[go: up one dir, main page]

JP2020097114A - 金属積層膜を有する基板とその製造方法 - Google Patents

金属積層膜を有する基板とその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2020097114A
JP2020097114A JP2018235018A JP2018235018A JP2020097114A JP 2020097114 A JP2020097114 A JP 2020097114A JP 2018235018 A JP2018235018 A JP 2018235018A JP 2018235018 A JP2018235018 A JP 2018235018A JP 2020097114 A JP2020097114 A JP 2020097114A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal
layer
substrate
laminated film
metal layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018235018A
Other languages
English (en)
Inventor
弘司 笹木
Hiroshi Sasaki
弘司 笹木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2018235018A priority Critical patent/JP2020097114A/ja
Publication of JP2020097114A publication Critical patent/JP2020097114A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Internal Circuitry In Semiconductor Integrated Circuit Devices (AREA)
  • Weting (AREA)

Abstract

【課題】チップサイズを大きくすることなく、金属積層膜におけるイオン化傾向の高い金属層のサイドエッチングを抑制する。【解決手段】金属積層膜9の上に被覆層7を設け、金属積層膜9と被覆層7とが設けられた基板1を、金属積層膜9を構成する各金属層5,6と被覆層7とが電解質溶液Lに接液するように電解質溶液Lに浸漬する。金属積層膜9は、第1の金属層5と、第1の金属層5と基板1との間で第1の金属層5に接して設けられ、第1の金属層5よりイオン化傾向が高い第2の金属層6と、を有している。被覆層7は第1の金属層5の第2の金属層6と接する面の裏面と接している。【選択図】図2

Description

本発明は金属積層膜を有する基板とその製造方法に関する。
液体吐出ヘッドは、基板に設けられたエネルギー発生素子に通電することでエネルギーを発生させ、発生したエネルギーによってインクなどの液体を吐出口から吐出させる。基板にはエネルギー発生素子と接続された電極パッドが設けられている。エネルギー発生素子には電極パッドを介して、駆動のための電気信号や電圧が供給される。電極パッドは、基板に形成された金属配線層の上に拡散防止層と電極層がこの順で積層された金属積層膜構造を有している。拡散防止層は電極層の金属が基板に拡散することを防止する金属層であり、金属配線層と電極層を電気的に接続する機能も有している。このような金属積層膜が製造工程中に電解質溶液と接触すると、金属層間で電位差が生じて局部電池(ガルバニ電池)が形成され、イオン化傾向の高い金属層の溶解が促進される。拡散防止層のイオン化傾向は通常、金属配線層のイオン化傾向より高いため、拡散防止層の横方向の溶解(サイドエッチング)が促進され、金属配線層と電極層との電気接続性が低下する可能性がある。また、金属配線層へのダメージ、電極層の基板からの剥離などが生じやすくなり、信頼性が低下する可能性がある。
特許文献1には、イオン化傾向の高い金属層と低い金属層がこの順で積層された金属積層膜をウェットエッチングによりエッチングする方法が開示されている。金属積層膜のエッチング対象領域の外側に上記イオン化傾向の高い金属層と同じ金属層を成膜して電喰抑制パターンを形成することで、イオン化傾向の高い金属層のサイドエッチングが抑制される。
