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JP2020084476A - 自己穿孔型拡張式アンカー及びこれに使用するドライバビット - Google Patents

自己穿孔型拡張式アンカー及びこれに使用するドライバビット Download PDF

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JP2020084476A
JP2020084476A JP2018217117A JP2018217117A JP2020084476A JP 2020084476 A JP2020084476 A JP 2020084476A JP 2018217117 A JP2018217117 A JP 2018217117A JP 2018217117 A JP2018217117 A JP 2018217117A JP 2020084476 A JP2020084476 A JP 2020084476A
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敏次 浜田
toshitsugu Hamada
敏次 浜田
雄治 土肥
Yuji Doi
雄治 土肥
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Abstract

【課題】作業性と高い締結強度とに優れたコンクリート用アンカーを提供する。【解決手段】アンカーは、アンカー本体1とドリル部4とを有しており、動力工具に取付けられたドライバビット21により、施工部に事項穿孔することができる。アンカー本体1は、スリット5で複数に縦割された拡張部6を有している。アンカー本体1の内部にはボール2の群が配置されており、ボール2の群を押圧用ボルト3で押し込むと、ボール2の群で拡張部6が広がり変形する。アンカー本体1の後端部には係合溝26が形成されている一方、ドライバビット21には、ボス部24とリブ25とが形成されている。【選択図】図1

Description

本願発明は、コンクリートやレンガなどの石系部材に使用するのに好適な自己穿孔型拡張式アンカーと、これに使用するドライバビットとに関するものである。
建物やトンネルなどのコンクリート構造物に各種の部材を取り付けるための手段として、拡張式のアンカーが使用されている。拡張式アンカーは、筒状のアンカー本体を有しており、アンカー本体の先端部に、軸方向に長い複数本のスリットを形成することにより、拡張部が広がり変形するようになっており、拡張部を広げ変形させる操作部材としては、叩き込み式のテーパ状ピンや、ボールとこれを押すボルトとのセットが使用されている。ボールをボルトで押して拡張部を広げる方式として、例えば、特許文献1がある。
他方、特許文献2には、アンカー本体にピンを内装して、ピンを叩き込んでクサビ作用によって拡張部を広げる叩き込み式の拡張式アンカーにおいて、先端にドリル部を設けて自己穿孔性を持たせることが開示されている。
再公表WO2016/121993号公報 特許第3291202号公報
特許文献2に例示される叩き込み式アンカーは、ピンを叩き込む作業に多大な労力を有する問題や、緩みが生じた場合に保持力を戻すことができない等の問題がある。他方、特許文献1のようにボルトで押圧されるボールの群によって拡張するタイプは、ハンマーを振り回す作業は不要であるため作業者の負担を著しく軽減できる利点や、トルク管理が容易である利点、緩みが生じた場合は増し締めして保持力を回復できる利点などがあり、今後の普及が期待されている。
他方、特許文献2のアンカーは自己穿孔性を有するため、専用のドリルを使用して下穴を空ける工程は不要となり、それだけ作業性を向上できるが、叩き込み式としての不具合は依然として残っている。また、アンカー本体の回転操作によって下穴を空けるに際しては、拡張用のピンを抜き外しておかねばならず、下穴を空けてからピンをセットして叩き込むことになるため、作業は相当に厄介である。
また、特許文献2のうち図7(B)には、アンカー本体に雌ねじを空けたタイプが開示されているが、このタイプでは、部材をボルトで締結できるため汎用性が高いと云える。しかし、下穴を空けるに際して、どのようにしてドライバビットをアンカー本体に係合させるのか、明確でない。
