補正するが、それに代えて、ステアリングECU80が舵角センサ52によって検出されるアクチュエータ舵角θiを補正して、補正後舵角θoを運転支援ECU10に供給する構成であってもよい。また、変形例1および変形例2においては、運転支援ECU10が境界舵角(θs(+),θs(-))を学習するが、運転支援ECU10に代えてステアリングECU80が境界舵角(θs(+),θs(-))を学習し、その境界舵角(θs(+),θs(-))を運転支援ECU10に供給する構成であってもよい。
また、本実施形態の操舵制御装置においては、操舵支援制御として、車線維持支援制御を実施するが、車線維持支援制御に限るものでは無く、例えば、車線変更支援制御を実施してもよい。この場合、操舵制御装置は、車線変更支援制御に用いるアクチュエータ舵角θiを補正するように構成される。例えば、運転支援ECU10は、車線変更支援制御を実施する場合、自車両を隣接車線に移動させるための目標走行ラインを演算し、この目標走行ラインに走行させるためのアクチュエータ舵角θiの目標値である目標舵角θ*を演算し、舵角センサ52によって検出されるアクチュエータ舵角θiが目標舵角θ*に追従するように操舵アクチュエータの作動を制御する。運転支援ECU10は、この車線変更支援制御の実施時におけるアクチュエータ舵角θiを、上述したようにステアリング機構40の遊びに基づいて補正する。
1…運転支援制御部、10…運転支援ECU、11…車速センサ、13…カメラセンサ、30…電動パワーステアリング部、40…ステアリング機構、50…モータ、51…減速ギヤ、52…舵角センサ、60…トルクセンサ、61…トーションバー、70…モータドライバ、80…ステアリングECU、101…目標舵角演算部、102…FFトルク演算部、103…舵角補正部、104…減算部、105…FBトルク演算部、106…合算部、W…操舵輪、θi…アクチュエータ舵角、θo…補正後舵角、θs(+),θs(-)…境界舵角。
Claims (1)
- ステアリング機構に操舵トルクを付与する操舵アクチュエータと、
前記操舵アクチュエータが設けられている位置での舵角対応値を表すアクチュエータ舵角を検出する舵角検出手段と、
自車両を目標走行ラインに沿って走行させるための前記アクチュエータ舵角の目標値である目標舵角を演算する目標舵角演算手段と、
前記アクチュエータ舵角が前記目標舵角に追従するように前記操舵アクチュエータの作動を制御する操舵制御手段と
を備えた操舵制御装置において、
前記ステアリング機構における、前記操舵アクチュエータの設けられている位置から操舵輪までの間に存在する遊びに対応した舵角補正値を使って、前記舵角検出手段によって検出された前記アクチュエータ舵角を補正する舵角補正手段を備えた操舵制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019004061A JP2020111215A (ja) | 2019-01-15 | 2019-01-15 | 操舵制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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ID=71666402
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JP2019004061A Pending JP2020111215A (ja) | 2019-01-15 | 2019-01-15 | 操舵制御装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2022010563A (ja) * | 2020-06-29 | 2022-01-17 | 京楽産業.株式会社 | 遊技機 |
CN114013503A (zh) * | 2021-10-29 | 2022-02-08 | 北京汽车研究总院有限公司 | 自动驾驶车辆的横向控制方法、装置及车辆 |
EP4382397A1 (en) * | 2022-11-16 | 2024-06-12 | JTEKT Corporation | Steering control device |
JP7615465B2 (ja) | 2021-04-05 | 2025-01-17 | 株式会社ジェイテクト | 車両用操舵装置 |
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- 2019-01-15 JP JP2019004061A patent/JP2020111215A/ja active Pending
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