特開2005−223719号公報
特許文献1に記載の方法は金属積層膜のエッチング対象領域の外側に電喰抑制パターンを形成する必要がある。換言すれば、基板上に本来の機能に関連しない領域を確保する必要があり、基板の大きさ、すなわちチップサイズが大きくなる可能性がある。
本発明は、チップサイズを大きくすることなく、金属積層膜におけるイオン化傾向の高い金属層のサイドエッチングを抑制することが可能な、金属積層膜を備える基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の金属積層膜を備える基板の製造方法は、基板の上に金属積層膜を設けることと、金属積層膜の上に無機材料または樹脂材料からなる被覆層を設けることと、金属積層膜と被覆層とが設けられた基板を、金属積層膜を構成する各金属層と被覆層とが電解質溶液に接液するように電解質溶液に浸漬することと、を有する。金属積層膜は、第1の金属層と、第1の金属層と基板との間で第1の金属層に接して設けられ、第1の金属層よりイオン化傾向が高い第2の金属層と、を有し、被覆層は第1の金属層の第2の金属層と接する面の裏面と接している。
本発明によれば、チップサイズを大きくすることなく、金属積層膜におけるイオン化傾向の高い金属層のサイドエッチングを抑制することが可能な、金属積層膜を備える基板の製造方法を提供することができる。
第1の実施形態に係る基板の構成を示す模式図である。 局所電池作用を説明するための模式図である。 実施例1の基板の製造方法を示す概略ステップ図である。 実施例1の基板の製造方法を示す概略ステップ図である。 実施例3の基板の製造方法を示す概略ステップ図である。 第2の実施形態に係る基板の構成を示す模式図である。
以下、本発明をいくつかの実施形態によって説明する。以下に説明する各実施形態は、インクジェット記録ヘッドなどの液体吐出ヘッドにおける基板とその製造方法を対象とする。また、各実施形態における金属積層膜は基板に設けられた電極パッドである。従って、本実施形態の基板は金属積層膜を備える基板の一例である。しかし、本発明はこれらの実施形態に限定されず、特に、金属積層膜を構成する各金属層が電解質溶液に浸漬される製造プロセスを含む、金属積層膜を有する基板の製造方法に広く適用することができる。また、本実施形態の基板はインクを吐出する液体吐出ヘッドに適用されるが、基板はインク以外の液体を吐出する液体吐出ヘッドに用いられるものであってもよい。
(第1の実施形態)
図1(a)は、本発明の第1の実施形態に係る基板の、電極パッドの形成面と垂直な方向からみた平面図、図1(b)は、図1(a)のA−A線に沿った概略断面図である。図1(c)は図1(a)のB部拡大図(電極パッドの拡大図)、図1(d)は図1(c)のC−C線に沿った概略断面図であり、これらの図は基板1の作成中の状態を示す。液体吐出ヘッドの素子基板10はシリコンの基板1と、基板1上に設けられ、レジストで形成された吐出口形成部材11と、を有している。吐出口形成部材11にはインクが吐出する吐出口12が設けられ、基板1の吐出口12と対向する位置にはインクに吐出のためのエネルギーを与えるエネルギー発生素子13が設けられている。基板1の吐出口形成部材11及び後述する金属積層膜9が設けられた面にはエネルギー発生素子13に駆動のための電流を供給する電極パッド2が設けられている。すなわち、エネルギー発生素子13と電極パッド2は基板1の同じ面に設けられている。エネルギー発生素子13は金属配線層3によって電極パッド2と電気的に接続されている。金属配線層3は絶縁層4に覆われている。絶縁層4の電極パッド2の位置には、金属配線層3と金属積層膜9との電気接続のための開口14が形成されている。基板1にはインクを供給するための供給路15が設けられている。供給路15は基板1を貫通する貫通孔である。吐出口形成部材11と基板1との間にエネルギー発生素子13を収容する圧力室16が設けられている。インクは供給路15から圧力室16に供給され、エネルギー発生素子13で吐出のための熱エネルギーを与えられて吐出口12から吐出する。
電極パッド2は、基板1の上に設けられ金属配線層3と電気的に接続された金属積層膜9で構成されている。金属積層膜9は第1の金属層5と第2の金属層6とを有している。金属積層膜9は第1及び第2の金属層5,6以外の導電層を含んでいてもよい。金属積層膜9の第2の金属層6が金属配線層3と接しており、第2の金属層6の上に第1の金属層5が設けられている。第1及び第2の金属層5,6は所定の形状にパターニングされている。第1の金属層5は電極層であり、アルミニウム、銅、金などの電気伝導性の良好な金属で形成されている。