本願発明は、このような現状を契機として成されたものであり、ボルトの回転操作によってアンカー本体を拡張する拡張式アンカーを基本構成としつつ、現場での施工性を向上させんとするものである。
本願発明は、自己穿孔型拡張式アンカーとドライバビットとを含んでいる。このうち自己穿孔型拡張式アンカーは、
「軸心と直交した方向に広がり変形する拡張部を有する筒状のアンカー本体と、前記アンカー本体の内部に配置された拡張部材と、前記拡張部材を軸方向に押圧するために前記アンカー本体の内部に隠れた状態にねじ込まれて配置された押圧用ボルトとを備えており、
前記押圧用ボルトのねじ込みによる前記拡張部材の押圧作用により、前記拡張部が軸心と直交した方向に押し広げられるようになっている」
という構成である。
そして、請求項1の発明は、上記基本構成において、
「前記アンカー本体の先端に、当該アンカー本体の回転によって施工部に下穴を空けるドリル部が設けられている一方、
前記アンカー本体の後端部には、前記押圧用ボルトが内部に配置された状態のままでドライバビットを着脱できる係合部が形成されている」
という構成になっている。
請求項2の発明は請求項1の発明の展開例であり、
「前記アンカー本体の外周面に、穿孔により発生した切り粉を排除する溝が形成されている」
という構成になっている。
請求項3の発明は、請求項1又は2の展開例であり、
「前記アンカー本体の係合部は、ドライバビットを軸方向の移動によって自在に嵌脱できる形態である」
という構成になっている。
請求項4の発明は請求項3の発明の展開例であり、
「前記アンカー本体の内部には、前記押圧用ボルト及び部材締結用ボルトがねじ込まれる雌ねじが、当該アンカー本体の後端まで形成されている一方、
前記係合部は、前記アンカーの後端面に切り開かれた係合溝であり、前記係合溝は、前記雌ねじを分断した状態に形成されている」
という構成になっている。
ドライバビットは、請求項5で特定している。すなわち、この発明は、
「請求項4に記載した自己穿孔型拡張式アンカーに使用するドライバビットであって、
前記アンカー本体の後端部にガタ付きが殆どない状態に差し込まれる位置決めボス部に、前記アンカー本体の係合溝に嵌入するリブが形成されている」
という構成になっている。
既述のとおり、特許文献2では、下穴を空けてからピンをアンカー本体に挿入するという作業が必要であるため、アンカーを施工部に取付ける作業性が必ずしもスムースでない。また、ピンを紛失してしまうおそれもある。
これに対して本願発明の自己穿孔型拡張式アンカーは、押圧用ボルトをアンカー本体に内蔵した状態のままで下穴を穿孔できるため、アンカーによって下穴を所定の深さに空けたら、押圧用ボルトをねじ込んで拡張部を拡張する作業にすぐに移行できる。従って、アンカーを施工部に取り付ける作業を、スムースに行うことができる。また、押圧用ボルトや拡張部材を紛失するといった不具合は皆無である。
ドリル部による下穴の穿孔作業においては、コンクリート粉など、切り粉が発生するため、切り粉を排除する対策が必要である(特に、ALCでない通常のコンクリートでは、切り粉の排除手段は必須である。)。この点については、ドリル部の回転外径をアンカー本体の外径よりもある程度大きくしておくことが考えられるが、この場合は、下穴とアンカー本体との間に大きな隙間が空くため、穿孔作業に際してアンカー本体が振れ動きやすくなる問題や、拡張部の突っ張り作用が不十分になって十分な締結強度を確保できなくなる問題、或いは、アンカー本体のグラツキの問題などが発生するおそれがある。
これに対して、請求項2のようにアンカー本体の外周面に切り粉排出溝を形成すると、ドリル部の回転外径をアンカー本体の外径と略同じに設定しつつ、切り粉を排出して穿孔作業をスムースに行うことができるため、穿孔に際しての振れ動きを防止して精度良く穿孔できると共に、拡張部を下穴に強く突っ張らせて高い締結強度を確保することができる。また、アンカー本体のグラツキも生じない。
アンカー本体を動力工具で回転操作するに当たっては、例えば、ドライバビットの先端部に、アンカー本体の後端面に当たるフランジと、フランジから突出した雄ねじ部と形成して、雄ねじ部をアンカー本体の雌ねじ穴にねじ込んで回転させるということが考えられる(この場合は、雌ねじ穴の一部が、ドライバビットが取り付く係合部を兼用している。)。しかし、この場合は、雄ねじと雌ねじとが強く噛み合うため、穿孔を終えてからドライバビットを逆回転させても、ドライバビットをアンカー本体から離脱させることができなくなるおそれがある。
これに対して請求項3の構成を採用すると、ドライバビットは軸方向に移動によってアンカー本体の係合部に嵌脱できるため、穿孔作業を終えてからドライバビットをアンカー本体から容易に離脱できる。従って、作業の確実性を担保できる。
請求項3においては、係合部は、例えば六角穴のような係合穴に形成することも可能であるが、この場合は、雌ねじ穴は六角穴よりも奥にずれるため、雌ねじ穴の長さが短くなって、部材締結用ボルトと雌ねじとの螺合長さが不十分になる場合が生じることも有り得る。
これに対して請求項4の発明を採用すると、係合溝はアンカー本体の後端まで形成できるため、部材締結用ボルトと雌ねじとの螺合長さを長くして、部材の締結強度を高い状態に維持できる。
請求項4のアンカーに使用するドライバビットとしては、通常のマイナスドライバも使用可能であるが、穿孔作業においては、アンカー本体の後端部は施工面の外側に露出しているため、単なるマイナス型のドライバビットであると、ドライバビットが係合溝から外れてしまいやすい問題がある。
これに対して、請求項5の構成のドライバビットを採用すると、位置決めボス部が雌ねじ穴に入り込んでいるため、ドライバビットは、アンカー本体と殆ど同心の状態に保持される。従って、部材の締結強度に優れた自己穿孔型拡張式アンカーによって、施工場所に容易に取り付けることができる。
第1実施形態を示す図で、(A)はドライバビットと自己穿孔型拡張式アンカーとの分離斜視図、(B)は自己穿孔型拡張式アンカーの側面図、(C)は(B)のC−C視背面図、(D)は(B)のD−D視正面図、(E)は(B)のE−E視平面図、(F)は(B)のF−F視断面図、(G)はドライバビットを表示した状態での(B)のG−G視断面図である。 第1実施形態を示す図で、(A)は縦断側面図、(B)(C)は施工手順を示す図である。 第1実施形態を示す図の施工手順を示す断面図である。 第2実施形態の側面図である。 第3実施形態を示す図で、(A)は部分的な側面図、(B)は(A)のB−B視図である。 第4実施形態を示す図で、(A)は部分的な側面図、(B)は(A)のB−B視図、(C)は(A)のC−C視断面図である。 第5実施形態を示す図で、(A)は部分的な側面図、(B)は(A)のB−B視図である。 第6実施形態を示す図で、(A)は側面図、(B)は拡張後の状態を示す図、(C)は(B)の部分的な拡大図である。
(1).第1実施形態の基本構造
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。まず、図1〜3に示す第1実施形態を説明する。本実施形態では、方向を特定するために先・後の文言を使用するが、施工部に打ち込むに際して先に施工部に入る部分を前としている。正面視は後ろから見た状態であり、側面視は、長手方向と直交した方向から見た状態としている。
自己穿孔型拡張式アンカー(以下、単に「アンカー」という)は、例えばコンクリート構造物に部材を締結するために使用されるものである。そして、アンカーは、図2(A)に示すように、後ろ向きに開口した筒状のアンカー本体1と、アンカー本体1の内部に配置されたボール2の群と、アンカー本体1の内部のうちボール2の群の後ろ側に配置された押圧用ボルト3と、アンカー本体1の先端部に取り付けたドリル部4とで構成されている。これらは、アンカー本体1、ボール2、押圧用ボルト3はいずれもスチール等の金属製である。ドリル部4は、工具鋼のような硬質鋼材や超硬材料を使用できる。
アンカー本体1のうち先端側のおおよそ半分程度の範囲に、周方向に等間隔を隔てて配置された4本のスリット5を形成しており、このスリット5を形成している部位が、軸心と直交した方向に広がり変形する拡張部6になっている。各スリット5はアンカー本体1の先端面に切り開かれている。従って、本実施形態のアンカーは、先割れ方式(オープン方式)である。
ボール2の群は、拡張部6を押し広げる拡張部材の一例であり、大径のものと小径のものとの2種類を使用している(3種類以上を使用することも可能である。)。アンカー本体1の先端部には、ボール2の抜けを阻止する内向きのストッパー部7が形成されている。ストッパー部7もスリット5で分断されている。拡張部6の内周面は、ストッパー部7を除いてストレートに形成されている。