第2の金属層6は、第1の金属層5と基板1との間で第1の金属層5及び金属配線層3に接して設けられている。第2の金属層6は絶縁層4の開口14に設けられ、第1の金属層5を第2の金属層6を介して金属配線層3に電気的に接続している。第2の金属層6は、第1の金属層5に用いられる金属が基板1に拡散することを抑制する拡散抑制層として機能する。第2の金属層6は、金属配線層3及び第1の金属層5との接着性に優れ、温度に対して安定で拡散を生じず、化学的にも安定で、且つ比抵抗があまり高くない金属材料、またはそのような金属材料の化合物で形成されている。このような金属材料として、チタンタングステン、チタン、タングステン、ニッケル、窒化タンタル、モリブデンの他、窒化チタン等のチタン化合物が挙げられる。第2の金属層6は第1の金属層5よりイオン化傾向が高い。イオン化傾向は標準電極電位の負の値が大きいほど高い。換言すれば、第1及び第2の金属層5,6は負の標準電極電位を有しており、その絶対値をそれぞれE1,E2とすると、E2>E1の関係がある。
金属積層膜9の上には被覆層7が設けられている。被覆層7は第1の金属層5の第2の金属層6と接する面の裏面と接している。被覆層7の材料は、第1の金属層5の裏面を覆い、且つ後述のように第1の金属層5の露出面積を抑制することができる限り限定されない。被覆層7はSiO、SiC、TiOなどの無機材料または、エポキシ、ポリアミドを主成分とする樹脂材料で形成されるが、金属で形成することもできる。
図2は、基板1を電解質溶液中に浸漬した様子を示す模式図である。図2(a)は、比較例の基板1を電解質溶液Lに浸漬したときの電子の移動を模式的に示している。電子は符号e-で示している。比較例は、被覆層7が設けられていないことを除き、図1(d)に示す本実施形態と同じ構成を有している。比較例では、イオン化傾向の高い第2の金属層6からイオン化傾向の低い第1の金属層5に電子が移動する。これによって、第2の金属層6と電解質溶液Lとの接触面から第2の金属層6の金属が電解質溶液L中に金属イオンとして溶け出す。すなわち、第1の金属層5と第2の金属層6との間に生じる局所電池作用により、第2の金属層6にサイドエッチングが生じる。
図2(b)は、本実施形態の金属積層膜9を備えた基板1を電解質溶液Lに浸漬したときの電子の移動を模式的に示している。一般に卑金属と貴金属が積層された金属積層膜9において、卑金属の溶解速度は、卑金属と貴金属の露出面積の面積比に対して次の関係を有する。
P=P0・(1+Snoble/Sbase) (式1)
P:卑金属の溶解速度
P0:卑金属が単独で存在する場合の溶解速度
Sbase:卑金属の露出面積
Snoble:貴金属の露出面積
このため、最もイオン化傾向の低い貴金属である第1の金属層5の露出面積を小さくすることで、第1の金属層5に対して卑金属となる第2の金属層6の溶解速度を低減させることができる。本実施形態では、被覆層7は第1の金属層5の第2の金属層6と接する面の裏面の少なくとも半分以上、好ましくは全面を覆っている。従って、被覆層7が設けられていない構成と比べ、第2の金属層6の溶解速度を抑え、それによって第2の金属層6のサイドエッチングを抑制し、電極パッド2の電気接続性能を確保することができる。また、金属配線層3及び電極パッド2の基板1からの剥離、金属配線層3のダメージを抑制し、信頼性の高い基板1を作製することができる。
(実施例1)
第1の実施形態に係る基板1の製造方法を実施例によって説明する。基板1の製造方法は、金属積層膜9を形成する工程と、金属積層膜9が形成された基板1にインクの供給路15を形成する工程とを有している。図3は金属積層膜9を形成する工程を、図4は供給路15を形成する工程を概略的に示している。
まず、図3(a)に示すように、シリコンからなる基板1上に、フォトリソグラフィー法を用いてアルミニウムを主成分とする金属配線層3を設けた。次に、金属配線層3の上面に真空成膜法を用いてシリコン化合物の絶縁材料からなる絶縁層4を積層した。次に、フォトリソグラフィー法を用いて絶縁層4をパターニングし、金属配線層3と第1の金属層5との間の電気的導通を得るための開口14を絶縁層4に形成した。