アンカー本体1の内部には雌ねじ8が形成されており、押圧用ボルト3は雌ねじ8にねじ込まれている。そして、押圧用ボルト3をレンチ9でねじ込んでボール2の群を軸方向に押圧すると、図3(A)に示すように、ボール2の群は逃げ場を求めてアンカー本体1の軸心と直交した方向に逃げ移動する。これにより、拡張部6はボール2の群によって押し広げられる。
押圧用ボルト3は頭を持たない両切りタイプであり、後端面に、六角等の角形レンチ(ドライバビット)9が係合する角形穴(係合穴)10を形成している。なお、雌ねじ8は、拡張部6よりも後ろ側に形成することも可能であるし、拡張部6の全体又は一部まで入り込んでいてもよい。図2(A)及び図3では、便宜的に点線は省略しており、ボール2の群とスリット5とを実線で表示している。
(2).細部の説明
ドリル部4は板状に形成されており、山形の形態を成すように傾斜した一対の切り刃11を有している。従って、ドリル部4は、野球のホームベースに似た形態になっている。図1(C)に明示するように、切り刃11は、軸心と直交した方向から見て鋭角になっている。また、2つの切り刃11の先端は、チゼルエッジ12を介して繋がっている。なお、切り刃11のみを超硬部材で構成して、これをろう付けすることも可能である。
ドリル部4は、一直線に連続した一対のスリット5の先端部に嵌め込んでいるが、ドリル部4の厚さはスリット5の溝幅よりも大きい寸法に設定している。そこで、一対のスリット5の先端部に溝幅が広がった拡開部5aを形成して、この拡開部5aに、ドリル部4の後部を先端側から強制嵌合によって嵌め込んでいる。
この場合、ドリル部4を正確に位置決めするために、図2(A)に示すように、ドリル部4に後ろ向きの位置決め突起13を形成している一方、アンカー本体1の先端部に、スリット5の拡開部5aと連通した位置決め溝14を形成して、位置決め突起13を位置決め溝14にきっちり嵌め込んでいる。
図示の例では、位置決め突起13及び位置決め溝14は、ドリル部4の広幅面と直交した方向から見て円弧状に形成されている。従って、図2(A)に一点鎖線で示すように、位置決め溝14は、アンカー本体1の軸心と直交した方向に回転するミーリングカッター15によって容易に切削加工できる。スリット5の拡開部5aと位置決め溝14の加工とを、1つのミーリングカッター15によって一回で形成することも可能である。
なお、ドリル部4の位置決め突起13は、打ち抜き加工によって簡単に形成できる。位置決め突起13及び位置決め溝14は、長方形又は台形の四角形に形成してもよい。また、ドリル部4は、アンカー本体1に溶接又はろう付けによって固定することも可能である。
ドリル部4は、アンカー本体1の軸心と平行な側端面16を有しており、アンカー本体1の軸心からドリル部4の側端面16までの距離の2倍の寸法がドリル部4の回転外径になる。そこで、アンカー本体1の外径をドリル部4の回転外径と略同じ寸法に設定することにより、ドリル部4で空けられた下穴17(図2(B)(C)参照)とアンカー本体1との間のクリアランスを極小にしており、かつ、切り粉の排除を容易にするために、アンカー本体1の外周に螺旋状の切り粉排出溝18を形成している。
切り粉排出溝18を形成すると、隣り合った切り粉排出溝18の間の部分は突条19になるが、切り粉排出溝18の溝幅が突条19の幅の数倍の寸法になるように設定している。また、切り粉排出溝18を3条溝のような多条溝に形成することにより、切り粉排出溝18のリード角を大きくしている。従って、切り粉の排出が容易になっている。
アンカー本体1は、図1(A)に全体が表示されたドライバビット21を使用して回転駆動される。ドライバビット21は、電動式又はエア式等の動力工具(図示せず)にセットされる六角棒状のビット本体22を備えており、ビット本体22の先端部に、アンカー本体1の後端面に当接する円形のフランジ部23を一体に設け、フランジ部23に、アンカー本体1の中空部に嵌入する円形の位置決めボス部24を形成し、ボス部24に、軸心を挟んだ両側に突出したリブ25を形成している。
他方、アンカー本体1の後端部には、ドライバビット21のリブ25が嵌脱する一対の係合溝26が、後ろ向きに切り開かれた状態に形成されている。ドライバビット21のボス部24は、僅かのクリアランスを持ってアンカー本体1の中空部に嵌入するように設定している。従って、基本的には、アンカー本体1とドライバビット21とは同心に保持される。
(3).まとめ
図2(B)に示すように、ドライバビット21をアンカー本体1に係合させて、施工部27に押し当てながら回転させることにより、施工部27に下穴17が空けられる。そして、図2(B)のように下穴17が所定深さに空けられたら、ドライバビット21を抜き外してから、図3(A)に示すように、動力工具にレンチ9を付け替えて押圧用ボルト3を回転操作して、拡張部6を拡開する。これにより、拡張部6が下穴17に強く突っ張って、アンカー本体1は抜け不能に保持される。
そこで、図3(B)に示すように、施工部27に固定すべき部材28を配置して、締結用ボルト29をアンカー本体1に雌ねじ8にねじ込んで、部材28を施工部27に締結する。これにより、部材28の固定作業が完了する。
このように、アンカー自体が下穴17の穿孔機能を持っているため、ドリルを使用した穿孔作業は不要であるが、アンカーはボール2の群で拡張するものであって、押圧用ボルト3はアンカー本体1に内蔵されているため、下穴17を自己穿孔するにおいて、一々押圧用ボルト3を取り外す必要はない。このため、下穴17の穿孔作業と部材28の締結作業とを一連に行うことができる。従って、特許文献2に比べて作業の手間を軽減できる。
図2(B)に一点鎖線で示すように、ドライバビット21のフランジ部23をアンカー本体1の外径より大きい外径に設定すると、アンカー本体1の後端面が施工部27の表面と同一面になるように、下穴17の深さを自動的に設定することができる。たのため、部材28を、アンカー本体1の後端面と施工部27の表面とに重なった状態で固定することができる。
ドライバビット21のフランジ部23を、アンカー本体1の外径と同じかやや小径の小径先端部と、アンカー本体1の外径よりも大径の部分とが有する段付き状に形成して、アンカー本体1が施工部27の表面よりも僅かの寸法(例えば1〜3mm)だけ施工部27の内部に入り込むように設定することも可能である。この場合は、部材28を施工部27の表面に確実に密着させることができる。
なお、アンカー本体1の後端部に、施工部27の表面に重なるフランジを形成することも可能である。この場合は、アンカー本体1のフランジによって下穴17の深さが規定される。
(4).他の実施形態
次に、図4以下に示す他の実施形態を説明する。図4に示す第2実施形態では、切り粉排出溝18をアンカー本体1の軸線と平行に形成している。この例から理解できるように、切り粉排出溝18の姿勢や条数、深さなどは任意に設定することができる。溝幅が異なる切り粉排出溝18を形成することも可能である。なお、切り粉排出溝18を転造で形成する場合は、第1実施形態のように螺旋状に形成するのが好ましい。
図5に示す第3実施形態では、アンカー本体1に4本のスリット5を形成した場合において、切り刃11を、各スリット5に対応して背面視十文字状に形成している。また、この実施形態では、各切り刃11の交差部はチゼルエッジではなくて、先窄まりのピンポイントエッジになっている。ドリル部4の先端をピンポイントエッジに形成すると、施工部27に下穴17を空けるにおいて、先端が滑り動くことを防止できるため、穿孔位置の位置決めを正確に行える利点がある。
図6に示す第4実施形態では、スリット5は周方向に等間隔を隔てた3か所に形成している。また、切り刃11は、スリット5に対応して3枚設けており、かつ、各切り刃11の先端はピンポイントエッジに収束している。図6では、切り粉排出溝18は省略している。
拡張部6において、スリット5を挟んで隣り合った部分は軸方向に長い舌片になっているが、第4実施形態のように、3本のスリット5を有する3つ割方式を採用すると、ボール2の群による押圧力が各舌片に均等に作用するため、拡張部6を均等に広げて、高い保持力を確保することができる。従って、品質を安定化させて、信頼性を向上できる。
図7に示す第5実施形態は、スリット5がアンカー本体1の先端まで切り開かれていないクローズドタイプに適用している。そして、この実施形態では、アンカー本体1の外径を切り刃11の回転外径よりも小径に設定することにより、切り粉の排出を容易ならしめつつ、突起30の群により、アンカー本体1をぐらつくことなく安定した状態に保持している。
このように突起30の群を形成することは、スリット5がアンカー本体1の先端面まで切り開かれたオープンタイプのアンカーにも適用できる。また、本実施形態のようなクローズドタイプの場合、ドリル部4は、アンカー本体1にねじ込みによって取り付けることも可能である。