次に、図3(b)に示すように、それぞれ第1及び第2の金属層5,6となる第1及び第2の金属膜5a,6aを成膜した。以下に述べるように、第1及び第2の金属層5,6は、成膜された第1及び第2の金属膜5a,6aをウェットエッチングで所定の形状にパターニングすることにより形成される。具体的には、まず、真空成膜装置を用いて、第2の金属層6となる第2の金属膜6aを200nmの膜厚で成膜した。第2の金属膜6aはチタンタングステンからなる。後に不要部をウェットエッチングで除去し易いように、Ti10wt%、W90wt%のターゲットを用いた。次に、真空成膜装置を用いて、第1の金属層5となる第1の金属膜5aを200nmの膜厚で成膜した。第1の金属膜5aは金からなる。
次に、図3(c)に示すように、フォトリソグラフィー法を用いて感光性ポジ型レジストの塗布、露光、現像を行い、第1及び第2の金属層5,6が形成される領域以外の領域を露出させるレジストマスク8を形成した。具体的には、i線露光装置を用いて、塗布したポジ型レジストを所定のパターンのマスクを通して適切な露光量で露光した。次に、数%濃度のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液を用いて現像を行い、レジストマスク8を形成した。
次に、図3(d)に示すように、窒素系有機化合物とヨウ素ヨウ化カリウムとを含む金エッチング液に基板1を8分間浸漬させ、金で形成された第1の金属膜5aの露出している部分を除去した。これにより、第1の金属層5が形成されるとともに、第2の金属膜6aが露出した。次に、30%濃度のH22系のエッチング液に基板1を10分間浸漬させ、第2の金属膜6aの露出している部分を除去した。これにより、第2の金属層6が形成された。その後、レジストマスク8を剥離液に浸漬させて除去した。以上の工程によって、基板1の上に、所定の形状にパターニングされた金属積層膜9からなる電極パッド2が形成される。
次に、図3(e)に示すように、真空蒸着装置を用いて、金属積層膜9に被覆層7となるシリコン酸化膜7a(SiO膜)を50nmの膜厚で成膜した。次に、上述と同様の手順にて被覆層7が形成される領域以外の領域を露出させるレジストマスク108を形成した。
次に、図3(f)に示すように、フッ酸系のエッチング液に基板1を10分間浸漬させ、シリコン酸化膜7aの露出している部分を除去した。これにより、被覆層7が形成された。最後に、レジストマスク108を剥離液に浸漬させて除去した。
次に、図4を参照して、供給路15を形成する工程について説明する。まず、図4(a)に示すように、基板1上の全面に感光性ポジ型レジスト208(東京応化製iP5700(商品名))を塗布した。次に、半導体露光装置(キヤノン製FPA−5520iV)を用いて、塗布したレジスト208を、供給路15のパターンが形成されたマスク(図示せず)を通して、4800J/m2の露光量で露光した。
次に、図4(b)に示すように、2.38%のTMAH水溶液を用いてレジスト208を現像し、レジスト208に貫通孔109を形成した。以上の工程により基板1に形成されたレジストマスク208は金属積層膜9を覆うとともに、貫通孔109は基板1の金属積層膜9が設けられた面(より正確には、絶縁層4の表面)の金属積層膜9が形成されていない部分の一部を露出させている。次に、C8、CF4、Arの混合ガスを用いた反応性イオンエッチングにより、露出している絶縁層4をレジストマスク208の貫通孔109を通して除去した。次に、反応性イオンエッチングの一種であるボッシュプロセスを用いて供給路15を形成した。ボッシュプロセスはエッチングとパッシベーション(側壁保護)を繰り返すことで異方性エッチングを行うプロセスである。具体的には、レジストマスク208をマスクとして、SF4ガスを用いて基板1の貫通孔109と対向する位置に穴を形成するエッチング工程と、C48ガスを用いて側壁に保護膜を形成するパッシベーション工程とを交互に行った。これらの工程を繰り返すことによって、基板1の貫通孔109と対向する位置に、基板1を貫通する貫通孔である供給路15を形成した。供給路15の内壁にはCF系ポリマーからなるパッシベーション層(保護膜)16が堆積した。
次に、図4(c)に示すように、エッチングマスクとして用いたレジストマスク208と、ボッシュプロセスにより供給路15の側壁に堆積したパッシベーション層16をポリマー除去液に30分間浸漬することによって同時に除去した。ポリマー除去液には、60℃に温度調整されヒドロキシルアミンを5%含むデュポン社製EKC2255(商品名)を用いた。