図8に示す第6実施形態では、アンカー本体1の外径をドリル部4の回転外径よりも小径に設定しつつ、拡張部6にはクサビ作用スリーブ31を装着し、拡張部6よりも後ろ側の大部分には、スペーサ用スリーブ32を嵌着している。
スリーブ31,32は薄金属板製であり、それぞれ突起33の群を形成することにより、アンカー本体1が下穴17の内部で振れ動かないように保持しつつ、切り粉の排除を容易ならしめている。そして、拡張部6が広がり変形すると、クサビ作用スリーブ31の突起33は偏平に潰れて、クサビ作用スリーブ31は拡張部6及び下穴17に密着するが、アンカー本体1を引き抜こうとする外力に対して、クサビ作用スリーブ31がくさび作用によって強い抵抗として作用するため、アンカーは極めて高い締結強度(引き抜き抵抗)を得ることができる。
クサビ作用スリーブ31はアンカー本体1に対して相対動することが必要であるが、スペーサ用スリーブ32はずれ動かないのが好ましい。従って、スペーサ用スリーブ32は、アンカー本体1に対してスポット溶接などで固定しておいてもよい。
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は、他にも様々に具体化できる。例えば、アンカー本体1は円形である必然性はないのであり、例えば正8角形などの多角形に形成することも可能である。スリットの数は4本又は3本に限らず、6本などの任意の本数を選択できる。外径や内径、長さも任意に設定できる。拡張部材も、特許文献1に開示されているものなど、様々な形態のものを採用可能である。ALC用のアンカーの場合は、ドリル部は、木ねじの先端部の形状に形成することも可能である。
また、ドリル部をアンカー本体に一体に形成することも可能である。特に、ALCに使用する場合は、ドリル部にはそれほどの硬さは要求されてないため、ドリル部をアンカー本体に一体に形成することの現実性は高いと云える。
本願発明は、自己穿孔型拡張式アンカー及びドライバビットに具体化できる。従って、産業上利用できる。
1 アンカー本体
2 拡張部材の一例としてのボール
3 押圧用ボルト
4 ドリル部
5 スリット
6 拡張部
8 雌ねじ
9 押圧用ボルト用のレンチ
11 切り刃
17 下穴
18 切り粉排出溝
21 ドライバビット
22 ビット本体
23 フランジ部
24 位置決めボス部
25 リブ
26 係合溝
27 施工部
28 締結される部材

Claims (5)

  1. 軸心と直交した方向に広がり変形する拡張部を有する筒状のアンカー本体と、前記アンカー本体の内部に配置された拡張部材と、前記拡張部材を軸方向に押圧するために前記アンカー本体の内部に隠れた状態にねじ込まれて配置された押圧用ボルトとを備えており、
    前記押圧用ボルトのねじ込みによる前記拡張部材の押圧作用により、前記拡張部が軸心と直交した方向に押し広げられるようになっている構成であって、
    前記アンカー本体の先端に、当該アンカー本体の回転によって施工部に下穴を空けるドリル部が設けられている一方、
    前記アンカー本体の後端部には、前記押圧用ボルトが内部に配置された状態のままでドライバビットを着脱できる係合部が形成されている、
    自己穿孔型拡張式アンカー。
  2. 前記アンカー本体の外周面に、穿孔により発生した切り粉を排除する溝が形成されている、
    請求項1に記載した自己穿孔型拡張式アンカー。
  3. 前記アンカー本体の係合部は、ドライバビットを軸方向の移動によって自在に嵌脱できる形態である、
    請求項1又は2に記載した自己穿孔型拡張式アンカー。
  4. 前記アンカー本体の内部には、前記押圧用ボルト及び部材締結用ボルトがねじ込まれる雌ねじが、当該アンカー本体の後端まで形成されている一方、
    前記係合部は、前記アンカーの後端面に切り開かれた係合溝であり、前記係合溝は、前記雌ねじを分断した状態に形成されている、
    請求項3に記載した自己穿孔型拡張式アンカー。
  5. 請求項4に記載した自己穿孔型拡張式アンカーに使用するドライバビットであって、
    前記アンカー本体の後端部にガタ付きが殆どない状態に差し込まれる位置決めボス部に、前記アンカー本体の係合溝に嵌入するリブが形成されている、
    自己穿孔型拡張式アンカー用のドライバビット。
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