次に、図4(d)に示すように、被覆膜7を除去した。被覆層7が非導電性であるため、基板1を電解質溶液に浸漬した後、第1の金属層5と電極パッド2の電気的接続を取るために除去される。なお、被覆層7が導電性の材料からなる場合は、残存させることもできる。この場合、被覆層7は電極パッド2の一部として機能する。以上の工程により、金属積層膜9と供給路15とを備えた基板1が形成された。
図4(c)に示す工程において、金属積層膜9が設けられた基板1は、金属積層膜9を構成する各金属層(第1及び第2の金属層5,6)が電解質溶液であるポリマー除去液に接液するように、ポリマー除去液に浸漬される。従って、貫通孔である供給路15が形成された後、ポリマー除去液によってレジストマスク208とパッシベーション層16が除去される際に、第2の金属層6のサイドエッチングが生じ得ることになる。換言すれば、レジストマスク208が除去されることによって、金属積層膜9は図2(b)に示すように、各金属層(第1及び第2の金属層5,6)の端面と被覆層7の上面及び端面が電解質溶液に接液した状態となる。しかし、前述のとおり被覆層7が第1の金属層5の露出面積を限定するため、第2の金属層6のサイドエッチングは抑制される。
(実施例2)
本実施例では、被覆層7としてレジストを用いた。基本的なプロセスは実施例1と同様である。図3(a)〜図3(d)に示すプロセスは実施例1と同様にして行った。図3(e)において、第2の金属層6の上に、スピンコートによってレジスト膜(SU8(日本化薬工業社製、商品名))を1μmの膜厚で形成した。レジスト膜は図3(e)におけるシリコン酸化膜7aに対応している(以下、便宜上レジスト膜7aと呼ぶ)。次に、図3(f)に示すように、i線露光装置を用いて、塗布したレジスト膜7aを所定のパターンのマスクを通して適切な露光量で露光した。次いで、キシレンを用いて現像を行い、レジスト膜7aを所望のパターンに成形し、被覆層7を形成した。その後、図4に示す工程を行い、金属積層膜9と供給路15とを備えた基板1を作成した。
上述の方法によって作成された実施例1,2と比較例とを対象に、第2の金属層6のサイドエッチング量を測定した。サイドエッチング量は図2(a),2(b)に符号sで概念的に示している。実施例1,2と比較例はいずれも第1の金属層5に金、第2の金属層6にチタンタングステンを用いている。実施例1はSiOからなる溶解抑制層を備え、実施例2は樹脂からなる溶解抑制層を備えている。比較例は溶解抑制層(被覆層7)を備えていない。比較例における第2の金属層6のサイドエッチング量は約6μmであった。これに対して、実施例1及び2における第2の金属層6のサイドエッチング量はともに約1μmであり、第2の金属層6のサイドエッチング量が大幅に低減した。
(実施例3)
本実施例は被覆層7を形成するタイミングが実施例1,2と異なる。まず図5(a)に示すように、シリコンからなる基板1上に、フォトリソグラフィー法を用いてアルミニウムを主成分とする金属配線層3を設けた。次に、金属配線層3の上面に真空成膜法を用いてシリコン化合物の絶縁材料からなる絶縁層4を積層した。次に、フォトリソグラフィー法を用いて絶縁層4をパターニングし、金属配線層3と第1の金属層5との間の電気的導通を得るための開口14を絶縁層4に形成した。
次に、図5(b)に示すように、それぞれ第1及び第2の金属層5,6となる第1及び第2の金属膜5a,6a並びに被覆層7となるシリコン酸化膜7aを成膜した。これらの成膜は実施例1と同様にして行った。
次に、図5(c)に示すように、フォトリソグラフィー法を用いて感光性ポジ型レジストの塗布、露光、現像を行い、第1及び第2の金属層5,6並びに被覆層7が形成される領域以外の領域を露出させるレジストマスク308を形成した。
次に、図5(d)に示すように、露出しているシリコン酸化膜7aをフッ酸系のエッチング液に10分間浸漬し除去した。次いで、第1及び第2の金属膜5a,6aを実施例1と同様にパターニングした。その後、レジストマスク308を剥離液に浸漬させて除去した。
本実施例に対して実施例1,2と同様の方法でサイドエッチング量の測定を行ったところ、サイドエッチング量が低減することを確認した。
(第2の実施形態)
図6(a)は、電極パッド2の拡大図を示す図1(c)と同様の図、図6(b)は、図6(a)のA−A線に沿った概略断面図である。本実施形態の基板1の製造方法は、被覆層7に第1の金属層5を露出させる開口17を形成することを有する。本実施形態の基板1は被覆層7が部分的に開口とされていることを除き、第1の実施形態に係る基板1と同一の構成を有している。被覆層7の開口17の形状は円形や矩形が典型的であるが、第1の金属層5の上面が被覆層7の欠損部によって露出される限り限定されない。被覆層7の開口17は、第1の金属層5の中心位置に設けられることが好ましい。第2の金属層6のサイドエッチングを抑制するため、開口17の面積は、ワイヤボンディングができる範囲で最小にすることが好ましい。
基板1の電極パッド2は、ワイヤボンディング法などによって、FPC(フレキシブルプリント回路基板)などの電気配線部材(図示せず)と電気的にワイヤ接続される。被覆層7が非導電性の材料からなる場合、電気配線部材との接続のためには被覆層7を除去する必要がある。本実施形態によれば、被覆層7に開口17を設けることで、第2の金属層6のサイドエッチングを抑制しつつ、第1の金属層5と電気配線部材をワイヤボンディングで直接接続することが可能となる。また、被覆層7を除去する必要がない。
被覆層7の開口17を形成するには、第1の実施形態において、レジストマスクに被覆層7の開口17に対応する開口パターンを設けるだけでよく、他の工程は第1の実施形態と同様である。具体的には、実施例1の図3(a)〜図3(e)に示すプロセスを行った後、図3(f)に示す工程において、図6(c)に示すように、ワイヤボンディングのワイヤW(図6(b)参照)の接続部が後に露出するようにレジストマスク408の形成を行う。一実施例では、フッ酸系のエッチング液に基板1を10分間浸漬させ、シリコン酸化膜7aの露出している部分を除去した。これにより、被覆層7が形成された。その後、レジストマスク408を剥離液に浸漬させて除去した。以上の工程によって、基板1の上に、所定の形状にパターニングされた金属積層膜9からなる電極パッド2が形成されるとともに、電極パッド2が開口17を有する被覆層7で覆われる。ワイヤボンディングによって、被覆層7の開口17を通して第1の金属層5にワイヤWを接続したところ、良好な密着性が得られた。
1 基板
5 第1の金属層
6 第2の金属層
7 被覆層
9 金属積層膜

Claims (11)

  1. 基板の上に金属積層膜を設けることと、
    前記金属積層膜の上に被覆層を設けることと、
    前記金属積層膜と前記被覆層とが設けられた前記基板を、前記金属積層膜を構成する各金属層と前記被覆層とが電解質溶液に接液するように前記電解質溶液に浸漬することと、を有し、
    前記金属積層膜は、第1の金属層と、前記第1の金属層と前記基板との間で前記第1の金属層に接して設けられ、前記第1の金属層よりイオン化傾向が高い第2の金属層と、を有し、前記被覆層は前記第1の金属層の前記第2の金属層と接する面の裏面と接している、金属積層膜を備える基板の製造方法。
  2. 前記被覆層は、前記裏面の全面を覆っている、請求項1に記載の基板の製造方法。
  3. 前記被覆層は無機材料からなる、請求項1または2に記載の基板の製造方法。
  4. 前記被覆層はSiO、SiCまたはTiOからなる、請求項3に記載の基板の製造方法。
  5. 前記被覆層は樹脂材料からなる、請求項1または2に記載の基板の製造方法。
  6. 前記被覆層はエポキシまたはポリアミドを主成分とする、請求項5に記載の基板の製造方法。
  7. 前記被覆層に前記第1の金属層を露出させる開口を形成することを有する、請求項3から6のいずれか1項に記載の基板の製造方法。
  8. 前記第2の金属層は前記第1の金属層の金属の拡散を抑制する拡散抑制層である、請求項1から7のいずれか1項に記載の基板の製造方法。
  9. 前記基板の前記金属積層膜が設けられる面に、液体に吐出のためのエネルギーを与えるエネルギー発生素子を形成することを有し、前記金属積層膜は前記エネルギー発生素子に駆動のための電流を供給する電極パッドである、請求項1から8のいずれか1項に記載の基板の製造方法。
  10. 基板と、前記基板の上に設けられた金属積層膜と、前記金属積層膜の上に設けられ、非導電性の被覆層と、を有し、
    前記金属積層膜は、第1の金属層と、前記第1の金属層と前記基板との間で前記第1の第1の金属層に接して設けられ、前記第1の金属層よりイオン化傾向が高い第2の金属層と、を有し、前記被覆層は前記第1の金属層を露出させる開口を有している、金属積層膜を備える基板。
  11. 前記基板の前記金属積層膜が設けられる面に設けられ、液体に吐出のためのエネルギーを与えるエネルギー発生素子を有し、前記金属積層膜は前記エネルギー発生素子に駆動のための電流を供給する電極パッドである、請求項10に記載の基板。
JP2018235018A 2018-12-17 2018-12-17 金属積層膜を有する基板とその製造方法 Pending JP2020097114A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018235018A JP2020097114A (ja) 2018-12-17 2018-12-17 金属積層膜を有する基板とその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018235018A JP2020097114A (ja) 2018-12-17 2018-12-17 金属積層膜を有する基板とその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020097114A true JP2020097114A (ja) 2020-06-25

Family

ID=71105621

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018235018A Pending JP2020097114A (ja) 2018-12-17 2018-12-17 金属積層膜を有する基板とその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020097114A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4694305B2 (ja) 半導体ウエハの製造方法
US20020005568A1 (en) Semiconductor device and method for manufacturing
JP5596919B2 (ja) 半導体装置の製造方法
US10438912B2 (en) Liquid ejection head substrate and semiconductor substrate
JP2010232400A (ja) 半導体基板と半導体基板の製造方法および半導体パッケージ
JP4979793B2 (ja) 液体吐出ヘッド用基板の製造方法
JP2012146800A (ja) 半導体装置及び半導体装置の製造方法
CN109727942B (zh) 半导体装置以及半导体装置的制造方法
JP2006269968A (ja) 半導体装置およびその製造方法
JP2020097114A (ja) 金属積層膜を有する基板とその製造方法
JP2006261323A (ja) 半導体装置及びその製造方法
JP2020097115A (ja) 金属積層膜を有する基板とその製造方法
JP2006108244A (ja) 半導体装置の製造方法
JP6323991B2 (ja) 液体吐出ヘッド及びその製造方法
JP5733967B2 (ja) 液体吐出ヘッド及びその製造方法
JP5596962B2 (ja) 液体吐出ヘッド用基板の製造方法及び液体吐出ヘッドの製造方法
JP2009006503A (ja) インクジェット記録ヘッド用の基板およびその製造方法
JP7387332B2 (ja) 積層構造体の製造方法及び液体吐出ヘッド用基板の製造方法
JP2005210048A (ja) 半導体装置の製造方法、半導体装置、回路基板、並びに電子機器
JP2021052152A (ja) 半導体基板、半導体基板の製造方法、液体吐出ヘッドおよび液体吐出ヘッドの製造方法
JP7387338B2 (ja) 電気接続部付き基板の製造方法及び液体吐出ヘッド用基板の製造方法
JP2006030230A (ja) 半導体装置の製造方法
JP2020097117A (ja) 基板構造体とその製造方法、液体吐出ヘッド
JP4971960B2 (ja) 半導体装置の製造方法
US9975338B2 (en) Method for manufacturing liquid ejection head substrate